JP6921684B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

乗員保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6921684B2
JP6921684B2 JP2017161823A JP2017161823A JP6921684B2 JP 6921684 B2 JP6921684 B2 JP 6921684B2 JP 2017161823 A JP2017161823 A JP 2017161823A JP 2017161823 A JP2017161823 A JP 2017161823A JP 6921684 B2 JP6921684 B2 JP 6921684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
occupant
airbag
collision
seat
protection device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017161823A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019038370A (ja
Inventor
勇 長澤
勇 長澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2017161823A priority Critical patent/JP6921684B2/ja
Publication of JP2019038370A publication Critical patent/JP2019038370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6921684B2 publication Critical patent/JP6921684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、乗り物の衝突時に乗員を保護して傷害を抑制する乗員保護装置に関する。
自動車等の車両において、衝突時に乗員を拘束して傷害を抑制するため、シートベルトや各種エアバッグ等の乗員拘束装置を用いることが知られている。
例えば、ステアリングホイール、インストルメントパネル等から乗員の前方側へ展開する前面衝突エアバッグや、ステアリングコラム下部で展開する膝部保護エアバッグ(ニーバッグ)、シート側部から乗員側方へ展開する側面衝突エアバッグ、サイドドアガラスに沿って展開するカーテンエアバッグなどの各種エアバッグ装置が普及している。
また、衝突時にシートベルトを引き込んで拘束力を高めるシートベルトプリテンショナも広く用いられている。
このような乗員保護装置に関する従来技術として、例えば特許文献1には、車両のルーフ前端部から下方に展開するオーバーヘッドエアバッグにおいて、エアバッグから左右に展開されたウイング部を設け、乗員運動量を吸収することが記載されている。
また、特許文献2には、ルーフから下方へ展開するエアバッグを有するエアバッグ装置において、乗員の前進時に頸部が後方へ曲がることを防止するため、エアバッグ上端部がルーフの凹部から解放される構成が記載されている。
特開2005−335694号公報 特許第4582678号
車体に搭載された加速度センサ等によって衝突の衝撃を感知してからエアバッグの展開膨張等を開始する既存の乗員保護装置(乗員拘束装置)においては、例えば20msec以下の短時間で最大の拘束力を発揮するよう、短時間でエアバッグの展開膨張等を行う必要がある。
しかし、エアバッグの展開膨張等を急速かつ高速に行う場合、急激な拘束力の上昇は乗員への圧迫傷害を誘発することが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、乗員の傷害を抑制する乗員保護装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、乗員の大腿部及び臀部を保持する座面、及び、前記乗員の上体を保持するシートバックを有するシートに着座した乗員を保護する乗員保護装置であって、衝突の前兆を検出する衝突前兆検出装置と、前記衝突の前兆の検出に応じて前記大腿部を臀部側が下がる方向に傾斜させる大腿部傾斜手段と、前記衝突の前兆の検出に応じて前記上体を前傾方向に傾斜させる上体傾斜手段と、前記大腿部及び前記上体の前記傾斜後に、少なくとも一部が乗員の胸部と大腿部との間に挟まれた領域で展開する胸部保護エアバッグとを備えることを特徴とする乗員保護装置である。
これによれば、衝突の前兆に応じて乗員の上体を前傾させるとともに、大腿部を臀部側が下がる方向に傾斜させ、乗員の身体が腹部で屈曲した姿勢(衝突保護姿勢)をとらせることによって、衝突の衝撃により乗員がシートベルトによる拘束から脱落するサブマリン現象や、腹部が急激に屈曲するジャックナイフ現象の発生を防止することができる。
