JP6918298B2 - 携帯機器用のマイクロブレーカ及び携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてスマートフォンやタブレットなどの携帯機器に保護素子として使用される携帯機器用のマイクロブレーカとその製造方法に関する。
本明細書において「マイクロブレーカ」は、厚さを2mm以下とする超小型のブレーカを意味するものとする。
携帯機器は、電池の保護素子としてPTC、ヒューズ、マイクロブレーカを内蔵する。PTCは設定温度よりも高くなるとトリップして抵抗値が急激に大きくなって電流を遮断し、ヒューズは設定温度になると溶断して電流を遮断し、マイクロブレーカは設定温度になると可動接点を固定接点から離して電流を遮断する。PTCはトリップしない状態における電気抵抗である低抵抗値が接点の接触抵抗よりも大きく、大電流の携帯機器において電力ロスが大きくなる欠点がある。ヒューズは溶断するとその後に再使用できなくなる欠点がある。マイクロブレーカは、携帯機器を落下させる等の衝撃で可動接点が固定接点から離れて電源を瞬間的にオフに切り換える瞬断を防止できない。マイクロブレーカはオン状態において、接点の接点抵抗値が小さく、大電流における電力ロスを小さくできるので、特有の欠点である瞬断を防止して携帯機器の保護素子として優れた特性を実現する。
本明細書において、PTCがトリップしない状態における電気抵抗である「低抵抗値」は20℃におけるPTCの電気抵抗を意味する。
落下などの衝撃で瞬間的に接点が離れて起こる瞬断を防止するマイクロブレーカは開発されている。(特許文献1参照)
特開2013−110034号公報
特許文献1に開示されるブレーカは、衝撃による振動で可動接点が固定接点から離れて起こる瞬断を防止するために、ケース内にスペーサを設けている。スペーサは、衝撃を受けてPTCやバイメタルが振動するのを防止して瞬断を防止する。マイクロブレーカは、可動接点と固定接点との間にバイメタルとPTCとを内蔵し、バイメタルは設定温度になると反転して、可動接点を固定接点から離して接点をオフに切り換える。PTCは、接点のオフ状態で通電されてバイメタルを加温する。加温されるバイメタルは反転状態に保持されて、接点をオフ状態に保持する。この構造のブレーカは、衝撃を受けるとバイメタルやPTCが振動する。バイメタルやPTCの振動を防止するために、スペーサを配置している。スペーサは隙間を塞いで振動を防止する。
スペーサで隙間を少なくして振動による瞬断を防止する構造は、隙間を極めて高い精度で調整して組み立てるのが極めて難しい。とくに、全体の厚さを約1mmとし、離れた接点間隔を100μm程度とするマイクロブレーカにおいて、ケース内に固定接点板とPTCとバイメタルと可動接点板を積層して、スペーサで振動を防止するように隙間を少なくするのは極めて難しい。部品加工と組み立てに、極めて高い精度が要求されるからである。さらにマイクロブレーカは、先端に可動接点を固定している弾性アームを変形させて接点をオンオフに切り換え、さらにバイメタルを反転させて接点をオフに切り換えるので、弾性アームを変形させるスペースを必要とし、さらにバイメタルを反転させるスペースも必要とするので、これ等のスペースを設けて、反転するバイメタルとPTCとを隙間なく可動接点板と固定接点板との間に配置するのは現実的には極めて難しい。また、仮にバイメタルとPTCとの隙間を皆無にできるとしても、弾性アームの衝撃による振動を阻止することはできない。とくに、弾性アームには厚さを約100μm程度とする極めて薄い金属板を使用し、さらに遮断時の接点間隔を100μm程度とするマイクロブレーカは、接点の接触圧は弱く、落下などの衝撃で振動して起こる瞬断を防止できない。したがって、マイクロブレーカは、スペーサを設けて落下などの衝撃で起こる瞬断を少なくできるとしても、強い衝撃による瞬断を安定して阻止できない。
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、強い衝撃による瞬断を確実に防止できるマイクロブレーカとその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、部品加工や組み立てに高い精度が要求されず、安価に多量生産しながら瞬断を確実に阻止できるマイクロブレーカとその製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のマイクロブレーカは、電池と直列に接続される携帯機器用のマイクロブレーカであって、弾性アーム5の先端に可動接点3を設けてなる可動接点板1と、可動接点3との対向位置に固定接点4を設けてなる固定接点板2と、設定温度において可動接点3を固定接点4から離してオフ状態とするバイメタル6と、固定接点板2と可動接点板1とに接続してなる瞬断防止用のPTC7Yと、可動接点板1と固定接点板2との間に、設定温度になると反転して可動接点3を固定接点4から離すバイメタル6と、このバイメタル6と固定接点板2との間にバイメタル6を加熱して反転状態に保持する自己保持用のPTC7Xとを内蔵しており、自己保持用のPTC7Xが瞬断防止用のPTC7Yに兼用されてなり、さらに、可動接点板1と固定接点板2を固定しているケース8と、PTC7の表面に接続され、かつ端部をケース8の外部に引き出してなる外部接続端子19としてなるリードワイヤー14とを備え、さらに、外部接続端子19と可動接点板1との間に絶縁シート17を備えて、外部接続端子19を可動接点板1に接続する。
以上のマイクロブレーカは、固定接点板と可動接点板とに瞬断防止用のPTCを接続しているので、可動接点が固定接点から離れた瞬間に、瞬断防止用のPTCが可動接点と固定接点とを導通させるので、強い衝撃で可動接点が固定接点から離れて起こる瞬断を防止できる。瞬断防止用のPTCは、衝撃で接点が離れるときに通電して接点を接続する状態に保持し、接点が連続して離れる状態では、通電される電流で発熱してトリップし、電気抵抗が増大して電流を遮断する。このため、衝撃で接点が一時的に離れる状態では、瞬断防止用のPTCが接点を接続する状態として瞬断を防止するが、接点が連続して離れると瞬断防止用のPTCをトリップさせてブレーカを遮断状態とする。
