JP6923467B2 - レトルト容器詰調味用組成物及びその使用 - Google Patents

レトルト容器詰調味用組成物及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、レトルト容器詰調味用組成物並びに該組成物を使用した加工食品及び該加工食品の製造方法に関する。
食品や調味料をパウチなどの耐熱性容器に充填及び密封し、レトルト装置でレトルト殺菌処理する方法が広く用いられている。このレトルト殺菌法は、容器をレトルト槽内に並べ、レトルト槽の温度を蒸気や熱水などにより120℃程度まで上昇させて、所定の殺菌効果が得られるように一定時間の殺菌処理を施す方法である。
レトルト殺菌処理に供すると、容器内の食品や調味料の保存性を良好なものとすることができる。しかし、レトルト殺菌処理に供した食品や調味料は、独特なレトルト臭が発生するという問題がある。このレトルト臭を抑制するために、種々の手段が研究開発されている。
例えば、特許文献1には、油脂、澱粉系原料、化学調味料及び香辛料を含む食品素材を水とともに加熱調理した液状物を含み、かつ、Brix、殺菌前の容器内残存酸素量、クミンアルデヒド、オイゲノールなどを所定の量で含む、レトルトカレー食品が記載されている。
特許文献2には、油脂、α化澱粉及び香辛料を含み、これらが水に分散又は分散及び溶解した形態の液状物又はペースト状物を含有する食品が耐熱性容器に収容密封され、レトルト処理されており、かつ、所定の粘度及びpHを有し、クルクミノイド及びアネトールを所定の量で含有するレトルトカレー食品が記載されている。
特許文献3には、醤油等で調味加工するレトルト食品の製造方法において、醤油として生醤油を使用することを特徴とする、レトルト蒲焼きのたれ調味料の製造方法が記載されている。
特開2006−81461号公報 特開2003−169644号公報 特開昭61−152249号公報
特許文献1及び2に記載のレトルトカレー食品は、開封後に喫食するためのカレー食品であり、Brix、粘度、pH、殺菌前の容器内残存酸素量、クミンアルデヒド、オイゲノール、クルクミノイド及びアネトールなどによって、レトルト臭を抑制するものである。このように、特許文献1及び2に記載のレトルトカレー食品は、カレー食品に依拠するレトルト臭が抑制されたものであるが、カレー風味を主としない料理用の調味料として用いられるものではない。
特許文献3に記載の方法によれば、醤油を含有するレトルト調味料が得られるが、生醤油ではなく、生醤油を加熱殺菌等した醤油を含有する調味料のレトルト臭を抑制するためには、特許文献3に記載の方法は使用することができない。
また、醤油を含有しつつも、レトルト臭が低減されたレトルト調味料については、これまでにほとんど知られていない。
そこで、本発明は、醤油を含有しつつも、レトルト臭が低減されたレトルト容器詰調味用組成物を提供することを、本発明が解決しようとする第1の課題とする。さらに、本発明は、該組成物を利用した加工食品、該加工食品の製造方法及び該加工食品の風味を改善する方法を提供することを、本発明が解決しようとする第2の課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を積み重ね、数多くの調味料を適宜組み合せて、レトルト殺菌後であってもレトルト臭がほとんどしないようなレトルト容器詰調味用組成物を得ようと試行錯誤した。
そして、数々の失敗を重ねた結果、驚くべきことに、醤油を含有しつつも、ターメリック及びチキンエキスを組み合わせて含有させることにより、レトルト殺菌後においてもレトルト臭が抑制されたレトルト容器詰調味用組成物が得られることを本発明者らは見出した。このような知見の下で、本発明者らは、醤油と、ターメリックと、チキンエキスとを含有する、レトルト容器詰調味用組成物;該組成物を利用した加工食品;該加工食品の製造方法;及び該加工食品の風味を改善する方法を創作することに成功した。本発明はこのような知見や成功例に基づいて完成するに至った発明である。
したがって、本発明の各一態様によれば、以下のものが提供される:
[1]醤油と、ターメリックと、チキンエキスとを含有し、かつ、該醤油の含有量は該ターメリックの含有量よりも多い量である、レトルト容器詰調味用組成物。