また、乗員の胸部と大腿部との間に挟まれた領域に胸部保護エアバッグを展開膨張させることによって、上述した衝突保護姿勢を確実に保持させるとともに衝突時に傷害を受けやすい胸部、腹部等を適切に保護することができる。
これら一連の動作を実際の衝突に先立って行うことにより、急激な拘束を行うことなく乗員が受ける傷害を効果的に抑制することができ、通常の乗員だけでなく小児や老人等の体力的に弱い乗員であっても適切に保護することができる。
請求項2に係る発明は、前記大腿部傾斜手段は、前記座面の後部を降下させることによって前記座面を傾斜させる座面傾斜装置を有し、前記上体傾斜手段は、前記シートバックを前傾方向に傾斜させるシートバック傾斜装置を有することを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置である。
これによれば、簡単な構成により確実に上述した効果を得ることができる。
請求項3に係る発明は、前記衝突の前兆の検出に応じて前記乗員の頭部を上方から押圧するよう展開する頭部拘束エアバッグを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置である。
これによれば、乗員の頭部を上方から押圧することによって、衝突に備えた姿勢を確実に維持することができる。
請求項4に係る発明は、前記衝突の前兆の検出又は衝突検出装置による衝突の検出に応じて前記乗員の前方で展開する前方拘束エアバッグを備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の乗員保護装置である。
これによれば、衝突の衝撃により乗員が車体に対して相対的に前進した際に、乗員を適切に拘束して傷害を抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、乗員の傷害を抑制する乗員保護装置を提供することができる。
本発明を適用した乗員保護装置の実施形態の構成を示すブロック図である。 実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、通常状態を示すものである。 実施形態の乗員保護装置の衝突時の動作を示すフローチャートである。 実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、座面の後傾及びシートバックの前傾が行われた状態を示すものである。 実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、第1エアバッグ及び第2エアバッグの展開膨張直後の状態を示す図である。 実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、第3エアバッグの展開膨張直後の状態を示す図である。
以下、本発明を適用した乗員保護装置の実施形態について説明する。
実施形態の乗員保護装置は、例えば、乗用車等の自動車の前席(運転席又は助手席)に着座した乗員を保護するものである。
図1は、実施形態の乗員保護装置の構成を示すブロック図である。
図2は、実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、通常状態(衝突又はその前兆が検出されない状態)を示すものである。
図2において、左側が車両前方側を示している。(図4乃至6において同じ)
図1に示すように、乗員保護装置は、ステレオカメラ装置10、環境認識ユニット20、乗員保護装置制御ユニット30、第1インフレータ41、第2インフレータ42、第3インフレータ43、シートバック傾斜装置50、座面傾斜装置60、シートベルトプリテンショナ70等を有する。
ステレオカメラ装置10は、カメラLH11、カメラRH12、ステレオ画像処理ユニット13等を有する。
ステレオカメラ装置10は、環境認識ユニット20と協働して、本発明にいう衝突前兆検出装置として機能する。
カメラLH11、カメラRH12は、レンズ群等の光学系や、CMOS等の固体撮像素子及びその駆動装置、画像処理エンジン、入出力インターフェイス等を有する撮像装置である。
カメラLH11、カメラRH12は、左右方向に離間した状態で、車両前方に向けて取り付けられている。
カメラLH11、カメラRH12は、例えば、ルーフ130の前端部から車室内に吊り下げられ、フロントガラス140越しに自車両前方の画像を撮像するようになっている。
カメラLH11、カメラRH12がそれぞれ撮像した画像に係るデータは、ステレオ画像処理ユニット13に逐次提供されるようになっている。
ステレオ画像処理ユニット13は、カメラLH11、カメラRH12から逐次伝達される画像データに公知のステレオ画像処理を施し、自車両前方に存在する被写体を認識するとともに、認識された被写体の自車両に対する相対位置を、画像上の画素位置、及び、カメラLH11とカメラRH12との視差等を用いて検出する。
また、ステレオ画像処理ユニット13は、公知の画像処理、画像認識技術により、認識された被写体の種類、属性を判別することが可能となっている。
