以下、本発明に係るベッド搬送装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るベッド搬送装置の斜視図である。ベッド搬送装置100は、病院や介護施設等でベッドを搬送する際に操作者が1人でベッドを搬送するための装置である。図1に示すように、ベッド搬送装置100は、本体部1と、車輪3と、フレーム部40を備えている。
本体部1は、前後方向へ延びる部材である。本実施形態では、本体部1は、上部にて前後方向へ延びる上部部材1Aと、下部にて前後方向へ延びる下部部材1Bと、を備えている。上部部材1Aは、前後方向の両端側において、下部部材1Bよりも外側へ延びている。これによって、下部部材1Bの両端よりも外側には、車輪3を設けるためのスペースが確保される。なお、本体部1の内部には制御部300(図5参照)などの制御機器や、駆動機構等が収容される。ここで、特に説明の無い限り、ベッド搬送装置100に対して用いられる「前後方向」という表現は、ベッド搬送装置100が平行移動する際の前後方向を示すものとする。ただし、ベッド搬送装置100は、本体部1の前後方向の両端部のうち、どちらを「前」にしてどちらを「後」にするかを切替可能である(詳細は後述)。
車輪3は、本体部1を移動させるためのものである。車輪3は、本体部1の前後方向における一方側及び他方側に少なくとも1つずつ設けられる。以降の説明においては、前後方向における一方側に設けられる車輪3を車輪(駆動部)3Aと称する。前後方向における他方側に設けられる車輪3を車輪(駆動部)3Bと称する。車輪3Aは、上部部材1Aの一方側の端部1aの下側に設けられる。車輪3Bは、上部部材1Aの他方側の端部1bの下側に設けられる。このような配置により、車輪3A及び車輪3Bは前後方向に対向して、互いに離間した位置に配置される。
一方側の車輪3A、及び他方側の車輪3Bは、それぞれ駆動輪である。すなわち、車輪3Aと車輪3Bとは、いずれも駆動機構を有している。また、一方側の車輪3A、及び他方側の車輪3Bは、それぞれ独立して旋回可能である。すなわち、車輪3Aと車輪3Bとは、いずれも旋回機構(操舵機構)を有している。
図2を参照して、車輪3の駆動機構及び旋回機構の一例について説明する。図2(a)は、車輪3を前後方向から見たときの図である。図2(b)は、車輪3を上方から見たときの図である。これらの駆動機構及び旋回機構は、車輪3A及び車輪3Bの両方に設けられている。なお、図2に示す構成は、あくまでも一例に過ぎず、詳細な構成は適宜変更可能である。図2に示すように、車輪3の回転軸17の一方の端部は支持部材11に支持されており、先端部には駆動モータ12が設けられている。なお、支持部材11は、車輪3の端面と対向して上下方向に延びる対向部11bと、車輪3の上側にて水平方向に延びる水平部11aと、を有している。回転軸17は、支持部材11の対向部11bに支持されている。支持部材11の水平部11aは、上方へ延びて固定部材13に支持された旋回軸19と接続されている。旋回軸19の上端にはプーリー14が設けられており、プーリー14は、ベルト18を介して操舵モータ16と接続されている。固定部材13は本体部1に固定されている一方、支持部材11は固定部材13からは離間している。従って、操舵モータ16の回転に従って、支持部材11、回転軸17、駆動モータ12、及び車輪3は、旋回軸19周りに360°回転する。
以上のように、車輪3A及び車輪3Bには、駆動機構及び旋回機構が設けられているため、互いに独立して駆動及び旋回可能である。従って、二つの車輪の回転と旋回を組み合わせることで、本体部1は、任意方向への平行移動、カーブ、その場旋回といった動作が可能となる。なお、車輪3の旋回角度は360°でなくともよく、少なくとも180°旋回できればよい。
フレーム部40は、ベッド20の奥側へ延びる。フレーム部40は、本体部1の下部部材1Bの側面1Baから突出するように設けられている。本体部1が下部水平フレーム23と連結した状態においては、フレーム部40は、下部水平フレーム23よりもベッド20の奥側へ延びている(図4参照)。これにより、ベッド搬送装置100は、フレーム部40をベッド20の下部水平フレーム23の下方に潜り込ませて、ベッド20との連結時における姿勢を維持している(図4参照)。フレーム部40は、車輪41を有する。この車輪41は、駆動部や操舵部を有さない車輪(フリーローラー)であってよい。ただし、車輪41は、駆動部や操舵部を有する駆動輪であってもよい。
次に、図3及び図4を参照して、ベッド搬送装置100がベッド20を搬送しているときの様子について説明する。なお、図3及び図4においては、連結部50を簡略化している。図3に示すように、ベッド20は、上板22と、上板22の四隅から下方へ延びる柱部24と、柱部24の下端に設けられる車輪21と、柱部24の下端付近において当該柱部24付近を互いに連結する下部水平フレーム23と、を備えている。ベッド搬送時、ベッド搬送装置100は、ベッド20の側面20aと対向する位置にて、互いに隣り合うように配置される。このとき、ベッド搬送装置100の本体部1が延びる方向(所定の方向)とベッド20の上板22が延びる方向とは、略平行な状態となっている。図3及び図4に示すように、ベッド搬送装置100とベッド20とは、互いに連結した状態となる。従って、ベッド搬送装置100の移動に伴って、ベッド20も同様に移動することができる。