さらに、以上のマイクロブレーカは、接点と並列に接続している瞬断防止用のPTCで、接点が瞬間的に離れて起こる瞬断を防止するので、従来のブレーカのように、ケース内にスペーサを設けて隙間を調整して瞬断を防止するブレーカのように、高い精度で部品加工し、また組み立てする必要がなく、安価に多量生産できる。さらに、以上のマイクロブレーカは、自己保持用のPTCを瞬断防止用のPTCに使用するので、瞬断防止用のPTCとして専用のPTCを追加することなく瞬断を防止できる特徴がある。さらに、以上のマイクロブレーカは、ケースの外部に引き出してなる外部接続端子をリードワイヤーに設けて、この外部接続端子と可動接点板の間に絶縁シートを配置して、外部接続端子を可動接点板に接続しているので、絶縁シートでリードワイヤーを可動接点板から絶縁する状態で組み立てできる。したがって、リードワイヤーを可動接点板に接続しない状態で接点を活性化処理でき、接点を活性化処理した後、リードワイヤーを可動接点板に接続して、PTCで接続の瞬断を防止できる。すなわち、接点を活性化処理によって低抵抗な状態としながら、瞬断を防止できる特徴がある。
また、本発明のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yの一方の電極をハンダ付け、溶接、接着の何れかで固定接点板1に接続し、瞬断防止用のPTC7Yの他方の電極をハンダ付け、溶接、接着の何れかで可動接点板2に接続することができる。
以上のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTCと固定接点板及び可動接点板とをハンダ付け、溶接、接着の何れかで固定しているので、極めて強い衝撃における瞬断を確実に防止できる特徴がある。それは、強い衝撃を受けても、瞬断防止用のPTCが可動接点板と固定接点板とに安定して接続されるからである。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、可動接点板1と固定接点板2との間に、設定温度になると反転して可動接点3を固定接点4から離すバイメタル6と、このバイメタル6と固定接点板2との間にバイメタル6を加熱して反転状態に保持する自己保持用のPTC4Xとを内蔵して、自己保持用のPTC7Xを瞬断防止用のPTC7Yに兼用することができる。
以上のマイクロブレーカは、自己保持用のPTCを瞬断防止用のPTCに使用するので、瞬断防止用のPTCとして専用のPTCを追加することなく瞬断を防止できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、可動接点板1と固定接点板2を固定しているケース8と、PTC7の表面に接続され、かつ端部をケース8の外部に引き出してなる外部接続端子19としてなるリードワイヤー14とを備え、さらに、外部接続端子19と可動接点板1との間に絶縁シート17を備えて、外部接続端子19を可動接点板1に接続することができる。
以上のマイクロブレーカは、ケースの外部に引き出してなる外部接続端子をリードワイヤーに設けて、この外部接続端子と可動接点板の間に絶縁シートを配置して、外部接続端子を可動接点板に接続しているので、絶縁シートでリードワイヤーを可動接点板から絶縁する状態で組み立てできる。したがって、リードワイヤーを可動接点板に接続しない状態で接点を活性化処理でき、接点を活性化処理した後、リードワイヤーを可動接点板に接続して、PTCで接続の瞬断を防止できる。すなわち、接点を活性化処理によって低抵抗な状態としながら、瞬断を防止できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、絶縁シート17を、リードワイヤー14の表面に接着してなる5μm以上であって50μm以下の熱可塑性のプラスチックフィルムとすることができる。
このマイクロブレーカは、絶縁シートを薄膜のプラスチックフィルムとするので、接点を活性化処理し、また瞬断を防止する特徴を実現しながら全体を薄くできる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、リードワイヤー14をバイメタル6とPTC7との間に配設して、バイメタル6との対向面に絶縁シート17を設けることができる。
以上のマイクロブレーカは、バイメタルとの対向面に絶縁シートを配置して、バイメタルと可動接点板をPTCから絶縁するので、接点を活性化処理する工程で、PTCの上側電極と可動接点板とを確実に絶縁状態に維持できる。したがって、絶縁を確実にして、安定して活性化処理できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、リードワイヤー14を、絶縁シート17を介して可動接点板1に積層してケース8に固定することができる。
以上のマイクロブレーカは、ケースの組み立て工程で、リードワイヤーと可動接点板とを簡単にケースに固定できる。また、ケースに固定する状態で、リードワイヤーと可動接点板とを絶縁状態にできるので、接点を活性化処理して接触抵抗を小さくできる。また、組み立て後にリードワイヤーを可動接点板に接続できるので、PTCで接点の瞬断を防止できる特徴も実現する。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、リードワイヤー14をリフローハンダでPTC7の表面に接続することができる。
以上のマイクロブレーカは、リードワイヤーとPTCとを安定して接続でき、PTCで瞬断を確実に防止できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、PTC7をリフローハンダで固定接点板2に接続することができる。
以上のマイクロブレーカは、PTCもリフローハンダして固定接点板に接続しているので、PTCを固定接点板と可動接点板の両方を安定して接続できる。したがって、PTCによる接点の瞬断防止効果をより確実にできる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、リードワイヤー14を、位置決め構造18でケース8の定位置に配置することができる。