ステレオ画像処理ユニット13は、カメラLH11、カメラRH12が撮像した画像から、例えば、他車両、歩行者、自転車や、建物、ガードレール、縁石、電柱、標識、信号機等の建造物などの被写体に相当する画素群を抽出し、各被写体の自車両に対する相対位置を実質的にリアルタイムで演算可能となっている。
また、ステレオ画像処理ユニット13は、各被写体の相対位置の履歴に基づいて、各被写体の自車両に対する相対速度を演算可能となっている。
環境認識ユニット20は、ステレオ画像処理ユニット13による自車両前方の物体検出結果等を利用して、自車両前方の環境を認識するものである。
環境認識ユニット20は、ステレオ画像処理ユニット13が認識した他車両、建築物等のうち、自車両に対する相対位置、相対速度などから自車両と衝突する可能性が高いリスク対象物を認識する。
環境認識ユニット20は、リスク対象物の自車両に対する相対位置、相対速度(接近速度)などから、リスク対象物と自車両との衝突が不可避であると判定した場合(プリクラッシュ判定が成立した場合)には、そのリスク対象物に関する情報を乗員保護装置制御ユニット30に伝達する。
ここで、リスク対象物に関する情報として、例えば、リスク対象物の種類、衝突予想箇所、衝突エネルギの入力方向、衝突までの予想時間、衝突時の予想相対速度等が挙げられる。
乗員保護装置制御ユニット30は、自車両のリスク対象物(他車両等)との前面衝突の前兆等に応じて、各エアバッグインフレータ41〜43、シートバック傾斜装置50、座面傾斜装置60、シートベルトプリテンショナ駆動装置70に対して指令を出し、これらを制御するものである。
乗員保護装置制御ユニット30には、加速度センサ31が接続されている。
加速度センサ31は、例えば、車体前部(例えばバンパフェイス内部)における前後方向加速度を検出する加速度ピックアップを有する。
加速度センサ31は、自車両が他車両等のリスク対象物と実際に衝突したことを検出する手段として機能する。
乗員保護装置制御ユニット30の機能、動作については、後に詳しく説明する。
第1インフレータ41、第2インフレータ42、第3インフレータ43は、例えば火薬を用いて高温かつ高圧の展開用ガスを発生し、第1エアバッグB1、第2エアバッグB2、第3エアバッグB3(図6等参照)の内部にそれぞれ導入してこれらを展開膨張させるものである。
第1インフレータ41、第2インフレータ42、第3インフレータ43は、乗員保護装置制御ユニット30からの展開指令信号に応じて展開用ガスの発生を開始する。
シートバック傾斜装置50は、乗員保護装置制御ユニット30からの前傾指令信号に応じて、シート200のシートバック220を、通常走行時の状態に対して、上端部が下端部に対して前進する方向に回動(前傾)させるものである。
シートバック傾斜装置50は、乗員Pの上体UBを前傾方向に傾斜させる上体傾斜手段として機能する。
シートバック傾斜装置50は、シートバック220を前傾方向に駆動する電動式や火薬式等のアクチュエータを備えている。
座面傾斜装置60は、乗員保護装置制御ユニット30からの傾斜指令信号に応じて、シート200の座面210を、通常走行時の状態に対して、後端部が前端部に対して下降する方向に傾斜(後傾)させるものである。
座面傾斜装置60は、乗員Pの大腿部Fを、臀部側が下がる方向に傾斜させる大腿部傾斜手段として機能する。
座面傾斜装置60は、座面210の後端部を支持するピン等の支持部材を、脱落又は破断させて無効化する電動式や火薬式等のアクチュエータを備えている。
支持部材を無効化することによって、座面210は、その自重及び乗員Pからの荷重によって後傾方向に移動する。
シートベルトプリテンショナ70は、乗員保護装置制御ユニット30からの引込指令信号に応じて、シートベルト230を引き込むものである。
シートベルトプリテンショナ70は、例えば電動アクチュエータや、火薬が発生するガスの圧力を用いたアクチュエータによって、シートベルト230のウェビングを巻き上げて引き込み、シートベルト230による乗員拘束力を高める。
図2に示すように、車室100は、フロア110、トーボード120、ルーフ130、フロントガラス140、インストルメントパネル150等を有して構成されている。
フロア110は、車室の床面部を構成する部分である。
フロア110は、車室100の下部に実質的に水平方向に沿って配置されている。
トーボード120は、車室100の下部における前面部を構成する部分である。
トーボード120は、フロア110の前端部から上方へ立ち上げて形成されている。
トーボード120は、車室100と図示しないエンジンルームとの隔壁として機能する。
ルーフ130は、車室100の天井部分を構成する部分である。
ルーフ130は、車室100の上部に実質的に水平方向に沿って配置されている。
ルーフ130には、後述する第1エアバッグB1、第2エアバッグB2(図5等参照)、第1インフレータ41、第2インフレータ42がそれぞれ収容される図示しない収容部が設けられる。
フロントガラス140は、車室100の前部において、乗員Pの上体UBの正面に設けられている。
フロントガラス140は、上端部が下端部に対して後方側となるように後傾して配置されている。
