JP6997128B2 - 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに樹脂の補強材 - Google Patents

繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに樹脂の補強材 Download PDF

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Description

本発明は、繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに樹脂の補強材に関するものである。
セルロースナノファイバーは、通常、分散液(スラリー)の状態で得られるが、分散液の状態で輸送するとコストが嵩む。そこで、事業化するにあたっては、セルロースナノファイバーの分散液を乾燥し、乾燥物として輸送するのが合理的である。しかしながら、分散液を乾燥させると、セルロースナノファイバー同士が水素結合によって強く凝集する。したがって、セルロースナノファイバーを再び水に分散させるのが難しく、乾燥前のようには分散しなくなる。
このような背景のもと、本発明者等は、セルロースナノファイバーの再分散性を向上させることを目的として、ヒドロキシ酸類の使用を提案し(特許文献1参照)、また、グリセリン又はグリセリン誘導体の使用を提案した(特許文献2参照)。これらの提案によれば、セルロースナノファイバーの再分散性は十分に向上する。
一方、近年、セルロースナノファイバー、ミクロフィブリル化セルロース等の微細繊維は、樹脂の補強材としての使用が脚光を浴びている。そこで、本発明者等は、上記提案に従って乾燥物とした微細繊維について、樹脂の補強材としての性能を調べるために各種試験を行った。しかるに、この試験の過程において、上記提案による乾燥物を使用した場合、得られる繊維状セルロース複合樹脂は、強度の点で改善の余地があることが分かった。
特開2017-2138号公報 特開2017-101184号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、強度に優れる繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに乾燥物にしたとしても樹脂の補強効果に優れる樹脂の補強材を提供することにある。
本発明者等は各種試験を行うなかで、特許文献1,2の乾燥物は水に対する再分散性に優れるが、樹脂の補強効果を向上するという点では改善の余地があることを知見した。この知見のもと想到するに至ったのが下記に示す手段である。
なお、特許文献1,2が樹脂の補強材にすることを主眼とするものであれば、その時点で本発明を想到することができた可能性もある。しかしながら、特許文献1,2の開発は再分散性の向上を主眼としてなされたものであり、樹脂の補強効果を向上することを主眼とするものではなかった。また、乾燥物をいったん水に分散させ、分散液の状態で樹脂と混合することも可能であるが、樹脂との混合に伴って微細繊維の水分を蒸発させるというのは非常に熱効率が悪い。
(請求項1に記載の手段)
繊維状セルロース及び液状の分散剤の混合物と、樹脂とを含み、
前記繊維状セルロースの一部又は全部として微細繊維を含み、
前記分散剤がカルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方であり、
前記混合物は乾燥後に粉砕した平均粒子径が500μm以下の粉状物で、
前記微細繊維がセルロースナノファイバーで、
前記分散剤の混合量が前記セルロースナノファイバー100質量部に対して1~100
質量部であり、
前記セルロースナノファイバーのパルプ粘度が1.0~10.0cpsで、かつ前記粉状物の嵩比重が0.05~1.0である、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂。
(請求項2に記載の手段)
前記セルロースナノファイバーが平均繊維径100nm以下である、
請求項1に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
(請求項3に記載の手段)
前記セルロースナノファイバーの結晶化度が95~50%である、
請求項1又は請求項2に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
(請求項4に記載の手段)
前記混合物及び前記樹脂は溶融混練されており、
この混練の際の前記混合物の水分率が30%以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
(請求項5に記載の手段)
繊維状セルロースのスラリーに液状の分散剤を混合して混合物とし、この混合物を乾燥及び粉砕して粉状物としてから樹脂と混練するものとし、
前記繊維状セルロースの一部又は全部として微細繊維を使用し、
前記分散剤としてカルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方を使用し、
前記粉状物は平均粒子径500μm以下にし、
前記微細繊維としてセルロースナノファイバーを使用し、
前記分散剤の混合量を前記セルロースナノファイバー100質量部に対して1~100質量部とし、
前記セルロースナノファイバーとしてパルプ粘度が1.0~10.0cpsのものを使用し、かつ前記粉状物の嵩比重を0.05~1.0とする、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
(請求項6に記載の手段)