以上のマイクロブレーカは、位置決め構造でもって、リードワイヤーをケースの定位置に位置ずれしないようにセットできるので、小さくて薄い金属板のリードワイヤーを使用しながら、能率よく多量生産できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、位置決め構造18を、リードワイヤー14に設けた位置決め穴18Aと、ケース8に設けられて位置決め穴18Aに挿入される位置決め凸部18Bとで構成し、位置決め凸部18Bを位置決め穴18Aに挿入して、リードワイヤー14をケース8の定位置に配置することができる。
以上のマイクロブレーカは、位置決め凸部を位置決め穴に挿入して、リードワイヤーをケースの定位置に位置ずれしないようにセットできるので、小さくて薄い金属板のリードワイヤーを使用しながら、能率よく多量生産できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、電池と直列に接続される携帯機器用のマイクロブレーカであって、弾性アーム5の先端に可動接点3を設けてなる可動接点板1と、可動接点3との対向位置に固定接点4を設けてなる固定接点板2と、設定温度において可動接点3を固定接点4から離してオフ状態とするバイメタル6と、固定接点板2と可動接点板1とに接続してなる瞬断防止用のPTC7Yと、可動接点板1と固定接点板2を固定しているケース8を備えて、瞬断防止用のPTC7Yをケース8の外部に配置されてなる。
以上のマイクロブレーカは、自己保持用のPTCをケースの外部に配置するので、従来のマイクロブレーカ変更することなく使用して瞬断を防止できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、固定接点板2をケース8の底面に沿って固定し、ケース8の底面から長手方向に突出してケース8外に接続端子13を設けて、接続端子13の上面に瞬断防止用のPTC7Yを積層状態に固定することができる。
以上のマイクロブレーカは、全体の厚さを変更することなく瞬断を防止できるので、ラミネート電池のテラス部や角形電池セルの封口板との対向位置に配置できる。このため、ラミネート電池や角形電池セルを備える電池パックの厚さを変更することなく瞬断を防止できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、ケース8の外部に配置してなる瞬断防止用のPTC7Yと、可動接点板1と固定接点板2との間であって、ケース8内に設けられて、設定温度で可動接点3をオフ状態に保持する自己保持用のPTC7Xとを備えることができる。
以上のマイクロブレーカは、自己保持用のPTCと瞬断防止用のPTCとを備えるので、各々のPTCのトリップ温度や低抵抗状態における電気抵抗を最適な抵抗値にできる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、電池と直列に接続される携帯機器用のマイクロブレーカであって、弾性アーム5の先端に可動接点3を設けてなる可動接点板1と、可動接点3との対向位置に固定接点4を設けてなる固定接点板2と、設定温度において可動接点3を固定接点4から離してオフ状態とするバイメタル6と、固定接点板2と可動接点板1とに接続してなる瞬断防止用のPTC7Yと、瞬断防止用のPTC7Yを可動接点板1と固定接点板2に接続するリードワイヤー14を備えて、リードワイヤー14の両端をハンダ付け、溶接、接着のいずれかで瞬断防止用のPTC7Yと可動接点板1と固定接点板2とに接続されてなる。
以上のマイクロブレーカは、リードワイヤーの両端をハンダ付けや溶接して、自己保持用のPTCを可動接点板と固定接点板とに連結するので、自己保持用のPTCをより確実に可動接点板と固定接点板とに接続できる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yの通電状態における低抵抗値が、可動接点3が固定接点4に接触する状態における抵抗値である接点抵抗値の10倍以上とすることができる。
以上のマイクロブレーカは、接点が接続される状態において、自己保持用のPTCに流れるバイパス電流を小さくして、ブレーカに流れる電流のほとんどを接点に流すことができる。このため、自己保持用のPTCのバイパス電流による温度上昇を少なくして、バイパス電流によるトリップを確実に防止できる特徴がある。
さらにまた、本発明のマイクロブレーカは、接点抵抗値が5mΩ以下で、瞬断防止用のPTC7Yの低抵抗値を4Ω以下とすることができる。
以上のマイクロブレーカは接点抵抗値が小さく、自己保持用のPTCのバイパス電流を小さくできる特徴がある。
さらに、本発明のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yの低抵抗値を20mΩ以上とすることができる。
本発明のマイクロブレーカの製造方法は、アームの先端に可動接点3を設けてなる可動接点板1と、可動接点3との対向位置に固定接点4を設けてなる固定接点板2と、設定温度において可動接点3を固定接点4から離してオフ状態とするバイメタル6と、固定接点板2と可動接点板1とに接続してなる瞬断防止用のPTC7Yとを備える携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法であって、瞬断防止用のPTC7Yを可動接点板1と固定接点板2の何れか一方に接続し、あるいは両方に接続しない状態で可動接点3と固定接点4を活性化処理し、活性化処理の後、瞬断防止用のPTC7Yを固定接点板2と可動接点板1に接続する。
