JP6926487B2 - 表示装置判別システム及び表示装置判別方法 - Google Patents
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Description
一方、表示装置に画像を表示して、デザインなどの色の評価を行なう場合、このデザインの画像における色の見え方が、画像を観察する観察者の多数間で同様である必要がある。
このため、観察者によって知覚される色の違いを、特許文献1におけるように、観察者間で同様となるように表示色を補正し、色の見え方を統一する必要がある。
しかしながら、上述したように、同様の色の評価が行えない装置を統一する場合、表示色を各観察者に対応して補正する機能を表示装置に付加することになり、表示装置の価格が上昇してしまう。
図1において、表示装置判別システム100は、評価対象の表示装置200が複数の観察者に対して同一の色を同様に観察される表示色として表示することができる分光特性を有しているか否か、すなわち複数の観察者が同様の表示色を観察可能な表示装置であるか否かの判別を行なう。この表示装置判別システム100は、表示装置判別色票1、表示色調整装置2及び判別装置3とを備えている。また、入力装置300は、キーボードやマウスであり、表示色調整装置2及び判別装置3の各々を操作するために用いられる。
表示装置判別色票1は、表示装置に対して観察者に表示色の調整を行なわせる際、表示装置200の表示色の評価に用いる印刷色のパッチが設けられている。表示装置判別色票1に印刷されたパッチは、単数(単一色)でも複数(複数色)でも良い。
ここで、人間の眼の感度は、色の3原色である色成分R(Red)、色成分G(Green)及び色成分B(Blue)の各々において、色成分Bにおける色の変化に対する色覚の感度が、他の色成分R、色成分Gそれぞれに比較して低い。
したがって、表示装置200に対して表示色として、観察者に色の調整をさせて再現させる際に用いる参照用の印刷色は、色成分Bが色成分R及び色成分Gの各々に比較して、より少ない比率で含まれているか、あるいは含まれない色を用いることが必要である。
図2は、本実施形態による表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色として用いる色の色相角の範囲を示す図である。図2には、CIE(国際照明委員会)L*a*b*色空間におけるa*b*面において、表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色として用いられる色の存在する範囲が色相角θの範囲として示されている。この図2のL*a*b*色空間に示される色を示す値は、標準光源D50の照明下で測定された測色値に基づいて求められている。表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色は、色成分Bの比率が色成分R及び色成分Gの各々より低い領域である、上記a*b*面における値はb*の数値が正(+)の範囲に含まれている必要がある。
すでに述べた図2の範囲には、色差として明確な差が生じない色も含まれている。このため、図2の範囲には、本実施形態による表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色として用いることを避ける必要がある色が存在している。
また、図4に示す分光反射率Rn(λ)の4色のいずれか2色以上を用いて、各分光反射率Rn(λ)の補完計算から求められる分光反射率R’(λ)の色を、表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色として用いることもできる。
また、図4に示す分光反射率Rn(λ)の4色のいずれかを用いて、以下の(1)式により計算される分光反射率R’(λ)を、表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色として用いることもできる。(1)式において、kは0より大きな数値であり、好ましくは0.5≦k≦2.0を用いる。
表示色の調整は、表示装置200の表示画面に表示するRGB値を、直接の制御により増減することによって調整しても良い。また、ICC (International Color Consortium)プロファイル等を使用して,色空間であるCIEL*a*b*の明るさ、彩度及び色相として操作し、その操作結果をRGB値に変換して、表示装置200が表示画面に表示しても良い。
この表示色を示すデータとしては、表示装置200の表示画面に表示色を表示しているRGB値を用いても良い。また、表示装置200の表示画面の表示色の測色値を用いる場合、分光放射輝度計を用い、表示画面の表示色の三刺激値XYZや分光放射輝度を測定し、表示色を示すデータとして用いても良い。
表示色入力部31は、表示色調整装置2から供給される、表示装置200の表示画面における表示色のRGB値(色成分R、色成分G及び色成分Bの各々の階調を示す数値)を入力し、観察者毎に内部の記憶部に書き込んで記憶させる。
色情報変換部32は、表示色入力部31内の記憶部から、順次各観察者のRGB値から三刺激値XYZに変換する。また、色情報変換部32は、各観察者の三刺激値XYZをCIEL*a*b*における値に変換する。
または、表示色入力部31は、表示色調整装置2から供給される、表示装置200の表示画面における表示色の測色値を用いる場合、三刺激値XYZや分光放射輝度を入力し、観察者毎に内部の記憶部に書き込んで記憶させてもよい。
