以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.電子機器
図1に本実施形態の無接点電力伝送システムの一例を示す。充電器500は送電装置10を有する。電子機器510は受電装置40を有する。また電子機器510は、操作用のスイッチ部514やバッテリー90を有する。なお図1ではバッテリー90を模式的に示しているが、このバッテリー90は実際には電子機器510に内蔵されている。図1の送電装置10と受電装置40により本実施形態の無接点電力伝送システムが構成される。
充電器500には、電源アダプター502を介して電力が供給され、この電力が、無接点電力伝送により送電装置10から受電装置40に送電される。これにより、電子機器510のバッテリー90を充電し、電子機器510内のデバイスを動作させることができる。
なお充電器500の電源は、USB(USBケーブル)による電源であってもよい。また、本実施形態は種々の電子機器に適用できる。例えば、電子機器510として、補聴器、腕時計、生体情報測定装置(ウェアラブル機器)、携帯情報端末(スマートフォン、携帯電話機、ヘッドマウントディスプレイ等)、コードレス電話器、シェーバー、電動歯ブラシ、リストコンピューター、ハンディターミナル、電気自動車、或いは電動自転車などの種々の電子機器を想定できる。
2.送電装置、受電装置、制御装置の構成例
図2に本実施形態の送電装置10、受電装置40、送電側の制御装置20、受電側の制御装置50の構成例を示す。図1の充電器500などの送電側の電子機器は、少なくとも図2の送電装置10を含む。また受電側の電子機器510は、少なくとも受電装置40とバッテリー90(充電対象)と処理装置100(電力供給対象)を含むことができる。処理装置100は、例えばDSP等の各種のデバイスである。そして図2の構成により、1次コイルL1と2次コイルL2を電磁的に結合させて送電装置10から受電装置40に対して電力を伝送し、バッテリー90の充電等を行う無接点電力伝送(非接触電力伝送)システムが実現される。
送電装置10(送電モジュール、1次モジュール)は、1次コイルL1、送電部12(送電回路)、制御装置20を含む。なお送電装置10は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば表示部等)を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
送電部12は、電力伝送時において所定周波数の交流電圧を生成して、1次コイルL1に供給する。この送電部12は、1次コイルL1の一端を駆動する第1の送電ドライバーDR1や、1次コイルL1の他端を駆動する第2の送電ドライバーDR2や、電源電圧制御部14を含む。また送電部12は、1次コイルL1と共に共振回路を構成する少なくとも1つのキャパシター(コンデンサー)を含むことができる。
送電部12の送電ドライバーDR1、DR2の各々は、例えばパワーMOSトランジスターにより構成されるインバーター回路(バッファー回路)などにより実現される。
送電部12の電源電圧制御部14(電源電圧制御回路)は、送電ドライバーDR1、DR2の電源電圧VDRVを制御する。この電源電圧制御部14は、例えばDCDCコンバーターなどにより実現できる。
1次コイルL1(送電側コイル)は、2次コイルL2(受電側コイル)と電磁結合して電力伝送用トランスを形成する。例えば電力伝送が必要なときには、充電器500の上に電子機器510を置き、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通るような状態にする。一方、電力伝送が不要なときには、充電器500と電子機器510を物理的に離して、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通らないような状態にする。
制御装置20は、送電側の各種制御を行うものであり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。この制御装置20は、通信部22(通信回路)を含む。通信部22は、受電装置40との間での通信データの通信処理を行う。例えば通信部22は、負荷変調により通信データを送信する受電装置40(制御装置50)との間での通信処理を行う。
受電装置40(受電モジュール、2次モジュール)は、2次コイルL2、制御装置50を含む。なお受電装置40は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
制御装置50は、受電側の各種制御を行うものであり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。制御装置50は、充電系回路60と、放電系回路70を含む。充電系回路60は、バッテリー90の充電中に動作し、放電中に動作を停止する回路である。放電系回路70は、バッテリー90の放電中にも動作する回路である。また、充電系回路60の各部は、整流電圧VCC(或いはVCCをレギュレートした電圧である電圧VD5)に基づいて動作し、放電系回路70の各部は、バッテリー電圧VBATに基づいて動作する。
充電系回路60は、受電部61(受電回路)、充電系制御部63(充電系制御回路、ロジック回路)、負荷変調部64(負荷変調回路)、充電部65(充電回路)、不揮発性メモリー66、インターフェース部67(インターフェース)を含む。放電系回路70は、給電部71(給電回路)、放電系制御部73(放電系制御回路、ロジック回路)、インターフェース部74(インターフェース)を含む。なお制御装置50は種々の変形実施が可能である。例えば、制御装置50は、整流電圧VCCやバッテリー電圧VBAT等を監視して、過放電、過電圧、過電流等の検出処理を実行する検出部(不図示)を含んでもよい。或いは、受電部61を制御装置50の外部に設けてもよい。
受電部61は、送電装置10からの電力を受電する。具体的には受電部61は、2次コイルL2の交流の誘起電圧を直流の整流電圧VCCに変換して、出力する。この変換は受電部61が有する整流回路62により行われる。整流回路62は、例えば複数のトランジスターやダイオードなどにより実現できる。
充電系制御部63は、充電対象(バッテリー90)の充電中に行われる各種の制御処理を実行する。充電系制御部63は、受電部61や、負荷変調部64、充電部65、不揮発性メモリー66、検出部(不図示)などの制御を行う。この充電系制御部63は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線手法で生成されたロジック回路や、或いはマイクロコンピューターなどの各種のプロセッサーにより実現できる。
負荷変調部64は負荷変調を行う。例えば負荷変調部64は電流源ISを有し、この電流源ISを用いて負荷変調を行う。具体的には、負荷変調部64は電流源IS(定電流源)とスイッチ素子SWを有する。電流源ISとスイッチ素子SWは、例えば整流電圧VCCのノードNVCとGND(広義には低電位側電源電圧)のノードとの間に直列に設けられる。そして、例えば充電系制御部63からの制御信号に基づいてスイッチ素子SWがオン又はオフにされ、ノードNVCからGNDに流れる電流源ISの電流(定電流)をオン又はオフにすることで、負荷変調が実現される。
充電部65はバッテリー90の充電(充電制御)を行う。例えば充電部65は、送電装置10からの電力を受電する受電部61が受電した電力に基づいて、バッテリー90を充電する。例えば充電部65は、受電部61からの整流電圧VCC(広義には直流電圧)に基づく電圧が供給されて、バッテリー90を充電する。