[2]前記組成物は、照焼食品を調理するための組成物である。
[3]前記組成物は、0.01wt%以上0.12wt%未満のターメリックを含有する、及び/又は、0.1wt%以上のチキンエキスを含有する組成物である。
[4]前記組成物は、1.0wt%以上の醤油を含有する。
[5][1]〜[4]のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを原料として含む、照焼食品。
[6][1]〜[4]のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理することにより、照焼食品を得る工程を含む、照焼食品の製造方法。
[7][1]〜[4]のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理する工程を含む、照焼食品の風味を改善する方法。
本発明の一態様である組成物、加工食品、加工食品の製造方法及び加工食品の風味を改善する方法によれば、レトルト殺菌後であってもレトルト臭が抑えられた調味用組成物として利用することにより、レトルト臭を付与することなく、所望の優れた風味を有する加工食品、例えば、照焼食品を調理することが可能である。
以下、本発明の一態様である組成物、加工食品、加工食品の製造方法及び加工食品の風味を改善する方法の詳細について説明するが、本発明の技術的範囲は本項目の事項によってのみに限定されるものではなく、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
本発明の一態様の組成物は、醤油と、ターメリックと、チキンエキスとを少なくとも含有する、レトルト容器詰調味用組成物である。本発明の一態様の組成物は、それ自体で、レトルト臭が抑制された組成物である。なお、「レトルト臭」とは、レトルトパウチに封入した食品や調味料を加圧加熱殺菌処理に供した際に生じる加熱臭や酸化臭などの不快臭をいう。
本発明の一態様の組成物は、例えば、肉や魚を主食材とする照焼食品を調理する際に用いることにより、得られる照焼食品に対して、レトルト臭を抑制し、すっきりとした醤油の風味を付与することができる。驚くべきことに、本発明の一態様の組成物を用いて、肉を主食材とする照焼食品を調理することにより、肉に由来する臭みを抑制することができる。したがって、本発明の一態様の組成物は、照焼食品用の調味用組成物であることが好ましい。
醤油は、しょうゆやしょう油などと表記して通常知られているとおりのものであれば特に限定されず、例えば、農林水産省により示されている「しょうゆ品質表示基準」において定義付けされているものなどを挙げることができる。醤油の具体例としては、例えば、濃口醤油、薄口醤油、たまり醤油、再仕込醤油、白醤油、だし醤油、照り醤油、生揚げ醤油、生醤油などが挙げられるが、食材に対してしっかりとした醤油の風味を付与するために濃口醤油であることが好ましい。
ターメリック(turmeric)は、香辛料として通常知られているとおりのものであれば特に限定されないが、例えば、ショウガ科ウコン属の多年草(Curcuma longa)の根茎を乾燥した粉末ということができる。
チキンエキスとは、調味料として通常知られているとおりのものであれば特に限定されないが、例えば、鶏肉、鶏骨、鶏ガラ、鶏油などの鶏の部位に水を加え、常圧若しくは加圧の条件下において、加熱又は非加熱で、必要に応じてpHの調整を行ないながら、鶏の部位に含まれる成分を抽出したものということができる。チキンエキスは、濃縮などの処理を行って加工したものであってもよい。チキンエキスの形態は特に限定されず、液状、ペースト状、パウダー状などであり得る。
醤油、ターメリック及びチキンエキスの入手方法は特に限定されず、例えば、それぞれ市販されているものを使用することができる。
ターメリックは、ターメリックを含有するものであるターメリック含有物であってもよく、該ターメリック含有物としてはカレー粉などが挙げられる。ただし、本発明の一態様の組成物において、醤油の含有量は、ターメリックやターメリック含有物の含有量よりも多い量である。同様に、醤油及びチキンエキスもまた、それぞれ醤油含有物及びチキンエキス含有物であってもよい。
