JP6923637B2 - 対基板作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に対して所定の作業を行う対基板作業機に関する。
特許文献1には、複数の電子部品実装機が並置された生産ラインが開示されている。複数の電子部品実装機は、生産ラインの延在方向に一列に並んでいる。電子部品実装機は、ハウジングと、各種機器(例えば、XYロボット、装着ヘッド、吸着ノズル、基板搬送装置など)と、を備えている。各種機器は、ハウジングの内部に収容されている。
特開2009−111087号公報
ここで、作業者が、任意の機器の動作を確認したい場合がある。例えば、実績のない新規の電子部品を基板に装着する場合など、作業者が、吸着ノズルに対する電子部品の吸着状態を、目視したい場合がある。しかしながら、各種機器は、ハウジングの内部に収容されている。また、電子部品実装機、つまりハウジングは、生産ラインの延在方向に並置されている。このため、ハウジング外部から、ハウジング内部の機器の動作を確認しにくい。そこで、本発明は、ハウジング外部から、ハウジング内部の機器の動作を確認しやすい対基板作業機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の対基板作業機は、ベースと、前記ベースに配置され、基板の生産に寄与する所定の動作を行う機器を有するモジュールと、を備える対基板作業機であって、前記モジュールは、前記ベースに対して、前記基板が生産される生産位置と、前記生産位置からずれたオフセット位置と、に切換可能であり、前記生産位置および前記オフセット位置において、前記機器は動作可能であり、前記オフセット位置における前記機器の動作速度は、前記生産位置における前記機器の動作速度よりも、遅いことを特徴とする。
本発明の対基板作業機によると、モジュールを、生産位置と、オフセット位置と、に切り換えることができる。また、本発明の対基板作業機によると、生産位置のみならず、オフセット位置においても、機器を動かすことができる。
図1は、本発明の対基板作業機の一実施形態である電子部品実装機が複数並置された生産ラインの斜視図である。 図2は、同電子部品実装機の斜視図である。 図3は、同電子部品実装機の右側面図である。 図4は、同電子部品実装機のブロック図である。 図5(a)は、同電子部品実装機のクランプ装置のリリース状態における前後方向断面図である。図5(b)は、同電子部品実装機のクランプ装置のロック状態における前後方向断面図である。 図6は、動作確認モードの電子部品実装機を備える生産ラインの斜視図である。 図7は、その他の実施形態の電子部品実装機が複数並置された生産ラインの上面図である。
以下、本発明の対基板作業機を電子部品実装機として具現化した実施の形態について説明する。
(電子部品実装機の機械的構成)
まず、本実施形態の電子部品実装機の機械的構成について説明する。図1に、本実施形態の電子部品実装機が複数並置された生産ラインの斜視図を示す。図2に、本実施形態の電子部品実装機の斜視図を示す。図3に、同電子部品実装機の右側面図を示す。図4に、同電子部品実装機のブロック図を示す。なお、図2、図3においては、モジュール3のハウジング36を透過して示す。また、図3においては、ベース2の上壁20、ハウジング36の底壁361を断面で示す。
図1に示すように、生産ラインLには、複数の電子部品実装機1が並置されている。複数の電子部品実装機1は、左右方向に一列に並んでいる。電子部品実装機1の前側には、作業者の作業エリアAが設定されている。図2〜図4に示すように、電子部品実装機1は、ベース2と、モジュール3と、多数のテープフィーダ(部品供給装置)4と、デバイスパレット5と、制御装置7と、クランプ装置8と、を備えている。クランプ装置8は、本発明の「固定部」の概念に含まれる。
ベース2は、工場のフロア(図略)に配置されている。ベース2の上壁20には、開口部200が開設されている。また、上壁20の上面には、左右一対のガイドレール(ベース側ガイド部)21が配置されている。ガイドレール21は、前後方向に延在している。
