以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1〜図11を参照しながら説明する。なお、各図(図12〜図19も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1に示すように、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、躯体に設置される構造体2と、人を前後方向D1へ搬送する搬送部3と、搬送部3を幅方向D2で挟むように配置される一対の欄干部4,4(図1においては、一つのみを図示している)とを備えている。また、マンコンベヤ1は、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5を備えている。
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
搬送部3は、駆動部5に駆動されることによって無端回転する環状の走行部(例えば、チェーン)3aと、走行部3aに対して回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えている。走行部3aは、幅方向D2に離れて一対(図1においては、一つのみを図示している)設けられている。そして、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置され、それぞれの走行部3aに対して回転可能に接続されている。
欄干部4は、無端回転する環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持するベルト支持部4bとを備えている。駆動部5は、ステップ3bが反転するように、走行部3aが巻き掛けられる回転部(例えば、スプロケット、鎖歯車)5a,5aと、走行部3aが無端回転してステップ3bが走行するように、回転部5aを回転させる駆動源5bとを備えている。
そして、駆動部5の駆動が手摺ベルト4aに伝達されることによって、手摺ベルト4aは、走行部3aの無端回転及びステップ3bの走行と同期して、無端回転する。そして、手摺ベルト4aの回転速度は、走行部3aの回転速度及びステップ3bの走行速度にそれぞれ比例している。
そして、マンコンベヤ1は、回転部5a,5aの回転方向を変更することによって、走行部3aの回転方向、ステップ3bの走行方向及び手摺ベルト4aの回転方向をそれぞれ変更可能である。これにより、マンコンベヤ1は、人を上方向へ搬送する状態と下方向へ搬送する状態とに切り替え可能である。
構造体2は、各構成3〜5を支持している。また、構造体2は、前後方向D1のそれぞれの端部に、機械室2a,2aを備えている。具体的には、構造体2は、マンコンベヤ1の各乗降部1aの下方側に、機械室2a,2aを備えている。なお、マンコンベヤ1は、各乗降部1aの床を構成する乗降床部1bを備えている。乗降床部1bは、各機械室2a,2aを上方側から覆うように、構造体2の上に設置されている。
図2に示すように、乗降床部1bは、乗降部1aの床を構成するために、構造体2の上に設置される複数の床プレート体6を備えている。なお、床プレート体6の個数は、特に限定されないが、本実施形態においては、4つとしている。
ここで、前後方向D1の端部に配置される床プレート体6と、構造体2との固定機構を図3〜図5を参照しながら説明する。なお、他の床プレート体6と構造体2との固定機構は、例えば、図3〜図5に係る固定機構と同じ構成でもよく、また、例えば、図3〜図5に係る固定機構と異なる構成でもよい。
図3〜図5に示すように、マンコンベヤ1は、床プレート体6を構造体2に固定する固定体7を備えている。なお、以下の説明においては、床プレート体6及び固定体7のそれぞれ方向(例えば、上、下)は、床プレート体6が固定体7によって構造体2に固定された状態における方向のことである。
図3に示すように、構造体2は、躯体に設置される構造本体部2bを備えている。構造本体部2bは、例えば、トラス構造又はケタ構造を構成する上枠部2cと、上枠部2cに連結される連結部2dとを備えている。なお、上枠部2c及び連結部2dは、特に限定されないが、図示していない締結手段(ボルト及びナット)又は溶接によって、互いに固定されている。
床プレート体6は、乗降部1aの床を構成する板状のプレート部6aと、プレート部6aを補強するために、プレート部6aの下面に連結される長尺な補強部6b,6bとを備えている。また、床プレート体6は、構造体2に対するプレート部6aの上下方向D3の位置を変更可能な位置変更部6cを備えている。
特に限定されないが、本実施形態においては、第1の補強部6bは、前後方向D1に沿って延びており、断面形状は、略L字状である。また、特に限定されないが、本実施形態においては、第2の補強部6bは、幅方向D2に沿って延びており、断面形状は、略U字状である。
また、特に限定されないが、本実施形態においては、位置変更部6cは、補強部6bに固定されるナット6dと、ナット6dと螺合し、構造体2の上枠部2cの上に載るボルト6eとを備えている。そして、補強部6bから下方向に突出するボルト6eの長さが変更されることによって、構造体2に対するプレート部6aの上下方向D3の位置が変更される。