フロントガラス140の上端部は、ルーフ130の前端部に取り付けられている。
フロントガラス140の下端部は、インストルメントパネル150の上端部近傍において、図示しないカウル部に取り付けられている。
インストルメントパネル150は、例えば計器類、空調装置、ナビゲーション装置、グローブボックス等が設けられる内装部材である。
インストルメントパネル150は、トーボード120の上部から後方側(乗員P側)に張り出して形成されている。
インストルメントパネル150には、後述する第3エアバッグB3(図6等参照)、第3インフレータ43がそれぞれ収容される図示しない収容部が設けられる。
車室100内には、前席乗員が着座するシート200が設けられている。
シート200は、図示しないシートレールを介して、前後方向に位置を調節可能な状態でフロア100の上部に固定されている。
シート200は、座面210、シートバック220を有するとともに、シートベルト230が設けられている。
座面210、シートバック220は、例えば金属製の枠状に形成されたフレームに、スプリング及びウレタンフォーム等からなるクッション部を設け、布や皮革等の表皮で覆って構成されている。
座面210は、乗員Pの大腿部Fから臀部までが載置される実質的に平板状の部分である。
座面210において乗員Pと接する上面部は、水平方向にほぼ沿いかつ前端部側が後端部側よりも高くなるようわずかに傾斜している。
シートバック220は、乗員Pの上体UBの背部を保持する背もたれである。
シートバック220は、座面210の後端部近傍から上方へ立ち上げられている。
シートバック220において乗員Pと接する前面部は、上端部が下端部に対して車両後方側となるようにやや後傾している。
シートベルト230は、布製のウェビングにより乗員Pを拘束するものである。
シート200には、シートベルト230の図示しないバックル、リトラクタ等が設けられ、シートベルト230の拘束機能は、いわゆるインテグラルシートとして構成されたシート200単体で成立するようになっている。
シートベルト230は、乗員Pの上体UBの前部(胸部)に袈裟掛け状にかけ渡されるショルダーベルト部、及び、乗員Pの腰部に左右方向にかけ渡されるラップベルト部を有する。
次に、実施形態の乗員保護装置における衝突時の機能、動作についてより詳細に説明する。
図3は、実施形態の乗員保護装置の衝突時の動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:衝突前兆判断>
乗員保護装置制御ユニット30は、環境認識ユニット20における認識結果に基づいて、前面衝突に至るリスク可能性が所定の閾値以上であり、衝突が事実上不可避であると考えられるリスク対象物がないか判別する。
リスク可能性が閾値以上であるリスク対象物(例えば他車両等)が存在する場合は、プリクラッシュ判定を成立させ、ステップS02に進む。
これ以外の場合は、ステップS01を繰り返す。
<ステップS02:シートベルトプリテンショナ作動>
乗員保護装置制御ユニット30は、シートベルトプリテンショナ70に対して引込指令信号を与え、シートベルトプリテンショナ70にシートベルト230の引込を開始させる。
これにより、乗員Pは、シートベルト230によって、通常時よりも強力にシート200に拘束された状態となる。
その後、ステップS03に進む。
<ステップS03:座面後傾・シートバック前傾>
乗員保護装置制御ユニット30は、シートバック傾斜装置50に対して、前傾指令信号を与える。
これにより、シートバック傾斜装置50は、シートバック220を前傾方向に傾斜(回動)させる。
これと同時に、乗員保護装置制御ユニット30は、座面傾斜装置60に対して、後傾指令信号を与える。
これにより、座面傾斜装置60は、座面210を後傾方向(大腿部Fの臀部側が下がる方向)に傾斜(回動)させる。
上述した動作により、乗員Pは、上体UBが前屈するとともに、大腿部Fの傾斜が大きくなって胸部と膝部とが接近した衝突保護姿勢をとった状態で固定される。
このとき、乗員Pの前方に図示しないステアリングホイールが設けられる運転席の場合には、ステアリングコラムを短縮させてステアリングホイールを乗員Pから遠ざかる方向に退避させることが好ましい。
特に、ステアリングホイールと前輪操向装置との間に、ステアリングシャフト等による機械的な接続がないステア・バイ・ワイヤシステムを有する構成とすることが、ステアリングホイールの退避量を大きくすることが容易であり好ましい。
その後、ステップS04に進む。
<ステップS04:第1エアバッグ展開膨張>
乗員保護装置制御ユニット30は、第1インフレータ41に展開指令信号を与えて展開用ガスの発生を開始させ、第1エアバッグB1を展開膨張させる。
図5は、実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、第1エアバッグ及び第2エアバッグの展開膨張直後の状態を示す図である。
図5に示すように、第1エアバッグB1は、ルーフ130の前端部近傍から下垂して展開膨張する。
