JP6926507B2 - 微細セルロース繊維含有シート、その粉砕物及び樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、微細セルロース繊維を含む樹脂複合体の分野においては、機械的強度に優れた樹脂複合体の開発が求められている。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
測定方法(a)
水分散体中に含まれる微細セルロース繊維の含有量を絶乾質量で0.3gとなるように調整し、カナダ標準ろ水度試験機に装着するふるい板としてステンレスワイヤー製の80メッシュのふるい板を用いる以外は、JIS P 8121−2(2012)に準拠して水分散体のフリーネスを測定する。
[2] 引張強度が15〜60MPaである[1]に記載の微細セルロース繊維含有シート。
[3] 微細セルロース繊維含有シートを連続して巻き取ったロール状体である[1]又は[2]に記載の微細セルロース繊維含有シート。
[4] 樹脂複合体成形用である[1]〜[3]のいずれかに記載の微細セルロース繊維含有シート。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の微細セルロース繊維含有シートの粉砕物。
[6] [5]に記載の粉砕物と、樹脂と、を含む樹脂組成物。
[7] 樹脂は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂である[6]に記載の樹脂組成物。
[8] [1]〜[4]のいずれかに記載の微細セルロース繊維含有シートに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグ。
本発明は、繊維幅が4〜5000nmの微細セルロース繊維を含む微細セルロース繊維含有シートに関する。ここで、微細セルロース繊維含有シートをJIS P 8220−1(2012)に準拠して離解して得た水分散体のフリーネスであって、下記測定方法(a)で測定した際のフリーネスは、100〜500mlである。
測定方法(a);
水分散体中に含まれる微細セルロース繊維の含有量を絶乾質量で0.3gとなるように調整し、カナダ標準ろ水度試験機に装着するふるい板としてステンレスワイヤー製の80メッシュのふるい板を用いる以外は、JIS P 8121−2(2012)に準拠して水分散体のフリーネスを測定する。
具体的には、水分散体を、固形分濃度が0.030質量%となるように水で希釈し、試料温度を20℃に調整した後、試料1000mLをメスシリンダーへ移す。次いで、メスシリンダーの開口部を手でふさぎ、メスシリンダーを反転し、試料を混合した後、試料をろ水筒へ注ぐ。下蓋を開き、5秒経過後、空気コックを開いて試料を流下する。サイドオリフィスからの排水を採取し、量を読み取り読み取った量をフリーネスとする。
微細セルロース繊維含有シートの水分含有率は、10〜50質量%であればよく、12〜48質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることがより好ましい。微細セルロース繊維含有シートの水分含有率を10質量%以上とすることにより、セルロース繊維間に強固な水素結合が形成されることを抑制することができ、結果として樹脂(特にポリオレフィンやポリエステルなどの疎水性樹脂)との混合を容易にすることができる。また、微細セルロース繊維含有シートの水分含有率を50質量%以下とすることにより、抄紙時にシートが破断することを抑制でき、また、樹脂成分との混合を容易にすることができる。
水分含有率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)/乾燥前重量×100
本発明の微細セルロース繊維含有シートは、微細セルロース繊維を含む。微細セルロース繊維は、繊維幅が4〜5000nmのセルロース繊維である。繊維幅が4nm以上であれば、樹脂との均一な溶融混練が容易になる。また、セルロース繊維の微細化過程で繊維長が短くなりすぎたり、結晶性が低下することが抑制されるため、結果として樹脂複合体(成形体)の機械的特性(曲げ強度や曲げ弾性率、引張強度や引張弾性率、耐衝撃性)や耐熱性(熱変形温度、線熱膨張係数)を向上させることができる。また、繊維幅が5000nm以下であれば、樹脂複合体(成形体)の表面に繊維が浮き出ることを抑制することができ、塗装適性や耐摩耗性を高めることができる。微細セルロース繊維含有シートに含まれる微細セルロース繊維の平均繊維幅は、4〜5000nmであることが好ましく、10〜4000nmであることがより好ましく、50〜2500nmであることがさらに好ましい。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、直線Xに対し、20本以上の微細セルロース繊維が交差する。
(2)同じ画像内で直線と垂直に交差する直線Yを引き、直線Yに対し、20本以上の微細セルロース繊維が交差する。
中でも、セルロース繊維原料はバージンパルプであることが好ましい。ここで、バージンパルプとは、製紙された履歴を有しないパルプを意味する。