図4に示すように、フレーム部40は、下部水平フレーム23よりもベッド20の奥側まで延びている。また、車輪41は、下部水平フレーム23よりもベッド20の奥側の位置にて、フレーム部40の下面に取り付けられている。フレーム部40の上面は、当該フレーム部40をベッド20の下側に潜り込ませる際に、下部水平フレーム23と干渉しないように、当該下部水平フレーム23の下面よりも下方に位置する。これにより、ベッド搬送装置100は、本体部1の下側にて荷重が作用することにより、本体部1がベッド側へ転倒するようなモーメントが作用する状態であっても、フレーム部40で支持される。従って、ベッド搬送装置100は、安定した姿勢でベッド20を搬送することができる。
図5に示すように、ベッド搬送装置100は、リモコン30で操作可能である。リモコン30は、無線通信にてベッド搬送装置100を操作することができる。ただし、リモコン30は、有線通信にてベッド搬送装置100を操作してもよい。図4に示すように、リモコン30は、ベッド搬送装置100の移動方向の操作を行うジョイスティック31と、走行モードを切り換える走行モード切替スイッチ32と、進行方向の切替を行う進行方向切替スイッチ33と、連結部50の昇降を行う昇降スイッチ34と、を備えている。走行モード切替スイッチ32は、「平行移動モード」、「カーブモード」、「横移動モード」及び「その場旋回モード」等の走行モードを切り換えることができるスイッチである。
進行方向切替スイッチ33は、ジョイスティック31で「前」「後」の操作をした時における、ベッド搬送装置100の進行方向を切り替えるためのスイッチである。これにより、操作者は、前後方向における一方側と他方側との間で、進行方向の前側と後側とを切り替えできる。例えば、操作者が本体部1の端部1a側に立って端部1b側に体を向けている時、操作者にとっては、本体部1の端部1b側が「前」であり、端部1a側が「後」である。従って、操作者が、進行方向切替スイッチ33にて、端部1b側を「前」に設定し、ジョイスティック31にて「前」を押せばベッド搬送装置100は、端部1b側へ走行する。一方、操作者が本体部1の端部1b側に立って端部1a側に体を向けている時、操作者にとっては、本体部1の端部1a側が「前」であり、端部1b側が「後」である。従って、操作者は進行方向切替スイッチ33を操作することで、進行方向を切り替える。これによって、ジョイスティック31にて「前」を押せばベッド搬送装置100は、端部1a側へ走行する。ただし、リモコン30を持つ向きを変えるなどにより、リモコン30自体の向きを変更して、本体部1の進行方向の変更に対応してもよい。なお、本体部1には、現在の設定ではどちらが「前」であるかを示すような、進行方向表示部などを設けてもよい。進行方向表示部は、例えば、色の点灯や点滅、液晶で矢印を表示するなどによって、進行方向の前後を示してよい。
次に、図6〜図8を参照して、連結部50周辺の具体的な構成について説明する。なお、以降においては連結部50を移動可能に支持する構造を連結部支持構造200と称して説明を行う。図6及び図7に示すように、連結部支持構造200は、連結部50と、第1の支持体60と、第2の支持体61と、第3の支持体62と、駆動部63と、を備えている。これらの部材のうち、第1の支持体60及び駆動部63は、本体部1の下部部材1Bに固定されている。第2の支持体61は、第1の支持体60に対して上下方向へ移動可能に設けられている。第3の支持体62は、連結部50を固定し、第2の支持体61に対して回動可能に設けられている。また、連結部支持構造200は、連結部50がベッド20と連結している時に、連結部50の上下動を許容する上下動許容機構(第1の機構)52と、連結部50がベッド20と連結している時に、連結部50の回動を許容する回動許容機構(第2の機構)53と、を備えている。
なお、以降の説明においては、XYZ座標系を用いて説明を行う場合がある。X軸方向は、ベッド搬送装置100の前後方向に対応する方向である。X軸方向において、端部1b側を正側とし、端部1a側を負側とする。Y軸方向は、ベッド搬送装置100の前後方向と直交する幅方向に対応する方向である。Y軸方向において、本体部1から連結部50の先端側へ向かう側を正側とし、反対側を負側とする。Z軸方向は、上下方向に対応する方向である。Z軸方向において、上側を正側とし、下側を負側とする。
第1 の支持体60は、本体部1の下部部材1Bに固定された板状の部材である。第1の支持体60は、XZ平面に沿って広がり、中央部に開口部60aを有する矩形環状の形状をなしている。第1の支持体60は、X軸方向に対向して上下方向に平行に延びる辺部60A,60Bと、上下方向に対向してX軸方向に平行に延びる辺部60C,60Dと、を備えている。辺部60AはX軸方向の正側に配置され、辺部60BはX軸方向の負側に配置される。辺部60Cは上側に配置され、辺部60Dは下側に配置される。第1の支持体60のY軸方向の正側の面60bには、辺部60Aにガイド部71Aが設けられ、辺部60Bにガイド部71Bが設けられる。ガイド部71A,71Bは、辺部60A,60Bの上端部から下端部に至るまで上下方向に平行に延びている。
駆動部63は、連結部50を上下方向へ移動させるための駆動力を発生させる昇降モータ(駆動部)72と、昇降モータ72の駆動力によって回転するボールねじ73と、昇降モータ72の駆動力をボールねじ73へ伝達する駆動力伝達部74と、ボールねじ73が回転することによって上下方向へ移動するナット部76と、を備える。駆動部63は、第1の支持体60のX軸方向における略中央位置に配置されている。駆動部63は、図示されないブラケット等によって、本体部1に固定されている。