図4及び図5に示すように、固定体7は、プレート部6aの上方側から操作可能な操作部7aと、下端部に配置される幅狭部7bと、操作部7aと幅狭部7bとの間に配置される幅広部7cとを備えている。なお、操作部7aの外幅は、幅広部7cの外幅よりも、大きくなっており、幅狭部7bの外幅は、幅広部7cの外幅よりも、小さくなっている。
操作部7aは、固定体7の上端部に配置されている。そして、操作部7aは、プレート部6aから上方側に露出している。また、幅広部7cは、少なくとも下端部に雄ネジ部7dを備えており、幅狭部7bと連接している。そして、雄ネジ部7dは、プレート部6aよりも下方側に配置されている。
プレート部6aは、固定体7に挿入される挿入孔6fと、挿入孔6fの上方側に、固定体7の操作部7aを収容するために、操作部7aの外幅よりも大きい内幅を有する収容孔6gとを備えている。そして、収容孔6gの深さ(上下方向D3の寸法)は、操作部7aの高さ(上下方向D3の寸法)よりも、大きくなっている。これにより、収容孔6gが操作部7aの全体を収容するため、操作部7aがプレート部6aから上方向へ突出することを抑制することができる。
特に限定されないが、本実施形態においては、プレート部6aの挿入孔6fは、内周部に雌ネジを備えている。なお、挿入孔6fの内幅は、固定体7の雄ネジ部7dの外径よりも、大きくなっている。これにより、固定体7の雄ネジ部7dは、挿入孔6fの内周部の雌ネジと螺合しない。
また、固定体7の操作部7aは、プレート部6aが上方向へ移動することを規制する第1規制部7eを備えている。具体的には、操作部7aの外幅は、プレート部6aの挿入孔6fの内幅よりも大きくなっており、第1規制部7eは、操作部7aの下端部に配置されている。そして、固定体7の第1規制部7eがプレート部6aの挿入孔6fの上開口端部を止めることによって、プレート部6aは、上方向へ移動することを規制される。
構造体2は、固定体7に固定される被固定部2eと、被固定部2eを保持する保持部2fとを備えている。被固定部2eは、固定体7の雄ネジ部7dと螺合する雌ネジ部2gを備えている。そして、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとが螺合することによって、被固定部2eは、固定体7に固定される。
保持部2fは、被固定部2eを下方側から支持可能な支持部2hと、被固定部2eが上方向へ移動することを規制する第2規制部2iとを備えている。具体的には、第2規制部2iは、被固定部2eの上方側に配置され、第2規制部2iと支持部2hとは、被固定部2eを上下方向D3で挟んでいる。
特に限定されないが、本実施形態においては、保持部2fは、ボルト2j、ナット2k及び平ワッシャ2mを備えている。そして、被固定部2eは、ボルト2jに挿通される挿通孔2nを備えており、支持部2hは、ボルト2jと螺合する雌ネジ2pと、固定体7に挿通される挿通孔2qとを備えている。
これにより、被固定部2eは、支持部2hによって、下方向へ移動することを規制されると共に、被固定部2eは、ボルト2jの頭部2r及び平ワッシャ2mによって、上方向へ移動することを規制されている。即ち、本実施形態においては、第2規制部2iは、ボルト2jの頭部2r及び平ワッシャ2mで構成されている。
また、被固定部2eの挿通孔2nの内幅は、ボルト2jのネジ外径よりも大きくなっているため、被固定部2eは、支持部2h及び第2規制部2i間を横方向D1,D2に移動可能である。このように、保持部2fは、被固定部2eが構造本体部2bに対して横方向D1,D2に移動することを許容し且つ上下方向D3に移動することを規制するように、被固定部2eを保持している。
なお、被固定部2eの挿通孔2nがボルト2jに当たることによって、被固定部2eは、横方向D1,D2に所定距離を超えて移動することを規制されている。また、特に限定されないが、本実施形態においては、支持部2hは、連結部2dの先端部に設けられている。また、特に限定されないが、ボルト2jは、支持部2hの雌ネジ2pとナット2kと螺合しており、所謂、ダブルナット構造が採用されている。これにより、ボルト2jが支持部2hの雌ネジ2pに対して緩むことを抑制することができる。
また、構造体2は、被固定部2eが保持部2fに対して上方向へ移動することに伴って弾性変形する弾性部2sを備えている。そして、弾性部2sは、上下方向D3に弾性変形することによって、被固定部2eに下方向の弾性力を与える。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、弾性部2sは、スプリングワッシャとしており、ボルト2jの頭部2rと平ワッシャ2mとの間に配置されている。
ここで、固定体7によって床プレート体6を構造体2に固定する方法について、図6〜図10を参照しながら説明する。
図6及び図7に示すように、床プレート体6が構造体2の上に載せられた後、固定体7は、プレート部6aの収容孔6g及び挿入孔6fに挿入される。このとき、固定体7の操作部7aが、プレート部6aから上方側へ露出しているため、プレート部6aの上方側から操作部7aを操作することができる。
