以下、本発明の貨幣処理装置の一実施形態である貨幣入出金機について、図面を参照して説明する。
本実施形態において、貨幣入出金機1A、1Bが、特許請求の範囲に記載の「貨幣処理装置」に対応する。また、操作表示部17が、特許請求の範囲に記載の「表示部」に対応する。さらに、撮像部40が、特許請求の範囲に記載の「検知部」に対応する。
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る、貨幣入出金機1Aの構成を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る、貨幣入出金機1Aの構成を示す概略図である。
貨幣入出金機1Aは、銀行等の金融機関における窓口カウンタの内側で窓口業務を行う2人のテラー(操作者)の間に設置される。貨幣入出金機1Aは、各テラーによって操作される上位端末2に通信可能に接続される。窓口カウンタにおいて、左側および右側のテラーの前に、それらテラーが操作を行う各上位端末2が設置される。上位端末2は、ディスプレイ2aと、コントローラ2bと、キーボード(図示せず)とを含む。貨幣入出金機1Aおよび2つの上位端末2は、金融機関に備えられる貨幣処理システム3に含まれる。
貨幣入出金機1Aは、外郭を構成する筐体10内に、紙幣入出金ユニット11と硬貨入出金ユニット12とを備える。紙幣入出金ユニット11は、筐体10内の下側に設けられ、紙幣の入金処理、出金処理等を行う。硬貨入出金ユニット12は、筐体10内の上側に設けられ、硬貨の入金処理、出金処理等を行う。
図1を参照し、筐体10は、左右方向の横幅よりも前後方向の奥行が長く、上下方向の高さが左右方向の横幅よりも高いほぼ直方体形状を有し、本体10aと、本体10aの前上部に設けられた外装カバー10bと、本体10aの前下部に設けられた扉体10cと、を含む。
外装カバー10bには、上面に硬貨入金口13が形成され、前面に紙幣出金口14が形成され、上面から前面にかけて湾曲する湾曲面に紙幣入金口15が形成される。これら硬貨入金口13、紙幣出金口14および紙幣入金口15は、それぞれ、シャッター13a、14a、15aにより開閉される。また、外装カバー10bの下部の左右両端には、硬貨出金箱16が設けられる。硬貨出金箱16は、前方へ引き出すことができる。
外装カバー10bの後部には、操作表示部17が設けられる。操作表示部17は、前方斜め上方を向くように外装カバー10bに固定される。操作表示部17は、ディスプレイとタッチセンサとからなるタッチパネルで構成される。操作表示部17は、ディスプレイに各種の画像(画面)を表示するとともに、ディスプレイに対するユーザのタッチ操作をタッチセンサにより検出する。
外装カバー10bの上面における硬貨入金口13の両側の領域には、4つの操作ボタン18が設けられる。4つの操作ボタン18は、前側の左右にそれぞれ設けられた左第1ボタン18aおよび右第1ボタン18bと、後側の左右にそれぞれ設けられた左第2ボタン18cおよび右第2ボタン18dとを含む。左第1ボタン18aおよび右第1ボタン18bは、それぞれ、左側および右側のテラーが貨幣入出金機1Aの紙幣に係る取引処理の占有を指示するために操作される左紙幣占有ボタンおよび右紙幣占有ボタンとして機能する。同様に、左第2ボタン18cおよび右第2ボタン18dは、それぞれ、左側および右側のテラーが貨幣入出金機1Aの硬貨に係る取引処理の占有を指示するために操作される左硬貨占有ボタンおよび右硬貨占有ボタンとして機能する。
外装カバー10bは、紙幣入金口15と硬貨入金口13との間の位置において、前側の前部外装部材10dと後側の後部外装部材10eとに分離可能である。前部外装部材10dの後方には、上部処理ユニット11aが連結されており、上部処理ユニット11aごと、前部外装部材10dを前方に引き出すことができる。また、扉体10cの後方には、下部処理ユニット11bが連結されており、下部処理ユニット11bごと、扉体10cを前方に引き出すことができる。上部処理ユニット11aは紙幣入出金ユニット11の上側部分を構成し、下部処理ユニット11bは紙幣入出金ユニット11の下側部分を構成する。たとえば、上部処理ユニット11aおよび下部処理ユニット11bは、その内部でジャム等の異常が生じた場合に、異常解除のために筐体10から引き出され得る。また、下部処理ユニット11bは、このユニットに含まれるカセット内に紙幣を補充したり、カセット内から紙幣を回収したりする場合に筐体10から引き出され得る。
図2を参照し、紙幣入出金ユニット11は、入金部110と、出金部120と、リジェクト部130と、搬送部140と、識別部150と、紙幣揃え部160と、2つのカセット170と、カセット170用の2つの一時保留部180と、3つのスタッカ190と、スタッカ190用の3つの一時保留部200と、を備える。
入金部110、出金部120およびリジェクト部130は、筐体10内の上部の正面近傍に設けられる。入金部110は紙幣入金口15に繋がり、紙幣入金口15を通じて入金部110にバラ状態の紙幣が投入される。出金部120およびリジェクト部130は紙幣出金口14に繋がり、紙幣出金口14を通じて出金部120およびリジェクト部130からバラ状態の紙幣が取り出される。
入金部110は、入金繰出機構111を備える。入金繰出機構111は、入金部110に投入された紙幣を一枚ずつ搬送部140へ繰り出す。出金部120は、主に、スタッカ190から繰り出された紙幣を受け取る。リジェクト部130は、主に、識別部150により属性(真偽、金種、表裏等)が識別できず、正常な紙幣と見做されない紙幣を受け取る。
搬送部140は、ベルト機構、ローラー機構等により構成され、メイン搬送路141と、入金搬送路142と、出金搬送路143と、リジェクト搬送路144と、2つのカセット搬送路145と、3つのスタッカ搬送路146とを含む。メイン搬送路141は、筐体10内を前後方向に延びるようにループ状に形成され、図2において、時計回り方向(実線矢印)と反時計回り方向(破線矢印)に紙幣を搬送することが可能である。