前記セルロースナノファイバーとして平均繊維径100nm以下のセルロースナノファイバーを使用する、
請求項5に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
(請求項7に記載の手段)
熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の補強材であり、
繊維状セルロース及び液状の分散剤の混合物で、
前記繊維状セルロースの一部又は全部として微細繊維を含み、
前記分散剤がカルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方で、
前記混合物は乾燥後に粉砕した平均粒子径が500μm以下の粉状物で、
前記微細繊維がセルロースナノファイバーで、
前記分散剤の混合量が前記セルロースナノファイバー100質量部に対して1~100質量部であり、
前記セルロースナノファイバーのパルプ粘度が1.0~10.0cpsで、かつ前記粉状物の嵩比重が0.05~1.0である、
ことを特徴とする樹脂の補強材。
本発明によると、強度に優れる繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに乾燥物にしたとしても樹脂の補強効果に優れる樹脂の補強材となる。
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、本実施の形態は本発明の一例である。本発明の範囲は、本実施の形態の範囲に限定されない。
本形態の繊維状セルロース複合樹脂は、繊維状セルロース及び分散剤の混合物と、樹脂とを含む。繊維状セルロースは、例えば、セルロースナノファイバー(CNF)やミクロフィブリル化セルロース(MFC)等の微細繊維等が混合されてなる。また、分散剤は、カルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方である。混合物の平均粒子径は、500μm以下である。
この繊維状セルロース複合樹脂は、例えば、繊維状セルロースのスラリーに分散剤を混合して混合物とし、この混合物を乾燥及び粉砕して粉状物としてから樹脂と混練することで得ることができる。以下、詳細に説明する。なお、繊維状セルロースは、「セルロース繊維」ともいう。
(セルロースナノファイバー)
本形態の繊維状セルロースは、その一部又は全部として微細繊維を含む。微細繊維としては、セルロースナノファイバー及びミクロフィブリル化セルロースの少なくともいずれか一方を、好ましくは、セルロースナノファイバーを含む。
セルロースナノファイバーは、樹脂の強度を大幅に向上する役割を有する。セルロースナノファイバーは、原料パルプを解繊(微細化)することで得ることができる。
セルロースナノファイバーの原料パルプとしては、例えば、広葉樹、針葉樹等を原料とする木材パルプ、ワラ・バガス・綿・麻・じん皮繊維等を原料とする非木材パルプ、回収古紙、損紙等を原料とする古紙パルプ(DIP)等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。なお、以上の各種原料は、例えば、セルロース系パウダーなどと言われる粉砕物(粉状物)の状態等であってもよい。
ただし、不純物の混入を可及的に避けるために、セルロースナノファイバーの原料パルプとしては、木材パルプを使用するのが好ましい。木材パルプとしては、例えば、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ、機械パルプ(TMP)等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
広葉樹クラフトパルプは、広葉樹晒クラフトパルプであっても、広葉樹未晒クラフトパルプであっても、広葉樹半晒クラフトパルプであってもよい。同様に、針葉樹クラフトパルプは、針葉樹晒クラフトパルプであっても、針葉樹未晒クラフトパルプであっても、針葉樹半晒クラフトパルプであってもよい。
機械パルプとしては、例えば、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、漂白サーモメカニカルパルプ(BTMP)等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
原料パルプは、解繊するに先立って化学的手法によって前処理することもできる。化学的手法による前処理としては、例えば、酸による多糖の加水分解(酸処理)、酵素による多糖の加水分解(酵素処理)、アルカリによる多糖の膨潤(アルカリ処理)、酸化剤による多糖の酸化(酸化処理)、還元剤による多糖の還元(還元処理)等を例示することができる。
解繊に先立ってアルカリ処理すると、パルプが持つヘミセルロースやセルロースの水酸基が一部解離し、分子がアニオン化することで分子内及び分子間水素結合が弱まり、解繊におけるセルロース繊維の分散が促進される。
アルカリ処理に使用するアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の有機アルカリ等を使用することができる。ただし、製造コストの観点からは、水酸化ナトリウムを使用するのが好ましい。
解繊に先立って酵素処理や酸処理、酸化処理を施すと、セルロースナノファイバーの保水度を低く、結晶化度を高くすることができ、かつ均質性を高くすることができる。この点、セルロースナノファイバーの保水度が低いと脱水し易くなり、セルロース繊維スラリーの脱水性が向上する。