抄紙速度は坪量に大きく依存するが、坪量が20〜70g/m2の範囲であれば10〜1000m/minが好ましく、20〜800m/minがより好ましく、30〜600m/minがさらに好ましい。
本発明は、上述した微細セルロース繊維含有シートの粉砕物に関するものでもある。ここで、粉砕物とは、微細セルロース繊維含有シートをカッターミルなど通常の乾式の粉砕方法で粉砕して得られたものである。粉砕物は、粉状及び/又は粒状の物質であることが好ましく、粉砕物の平均粒子径は、0.1〜10mmであることが好ましく、0.3〜7mmであることがより好ましく、0.5〜5mmであることがさらに好ましい。粉砕物の平均粒子径を0.1mm以上とすることにより、粉舞を抑制することができる。また、粉砕物の平均粒子径を0.1mm以上とすることにより、粉砕エネルギーにより微細セルロース繊維がダメージを受けたり、繊維長が短くなることを抑制できる。なお、粉砕物の平均粒子径を10mm以下とすることにより、樹脂成分と均一に混合しやすくなる。
水分含有率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)/乾燥前重量×100
なお、粉砕時の水分蒸発量が多い場合は、密閉して粉砕したり、加湿や加水などを行って、上記水分含有率となるように調整することが好ましい。
本発明は、上述した微細セルロース繊維含有シートの粉砕物と、樹脂と、を含む樹脂組成物に関するものでもある。本発明の微細セルロース繊維含有シートは、樹脂との複合化に用いられるものでもあることが好ましい。
樹脂複合体(成形体)の曲げ強度は、36MPa以上であることが好ましく、40MPa以上であることがより好ましい。また、樹脂複合体(成形体)の曲げ弾性率は、1.8GPa以上であることが好ましく、2.0GPa以上であることがより好ましい。
樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、上述した微細セルロース繊維含有シートに熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製してもよい。本発明は、このようなプリプレグに関するものであってもよい。プリプレグを製造する際には、上述した微細セルロース繊維含有シートに熱硬化性樹脂を含浸して加熱し、半硬化状態(Bステージ)とする。半硬化状態(Bステージ)状態とするには、熱硬化性樹脂を含浸した微細セルロース繊維含有シートを、例えば、50〜100℃程度の温度で1〜10分間加圧プレスしてもよい。このようなプリプレグを真空成形やプレス成形することにより樹脂複合体(成形体)を製造することもできる。
針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙株式会社製、水分含有率50質量%)に水を加えて、固形分濃度が4.0質量%になるように分散した。その後、ダブルディスクリファイナーで連続循環叩解を行い、セルロース繊維の微細化を行った。得られた微細セルロース繊維の水分散体のフリーネス(0.3g法)は230mlであった。得られた微細セルロース繊維の水分散体を長網抄紙機で抄紙し、脱水及び乾燥(150℃)を行うことで、表1に記載の坪量、水分含有率、密度、引張強度の微細セルロース繊維含有シート(連続シートの巻取り)を得た。得られた微細セルロース繊維含有シートを、JIS P 8220−1 (2012)「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠して水に離解して得られた水分散体のフリーネスであって、後述する方法で測定したフリーネスは、235mlであった。
長網抄紙機のプレス条件や乾燥条件を変えて、表1に記載の水分含有率となるように調整した以外は、実施例1と同様にして微細セルロース繊維含有シート(連続シートの巻取り)を得た。得られた微細セルロース繊維含有シートの坪量、水分含有率、密度、引張強度、再離解後のフリーネスは表1の通りであった。
ダブルディスクリファイナーの連続循環叩解の時間を変えて、微細セルロース繊維の水分散体のフリーネス(0.3g法)を150ml、345ml、480mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして微細セルロース繊維含有シート(連続シートの巻取り)を得た。得られた微細セルロース繊維含有シートの坪量、水分含有率、密度、引張強度、再離解後のフリーネスは表2の通りであった。
長網抄紙機のプレス条件や乾燥条件を変えて、水分含有率を6質量%としたこと以外は実施例1と同様にして微細セルロース繊維含有シート(連続シートの巻取り)を得た。得られた微細セルロース繊維含有シートの坪量、水分含有率、密度、引張強度、再離解後のフリーネスは表1の通りであった。
長網抄紙機のプレス条件や乾燥条件を変えて、水分含有率を61質量%としたこと以外は実施例1と同様にして微細セルロース繊維含有シートを得たが、製造中に断紙(紙切れ)が多発して連続シートは得られなかった。なお、得られた微細セルロース繊維含有シートの坪量、水分含有率、密度、引張強度、再離解後のフリーネスは表1の通りであった。