ターメリックの含有量は、本発明の課題を解決し得る程度の量、すなわち、本発明の一態様の組成物のレトルト臭を抑制し得る量であれば特に限定されないが、例えば、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、0.01wt%以上であり、好ましくは0.03wt%以上であり、より好ましくは0.06wt%以上である。ターメリックの含有量の上限は特に限定されないが、ターメリックの含有量が多くなると特有のターメリック臭がすることから、例えば、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、0.12wt%未満であり、好ましくは0.09wt%以下であり、より好ましくは0.06wt%以下である。
本発明の一態様の組成物において、ターメリックを醤油及びチキンエキスと組み合わせることにより、ターメリック臭がほとんど感じられない程度のターメリックの含有量でもレトルト臭を抑制することができるということは、本発明者によって初めて見出された驚くべき事象である。
醤油の含有量は、ターメリックの含有量よりも多い量であれば特に限定されない。例えば、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、ターメリックの含有量が0.1wt%である場合は、醤油の含有量は0.1wt%よりも多い量である。本発明の一態様の組成物を使用して食材を調理する際に、得られる調理物にしっかりとした醤油の風味を付与したい場合は、醤油の含有量は、例えば、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、0.1wt%以上であり、好ましくは0.5wt%以上であり、より好ましくは1.0wt%以上であり、さらに好ましくは10wt%以上である。醤油の含有量の上限は特に限定されないが、例えば、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、90wt%以下程度である。
チキンエキスの含有量は、本発明の課題を解決し得る程度の量であれば特に限定されないが、例えば、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、好ましくは0.1wt%以上であり、より好ましくは0.5wt%以上であり、さらに好ましくは1.0wt%以上である。チキンエキスの含有量の上限は特に限定されないが、例えば、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、20wt%以下程度である。チキンエキスの含有量は、ターメリックの含有量よりも多い量であり、かつ、醤油の含有量よりも少ない量であることが好ましい。
本発明の一態様の組成物は、醤油、ターメリック及びチキンエキスに加えて、その他の成分を含有することができる。その他の成分は特に限定されないが、例えば、調味料成分や食材であり、具体的には、固形成分としては、でん粉、食塩、砂糖、穀類成分(パン粉、小麦粉、オートミールなど)、香辛料(生姜、唐辛子、こしょう、バジル、オレガノ、ジンジャー、ミックススパイスなど)、野菜成分(大根、にんじん、玉ねぎ、にんにく、キャベツ、野菜ミックスなど)、食肉成分(チキンパウダー、ミートパウダー、フィッシュパウダーなど)、酵母エキス、鰹節などの魚肉エキス、野菜エキス、増粘剤(カラギーナンなどの増粘多糖類など)、果肉(りんご果肉、もも果肉など)、種実類(ごまなど)、化学調味料(グルタミン酸ソーダ、イノシン酸ソーダなど)、フレーバーなどが挙げられ;液体成分としては、水、アルコール、甘味成分(みりん、液糖、水飴など)、酸味成分(食酢、りんご、ゆず、レモンといった香酸柑橘など)、油脂成分(ごま油、オリーブオイル、サラダ油、バターなど)、酒類成分(ワイン、清酒など)、果汁(りんご果汁など)などが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、でん粉は、でん粉を加工して得られる加工でん粉を包含する。でん粉の具体例としては、コーンスターチ、甘藷でん粉、タピオカでん粉、小麦でん粉、米でん粉、馬鈴薯でん粉、サゴでん粉、ワラビでん粉、蓮でん粉、葛でん粉、緑豆でん粉、キャッサバでん粉、片栗粉、ヒドロキシプロピル化でん粉、リン酸架橋でん粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋でん粉、アセチル化リン酸架橋でん粉、アセチル化アジピン酸架橋でん粉、酢酸でん粉、酸処理でん粉、α化でん粉、酸化でん粉、酵素処理でん粉などが挙げられるが、これらに限定されない。でん粉は、上記したものの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