原料パルプを酵素処理や酸処理、酸化処理すると、パルプが持つヘミセルロースやセルロースの非晶領域が分解される。結果、微細化処理のエネルギーを低減することができ、セルロース繊維の均一性や分散性を向上することができる。ただし、前処理は、セルロースナノファイバーのアスペクト比を低下させるため、樹脂の補強材にするという点では、過度の前処理を避けるのが好ましい。
原料パルプの解繊は、例えば、ビーター、高圧ホモジナイザー、高圧均質化装置等のホモジナイザー、グラインダー、摩砕機等の石臼式摩擦機、単軸混練機、多軸混練機、ニーダーリファイナー、ジェットミル等を使用して原料パルプを叩解することによって行うことができる。ただし、リファイナーやジェットミルを使用して行うのが好ましい。
原料パルプの解繊は、得られるセルロースナノファイバーの平均繊維径、平均繊維長、保水度、結晶化度、擬似粒度分布のピーク値、パルプ粘度、分散液のB型粘度が、以下に示すような所望の値又は評価となるように行うのが好ましい。
セルロースナノファイバーの平均繊維径(平均繊維幅。単繊維の直径平均。)は、好ましくは1~100nm、より好ましくは10~80nm、特に好ましくは20~60nmである。セルロースナノファイバーの平均繊維径が1nmを下回ると、脱水性が悪化するおそれがある。また、セルロースナノファイバーを分散剤と混合する本形態においては、分散剤がセルロースナノファイバーを十分に覆わなくなり(に十分に纏わりつかなくなり)、再分散性の向上効果が不十分になるおそれがある。他方、セルロースナノファイバーの平均繊維径が100nmを上回ると、セルロースナノファイバー1本当たりに含まれるセルロース単結晶の個数が増えるため、補強効果が低くなるおそれがある。
セルロースナノファイバーの平均繊維径は、例えば、原料パルプの選定、前処理、解繊等によって調整することができる。
セルロースナノファイバーの平均繊維径の測定方法は、次のとおりである。
まず、固形分濃度0.01~0.1質量%のセルロースナノファイバーの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t-ブタノール20mlで3回溶媒置換する。次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて3,000倍~30,000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の幅を目視で計測する。そして、計測値の中位径を平均繊維径とする。
セルロースナノファイバーの平均繊維長(単繊維の長さ)は、好ましくは0.1~1,000μm、より好ましくは0.5~500μm、特に好ましくは1~100μmである。セルロースナノファイバーの平均繊維長が0.1μmを下回ると、セルロースナノファイバー同士の三次元ネットワークを構築できず、補強効果が低下するおそれがある。他方、セルロースナノファイバーの平均繊維長が1,000μmを上回ると、繊維同士が絡み易くなり、再分散性が十分に向上しないおそれがある。
セルロースナノファイバーの平均繊維長は、例えば、原料パルプの選定、前処理、解繊等によって調整することができる。
セルロースナノファイバーの平均繊維長の測定方法は、平均繊維径の場合と同様にして、各繊維の長さを目視で計測する。計測値の中位長を平均繊維長とする。
セルロースナノファイバーの保水度は、好ましくは250~500%、より好ましくは280~490%、特に好ましくは300~480%である。セルロースナノファイバーの保水度が250%を下回ると、セルロースナノファイバーの分散性が悪化し、他の繊維、例えばパルプと均一に混合することができなくなるおそれがある。他方、セルロースナノファイバーの保水度が500%を上回ると、セルロースナノファイバー自体の保水力が高くなり、セルロース繊維スラリーの脱水性が悪化するおそれがある。
セルロースナノファイバーの保水度は、例えば、原料パルプの選定、前処理、解繊等によって調整することができる。
セルロースナノファイバーの保水度は、JAPAN TAPPI No.26(2000)に準拠して測定した値である。
セルロースナノファイバー結晶化度は、好ましくは95~50%、より好ましくは90~60%、特に好ましくは85~70%である。セルロースナノファイバーの結晶化度が以上の範囲内であれば、樹脂の強度を確実に向上することができる。
結晶化度は、例えば、原料パルプの選定、前処理、解繊等で任意に調整することができる。
セルロースナノファイバーの結晶化度は、JIS K 0131(1996)に準拠して測定した値である。
セルロースナノファイバーの擬似粒度分布曲線におけるピーク値は、1つのピークであるのが好ましい。1つのピークである場合、セルロースナノファイバーは、繊維長及び繊維径の均一性が高く、セルロース繊維スラリーの脱水性に優れる。
セルロースナノファイバーのピーク値は、例えば1~100μm、好ましくは3~50μm、より好ましくは5~25μmである。
セルロースナノファイバーのピーク値は、例えば、原料パルプの選定、前処理、解繊等によって調整することができる。
セルロースナノファイバーのピーク値は、ISO-13320(2009)に準拠して測定した値である。より詳細には、まず、粒度分布測定装置を使用してセルロースナノファイバーの水分散液の体積基準粒度分布を調べる。次に、この分布からセルロースナノファイバーの中位径を測定する。この中位径をピーク値とする。
セルロースナノファイバーのパルプ粘度は、好ましくは1.0~10.0cps、より好ましくは1.5~8.0cps、特に好ましくは2.0~5.0cpsである。パルプ粘度は、セルロースを銅エチレンジアミン液に溶解させた後の溶解液の粘度であり、パルプ粘度が大きいほどセルロースの重合度が大きいことを示している。パルプ粘度が以上の範囲内であれば、スラリーに脱水性を付与しつつ、樹脂と混練する際にセルロースナノファイバーの分解を抑えられ、十分な補強効果を得ることができるである。