昇降モータ72は、第1の支持体60の上端部付近において、当該第1の支持体60に対してY軸方向の負側に配置されている。昇降モータ72の回転軸(不図示)は、昇降モータ72の上端部から上方へ向かって真っすぐに延びている。昇降モータ72の上端部には、Y軸方向の正側へ向かって延びる支持プレート77が設けられている。支持プレート77は、XY平面に沿って広がる板状部材であり、第1の支持体60の上端部を通過し、当該上端部よりもY軸方向の正側まで延びている。支持プレート77のうち、Y軸方向の負側の領域では、昇降モータ72の回転軸が回転可能に支持されると共に上方へ突出し、Y軸方向の正側の領域では、ボールねじ73の上端部が回転可能に支持されると共に上方へ突出する。ボールねじ73の下端部は、第1の支持体60の下側の辺部60Dに設けられた軸受け部78によって回転可能に支持されている(図8参照)。
駆動力伝達部74は、昇降モータ72の回転軸に設けられるプーリー74aと、ボールねじ73の上端部に設けられるプーリー74bと、プーリー74a及びプーリー74bに巻かれて回転力を伝達するベルト74cと、を備えている。従って、昇降モータ72が回転するとプーリー74aが回転する。プーリー74aが回転すると、ベルト74cを介してプーリー74bが回転し、ボールねじ73が回転する。これにより、ボールねじ73に取り付けられたナット部76が、ボールねじ73の回転に伴って上下方向へ移動する。ナット部76周辺の構成については、第2の支持体61の説明と合わせて後述する。
第2の支持体61は、第1の支持体60に対してY軸方向の正側において、当該第1の支持体60と対向するように設けられる部材である。第2の支持体61は、YZ平面に沿って広がる板状部81と、板状部81のX軸方向における両端側に設けられるスライド部82A,82Bと、を備える。板状部81は、第1の支持体60よりもY軸方向の正側の位置にて、ガイド部71A,71Bとの間に延びている。板状部81のY軸方向の正側の面81aの中央位置には、第3の支持体62を支持するための支持部86が形成されている。支持部86は、面81aからY軸方向の正側へ所定量だけ突出している。
スライド部82Aは、板状部81のX軸方向の正側の端部に設けられ、ガイド部71Aにスライド可能に取り付けられる。スライド部82Bは、板状部81のX軸方向の負側の端部に設けられ、ガイド部71Bにスライド可能に取り付けられる。このような構成により、第2の支持体61は、スライド部82A,82Bを介し、ガイド部71A,71Bにガイドされることによって第1の支持体60に対して上下方向へ移動可能である。板状部81の上端部からは、Y軸方向の負側へ向かって上壁部83が延びている。板状部81の下端部からは、Y軸方向の負側へ向かって下壁部84が延びている。上壁部83及び下壁部84は、ボールねじ73を挿通させる貫通孔83a,84aを有している(図8参照)。貫通孔83a,84aは、ボールねじ73との間に隙間を有しているため、第2の支持体61は、ボールねじ73に対して上下方向の移動が可能である。上壁部83及び下壁部84は、第1の支持体60の開口部60a内へ先端が入り込むように設けられている。第2の支持体61は、板状部81のY軸方向の負側の部分にて、駆動部63のナット部76と連結されている。従って、第2の支持体61は、駆動部63の駆動によるナット部76と共に、上下方向へ移動する。なお、第2の支持体61とナット部76との連結構造については、上下動許容機構52の説明と共に後述する。
第3の支持体62は、第2の支持体61に対してY軸方向の正側において、当該第2の支持体61と対向するように設けられる部材である。第3の支持体62は、所定の断面形状を有して、X軸方向へ延びる部材である。本実施形態では、第3の支持体62は、上下方向に延びる長円状の形状をなしているが、特に断面形状は限定されない。第3の支持体62は、第2の支持体61の支持部86のY軸方向の正側の先端部にて支持されている。また、第3の支持体62は、支持部86の先端部にて、Y軸方向へ延びる軸部87を介して第2の支持体61に支持されている。軸部87は、第1の支持体60及び第2の支持体61のX軸方向における略中央位置に設けられ、第3の支持体62のX軸方向における略中央位置にて当該第3の支持体62を支持する。第3の支持体62は、軸部87を中心として、回動可能に構成されているが、詳細な構成については回動許容機構53の構成と共に後述する。なお、第3の支持体62の下端部には、X軸方向に所定量だけ延びる切欠部62aが形成されている。この切欠部62aからは、本体部1からY軸方向の正側へ延びるフレーム部40が延びている(図4参照)。
次に、連結部50の構成について詳細に説明する。連結部50は、本体部1の下部部材1B(図1参照)に設けられている。連結部50は、ベッド20と連結するための部材である。具体的には、連結部50は、下部部材1Bの側面1Baから突出するように設けられる。これにより、ベッド搬送装置100は、連結部50をベッド20の側面20aから、下部水平フレーム23に潜り込ませて、連結部50で下部水平フレーム23を支持することで互いに連結する。連結部50は、ベッド20の下部水平フレーム(構造部材)23を下側から押圧することで、ベッド20と連結する。また、連結部50は、前後方向に一対設けられる。ここでは、端部1a側に配置される連結部50を「連結部50A」とし、端部1b側に配置される連結部50を「連結部50B」とする。連結部50Aと連結部50Bは、水平方向においてフレーム部40を挟むような位置に配置される。連結部50Aと連結部50Bは、前後方向における位置以外は、互いに同趣旨の構成を有している。