不揮発性メモリー66は、各種の情報を記憶する不揮発性のメモリーデバイスである。この不揮発性メモリー66は、例えば受電装置40(制御装置50)のステータス情報等の各種の情報を記憶する。不揮発性メモリー66としては、例えばEEPROMなどを用いることができる。EEPROMとしては例えばMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)型のメモリーを用いることができる。例えばMONOS型のメモリーを用いたフラッシュメモリーを用いることができる。或いはEEPROMとして、フローティングゲート型などの他のタイプのメモリーを用いてもよい。
インターフェース部67は、充電系制御部63に設けられるレジスター部68へ情報を書き込むためのインターフェースである。インターフェース部67は、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)により実現できる。
給電部71は、処理装置100に対する電力供給を行う。例えば給電部71は、バッテリー90の放電動作を行って、バッテリー90からの電力を処理装置100に対して供給する。以下、本明細書では、給電部71による処理装置100への電力供給を電力供給動作と表記する。例えば給電部71は、バッテリー90のバッテリー電圧VBATが供給され、出力電圧VOUTを処理装置100に供給する。この給電部71はチャージポンプ回路72を含むことができる。チャージポンプ回路72は、バッテリー電圧VBATを降圧(例えば1/3降圧)して、出力電圧VOUT(VBAT/3)を処理装置100に対して供給する。この給電部71(チャージポンプ回路)は、例えばバッテリー電圧VBATを電源電圧として動作する。
放電系制御部73は、充電対象(バッテリー90)の放電中に行われる各種の制御処理を実行する。放電系制御部73は、給電部71の制御等を行う。この放電系制御部73は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線手法で生成されたロジック回路や、或いはマイクロコンピューターなどの各種のプロセッサーにより実現できる。
インターフェース部74は、処理装置100と制御装置50との間の情報(データ、コマンド)の送受信に用いられるインターフェースである。インターフェース部74は種々の構成により実現可能であり、詳細については後述する。
バッテリー90は例えば充電可能な二次電池であり、例えばリチウム電池(リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等)、ニッケル電池(ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池等)などである。
処理装置100は、例えば、処理部(DSP、マイコン)などのデバイス(集積回路装置)である。処理装置100は、受電装置40を内蔵する電子機器510(図1)に設けられ、バッテリー90の電力供給対象となるデバイスである。
なお、本実施形態の手法は、上記の制御装置50と、処理装置100とを含む受電用制御システムに適用できる。例えば本実施形態の受電用制御システムは、受電用の制御IC(制御装置50)と、DSP(処理装置100)とを含むチップセットにより実現される。
3.無接点電力伝送システムの動作シーケンス
次に本実施形態の無接点電力伝送システムの動作シーケンスの一例について説明する。図3は動作シーケンスの概要を説明する図である。
図3のA1では、受電装置40を有する電子機器510が、送電装置10を有する充電器500に上に置かれておらず、取り去り状態になっている。この場合にはスタンバイステートとなる。このスタンバイステートでは、送電側はウェイティング状態となり、受電側は電力供給動作オンの状態となる。なお、取り去り状態でも、処理装置100からのコマンド(オフコマンド)が入力された場合は、電力供給動作がオフになる。取り去り状態での電力供給動作の詳細は後述する。
具体的にはスタンバイステートでは、送電装置10の送電部12は、着地検出のための間欠送電を行う。即ち、送電部12は、通常送電のような連続送電は行わずに、所与の期間毎に間欠的に電力を送電する間欠送電を行って、電子機器510の着地を検出する状態になる。またスタンバイモードでは、受電装置40では、処理装置100への電力供給動作がオンになっており、処理装置100への電力供給がイネーブルになっている。即ち、受電装置40の給電部71は、バッテリー90からの電力を処理装置100に放電する動作を行う。これにより、処理装置100は、バッテリー90からの電力が供給されて動作可能になる。
図3のA2に示すように、電子機器510が充電器500に上に置かれ、着地が検出されると、通信チェック&充電ステートになる。通信チェック&充電ステートでは、送電装置10の送電部12は、連続送電である通常送電を行う。この際に、電力伝送の状態などに応じて電力が可変に変化する電力制御を行いながら、通常送電を行う。またバッテリー90の充電状態に基づく制御も行われる。電力伝送の状態は、例えば1次コイルL1、2次コイルL2の位置関係(コイル間距離等)などにより決まる状態であり、例えば受電部61の出力電圧である整流電圧VCCなどの情報に基づいて判断できる。バッテリー90の充電状態は、例えばバッテリー電圧VBATなどの情報に基づいて判断できる。
また通信チェック&充電ステートでは、受電装置40の充電部65の充電動作がオンになり、受電部61が受電した電力に基づいてバッテリー90の充電が行われる。また通信チェック&充電ステートでは、処理装置100との間の通信や、負荷変調部64の負荷変調による通信データの送電側への送信が行われる。例えば電力伝送状態情報(VCC等)や、充電状態情報(VBATや各種のステータスフラグ等)や、温度などの情報、処理装置100から書き込まれた情報を含む通信データが、通常送電期間中の常時の負荷変調により、受電側から送電側に送信される。なお、給電部71の電力供給動作は、通信チェック&充電ステート開始時はオンの状態を継続し、処理装置100との通信終了時、或いは満充電検出時にオフになる。電力供給動作の詳細については後述する。
図3のA3に示すように、バッテリー90の満充電が検出されると、満充電スタンバイステートになる。満充電スタンバイステートでは、送電側はウェイティング状態となり、受電側は、電力供給動作オフの状態を継続する。
具体的には、送電部12は、例えば取り去り検出のための間欠送電を行う。即ち、送電部12は、通常送電のような連続送電は行わずに、所与の期間毎に間欠的に電力を送電する間欠送電を行って、電子機器510の取り去りを検出する状態になる。また給電部71の電力供給動作はオフのままとなる。
図3のA4に示すように電子機器510の取り去りが検出されると、A5に示すように電子機器510が使用状態になり、受電側の電力供給動作がオンになる。
具体的には、給電部71の電力供給動作がオフからオンに切り替わり、バッテリー90からの電力が給電部71を介して処理装置100に供給される。これにより、バッテリー90からの電力が供給されて、処理部等の処理装置100が動作し、ユーザーが電子機器510を通常に使用できる状態となる。
なお、着地検出や取り去り検出は、受電部61の出力電圧(例えば整流電圧VCC)に基づいて行われる。このように本実施形態では、電子機器510のバッテリー90の充電期間(通常送電期間)の一部(例えば処理装置100との通信終了後)で、処理装置100への電力供給動作がオフになる。これにより、充電期間において処理装置100により無駄に電力が消費されてしまう事態を抑制できる。