セルロースナノファイバーのパルプ粘度は、TAPPI T 230に準拠して測定した値である。
解繊して得られたセルロースナノファイバーは、必要により、他のセルロース繊維と混合するに先立って水系媒体中に分散して分散液としておくことができる。水系媒体は、全量が水であるのが特に好ましい(水溶液)。ただし、水系媒体は、一部が水と相溶性を有する他の液体であってもよい。他の液体としては、例えば、炭素数3以下の低級アルコール類等を使用することができる。
セルロースナノファイバーの分散液(濃度1%)のB型粘度は、好ましくは10~2,000cp、より好ましくは30~1,500cp、特に好ましくは50~1,300cpである。分散液のB型粘度を以上の範囲内にすると、他のセルロース繊維との混合が容易になり、また、セルロース繊維スラリーの脱水性が向上する。
セルロースナノファイバーの分散液のB型粘度(固形分濃度1%)は、JIS-Z8803(2011)の「液体の粘度測定方法」に準拠して測定した値である。B型粘度は分散液を攪拌したときの抵抗トルクであり、高いほど攪拌に必要なエネルギーが多くなることを意味する。
セルロース繊維中におけるセルロースナノファイバーの含有率は、好ましくは10~95質量%、より好ましくは30~93質量%、特に好ましくは50~90質量%である。セルロースナノファイバーの含有率が10質量%を下回ると、樹脂の強度が十分に向上しないおそれがある。他方、セルロースナノファイバーの含有率が95質量%を超えると、セルロースナノファイバー同士の凝集が強く、樹脂中で分散できず、補強効果が十分とならないおそれがある。
(ミクロフィブリル化セルロース)
本形態においては、微細繊維として、セルロースナノファイバーに換えて、好ましくはセルロースナノファイバーと共にミクロフィブリル化セルロースを使用する。
ミクロフィブリル化セルロースは、セルロースナノファイバーに比べサイズが大きいため樹脂中で分散し易く三次元ネットワークを構築し易いが、セルロースナノファイバーの方がミクロフィブリル化セルロースに比べ単結晶体に近いため、強度物性を高く樹脂への補強効果が期待できる。双方のアドバンテージを活かすためには上記の割合で混合することが望ましい
ミクロフィブリル化セルロースは、セルロースナノファイバーよりも平均繊維径の太い繊維を意味する。具体的には、例えば0.1~15μm、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~5μmである。
ミクロフィブリル化セルロースの平均繊維径が0.1μmを下回ると、セルロースナノファイバーであるのと変わらなくなり、樹脂の強度(特に曲げ弾性率)向上効果が十分に得られなくなる。また、解繊時間が長くなり、大きなエネルギーが必要になる。さらに、セルロース繊維スラリーの脱水性が悪化する。脱水性が悪化すると、分散剤と混合した後に乾燥する場合において、当該乾燥に大きなエネルギーが必要になり、乾燥に大きなエネルギーをかけるとミクロフィブリル化セルロースが熱劣化して、強度が低下するおそれがある。他方、ミクロフィブリル化セルロースの平均繊維径が15μmを上回ると、パルプであるのと変わらなくなり補強効果が十分でなくなるおそれがある。
ミクロフィブリル化セルロースは、原料パルプを解繊(微細化)することで得ることができる。原料パルプとしては、セルロースナノファイバーと同じものを使用することができ、セルロースナノファイバーと同じものを使用するのが好ましい。
ミクロフィブリル化セルロースの原料パルプは、セルロースナノファイバーの場合と同様の方法で前処理や解繊をすることができる。ただし、解繊の程度は異なり、例えば、平均繊維径が0.1μm以上に留まる範囲で行う必要がある。以下、セルロースナノファイバーの場合と異なる点を中心に説明する。
ミクロフィブリル化セルロースの平均繊維長(単繊維の長さの平均)は、好ましくは0.02~3.0mm、より好ましくは0.05~2.0mm、特に好ましくは0.1~1.5mmである。平均繊維長が0.02mm未満であると、繊維同士の三次元ネットワークを形成できず、樹脂の補強効果が低下するおそれがある。
平均繊維長は、例えば、原料パルプの選定、前処理、解繊等で任意に調整可能である。
ミクロフィブリル化セルロースの繊維長は、0.2mm以下の割合が60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、75%以上であるのが特に好ましい。当該割合が60%未満であると、樹脂の補強効果が十分に得られない可能性がある。他方、ミクロフィブリル化セルロースの繊維長は、0.2mm以下の割合の上限がなく、全て0.2mm以下であっても良い。
ミクロフィブリル化セルロースのアスペクト比は、好ましくは2~5,000、より好ましくは100~1,000である。アスペクト比とは、平均繊維長を平均繊維幅で除した値である。アスペクト比が大きいほど樹脂中において引っかかりが生じる箇所が多くなるため補強効果が上がるが、他方で引っかかりが多い分樹脂の延性が低下するものと考えられる。なお、無機フィラーを樹脂に混練した場合、フィラーのアスペクト比が大きいほど曲げ強度が向上するが、伸びは著しく低下するとの知見が存在する。
ミクロフィブリル化セルロースのフィブリル化率は、好ましくは1.0~30.0%、より好ましくは1.5~20.0%、特に好ましくは2.0~15.0%である。フィブリル化率が30.0%を超えると、水との接触面積が広くなり過ぎるため、たとえ平均繊維幅が0.1μm以上に留まる範囲で解繊できたとしても、脱水が困難になる可能性がある。他方、フィブリル化率が1.0%未満では、フィブリル同士の水素結合が少なく、強固な三次元ネットワークを形成することができなくなるおそれがある。