第1エアバッグB1の下部に設けられる主要部は、乗員Pの前屈した上体UBと、大腿部F(特にその前端部である膝部)との間に挟まれるようにして展開膨張する。
第1エアバッグB1は、本発明にいう胸部保護エアバッグとして機能する。
また、第1エアバッグB1の一部は、乗員Pの頭部Hの前面に対向して配置され、頭部Hを拘束、保護する機能も有する。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS05:第2エアバッグ展開膨張>
乗員保護装置制御ユニット30は、第2インフレータ42に展開指令信号を与えて展開用ガスの発生を開始させ、第2エアバッグB2を展開膨張させる。
図5に示すように、第2エアバッグB2は、ルーフ130の前端部近傍でありかつ第1エアバッグB1よりも後方の領域から下垂して展開膨張する。
第2エアバッグB2の下面は、乗員Pの頭部Hを上方から下方側へ押圧する。
第2エアバッグB2は、乗員Pの姿勢を、上体UBを前屈した状態に維持する機能を有する。
第2エアバッグB2は、本発明にいう頭部拘束エアバッグとして機能する。
その後、ステップS06に進む。
<ステップS06:衝突検出>
乗員保護装置制御ユニット30は、加速度センサ31が所定の衝突判定閾値以上の前後方向加速度を検出したか否かを判別する。
衝突判定閾値以上の加速度が検出された場合は、実際に衝突が発生したものとして、衝突判定を成立させ、ステップS07に進む。
<ステップS07:第3エアバッグ展開膨張>
乗員保護装置制御ユニット30は、第3インフレータに展開指令信号を与えて展開用ガスの発生を開始させ、第3エアバッグB3を展開膨張させる。
その後、一連の処理を終了する。
図6は、実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、第3エアバッグの展開膨張直後の状態を示す図である。
図6に示すように、第3エアバッグB3は、例えばインストルメントパネル150の上部から後方側(乗員P側)に展開膨張する。
第3エアバッグB3は、衝突の衝撃により乗員Pが車体に対して相対的に前進した際に、乗員Pを拘束して傷害を抑制する機能を有する。
第3エアバッグB3は、本発明にいう前方拘束エアバッグとして機能する。
ここで、乗員Pが前進する場合には、上体UBが腰部回りに前傾する方向に回動(前転)しつつ前進する。
第3エアバッグB3は、このように前傾を強めつつ前進する乗員Pの上体UBを適切に拘束するため、下部において上部に対して相対的に抗力が低くなる構造を有する。
また、このような構造に代えて、あるいは、このような構造とともに、第3エアバッグB3が乗員Pに対向する面部(後面部)を、下端側が上端側に対して乗員P側(後方側)に張り出すよう傾斜させた斜面としてもよい。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)衝突の前兆に応じて乗員Pの上体UBを前傾させるとともに、大腿部Fを臀部側が下がる方向に傾斜させ、乗員Pの身体(腹部)が屈曲した衝突保護姿勢をとらせることによって、衝突の衝撃により乗員Pがシートベルト230による拘束から脱落するサブマリン現象や、腹部が急激に屈曲するジャックナイフ現象の発生を防止することができる。
また、乗員Pの胸部と大腿部Fとの間に挟まれた領域に胸部を保護する第1エアバッグB1を展開膨張させることによって、上述した衝突保護姿勢を確実に保持させるとともに衝突時に傷害を受けやすい胸部、腹部等を適切に保護することができる。
これら一連の動作を、所定のプリクラッシュ判定の成立に応じて実際の衝突に先立って行うことにより、例えば衝突後にエアバッグを展開膨張させる場合のような急激な拘束を行うことなく乗員Pが受ける傷害を効果的に抑制することができ、通常の乗員だけでなく小児や老人等の体力的に弱い乗員であっても適切に保護することができる。
(2)上述した乗員Pの姿勢変化を、シートバック220及び座面210の傾斜により行うことによって、簡単な構成により確実に上述した効果を得ることができる。
(3)第2エアバッグB2により乗員Pの頭部Hを上方から下方側へ押圧することによって、衝突に備えた適度な前屈姿勢を確実に維持することができる。
(4)衝突後に前進する乗員Pを拘束する第3エアバッグB3を有することによって、乗員を適切に拘束して傷害を抑制することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)乗員保護装置を構成する各部分の構成は、上述した実施形態に限定されることなく、適宜変更することができる。
例えば、実施形態においては、乗員Pの前屈した上体UBと大腿部Fとの間で展開膨張する第1エアバッグB1を、ルーフ130から下方へ展開膨張させる構成であるが、このようなエアバッグをインストルメントパネル、ステアリングホイール、ステアリングコラム、ドアトリム、シート等から展開膨張させる構成としてもよい。
また、乗員が着用するシートベルトの一部からエアバッグが展開膨張するいわゆるエアベルトとしてもよい。
また、第2エアバッグB2、第3エアバッグB3の収容場所(基部)の設置箇所も特に限定されず、適宜変更することができる。