そして、電子機器510の取り去りが検出されると、通常送電から間欠送電に切り替わると共に、処理装置100への電力供給動作がオンになる。このように電力供給動作がオンになることで、バッテリー90からの電力が処理装置100に供給されるようになり、DSP等の処理装置100の通常動作が可能になる。このようにすることで、例えば電子機器510が充電器500の上に置かれる充電期間においては動作しないようなタイプの電子機器510(例えば、補聴器等のユーザーが装着する電子機器)において、好適な無接点電力伝送の動作シーケンスを実現できる。即ち、このようなタイプの電子機器510では、充電期間(通常送電期間)の少なくとも一部期間において、バッテリー90からの電力の電力供給動作がオフになることで、省電力化を実現できる。そして、取り去りが検出されると、自動的に電力供給動作がオンになることで、電子機器510の処理装置100である各種のデバイスに対して、バッテリー90からの電力が供給され、当該デバイスが動作できるようになり、電子機器510の通常の動作モードに自動的に移行できるようになる。
4.処理装置と受電側の制御装置との間の通信手法
次に受電側の制御装置50と、処理装置100との間の通信について説明する。
4.1 タイミング、通信プロトコル
受電側の制御装置50と処理装置100との間の通信、或いは負荷変調によるコイル間通信を介した送電側の制御装置20と処理装置100との間の通信が必要となるケースは幾つか考えられる。
例えば、電子機器510が充電器500から取り去られて使用されている場合、処理装置100は電子機器510の使用状況に関する情報を収集可能である。処理装置100は、例えばバッテリー電圧VBATの時系列的な変化の情報を取得する。或いは処理装置100は、電子機器510の各部の機能の使用タイミング、使用頻度等の情報を取得してもよい。例えば処理装置100は、近距離無線通信による通信が可能な場合に、当該通信の使用状況に関する情報を取得する。
電子機器510が、補聴器等の小型軽量の機器である場合、処理装置100が不揮発性メモリーを有していない、或いは不揮発性メモリーを有するが記憶容量に余裕がないことが想定される。そのため、放電中に処理装置100が取得した情報は、受電側の制御装置50に送信しておくことが望ましい。受電側の制御装置50では、処理装置100からの情報を負荷変調を用いて送電側に送信できるため、放電中に収集した情報を適切に利用することが可能になる。
また、電子機器510の充電を行うことで、制御装置50において当該充電の状態を表す情報を取得可能である。特に、充電が終了し放電へと移行する際には、充電が正常に終了したか否か、当該充電によってバッテリー電圧VBATがどの程度まで上昇したか、といった情報が取得される。充電に関する情報は、負荷変調によって送電側に送信され、送電装置10の表示部等によりユーザーに提示されてもよいが、受電側の電子機器510においてユーザーに提示されてもよい。例えば、電子機器510が補聴器である場合、充電に関する情報を音声等を用いてユーザーに通知する。この際には、制御装置50から処理装置100に対して、情報の送信を行うことになる。
図4は、本実施形態の無接点電力伝送システムの動作シーケンス(特に電力供給動作)を説明するための信号波形図である。1次コイル駆動電圧については、図3を用いて上述したシーケンスと同様である。1次側(送電側)では、間欠送電による着地検出が行われ(B1)、着地が検出されると、認証処理を行い(B2)、その後、通常送電に切り替わりバッテリー90が充電される(B3)。そして満充電フラグがHになる(或いはエラーが検出される)と、間欠送電に切り替わって取り去り検出が行なわれ(B4)、取り去りが検出された場合に、間欠送電による着地検出が行われる(B5)。
図4のB3の期間に、制御装置50(インターフェース部74)は、処理装置100からの情報を受信する(B6)。B6の期間では、処理装置100を動作させる必要があるため、制御装置50(給電部71)は、少なくとも処理装置100との通信が完了するまでの期間において、処理装置100への電力供給動作を継続する。また、制御装置50は、負荷変調を用いて送電側との通信が可能であるため、処理装置100から受信した情報を送電側に送信する。
なお、充電系回路60と放電系回路70を分けない従来手法であれば、処理装置100の電源は常にオンのままとなる。また、充電系回路60と放電系回路70を分け、且つ、処理装置100と制御装置50との通信を考慮しない手法であれば、処理装置100の電源は着地中(図4のB2,B3,B4)は常にオフになる。その点、本実施形態では、着地検出後であっても、処理装置100の電源オンを継続するため、処理装置100との通信が可能である。さらに、通信が完了すれば処理装置100の電源をオフにできるため、消費電力の低減も可能である。
また、図4のB5の期間(より正確には取り去りを検出してから所定時間が経過した後の期間)に、制御装置50(インターフェース部74)は、充電に関する情報を処理装置100に送信する(B7)。
以上のように、制御装置50と処理装置100との通信は、バッテリー90が充電中か、放電中かに応じて異なる。例えば、負荷変調を用いた送電側との通信は、充電中は実行可能であるが、放電中は実行できない。適切な通信制御の実現のためには、処理装置100は、バッテリー90が充電中であるか、放電中であるかを知らなくてはならない。
本実施形態に係る制御装置50は、送電装置10からの電力を受電する受電装置40の制御装置であって、図2のように送電装置10からの電力を受電する受電部61と、受電部61が受電した電力に基づいて、充電対象(バッテリー90)の充電を行う充電部65と、処理装置100への給電を行う給電部71と、処理装置100との通信を行うインターフェース部74と、を含む。そしてインターフェース部74は、充電対象の充電中と放電中とで、異なる出力態様の信号を処理装置100に出力する。
このようにすれば、制御装置50(インターフェース部74)は、信号の出力態様の違いにより、処理装置100に対してバッテリー90が充電中であるのか、放電中であるのかを通知できる。即ち、処理装置100との間で、状況に応じた適切な通信を行う制御装置50を実現できる。具体的な出力態様については後述する。
また、図2を用いて上述したように、本実施形態の制御装置50は、充電系回路60と放電系回路70を含んでもよい。従来、広く用いられている回路装置では、充電系と放電系を明確に区別していない。そのため従来手法では、バッテリー90の充電中に用いられる処理装置100との通信プロトコルと、放電中に用いられる通信プロトコルを分けることを考えていない。
これに対して、充電系回路60と放電系回路70を分け、それぞれ異なる電源で動作させる場合、バッテリー90の放電中に充電系回路60を停止するといった細かい制御が可能になる。このようにすれば、必要性の低い回路の動作を停止し、消費電力を低減することが可能になる。放電中は、送電側からの電力供給がなく、バッテリー90の電力により制御装置50(電子機器510)が動作する必要があることを考慮すれば、放電系回路70の構成を簡略化することで、消費電力の低減効果を高くできる。例えば、放電系制御部73の性能(回路規模や複雑さ)を、充電系制御部63に比べて低く抑えることで、消費電力を低減する。ただしこの例では、放電中に複雑な通信制御ができず、放電中の通信プロトコルを、充電中の通信プロトコルに比べてシンプルにする必要がある。
以上の点を考慮し、本実施形態に係る制御装置50のインターフェース部74は、充電対象の充電中は、インターフェース部74と処理装置100とを接続する信号線を介して、第1の通信プロトコルで処理装置100と通信を行い、充電対象の放電中は、上記信号線を介して、第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルで処理装置100と通信を行う。なお、ここでの信号線は、後述する第1の実施形態のように複数本の信号線であってもよいし、後述する第2の実施形態のように1本の信号線であってもよい。