その他の成分としては、本発明の一態様の組成物を照焼用に用いる場合には、本発明の一態様の組成物に甘味や粘性を付与してたれとするために、砂糖、みりん、加工でん粉、水などが好ましく用いられる。その他の成分の含有量は、本発明の課題を解決し得る限り、適宜設定することができる。ただし、本発明の一態様の組成物の各成分の合計量は、本発明の一態様の組成物の全体量に対して、100wt%を超えない量である。
本発明の一態様の組成物は、その形態について含有する成分によって適宜設定することができ特に限定されないが、例えば、レトルト容器詰調味用組成物という観点から、液状、懸濁状、ペースト状などの液性の組成物であることが好ましい。
本発明の一態様の組成物は、容器に詰めて密封した容器詰組成物である。容器はレトルト殺菌に供し得る素材及び形状のものであれば特に限定されないが、例えば、アルミなどの金属、PETやPTPなどのプラスチック、1層又は積層(ラミネート)のフィルムなどを素材とするレトルトパウチなどの包装容器が挙げられる。
本発明の一態様の組成物が有するレトルト臭抑制作用は、醤油を含有しつつも、ターメリック又はチキンエキスを含有しない組成物をレトルト殺菌した場合に感じられるレトルト臭を完全若しくは部分的に抑制又は低減する作用をいう。また、本発明の一態様の組成物が、照焼用の組成物であって、鶏肉の照焼を調理する際に用いる場合には、本発明の一態様の組成物が有するレトルト臭抑制作用は、醤油を含有しつつも、ターメリック及びチキンエキスの両方を含有しない組成物と比べて、鶏肉の照焼における鶏臭さを抑制又は低減する作用ということができる。本発明の一態様の組成物が有するレトルト臭抑制作用は、後述する実施例に記載の方法により確認できる。
本発明者は、レトルト臭を抑制したレトルト調味料(本発明の一態様の組成物)を用いて食肉を調理すると、調理物の食肉に由来する臭みを低減することができ、もってレトルト調味料本来の風味を調理物に付与することができることを見出した。
本発明の一態様の組成物は、レトルト臭を抑えることにより、調理物の食肉に由来する臭みを低減して、調理物の風味を改善することができることから、本発明の別の一態様は、醤油とターメリックとチキンエキスとを少なくとも含有する、風味改善用組成物である。
本発明の一態様の組成物の使用量は、本発明の一態様の組成物が供すべき食材や調理物の種類などに応じて適宜設定でき、特に限定されない。例えば、本発明の一態様の組成物を鶏肉の照焼食品を調理するために用いる場合は、鶏肉の量に対して20〜40wt%程度の量や、鶏肉の量に対して醤油が5〜10wt%程度、チキンエキスが0.1〜0.5wt%程度及びターメリックが0.005〜0.03wt%程度になるような量などで用いることができる。
本発明の一態様の組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、通常知られているとおりの各成分を混ぜ合わせて調味料を製造する方法などが挙げられ、具体的には醤油、ターメリック及びチキンエキス、並びに必要に応じてその他の成分を、室温下又は加温下で撹拌処理などの混合手段に供して混合することを含む方法などを挙げることができる。
本発明の一態様の組成物を利用して調理される加工食品は、醤油の風味が感じられるものであれば特に限定されないが、例えば、照焼、すきやき、肉野菜炒め、煮物等の食品が挙げられ、このうち照焼食品が好ましい。
照焼食品は、通常知られているとおりの、食肉や魚などの主食材と、野菜などの副食材とを、たれ調味料にからめて加熱調理して得られるものである。照焼食品は、食肉や魚などの主食材のみを用いるものであってもよい。