モジュール3は、ベース2の上壁20に着脱可能に配置されている。モジュール3は、基板搬送装置30と、XYロボット31と、装着ヘッド32と、マークカメラ(撮像装置)33と、基板昇降装置35と、ハウジング36と、表示装置37と、動作許可部材38と、を備えている。基板搬送装置30、XYロボット31、装着ヘッド32、マークカメラ33、基板昇降装置35は、本発明の「機器」の概念に含まれる。動作許可部材38は、本発明の「動作許可部」の概念に含まれる。
ハウジング36は、モジュール3の外殻を構成している。ハウジング36の内部には、基板搬送装置30、XYロボット31、装着ヘッド32、マークカメラ33、基板昇降装置35が収容されている。ハウジング36の前壁(作業エリアA側の壁)の前面、左壁(生産ラインL上流側の壁)の左面、右壁(生産ラインL下流側の壁)の右面には、開口部360が開設されている。左壁の左面、右壁の右面は、本発明の「(モジュールの)並置方向端面」の概念に含まれる。ハウジング36の底壁361の下面には、左右一対の溝部(モジュール側ガイド部)362が凹設されている。溝部362は、前後方向に延在している。溝部362には、ガイドレール21が摺接している。このため、ベース2に対して、モジュール3は、前後方向にスライド可能である。底壁361の下面には、前後一対の凹部363が凹設されている。底壁361の上面には、左右一対のガイドレール364が配置されている。ガイドレール364は、前後方向に延在している。
基板搬送装置30は、前側から後側に向かって、固定壁300と、第一可動壁301と、第二可動壁302と、を備えている。第一可動壁301、第二可動壁302は、各々、図4に示すモータ(アクチュエータ)301a、302aにより、左右一対のガイドレール364に沿って、前後方向に移動可能である。すなわち、基板Bの搬送幅を変更可能である。
固定壁300の後面(内面)および第一可動壁301の前面(内面)には、ベルトコンベア(基板搬送部)303が配置されている。ベルトコンベア303は、左右方向に延在している。同様に、第一可動壁301の後面(内面)および第二可動壁302の前面(内面)にも、ベルトコンベア303が配置されている。一対のベルトコンベア303は、各々、図4に示すモータ303aにより駆動される。
基板昇降装置35は、前後一対の昇降部350を備えている。一対の昇降部350は、各々、図4に示すモータ350aにより、上下方向に移動可能である。昇降部350は、ベルトコンベア303の下側に配置されている。基板Bの位置は、昇降部350により、基板搬送高度の装着準備位置(図3に示す前側の基板Bの位置)と、基板搬送高度よりも高度が高い装着位置(図3に示す後側の基板Bの位置)と、に切換可能である。
XYロボット31は、Y方向スライダ310と、X方向スライダ311と、左右一対のY方向ガイドレール312と、上下一対のX方向ガイドレール313と、を備えている。左右一対のY方向ガイドレール312は、ハウジング36の上壁下面に配置されている。Y方向スライダ310は、左右一対のY方向ガイドレール312に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。上下一対のX方向ガイドレール313は、Y方向スライダ310の前面に配置されている。X方向スライダ311は、上下一対のX方向ガイドレール313に、左右方向に摺動可能に取り付けられている。
装着ヘッド32は、X方向スライダ311に取り付けられている。このため、装着ヘッド32は、XYロボット31により、前後左右方向に移動可能である。装着ヘッド32の下側には、吸着ノズル320が交換可能に取り付けられている。吸着ノズル320は、装着ヘッド32に対して、下方、および回転方向(上下方向軸の軸周りの回転方向)に移動可能である。このため、吸着ノズル320は、前後、左右、上下、回転方向に移動可能である。Y方向スライダ310は図4に示すモータ310aにより、X方向スライダ311は図4に示すモータ311aにより、吸着ノズル320は図4に示す昇降用のモータ320aおよび回転用のモータ320bにより、各々駆動される。