このようにすれば、バッテリー90の充電/放電に応じた制御装置50の動作(各回路ブロックのオンオフ)に合わせて、適切な通信プロトコルで処理装置100との通信を行うことが可能になる。
放電中に制御装置50が処理装置100に送信すべき情報は、後述する充電状態情報やバッテリー残量情報といった情報に限定しても問題ない。また、放電中に制御装置50が処理装置100から受信すべきコマンドも、オフコマンド(停止コマンド)等の限られたものしか想定されない。このように、充電中と放電中とで通信プロトコルを変える本実施形態の構成は、送受信が想定される情報(コマンド)という観点からしても、妥当性の高い構成と言える。
具体的には、制御装置50は、バッテリー90の充電中に、受電部61が受電した電力に基づき動作する第1の制御部(充電系制御部63)と、放電中に、充電対象(バッテリー90)からの電力に基づき動作する第2の制御部(放電系制御部73)と、を含む。そして、第1の制御部は、充電中において第1の通信プロトコルの通信制御を行い、第2の制御部は、放電中において第2の通信プロトコルの通信制御を行う。
このようにすれば、送電側からの電力を受電できる充電中は、放電系制御部73に比べて性能の高い充電系制御部63を用いることで複雑な通信制御を行い、バッテリー90の電力を消費する放電中は、充電系制御部63に比べて消費電力の小さい放電系制御部73を用いることで消費電力を低減できる。即ち、通信制御を行う制御部(ロジック回路)を切り替えることで、状況に応じた適切な通信の実行が可能になる。
なお、「充電対象の充電中と放電中とで、異なる出力態様の信号を処理装置100に出力する」というインターフェース部74の動作は、通信プロトコルの切り替えにより実現することが可能である。即ち、インターフェース部74は、バッテリー90の充電中は第1の通信プロトコルに従うことで第1の態様の信号を処理装置100に出力し、放電中は第2の通信プロトコルに従うことで第2の態様の信号(信号無しを含む)を処理装置100に出力する。このようにすれば、制御装置50(インターフェース部74)は、通信プロトコルに従った通信を行うことで、自然と処理装置100に対してバッテリー90の充電/放電の状態を通知することが可能になる。
4.2 第1の実施形態
図5、図6は、第1の実施形態における制御装置50と処理装置100との通信を説明する図である。図5はバッテリー90が充電中の図であり、図6はバッテリー90が放電中の図である。なお、図5、図6では制御装置50の構成を簡略化している。制御装置50の構成を簡略化する点は、後述する図9、図12でも同様である。
図5、図6に示すように、本実施形態のインターフェース部74は、I2Cによる通信を行うインターフェースI2C_VBと、1つの端子及び信号線からなるインターフェースXCEB_IFを有する。そして制御装置50は、バッテリー90の充電中は、I2C_VBにより処理装置100との通信を行い、放電中はXCEB_IFにより処理装置100との通信を行う。
具体的には、充電中は、充電系制御部63が第1の通信プロトコル(I2C)に従ってインターフェースI2C_VBを制御することで、処理装置100との通信を行う。放電中は、放電系制御部73が第2の通信プロトコル(図8を用いて後述)に従ってインターフェースXCEB_IFを制御することで、処理装置100との通信を行う。図6に示したように、放電中は、消費電力の小さい放電系制御部73を用いるとともに、充電系制御部63を含む充電系回路60の動作を停止することで、消費電力を低減できる。
I2Cによる通信は、以下のような手順で実行される。
(1)スタートコンディション
(2)マスターからスレーブアドレス及びリードライト(RW)要求のデータを送信
(3)アドレスで指定されたスレーブ側機器から応答(Ack)を返送
(4)RWの設定に従って、マスター/スレーブの一方から他方へデータ送信
(5)データの受信側から送信側へAckを返送
(6)ストップコンディションとなるまで(4)及び(5)を繰り返す。
本実施形態では、処理装置100がマスター側機器となり、スレーブアドレスにより制御装置50を指定して、上記(2)のデータ送信を行う。これに対して、バッテリー90の充電中であれば、図5のように充電系制御部63によるI2C_VBの制御が可能であるため、インターフェース部74(I2C_VB)は、上記(3)のAckを返送する。一方、バッテリー90の放電中は、図6のようにI2Cのプロトコルによる通信制御が行われないため、インターフェース部74(XCEB_IF)はAckを返送しない。
本実施形態のインターフェース部74は、上記Ackの有無により、充電対象の充電中と放電中とで、異なる出力態様の信号を処理装置100に出力する。具体的には、インターフェース部74は、充電中は、処理装置100からの信号に対する応答(Ack)を返し、放電中は、応答を返さない。
制御装置50は、充電中に受電部61が受電した電力に基づき動作する制御部(充電系制御部63)を含み、制御部(充電系制御部63)は、充電中において応答を返すようにインターフェース部74(I2C_VB)を制御する。即ち、Ackを返す第1の通信プロトコルの制御を、充電中に動作し且つ放電中に停止する充電系制御部63に行わせることで、Ackの有無をバッテリー90の充電/放電に合わせて切り替えることが可能になる。
図7は、本実施形態での処理装置100の通信制御を説明するフローチャートである。通信制御が開始されると、処理装置100は、I2Cによる仮書き込みを行う(ステップS101)。ここでの仮書き込みは、スレーブアドレスにより制御装置50を指定した上記(2)のデータ送信に相当する。処理装置100は、ステップS102の仮書き込みに対して、制御装置50からAckが返送されたか否かを判定する(ステップS102)。
Ackが返送された場合(ステップS102でYes)は、処理装置100はバッテリー90が充電中であると判断し、放電中に取得した情報を制御装置50に送信するモード(通信モード)に移行する(ステップS103)。具体的には、上記(4)に示したように、I2Cのプロトコルに従った書き込みを行う(ステップS104)。書き込みは、充電系制御部63に含まれるレジスター部68の所定領域(DSP_communication)に対して行う。
本実施形態では、処理装置100から制御装置50(DSP_communication)への情報書き込み、及び制御装置50から送電側(送電装置10,制御装置20)への情報転送を適切に行うために、情報DSP_sendを設ける。DSP_sendは、例えば充電系制御部63のレジスター部68に記憶される1ビットのフラグ情報である。DSP_sendは、処理装置100によるDSP_communicationへの情報書き込み時に‘0’になる。またDSP_sendは、処理装置100から受信した情報が、負荷変調を用いて送電側に送信されたら‘1’になる。
処理装置100は、ステップS104のデータ書き込み後、DSP_sendを参照する(ステップS105)。DSP_sendが0の場合(ステップS105でNo)、書き込んだデータの送信側への転送が完了していない。この状態で新たな書き込みをすると、過去のデータが送電側に転送される前に上書きされ、失われてしまう。よって、DSP_sendが0の場合、次のデータの書き込みを待機して、再度ステップS105に戻る。一方、DSP_sendが1の場合、次のデータを書き込み(ステップS106)、ステップS105に戻る。このようにすれば、レジスター部68の所定領域(DSP_communication)を超えるサイズのデータについても、適切に処理装置100から送電側に送信することが可能になる。