(2)実施形態においては、第3エアバッグB3は、加速度センサ31が実際の衝突による衝撃を検出してから展開膨張させているが、第3エアバッグB3も第1エアバッグB1、第2エアバッグB2と同様に、衝突の前兆(プリクラッシュ)の検出に応じて展開膨張させてもよい。
(3)実施形態においては、シートの座面の後端部を降下させることによって大腿部Fを臀部側が下がる方向に傾斜させているが、このような構成に代えて、あるいは、このような構成とともに、座面の前端部を上昇させてもよい。
また、座面自体を傾斜させることに代えて、あるいは、座面自体の傾斜とともに、例えば大腿部Fの前方側の領域の下側でシートに内蔵したエアバッグを展開膨張させて大腿部Fを傾斜させてもよい。
また、上体UBを前傾させる手法も実施形態のようなシートバック220の傾斜に限らず、適宜変更することが可能である。
(4)乗員Pの上体UBを前傾させる傾斜角、大腿部Fを後傾させる傾斜角、各エアバッグB1〜3の拘束量等は、乗員Pの体格、体重等に応じて最適化されるよう適宜変化させることができる。
乗員Pの体格等は、例えば、シート200の前後位置、シート200に設けられた荷重センサの出力(乗員の体重)、カメラ等の撮像装置を有する乗員モニタリングシステムの認識結果、通常時におけるシートベルト230の引き出し量などから推定することが可能である。
(5)実施形態の乗員保護装置は、乗用車等の自動車に搭載されるものであったが、本発明は自動車以外の乗り物にも適用することができる。
(6)実施形態においては、座面の後傾及びシートバックの前傾を行った後に第1エアバッグを展開させているが、これらの順序はこれに限定されず、適宜変更することが可能である。
例えば、先ず乗員の胸部前方においてエアバッグを展開させた後に、座面の後傾、シートバックの前傾の両方又は一方を行ない、身体でエアバッグを挟み込むように構成してもよい。
(7)ルーフ部から繰り出され乗員の胸部前方で展開するエアバッグ(実施形態における第1エアバッグ)は、乗員の前方側に設けられた車室前方部材に当たってから展開方向を変えて乗員の胸部前方に展開される構成とすることができる。
このような車室前方部材として、例えば、インストルメントパネル、ステアリングホイール、ステアリングコラムカバー、センターコンソール等を用いることができる。
10 ステレオカメラ装置
11 カメラLH 12 カメラRH
13 ステレオ画像処理ユニット 20 環境認識ユニット
30 乗員保護装置制御ユニット 31 加速度センサ
41 第1インフレータ 42 第2インフレータ
43 第3インフレータ 50 シートバック傾斜装置
60 座面傾斜装置 70 シートベルトプリテンショナ
B1 第1エアバッグ B2 第2エアバッグ
B3 第3エアバッグ
100 車室 110 フロア
120 トーボード 130 ルーフ
140 フロントガラス 150 インストルメントパネル
200 シート 210 座面
220 シートバック 230 シートベルト
P 乗員 H 頭部
UB 上体 F 大腿部

Claims (4)

  1. 乗員の大腿部及び臀部を保持する座面、及び、前記乗員の上体を保持するシートバックを有するシートに着座した乗員を保護する乗員保護装置であって、
    衝突の前兆を検出する衝突前兆検出装置と、
    前記衝突の前兆の検出に応じて前記大腿部を臀部側が下がる方向に傾斜させる大腿部傾斜手段と、
    前記衝突の前兆の検出に応じて前記上体を前傾方向に傾斜させる上体傾斜手段と、
    前記大腿部及び前記上体の前記傾斜後に、少なくとも一部が乗員の胸部と大腿部との間に挟まれた領域で展開する胸部保護エアバッグと
    を備えることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記大腿部傾斜手段は、前記座面の後部を降下させることによって前記座面を傾斜させる座面傾斜装置を有し、
    前記上体傾斜手段は、前記シートバックを前傾方向に傾斜させるシートバック傾斜装置を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記衝突の前兆の検出に応じて前記乗員の頭部を上方から押圧するよう展開する頭部拘束エアバッグを備えること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記衝突の前兆の検出又は衝突検出装置による衝突の検出に応じて前記乗員の前方で展開する前方拘束エアバッグを備えること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の乗員保護装置。