ところで、固定体7の幅狭部7bの長さL1は、プレート部6aの挿入孔6fと被固定部2eとの間の距離L2よりも、短くなっている。これにより、図7に示すように、固定体7の下端部が被固定部2eに当たる際に、固定体7のうち、幅狭部7bよりも上方側の幅広部7cが、プレート部6aの挿入孔6fの内周部に当たることになる。
これにより、幅狭部7bが挿入孔6fの内周部に当たる場合と比較して、固定体7が横方向D1,D2に揺動できる範囲を小さくすることができる。したがって、固定体7の下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gから離れることを抑制することができる。
また、固定体7の長さが十分に長いため、固定体7の下端部が被固定部2eに当たる際に、固定体7の操作部7aの全体は、プレート部6aの収容孔6gから上方側へ出ている。これにより、固定体7の下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gの内部に挿入させる際に、操作部7aの全体を操作する(例えば、把持する)ことができる。
このように、固定体7が横方向D1,D2に揺動できる範囲を小さくすることができ、そして、操作部7aの全体を操作することができる。そして、それらに加えて、固定体7の下端部は、幅狭部7bで構成されている。したがって、例えば、図8に示すように、固定体7の下端部の幅狭部7bを被固定部2eの雌ネジ部2gに挿入させることが容易になる。
ところで、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの位置がずれている場合には、被固定部2eを横方向D1,D2に移動させる必要がある。そして、固定体7の雄ネジ部7dが、被固定部2eの雌ネジ部2gから離れている際に、弾性部2sは、弾性変形することなく、復元状態である。
これにより、弾性部2sの弾性力が、被固定部2eに与えられていないため、保持部2f(支持部2h及び第2規制部2i)に対して、被固定部2eを横方向D1,D2に容易に移動させることができる。したがって、例えば、図9に示すように、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの位置を容易に合わせることができる。
そして、固定体7の操作部7aを操作することによって、固定部7の雄ネジ部7dは、被固定部2eの雌ネジ部2gと螺合する。このとき、操作部7aの下端部の第1規制部7eが、プレート部6aの挿入孔6fの上開口端部に当たるまで、固定体7は、プレート部6aに対して下方向に移動する。
そして、操作部7aの第1規制部7eが、プレート部6aの挿入孔6fの上開口端部に当たった後は、被固定部2eは、支持部2hから離れて、支持部2hに対して上方向へ移動する。その後、最終的には、被固定部2eは、第2規制部2i(ボルト2jの頭部2r及び平ワッシャ2m)によって移動を規制される位置で停止する。
そして、被固定部2eの移動に伴って、弾性部2sは、上下方向D3に圧縮するように、弾性変形する。これにより、弾性部2sが下方向の弾性力を被固定部2eに与えているため、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの間でネジ緩みが発生することを抑制することができる。このようにして、床プレート体6が固定体7によって構造体2に固定される。
なお、図11に示すように、プレート部6aの挿入孔6fの内周部に設けられる雌ネジは、工具X1の雄ネジと螺合可能である。これにより、固定体7をプレート部6aから取り外し、工具X1をプレート部6aに取り付けることで、工具X1を用いて、床プレート体6を構造体2から容易に取り外すことができる。なお、例えば、挿入孔6fの内周部は、滑らかな面であってもよく、また、例えば、固定体7は、プレート部6aから完全に取り外せられない、という構成でもよい。
以上より、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、躯体に設置される構造体2と、乗降部1aの床を構成するプレート部6aを有し、前記構造体2の上に設置される床プレート体6と、前記床プレート体6を前記構造体2に固定する固定体7と、を備え、前記プレート部6aは、前記固定体7に挿入される挿入孔6fを備え、前記固定体7は、前記プレート部6aの上方側から操作可能な操作部7aと、前記プレート部6aよりも下方側に配置される雄ネジ部7dと、前記プレート部6aが上方向へ移動することを規制する規制部7eと、を備え、前記構造体2は、前記雄ネジ部7dと螺合する雌ネジ部2gを有する被固定部2eと、前記被固定部2eが横方向D1,D2に移動することを許容し且つ前記被固定部2eが上下方向D3に移動することを規制するように、前記被固定部2eを保持する保持部2fと、を備える。
斯かる構成によれば、保持部2fは、被固定部2eが横方向D1,D2に移動することを許容する。これにより、床プレート体6が構造体2に設置される際に、構造体2に対するプレート部6aの位置が変化しても、被固定部2eが横方向D1,D2に移動することによって、固定体7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gと螺合できる。これにより、固定体7と被固定部2eとは、互いに固定される。