ダブルディスクリファイナーの連続循環叩解の時間を変えて、微細繊維セルロース繊維水分散体のフリーネス(0.3g法)を860mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして微細セルロース繊維含有シート(連続シートの巻取り)を得た。得られた微細セルロース繊維含有シートの坪量、水分含有率、密度、引張強度、再離解後のフリーネスは表2の通りであった。
ダブルディスクリファイナーの連続循環叩解の時間を変えて、微細繊維セルロース繊維水分散体のフリーネス(0.3g法)を20mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして微細セルロース繊維含有シート(連続シートの巻取り)を得ようとしたが、抄紙機の脱水ゾーンで十分に脱水できず断紙してしまい連続シートが得られなかった。
セルロース繊維の平均繊維長及び平均繊維幅、微細セルロース繊維含有シートの水分含有率、再離解後のフリーネス(0.3g法)、引張強度は、以下の方法で測定した。
微細セルロース繊維含有シートをJIS P8220−1 (2012)「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠して再離解して得られた微細セルロース繊維の水分散体を得た。「JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52:2000 パルプ及び紙―繊維長試験方法―光学的自動計測法」に準ずるカヤーニ社製:繊維長測定装置「FiberLab」を用いて、水分散体に含まれる微細セルロース繊維の長さ荷重平均繊維長を測定し、微細セルロース繊維の平均繊維長とした。
微細セルロース繊維含有シートの表面を走査型電子顕微鏡にて観察した。この際、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料及び観察条件(倍率等)とした。この条件を満足する観察像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維幅を目視で読み取った。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で観察し、各々2つの軸の交錯する繊維の繊維幅の値を読み取り(最低20本×2×3=120本の繊維幅)平均値を算出した。これを、微細セルロース繊維の平均繊維幅とした。
微細セルロース繊維含有シートを幅25cm×長さ25cmの大きさにカットしたものを16枚用意し、重量を測定した(乾燥前重量)。その後、サンプリングした微細セルロース繊維含有シートを110℃で3時間乾燥させ、乾燥後の重量を測定して水分含有率を測定した。
水分含有率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)/乾燥前重量×100
再離解後の水分散体のフリーネスを測定する際には、まず、微細セルロース繊維含有シートをJIS P8220−1 (2012)「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠して、水に離解し、水分散体を得た。具体的には、絶乾で30g相当の微細セルロース繊維含有シートを採取し、1cm角になるように細かくちぎり、1Lの水中に4時間以上浸漬した。次いで、容積が2Lとなるように水を加え、これをJIS P 8220−1に規定の標準離解機の容器に移した。そして、累積回転数が30000回となるまで離解し、水分散体を得た。
得られた水分散体のフリーネスは、変則フリーネス測定方法(0.3g法)で測定した。変則フリーネス測定方法は、JIS P 8121−2 (2012)「パルプ−ろ水度試験方法− 第2部:カナダ標準ろ水度法」に準拠した測定方法であるが、用いる微細セルロース繊維の量は、絶乾質量で0.3g相当とし、カナダ標準ろ水度試験機に装着する孔のあいたふるい板は、ステンレスワイヤー製の80メッシュのふるい板を用いた測定方法である。
具体的には、再離解した微細セルロース繊維の水分散体を、固形分濃度0.030質量%となるように水で希釈した。試料温度を20℃に調整し、試料1000mLをメスシリンダーへ移した。メスシリンダーの開口部を手でふさぎ、メスシリンダーを反転し、試料を混合し、試料をろ水筒へ注いだ。下蓋を開き、5秒経過後、空気コックを開いて試料を流下した。サイドオリフィスからの排水を採取し、量を読み取り読み取った量をフリーネスとした。
微細セルロース繊維含有シートの引張強度は抄紙機の流れ方向(縦)の強度と流れ方向と直角の方向(横)の強度をそれぞれ測定し、その相乗平均をシートの引張強度とした。各方向の引張強度は、JIS K 7161「プラスチック−引張特性の求め方」に準拠して測定した。引張試験機としては、株式会社エーアンドディー社製のテンシロン(型式:RTG−1250)を用いた。引張強度測定時の引張速度は1.0mm/分とした。
微細セルロース繊維含有シートの坪量は幅25cm×長さ25cmのシート16枚分の重さを測定して坪量とした。密度はJIS P 8118「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。ただし紙は調湿せずに水分を維持した状態で測定した(厚さや坪量測定後に水分含有率が変わっていないことを確認した)。