ミクロフィブリル化セルロースの結晶化度は、50%以上であるのが好ましく、60%以上であるのがより好ましい。結晶化度が50%未満であると、パルプやセルロースナノファイバーとの混合性は向上するものの、繊維自体の強度が低下するため、強度を担保することができなくなるおそれがある。
他方、ミクロフィブリル化セルロースの結晶化度は、90%以下であるのが好ましく、88%以下であるのがより好ましく、86%以下であるのが特に好ましい。結晶化度が90%を超えると、分子内の強固な水素結合割合が多くなり繊維自体が剛直となり、再分散性が劣るようになる。
ミクロフィブリル化セルロースの結晶化度は、例えば、原料パルプの選定、前処理、微細化処理で任意に調整可能である。
ミクロフィブリル化セルロースのパルプ粘度は、2cps以上であるのが好ましく、4cps以上であるのがより好ましい。パルプ粘度が2cps未満であると、ミクロフィブリル化セルロースの凝集を十分に抑制することができないおそれがある。
ミクロフィブリル化セルロースのフリーネスは、500cc以下が好ましく、300cc以下がより好ましく、100cc以下が特に好ましい。ミクロフィブリル化セルロースのフリーネスが500ccを超えるとミクロフィブリル化セルロースの平均繊維径が10μmを超え、強度に関する効果が十分に得られないおそれがある。
セルロース繊維中におけるミクロフィブリル化セルロースの含有率は、好ましくは50質量%未満、より好ましくは40質量%未満、特に好ましくは30質量%未満である。ミクロフィブリル化セルロースの含有率が極端に少ないと、十分な補強効果が得られないおそれがある。しかしながら、ミクロフィブリル化セルロースの含有率が50質量%を超えると、相対的にセルロースナノファイバーの含有率が減ることになり、セルロースナノファイバーを含有することによる効果が得られないおそれがある。
ミクロフィブリル化セルロースの各種物性の測定方法は、特にこれに反する記載のない限り、セルロースナノファイバーの場合と同様である。
(スラリー)
微細繊維を含む繊維状セルロースは、必要により、水系媒体中に分散して分散液(スラリー)にする。水系媒体は、全量が水であるのが特に好ましいが、一部が水と相溶性を有する他の液体である水系媒体も使用することができる。他の液体としては、炭素数3以下の低級アルコール類等を使用することができる。
スラリーの固形分濃度は、0.5~5.0質量%であるのが好ましく、1.0~3.0質量%であるのがより好ましい。固形分濃度が0.5質量%を下回ると、脱水と乾燥する際に過大なエネルギーが必要となるおそれがある。他方、固形分濃度が5.0質量%を上回ると、スラリー自体の流動性が低下してしまい分散剤を均一に混合できなくなるおそれがある。
(分散剤)
繊維状セルロースのスラリーには、分散剤を混合する。分散剤としては、カルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方を使用するのが好ましく(分散剤A)、水酸基、カルボキシ基、及びアミン基の中から選択された少なくともいずれか1種以上の官能基を有するものを使用するのがより好ましい(分散剤B)。また、メラミン、尿素燐酸化澱粉、カルバミン酸澱粉、レシチン、及びカゼインの中から選択された少なくともいずれか1種以上を使用するのが特に好ましい(分散剤C)。以上の分散剤A~Cは、乾燥した微細繊維同士の水素結合を阻害するため、乾燥物の再分散性が向上する。また、分散剤B,Cは、微細繊維及び樹脂の相溶性を向上させる役割を有する。この点で、分散剤B,Cは、相溶剤ということもできる。さらに、分散剤Cは、セルロースと樹脂の両方と馴染み易く、樹脂の補強効果をさらに向上できる。
なお、繊維状セルロース及び樹脂の混練に際して、別途、相溶剤(薬剤)を添加することも考えられるが、この段階で薬剤を添加するよりも、予め繊維状セルロースと分散剤(薬剤)を混合している本形態の方が、繊維状セルロースに対する薬剤の纏わりつきが均一になり、樹脂との相溶性向上効果が高くなる。
また、例えば、ポリプロピレンは融点が160℃であり、したがって繊維状セルロース及び樹脂の混練は、180℃程度で行う。しかるに、この状態で分散剤(液)を添加すると、一瞬で乾燥してしまう。そこで、融点の低い樹脂を使用してマスターバッチ(CNF等の濃度の濃い複合樹脂)を作製し、その後に通常の樹脂で濃度を下げる方法が存在する。しかしながら、融点の低い樹脂は一般的に強度が低い。したがって、当該方法によると、複合樹脂の強度が下がるおそれがある。
本形態の分散剤Aの混合量は、セルロースナノファイバー100質量部に対して、好ましくは1~100質量部、より好ましくは5~60質量部、特に好ましくは10~40質量部である。一方、分散剤B,Cの混合量は、セルロースナノファイバー100質量部に対して、好ましくは1~40質量部、より好ましくは5~30質量部、特に好ましくは10~20質量部である。つまり、分散剤Aを使用する場合と比較して分散剤B,Cを使用する場合は、混合量を減らすことができる。この点、分散剤にはセルロースナノファイバーによる樹脂の補強効果を阻害する可能性があるという点に着目すると、分散剤の混合量を減らせるということは、大きな利点になる。