マークカメラ33は、装着ヘッド32と共に、X方向スライダ311に取り付けられている。マークカメラ33は、吸着ノズル320の後側に配置されている。マークカメラ33は、XYロボット31により、装着ヘッド32と共に、前後左右方向に移動可能である。マークカメラ33は、基板Bの上面の位置決め用の基準マークMを、撮像可能である。
デバイスパレット5は、ハウジング36の前壁の開口部360に、装着されている。多数のテープフィーダ4は、各々、デバイスパレット5に着脱可能に装着されている。テープフィーダ4のテープ40には、長手方向に沿って、複数の電子部品Pが収容されている。テープフィーダ4の上面の後端部には、部品取出位置Cが設定されている。部品取出位置Cは、ハウジング36の内部に収容されている。吸着ノズル320は、部品取出位置Cから電子部品Pを取り出し、基板Bの所定の装着座標に装着する。
図3に示すように、クランプ装置8は、ベース2の内部において、開口部200付近に配置されている。図5(a)に、本実施形態の電子部品実装機のクランプ装置のリリース状態における前後方向断面図を示す。図5(b)に、同クランプ装置のロック状態における前後方向断面図を示す。図5(a)、図5(b)に示すように、クランプ装置8は、シリンダ揺動軸80と、シリンダ81と、ピストン82と、ピン83と、ピン揺動軸84と、を備えている。
シリンダ揺動軸80は、上壁20の下面に配置されている。シリンダ81の前端は、シリンダ揺動軸80に、揺動可能に取り付けられている。ピストン82は、シリンダ81の後端から後側に伸縮可能である。ピン揺動軸84は、上壁20の下面に配置されている。ピン83の中央部は、ピン揺動軸84に、揺動可能に取り付けられている。また、ピン83の前端は、ピストン82の後端(突出端)に、揺動可能に取り付けられている。
図5(a)に示すように、リリース状態においては、ピン83の後端(自由端)は、ベース2の上壁20の開口部200の内部に没入している。ピン83は、モジュール3の底壁361の凹部363に係合していない。このため、モジュール3は、ベース2に対して、前後方向にスライド可能である。図5(a)に示すリリース状態から図5(b)に示すロック状態に切り替える場合は、シリンダ81から、ピストン82を、後側に突出させる。そして、ピン83を、ピン揺動軸84を中心に、図における反時計回り方向に揺動させる。すなわち、ピン83を開口部200から上側に突出させる。図5(b)に示すように、ロック状態においては、ピン83は、モジュール3の底壁361の凹部363に係合している。このため、モジュール3は、ベース2に固定されている。
このように、クランプ装置8が図5(a)に示すリリース状態の場合、ベース2に対してモジュール3を前後方向にスライドすることができる。一方、クランプ装置8が図5(b)に示すロック状態の場合、ベース2に対してモジュール3を固定することができる。
(電子部品実装機の電気的構成)
次に、本実施形態の電子部品実装機の電気的構成について説明する。図4に示すように、 制御装置7は、入出力インターフェイス70と、演算部71と、記憶部72と、を備えている。入出力インターフェイス70は、駆動回路(図略)を介して、モータ301a、302a、303a、350a、310a、311a、320a、320bに、各々接続されている。
また、入出力インターフェイス70は、表示装置(タッチパネル)37に接続されている。表示装置37は、ハウジング36の前壁の前面に配置されている。制御装置7は、表示装置37に、電子部品実装機1の状態を表示可能である。また、作業者は、表示装置37を介して、電子部品実装機1に所定の指示を入力可能である。
また、入出力インターフェイス70は、動作許可部材38に、着脱可能に接続されている。制御装置7は、後述するオフセット位置において、作業者が動作許可部材38を把持している間に限って、基板搬送装置30、XYロボット31、装着ヘッド32、マークカメラ33、基板昇降装置35を駆動することができる。