ここで、処理装置100は本来電子機器510の使用中、即ちバッテリー90の放電中に動作するものである。つまり、バッテリー90の充電中は、処理装置100は制御装置50との通信のために動作しているのであって、通信が終了した後は動作を継続する必要性が低い。よって給電部71は、図4に示したように、充電中における処理装置100との通信が終了した場合に、処理装置100への給電を停止する。
このようにすれば、充電中における処理装置100の消費電力を抑制でき、バッテリー90の充電を効率よく行うことが可能になる。また、本実施形態の制御装置50では、バッテリー電圧VBATが所定電圧CVに到達した後、当該電圧CVを維持するように、充電電流iBATを制御する充電(CV充電、Constant-Voltage充電)を行う。CV充電を継続することで、充電電流iBATは徐々に減少していくため、充電電流iBATが所定値以下となった場合に満充電と判定することが可能である。しかし充電中に処理装置100への電力供給動作を行うと、当該電力供給動作で電流が流れてしまい、充電電流iBATが下がらないことがあり得る。つまり満充電の判定を精度よく行うためにも、通信終了時には給電部71による処理装置100への電力供給動作を停止することが望ましい。
また、処理装置100は、ステップS101の仮書き込みに対してAckが返送されなかった場合(ステップS102でNo)は、バッテリー90が放電中と判定し、第2の通信プロトコルで通信を行うモードである放電モードに移行する(ステップS107)。
インターフェース部74は、第2の通信プロトコルでは、クロック数によって情報が特定されるクロック信号を出力する。放電中に処理装置100に出力される情報は、充電対象の電力情報(バッテリー残量情報)、及び充電状態情報の少なくとも一方を含む。
ここで、充電状態情報とは、過去の充電(狭義には直前の充電)がどのように終了したかを表す情報である。充電状態情報は、例えば充電が満充電で完了したか、充電途中で取り去りが行われたか、エラーで終了したか、のいずれかを特定可能な情報である。この例では、充電状態情報の送信には、インターフェース部74(XCEB_IF)は、3通りのクロック数のクロック信号を出力可能であればよい。
また、電力情報は、バッテリー90の電力残量を表す情報(以下、バッテリー残量情報)であり、例えば充電終了時のバッテリー電圧VBATが、所定値(狭義には満充電での値)に対して何%かを表す情報である。例えば、0%から100%の範囲を10分割するのであれば、バッテリー残量情報の送信には、インターフェース部74(XCEB_IF)は、10通りのクロック数のクロック信号を出力可能であればよい。
例えば、各クロック数と情報とを、以下のように対応づける。
クロック数2:満充電(充電状態情報)
クロック数3:充電途中(充電状態情報)
クロック数4:エラー(充電状態情報)
クロック数5:90〜100%(電力情報)
クロック数6:80〜90%(電力情報)
クロック数7:70〜80%(電力情報)
クロック数8:60〜70%(電力情報)
クロック数9:50〜60%(電力情報)
クロック数10:40〜50%(電力情報)
クロック数11:30〜40%(電力情報)
クロック数12:20〜30%(電力情報)
クロック数13:10〜20%(電力情報)
クロック数14:0〜10%(電力情報)
クロック数15:過放電(電力情報)
制御装置50及び処理装置100では、上記対応づけに関する情報を予め保持しておく。インターフェース部74は、充電中に取得した充電状態情報に応じて、クロック数が2〜4のいずれかとなるクロック信号を送信する。処理装置100は、クロック信号のクロック数をカウントし、充電状態情報が、満充電、充電途中、エラーのいずれであるかを判定する。同様に、インターフェース部74は、バッテリー残量情報に応じて、クロック数が5〜15のいずれかとなるクロック信号を送信する。処理装置100は、クロック信号のクロック数をカウントし、バッテリー残量が何%か、或いは過放電状態であるかを判定する。
図8は、バッテリー90の放電中に行われる通信を説明する信号波形図である。図8の例では、インターフェース部74は、所定の長さの期間(例えば12秒)を1単位として情報の送信を行う。例えば、インターフェース部74は、C1に示した12秒の期間で充電状態情報を送信し、C1の次の12秒の期間であるC2でバッテリー残量情報を送信する。
図8の例では、ノイズによる通信エラーの可能性を考慮し、12秒の期間において、充電状態情報或いはバッテリー残量情報を表す信号を4回繰り返して送信する。C1の例であれば、インターフェース部74は、連続するクロック数が2であるクロック信号を4回、合計8クロック分のクロック信号を送信することで、充電状態情報として「満充電」を表す情報を送信する。同様にC2では、連続するクロック数が5であるクロック信号を4回、合計20クロック分のクロック信号を送信することで、バッテリー残量情報として「90〜100%」を表す情報を送信する。
処理装置100では、信号線から入力されるクロック信号のカウント処理を行い、所定期間内に検出されたクロック数に基づいて、制御装置50からの情報を判定する。
このようにすれば、クロック数を可変にする容易な制御により、制御装置50から処理装置100に対して情報を送信することが可能になる。I2Cのように2つの端子と2本の信号線(SCL及びSDA)を用いる手法と比較した場合、端子及び信号線の数を削減できる。また、通信シーケンスもI2C等に比べて単純であるため、通信制御を行う制御部(ロジック回路)も簡略化できる。即ち、充電系制御部63に比べて性能が低い放電系制御部73に適した通信を実現できる。
なお、充電状態情報は、充電を行う充電系回路60(狭義には充電系制御部63)で取得される情報である。そのため、充電状態情報を充電系回路60で保持しているだけでは、図6のように充電系回路60の動作が停止してしまった場合に、放電系回路70(放電系制御部73)から充電状態情報を読み出すことができなくなってしまう。充電状態情報は、放電中に処理装置100に対して送信することが想定されるため、放電系回路70(放電系制御部73)が充電状態情報を参照可能にしておく必要がある。
よって、制御装置50(特に放電系回路70)は、充電対象からの電力に基づき動作し、充電状態情報を保持する記憶部75(例えばラッチ回路)を含み、インターフェース部74は、記憶部75に記憶された充電状態情報を、放電中に処理装置100に出力するとよい。充電系回路60(充電系制御部63)は、充電中に、充電状態情報を記憶部75に記憶しておく。記憶部75への充電状態情報の書き込みは例えば所定時間ごとに行う。このようにすれば、記憶部75には、図5の状態から図6の状態に切り替わる直前の充電状態情報、即ち、充電終了時の充電状態情報が記憶される。よって、インターフェース部74は記憶部75を参照することで、充電状態情報を取得、送信できる。
一方、過放電によるバッテリー90の破損等を考慮すれば、バッテリー電圧の減少中、即ちバッテリー90の放電中にも、検出部によるバッテリー電圧VBATの監視が行われていると考えられる。言い換えれば、バッテリー残量情報は、放電中にも更新される。よってインターフェース部74は、バッテリー残量情報の処理装置100への出力を、C2以降の期間で継続してもよい。例えば、インターフェース部74は、C2以降も、所定時間(12秒)間隔でバッテリー残量情報を表すクロック信号を、処理装置100に対して送信する。