図6〜図8に戻り、連結部50A,50Bは、第3の支持体62の下端付近から、Y軸方向の正側へ延びるように設けられる。連結部50Aは、第3の支持体62のX軸方向の負側の端部付近に設けられる。連結部50Bは、第3の支持体62のX軸方向の正側の端部付近に設けられる。連結部50A,50Bは、第3の支持体62のY軸方向の正側の面62bよりもY軸方向の正側へ突出している。連結部50A,50Bは、Y軸方向から見て矩形状の断面形状を有している。ただし、連結部50A,50Bの断面形状は特に限定されず、上面50bに下部水平フレーム23を載置することができる形状であればよい。連結部50A,50BのY軸方向の正側の端部には、上方へ突出するフック部50aが形成されている。フック部50aは、第3の支持体62の面62bから、Y軸方向の正側へ離間する位置に設けられる。
連結部50A,50Bの上面50bは、ベッド20の下部水平フレーム23と当接する部分として機能する。また、第3の支持体62の面62bには、ベッド20の下部水平フレーム23を水平方向(ここではY軸方向)に受ける受け部88が形成される。連結部50A,50Bは、受け部88とフック部50aとの間の上面50bで、下部水平フレーム23と連結する。受け部88には、低摩擦プレート89が設けられる。低摩擦プレート89の表面は、第3の支持体62の面62bよりも摩擦係数が低く設定されている。本実施形態では、低摩擦プレート89は、連結部50A,50Bと第3の支持体62との接続箇所であって、フック部50aと対向する箇所に設けられている。また、低摩擦プレート89は、第3の支持体62の面62bのうち、連結部50A,50BとX軸方向に隣り合う位置にも設けられている。また、連結部50A,50Bのうち下部水平フレーム23と当接する部分、すなわち連結部50A,50Bの上面50bには、高摩擦プレート90が設けられる。高摩擦プレート90は、少なくとも低摩擦プレート89よりも高い摩擦係数を有する。高摩擦プレート90の表面は、連結部50A,50Bを構成する部材の表面よりも高い摩擦係数を有する。
次に、図7〜図9を参照して、上下動許容機構52について説明する。上下動許容機構52は、一度連結部50のベッド20に対する連結が完了した後に、ベッド20又はベッド搬送装置100が段差、うねり、傾斜等を走行することによって、連結部50とベッド20の連結箇所との間の位置関係に変動が生じる場合に、当該変動に起因する連結部50の上下動を許容する機構である。上下動許容機構52は、ナット部76と第2の支持体61との間の連結部分に設けられている。上下動許容機構52は、主に、前述のナット部76と、支持プレート91と、支柱92A,92Bと、ばね93A,93Bと、を備えている。
支持プレート91は、ナット部76に固定された板状の部材である。支持プレート91は、第2の支持体61の上壁部83及び下壁部84との間の空間内にてナット部76の外周面に固定されると共に、X軸方向へ広がっている。支持プレート91は、上壁部83及び下壁部84に対して上下方向に離間した位置にて平行に対向している。支持プレート91は、第2の支持体61に対して相対的に上下方向へ移動可能な板状部材である。
支柱92A,92Bは、上壁部83と下壁部84との間において上下方向に延びる棒状の部材である。支柱92A,92Bは、上端部を上壁部83に固定され、下端部を下壁部84に固定されている。支柱92A,92Bは、ボールねじ73に対してX軸方向の両側に隣り合うように配置されている。支柱92A,92Bは、ナット部76をX軸方向に挟むように、支持プレート91に挿通されている。支柱92A,92Bは、支持プレート91に対して上下方向へ相対的に移動可能である。このような構成により、ボールねじ73が回転すると、ナット部76は支持プレート91と共に、上壁部83に対して相対的に上下方向へ移動する。このとき、ナット部76は、支持プレート91を介して支柱92A,92Bによって回転方向への移動が規制された状態で、上下方向へ移動する。ばね93A,93Bは、上壁部83と支持プレート91との間において、支柱92A,92Bに取り付けられている。ばね93A,93Bは、支持プレート91と上壁部83との間の寸法が変動することに伴って伸縮する。ばね93A,93Bは、連結部50が下部水平フレーム23と連結された状態にあるときは、連結部50の上下動に伴って伸縮する。
次に、図9を参照して上下動許容機構52の動作について説明する。図9(a)は、連結部50が可動範囲における最も下側の位置である下降端部に配置されている状態を示す概略図である。図9(b)は、連結部50が下降端部よりも上側の位置であって下部水平フレーム23よりも下側の位置に配置されている状態を示す概略図である。図9(c)は、連結部50が下部水平フレーム23と連結された状態を示す概念図である。なお、図9では、ナット部76及びボールねじ73は省略されている。
