JP6925594B2 - 嵌合部付き袋体 - Google Patents
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Description
本発明の請求項1記載の嵌合部付き袋体10は、
重ね合わされた第1のフィルム材21と第2のフィルム材22とがそれらの周縁部23で連続しており、前記周縁部23に複数の開口部2を有する袋本体20と、
それぞれの前記開口部2における前記第1のフィルム材21と前記第2のフィルム材22の互いに対向する面に形成され、互いに脱着自在に嵌合して前記開口部2を開閉する雄側嵌合部31,41及び雌側嵌合部32,42を有する嵌合部3と、
前記第1のフィルム材21と前記第2のフィルム材22とに挟まれかつ前記周縁部23と前記嵌合部3に包囲されて内容物を収容可能な収容部25と、
を備え、
前記開口部2が、少なくとも第1の開口部20aと第2の開口部20bとを有し、
前記嵌合部は、嵌合を解除するために必要な嵌合強度が、収容部内側からの嵌合強度に比べ、収容部外側からの嵌合強度が低く設定され、
前記嵌合部3が、第1の嵌合部30と第2の嵌合部40とを有し、
前記第1の嵌合部30が、前記第1の開口部20a近傍であって前記第1のフィルム材21と前記第2のフィルム材22の互いに対向する面に形成され、
前記第2の嵌合部40が、前記第2の開口部20b近傍であって前記第1のフィルム材21と前記第2のフィルム材22の互いに対向する面に形成され、
前記第1の嵌合部30と前記第2の嵌合部40との間に前記収容部25を備え、
前記嵌合部3のうち少なくともいずれか1つの嵌合部3の雄側嵌合部31,41には、延在方向の所定間隔おきに、フィルム材厚み方向に一部分が潰され、該雄側嵌合部31,41を構成する頭部31b,41bが幹部31a,41a側に縮んで形成される凹部50を有し、
前記凹部50には、該凹部50の底面から張り出して形成される掛かり縁51を有し、
該掛かり縁51と前記頭部31b,41bとが、前記雌側嵌合部32,42に係止することを特徴とする。
また、この嵌合部付き袋体10では、嵌合部3は、嵌合を解除するために必要な嵌合強度が、収容部25内側からの嵌合強度に比べ、収容部25外側からの嵌合強度が低く設定されており、嵌合部3は、内外の方向で嵌合強度が異なるものとされる。すなわち、収容部25内側からの嵌合強度に比べ、収容部25外側からの嵌合強度が低い。収容部25外側(開口縁部53側)からの開放が容易となる一方、収容部25内側からは開放がしにくくなる。これにより、不用意に開いてしまう(開放してしまう)ことを抑制できる。例えば内部の気圧など圧力が高まっても簡単には開放せず、特に開口部2が複数ある構成としては安全である。
前記第1の開口部の側の嵌合強度が、5. 0N/50mm以上20. 0N/50mm以下であり、該第1の開口部の収容部側の嵌合強度が、15. 0N/50mm以上25. 0N/50mm以下とされ、
前記第2の開口部の側の嵌合強度が、5. 0N/50mm以上20. 0N/50mm以下であり、該第2の開口部の収容部側の嵌合強度が、35. 0N/50mm以上50. 0N/50mm以下とされることを特徴とする。
前記嵌合部3が、前記開口部2において、前記収容部25に対する出入り方向に多段で設けられていることを特徴とする。
前記開口部2の対向する内面に、開口縁部53に沿って、対向面方向に突出するリブ54が形成されていることを特徴とする。
前記リブ54が、対向する内面のそれぞれに突設されるとともに、前記収容部25に対する出入り方向にずれて配置されることを特徴とする。
前記多段に設けられる嵌合部3のうち、
前記開口部2側に位置する前記嵌合部3が、前記凹部50を備えた前記雄側嵌合部31,41を有し、
前記収容部25側に位置する前記嵌合部3が、前記凹部50のない前記雄側嵌合部31,41を有することを特徴とする。
また、この嵌合部付き袋体によれば、嵌合部の延在方向の閉鎖に伴って所定間隔の凹部嵌入音及び凹部嵌入触感を生じさせることができ、閉鎖操作感を向上させることができる。
図1(a)は本発明の嵌合部付き袋体の一例を示した正面図であり、(b)はその嵌合部付き袋体の第1のフィルム材と第2のフィルム材とが連続している部分を斜線部で示した図、図2は図1(a)の嵌合部付き袋体のII−IIで切断したときの要部断面図である。