また、情報の送受信を行う所定期間の長さ(12秒)に比べて、クロック信号の周期は充分短い(周波数は十分高い)と考えられる。そのため、図8のC11に示した充電情報の4回の送受信や、C21に示したバッテリー残量情報の4回の送受信は、C1やC2(12秒)のうちの比較的短い期間(例えば数秒)で終了する。
そのため、C1のうちのC11以外の期間(C12)や、C2のうちのC21以外の期間(C22)は、充分な長さであり、且つ、インターフェース部74から処理装置100への情報送信も終了し、信号線が空いている状態である。
よってインターフェース部74は、第2の通信プロトコルでは、情報出力期間において情報を処理装置100に送信し、コマンド入力期間において処理装置からのコマンド情報を受信する。
ここで、情報出力期間とは、インターフェース部74から処理装置100に対して充電状態情報やバッテリー残量情報を表すクロック信号を出力する期間であり、C11やC21に対応する。コマンド入力期間とは、第2の通信プロトコルの情報送信を行う単位期間(C1やC2)のうち、情報出力期間以外の期間であり、C12やC22に対応する。
コマンド入力期間での通信手法は種々考えられる。例えば、処理装置100はコマンド入力期間に所定クロック数のクロック信号を出力することで、コマンドを制御装置50に送信する。制御装置50側で考えた場合、インターフェース部74(XCEB_IF)は、情報出力期間での情報(クロック信号)の出力後、処理装置100からのコマンド(クロック信号)の入力待ち状態に移行する。そして、コマンド入力期間内に所定のクロック信号が入力された場合は、コマンドが入力されたと判定し、当該コマンドに従った動作を実行する。一方、コマンド入力期間内に所定のクロック信号が入力されなかった場合は、コマンドが非入力であったと判定し、コマンドに対応する動作をスキップする。コマンド入力期間の終了後は、インターフェース部74は、次の期間での情報出力期間を開始し、所定クロック数のクロック信号を出力する。なお、図8では情報出力期間の後にコマンド入力期間が設けられる例を示したが、順序を入れ替える等の変形実施が可能である。
ここでのコマンドは、例えば処理装置100(電子機器510)の動作を停止する停止コマンドである。停止コマンドが入力されると、制御装置50(放電系制御部73)は、給電部71による処理装置100への電力供給動作を停止する。このようにすれば、処理装置100での判断をトリガーとして、処理装置100の動作を停止することが可能になる。
また、処理装置100は複数のコマンドを入力可能であってもよい。その場合、処理装置100は、コマンド入力期間において、コマンドに応じてクロック数が決定されるクロック信号を出力し、制御装置50は、受信したクロック信号のクロック数に基づいてコマンドを判定し、当該コマンドに応じた制御を実行する。
4.3 第2の実施形態
第1の実施形態では、充電中の通信プロトコルとしてI2Cを用いた。I2Cでは、クロック信号とデータ信号のそれぞれに端子(信号線)が必要となるため、端子数が多くなってしまう。
図9は、第2の実施形態における制御装置50と処理装置100との通信を説明する図である。図9はバッテリー90が充電中の図である。図9では、インターフェース部74(XCEB_IF)は、1つの端子及び1本の信号線を用いて、充電中の通信を行う。このようにすれば、図5に比べて端子数を削減し、制御装置50や電子機器510の構成を簡略化することが可能になる。
充電中は充電系制御部63が動作しているため、図8の通信プロトコル(第2の通信プロトコル)に比べて複雑な通信制御が可能である。例えば本実施形態のインターフェース部74は、バッテリー90の充電中に、I2Cに準じた通信プロトコル(疑似I2C)を用いて処理装置100との通信を行ってもよい。
図10は、本実施形態の第1の通信プロトコルを説明する波形図であり、図11は第1の通信プロトコルでの制御装置50(インターフェース部74)と処理装置100の動作を説明する図である。
I2Cでは、クロック信号(SCL)によりマスター側機器とスレーブ側機器を同期させ、データ信号(SDA)の送受信はクロック信号に基づいてタイミングが制御される。本実施形態では、信号線が1本であるため、クロック信号の送受信とデータ信号の送受信で信号線を分けることができない。よってインターフェース部74(XCEB_IF)は、まず処理装置100との同期用のクロック信号であるダミーSCLKを生成し(ステップS201)、生成したダミーSCLKを信号線を介して処理装置100に出力する(ステップS202)。ここでのダミーSCLKは所定クロック数(例えば32クロックや64クロック)の信号である。ステップS202で出力される信号が図10のD1に相当する。
処理装置100は、ステップS202で出力されたダミーSCLKを受信し(ステップS203)、受信した信号と同じ位相、周期の信号を生成し(ステップS204)、処理装置100内部で保持する。ステップS204の処理では、処理装置100は、ダミーSCLKのタイミング測定を行う。より具体的には、所与の周波数のカウント用クロック信号を用いて、SCLKの1周期(例えば立ち上がりから次の立ち上がりまで)の間のカウント用クロック信号のクロック数をカウントする。処理装置100は、立ち上がりの検出タイミングによりダミーSCLKの位相を判定し、クロック数のカウント結果によりダミーSCLKの周波数(周期)を判定する。
制御装置50は、ステップS201で生成したダミーSCLKを継続し、処理装置100は、ステップS204で生成したダミーSCLKを継続する(図10のD2)。このようにすれば、制御装置50と処理装置100とを擬似的に同期させることが可能になる。
よって、これ以降はそれぞれが保持するダミーSCLKを基準として、I2Cと同様の通信を行えばよい。具体的には、処理装置100は、スタートコンディションを設定し(D21)、スレーブアドレス(D22)及びRW(D23)を含むデータを送信する(ステップS205)。インターフェース部74は、処理装置100からの信号を受信し(ステップS206)、応答(Ack、D24)を返信する(ステップS207)。これ以降は一般的なI2Cと同様であり、通信を終了するまでの間、データ信号の送受信(D25)、及びAckの送受信(D26)を繰り返す。また、第1の実施形態と同様に、フラグ情報(DSP_send)を用いた制御を行ってもよい。
なお、I2Cでは、クロック信号がHレベル、且つ、データ信号がHレベルからLレベルへの切り替えがあったことをスタートコンディションとする。また、ストップコンディションとの識別を行うため、データ信号のレベルの切り替えは、クロック信号がLレベルの時に限定される。このようなタイミング制御には、カウント用クロック信号によるカウント結果を利用すればよい。
例えば、ダミーSCLKの1周期でのカウント結果が400クロックである場合、ステップS203で受信したダミーSCLKの立ち上がりタイミングから、カウント用クロック信号で400×Tクロック(Tは正の整数)経過したタイミングが、ダミーSCLKの立ち上がりタイミングと推定される。また、ダミーSCLKは、400×T〜400×T+200クロックの期間がHレベル、400×T+200〜400×T+400クロックの期間がLレベルと推定される。よって、ダミーSCLKがHレベルであることが要求されるスタートコンディションの設定は、Hレベルと推定される期間(例えば400×T+100クロックのタイミング)で行い、データ信号のレベル切り替えは、Lレベルと推定される期間(例えば400×T+300クロックのタイミング)で行う。このようにすれば、制御装置50からのダミーSCLKの受信が終了した後の期間についても、当該ダミーSCLKに擬似的に同期したデータ信号の送受信が可能になる。