入金搬送路142は、入金部110とメイン搬送路141との間に設けられる。出金搬送路143は、出金部120とメイン搬送路141との間に設けられる。リジェクト搬送路144は、リジェクト部130とメイン搬送路141との間に設けられる。カセット搬送路145は、カセット170および一時保留部180とメイン搬送路141との間に設けられる。スタッカ搬送路146は、スタッカ190および一時保留部200とメイン搬送路141との間に設けられる。
識別部150は、メイン搬送路141の上側のループの後部に設けられる。識別部150は、搬送部140を流れる紙幣の属性を識別し、識別結果を後述する制御部に出力する。識別される属性には、紙幣の真偽、金種、紙幣の表裏の向きなどが含まれる。また、識別部150は紙幣を計数する。
紙幣揃え部160は、搬送部140を流れる紙幣の表裏の向きを揃えるために設けられる。紙幣揃え部160は、識別部150の前方、即ち、識別部150よりも出金時の紙幣の流れの下流側に配置される。紙幣揃え部160は、メイン搬送路141の一部を構成する反転部161および非反転部162を含む。反転部161は、スイッチバック方式により紙幣を表裏反転させる反転機構を含む。反転部161を通過した紙幣は、紙幣の短手方向、即ち天地方向に沿って表裏反転し、表裏および天地の向きが入れ替わる。非反転部162は、反転部161とほぼ同じ経路長を有し、紙幣を現状の向きのまま通過させる。たとえば、識別部150での識別の結果、表向きと識別された紙幣が非反転部162を通過し、裏向きと識別された紙幣が反転部161を通過することにより、紙幣の向きが表向きに揃えられる。
2つのカセット170と3つのスタッカ190は、筐体10内において、搬送部140の下方に、前後に並ぶように設けられる。2つのカセット170が3つのスタッカ190の前方に設けられる。
カセット170は、主に、スタッカ190から回収された紙幣やスタッカ190へ補充される紙幣を収納するために利用される。また、カセット170は、スタッカ190内の紙幣の自動精査を行う自動精査処理の際、紙幣を一時的に収納するために利用される。一方のカセット170を、2千円券、旧券、損券等の収納に利用することもできる。カセット170内には、紙幣が上下に積まれるように収納される。収納された紙幣を昇降するため、カセット170内に昇降ステージ170aが設けられる。
カセット170用の一時保留部180は、対応するカセット170の上方に配置される。一時保留部180は、カセット170に収納される紙幣を一時的に保留(収納)する。一時保留部180の出入口側には繰出機構(図示せず)が設けられ、カセット170内の紙幣を、一時保留部180を通じてカセット搬送路145に繰り出すことができる。
スタッカ190は、入金された紙幣を金種別に収納するために利用される。たとえば、3つのスタッカ190のそれぞれに対し、一万円、千円および5千円の金種が割り当てられ得る。スタッカ190内には、紙幣が上下に積まれるように収納される。収納された紙幣を昇降するため、スタッカ190内に昇降ステージ190aが設けられる。
スタッカ190用の一時保留部200は、対応するスタッカ190の上方に配置される。一時保留部200は、スタッカ190に収納される紙幣を一時的に保留(収納)する。一時保留部200の出入口側には繰出機構(図示せず)が設けられ、スタッカ190内の紙幣を、一時保留部200を通じてスタッカ搬送路146に繰り出すことができる。
入金部110と、出金部120と、リジェクト部130と、搬送部140のうちのメイン搬送路141の上側部分、入金搬送路142、出金搬送路143およびリジェクト搬送路144と、識別部150と、紙幣揃え部160とによって上部処理ユニット11aが構成される。また、搬送部140のうちのメイン搬送路141の下側部分、カセット搬送路145およびスタッカ搬送路146と、カセット170と、カセット170用の一時保留部180と、スタッカ190と、スタッカ190用の一時保留部200とによって下部処理ユニット11bが構成される。
紙幣の入金処理の際には、紙幣入金口15を通じて入金部110に投入された紙幣が、搬送部140により搬送されるとともに識別部150で識別され、正常と識別された紙幣が、金種毎に、対応する一時保留部200に一時的に保留される。そして、確定操作がなされると一時保留部200内の紙幣が対応するスタッカ190内に収納される。なお、正常でないと識別された紙幣は、リジェクト部130に戻される。
また、紙幣の出金処理の際には、出金操作により指定された金額の紙幣が、スタッカ190内から繰り出されて搬送部140により搬送され、その途中に紙幣揃え部160で表裏の向きが揃えられて出金部120に払い出される。出金部120の紙幣は、紙幣出金口14を通じて取り出される。
硬貨入出金ユニット12は、図示しない硬貨搬送部、硬貨識別部、複数の金種別硬貨収納投出部などを備える。硬貨の入金処理の際には、硬貨入金口13から投入された硬貨が、硬貨搬送部により搬送されるとともに硬貨識別部で識別され、正常と識別された硬貨が、金種毎に、対応する金種別硬貨収納投出部に収納される。また、硬貨の出金処理の際には、出金操作により指定された金額の硬貨が金種別硬貨収納投出部から投出され、硬貨搬送部により搬送されて硬貨出金箱16に払い出される。硬貨出金箱16が引き出され、中から硬貨が取り出される。
貨幣入出金機1Aの左右両側にいるテラーは、貨幣入出金機1Aを使用して入金処理、出金処理、計数処理などの取引処理を行うことができる。計数処理には、貨幣(紙幣、硬貨)の枚数を単純に計測する単純計数処理と、貨幣の枚数を計測するとともに同じ金種の貨幣を所定枚数単位にまとめる整理計数処理とが含まれる。