本実施形態の嵌合部付き袋体10は、図1及び図2に示すように、重ね合わされた第1のフィルム材21と第2のフィルム材22とがそれらの周縁部23で連続しており、周縁部23に複数の開口部2を有する袋本体20と、それぞれの開口部2における第1のフィルム材21と第2のフィルム材22の互いに対向する面に形成され、互いに脱着自在に嵌合して開口部2を開閉する雄側嵌合部31,41及び雌側嵌合部32,42を有する嵌合部3と、第1のフィルム材21と第2のフィルム材22とに挟まれかつ周縁部23と嵌合部3に包囲されて内容物を収容可能な収容部25と、を備える。
また、本実施形態の嵌合部付き袋体10は、第1の嵌合部30と第2の嵌合部40との間に内容物を収容可能な収容部25を有している。
また、第1のフィルム材21と第2のフィルム材22は、1種の樹脂からなっていてもよく、2種以上の樹脂を含む樹脂組成物からなっていてもよい。また、必要に応じて安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤等の公知の添加剤が添加されていてもよい。
第1の嵌合部30の雌側嵌合部32は、図3に示すように、第2のフィルム材22の対向部22aからそれぞれ立ち上がり、雄側嵌合部31が嵌まり込む凹部32cを形成する第1のアーム部32a及び第2のアーム部32bを有しており、第2のアーム部32b側を袋体の内容物を収容する収容部25側にして第2のフィルム材22の第1の開口部20a近傍の内面に形成されている。
なお、嵌合強度は、嵌合部付袋体より50mm幅の試験片を切り出し、引張試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフ)を用いて嵌合部幅50mm幅当りの嵌合強度を試験速度50mm/minにて測定し、適性を調べることができる。
第2の嵌合部40の雌側嵌合部42は、図4に示すように、第2のフィルム材22の対向部22bからそれぞれ立ち上がり、雄側嵌合部41が嵌まり込む凹部42cを形成する第1のアーム部42a及び第2のアーム部42bを有しており、第1のアーム部42a側を袋体の収容部25側にして第2のフィルム材22の第2の開口部20bの内面に形成されている。
なお、第2の嵌合部40では、雄側嵌合部41の頭部41bの収容部25側が、幹部41aに対して約65°の角度で連続するように形成されているため、雄側嵌合部41と雌側嵌合部42との嵌合を解除する際に、雌側嵌合部42の第1のアーム部42aのフック状の部分と嵌まり合う。これにより、第2の嵌合部40の収容部25側は、第1の嵌合部30の収容部25側よりも、嵌合強度が大きくなる。
嵌合部付き袋体は、高さが300mm、幅が250mm、第1の開口部20aから第1の嵌合部30までの距離が30mm、第2の開口部20bから第2の嵌合部40までの距離が30mm、第1の嵌合部30と第2の嵌合部40との離間距離が240mmで形成されている。
例えば、第1の嵌合部30と第2の嵌合部40との離間距離は特に限定されず、収容物に応じて離間距離を設定すればよい。
嵌合部付き袋体10では、袋本体20に複数の開口部2が設けられる。全ての開口部2における嵌合部3が嵌合により閉鎖されると、収容部25が密閉される。内容物は、いずれかの所定位置の嵌合部3が嵌合解除されることにより、その開口部2から取り出しが可能となる。この内容物の取り出しは、取り出し方向が、複数設けられる。すなわち、所望の取り出し方向とすることができる。また、所望の嵌合部3を嵌合解除することにより、収容部内の内容物へのアクセス、例えば接触や接続、支持、一部分の切り出し等が可能となる。開閉自在に開口部2が複数あることにより、内容物に対してそれぞれの開口部2から、異なるアクセスを同時に行うことも可能となる。また、内容物は、収容方向の開口部2と異なる開口部2からの取り出しが可能となる。この場合、例えば内容物が未接触の開口部2を開封操作することができる。
図5(a)は凹部を有した雄側嵌合部の成形過程を表す説明図、(b)は凹部の設けられた雄側嵌合部の拡大斜視図である。
嵌合部付き袋体10は、複数の嵌合部3のうち少なくともいずれか1つの嵌合部3が、延在方向の所定間隔おきに、フィルム材厚み方向に一部分が潰れて凹部50となった雄側嵌合部32,42を有するものであってもよい。雄側嵌合部32,42は、頭部31b,41bが潰されて形成、例えば加熱圧縮形成等されることにより、頭部31b,41bが幹部31a,41a側に縮み、凹部50が形成される。この凹部50には、変形時に凹部50の底面から掛かり縁51が張り出して形成される。この掛かり縁51は、雌側嵌合部32,42により係止される。