この場合、色情報変換部32は、表示色入力部31内の記憶部から、順次各観察者の三刺激値XYZを読み出すか、または、順次各観察者の分光放射輝度を読出して三刺激値XYZに変換し、各観察者の三刺激値XYZをCIEL*a*b*における値に変換する。
適合判別部34は、得られた観察者間の各々における色差ΔE*abの中から最大値を抽出する。そして、適合判別部34は、抽出した最大値の色差ΔE*abが、予め設定されている閾値を超えているか否かの判定を行なう。ここで、適合判別部34は、抽出した最大値の色差ΔE*abが上記閾値を超えている場合、表示装置200が複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有していない表示装置と判別する。一方、適合判別部34は、抽出した最大値の色差ΔE*abが上記閾値以下である場合、表示装置200が複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有している表示装置と判別する。
ステップS1:
観察者が表示装置200の表示画面とともに観察できる位置に、表示装置判別色票1を設置する。ここで、表示装置200は、判別処理を行なう対象の表示装置である。
そして、作業者は、表示装置判別システム100に対し、入力装置300から判別処理を開始する操作を行なう。
作業者は、表示装置判別システム100に対し、入力装置300から観察者による表示色の色調整の処理を開始する操作を行なう。
これにより、表示色調整装置2は、表示装置200の表示画面に対して、表示装置判別色票1と同形状の色票の画像を表示する。
観察者は、入力装置300により、表示装置200の表示画面に表示されている色票の表示色が、近傍に配置されている表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色と同一の色と視認できるように、例えば入力装置300により、表示色のRGB値の調整を行なう。これにより、表示色調整装置2は、入力されるRGB値に対応した色に、表示画面における色票の表示色を制御する。
観察者は、表示装置200の表示画面に表示されている色票の表示色が、近傍に配置されている表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色と同一の色であるか否かの判定を、表示色と印刷色とを見比べることにより行なう。
このとき、観察者は、色票の表示色と、表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色とが同一であると認識した場合、処理をステップS5へ進める。一方、観察者は、色票の表示色と、表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色とが同一でないと認識した場合、処理をステップS3へ戻し、色票の表示色の調整を継続する。
観察者は、色票の表示色と、表示装置判別色票1におけるパッチの印刷色とが同一であると認識した場合、作業者に対して自身の表示色の調整が終了したことを伝える。
そして、作業者は、調整が終了した観察者のRGB値を、この観察者を識別する識別情報を付加し、RGB値の登録処理を入力装置300により行なう。これにより、表示色調整装置2は、判別装置3の表示色入力部31に対して出力する。
そして、表示色入力部31は、表示色調整装置2から供給されるRGB値と識別情報との組を、自身内部の記憶部に対して書き込んで記憶させる。
作業者は、全ての観察者が、表示装置200の色票の表示色の調整を終了したか否かの判定を行なう。
このとき、作業者は、全ての観察者が表示色の調整を終了していない場合、処理をステップS2に戻し、次の観察者による表示色の調整を開始する。一方、作業者は、全ての観察者が表示色の調整を終了した場合、処理をステップS7へ進める。
作業者は、表示装置判別システム100に対し、入力装置300から表示装置200の判別処理を開始する操作を行なう。
これにより、色情報変換部32は、表示色入力部31の記憶部から、順次、RGB値を読み出し、三刺激値XYZに変換する。そして、色情報変換部32は、三刺激値XYZをCIEL*a*b*値に変換し、順次、このCIEL*a*b*値を色差算出部33に対して出力する。
色差算出部33は、色情報変換部32から供給されるCIEL*a*b*値から色差、すなわち各観察者間における表示色の色差ΔE*abを算出する。
そして、色差算出部33は、算出した各観察者間の色の色差ΔE*abを、適合判別部34に対して出力する。
これにより、適合判別部34は、色差算出部33から得られた観察者間の各々における色差ΔE*abの中から最大値を抽出する。
そして、適合判別部34は、抽出した最大値の色差ΔE*abが、予め設定されている閾値を超えているか否かの判定を行なう。
適合判別部34は、適合判別部34は、抽出した最大値の色差ΔE*abが、予め設定されている閾値を超えていると判定した場合、表示装置200が複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有していない表示装置として判別する。
一方、適合判別部34は、抽出した最大値の色差ΔE*abが、予め設定されている閾値以下である場合、表示装置200が複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有している表示装置と判別する。