以上の製造方法は、接点を活性化処理して接触抵抗を小さくしながら、衝撃による接点の瞬断をPTCで防止できるマイクロブレーカを製造できる特長がある。マイクロブレーカは、全体の厚さが約1mm程度と極めて小さく、可動接点板には薄い金属板を使用する必要があって接点の接触圧を高くできない。このため、接点の接触抵抗を小さく安定させるのが極めて難しい。ところが、以上の製造方法は、瞬断防止用のPTCを可動接点板と固定接点板の何れか一方に接続し、あるいは両方に接続しない状態で可動接点と固定接点を活性化処理する。したがって、この状態で接点を活性化処理して接触抵抗を小さくできる。さらに、接点を活性化処理して接触抵抗を小さくした後、固定接点板と可動接点板との間に瞬断防止用のPTCを接続するので、このPTCでもって接点の瞬断を防止でき、携帯電話等の保護素子に使用されて、ユーザーが落下などで衝撃を与えても、マイクロブレーカの瞬断による弊害が起こらず、種々の携帯機器の保護素子に便利に使用できる。
また、本発明のマイクロブレーカの製造方法は、可動接点板1と固定接点板2を固定しているケース8と、瞬断防止用のPTC7Yの表面に接続され、かつ端部をケース8の外部に引き出してなる外部接続端子19とするリードワイヤー14とを備える携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法であって、外部接続端子19と可動接点板1との間に絶縁シート17を配置して、リードワイヤー14と可動接点板1とを絶縁状態とする絶縁工程と、絶縁工程でリードワイヤー14と可動接点板1とを絶縁状態に保持して可動接点3と固定接点4とを活性化する活性化工程と、活性化工程で接点10を活性化した後、ケース8の外部で外部接続端子19を可動接点板1に接続する接続工程とで製造することができる。
以上の製造方法は、リードワイヤーを可動接点板から絶縁して組み立てられるので、瞬断防止用のPTCを可動接点板に接続しない状態で組み立てできる。したがって、リードワイヤーと可動接点板の絶縁状態で接点を活性化処理して接触抵抗を小さくできる。さらに、接点を活性化処理して接触抵抗を小さくした後、リードワイヤーを可動接点板に接続するので、完成された状態では瞬断防止用のPTCが固定接点板と可動接点板との間に接続される。このため、完成された状態では、瞬断防止用のPTCでもって接点の瞬断を確実に防止できる。
さらに、本発明のマイクロブレーカの製造方法は、ケース8の定位置に固定接点板2をセットし、固定接点板2の上に瞬断防止用のPTC7Yを載せて、瞬断防止用のPTC7Yの上にリードワイヤー14を載せ、この状態で、リフローハンダで瞬断防止用のPTC7Yの下面を固定接点板2に、上面をリードワイヤー14とに接続することができる。
さらに、本発明のマイクロブレーカの製造方法は、外部接続端子19の先端部に、可動接点板1との間に絶縁シート17が介在されない非絶縁部19aを設けて、絶縁工程において、非絶縁部19aを可動接点板1から離間させてリードワイヤー14と可動接点板1とを絶縁状態とし、活性化工程で接点10を活性化した後、接続工程において、非絶縁部19を可動接点板1に接続してリードワイヤー14を可動接点板1に接続することができる。
以上の製造方法は、ケースの外部に引き出されたリードワイヤーの外部接続端子の先端部に、可動接点板との間に絶縁シートが介在されない非絶縁部を設けて、この非絶縁部を可動接点板から離間させることでリードワイヤーと可動接点板とを確実に絶縁状態として接点を活性化できる。また、接点を活性化した後、非絶縁部を可動接点板に接続してリードワイヤーを可動接点板に接続するので、簡単かつ容易に、しかも安定してリードワイヤーを可動接点板に接続できる特徴がある。
従来のマイクロブレーカの概略構成図である。 本発明のマイクロブレーカの概略構成図である。 本発明の一実施例に係るマイクロブレーカの概略断面図である。 本発明の他の実施例に係るマイクロブレーカの概略断面図である。 図4に示すマイクロブレーカの接点を活性化する工程を示す概略断面図である。 図4に示すマイクロブレーカの断面図である。 図6に示すマイクロブレーカの製造工程を示す工程図である。 本発明の他の実施例に係るマイクロブレーカの概略断面図である。 本発明の他の実施例に係るマイクロブレーカの概略断面図である。 本発明の他の実施例に係るマイクロブレーカの概略断面図である。 本発明の他の実施例に係るマイクロブレーカの概略断面図である。 本発明の他の実施例に係るマイクロブレーカの概略断面図である。 マイクロブレーカの接点がオープン状態に切り換えられて、PTCの電気抵抗が変化する状態を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための携帯機器用のマイクロブレーカを例示するものであって、本発明は携帯機器用のマイクロブレーカを以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明のマイクロブレーカは、主として携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ等の携帯機器に保護素子として使用される。このマイクロブレーカは、電源用の二次電池と直列に接続されて、異常な温度上昇で電流を遮断する保護素子として使用される。マイクロブレーカは、携帯機器の電池パックに保護素子として内蔵される。電池パックは、携帯機器を薄型化することから可能な限り薄くすることが要求される。薄型の電池パックは、ラミネート電池や薄型角形電池を内蔵して全体を薄くし、さらに、ラミネート電池のテラス部や、薄型角形電池の封口板との対向位置にマイクロブレーカを配置して、全体を薄くしている。マイクロブレーカは、ラミネート電池の表面から突出しない外形に製作される。このことから、携帯機器の電池パックに内蔵されるマイクロブレーカは、厚さに制約を受け、一般的に使用されるものでは厚さを約1mmと極めて薄くしている。このマイクロブレーカは、可動接点板とバイメタルとPTCと固定接点板とを所定の間隔でケースに内蔵して、全体の厚さを約1mmと極めて薄くすることから、構造や製造工程に種々の制約を受け、たとえば、先端に可動接点を固定している可動接点板には極めて薄い金属板が使用され、接点の接触圧を高く保持できない。可動接点板は、弾性アームの先端に可動接点を固定して、可動接点を固定接点に接触させる状態でオン、接点を離す状態でオフに切り換えている。薄い金属板の弾性アームの先端に固定している可動接点は接触圧が低く、強い衝撃を受けると固定接点から離れて瞬間的にオフに切り換えられて瞬断の原因となる。