この嵌合部付き袋体10では、嵌合部3の雄側嵌合部32,42に所定間隔で凹部50を形成することにより、閉鎖操作時に凹部嵌入音(プチプチ音)を出すとともに、閉鎖操作者の手指に凹部嵌入触感を感じさせることができる。これにより、確実に閉まっているかを明確に実感できる。その結果、嵌合部付き袋体10によれば、嵌合部3の延在方向の閉鎖に伴って所定間隔の凹部嵌入音、すなわち連続するプチプチ音及び凹部嵌入触感を連続して生じさせることができ、閉鎖操作感を向上させることができる。
この構成例に係る嵌合部付き袋体10Aは、嵌合部3が、開口部2において、収容部25に対する出入り方向に多段、例えば2段で設けられている。
嵌合部付き袋体10Aは、リブ54が、対向する内面のそれぞれに突設されるとともに、収容部25に対する出入り方向にずれて配置される。
なお、このリブ54についても、開口部2において、収容部25に対する出入り方向に多段に設けられることとしてもよく、より手指の掛かりが向上し、滑り止めの効果を得られる。
また、本実施形態では、袋本体20の形状を矩形としたがそれに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、嵌合部付き袋体10Bは、矩形の袋本体20の上部を、半円形に切り欠いて第1の開口部20a形成した形状、すなわち、袋本体20の幅長に比べ開口部20aが小さく形成されているものであってもよい。
また、図10に示すように、嵌合部付き袋体10Cは、矩形の袋本体20の上部角部を切り落として第1の開口部20aを形成した形状であってもよい。
また、図11に示すように、嵌合部付き袋体10Dは、矩形の袋本体20の上部角部を切り落として第1の開口部20aを形成し、下部角部を切り落とすことによって第2の開口部20bを形成した形状であってもよい。これらの例の、第1の開口部20aの近傍に第1の嵌合部30を形成し、第2の開口部20bの近傍に第2の嵌合部40を形成することで嵌合部付き袋体を形成してもよい。
図12は本発明の嵌合部付き袋体の開口部が異なる変形例を(a)〜(d)で表した断面図である。
図12(a)に示すように、嵌合部付き袋体10Eは、四角形の袋本体20の隣接する2辺に開口部2を備え、それぞれに嵌合部3を設けることができる。
図12(b)に示すように、嵌合部付き袋体10Fは、四角形の袋本体20の1辺に2つの開口部を設け、これら2つの開口部2に嵌合部3を設けることができる。
図12(c)に示すように、嵌合部付き袋体10Gは、四角形の袋本体20の3辺に開口部2を設け、すなわち開口部2を3つ具備する袋体とされ、これら3つの開口部2に、それぞれ嵌合部3を設けることができる。
図12(d)に示すように、嵌合部付き袋体10Hは、四角形の袋本体20の1辺に開口部2を有して嵌合部3を設け、対向する辺の両側の隅部にそれぞれ開口部2を設けて、すなわち3つの開口部2を具備する構成とし、これら傾斜した一対の開口部2に嵌合部3を設けることができる。
図13(a)に示すように、嵌合部付き袋体10Iは、四角形の袋本体20の3つの隅部に開口部2を設けて、各開口部2に嵌合部3を設けることができる。
図13(b)に示すように、嵌合部付き袋体10Jは、四角形の袋本体20の4つの隅部に開口部2を設け、斜めの各開口部2に嵌合部3を設け、すなわち4方向に開口部2を備える袋体とすることができる。
図13(c)に示すように、嵌合部付き袋体10Kは、L字形の袋本体20の両端に開口部2を設け、これら開口部2に嵌合部3を設けることができる。
図13(d)に示すように、嵌合部付き袋体10Lは、U字形の袋本体20のU字開放側と湾曲底部のそれぞれに、嵌合部3を設けることができる。この場合、湾曲底部に設けられる嵌合部3は、湾曲させて形成することができる。
図13(e)に示すように、嵌合部付き袋体10Mは、Y字形の袋本体20の上部両端に開口部2を設け、異なる角度に開口部2を備える構成とし、これら開口部2に嵌合部3を設けることができる。
また、本実施形態では、雄側嵌合部41の頭部41bの収容部25側が、幹部41aに対して約65°の角度で連続するように形成されているが、これに限定されるものではなく、所望の嵌合強度を満たすように幹部41aに対する角度を50〜85°の鋭角としてもよい。