取引処理が計数処理である場合、各テラーは、占有操作を行った後に、操作表示部17上で単純計数処理または整理計数処理の何れを行うかの選択を行う。具体的には、各テラーは、自身の側に設けられた操作ボタン18、即ち、左側のテラーであれば左第1ボタン18aまたは左第2ボタン18cを押し、右側のテラーであれば右第1ボタン18bまたは右第2ボタン18dを押して、貨幣入出金機1Aの処理を占有する操作(占有操作)を行った後、操作表示部17上で単純計数処理または整理計数処理のための操作を行う。これらの操作に基づいて、貨幣入出金機1Aは、単純計数処理または整理計数処理を実行する。
また、取引処理が入金処理または出金処理である場合、各テラーは、上位端末2において金額等の入力を含む入金操作または出金操作を行う。こうして、入金操作または出金操作が行われると、上位端末2から貨幣入出金機1Aへ入金コマンドまたは出金コマンドが送信される。貨幣入出金機1Aは、受信したコマンドに基づいて、入金処理または出金処理を実行する。
なお、2つの上位端末2は、それぞれ、貨幣入出金機1Aを挟む左右のテラーの配備位置と対応付けられている。即ち、貨幣入出金機1Aは、貨幣入出金機1Aの右側の配備位置に対して一方の上位端末2を対応付け、貨幣入出金機1Aの左側の配備位置に対して他方の上位端末2を対応付ける設定がなされている。各テラーは、自身の配備位置に対応付けられた上位端末2から入金コマンドまたは出金コマンドを送信するための入力を行う。これにより、各上位端末2は、自身の識別情報を付してコマンドを送信する。コマンドを受信した貨幣入出金機1Aは、識別情報をもとに、受信したコマンドが何れの配備位置の処理に供されるものであるかを識別する。貨幣入出金機1Aは、左側の上位端末2からコマンドを受信すると、左側の上位端末2、即ち、左側のテラーの占有状態となり、左側の上位端末2からコマンドを受信すると、右側の上位端末2、即ち、右側のテラーの占有状態となる。
図3は、第1実施形態に係る、貨幣入出金機1Aの主たる構成を示すブロック図である。
貨幣入出金機1Aは、上述した紙幣入出金ユニット11、硬貨入出金ユニット12、操作表示部17の他、操作入力部21、制御部22、記憶部23および通信部24を備える。
紙幣入出金ユニット11には、図2で説明した各部の他、複数個のジャム検知センサ210が含まれる。ジャム検知センサ210は、紙幣入出金ユニット11内、即ち、上部処理ユニット11a内および下部処理ユニット11b内において、紙幣のジャム(詰まり)が発生し得る適宜の位置に配置され、ジャムの発生を検知する。ジャム検知センサ210は、たとえば、紙幣の搬送路を挟むように配置された発光素子および受光素子を含む構成とすることができる。このような構成とされた場合、ジャム検知センサ210は、発光素子からの光を受光素子が受光したか否かに基づいてジャムの発生を検知する。
操作入力部21は、上述の操作ボタン18を含み、押下された操作ボタン18に応じた入力信号を制御部22に出力する。
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部23に記憶された動作プログラムに従って、操作表示部17、紙幣入出金ユニット11の各構成部(入金繰出機構111、搬送部140、識別部150、紙幣揃え部160、カセット170、一時保留部180、スタッカ190、一時保留部200等)および硬貨入出金ユニット12の各構成部を制御する。また、制御部22は、通信部24を介して上位端末2と通信する。記憶部23は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部22の動作プログラムを記憶し、また、制御部22の制御処理の際にワーク領域として利用される。
さて、貨幣入出金機1Aでは、入金処理や出金処理の処理動作に、ジャム等の異常が発生し得る。異常が発生した際、操作表示部17には、異常を解除するためのガイダンス画面が表示される。操作者はガイダンス画面の表示に従って復旧作業を行うことにより、異常を解消させることができる。
以下、異常の発生に基づいて操作表示部17にガイダンス画面を表示させるときの制御処理について説明する。
図4は、第1実施形態に係る、異常発生時における操作表示部17の表示制御処理を示すフローチャートである。
図4を参照して、制御部22は、異常が発生したか否かを監視する(S101)。たとえば、紙幣入出金ユニット11においてジャム検知センサ210が紙幣のジャムを検知すると、制御部22は、異常が発生したと判定する。異常が発生すると(S101:YES)、制御部22は、貨幣入出金機1Aが左右何れの操作者による占有状態にあるのかを判定する(S102)。貨幣入出金機1Aが左側の操作者による占有状態にある場合(S102:左)、制御部22は、左用ガイダンス画面SC1を操作表示部17に表示させる(S103)。一方、貨幣入出金機1Aが右側の操作者による占有状態にある場合(S102:右)、制御部22は、右用ガイダンス画面SC2を操作表示部17に表示させる(S104)。左用ガイダンス画面SC1は、左側の操作者の利用(視聴)に向いたガイダンス画面であり、右用ガイダンス画面SC2は、右側の操作者の利用(視聴)に向いたガイダンス画面である。
次に、制御部22は、異常の解除が完了したか否かを監視する(S105)。たとえば、操作者は、異常を解除すると確認操作を行い、制御部22は、確認操作を受け付けると、異常の解除が完了したと判定する。異常の解除が完了すると(S105:YES)、制御部22は、操作表示部17による左用ガイダンス画面SC1または右用ガイダンス画面SC2の表示を終了させる(S106)。
図5は、第1実施形態に係る、左用ガイダンス画面SC1の一例を示す図であり、図6は、第1実施形態に係る、右用ガイダンス画面SC2の一例を示す図である。図5および図6には、それぞれ、一例として、紙幣入出金ユニット11の上部処理ユニット11aに紙幣のジャムが発生したときの左用ガイダンス画面SC1および右用ガイダンス画面SC2が示されている。この例では、上部処理ユニット11aに、後側に開閉可能な搬送ガイド部が含まれるため、左右どちら側からでもジャム発生箇所を確認できる。