照焼食品を調理する際に用いられる主食材及び副食材は特に限定されず、例えば、主食材としては、トリ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジなどの食肉やブリ、サバ、マグロ、サンマなどの魚などを挙げることができる。照焼食品を調理する際に用いる主食材や副食材は、一口サイズに切断したり、柔らかくなるように加熱したりするなどして、前処理したものであってもよい。
本発明の一態様の組成物を利用して加工食品を加熱調理する方法は特に限定されず、食肉、魚、野菜その他の食材の種類や量、加工食品の調理形態などに応じて適宜設定することができるが、例えば、加工食品が照焼食品である場合は、サラダ油などの油をひいて熱したフライパンに食肉や魚を加えて焼き色がつく程度に炒め、次いで野菜を加えて少し炒めた後、又は野菜と同時に、本発明の一態様の組成物を加えて、数十秒〜数分間炒めることを含む方法などが挙げられる。
本発明の一態様の照焼食品は、本発明の一態様の組成物と、食肉、魚、野菜などの照焼食品の食材とを原料として少なくとも含む。本発明の一態様の照焼食品は、本発明の一態様の組成物を用いて調理されたものであることにより、調味料に由来するレトルト臭が抑制され、さらに食材としても用いた食肉に由来する肉臭さが低減された、風味が優れたものである。
本発明の一態様の照焼食品の製造方法は、本発明の一態様の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理することにより、照焼食品を得る工程を少なくとも含む。照焼食品の食材は、本発明の一態様の組成物と混合する前に、あらかじめ炒めるなどして加熱しておくことが好ましい。加熱調理の方法は、適宜設定することができ、特に限定されない。本発明の一態様の照焼食品の製造方法によって得られる照焼食品は、本発明の一態様の組成物による照焼食品に対する調味作用を発揮せしめるために、加熱調理後速やかに、又は室温下に数分間おいた後に喫食することが好ましい。
照焼食品の製造方法の具体的態様としては、例えば、鶏肉および野菜類を用いた以下の方法などが挙げられる。すなわち、鶏肉および野菜類をそれぞれ数cm角の一口サイズに切る。次いで、フライパンに適量の油を熱し、中火で鶏肉を両面に焼き色がつくまで数分間炒め、さらに野菜類を加えて、中火で数分間炒める。次いで、本発明の一態様の組成物を加えて数十秒間炒めることにより、照焼食品を得る。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[1.液体調味料の調製]
下記表1に示す配合量で、本みりん(キッコーマン社)、濃口しょうゆ(キッコーマン社)、砂糖(市販品、大日本精糖社)、チキンエキス(「チキンエキスKK」、司食品社)、ターメリック(市販品、ギャバン社)及び加工でん粉(タピオカデンプン;「WMS」、松谷化学工業社)を混ぜ合わせて、250gになるように水でフィルアップして、各試験調味液を調製した。調製した試験調味液は、90℃で1分間加熱した。
加熱した試験調味液をアルミパウチに100gずつ充填し、レトルト殺菌前の試験調味液を得た。得られたレトルト殺菌前の試験調味液を、レトルト殺菌(120℃、10分間)に供することにより、レトルト殺菌後の試験調味液を得た。なお、試験調味液Comp−2はレトルト殺菌をせずに、レトルト殺菌前の試験調味液として用いた。
Figure 0006923467
[2.官能評価方法]
レトルト殺菌後の試験調味液を、レトルト臭の嗅ぎ分けに秀でたパネラー(A〜Dの4名)に常温で調味液の状態で匙にとって喫食させて、下記のとおりに5段階で評価した。この際、評価基準として、チキンエキス及びターメリックを添加していないレトルト殺菌後の試験調味液Comp−1のレトルト臭を5とし、レトルト殺菌前の試験調味液Comp−2のレトルト臭を1として提示した。
1:レトルト臭を感じない
2:レトルト臭をほとんど感じない
3:レトルト臭をやや感じる
4:レトルト臭が強い
5:レトルト臭が非常に強い
パネラーの評価結果の平均値をとり、下記に示す4段階(◎〜×)で総合評価を行った。
◎:1.0〜1.9
○:2.0〜2.9
△:3.0〜3.9
×:4.0〜5.0
[3.ターメリックによるレトルト臭抑制評価]
ターメリックの配合量を変えたレトルト殺菌後の試験調味液Cont−1及び試験調味液1−1〜1−4について官能評価を実施することにより、ターメリックによるレトルト臭抑制効果を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006923467