そして、固定体7の規制部7eは、プレート部6aが上方向へ移動することを規制し、且つ、保持部2fは、被固定部2eが上下方向D3に移動することを規制する。これにより、プレート部6aが構造体2から上方向へ離れることを規制することができるため、床プレート体6が構造体2から外れることを抑制できる。
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記挿入孔6fの内幅は、前記雄ネジ部7dの外径よりも大きく、前記操作部7aは、下端部が前記規制部7eを構成するために、前記挿入孔6fの内幅よりも大きい外幅を有し、前記構造体2は、前記被固定部2eが上方向へ移動することに伴って弾性変形して前記被固定部2eに下方向の弾性力を与える弾性部2sを備える、という構成である。
斯かる構成によれば、挿入孔6fの内幅が、雄ネジ部7dの外径よりも大きく、操作部7aの外幅が、挿入孔6fの内幅よりも大きくなっている。これにより、操作部7aの下端部は、挿入孔6fの上開口端部を止めることによって、規制部7eを構成する。そして、規制部7eが挿入孔6fの上開口端部と当たった状態で、固定体7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gと螺合される。
これにより、被固定部2eは、保持部2fによって移動を規制される位置まで、上方向へ移動し、それに伴って、弾性部2sは、弾性変形する。これにより、弾性部2sは、下方向の弾性力を被固定部2eに与えるため、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの間でネジ緩みが発生することを抑制することができる。
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記弾性部2sは、前記雄ネジ部7dが前記雌ネジ部2gから離れる際に、復元状態である、という構成である。
斯かる構成によれば、固定体7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gから離れる際に、弾性部2sが復元状態であるため、弾性部2sの弾性力は、被固定部2eに与えられていない。これにより、被固定部2eを横方向D1,D2に容易に移動させることができる。
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記固定体7は、下端部に、前記雄ネジ部7dの外径よりも小さい外幅を有する幅狭部7bを備える、という構成である。
斯かる構成によれば、幅狭部7bが、固定体7の下端部に配置されており、幅狭部7bの外幅は、雄ネジ部7dの外径よりも小さくなっている。これにより、固定体7の下端部を被固定部2eの雌ネジ部2gの内部に容易に挿入させることができる。
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記操作部7aの外幅は、前記挿入孔6fの内幅よりも大きく、前記プレート部6aは、前記挿入孔6fの上方側に、前記操作部7aを収容するために前記操作部7aの外幅よりも大きい内幅を有する収容孔6gを備え、前記固定体7は、下端部が前記被固定部2eに当たる際に前記操作部7aの全体が前記収容孔6gから上方側へ出るように、形成される、という構成である。
斯かる構成によれば、収容孔6gが操作部7aを収容するため、床プレート体6が固定体7によって構造体2に固定された際に、操作部7aがプレート部6aから上方向へ突出することを抑制することができる。一方、固定体7の下端部が被固定部2eに当たる際に、操作部7aの全体は、収容孔6gから上方側へ出る。これにより、固定体7の下端部を被固定部2eの雌ネジ部2gの内部に挿入させる際に、操作部7aの全体を操作することができる。
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記幅狭部7bの長さL1は、前記挿入孔6fと前記被固定部2eとの間の距離L2よりも、短い、という構成である。
斯かる構成によれば、幅狭部7bの長さL1が、挿入孔6fと被固定部2eとの間の距離L2よりも短いため、固定体7の下端部が被固定部2eに当たる際に、固定体7のうち、幅狭部7bよりも上方側の部分7cが挿入孔6fの内周部に当たることになる。これにより、固定体7が横方向D1,D2に揺動可能な範囲を小さくすることができる。
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
(1)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、保持部2fは、ボルト2j、ナット2k及び平ワッシャ2mを備えており、第2規制部2iは、ボルト2jの頭部2r及び平ワッシャ2mで構成されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
例えば、図12〜図14に示すように、保持部2fは、被固定部2eの下方側に配置される支持部2hと、被固定部2eの上方側に配置される平板状の第2規制部2iとを備えている、という構成でもよい。これにより、保持部2fは、被固定部2eが横方向D1,D2に移動することを許容し且つ被固定部2eが上下方向D3に移動することを規制するように、被固定部2eを保持する。