なお、セルロースナノファイバーの分散性を向上させるという点に着目すれば、分散剤の混合はセルロースナノファイバーによる樹脂の補強効果を向上させるものである。しかしながら、分散剤は、セルロースナノファイバーの存在故に親水性(親水基を有する)でなくてはならず、この点で樹脂の強度を落とす側面も有している。また、分散剤は、時間の経過とともに表面に表出してくる可能性がある。したがって、分散剤の混合量を減らせるというのは、大きな利点である。
(製造方法)
繊維状セルロース及び分散剤の混合物は、樹脂と混練するに先立って乾燥及び粉砕して粉状物(乾燥物)にするのが好ましい。この形態によると、樹脂との混練に際して繊維状セルロースを乾燥させる必要がなく、熱効率が良い。また、混合物に分散剤が混合されているため、当該混合物を乾燥したとしても、微細繊維が再分散しなくなるおそれが低い。
混合物は、必要により、乾燥するに先立って脱水して脱水物にする。この脱水は、例えば、ベルトプレス、スクリュープレス、フィルタープレス、ツインロール、ツインワイヤーフォーマ、バルブレスフィルタ、センターディスクフィルタ、膜処理、遠心分離機等の脱水装置の中から1種又は2種以上を選択使用して行うことができる。
混合物の乾燥は、例えば、ロータリーキルン乾燥、円板式乾燥、気流式乾燥、媒体流動乾燥、スプレー乾燥、ドラム乾燥、スクリューコンベア乾燥、パドル式乾燥、一軸混練乾燥、多軸混練乾燥、真空乾燥、攪拌乾燥等の中から1種又は2種以上を選択使用して行うことができる。
乾燥した混合物(乾燥物)は、粉砕して粉状物にする。乾燥物の粉砕は、例えば、ビーズミル、ニーダー、ディスパー、ツイストミル、カットミル、ハンマーミル等の中から1種又は2種以上を選択使用して行うことができる。
粉状物の平均粒子径は、1~500μmであるのが好ましく、5~480μmであるのがより好ましく、10~450μmであるのが特に好ましい。粉状物の平均粒子径が500μmを超えると、樹脂との混練性に劣るものになるおそれがある。また、後述する実施例から明らかなとおり、樹脂の補強効果が十分に向上しないおそれがある。他方、粉状物の平均粒子径を1μm未満にするには大きなエネルギーが必要になるため、経済的でない。また、粉状物の平均粒子径を1μm未満にすると、二次凝集してしまうおそれがある。なお、粉状物の平均粒子径の制御は、粉砕の程度を制御することのほか、フィルター、サイクロン等の分級装置を使用した分級によることができる。
混合物(粉状物)の嵩比重は、0.03~1.0であるのが好ましく、0.05~0.8であるのがより好ましく、0.1~0.5であるのが特に好ましい。嵩比重が1.0を超えるということは繊維状セルロース同士の水素結合がより強固であり、樹脂中で分散させることは容易ではない。他方、嵩比重を0.03未満にするのは、移送コストの面から不利である。
嵩比重は、JIS K7365に準じて測定した値である。
混合物(粉状物)の水分率は、50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。水分率が50%を超えると、樹脂と混練する際のエネルギーが膨大になり、経済的でない。
繊維の水分率は、定温乾燥機を用いて、試料を105℃で6時間以上保持し質量の変動が認められなくなった時点の質量を乾燥後質量とし、下記式にて算出した値である。
繊維水分率(%)=[(乾燥前質量-乾燥後質量)÷乾燥前質量]×100
以上のようにして得た粉状物(樹脂の補強材)は、樹脂と混練し、繊維状セルロース複合樹脂を得る。この混練は、例えば、ペレット状の樹脂と粉状物とを混ぜ合わす方法によることのほか、樹脂をまず溶融し、この溶融物の中に粉状物を添加するという方法によることもできる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の少なくともいずれか一方を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、脂肪族ポリエステル樹脂や芳香族ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、メタアクリレート、アクリレート等のポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
ただし、ポリオレフィン及びポリエステル樹脂の少なくともいずれか一方を使用するのが好ましい。また、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレンを使用するのが好ましい。さらに、ポリエステル樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂として、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等を例示することができ、芳香族ポリエステル樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等を例示することができるが、生分解性を有するポリエステル樹脂(単に「生分解性樹脂」ともいう。)を使用するのが好ましい。
生分解性樹脂としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル、カプロラクトン系脂肪族ポリエステル、二塩基酸ポリエステル等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステルとしては、例えば、乳酸、リンゴ酸、グルコース酸、3-ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体や、これらのヒドロキシカルボン酸のうちの少なくとも1種を用いた共重合体等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。ただし、ポリ乳酸、乳酸と乳酸を除く上記ヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリカプロラクトン、上記ヒドロキシカルボン酸のうちの少なくとも1種とカプロラクトンとの共重合体を使用するのが好ましく、ポリ乳酸を使用するのが特に好ましい。