図9(a)に示すように、連結部50及び第2の支持体61が下降端部に配置されている状態では、上壁部83と支持プレート91との間の寸法L(この時の寸法を寸法t1とする)は大きく、ばね93A,93Bは略非圧縮状態にある。次に、ナット部76の上昇に伴って支持プレート91が上方へ移動すると、寸法Lが減少してばね93A,93Bが圧縮される。これによって、上壁部83を介して第2の支持体61全体に、上向きの力が作用する。ナット部76及び支持プレート91が更に上昇して寸法Lが所定寸法t2(<t1)となると、図9(b)に示すように、第2の支持体61全体が持ち上がり、ナット部76及び支持プレート91の上昇に伴って、連結部50と共に上方へ移動する。ナット部76及び支持プレート91が更に上昇を続けると、連結部50が下部水平フレーム23と当接する。この状態でナット部76及び支持プレート91が上昇すると、連結部50及び第2の支持体61(すなわち上壁部83)の上下方向の位置は下部水平フレーム23の位置で一定となるため、寸法Lが小さくなりばね93A,93Bが圧縮される。ナット部76及び支持プレート91が更に上昇し、図9(c)に示すように、寸法Lが所定寸法t3(<t2)となると、連結部50と下部水平フレーム23との間に作用する荷重が、連結に必要な摩擦力を得るのに必要な大きさに達する。この状態にて、ナット部76及び支持プレート91の上昇が止まる。
図9(c)に示すような連結部50が下部水平フレーム23と連結された状態では、ばね93A,93Bは、連結部50の上下動に伴って伸縮可能な状態にある。なお、当該状態においては、ばね93A,93Bは、更に圧縮可能なストロークを有している。これによって、連結部50は、連結部50が下部水平フレーム23と連結された状態にあるときに、上下動許容機構52によって、連結部50が上下動することを許容される。また、下部水平フレーム23が連結部50から離れる方向へ相対的に移動するとき、上下動許容機構52は、ばね93A,93Bの作用により、連結部50を下部水平フレーム23に追従するように上方へ移動させる。また、また、下部水平フレーム23が連結部50側へ押し込まれるように相対的に移動するとき、上下動許容機構52は、ばね93A,93Bの作用により、連結部50を下部水平フレーム23の荷重を受けながら当該下部水平フレーム23に追従するように下方へ移動させる。
図10及び図11を参照して、上下動許容機構52の動作について説明する。まず、図10を参照して、下部水平フレーム23が連結部50から離れる場合の上下動許容機構52の動作について説明する。例えば、ベッド20だけが高い段差に乗り上げる場合や、ベッド搬送装置100だけが低い段差へ下がる場合、図10(a)に示すように、連結部50に連結された状態の下部水平フレーム23が、連結部50から上方へ離間するように相対的に移動する。このとき、瞬間的に連結部50に作用する荷重が減少する。このとき、圧縮状態にあるばね93A,93Bの圧縮力が解放される。図10(b)に示すように、支持プレート91の位置は不動であるため、ばね93A,93Bは、上壁部83を介して連結部50を押し上げるように延びる。これにより、連結部50の上方への移動が許容されると共に、ばね93A,93Bの弾性力によって連結部50が上方へ移動する。これにより、連結部50は下部水平フレーム23の動きに追従するため、連結部50からベッド20の下部水平フレーム23が外れることを抑制できる。
次に、図11を参照して、下部水平フレーム23が連結部50側へ押し込まれる場合の上下動許容機構52の動作について説明する。例えば、ベッド20だけが低い段差へ下がる場合や、ベッド搬送装置100だけが高い段差へ乗り上げる場合、図11(a)に示すように、連結部50に連結された状態の下部水平フレーム23が、連結部50へ更に押し込まれるように相対的に移動しようとする。このとき、瞬間的に連結部50に作用する荷重が増加する。このとき、ばね93A,93Bの圧縮力が増加する。支持プレート91の位置は不動であるため、ばね93A,93Bは、上壁部83を介して連結部50を下げるように縮む。これにより、連結部50の下方への移動が許容されると共に、ばね93A,93Bの弾性力によって連結部50が下方へ移動する。連結部50は、下部水平フレーム23からの力により下方へ移動するように追従することで、下部水平フレーム23から連結部50に作用する力が急激に増加することを抑制できる。
次に、図6〜図8及び図12を参照して、回動許容機構53について説明する。回動許容機構53は、第2の支持体61と第3の支持体62との間の連結部分に設けられている。回動許容機構53は、主に、前述の軸部87と、ばね部96A,96Bと、を備えている。
軸部87は、第2の支持体61の支持部86に固定されている。また、軸部87には、第3の支持体62が支持部95を介して回動可能に取り付けられている。従って、連結部50A,50Bは、第3の支持体62と共に軸部87周りに回動可能である。
ばね部96A,96Bは、第2の支持体61と第3の支持体62との間に設けられている。また、ばね部96Aは、軸部87よりもX軸方向の負側の位置に設けられている。ばね部96Bは、軸部87よりもX軸方向の正側の位置に設けられている。ばね部96A,96Bは、ケース97と、可動部98と、ばね99と、を備えている。
ケース97は、ばね99を収容する収容体であり、第2の支持体61に固定されている部材である。ケース97は、上壁部97aと、側壁部97bと、を備えている。一方、可動部98は、第3の支持体62に固定されている。可動部98は、第3の支持体62に固定される固定部98aと、固定部98aからケース97へ向かって上方へ延びるシャフト部98bと、シャフト部98b内に収容される仕切部98cと、を備える。仕切部98cとケース97の上壁部97aとの間には、ばね99が設けられている。可動部98が上側へ移動すると、ばね99が圧縮され、可動部98が下側へ移動すると、ばねが伸びる。