図1と図2は、従来のマイクロブレーカ(図1)と本発明のマイクロブレーカ(図2)の動作原理を示す概略図である。
図1に示す従来のマイクロブレーカにおいて、
(1)は、周囲温度が設定温度よりも低い状態におけるブレーカの通電状態を示す。
この状態でバイメタル96は非反転状態にあって接点90はクローズしている。
(2)は、周囲温度が設定温度よりも高くなってブレーカが電流を遮断する状態を示す。
この状態でバイメタル96は反転して接点90をオープン状態とする。
(3)は、振動で接点90がオープンする状態を示す。
この状態で、バイメタル96は非反転状態にあって接点90がオープン状態となる。
従来のマイクロブレーカは、周囲温度が設定温度よりも低い状態で衝撃を受けると、(3)に示すように、接点90がオープン状態となって電流を遮断する。この状態でバイメタル96は反転しておらず、接点90はPTC97を介して接続されない。この状態は、周囲温度が設定温度よりも低い状態で電流を遮断して瞬断の原因となる。
図2に示す本発明のマイクロブレーカにおいて、
(1)は、周囲温度が設定温度よりも低い状態におけるブレーカの通電状態を示す。
この状態でバイメタル6は非反転状態にあって接点10はクローズしている。
PTC7と接点10とが並列に接続されて通電される。
したがって、この状態でブレーカの電流は、接点10とPTC7とに分流して流れるが、接点10の接触抵抗はPTC7の低抵抗値よりも小さく、ブレーカの電流はほとんど接点10に流れる。
(2)は、周囲温度が設定温度よりも高くなって接点10がオープンとなる状態を示す。
この状態でバイメタル6は反転して接点10をオープン状態とするが、接点10と並列にPTC7が接続されるので、PTC7に通電され、PTC7は電流で加熱されてトリップし、電気抵抗が急激に増加して実質的に電流を遮断する。
(3)は、振動で接点10がオープンする状態を示す。
この状態は、バイメタル6は非反転状態にあって、接点10はオープン状態となる。
接点10と並列にPTC7が接続されるが、トリップしていないPTC7の電気抵抗は小さく、接点10に流れていた電流はPTC7に流れる。したがって、接点10が瞬間的にオープンとなっても、ブレーカは電流を遮断しない。接点10が連続してオープン状態にあると、PTC7がトリップしてPTC7の電気抵抗が急激に大きくなって電流を遮断するが、接点10は衝撃で接点10をオープンとする時間は極めて短く、この状態でPTC7がトリップすることはない。したがって、振動で接点10がオープンとなっても、PTC7に電流が流れて瞬断は防止される。
図2のマイクロブレーカは、内蔵する自己保持用のPTC7Xを瞬断防止用のPTC7Yに使用するが、図1の鎖線で示すように、従来のブレーカの外部に瞬断防止用のPTC7Yを接続して瞬断を防止するブレーカとすることもできる。
図3〜図12は、本発明の実施例にかかるマイクロブレーカの概略断面図を示す。
これ等のマイクロブレーカは、弾性アーム5の先端に可動接点3を設けてなる可動接点板1と、可動接点3との対向位置に固定接点4を設けている固定接点板2と、周囲温度が設定温度に上昇すると反転して可動接点3を固定接点4から離してオープン状態とするバイメタル6と、固定接点板2と可動接点板1とに接続しているPTC7とを備える。図3〜図10のマイクロブレーカは、ケース8内に内蔵するPTC7を、自己保持用のPTC7Xと瞬断防止用のPTC7Yに兼用し、図11と図12のマイクロブレーカは、ケース8内に内蔵するPTC7を自己保持用のPTC7Xとして、ケース8外に瞬断防止用のPTC7Yを配置している。
これ等の図に示すマイクロブレーカは、プラスチック製のケース8に、可動接点板1と固定接点板2とを対向する姿勢で固定して、可動接点板1と固定接点板2との間にバイメタル6と自己保持用のPTC7Xとを配置している。ケース8は内部に中空部9を設けている。中空部9には、可動接点板1の弾性アーム5と、バイメタル6と、PTC7と、固定接点板2を配置している。
可動接点板1は、先端部に設けた弾性アーム5をケース8の中空部9に配置し、中間部をケース8の周壁8Aに固定し、後端部をケース8外に突出して接続端子11としている。
固定接点板2は、ケース8に設けた中空部9に配置されて、弾性アーム5の可動接点3との対向位置に固定接点4を配置して、先端部分をケース8の底部に配置して後端部をケース8の外部に突出して接続端子12としている。図11と図12のブレーカは、固定接点板2の両端部をケース8の外部に突出させて、一方の突出部(図において右側)を接続端子12とし、他方の突出部(図において左側)を接続端子13として瞬断防止用のPTC7Yを接続している。
ブレーカは、バイメタル6を加熱して接点10をオープン状態に保持する自己保持用のPTC7Xと、接点10が瞬間的にオープン状態となって起こる瞬断を防止する瞬断防止用のPTC7Yとを備えるが、図3〜図10のブレーカは、ケース8に内蔵する自己保持用のPTC7Xを瞬断防止用のPTC7Yに兼用し、図11と図12のブレーカは、ケース8内に自己保持用のPTC7Xを内蔵して、ケース8の外部に瞬断防止用のPTC7Yを接続している。
ケース8に内蔵されるPTC7とケース8の外部に接続されるPTC7は、設定温度よりも低い状態では低抵抗な低抵抗値となり、設定温度よりも高くなるとトリップして電気抵抗が急激に増加して電流遮断抵抗値となって電流はほとんど流れなくなる。したがって、トリップするPTC7は、実質的には電流を遮断するオープン状態となる。自己保持用のPTC7Xは、接点10がオープン状態になると通電されてバイメタル6を加熱して、接点10をオープン状態に保持する。PTC7は、通電されてトリップ温度になると電流を遮断し、トリップ温度まで低下すると再び低抵抗値となるので、接点10のオープン状態ではトリップ温度に保持される。トリップ温度に保持されるPTC7は、バイメタル6を加温して反転状態に保持して接点10をオープン状態に保持する。