(電子部品実装機の動き)
次に、本実施形態の電子部品実装機の動きについて説明する。電子部品実装機1は、生産モードと、動作確認モードと、に切換可能である。図1〜図3に示すように、生産モードにおいて、全てのモジュール3は、生産位置Dに配置されている。図3、図5(b)に示すように、生産位置Dにおいて、クランプ装置8は、ロック状態に切り換えられている。具体的には、図3に示すように、モジュール3の底壁361には、前後一対の凹部363が配置されている。クランプ装置8のピン83は、前側の凹部363に係合している。このため、ベース2にモジュール3が固定されている。
生産モードにおいては、生産ラインLに配置された複数の電子部品実装機1が、各々、自身に割り当てられた電子部品Pを、基板Bの所定の装着座標に装着する。一例として、図1に示す左から二番目の電子部品実装機1について説明すると、図4に示す制御装置7は、まず、基板搬送装置30を駆動し、左側(上流側)の別の電子部品実装機1から装着準備位置(図3に示す前側の基板Bの位置)に、左壁の開口部360を介して、基板Bを搬入する。次に、制御装置7は、基板昇降装置35を駆動し、基板Bを装着位置(図3に示す後側の基板Bの位置)まで持ち上げる。続いて、制御装置7は、XYロボット31、装着ヘッド32を駆動し、部品取出位置Cから基板Bの所定の装着座標まで、電子部品Pを搬送する。自身に割り当てられた電子部品Pの装着が完了したら、制御装置7は、基板昇降装置35を駆動し、基板Bを装着位置から装着準備位置まで下降させる。その後、制御装置7は、基板搬送装置30を駆動し、装着準備位置から右側(下流側)の別の電子部品実装機1に、右壁の開口部360を介して、基板Bを搬出する。
図6に、動作確認モードの電子部品実装機を備える生産ラインの斜視図を示す。なお、本実施形態において、動作確認モードの対象となる電子部品実装機1は、左側から二番目の電子部品実装機1である。当該電子部品実装機1を生産モードから動作確認モードに切り換える場合は、まず、作業者が、表示装置37の画面の切換ボタンに触れる。次に、制御装置7は、クランプ装置8を、図5(b)に示すロック状態から、図5(a)に示すリリース状態に、切り換える。続いて、作業者は、作業エリアAから、ガイドレール21に沿って、ベース2に対してモジュール3を前側に引き出す。そして、図3に示す後側の凹部363を、クランプ装置8のピン83の、真上に配置する。それから、制御装置7は、クランプ装置8を、図5(a)に示すリリース状態から、図5(b)に示すロック状態に、切り換える。すなわち、ベース2にモジュール3を固定する。このようにして、生産モードから動作確認モードへの切換作業が行われる。図5(b)に示すロック状態にすることで、動作確認モードへのインターロックを解除するようにしてもよい。これは生産モードにおいても同様の構成とすることができる。
動作確認モードにおいて、モジュール3は、オフセット位置Eに配置されている。オフセット位置Eは、生産位置Dの前側(作業エリアA側)に設定されている。オフセット位置Eのモジュール3は、生産位置Dのモジュール3に対して、前側に突出している。このため、作業者は、モジュール3の左壁、右壁の開口部360を介して、作業エリアAから、オフセット位置Eのハウジング36内部の機器(基板搬送装置30、XYロボット31、装着ヘッド32、マークカメラ33、基板昇降装置35)を、目視にて確認することができる。
動作確認モードにおいては、表示装置37の画面に、複数の動作ボタンが表示される。複数の動作ボタンは、ハウジング36内部の複数の機器に対応している。動作確認モードにおいては、まず、作業者が、図4に示す動作許可部材38を、モジュール3のコネクタ(図略)を介して、制御装置7に接続する。次に、作業者が、表示装置37の複数の動作ボタンの中から、動作を確認したい機器に対応する動作ボタンを、選択する。例えば、図3に示す部品取出位置Cからの電子部品Pの取出動作を確認したい場合、作業者は、装着ヘッド32に対応する動作ボタンに触れる。続いて、作業者は、動作許可部材38のグリップ(図略)を把持する。