このような構成により、連結部50A,50Bが軸部87まわりに回動することで、連結部50Aが上側へ移動し、連結部50Bが下側へ移動すると、ばね部96Aのばね99は圧縮されて、ばね部96Bのばね99は伸びる。また、連結部50Aが下側へ移動し、連結部50Bが上側へ移動すると、ばね部96Aのばね99は伸びて、ばね部96Bのばね99は圧縮される。従って、回動許容機構53は、連結部50A,50Bの回動を許容する。また、回動許容機構53は、ばね99によって回動時の衝撃も吸収する。また、下部水平フレーム23が傾斜する場合に、当該傾斜に追従するように連結部50A,50Bの上面50bも傾斜することで、連結状態を維持することができる。
次に、図13を参照して、ベッド搬送装置100の制御部300について説明する。図13に示すように、ベッド搬送装置100は、当該ベッド搬送装置100を制御する制御部300を備えている。この制御部300は、CPU[Central ProcessingUnit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。制御部300では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。制御部300は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。制御部300は、リモコン30からの操作情報を受信する。また、制御部300は、近接センサ(近接検出部)101及び荷重センサ(荷重検出部)102で検出された信号を受信する。制御部300は、駆動モータ12、操舵モータ16及び昇降モータ72へ制御信号を送信する。
近接センサ101は、ベッド搬送装置100がベッド20に近接したことを検出するセンサである。近接センサ101は、例えば、電磁誘導を利用した誘導形近接センサ、などの非接触型のセンサによって構成されてよい。あるいは、近接センサ101は、ベッド20の構成部材と直接接触することでベッド20との近接を検出するスイッチなどによって構成されてよい。近接センサ101は、第3の支持体62のY軸方向の正側の面62bに設けられている(図6参照)。ここでは、近接センサ101は、連結部50A,50Bと第3の支持体62との連結箇所に設けられた低摩擦プレート89の上方に設けられている。これにより、近接センサ101は、下部水平フレーム23の位置を検出することができる。ただし、ベッド20の近接を検出できる限り、近接センサ101の配置は特に限定されない。
荷重センサ102は、連結部50に作用する荷重を検出するセンサである。荷重センサ102は、ボールねじ73の下端に設けられている(図8参照)。荷重センサ102は、ボールねじ73の下側に設けられたケース103の中に配置されている。これにより、連結部50に荷重が作用した時は、第2の支持体61、第3の支持体62、ナット部76及びボールねじ73を介して、連結部50に作用する荷重を検出できる。ただし、荷重センサ102は、連結部50に作用する荷重を検出することができる限り、どの位置に設けられてもよい。
制御部300は、近接センサ101がベッド搬送装置100のベッド20への近接を検出したとき、ベッド搬送装置100がベッド20へ近づくことを防止する制御を行う。例えば、連結部50と下部水平フレーム23とを連結させるためにベッド搬送装置100がベッド20側へ移動しているとき、近接センサ101が、所定の距離(これを第1の閾値とする)よりも下部水平フレーム23が近接センサ101に近づいていることを検出した場合、制御部300は、駆動モータ12を停止する。第1の閾値は、連結部50と下部水平フレーム23が連結可能な距離の範囲内に設定される。例えば、第1の閾値として、下部水平フレーム23が受け部88と接触するときの距離を設定してもよい。また、制御部300は、近接センサ101がベッド搬送装置100のベッド20への近接を検出していないとき、連結部50の可動範囲における下降端部へ、連結部50を位置させる制御を行う。近接センサ101は、所定の距離(これを第2の閾値とする)よりも下部水平フレーム23が近接センサ101よりも遠い位置に配置されていることを検出した場合、制御部300は、昇降モータ72を制御して、連結部50を下降端部へ位置させる。第2の閾値は、連結部50と下部水平フレーム23が連結を行うことが出来ない距離に設定される。
ここで、制御部300は、連結部50を上下動させる昇降モータ72に対する給電を停止することで、連結部50を下降端部へ位置させる。制御部300は、昇降モータ72に対する主電源のスイッチをOFFとすることで、昇降モータ72に対する給電を停止する。昇降モータ72への給電が停止すると、昇降モータ72はフリーな状態となる。このとき、ボールねじ73もフリーな状態となる。従って、ナット部76は、第2の支持体61及び第3の支持体62の重みによって、ボールねじ73を回転させながら、連結部50が下降端部へ位置するまで下降する。
制御部300は、荷重センサ102の検出結果に基づいて、昇降モータ72を制御する。例えば、制御部300は、連結部50と下部水平フレーム23とを連結させるとき、荷重センサ102で検出される荷重が所定の値まで達したことに基づいて、連結完了と判断し、連結部50の上方への移動と停止してよい。また、下部水平フレーム23に浮きが発生して連結部50から外れた場合、連結部50に作用する荷重が小さくなる。従って、荷重センサ102が検出している荷重が所定の閾値より小さくなった場合、制御部300は、昇降モータ72を制御して連結部50を上方へ移動させてもよい。例えば、図10(b)に示すような状態となった場合に、制御部300は、下部水平フレーム23に変動が生じる前の荷重となるように、連結部50を上方へ移動させてよい。また、制御部300は、荷重センサ102の荷重が小さくなったことに基づいて、下部水平フレーム23の連結部50からの外れを検知してよい。あるいは、下部水平フレーム23に沈みが発生すると、連結部50に作用する荷重が大きくなる。従って、荷重センサ102が検出している荷重が所定の閾値より大きくなった場合、制御部300は、昇降モータ72を制御して連結部50を下方へ移動させてもよい。例えば、図11(b)に示すような状態となった場合に、制御部300は、下部水平フレーム23に変動が生じる前の荷重となるように、連結部50を下方へ移動させてよい。