例えば、所望の嵌合強度を満たすために、図3に示すように、第1のアーム部32aのフック状の最内から凹部32cの最外までの距離d1と、第2のアーム部32bのフック状の最内から凹部32cの最外までの距離d2が、d1<d2となるように形成してもよい。
また、所望の嵌合強度を満たすために、図4に示すように、第1のアーム部42aのフック状の最内から凹部42cの最外までの距離d3と、第2のアーム部42bのフック状の最内から凹部42cの最外までの距離d4が、d4<d3となるように形成してもよい。
3…嵌合部
10…嵌合部付き袋体
20…袋本体
20a…開口部(第1の開口部)
20b…開口部(第2の開口部)
21…第1のフィルム材
22…第2のフィルム材
23…周縁部
25…収容部
30…第1の嵌合部
31…雄側嵌合部
32…雌側嵌合部
40…第2の嵌合部
41…雄側嵌合部
42…雌側嵌合部
50…凹部
53…開口縁部
54…リブ
Claims (6)
- 重ね合わされた第1のフィルム材と第2のフィルム材とがそれらの周縁部で連続しており、前記周縁部に複数の開口部を有する袋本体と、
それぞれの前記開口部における前記第1のフィルム材と前記第2のフィルム材の互いに対向する面に形成され、互いに脱着自在に嵌合して前記開口部を開閉する雄側嵌合部及び雌側嵌合部を有する嵌合部と、
前記第1のフィルム材と前記第2のフィルム材とに挟まれかつ前記周縁部と前記嵌合部に包囲されて内容物を収容可能な収容部と、
を備え、
前記開口部が、少なくとも第1の開口部と第2の開口部とを有し、
前記嵌合部は、嵌合を解除するために必要な嵌合強度が、収容部内側からの嵌合強度に比べ、収容部外側からの嵌合強度が低く設定され、
前記嵌合部が、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを有し、
前記第1の嵌合部が、前記第1の開口部近傍であって前記第1のフィルム材と前記第2のフィルム材の互いに対向する面に形成され、
前記第2の嵌合部が、前記第2の開口部近傍であって前記第1のフィルム材と前記第2のフィルム材の互いに対向する面に形成され、
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部との間に前記収容部を備え、
前記嵌合部のうち少なくともいずれか1つの嵌合部の雄側嵌合部には、延在方向の所定間隔おきに、フィルム材厚み方向に一部分が潰され、該雄側嵌合部を構成する頭部が幹部側に縮んで形成される凹部を有し、
前記凹部には、該凹部の底面から張り出して形成される掛かり縁を有し、
該掛かり縁と前記頭部とが、前記雌側嵌合部に係止することを特徴とする嵌合部付き袋体。 - 前記第1の開口部の前記収容部外側からの嵌合強度が、5. 0N/50mm以上20. 0N/50mm以下であり、該第1の開口部の収容部内側からの嵌合強度が、15. 0N/50mm以上25. 0N/50mm以下とされ、
前記第2の開口部の前記収容部外側からの嵌合強度が、5. 0N/50mm以上20. 0N/50mm以下であり、該第2の開口部の前記収容部内側からの嵌合強度が、35. 0N/50mm以上50. 0N/50mm以下とされることを特徴とする請求項1に記載の嵌合部付き袋体。 - 前記嵌合部が、前記開口部において、前記収容部に対する出入り方向に多段で設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の嵌合部付き袋体。
- 前記開口部の対向する内面に、開口縁部に沿って、対向面方向に突出するリブが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の嵌合部付き袋体。
- 前記リブが、対向する内面のそれぞれに突設されるとともに、前記収容部に対する出入り方向にずれて配置されることを特徴とする請求項4に記載の嵌合部付き袋体。
- 前記多段に設けられる嵌合部のうち、
前記開口部側に位置する前記嵌合部が、前記凹部を備えた前記雄側嵌合部を有し、
前記収容部側に位置する前記嵌合部が、前記凹部のない前記雄側嵌合部を有することを特徴とする請求項3に記載の嵌合部付き袋体。
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