以下に、図12〜図14に係るマンコンベヤ1の構成について説明する。
保持部2fは、支持部2hと第2規制部2iとを接続する接続部2tを備えている。また、弾性部2sは、第2規制部2iと被固定部2eとの間に配置されている。そして、図12に示すように、弾性部2sは、固定体7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gから離れる際に、復元状態である。
そして、図12に示すように、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの位置がずれている場合には、図13に示すように、被固定部2eは、横方向D1,D2に移動される。これにより、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの位置を合わせることができる。
そして、固定部7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gと螺合することによって、図14に示すように、被固定部2eは、上方向へ移動し、第2規制部2iによって移動を規制される位置で停止する。このとき、弾性部2sが弾性変形するため、弾性部2sが下方向の弾性力を被固定部2eに与えている。これにより、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの間でネジ緩みが発生することを抑制することができる。
(2)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、保持部2fは、被固定部2eの下方側に配置される支持部2hと、被固定部2eの上方側に配置される第2規制部2iとを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
例えば、図15〜図17に示すように、保持部2fは、被固定部2eの下方側に配置される支持部2hと、支持部2hの下方側に配置される第2規制部2iとを備えている、という構成でもよい。即ち、被固定部2eと第2規制部2iは、支持部2hを上下方向D3で挟む、という構成でもよい。これにより、保持部2fは、被固定部2eが横方向D1,D2に移動することを許容し且つ被固定部2eが上下方向D3に移動することを規制するように、被固定部2eを保持する。
以下に、図15〜図17に係るマンコンベヤ1の構成について説明する。
保持部2fは、被固定部2eと第2規制部2iとを接続する接続部2tを備えている。また、弾性部2sは、支持部2hと第2規制部2iとの間に配置されている。そして、図15に示すように、弾性部2sは、固定体7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gから離れる際に、復元状態である、
そして、図15に示すように、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの位置がずれている場合には、図16に示すように、被固定部2eは、横方向D1,D2に移動される。これにより、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの位置を合わせることができる。
そして、固定部7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gと螺合することによって、図17に示すように、被固定部2eは、上方向へ移動し、第2規制部2iによって移動を規制される位置で停止する。このとき、弾性部2sが弾性変形するため、弾性部2sは、第2規制部2i及び接続部2tを経由して、下方向の弾性力を被固定部2eに与えている。これにより、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの間でネジ緩みが発生することを抑制することができる。
(3)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、固定体7の雄ネジ部7dの下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gの上開口端部に当たる際に、固定体7の操作部7aの全体は、プレート部6aの収容孔6gから上方側へ出ている、という構成である(図9参照)。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
例えば、図18及び図19に示すように、固定体7は、雄ネジ部7dの下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gの上開口端部に当たる際に操作部7aの少なくとも一部が収容孔6gの内部に収容されるように、形成される、という構成でもよい。
斯かる構成によれば、図18に示すように、固定体7の下端部が被固定部2eに当たる際に、操作部7aの全体は、プレート部6aの収容孔6gから上方側へ出た状態となる。そして、固定体7の下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gに挿入され、図19に示すように、固定体7の雄ネジ部7dの下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gの上開口端部に当たる際に、操作部7aの少なくとも一部が収容孔6gの内部に収容される状態となる。