接点10と並列に接続される瞬断防止用のPTC7Yは、接点10が瞬間的にオープン状態となるとき低抵抗な状態にある。瞬間的な接点10のオープン状態において、PTC7の温度がトリップ温度よりも低いからである。連続して接点10がクローズする状態で、瞬断防止用のPTC7Yは低抵抗な低抵抗値にあるので、ブレーカの電流は、低抵抗な瞬断防止用のPTC7Yと接点10の両方に流れる。接点10と瞬断防止用のPTC7Yの電流比は、接点10の接触抵抗と瞬断防止用のPTC7Yの低抵抗値の比率で特定され、瞬断防止用のPTC7Yの低抵抗値が大きいと、PTC7の電流は小さくなって、接点の電流は大きくなる。瞬断防止用のPTC7Yは、電流を小さくして温度上昇を小さくできる。PTC7の発熱量が、電流の二乗と低抵抗値の積となるからである。接点10のクローズ状態において、瞬断防止用のPTC7Yは電流による温度上昇を小さくすることが要求される。瞬断防止用のPTC7Yの電流は、PTC7の低抵抗値と接点10の接触抵抗との比率で特定されるので、瞬断防止用のPTC7Yの低抵抗値は接点10の接触抵抗を考慮して最適な抵抗値に設定される。
クローズ状態にある接点10の接触抵抗は5mΩ以下と相当に小さい。とくに、活性化処理は接点10の接触抵抗を小さくする。接点10にPTC7を並列に接続する状態では、接点10の接触抵抗よりもPTC7の抵抗を大きくして、PTC7の電流を小さく、電流によるPTC7の発熱を小さくできる。PTC7の電流による発熱を少なくするために、PTC7の低抵抗値は、例えば20mΩ以上、好ましくは30mΩ以上、さらに好ましくは50mΩ以上とする。PTC7の低抵抗値を20mΩ以上、接点10のクローズ状態における接触抵抗を5mΩ以下として、接点10のクローズ状態において、PTC7の電流は接点電流の1/4以下にできる。接点10の接触抵抗に対するPTC7の低抵抗値を大きくすることで、接点10のクローズ状態におけるPTC7の電流を小さくできるので、PTC7の低抵抗値は、好ましくは接点10の接触抵抗の10倍以上として、接点10の電流の1/10以下とする。PTC7の低抵抗値は、衝撃で接点10が一時的にオープンする状態でブレーカの内部抵抗となる。ブレーカの電流が全てPTC7に流れるからである。PTC7の低抵抗値が大き過ぎると、接点10のオープン状態におけるブレーカの内部抵抗が大きくなって、瞬断を確実に安定して防止するのが難しくなる。このことから、PTC7の低抵抗値は4Ω以下、好ましくは500mΩ以下、さらに好ましくは300mΩ以下に設定される。
瞬断防止用のPTC7Yのトリップ温度は、内蔵するバイメタル6が反転して接点10をオープン状態に切り換えて電流を遮断する温度、すなわちマイクロブレーカの設定温度よりも高く設定される。衝撃で接点10が瞬間的にオープン状態となる接点10の瞬断状態で、PTC7がトリップすると、PTC7の電気抵抗が大きくなってマイクロブレーカの瞬断を防止できないからである。
図13は、マイクロブレーカの接点がオープン状態に切り換えられて、PTCの電気抵抗が変化する状態を示している。この図は横軸を時間軸とし、縦軸は接点のオンオフ(実線A)とPTCの電気抵抗(鎖線B)を示している。ただし、実線Aは、周囲温度が設定温度よりも高くなって接点が連続してオープン状態に切り換えられる状態を示している。この図に示すように、周囲温度が設定温度よりも高くなって、バイメタルが反転して接点がオープン状態に切り換えられるタイミングで、PTCはトリップしない低抵抗値を示している。PTCのトリップ温度がマイクロブレーカの設定温度よりも高いからである。この状態で、マイクロブレーカの電流はPTCに流れる。PTCの電流はPTCを加熱して温度上昇させる。温度上昇するPTCはトリップ温度を越えると電気抵抗が急激に増加して高抵抗値を示す状態となる。高抵抗値のPTCは、マイクロブレーカの電流を著しく小さく制限する。
図13の一点鎖線Cは、衝撃で接点が瞬間的にオープン状態に切り換えられる状態を示している。マイクロブレーカは、可動接点が振動して接点を一時的に瞬断するので、瞬断が複数回に渡ることがある。複数回の瞬断においても、瞬断時間(T1、T2)を加算するトータル時間(T)(ただし、T=T1+T2)は、約数msec以下である。PTCのトリップ時間(Tp)は、接点が瞬断するトータル時間(T)よりも長く、例えば10msecよりも長く、好ましくは100msecよりも長く、さらに好ましくは1000msecよりも長く設定される。PTCのトリップ時間(Tp)が瞬断時間(T1、T2)よりも短いと、接点が瞬断する状態でPTCがトリップして瞬断を防止できないからである。
PTCのトリップ時間(Tp)はPTCの発熱量で変化する。発熱量が多くなると温度上昇が急峻になってトリップ時間(Tp)は短くなる。PTCの電気抵抗は発熱量に影響を与え、電気抵抗に比例して発熱量は大きくなる。接点が瞬断する状態で、PTCは低抵抗値にあるので、PTCは低抵抗値を小さくしてトリップ時間(Tp)を長くできる。PTCは低抵抗値を、4Ω以下、好ましくは500mΩ以下、さらに好ましくは300mΩ以下に設定して、トリップ時間(Tp)を瞬断のトータル時間(T)よりも長くできる。
PTC7の発熱量、すなわち温度上昇は、接点10のオープン状態でPTC7に流れる電流と低抵抗値とで特定される。PTC7の温度上昇はトリップ時間を特定し、発熱量が大きくなって温度上昇が急峻になるとトリップ時間は短くなる。したがって、PTC7の低抵抗値は発熱量を特定し、発熱量はトリップ時間を特定する。このため、瞬断防止用のPTC7Yの低抵抗値は、接点10のオープン状態でPTC7がトリップするまでの時間が接点10の瞬間的なオープン時間よりも長くする抵抗値に設定される。
マイクロブレーカが衝撃を受けて接点10を瞬間的にオープンする時間は、弾性アーム5の長さ、可動接点板1の材質と厚さ、衝撃の大きさなどで変化するが、通常は数msec以下である。瞬断防止用のPTC7Yのトリップ時間は、衝撃で接点10が瞬間的にオープンする時間よりも短い。したがって、接点10が瞬間的にオープン状態になっても、接点10のオープン状態でPTC7がトリップすることはなく、瞬間的にオープンする接点10には低抵抗なPTC7が接続されて瞬断は防止される。