以上のように、本実施形態ではインターフェース部74は、充電中は、処理装置100との同期用のクロック信号(ダミーSCLK)を出力する。また、充電中は、同期用のクロック信号に応じたタイミングで、インターフェース部74と処理装置100との間でデータ信号が転送される。言い換えれば、第1の通信プロトコルでは、第1の期間(D1)で信号線を介してクロック信号が転送され、第2の期間(D2)では信号線を介してデータ信号が転送される。このようにすれば、端子や信号線の数を抑えつつ、I2Cと同様の通信プロトコルによる通信を行うことが可能になる。なお、ここでの転送とは、送信と受信のいずれか一方であってもよいし、両方を含んでもよい。よって第2の期間でのデータ信号は、インターフェース部74から処理装置100へ出力されてもよいし、処理装置100からインターフェース部74へ出力されてもよい。
またインターフェース部74は、放電中は、情報の内容に応じてクロック数が異なるクロック信号を出力することで、処理装置100に情報を出力する。即ち、放電中については第1の実施形態と同様の通信プロトコルを利用すればよい。
本実施形態では、充電中の通信は制御装置50からのダミーSCLKの送信により開始される。そのため、処理装置100は、バッテリー90が充電中か放電中かの判定に、I2C仮書き込みに対するAckの有無を用いることはできない。
ただし、図8のC1(特にC11)と、図10のD1を比較すればわかるように、制御装置50(インターフェース部74)は充電中と放電中のいずれにおいても、まず処理装置100に対してクロック信号を出力するところ、当該クロック信号の態様は充電中か放電中かで異なる。よって本実施形態のインターフェース部74は、処理装置100にクロック信号を出力し、充電中と放電中とで、クロック信号の出力態様を変える。
このようにすれば、クロック信号の態様によって、処理装置100に対してバッテリー90が充電中か放電中かを通知できるため、状態に応じた適切な通信が可能になる。図10の例であれば、制御装置50は、充電中は擬似的に同期をとれる程度の長さを有するダミーSCLKを送信する。そのため、処理装置100が受信するクロック信号のクロック数が比較的多い(例えば32クロック)。それに対して、制御装置50は、放電中は充電状態情報を送信するため、2〜4クロックを4回送信すればよく、処理装置100が受信するクロック信号のクロック数は比較的少ない(この例では最大でも16クロック)。よって処理装置100は、16と32の間の値である所与の閾値(例えば20や30)を設定し、処理装置100からのクロック信号のクロック数に基づいて、充電中か放電中かを判定する。
処理装置100は、クロック数>閾値であればバッテリー90が充電中と判定し、図11に示した充電中の通信を行う。なおこの場合、インターフェース部74からのクロック信号の受信(ステップS203)、及びクロック数のカウント処理(上記カウント用クロック信号によるカウント、即ちダミーSCLKの内部的な生成、ステップS204)が既に行われていることになるため、処理装置100ではデータ信号の送信(ステップS205)を開始すればよい。一方、処理装置100は、クロック数≦閾値であればバッテリー90が放電中と判定し、第1の実施形態と同様に図8に示した通信を行う。即ち、処理装置100は、既に受信したクロック信号に基づく充電状態情報の取得後、コマンドの出力やバッテリー残量情報の受信等を行う。
4.4 変形例
以下、幾つかの変形例を説明する。
4.4.1 第2の通信プロトコル
放電中の第2の通信プロトコルとして、情報に応じてクロック信号のクロック数を可変にする手法を説明した。ただし制御装置50(インターフェース部74)では、情報に応じてクロック信号の信号態様を変更する。即ち、クロック数の変更は、クロック信号の態様の一例であり、他の信号態様を変更することで、制御装置50から処理装置100への情報送信を行ってもよい。
ここでの信号態様の具体例は種々考えられる。例えば、インターフェース部74は、情報に応じて周期(周波数)の異なるクロック信号を処理装置100に送信してもよい。この例では、制御装置50及び処理装置100は、情報の内容と周期(周波数)の対応関係を予め保持しておき、処理装置100は、受信したクロック信号の周期に基づいて、情報を判別する。
或いは、クロック信号がLレベル(Hレベル)となる期間の長さと情報が対応付けられてもよいし、Lレベルの期間の長さとHレベルの長さの期間の比が情報と対応付けられてもよい。また、所与の期間の中での信号パターン(LレベルとHレベルの時系列的な変化パターン)が情報と対応付けられてもよく、第2の通信プロトコルは種々の変形実施が可能である。
4.4.2 処理装置による動作プログラム(回路定数)の書き込み
制御装置50(狭義には充電系制御部63のレジスター部68)には、動作プログラムが記憶される。ここでの動作プログラムとは、例えば充電制御に用いるパラメーター(回路定数)等を含む。そして充電系制御部63は、記憶された動作プログラムを用いて、充電制御を実行する。
この動作プログラムの書き込みは、インターフェース部67を介して行われる。例えば、電子機器510の製造時に、当該電子機器に組み込まれるバッテリー90の特性等を考慮したパラメーターを、外部機器からインターフェース部67を介してレジスター部68の所定領域に書き込む。
しかし、電子機器510の出荷後に動作プログラムが破損した場合等、動作プログラムのリカバリー(再書き込み)が必要となる。本実施形態では、処理装置100から制御装置50に対する情報の送信が可能であるため、処理装置100を用いて動作プログラムのリカバリーを行ってもよい。
図12は、本変形例での通信を説明する図である。充電系制御部63はレジスター部68を有し、当該レジスター部68の所与の記憶領域(FLASH_register)に動作プログラムが記憶される。そしてFLASH_registerは、充電系回路60のインターフェース部67と、放電系回路70のインターフェース部74のいずれからもアクセスが可能に構成される。よって、制御装置50(充電系制御部63)では、FLASH_registerが2つのインターフェース部から同時にアクセスされないように、適切な制御を行う必要がある。
本変形例の制御装置50は、受電部61が受電した電力に基づき動作する、回路定数設定用のインターフェース部67(第2のインターフェース部)と、インターフェース部74と第2のインターフェース部のいずれかを選択するための選択端子TSELと、を含む。
そして充電系制御部63は、選択端子TSELから入力される選択信号(I2CSEL)の信号レベルに応じて、いずれのインターフェース部を用いるかを選択する。例えば充電系制御部63は、選択信号が第1の論理レベル「1」(例えばHレベル)の場合には、回路定数設定用のインターフェース部67を選択し、選択信号が第2の論理レベル「0」(例えばLレベル)の場合には、インターフェース部74を選択する。
また、給電部71は、インターフェース部74が選択された場合は、処理装置100への給電を行い、回路定数設定用のインターフェース部67(第2のインターフェース部)が選択された場合は、処理装置100への給電を行わない。このようにすれば、インターフェース部74によるリカバリーの際に適切に処理装置100を動作させることができる。また、回路定数設定用のインターフェース部67を用いる際には、処理装置100の動作を停止できるため、FLASH_registerに対する不適切なアクセスの抑止や消費電力の低減が可能になる。