次に、本実施形態に係るベッド搬送装置100の作用・効果について説明する。
本実施形態に係るベッド搬送装置100は、本体部1の一方側の側面1Baに設けられ、ベッド20の側面にて当該ベッド20と連結する連結部50と、本体部1を移動させる車輪3A,3Bと、を備える。このようなベッド搬送装置100において、連結部50は、ベッド20の下部水平フレーム23を下側から押圧することで、ベッド20と連結する。連結部50が下部水平フレーム23を下側から押圧することで、連結部50と下部水平フレーム23との間に荷重が作用する。これにより、連結部50と下部水平フレーム23との間の摩擦力によって、連結部50と下部水平フレーム23とが連結される。なお、連結部50が下部水平フレーム23を押圧するときは、ベッド20の車輪21が地面から浮かない程度の押圧力であっても、連結部50と下部水平フレーム23とは十分に連結することができる。ただし、ベッド20の車輪21が地面から浮く程度の押圧力が付与されてもよい。これによって、以上により、ベッド搬送装置100は、ベッド20と容易に連結することができる。
また、ベッド搬送装置100は、連結部50がベッド20へ連結している時に、連結部50よりもベッドの奥側へ延びるフレーム部40を更に備え、フレーム部40は、車輪3A,3Bを有してよい。これにより、連結部50がベッド20の下部水平フレーム23を押圧することで、当該連結部50に荷重が作用しているときに、フレーム部40及び車輪3A,3Bが、ベッド搬送装置100の姿勢を維持することができる。従って、連結部50がベッド20と連結しているときに、ベッド搬送装置100が転倒することを抑制できる。
ベッド搬送装置100は、連結部50に作用する荷重を検出する荷重センサ102を更に備えてよい。これにより、荷重センサ102で検出された荷重に基づいて、連結部50によるベッド20との連結の有無を判断することができる。
ベッド搬送装置100は、ベッド搬送装置100がベッド20に近接したことを検出する近接センサ101を更に備えてよい。これにより、近接センサ101でベッド搬送装置100がベッド20に近接したことを検出することができる。
ベッド搬送装置100は、ベッド搬送装置100を制御する制御部300を更に備え、近接センサ101がベッド搬送装置100のベッド20への近接を検出したとき、制御部300は、ベッド搬送装置100がベッド20へ近づくことを防止する制御を行ってよい。これにより、ベッド搬送装置100がベッド20と衝突することを抑制できる。
ベッド搬送装置100は、ベッド搬送装置100を制御する制御部300を更に備え、近接センサ101がベッド搬送装置100のベッド20への近接を検出していないとき、制御部300は、連結部50の可動範囲における下降端部へ、連結部50を位置させる制御を行ってよい。これにより、連結部50を下部水平フレーム23に連結させようとして、ベッド搬送装置100がベッド20へ近づくときは、連結部50を下降端部へ位置させておくことができる。従って、連結部50が下部水平フレーム23と干渉することを抑制できる。
ベッド搬送装置100において、制御部300は、連結部50を上下動させる昇降モータ72に対する給電を停止することで、連結部50を下降端部へ位置させてよい。これにより、例えばリモコン30の電池切れや故障が生じており、リモコン30の操作によって連結部50を下降させることが出来ない場合であっても、制御部300が昇降モータ72に対する給電を停止することで、連結部50を下降させておくべき状況下においては、自動的に連結部50を下降端部へ位置させておくことができる。また、制御部300は、昇降モータ72に対する給電を停止することで、連結部50を下降端部へ位置させるため、昇降モータ72にエラーが生じていた場合でも、連結部50を停止させることなく下方へ移動させことができる。従って、連結部50がベッド20と連結したままの状態となることを回避できる。
ベッド搬送装置100は、ベッド20の下部水平フレーム23を水平方向に受ける受け部88を更に備え、受け部88には、低摩擦プレート89が設けられ、連結部50のうち下部水平フレーム23と当接する部分には、低摩擦プレート89が設けられてよい。これにより、ベッド20の下部水平フレーム23は受け部88に受けられる際に、低摩擦プレート89と接触することにより、水平方向に移動し易くなる。従って、連結部50とベッド20の下部水平フレーム23との間の、連結前の水平方向の位置合わせが行い易くなる。一方、連結部50のうち下部水平フレーム23と当接する部分には、高摩擦プレート90が設けられる。従って、ベッド20の下部水平フレーム23は、連結部50と連結する際に、高摩擦プレート90と接触することにより、連結部50に対する滑りが抑制される。