この乳酸としては、例えば、L-乳酸やD-乳酸等を使用することができ、これらの乳酸を単独で使用しても、2種以上を選択して使用してもよい。
カプロラクトン系脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリカプロラクトンの単独重合体や、ポリカプロラクトン等と上記ヒドロキシカルボン酸との共重合体等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
二塩基酸ポリエステルとしては、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
生分解性樹脂は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
樹脂には、無機充填剤が、好ましくはサーマルリサイクルに支障が出ない割合で含有されていてもよい。
無機充填剤としては、例えば、Fe、Na、K、Cu、Mg、Ca、Zn、Ba、Al、Ti、ケイ素元素等の周期律表第I族~第VIII族中の金属元素の単体、酸化物、水酸化物、炭素塩、硫酸塩、ケイ酸塩、亜硫酸塩、これらの化合物よりなる各種粘土鉱物等を例示することができる。
具体的には、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ほう酸アルミニウム、アルミナ、酸化鉄、チタン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、クレーワラストナイト、ガラスビーズ、ガラスパウダー、珪砂、硅石、石英粉、珪藻土、ホワイトカーボン、ガラスファイバー等を例示することができる。これらの無機充填剤は、複数が含有されていてもよい。また、古紙パルプに含まれるものであってもよい。
繊維状セルロース及び樹脂の配合割合は、繊維状セルロースが1質量部以上、樹脂が99質量部以下であるのが好ましく、繊維状セルロースが2質量部以上、樹脂が98質量部以下であるのがより好ましく、繊維状セルロースが3質量部以上、樹脂が97質量部以下であるのが特に好ましい。
また、繊維状セルロースが50質量部以下、樹脂が50質量部以上であるのが好ましく、繊維状セルロースが40質量部以下、樹脂が60質量部以上であるのがより好ましく、繊維状セルロースが30質量部以下、樹脂が70質量部以上であるのが特に好ましい。ただし、繊維状セルロースの配合割合が10~50質量部であると、樹脂組成物の強度、特に曲げ強度及び引張り弾性率の強度を著しく向上させることができる。
なお、最終的に得られ樹脂組成物に含まれる繊維状セルロース及び樹脂の含有割合は、通常、繊維状セルロース及び樹脂の上記配合割合と同じとなる。
(その他の組成物)
樹脂組成物には、以上の微細繊維やパルプ等のほか、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)、広葉樹及び綿花などの各種植物体から得られた植物材料に由来する繊維を含ませることもでき、含まれていてもよい。
樹脂組成物には、例えば、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、ラジカル捕捉剤、発泡剤等の中から1種又は2種以上を選択して、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。これらの原料は、繊維状セルロースの分散液に添加しても、混合物及び樹脂の混練の際に添加しても、これらの混練物に添加しても、その他の方法で添加してもよい。ただし、製造効率の面からは、混合物及び樹脂の混練の際に添加するのが好ましい。
(成形処理)
混合物及び樹脂の混練物は、必要により再度混練する等した後、所望の形状に成形することができる。この成形の大きさや厚さ、形状等は、特に限定されず、例えば、シート状、ペレット状、粉末状、繊維状等とすることができる。
成形処理の際の温度は、樹脂のガラス転移点以上であり、樹脂の種類によって異なるが、例えば90~260℃、好ましくは100~240℃である。
混練物の成形は、例えば、金型成形、射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形等によることができる。また、混練物を紡糸して繊維状にし、前述した植物材料等と混繊してマット形状、ボード形状とすることもできる。混繊は、例えば、エアーレイにより同時堆積させる方法等によることができる。
混練物を成形する装置としては、例えば、射出成形機、吹込成形機、中空成形機、ブロー成形機、圧縮成形機、押出成形機、真空成形機、圧空成形機等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
以上の成形は、混練に続いて行うことも、混練物をいったん冷却し、破砕機等を使用してチップ化した後、このチップを押出成形機や射出成形機等の成形機に投入して行うこともできる。もちろん、成形は、本発明の必須の要件ではない。
次に、本発明の実施例について、説明する。
まず、原料パルプ(LBKP:水分98質量%)をナイヤガラビーターで2時間30分予備叩解した。次いで、石臼型分散機(増幸産業社の「スーパーマスコロイダー」)で解繊処理を2回施し、セルロースナノファイバー(繊維)の水分散液(濃度2質量%)を得た。この水分散液に含まれるセルロースナノファイバーは、レーザー回折を用いた粒度分布測定の疑似粒度分布において1つのピークを有し、保水度は350%以上であった。