表2に示すように、チキンエキス及びターメリックを含有する試験調味液1−1〜1−4はレトルト臭が抑制されたものであり、特にチキンエキスを含有しつつ、ターメリックを0.09wt%以上含有する調味液はレトルト臭が顕著に抑制されたものであった。なお、ターメリック0.03wt%ではターメリック臭がほぼ感じられず、ターメリック0.06wt%ではターメリック臭がやや感じられ、ターメリック0.09wt%ではターメリック臭がやや強く感じられ、ターメリック0.12wt%ではターメリック臭が強く感じられた。
[4.チキンエキスによるレトルト臭抑制評価]
チキンエキスの配合量を変えたレトルト殺菌後の試験調味液Cont−2及び試験調味液2−1〜2−4について官能評価を実施することにより、チキンエキスによるレトルト臭抑制効果を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006923467
表3に示すように、チキンエキス及びターメリックを含有する試験調味液2−1〜2−4はレトルト臭が抑制されたものであり、特にターメリックを含有しつつ、チキンエキスを2.0wt%以上含有する調味液はレトルト臭が顕著に抑制されたものであった。また、チキンエキスの含量が増加するにしたがって、ターメリック臭も抑制される傾向が認められた。
[5.液体調味料を用いた照焼調理試験]
サラダ油 小さじ1をひいたフライパンに、一口大に切った鶏モモ肉 100gを加えて中火で3分間半焼きにした。次いで、フライパンに試験調味液Comp−1又は2−3 33.3gを加えて、半焼きのモモ肉に中火で30秒からめて、照焼モモ肉を得た。
得られた照焼モモ肉を無作為に選んだパネラー5名に喫食させて、風味について感想を述べさせた。その結果、試験調味液Comp−1を用いた場合は、パネラー5名ともに鶏臭さが感じられた。それに対して、試験調味液2−3を用いた場合は、パネラー5名ともに、すっきりとした醤油感があり、鶏臭さはさほど感じなく、美味しく感じられた。
したがって、レトルト臭が抑制された液体調味料を使用して鶏肉を照焼調理に供した場合、鶏肉の鶏臭さを抑えることが分かった。
本発明の一態様の組成物は、レトルト殺菌後であってもレトルト臭が抑えられた調味用組成物として利用することにより、レトルト臭を付与することなく、所望の優れた風味を有する食品を調理する際に利用できるものであることから、食品の食材に由来する人体に好適な栄養素から、広く人々の健康に貢献できるものである。また、本発明の一態様の食品及び本発明の一態様の製造方法によって得られる食品は、工業的生産が可能なものであり、かつ、飲食店での提供が可能なものであることから、様々なシーンで利用される食品として有用なものである。

Claims (7)

  1. 醤油と、ターメリックと、チキンエキスとを含有し、かつ、該醤油の含有量は該ターメリックの含有量よりも多い量である、レトルト容器詰調味用組成物であって、
    前記ターメリックは、ショウガ科ウコン属の多年草(Curcuma longa)の根茎を乾燥した粉末である、前記組成物
  2. 前記組成物は、照焼食品を調理するための組成物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物は、0.01wt%以上0.12wt%未満のターメリックを含有する、及び/又は、0.1wt%以上のチキンエキスを含有する組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記組成物は、1.0wt%以上の醤油を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを原料として含む、照焼食品。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理することにより、照焼食品を得る工程を含む、照焼食品の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理する工程を含む、照焼食品の風味を改善する方法。
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