このように、操作部7aの全体がプレート部6aの収容孔6gから上方側へ出た状態から、固定体7の雄ネジ部7dの下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gの上開口端部に当たることによって、操作部7aの少なくとも一部が収容孔6gの内部に収容される状態となる。したがって、例えば、固定体7の雄ネジ部7dの下端部が被固定部2eの雌ネジ部2gの上開口端部に当たる状態になったことを容易に把握することができる。
(4)また、マンコンベヤ1においては、図18及び図19に示すように、固定体7は、幅狭部7bから雄ネジ部7dへ向けて、被固定部2eの雌ネジ部2gを案内する案内部7fを備えている、という構成でもよい。特に限定されないが、図18及び図19に示すように、案内部7fは、幅狭部7bから雄ネジ部7dへ向けて、外幅が次第に大きくなるように、形成されてもよい。即ち、案内部7fの外周部は、下方側へ向けて縮径するテーパ状に形成されてもよい。
斯かる構成によれば、固定体7の幅狭部7bが被固定部2eの雌ネジ部2gに挿入した後、固定体7が下方向へ移動されることによって、固定体7の案内部7fは、被固定部2eの雌ネジ部2gを案内する。これにより、被固定部2eが横方向D1,D2に移動することによって、固定体7の雄ネジ部7dと被固定部2eの雌ネジ部2gとの位置を合わせることができる。
(5)また、マンコンベヤ1においては、被固定部2eは、雌ネジ部2gの上方側に、固定体7の下端部を雌ネジ部2gへ向けて案内する案内孔部を備えている、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、案内孔部は、下方側の雌ネジ部2gへ向けて、内幅が次第に小さくなるように、形成されてもよい。即ち、案内孔部の内周部は、雌ネジ部2gから上方側へ向けて開口が広がる(拡径)するテーパ状に形成されてもよい。
(6)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、操作部7aは、下端部が規制部7eを構成するために、挿入孔6fの内幅よりも大きい外幅を有する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、固定体7は、挿入孔6fの内周部の雌ネジと螺合する雄ネジを備え、当該雄ネジは、挿入孔6fの雌ネジと螺合することによって、プレート部6aの上方向への移動を規制する規制部7eを構成する、という構成でもよい。
例えば、固定体7の雄ネジ部7dは、操作部7aの下端部まで配置されており、挿入孔6fの内周部の雌ネジは、被固定部2eの雌ネジ部2gと同じネジ形状である、という構成でもよい。また、例えば、固定体7は、雄ネジ部7dよりも上方側に、雄ネジ部7dの外径よりも大きい外径である雄ネジを備え、当該雄ネジは、挿入孔6fの内周部の雌ネジと螺合する、という構成でもよい。なお、操作部7aの外幅は、例えば、挿入孔6fの内幅よりも、小さい、という構成でもよい。
(7)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、弾性部2sは、固定体7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gから離れる際に、復元状態である、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、弾性部2sは、固定体7の雄ネジ部7dが被固定部2eの雌ネジ部2gから離れる際でも、即ち、常時、弾性変形している状態である、という構成でもよい。なお、構造体2は、例えば、弾性部2sを備えていない、という構成でもよい。
(8)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、固定体7の下端部が被固定部2eに当たる際に、操作部7aの全体が収容孔6gから上方側へ出る、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
例えば、固定体7の下端部が被固定部2eに当たる際に、操作部7aの少なくとも一部が収容孔6gの内部に収容されている、という構成でもよい。また、例えば、プレート部6aは、収容孔6gを備えておらず、操作部7aは、常に、プレート部6aの上方側に出ている、という構成でもよい。
(9)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、固定体7の幅狭部7bの長さL1は、プレート部6aの挿入孔6fと構造体2の被固定部2eとの間の距離L2よりも、短い、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、幅狭部7bの長さL1は、挿入孔6fと被固定部2eとの間の距離L2よりも、長い、という構成でもよい。また、例えば、固定体7は、幅狭部7bを備えておらず、雄ネジ部7dは、固定体7の下端部に配置されている、という構成でもよい。