JP2017161823A 2017-08-25 2017-08-25 乗員保護装置 Active JP6921684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017161823A JP6921684B2 (ja) 2017-08-25 2017-08-25 乗員保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017161823A JP6921684B2 (ja) 2017-08-25 2017-08-25 乗員保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019038370A JP2019038370A (ja) 2019-03-14
JP6921684B2 true JP6921684B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=65725226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017161823A Active JP6921684B2 (ja) 2017-08-25 2017-08-25 乗員保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6921684B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7003870B2 (ja) * 2018-03-29 2022-01-21 豊田合成株式会社 乗員保護装置
US11203321B2 (en) * 2018-03-29 2021-12-21 Toyoda Gosei Co., Ltd. Occupant protection device
DE102018117714A1 (de) * 2018-07-23 2020-01-23 Trw Automotive Gmbh Fahrzeuginsassen-Rückhaltesystem mit einem Zusatzgassack
JP7235614B2 (ja) * 2019-07-22 2023-03-08 株式会社Subaru 乗員保護装置
JP7451113B2 (ja) 2019-09-05 2024-03-18 株式会社Subaru 乗員保護装置
JP7451114B2 (ja) 2019-09-05 2024-03-18 株式会社Subaru 乗員保護装置
JP7451115B2 (ja) 2019-09-05 2024-03-18 株式会社Subaru 乗員保護装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019038370A (ja) 2019-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6921684B2 (ja) 乗員保護装置
US10518733B2 (en) Seat with airbag
US8820830B2 (en) Vehicle seat
US8702123B2 (en) Safety arrangement
US10752199B2 (en) Vehicle airbags for occupants in rear facing seats
JP2002019555A (ja) 乗員保護装置
JP6636557B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP2020152206A (ja) 乗員保護装置
JP6836449B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6784502B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6960236B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP7026461B2 (ja) 乗員保護装置
JP7208349B2 (ja) 乗員保護装置
JP2013166535A (ja) 乗員保護装置
JP7235615B2 (ja) 乗員保護装置
KR20210119161A (ko) 자동차의 사이드 에어백 장치
JP6826480B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6871787B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP7075260B2 (ja) 乗員保護装置
US10953829B2 (en) Occupant protection device
JP2018171991A (ja) 車両の乗員保護装置
JP2019172151A (ja) 乗員保護装置
JP6860403B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP7018343B2 (ja) 乗員保護装置
JP2020152208A (ja) 乗員保護装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6921684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150