また、本実施形態に係るベッド搬送装置100は、本体部1の一方側の側面1Baに設けられ、ベッド20の側面にて当該ベッド20と連結する連結部50と、本体部1を移動させる車輪3A,3Bと、を備える。このようなベッド搬送装置100及びベッド20が、段差、うねり、勾配を有する路面を通過する場合、連結部50とベッド20の連結箇所との間に上下方向のずれが生じ得る。これに対して、ベッド搬送装置100は、連結部50がベッド20と連結している時に、連結部の上下動を許容する上下動許容機構を備える。従って、連結部50とベッド20の連結箇所との間の上下方向の位置関係の変動が生じる場合に、上下動許容機構52に許容されることで連結部50が上下動を行う。以上により、連結部50とベッド20の連結箇所との間の上下方向の位置関係の変動による影響を抑制できる。
また、ベッド搬送装置100において、連結部50は、X軸に少なくとも一対設けられ、連結部50がベッド20と連結している時に、Y軸方向周りの一対の連結部50(50A,50B)の回動を許容する回動許容機構53を更に備えてよい。連結部50がX軸方向に少なくとも一対設けられる場合、ベッド搬送装置100及びベッド20が凸凹面を有する路面を通過するときに、各連結部50に対してベッド20がY軸方向周りに相対的に傾く場合がある。これに対して、ベッド搬送装置100は、連結部50がベッド20と連結している時に、Y軸方向周りの一対の連結部50(50A,50B)の回動を許容する回動許容機構53を更に備える。従って、各連結部50に対してベッド20がY軸方向周りに相対的に傾く場合に、回動許容機構53に許容されることで、一対の連結部50(50A,50B)がベッド20の傾きに対応してY軸方向周りに回動を行う。これにより、各連結部50とベッド20との間の連結状態を維持することができる。以上により、ベッド搬送装置100とベッド20との連結が外れることを更に抑制できる。
ベッド搬送装置100において、上下動許容機構52は、連結部50の上下動に伴って伸縮するばね93A,93Bを有してよい。これにより、連結部50が上下動を行う際にばね93A,93Bの弾性力が作用するため、上下動許容機構52は、連結部50の上下動に伴う衝撃を吸収することができる。
ベッド搬送装置100において、回動許容機構53は、連結部50の回動に伴って伸縮するばね99を有してよい。これにより、連結部50が回動を行う際にばね99の弾性力が作用するため、回動許容機構53は、連結部50の回動に伴う衝撃を吸収することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、リモコンの構成は上述のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。また、リモコンに代えて、本体部に操作部を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、本体部の一方側には1つの車輪が設けられ、他方側には1つの車輪が設けられていた。これに替えて、本体部の一方側に複数(例えば2つ)の車輪が設けられ、他方側に複数(例えば2つ)の車輪が設けられてもよい。また、フレーム部40に設けられる車輪も複数であってよい。また、フレーム部40の数は一つに限定されず、複数個であってもよい。すなわち、ベッド搬送装置100に設けられる車輪の数も位置も特に限定されない。また、上述の実施形態では、フレーム部40はフリーローラーであって駆動機能を有していないが、フレーム部40の車輪が駆動輪であってもよい。この場合、本体部1の車輪3A,3Bを駆動機能を有さないフリーローラーとしてもよい。
また、上述の実施形態では、車輪としてタイヤが例示されていたが、ベッド搬送装置100の移動、及び制御が可能なものであれば、あらゆるタイプの車輪を採用してよい。例えば、車輪として、オムニホイール、球体駆動機構など、全方向の移動機構を採用してよい。
また、連結部の数は2つに限定されず、1つであってもよく、3つ以上でもよい。
上述の実施形態では、上下動許容機構及び回動許容機構として、図6〜図12に示すような構成を採用した。ただし、上下動許容機構及び回動許容機構は、これらの構成に限定されず、詳細な構成については、適宜変更してもよい。また、上述の実施形態では、上下動許容機構及び回動許容機構がばねを備えていたが、ゴム材などの他の弾性部材を用いてもよい。また、上下動許容機構及び回動許容機構は、連結部の上下動及び回動を許容すればよいものであるため、弾性力のような復元力を有していなくともよい。例えば、上下方向に連結部が変位した後は、当該位置にて配置が維持されてもよい。
また、上述の実施形態では、連結部は、昇降モータとボールねじの組み合わせによって昇降動作を行っていたが、特に限定されず、リニア式のモータなどを用いて他の駆動方式による昇降機構を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、ベッド搬送装置がフレーム部を有していたが、フレーム部を省略してもよい。また、フレーム部は一本に限られず、複数本のフレーム部が設けられてよい。
また、上述の実施形態は、ベッド搬送装置は近接センサ、荷重センサなどの各種センサを有していたが、これらのセンサを省略してもよい。
また、上述の実施形態では、上下動許容機構及び回動許容機構が設けられていたが、回動許容機構を省略し、上下動許容機構のみを設けてもよい。また、上下動許容機構を省略し、回動許容機構のみを設けてもよい。あるいは、上下動許容機構及び回動許容機構の両方を省略してもよい。この場合、ナット部に対して第2の支持体がばね等を介することなく直接的に固定され、第2の支持体に対して連結部が設けられる。または、連結部にスライド部材が直接設けられ、第1の支持体のガイド部に沿って連結部がスライド移動してもよい。