左用ガイダンス画面SC1および右用ガイダンス画面SC2は、画像領域R1およびコメント領域R2を含む。左用ガイダンス画面SC1の画像領域R1には、貨幣入出金機1Aの左側からの視点による画像が含まれ、右用ガイダンス画面SC2の画像領域R1には、貨幣入出金機1Aの右側からの視点による画像が含まれる。コメント領域R2には、ジャム等の異常を解除するための手順が記載される。図5および図6に示されるように、画像領域R1内の画像は、複数の画像で構成され、所定の時間ごとに切り替わる。画像領域R1の画像は、左右それぞれの操作者の視点から見たものと近いものとなる。
図7は、第1実施形態に係る、左用ガイダンス画面SC1の他の一例を示す図であり、図8は、第1実施形態に係る、右用ガイダンス画面SC2の他の一例を示す図である。図7および図8には、それぞれ、一例として、紙幣入出金ユニット11の上部処理ユニット11aに紙幣のジャムが発生したときの左用ガイダンス画面SC1および右用ガイダンス画面SC2が示されている。この例では、上部処理ユニット11aに、右側に開閉可能な搬送ガイド部が含まれるため、右側からは、ジャム発生箇所を確認しにくい。
左用ガイダンス画面SC1では、画像領域R1に、貨幣入出金機1Aの左側からの視点による複数の画像が所定の時間ごとに切り替わるように表示される。また、コメント領域R2に、ジャム等の異常を解除するための手順が記載される。一方、右用ガイダンス画面SC2では、操作者がジャム発生箇所を確認しやすいように、画像領域R1に、貨幣入出金機1Aの右側からの視点による、搬送ガイド部を開放するまでの画像と、貨幣入出金機1Aの左側からの視点による、搬送ガイド部を開放した後の画像とからなる複数の画像が所定の時間ごとに切り替わるように表示される。そして、コメント領域R2には、左用ガイダンス画面SC1同じ記載の他に、操作者に対して貨幣入出金機1Aの左側への移動を促す記載が追加される。
<第1実施形態の効果>
以上、第1実施形態の構成によれば、以下の効果を奏することができる。
貨幣入出金機1Aにジャム等の異常が発生した場合に、貨幣入出金機1Aの処理が左側の操作者の占有状態にあれば左側の操作者からの利用に向いた左用ガイダンス画面SC1が表示され、貨幣入出金機1Aの処理が右側の操作者の占有状態にあれば右側の操作者からの利用に向いた右用ガイダンス画面SC2が表示される。これにより、左右何れの操作者からもガイダンス画面の内容が分かり易くなり、操作者は異常要因の解除作業が行いやすくなる。
また、占有状態が判定されることにより、左用ガイダンス画面SC1と右用ガイダンス画面SC2とが自動で切り替えられるので、操作者が切替え操作を行わなくてよく、利便性が高い。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は、上記第1実施形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の第1実施形態も、以下に示す通り、上記以外に種々の変更が可能である。
<第1実施形態の変更例>
上記第1実施形態では、貨幣入出金機1Aの処理が左右何れの操作者の占有状態にあるかに応じてガイダンス画面の切り替えが行われた。これに対し、本変更例では、操作者による選択操作に応じてガイダンス画面が切り替えられる。
図9は、変更例に係る、異常発生時における操作表示部17の表示制御処理を示すフローチャートである。本変更例の表示制御処理では、図4に示す第1実施形態の表示制御処理のS102の処理が、S111およびS112の処理に置き換えられる。
本変更例では、異常が発生すると、左第1ボタン18aが左用ガイダンス画面SC1を選択するための左用表示ボタン18aとして機能し、右第1ボタン18bが右用ガイダンス画面SC2を選択するための右用表示ボタン18bとして機能する。
図9を参照して、異常が発生すると(S101)、左用表示ボタン18aが操作されたか否か、および、右用表示ボタン18bが操作されたか否かを監視する(S111、S112)。左用表示ボタン18aが操作された場合(S111:YES)、制御部22は、左用ガイダンス画面SC1を操作表示部17に表示させる(S103)。一方、右用表示ボタン18bが操作された場合(S112:YES)、制御部22は、右用ガイダンス画面SC2を操作表示部17に表示させる(S104)。その後、異常の解除が完了すると(S105:YES)、制御部22は、操作表示部17による左用ガイダンス画面SC1または右用ガイダンス画面SC2の表示を終了させる(S106)。
本変更例の構成とすれば、異常の解除作業を行う操作者が、操作者の位置に応じて利用しやすいガイダンス画面を選択することができる。
なお、本変更例において、まず、占有状態が判定され、その判定結果に応じたガイダンス画面が表示され、その後に、左用表示ボタン18aと右用表示ボタン18bとによるガイダンス画面の選択が行えるような構成とされてもよい。
また、左第1ボタン18aおよび右第1ボタン18bが、それぞれ、左用表示ボタン18aおよび右用表示ボタン18bとして兼用されなくてもよい。たとえば、専用の左用表示ボタンおよび右用表示ボタンが外装カバー10b等にハードキーとして配置されてもよいし、操作表示部17の画面上にソフトキーとして配置されてもよい。
さらに、本変更例においては、左用ガイダンス画面SC1または右用ガイダンス画面SC2を表示することとしていたがこれに限られない。たとえば、3箇所以上の位置からの、操作に向いたガイダンス画面を用意しておき、それぞれに対応する表示ボタンを設け、選択された表示ボタンに基づく位置からのガイダンス画面を表示させることとしてもよい。これにより、より一層ガイダンス画面の内容が分かり易くなり、操作者は異常要因の解除作業が行いやすくなる。
<第2実施形態>