次に、水分散液とグリセリン(薬剤)の水溶液(濃度2質量%)とを、マグネットスターラーで60分間、1200rpmで撹拌し、混合液を得た。セルロースナノファイバーとグリセリンとの混合比(質量基準)は、10:4とした。
次に、混合液を105℃で6時間乾燥させてフィルム状のセルロースナノファイバー含有乾燥物を得た。この乾燥物の含水率は、9.8質量%であった。
得られた乾燥物は、平均粒子径が表1に記載の値となるように粉砕した。
粉砕物(粉状物)14gと無水マレイン酸ポリプロピレン5gとポリプロピレン(樹脂)81gとをニーダーで180℃、1時間混練し、セルロースナノファイバー複合樹脂を得た(試験例1)。また、表1に示すように、薬剤及び乾燥物の平均粒子径を種々変化させてセルロースナノファイバー複合樹脂を得た(試験例2~6)。
各セルロースナノファイバー複合樹脂について、曲げ弾性率のアップ率を調べた。結果を表1に示した。なお、曲げ弾性率及びアップ率の詳細は、次のとおりである。
(曲げ弾性率)
各セルロースナノファイバー複合樹脂を曲げ試験片に成形し、この成形物について曲げ弾性率を調べた。曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に準拠して測定した。
(アップ率)
樹脂自体の曲げ弾性率を1とし、アップ率=各セルロースナノファイバー複合樹脂の曲げ弾性率/樹脂自体の曲げ弾性率とした。
Figure 0006997128000001
本発明は、繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに樹脂の補強材として利用可能である。

Claims (7)

  1. 繊維状セルロース及び液状の分散剤の混合物と、樹脂とを含み、
    前記繊維状セルロースの一部又は全部として微細繊維を含み、
    前記分散剤がカルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方であり、
    前記混合物は乾燥後に粉砕した平均粒子径が500μm以下の粉状物で、
    前記微細繊維がセルロースナノファイバーで、
    前記分散剤の混合量が前記セルロースナノファイバー100質量部に対して1~100質量部であり、
    前記セルロースナノファイバーのパルプ粘度が1.0~10.0cpsで、かつ前記粉状物の嵩比重が0.05~1.0である、
    ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂。
  2. 前記セルロースナノファイバーが平均繊維径100nm以下である、
    請求項1に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
  3. 前記セルロースナノファイバーの結晶化度が95~50%である、
    請求項1又は請求項2に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
  4. 前記混合物及び前記樹脂は溶融混練されており、
    この混練の際の前記混合物の水分率が30%以下である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂。
  5. 繊維状セルロースのスラリーに液状の分散剤を混合して混合物とし、この混合物を乾燥及び粉砕して粉状物としてから樹脂と混練するものとし、
    前記繊維状セルロースの一部又は全部として微細繊維を使用し、
    前記分散剤としてカルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方を使用し、
    前記粉状物は平均粒子径500μm以下にし、
    前記微細繊維としてセルロースナノファイバーを使用し、
    前記分散剤の混合量を前記セルロースナノファイバー100質量部に対して1~100質量部とし、
    前記セルロースナノファイバーとしてパルプ粘度が1.0~10.0cpsのものを使用し、かつ前記粉状物の嵩比重を0.05~1.0とする、
    ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
  6. 前記セルロースナノファイバーとして平均繊維径100nm以下のセルロースナノファイバーを使用する、
    請求項5に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
  7. 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の補強材であり、
    繊維状セルロース及び液状の分散剤の混合物で、
    前記繊維状セルロースの一部又は全部として微細繊維を含み、
    前記分散剤がカルボキシ酸類及びグリセリン類の少なくともいずれか一方で、
    前記混合物は乾燥後に粉砕した平均粒子径が500μm以下の粉状物で、
    前記微細繊維がセルロースナノファイバーで、
    前記分散剤の混合量が前記セルロースナノファイバー100質量部に対して1~100質量部であり、
    前記セルロースナノファイバーのパルプ粘度が1.0~10.0cpsで、かつ前記粉状物の嵩比重が0.05~1.0である、
    ことを特徴とする樹脂の補強材。
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