制御装置7は、作業者が動作許可部材38のグリップを把持している間、装着ヘッド32を動かし、部品取出位置Cから電子部品Pを取り出す動作を実行する。ここで、動作確認モードにおける装着ヘッド32の動作速度は、生産モードにおける装着ヘッド32の動作速度よりも、遅い。例えば、生産モードにおける動作速度を100%とした場合、10%以下(例えば1%以上5%以下、さらに望ましいのは2%以上3%以下)である。このため、作業者は、モジュール3の左壁、右壁の開口部360を介して、作業エリアAから、装着ヘッド32の動作を、目視にて確認することができる。
制御装置7は、所定の動作完了後、装着ヘッド32を停止させる。なお、所定の動作の途中であっても、作業者が動作許可部材38のグリップから手を離したら、制御装置7は、装着ヘッド32を強制停止させる。また、所定の動作の途中であり、かつ作業者が動作許可部材38のグリップを把持していても、所定のエラーが発生したら(例えば、装着ヘッド32の動作に用いられる複数のモータ310a、311a、320a、320bのうち、いずれかの負荷が過大になったとき)、制御装置7は、装着ヘッド32を非常停止させる。このようにして、制御装置7は、動作確認モードを実行する。ここでは、グリップを例にしたが、ボタンを押したままにすることでも対応できる。ちなみに、動作確認モードでは基板Bの所定の装着座標まで、電子部品Pを搬送しないようにすることもできる。その際は、電子部品Pを搬送するために負圧を発生させたり、クランプ動作を行う必要がない。
動作確認モード後は、生産モードに復帰してもよい。また、生産対象となる基板Bの種類を変更する段取り替えや、モジュール3の交換作業(この場合は、オフセット位置からさらにモジュール3を前側に引き出し、ベース2からモジュール3を取り外す。そして、ベース2に別のモジュール3を取り付ける。)を実行してもよい。
(作用効果)
次に、本実施形態の電子部品実装機の作用効果について説明する。図6に示すように、本実施形態の電子部品実装機1によると、モジュール3を、生産位置Dと、オフセット位置Eと、に切り換えることができる。生産位置Dに対して、オフセット位置Eは、前側にずれている。このため、複数の電子部品実装機1が左右方向に並んでいる場合、生産位置Dのモジュール3に対して、オフセット位置Eのモジュール3が、前側に突出することになる。したがって、ハウジング36の外部から、ハウジング36の内部の機器(基板搬送装置30、XYロボット31、装着ヘッド32、マークカメラ33、基板昇降装置35など)を、確認しやすい。
また、本実施形態の電子部品実装機1によると、生産位置Dのみならず、オフセット位置Eにおいても、ハウジング36の内部の機器を動かすことができる。オフセット位置Eにおけるハウジング36の内部の機器の動作速度は、生産位置Dにおけるハウジング36の内部の機器の動作速度よりも、遅い。このため、ハウジング36の外部から、ハウジング36の内部の機器の動作を確認しやすい。
また、ハウジング36の左壁、右壁には、開口部360が開設されている。このため、図6に示すように、オフセット位置Eにおいて、開口部360を介して、ハウジング36の内部の機器を、ハウジング36の外部から、確認することができる。また、ハウジング36の左壁、右壁には、隣接する電子部品実装機1との間で基板Bを受け渡す都合上、必ず開口部360が開設されている。本実施形態の電子部品実装機1によると、当該開口部360を利用して、ハウジング36の内部の機器をハウジング36の外部から、確認することができる。
また、図4に示すように、電子部品実装機1は、着脱可能な動作許可部材38を備えている。オフセット位置においては、作業者が動作許可部材38のグリップを把持している間だけ、制御装置7がハウジング36の内部の機器の動作を許可する。このため、作業者が動作許可部材38のグリップから手を離すことにより、ハウジング36の内部の機器の動作を強制停止することができる。また、制御装置7は、作業者が動作許可部材38のグリップを把持していても、所定のエラーが発生したら、ハウジング36の内部の機器の動作を非常停止させることができる。