図10(a)は、第2実施形態に係る、貨幣入出金機1Bの前上部の斜視図であり、図10(b)は、第2実施形態に係る、貨幣入出金機1Bの操作表示部17の周辺の側面一部断面図である。
本実施形態の貨幣入出金機1Bでは、操作表示部17が左右方向(水平方向)に旋回させるための駆動部30を備える。操作表示部17は、正面方向を定位置として、右方向および左方向に、それぞれ所定角度(たとえば、約30度)旋回することができる。図10(a)に示すように、操作表示部17は、外装カバー10bの上面において、操作ボタン18および硬貨入金口13の後方に、左右に旋回したときにこれらと干渉しない距離だけ離れて配置される。貨幣入出金機1Bのその他の構成は、第1実施形態の貨幣入出金機1Aと同様である。
図10(b)に示すように、駆動部30は、固定部31と、支持筒32と、駆動軸33と、第1ギア34と、第2ギア35と、水平駆動モータ36とを含む。第1ギア34、第2ギア35および水平駆動モータ36は、外装カバー10bの内部に配置される。
固定部31には、操作表示部17が斜め上方を向く状態で固定される。支持筒32は、その内部に設けられた2つの軸受32aによって駆動軸33を回転自在に支持する。駆動軸33は、一端が固定部31に固定され、他端が外装カバー10bの内部に突出する。第1ギア34は、駆動軸33の他端に取り付けられる。第2ギア35は、水平駆動モータ36のモータ軸に取り付けられ、第1ギア34と噛み合う。水平駆動モータ36は、モータ台36aに設置される。水平駆動モータ36、即ち、駆動部30は、制御部22により駆動制御される。
水平駆動モータ36が右方向に回転すると、第2ギア35が右方向に回転し、第1ギア34が左方向に回転する。これにより、駆動軸33および固定部31が左方向に回転し、操作表示部17が左方向に旋回する。一方、水平駆動モータ36が左方向に回転すると、第2ギア35が左方向に回転し、第1ギア34が右方向に回転する。これにより、駆動軸33および固定部31が右方向に回転し、操作表示部17が右方向に旋回する。
図11(a)は、第2実施形態に係る、操作表示部17を旋回させるための制御処理を示すフローチャートである。図11(b)は、第2実施形態に係る、操作表示部17が左方向に旋回した状態を示す貨幣入出金機1Bの前部平面図であり、図11(c)は、第2実施形態に係る、操作表示部17が右方向に旋回した状態を示す貨幣入出金機1Bの前部平面図である。
図11(a)を参照して、制御部22は、操作ボタン18による占有操作がなされると(S201:YES)、貨幣入出金機1Bが左右何れの操作者の占有状態とされたのかを判定する(S202)。貨幣入出金機1Bが左側の操作者による占有状態である場合(S202:左)、制御部22は、駆動部30を作動させて、操作表示部17を左方向に所定角度、旋回させる(S203)。図11(b)のように、操作表示部17は、貨幣入出金機1Bの左斜め前方を向く状態、即ち、左側の操作者の方へ向く状態となる。一方、貨幣入出金機1Bが右側の操作者による占有状態である場合(S202:右)、制御部22は、駆動部30を作動させて、操作表示部17を右方向に所定角度、旋回させる(S204)。図11(c)のように、操作表示部17は、貨幣入出金機1Bの右斜め前方を向く状態、即ち、右側の操作者の方へ向く状態となる。
次に、制御部22は、占有状態が解除されたか否かを判定する(S205)。たとえば、一つの取引処理が完了すると、占有状態が解除される。占有状態が解除されると(S205:YES)、制御部22は、駆動部30を動作させ、操作表示部17を定位置(正面を向く位置)に戻す(S206)。
なお、上記の例と異なり、占有状態が解除されても操作表示部17が定位置に戻されない構成とされてもよい。この場合、先の操作者とは反対側の操作者の占有状態となったときに、操作表示部17が反対側の位置まで旋回される。このような構成とされた場合、貨幣入出金機1Bの電源がオフされたときに、操作表示部17が定位置に戻るようにされるとよい。
<第2実施形態の効果>
以上、第2実施形態の構成によれば、以下の効果を奏することができる。
操作表示部17を、貨幣入出金機1Bに対して左方向と右方向とに旋回させる駆動部30を備え、左側の操作者が貨幣入出金機1Bを扱う際には操作表示部17が左側を向き、右側の操作者が貨幣入出金機1Bを扱う際には操作表示部17が右側を向くようにしたので、操作者は、操作表示部17に表示された画面を見やすくなったり操作しやすくなったりする。
また、占有状態が判定されることにより、操作表示部17の向きが自動で切り替えられるので、操作者が切替え操作を行わなくてよく、利便性が高い。
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は、上記第2実施形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の第2実施形態も、以下に示す通り、上記以外に種々の変更が可能である。
<第2実施形態の変更例>
上記第2実施形態では、操作表示部17は、左右方向(水平方向)に旋回することができたが、上下方向(鉛直方向)には旋回することができず、上下方向における角度が固定されていた。また、操作表示部17が左右方向に旋回する角度は、所定角度に固定されていた。
本変更例では、操作表示部17を、左右方向(水平方向)および上下方向(鉛直方向)に旋回させることができる。また、操作表示部17が左右方向および上下方向に旋回する角度を、操作者の位置に応じて変更することができる。
図12(a)は、変更例に係る、貨幣入出金機1Bの操作表示部17の周辺の側面一部断面図であり、図12(b)は、変更例に係る、操作表示部17の正面図である。
本変更例では、操作表示部17の上部中央に撮像部40が設けられる。撮像部40は、操作表示部17の前方の風景を撮影する。撮像部40により撮影された画像が制御部22に出力される。