そして、適合判別部34は、表示装置200が、複数の観察者により色の評価を行なう処理に適合した表示装置であるか否かの判別結果を、判別対象である表示装置200の表示画面に出力する。
適合判別部34Aは、xy色度座標に配置された色度座標に対し、マックアダム(MacAdam)楕円を用いて、複数の観察者により色の評価を行なう処理に表示装置200が適合しているか否かについて判別する。すなわち、適合判別部34Aは、各観察者の調整した表示色の色度座標が同一の上記楕円内部に含まれるか否かの判定を行なう。ここで、適合判別部34Aは、全ての観察者における色度座標が同一の楕円内に包含される(全色度座標が楕円内に含まれる)場合、表示装置200が複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有している表示装置と判別する。一方、適合判別部34Aは、全ての観察者における色度座標が同一の楕円内に包含されない場合、表示装置200を複数の観察者が同一の表示色と視認できる分光特性を有していない表示装置と判別する。
しかしながら、マックアダム楕円が25個の色度中心に対してしか設定されていないため、色度によっては、上記楕円が存在しない場合があり、例えば色度配置部35がこの色度に対応した楕円を、マックアダム楕円を用いた補間処理により作成する。この補間処理を行なう場合、以下のように任意の色度が与えられると、その任意の色度を囲む最近傍の3個の色度中心を求める。本実施形態においては、観察者における色度のいずれかを上記任意の色度とし、求める補間により生成する楕円の色度中心(下記のP(xp,yp))として用いる。
このn倍楕円は、長半径ap及び短半径bpの各々を、それぞれn倍とすることにより得られる。以下の(6)式の極方程式により表され、特に、n=3とした3倍楕円の場合、JND(just noticeable difference )であり、判別閾値の3倍程度であることが知られている。なお、色度中心外に存在する色は、同様な方法によって外挿して求める。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web)システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
2…表示色調整装置
3…判別装置
31…表示色入力部
32…色情報変換部
33…色差算出部
34,34A…適合判別部
35…色度配置部
200…表示装置
350…入力装置
Claims (5)
- 印刷色が人間の眼の感度が低い青色の成分が赤色の成分と緑色の成分の各々と比較してより少ない比率で含まれている色のみであるか、または、前記青色の成分が含まれていない色のみであるパッチを有する色票と、
評価対象である表示装置において表示される表示色を、観察者が前記印刷色と前記表示色とが同様に観察されるように、当該表示色を調整する表示色調整装置と、
前記観察者各々の調整した前記表示色それぞれを比較し、前記表示装置の表示色の観察者間における色の違いを示す数値により、当該表示装置の前記観察者間の表示色が同様であるか否かの判定を行なうことにより、当該表示装置が表示色の見え方に違いがある表示装置であるか、または、表示色の見え方が同様である表示装置であるかを判別する判別装置と
を備えることを特徴とする表示装置判別システム。 - 前記パッチの印刷色が人間の眼の感度が低い青色の成分が赤色の成分と緑色の成分の各々と比較してより少ない比率で含まれている色のみである場合とは、前記パッチの印刷色が、CIE(国際照明委員会)L*a*b*色空間におけるa*b*面において、標準光源D50の照明下でb*が正の数値となる領域における値を有する場合である
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置判別システム。 - 前記判別装置が、
前記観察者の各々の前記表示色間の色差が所定の閾値未満である場合、表示装置の前記観察者間の前記表示色が同様であると判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置判別システム。 - 前記判別装置が、
前記観察者の各々の前記表示色が同一のマックアダム(MacAdam)楕円内に含まれた場合、表示装置の前記観察者間の前記表示色が同様であると判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置判別システム。 - 表示色調整装置が、観察者の操作により、評価対象である表示装置において表示される表示色と、色票に印刷されたパッチであって印刷色が人間の眼の感度が低い青色の成分が赤色の成分と緑色の成分の各々と比較してより少ない比率で含まれている色のみであるか、または、前記青色の成分が含まれていない色のみであるパッチの印刷色とが前記観察者に同様に観察されるように、当該表示色を調整する表示色調整過程と、
判別装置が、前記観察者各々の調整した前記表示色それぞれの間の色差を比較し、前記表示装置の表示色の観察者間における色差の数値により、当該表示装置の前記観察者間の表示色が同様であるか否かの判定を行なうことにより、当該表示装置が表示色の見え方に違いがある表示装置であるか、または、表示色の見え方が同様である表示装置であるかを判別する判別過程と
を含むことを特徴とする表示装置判別方法。
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