また、図5(a)、図5(b)に示すように、電子部品実装機1はクランプ装置8を備えている。このため、生産位置Dのみならず、オフセット位置Eにおいても、ベース2にモジュール3を固定することができる。したがって、オフセット位置Eにおけるベース2とモジュール3との位置関係を保持することができる。
また、図6に示すように、ベース2の前側には、作業者の作業エリアAが設定されている。すなわち、生産位置Dに対して、オフセット位置Eが、作業エリアAに近接して(あるいは作業エリアA内に)配置されている。このため、作業者が、ハウジング36の内部の機器の動作を確認しやすい。
<その他>
以上、本発明の対基板作業機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図7に、その他の実施形態の電子部品実装機が複数並置された生産ラインの上面図を示す。なお、図6と対応する部位については、同じ符号で示す。図7に示すように、生産ラインLの前後方向両側には、前後一対の作業エリアAf、Arが設定されている。また、生産位置Dの前後方向両側には、各々、三段階のオフセット位置E1f〜E3f、E1r〜E3rが設定されている。電子部品実装機1は、生産位置D(ベース2)に対して、前側に三段階、後側に三段階、モジュール3をずらすことができる。図7に矢印a1〜a8で示すように、左右方向に隣り合う任意の一対のモジュール3の前後方向位置が相対的にずれている場合、作業者は、双方のモジュール3のハウジング内部の機器を、確認することができる。特に、左右方向に隣り合う任意の一対のモジュール3のうち、一方を前側のオフセット位置E1f〜E3fに、他方を後側のオフセット位置E1r〜E3rに、配置すると、双方の開口部の開口面積が大きくなる。このため、作業者は、双方のモジュール3のハウジング内部の機器を、確認しやすくなる。
また、任意のオフセット位置E1f〜E3f、E1r〜E3rと、当該オフセット位置E1f〜E3f、E1r〜E3rにおいて動作可能な機器と、を関連付けてもよい。例えば、オフセット位置E1f、E1rにおいて、XYロボット、装着ヘッド、マークカメラを、動作可能にしてもよい。また、オフセット位置E3f、E3rおいて、XYロボット、装着ヘッド、マークカメラに加えて、基板搬送装置、基板昇降装置を、動作可能にしてもよい。
動作確認モードにおいて動作確認対象となるハウジング36の内部の機器の種類は、特に限定しない。例えば、所定方向(X方向(左右方向)、Y方向(前後方向)、Z方向(上下方向)、θx方向(X軸周りに回転する方向)、θy方向(Y軸周りに回転する方向)、θz方向(Z軸周りに回転する方向)のうち、少なくとも一方向)に動作するロボット、装着ヘッド、電子部品用クランプ(リードクランプ、ボディクランプ)、基板搬送装置、基板昇降装置、照明装置、撮像装置、カット&クリンチ装置(電子部品のリードの余剰部分を切断し曲げる装置)、スキージ、スクリーンマスクなどであってもよい。また、単一の動作確認モードにおいて、複数の機器の動作(例えば、複数の機器の連係動作)を確認してもよい。
図6に示すオフセット位置Eのハウジング36の左側または右側の開口部360を介して、ハウジング36の内部の機器を、ハウジング36の外部から、撮像装置(カメラ)により撮像してもよい。また、画像や動画を録画してもよい。
図6に示すオフセット位置Eのハウジング36の左側または右側の開口部360に対する、外部からの侵入物を検出するために、電子部品実装機1にセンサ(例えば、遮光センサ、カメラなど)を配置してもよい。また、センサが侵入物を検出した場合、図4に示す制御装置7が機器の動作を非常停止させてもよい。図6に示す開口部360の大きさ、形状、配置数は特に限定しない。ハウジング36の内部に、開口部360を介してハウジング36の外部から認識できるように、鏡を配置してもよい。そして、鏡を介して、所望の機器の動作を確認してもよい。
動作許可部として、電子部品実装機1にキーを配置してもよい。この場合、図4に示す制御装置7は、キーがオンになった場合に限り、オフセット位置Eにおいて、ハウジング36の内部の機器を、動作させる。