さらに、本変更例では、駆動部30は、固定部31に替えて、回転アーム37と、鉛直駆動モータ38と、ハウジング39とを備える。回転アーム37および鉛直駆動モータ38はハウジング39内に配置される。回転アーム37には、一端に回転軸37aが設けられる。回転軸37aは、一端がカップリング37bを介して鉛直駆動モータ38のモータ軸に連結され、他端がハウジング39の右側面に回転自在に支持される。鉛直駆動モータ38は、ハウジング39の左側面に固定される。ハウジング39には、正面から上面に掛けて開口部39aが設けられ、この開口部39aから外部に露出した回転アーム37の他端に、操作表示部17が固定される。ハウジング39の底面に駆動軸33が接続される。
操作表示部17は、定位置にあるとき水平方向を向く。鉛直駆動モータ38が上方向に回転すると、回転アーム37が上方向に回転し、操作表示部17が上方向に旋回する。一方、鉛直駆動モータ38が下方向に回転すると、回転アーム37が下方向に回転し、操作表示部17が下方向に旋回する。また、上記第2実施形態と同様、水平駆動モータ36の右方向および左方向の回転により、操作表示部17が左方向および右方向に旋回する。
図13(a)は、変更例に係る、操作表示部17を旋回させるための制御処理を示すフローチャートであり、図13(b)は、変更例に係る、方向調整処理を示すフローチャートである。図14(a)ないし(c)は、変更例に係る、方向調整処理について説明するための図である。
図13(a)に示すように、本変更例では、制御部22は、占有状態に応じて、操作表示部17を所定角度、左方向あるいは右方向に旋回させた後(S203、S204)、水平方向および鉛直方向について、操作者の位置に応じた操作表示部17の方向調整を行うため、方向調整処理を実行する(S211)。
図13(b)を参照して、方向調整処理が開始されると、制御部22は、まず、撮像部40による撮像を行う(S301)。図14(a)に示すように、撮像部40による撮像領域は、複数の領域、たとえば番号N1〜N9の9個の領域に分割される。中央の領域は、たとえば、N5とされる。記憶部23には、図14(b)に示す回転量テーブルTBが備えられる。回転量テーブルTBには、各領域N1〜N9の位置の被写体を中央の領域N5に移動させるための水平駆動モータ36および鉛直駆動モータ38の回転量が各領域N1〜N9に対応付けて設定されている。なお、回転量テーブルTBでは、操作表示部17を左方向へ旋回させる水平駆動モータ36の回転量をプラスとし、操作表示部17を右方向に旋回させる水平駆動モータ36の回転量をマイナスとしている。また、操作表示部17を上方向へ旋回させる鉛直駆動モータ38の回転量をプラスとし、操作表示部17を下方向に旋回させる鉛直駆動モータ38の回転量をマイナスとしている。
制御部22は、画像認識処理を行って撮像部40から受け取った画像の中の操作者の目の位置を検出し、撮影者の目の位置が含まれる領域を特定する(S302)。次に、制御部22は、回転量テーブルTBを参照し、撮影者の目の位置を、特定された領域から中央の領域N5に移動させるための水平駆動モータ36および鉛直駆動モータ38の回転量を決定する(S303)。そして、制御部22は、決定した回転量だけ水平駆動モータ36および鉛直駆動モータ38を回転させる(S304)。なお、最初から操作者の目の位置が中央の領域N5にある場合は、各回転量が「0」となるので、水平駆動モータ36および鉛直駆動モータ38は回転しない。
図14(c)に示すように、操作者の目が領域N1にあった場合、回転量テーブルTBの領域N1に対応付けられた各回転量が取得され、これら回転量だけ水平駆動モータ36および鉛直駆動モータ38が回転されて操作表示部17が水平方向および鉛直方向に旋回した結果、操作者の目の位置が中央の領域N5に移動する。これにより、操作表示部17の水平方向および鉛直方向の角度が、操作者の現在の位置から見られやすい角度となる。
このような構成とされれば、操作者の位置に応じて操作表示部17の向きが調整されるので、操作者は操作表示部17の画面をより一層見やすくなるとともに操作しやすくなる。
<その他の変更例>
上記第1実施形態および上記第2実施形態は、上記変更例の他、種々の変更がなされてもよい。
たとえば、上記第1実施形態および上記第2実施形態において、図15(a)および(b)に示すように、操作表示部17の左右の側面全体を発光させるような左発光部50aおよび右発光部50bが、操作表示部17に設けられてもよい。左発光部50aは、操作表示部17の側面とほぼ同じ大きさのケース51と、ケース51内に配列された複数のLED52と、ケース51の開口面を覆う発光パネル53とを含む。LED52は複数の色、たとえば、緑色および赤色に点灯する。複数のLED52が点灯すると、発光パネル53が発光する。右発光部50bは、左発光部50aと同様、ケース51、複数のLED52および発光パネル53を含み、左発光部50aと左右対称の構成を有する。
左発光部50aおよび右発光部50bは、制御部22により発光制御される。制御部22は、たとえば、貨幣入出金機1Aの処理が左右何れの操作者の占有状態にあるかに応じた態様で、左発光部50aおよび右発光部50bを発光させる。たとえば、貨幣入出金機1Aが左側の操作者の占有状態にある場合は、左発光部50aが緑色に発光し、右発光部50bが赤色に発光するあるいは発光しない。一方、貨幣入出金機1Aが右側の操作者の占有状態にある場合は、右発光部50bが緑色に発光し、左発光部50aが赤色に発光するあるいは発光しない。あるいは、貨幣入出金機1Aが左側の操作者の占有状態にある場合に、左発光部50aが発光せず右発光部50bが赤色に発光し、貨幣入出金機1Aが右側の操作者の占有状態にある場合に、右発光部50bが発光せず左発光部50aが赤色に発光するようにされてもよい。
このような構成とすれば、操作表示部17の左右の側面は、貨幣入出金機1Aの左右の側方に配備された操作者から見やすく、この部分に設けられた左発光部50aおよび右発光部50bが発光することにより、操作者は、自身の占有状態の有無を把握できやすい。