バイメタル6は、PTC7と可動接点板1の間に配置される。バイメタル6は、熱膨張率が異なる異種金属板を積層したもので、周囲温度が設定温度よりも低い状態で非反転状態にあり、設定温度よりも高くなると反転して弾性アーム5を押し上げて接点10をオープン状態とする。非反転状態にあるバイメタル6は、弾性アーム5を押し上げることがなく、接点10をクローズ状態とする。このバイメタル6は、図3〜図12に示すように中央部を弾性アーム5に向かって突出させる形状に湾曲している。周囲温度が設定温度よりも高くなって反転すると、弾性アーム5を押し上げて接点10をオープン状態とする。反転するバイメタル6は、図2の(2)に示すように、中央部を下方に突出させる形状に変形して弾性アーム5を押し上げて接点10をオープン状態とする。
図3〜図12のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yの接続構造が異なる。瞬断防止用のPTC7Yは、図において上下に電極を設けており、一方の電極を可動接点板1に、他方の電極を固定接点板2に接続している。PTC7は、電極を直接に、あるいはリードワイヤー14を介して可動接点板1と固定接点板2に接続している。リードワイヤー14は導電性の金属線や金属板である。PTC7の電極と可動接点板1及び固定接点板2への接続は、ハンダ付け、溶接、接着、導電性接着剤による接着、カシメ構造による固定などが使用できる。接着は、導電性接着剤で接着し、あるいはリードワイヤーと金属板とを接触状態に積層して電気的に接続する状態で導電性のない接着剤で接着することもできる。
図3〜図6のマイクロブレーカは、ケース8に内蔵するPTC7を瞬断防止用のPTC7Yと自己保持用のPTC7Xの両方に兼用するもので、PTC7の下側電極7aは固定接点板2に、上側電極7bはリードワイヤー14を介して可動接点板1に接続している。図4と図5は、図6に示すマイクロブレーカの概略断面図である。PTC7の下側電極7aは、ハンダ付け、溶接、接着などで固定接点板2の上面に接続される。PTC7の上側電極7bはリードワイヤー14を介して可動接点板1に接続している。上側電極7bは、ハンダ付け、溶接、接着等の方法でてリードワイヤー14に接続され、リードワイヤー14と可動接点板1は、ハンダ付け、溶接、接着、カシメ構造などで接続される。図3のマイクロブレーカは、リードワイヤー14をケース8の周壁8Aで可動接点板1に接続し、図4のマイクロブレーカは、組み立て後にリードワイヤー14をケース8の外部で可動接点板1に接続している。図4〜図6のマイクロブレーカは、リードワイヤー14の端部をケース8の外部に引き出して外部接続端子19としており、この外部接続端子19を可動接点板1に接続しない状態で接点10を活性化処理し、その後、外部接続端子19を可動接点板1に接続して、リードワイヤー14を可動接点板1に接続する。
接点10の活性化処理は、図5に示すように、可動接点板1と固定接点板2とを電源30に接続する状態でマイクロブレーカを超音波振動し、接点間に放電させて実現する。電源30は直流電源が適しているが、低周波の交流電源も使用できる。電源30は、クローズ状態の接点10に電流を流して回路に電流のエネルギーを供給し、超音波振動は接点10を振動させる。振動する接点10はクローズ状態とオープン状態とを短い周期で繰り返す。接点10がオープンされた瞬間に、電流のエネルギーによって接点間に高電圧が誘導されて放電する。放電は、接点10の対向面で発生して、接点10の接触面を活性化する。放電によって回路に蓄えられていた電流のエネルギーは消費される。接点10の活性化は、接点10に高電圧を誘導し、この高電圧を放電させることで実現するので、接点間を絶縁状態とする必要がある。瞬断防止用のPTC7Yが接点間に並列に接続されていると、PTC7に電流が流れるので高電圧による放電が起こらず、接点10の活性化は実現できない。
図4〜図6のマイクロブレーカは、リードワイヤー14をケース8の外部で可動接点板1に接続するので、接点10を活性化処理した後、瞬断防止用のPTC7Yを可動接点板1に接続する。図4と図6のマイクロブレーカは、リードワイヤー14と可動接点板1とを積層してケース8に固定している。リードワイヤー14は、位置決め構造18を介してケース8の定位置に配置される。図4と図6に示す位置決め構造18は、リードワイヤー14に設けた位置決め穴18Aと、下ケース8Yに設けられて位置決め穴18Aに挿入される位置決め凸部18Bとで構成されている。リードワイヤー14は、位置決め凸部18Bが位置決め穴18Aに挿入されて、ケース8の定位置に配置される。
このマイクロブレーカは、上ケース8Xと下ケース8Yの周壁8Aでリードワイヤー14と可動接点板1とを挟着して固定できる。組み立て状態でリードワイヤー14と可動接点板1を絶縁するために、リードワイヤー14と可動接点板1との間に絶縁シート17を挟んで周壁8Aに固定している。絶縁シート17は、熱可塑性のプラスチックシートで、リードワイヤー14の表面に接着して設けられる。絶縁シート17は、接点10の活性化処理において、可動接点板1とリードワイヤー14との間に発生する高電圧に耐える絶縁電圧の材質と厚さとする。たとえば絶縁シート17は、5μm〜50μmのポリイミドアミド等のプラスチックシートとする。
さらに、図4〜図6のマイクロブレーカは、リードワイヤー14の端部であって、ケース8から引き出された外部接続端子19の先端部に、可動接点板1との間に絶縁シート17が介在されない非絶縁部19aを設けている。このマイクロブレーカは、図5に示すように、外部接続端子19の先端部を折曲して非絶縁部19aを可動接点板1から離間させることで、リードワイヤー14と可動接点板1とを絶縁状態とすることができる。この状態で、図5に示すように、可動接点板1と固定接点板2とを電源30に接続して、マイクロブレーカを超音波振動し、接点10間に放電させて接点を活性化させる。接点10を活性化した後、図4に示すように、非絶縁部19aを可動接点板1に接続してリードワイヤー14を可動接点板1に接続し、瞬断防止用のPTC7Yを固定接点板2と可動接点板1に接続する。