部品供給装置として、トレイフィーダ、スティックフィーダ、バルクフィーダなどを配置してもよい。対基板作業機の種類は特に限定しない。ベース2とモジュール3とを備えていればよい。例えば、スクリーン印刷機、基板外観検査装置、リフロー炉などであってもよい。生産ラインLにおける対基板作業機の配置数(並置数)は特に限定しない。また、生産ラインLの延在方向と、生産位置Dとオフセット位置Eとの切換方向と、は互いに直交していなくてもよい。例えば、生産ラインLの延在方向と、生産位置Dとオフセット位置Eとの切換方向と、が一致していてもよい。
1:電子部品実装機(対基板作業機)、2:ベース、3:モジュール、4:テープフィーダ、5:デバイスパレット、7:制御装置、8:クランプ装置(固定部)、20:上壁、21:ガイドレール、30:基板搬送装置(機器)、31:XYロボット(機器)、32:装着ヘッド(機器)、33:マークカメラ(機器)、35:基板昇降装置(機器)、36:ハウジング、37:表示装置、38:動作許可部材(動作許可部)、40:テープ、70:入出力インターフェイス、71:演算部、72:記憶部、80:シリンダ揺動軸、81:シリンダ、82:ピストン、83:ピン、84:ピン揺動軸、200:開口部、300:固定壁、301:第一可動壁、301a:モータ、302:第二可動壁、302a:モータ、303:ベルトコンベア、303a:モータ、310:Y方向スライダ、310a:モータ、311:方向スライダ、311a:モータ、312:Y方向ガイドレール、313:X方向ガイドレール、320:吸着ノズル、320a:モータ、320b:モータ、350:昇降部、350a:モータ、360:開口部、361:底壁、362:溝部、363:凹部、364:ガイドレール、A:作業エリア、Af:作業エリア、Ar:作業エリア、B:基板、C:部品取出位置、D:生産位置、E:オフセット位置、E1f〜E3f:オフセット位置、E1r〜E3r:オフセット位置、L:生産ライン、M:基準マーク、P:電子部品

Claims (4)

  1. ベースと、
    前記ベースに配置され、基板の生産に寄与する所定の動作を行う、基板搬送装置および基板昇降装置である、機器を有するモジュールと、
    を備える対基板作業機であって、
    複数の前記対基板作業機の前記モジュールは、並んで配置され、
    前記モジュールの並置方向に対して交差する方向には、作業者の作業エリアが設定され、
    前記モジュールは、前記ベースに対して、前記基板が生産される生産位置と、前記生産位置から前記作業エリア側にずれた複数のオフセット位置と、に切換可能であり、
    複数の前記オフセット位置の各々において、前記モジュールの一部は前記ベースに載置されており、
    前記生産位置および複数の前記オフセット位置において、前記機器は動作可能であり、
    複数の前記オフセット位置のうち任意の前記オフセット位置と、該オフセット位置において動作可能な前記機器と、は関連付けられており、
    前記オフセット位置における前記機器の動作速度は、前記生産位置における前記機器の動作速度よりも、遅いことを特徴とする対基板作業機。
  2. 記モジュールは、前記機器が収容され、前記モジュールの並置方向端面に開口部が開設されたハウジングを有し、
    前記オフセット位置において、前記開口部を介して、前記機器は、前記ハウジングの外部から認識可能である請求項1に記載の対基板作業機。
  3. さらに、前記オフセット位置における前記機器の動作を許可する動作許可部を備える請求項1または請求項2に記載の対基板作業機。
  4. さらに、前記オフセット位置において、前記ベースに前記モジュールを固定可能な固定部を備える請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の対基板作業機。
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