また、上記第1実施形態では、貨幣入出金機1Aの処理が左右何れの操作者の占有状態にあるかに応じて、操作表示部17に左用ガイダンス画面SC1または右用ガイダンス画面SC2が表示された。しかしながら、貨幣入出金機1Aの処理が左右何れの操作者の占有状態にあるかに応じて、操作表示部17に左用ガイダンス画面SC1以外の左用画面、または右用ガイダンス画面SC2以外の右用画面が表示されてもよい。たとえば、左側の操作者が操作に向いた、取引処理に係る操作画面(紙幣出金口14から紙幣が出金されたときの画面等)が左用画面として操作表示部17に表示されてもよく、右側の操作者が操作に向いた、取引処理に係る操作画面が右用画面として操作表示部17に表示されてもよい。同様に、上記第1実施形態の変更例において、左用表示ボタン18aが操作されるか右用表示ボタン18bが操作されるかに応じて、操作表示部17に左用ガイダンス画面SC1以外の左用画面、または右用ガイダンス画面SC2以外の右用画面が表示されてもよい。
操作表示部17に左用ガイダンス画面SC1以外の左用画面または右用ガイダンス画面SC2以外の右用画面が表示される例について、計数処理(単純計数処理)と入金処理を例に挙げて、さらに詳しく説明する。
図16は、変更例に係る、計数処理のための制御動作を示すフローチャートである。図17(a)ないし(d)は、それぞれ、変更例に係る、左用メニュー画面SC3、右用メニュー画面SC4、左用処理開始画面SC5および右用処理開始画面SC6の一例を示す図である。図18(a)および(b)は、それぞれ、変更例に係る、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8の一例を示す図である。
図16を参照して、制御部22は、操作ボタン18による占有操作がなされると(S401:YES)、貨幣入出金機1Aが左右何れの操作者の占有状態とされたのかを判定する(S402)。貨幣入出金機1Aが左側の操作者による占有状態である場合(S402:左)、制御部22は、操作表示部17に左用メニュー画面SC3を表示させる(S403)。一方、貨幣入出金機1Aが右側の操作者による占有状態である場合(S402:右)、制御部22は、操作表示部17に右用メニュー画面SC4を表示させる(S404)。
図17(a)および(b)に示すように、左用メニュー画面SC3および右用メニュー画面SC4には、上下方向に並ぶ複数のメニューボタンB1が配置される。メニューボタンB1には、計数を指示する計数ボタンB1aが含まれる。左用メニュー画面SC3では、貨幣入出金機1Aの左側にいる操作者が操作を行いやすいよう、複数のメニューボタンB1が画面の左端に配置される。また、右用メニュー画面SC4では、貨幣入出金機1Aの右側にいる操作者が操作を行いやすいよう、複数のメニューボタンB1が画面の右端に配置される。
制御部22は、左用メニュー画面SC3において計数ボタンB1aが押されることにより計数の指示を受けると(S405:YES))、操作表示部17に計数のための左用処理開始画面SC5を表示させる(S406)。一方、制御部22は、右用メニュー画面SC4において計数ボタンB1aが押されることにより計数の指示を受けると(S407:YES)、操作表示部17に計数のための右用処理開始画面SC6を表示させる(S408)。
図17(c)および(d)に示すように、左用処理開始画面SC5および右用処理開始画面SC6には、開始の指示を行うための開始ボタンB2と、先の画面(左用メニュー画面SC3、右用メニュー画面SC4)へ戻す指示を行うための戻しボタンB3が配置される。左用処理開始画面SC5では、貨幣入出金機1Aの左側にいる操作者が操作を行いやすいよう、開始ボタンB2および戻しボタンB3が画面の左端に配置される。また、右用処理開始画面SC6では、貨幣入出金機1Aの右側にいる操作者が操作を行いやすいよう、開始ボタンB2および戻しボタンB3が画面の右端に配置される。
制御部22は、左用処理開始画面SC5において開始ボタンB2が押されることにより開始の指示を受けると(S409:YES))、計数処理を実行し(S410)、操作表示部17に左用処理結果画面SC7を表示させる(S411)。一方、制御部22は、右用処理開始画面SC6において開始ボタンB2が押されることにより開始の指示を受けると(S412:YES)、計数処理を実行し(S413)、操作表示部17に右用処理結果画面SC8を表示させる(S414)。
図18(a)および(b)に示すように、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8では、紙幣および硬貨の金種毎の計数結果と合計の計数結果とが金額または枚数で表示される。このため、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8には、金額または枚数の何れの表記とするかを切り替えるための金額ボタンB4および枚数ボタンB5が配置される。左用処理結果画面SC7では、貨幣入出金機1Aの左側にいる操作者が操作を行いやすいよう、金額ボタンB4および枚数ボタンB5が画面の左端に配置される。また、右用処理結果画面SC8では、貨幣入出金機1Aの右側にいる操作者が操作を行いやすいよう、金額ボタンB4および枚数ボタンB5が画面の右端に配置される。
さらに、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8には、終了の指示を行うための終了ボタンB6が配置される。この終了ボタンB6は、操作者が、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8に表示された計数結果を十分に確認した上で操作がなされることが望ましい。そこで、終了ボタンB6が安易に操作されないよう、左用処理結果画面SC7では、貨幣入出金機1Aの左側にいる操作者から遠くなる画面の右端に終了ボタンB6が配置され、右用処理結果画面SC8では、貨幣入出金機1Aの右側にいる操作者から遠くなる画面の左端に終了ボタンB6が配置される。