実施例及び比較例で得られた微細セルロース繊維含有シートをオリエント粉砕機(株)製の竪型粉砕機「VM42K」で粉砕し、微細セルロース繊維を含む粉砕物(粉粒物)を得た。なお、実施例及び比較例で連続シートの巻取り(ロール状体)が得られている場合は、シートの巻取りを断裁後に粉砕処理した。なお、比較例2では粉砕機にシートが詰まるなどして、粉砕ができなかった。
水分含有率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)/乾燥前重量×100
実施例及び比較例で得られた微細セルロース繊維含有シートの粉砕物(粉粒物)8kgと、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE:日本ポリエチレン製、ノバテックHD HJ490N、融点133℃、MFR20g/10min)のペレット12kgをドライブレンドした。その後、溶融混合装置(エムアンドエフ・テクノロジー社製、型番:MF‐1000)の混合室内に投入し、200℃、5MPaの条件で混合室内の水分を亜臨界状態にするとともに2分間溶融混練した。その後、樹脂吐出口から棒状の微細セルロース繊維含有樹脂組成物を押出し、ステンレス製トレーの上に載せ、室温で冷却して固化させた。固化した微細セルロース繊維含有樹脂組成物をペレット状(マスターバッチペレット)に裁断した。マスターバッチペレットにおける微細セルロース繊維の含有量は、40質量%であった。
成形体(樹脂複合体)の曲げ強度と曲げ弾性率は、JIS K 7171「プラスチック−曲げ特性の求め方」に準じて測定した。引張試験機として株式会社エーアンドディー社製のテンシロン(型式:RTG−1250)を用いた。引張強度測定時の引張速度は2.0mm/分とした。
結果を表1〜3に記載する。表1及び2から明らかなように、水分が10%以上になると成形体の強度が上がり、外観が向上することが分かる。また、水分が50%を超えると粉砕ができず成形体が得られない。
外観は目視で判定して、以下の基準で評価した。
○:成形体の表面を観察した際、目視で分かる大きいセルロース繊維の塊が10個以下である
△:成形体の表面を観察した際、目視で分かる大きいセルロース繊維の塊が11個以上30個以下である
×:成形体の表面を観察した際、目視で分かる大きいセルロース繊維の塊が31個以上ある
なお、比較例4では、連続シートが得られず、工業的に微細セルロース繊維含有樹脂組成物の成形体(樹脂複合体)を製造することができなかった。
上述した(樹脂複合体の成形)において、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を、それぞれポリプロピレン(PP:日本ポリプロピレン製 ノバテックPP MG03BD、融点163℃、MFR30g/10min)もしくはポリアミド12(PA12:アルケマ製 Rilsamid、融点175℃)に変更した以外は、同様の方法で微細セルロース繊維含有樹脂組成物の成形体(樹脂複合体)を得た。
ポリプロピレン(PP)もしくは、ポリアミド12(PA12)を長さ80mm、幅10mm、厚さ4.0mmに成形し、成形体を得た。
実施例1の微細セルロース繊維含有シートに富士高分子株式会社製のDAP樹脂(エステル系熱硬化性樹脂)を含浸し、80℃で熱プレスして半硬化(Bステージ)のプリプレグを得た。本プリプレグ中の微細セルロース繊維の含有量は55質量%であった。得られたプリプレグを160℃で熱プレスして引張強度を測定したところ53MPaであり、微細セルロース繊維含有シートより引張強度が向上することが分かった。
Claims (5)
- 繊維幅が4〜5000nmの微細セルロース繊維を含む微細セルロース繊維含有シートであって、
前記微細セルロース繊維含有シートをJIS P 8220−1(2012)に準拠して離解して得た水分散体のフリーネスであって、下記測定方法(a)で測定した際のフリーネスが、100〜500mlであり、
水分含有率が10〜50質量%であり、
密度が0.55〜1.05g/cm3である微細セルロース繊維含有シート;
測定方法(a)
前記水分散体中に含まれる前記微細セルロース繊維の含有量を絶乾質量で0.3gとなるように調整し、カナダ標準ろ水度試験機に装着するふるい板としてステンレスワイヤー製の80メッシュのふるい板を用いる以外は、JIS P 8121−2(2012)に準拠して前記水分散体のフリーネスを測定する。 - 引張強度が15〜60MPaである請求項1に記載の微細セルロース繊維含有シート。
- 前記微細セルロース繊維含有シートを連続して巻き取ったロール状体である請求項1又は2に記載の微細セルロース繊維含有シート。
- 樹脂複合体成形用である請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維含有シート。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維含有シートに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグ。
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