なお、以上では処理装置100による動作プログラムの書き込みの用途が、リカバリーである例について説明した。しかし、回路定数設定用のインターフェース部67を省略し、回路定数の初期設定時にも、処理装置100及びインターフェース部74によりFLASH_registerに対して動作プログラムの書き込みを行う変形実施が可能である。
4.4.3 スイッチ部
また本実施形態では、取り去り検出による電力供給動作の開始後、操作部(スイッチ部514)の操作に基づいて電源供給動作が停止されてもよい。例えばスイッチ部514は、制御装置50の所与の端子と低電位側基準電位(GND)との間に設けられ、操作された場合に端子とGNDを通電させるスイッチである。スイッチ部514の操作により、端子の信号の信号レベルがLレベルに低下するため、放電系制御部73は、当該信号を監視することでスイッチ部514の操作の検出、及び電力供給動作の停止を行う。このようにすれば、バッテリー90の放電開始後、且つ充電器500への着地前の状態であっても、ユーザー操作に基づいて電力供給動作を停止することが可能になる。
そして、このスイッチ部514は、バッテリー90の放電中に用いられるインターフェース部74(XCEB_IF)に接続される端子と、GNDの間に設けられてもよい。即ち、スイッチ部514による電源オフ用の信号線と、放電中の処理装置100との通信用の信号線を共通にする。言い換えれば、電源オフ用のインターフェースと、通信用インターフェースを、インターフェース部74(XCEB_IF)に統一する。このようにすれば、制御装置50の端子数や、信号線の数を削減することが可能になる。
ただしスイッチ部514が設けられることで、信号線に対するノイズの混入の可能性が高くなり、通信品質が低下するおそれがある。
よって、スイッチ部514による電源オフ用の信号線(インターフェース)と、放電中の処理装置100との通信用の信号線(インターフェース)を分けてもよい。このようにすれば、ノイズによる影響を抑制し、高品質の通信を行うことが可能になる。
5.負荷変調による通信手法
図13は、負荷変調による通信手法を説明する図である。図13に示すように、送電側では、送電ドライバーDR1、DR2が、電源電圧制御部14から供給された電源電圧VDRVに基づいて動作して、1次コイルL1を駆動する。受電側(2次側)では、2次コイルL2のコイル端電圧を受電部61の整流回路62が整流し、ノードNVCに整流電圧VCCが出力される。なお、1次コイルL1とキャパシターCA1により送電側の共振回路が構成され、2次コイルL2とキャパシターCA2により受電側の共振回路が構成されている。
受電側では、負荷変調部64のスイッチ素子SWをオン・オフさせることで、電流源ISの電流ID2をノードNVCからGND側に間欠的に流して、受電側の負荷状態(受電側の電位)を変動させる。
送電側では、負荷変調による受電側の負荷状態の変動により、電源ラインに設けられたセンス抵抗RCSに流れる電流ID1が変動する。例えば送電側の電源(例えば図1の電源アダプター502等の電源装置)と電源電圧制御部14との間に、電源に流れる電流を検出するためのセンス抵抗RCSが設けられている。電源電圧制御部14は、このセンス抵抗RCSを介して電源から電源電圧が供給される。そして負荷変調による受電側の負荷状態の変動により、電源からセンス抵抗RCSに流れる電流ID1が変動し、通信部22が、この電流変動を検出する。そして通信部22は、検出結果に基づいて、負荷変調により送信される通信データの検出処理を行う。この通信部22は、電源から送電部12に流れる電流ID1を検出する電流検出回路と、電流検出回路による検出電圧と判定用電圧との比較判定を行う比較回路を含む。また通信部22は、比較回路の比較判定結果に基づいて負荷変調パターンを判断する復調部を含むことができる。
図2の充電系制御部63は、送電装置10の送電信号の送電周波数を測定し、通信データを送信するための制御信号を生成して、負荷変調部64に出力する。そして、この制御信号により、図13のスイッチ素子SWのオン・オフ制御を行って、通信データに対応する負荷変調を負荷変調部64に行わせる。
負荷変調部64は、例えば第1の負荷状態、第2の負荷状態というように、受電側の負荷状態(負荷変調による負荷)を変化させることで、負荷変調を行う。第1の負荷状態は、例えばスイッチ素子SWがオンになる状態であり、受電側の負荷状態(負荷変調の負荷)が高負荷(インピーダンス小)になる状態である。第2の負荷状態は、例えばスイッチ素子SWがオフになる状態であり、受電側の負荷状態(負荷変調の負荷)が低負荷(インピーダンス大)になる状態である。
例えば第1の負荷状態を、通信データの論理レベル「1」(第1の論理レベル)に対応させ、第2の負荷状態を、通信データの論理レベル「0」(第2の論理レベル)に対応させて、受電側から送電側への通信データの送信を行う。或いは、第1の負荷状態と第2の負荷状態を組み合わせたパターンを複数設定し、第1のパターンを論理レベル「1」に対応させ、第2のパターンを論理レベル「0」に対応させてもよい。
図14、図15に、本実施形態で用いられる通信データのフォーマットの例を示す。
図14では、通信データは64ビットで構成され、この64ビットで1つのパケットが構成される。1番目の16ビットは0000hとなっている。例えば受電側の負荷変調を検出して送電側が通常送電(或いは間欠送電)を開始する場合に、通信部22の電流検出回路等が動作して、通信データを適正に検出できるようになるまでに、ある程度の時間が必要になる。このため、一番目の16ビットには、ダミー(空)のデータである0000hを設定する。送電側は、この1番目の16ビットの0000hの通信期間において、例えばビット同期のために必要な種々の処理を行うことになる。
次の2番目の16ビットには、データコードと、整流電圧(VCC)の情報が設定される。データコードは、図15に示すように、次の3番目の16ビットで通信されるデータを特定するためのコードである。整流電圧(VCC)は、送電装置10の送電電力設定情報として用いられる。
3番目の16ビットには、データコードでの設定に従って、温度、バッテリー電圧、バッテリー電流、ステータスフラグ、サイクル回数、IC番号・充電実行・オフスタート、或いはIDなどの情報が設定される。温度は例えばバッテリー温度などである。バッテリー電圧、バッテリー電流は、バッテリー90の充電状態を表す情報である。ステータスフラグは、例えば温度エラー(高温異常、低温異常)、バッテリーエラー(1.0V以下のバッテリー電圧)、過電圧エラー、タイマーエラー、満充電(ノーマルエンド)などの受電側のステータスを表す情報である。サイクル回数(サイクルタイム)は充電回数を表す情報である。IC番号は、制御装置のICを特定するための番号である。充電実行のフラグ(CGO)は、認証した送電側が適正であり、送電側からの送電電力に基づいて充電を実行することを示すフラグである。オフスタートのフラグ(OFST)は、取り去り検出時に電力供給動作がオフに設定されることを知らせるフラグである。
また、3番目の16ビットには、本実施形態において、バッテリー90の充電中に処理装置100から書き込まれた情報(レジスター部68のDSP_communicationに書き込まれた情報)が設定される。これにより、処理装置100から制御装置50に送信された情報は、負荷変調を用いたコイル間通信により、送電側(制御装置20)に送信される。
4番目の16ビットにはCRCの情報が設定される。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また送電側、受電側の制御装置、送電装置、受電装置の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。