制御部22は、左用処理結果画面SC7または右用処理結果画面SC8において、終了ボタンB6が押されることにより終了の指示を受けると(S415:YES)、今回の処理を終了する。操作表示部17では、待機画面が表示される。
図19は、変更例に係る、入金処理のための制御動作を示すフローチャートである。
図19を参照して、制御部22は、上位端末2から入金の指示を受けると(S501:YES)、左右何れの上位端末2からの指示がなされたのかを判定する(S502)。左側の上位端末2から指示がなされた場合(S502:左)、貨幣入出金機1Aが左側の操作者による占有状態となるため、制御部22は、操作表示部17に左用処理開始画面SC5を表示させる(S503)。一方、右側の上位端末2から指示がなされた場合(S502:右)、貨幣入出金機1Aが右側の操作者による占有状態となるため、制御部22は、操作表示部17に右用処理開始画面SC6を表示させる(S504)。なお、計数処理では、左用処理開始画面SC5および右用処理開始画面SC6に、開始される処理が計数処理であることを示す「計数」の文字が表示されたが、入金処理では、左用処理開始画面SC5および右用処理開始画面SC6に、開始される処理が入金処理であることを示す「入金」の文字が表示される。
制御部22は、左用処理開始画面SC5において開始ボタンB2が押されることにより開始の指示を受けると(S505:YES))、入金処理を実行し(S506)、操作表示部17に左用処理結果画面SC7を表示させる(S507)。一方、制御部22は、右用処理開始画面SC6において開始ボタンB2が押されることにより開始の指示を受けると(S508:YES)、入金処理を実行し(S509)、操作表示部17に右用処理結果画面SC8を表示させる(S510)。なお、計数処理では、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8に計数結果(計数枚数、計数金額)が表示されたが、入金処理では、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8に入金結果(入金枚数、入金額)が表示される。
制御部22は、左用処理結果画面SC7または右用処理結果画面SC8において、終了ボタンB6が押されることにより終了の指示を受けると(S511:YES)、今回の処理を終了する。操作表示部17では、待機画面が表示される。
なお、入金処理では、左用処理結果画面SC7および右用処理結果画面SC8において、終了ボタンB6の隣に返却ボタン(図示せず)が配置される。入金処理では、終了ボタンB6が押されることにより、一時保留部200内の紙幣が、対応するスタッカ190内に収納されるが、返却ボタンが押された場合には、一時保留部200内の紙幣が出金部120に返却される。
これらの変更例によれば、操作表示部17において、貨幣入出金機1Aに計数処理や入金処理に係る動作を指示するための各種ボタンB1〜B6の配置が、貨幣入出金機1Aが左右何れの操作者の占有状態とされているかに応じて変更される。このため、左右何れの操作者からも操作表示部17でのボタン操作が行いやすくなる。
なお、メニューボタンB1、開始ボタンB2、戻しボタンB3、金額ボタンB4、枚数ボタンB5および終了ボタンB6が、特許請求の範囲に記載の「指示部」に対応する。
また、上記第1実施形態では、画像領域R1が左側に、コメント領域R2が右側に表示された。しかしながら、貨幣入出金機1Aの処理が左右何れの操作者の占有状態にあるかに応じて、画像領域R1とコメント領域R2の配置を変更することとしてもよい。たとえば、左用ガイダンス画面SC1において画像領域R1が右側に、コメント領域R2が左側に表示されてもよく、右用ガイダンス画面SC2において画像領域R1が左側に、コメント領域R2が右側に表示されてもよい。
さらに、上記第1実施形態では、左用ガイダンス画面SC1および右用ガイダンス画面SC2が貨幣入出金機1Aの操作表示部17に表示された。しかしながら、左側の操作者が操作を行う上位端末2のディスプレイ2aに左用ガイダンス画面SC1が表示され、右側の操作者が操作を行う上位端末2のディスプレイ2aに右用ガイダンス画面SC2が表示されるようにしてもよい。この場合、制御部22は、図4のS103およびS104の処理に替わって、上位端末2のコントローラ2bに左用ガイダンス画面SC1あるいは右用ガイダンス画面SC2を表示させるための指令を送信することにより、上位端末2のディスプレイ2aに左用ガイダンス画面SC1あるいは右用ガイダンス画面SC2を表示させる。なお、ディスプレイ2aは、特許請求の範囲の請求項9に記載の「表示部」に対応する。
さらに、操作表示部17を旋回させるための駆動部30の構成は、上記第2実施形態や上記変更例において例示された構造に限らず、如何なる構造のものであってもよい。
さらに、上記第2実施形態の変更例では、操作者の位置を検知するために撮像部40が利用された。しかしながら、撮像部40以外の検知部、たとえば、赤外線センサや超音波センサなどが利用されてもよい。
さらに、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、紙幣入出金ユニット11および硬貨入出金ユニット12を備える貨幣入出金機1A、1Bが、本発明の貨幣処理装置の一例として挙げられた。しかしながら、本発明は、紙幣入出金ユニット11のみを備える紙幣入出金機や硬貨入出金ユニット12のみを備える硬貨入出金機、あるいは、出納機や両替機など、その他の貨幣処理装置に適用することもできる。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。