図4と図6のマイクロブレーカは、好ましくは図7に示す工程で組み立てられる。
(1)下ケース8Yにインサート成形して固定している固定接点板2の上面にクリームハンダを供給する。
(2)クリームハンダを付着している固定接点板2の上にPTC7を載せて、クリームハンダを固定接点板2とPTC7の下側電極7aに密着させる。
(3)PTC7の上側電極7bにクリームハンダを供給する。
(4)PTC7の上にリードワイヤー14をセットする。リードワイヤー14を下ケース8Yの定位置にセットするために、リードワイヤー14は位置決め穴18Aの貫通穴を設けており、下ケース8Yは位置決め穴18Aの挿入位置に位置決め凸部18Bを設けている。位置決め凸部18Bを位置決め穴18Aに挿入して、リードワイヤー14は下ケース8Yの定位置にセットされる。PTC7の上側電極7bに供給されたクリームハンダは、上側電極7bとリードワイヤー14とに密着される。
以上の状態で、固定接点板2を固定している下ケース8Yに、PTC7とリードワイヤー14とがセットされた組み立てパーツ20となる。
(5)上ケースをセットしていない組み立てパーツ20をリフロー炉31に入れて加熱し、クリームハンダを溶融して、PTC7の下側電極7aを固定接点板2に、PTC7の上側電極7bをリードワイヤー14にリフローハンダして固定する。
(6)リフローハンダして固定されたリードワイヤー14の上に、可動接点板1をセットする。このとき、リードワイヤー14と可動接点板1との間に絶縁シート17を積層する。絶縁シート17は、リードワイヤー14と可動接点板1との積層部分であって、外部接続端子19の先端部である非絶縁部19aを除く領域に配置される。また、PTC7と可動接点板1との間にはバイメタル6を配置する。その後、上ケース8Xをセットして、上ケース8Xを下ケース8Yに固定する。上ケース8Xと下ケース8Yは、超音波振動させて周壁を溶着し、あるいは接着剤を介して接着して固定する。
(7)ケース8から引き出されたリードワイヤー14の外部接続端子19の先端部を折曲し、非絶縁部19aを可動接点板1から離間させて、リードワイヤー14が可動接点板1に接続されない絶縁状態として、接点10を活性化処理する。
(8)接点10を活性化処理した後、外部接続端子19の非絶縁部19aを可動接点板1に積層する状態で、リードワイヤー14にレーザービームを照射して、リードワイヤー14を可動接点板1に接続する。
以上の実施例では、リードワイヤー14の先端部に、可動接点板1との間に絶縁シート17が介在されない非絶縁部19aを設けて、この非絶縁部19aを可動接点板1から離間させることで、リードワイヤー14が可動接点板1に接続されない絶縁状態として接点10を活性化処理している。ただ、マイクロブレーカは、リードワイヤーと可動接点板との間に絶縁シートが介在されない領域を設けることなく、リードワイヤーと可動接点板とを、間に配置される絶縁シートで絶縁し、接点を活性化した後、絶縁状態を熱消失してリードワイヤーと可動接点板に接続することもできる。
このような方法として、例えば、絶縁シートを熱可塑性のプラスチックシートとし、リードワイヤーにレーザービームを照射して、レーザービームのエネルギーで絶縁状態を熱消失させると共に、絶縁シートが消失された部分でリードワイヤーを可動接点板に接続することができる。リードワイヤーに照射されるレーザービームは絶縁シートを加熱して消失し、リードワイヤーを溶融して可動接点板に溶接して固定する。以上の方法は、リードワイヤーにレーザービームを照射し、レーザービームのエネルギーで絶縁状態を消失してリードワイヤーを可動接点板に溶接するので、簡単かつ容易に、しかも安定してリードワイヤーを可動接点板に接続できる。
さらに、マイクロブレーカは、図示しないが、リードワイヤーと可動接点板の積層部分をカシメ加工して互いに接続することができ、また、リードワイヤーと可動接点板とを貫通する連結具を介して互いに電気接続することもできる。
図8のマイクロブレーカは、組み立て状態ではPTC7の下側電極7aと固定接点板2を絶縁状態とし、組み立て後に、下側電極7aを固定接点板2に接続する。このマイクロブレーカは、下側電極7aと固定接点板2とを絶縁する状態で接点10を活性化し、その後、下側電極7aを固定接点板2に接続する。マイクロブレーカは、可動接点板1と固定接点板2とを電源に接続する状態で超音波振動して接点10を活性化できる。電源は、クローズ状態の接点10に電流を流す。超音波振動は、接点10を振動させる。振動する接点10は、クローズ状態とオープン状態とを短い周期で繰り返す。接点10は、オープンされた瞬間に放電する。放電によって、クローズ状態で接点10に流れていた電流のエネルギーは消費される。放電のエネルギーは接点10の表面を活性化させる。オープン状態で接点10に放電させるには、接点間を絶縁状態とする必要がある。瞬断防止用のPTC7Yが接点間に並列に接続されていると、PTC7に電流が流れるので高電圧による放電が起こらず、接点10の活性化はできない。
図8のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yの下側電極7aを固定接点板2に絶縁して組み立て、この状態で接点10を活性化する。接点10を活性化した後、PTC7の下側電極7aが固定接点板2に接続されて、PTC7は接点10と並列に接続される。図8のマイクロブレーカは、組み立て状態で下側電極7aと固定接点板2とを絶縁するために、下側電極7aと固定接点板2とに絶縁材15を配置している。絶縁材15は、プラスチックで成形しているケース8で構成し、あるいはケース8とは別部材の絶縁シートを配置する。ケース8の一部で構成される絶縁材15は、固定接点板2をインサート成形する工程で、固定接点板2の上面に設けられて固定接点板2とPTC7の下側電極7aとを絶縁する。ケースとは別に絶縁シートを使用するマイクロブレーカは、組み立て工程で、PTCと固定接点板との間に絶縁シートを配置する。絶縁材15は、接点10を活性化した後、固定接点板2をPTC7の下側電極7aに接続できる構造が要求される。図8のマイクロブレーカは、ケース8の底面と絶縁材15に接続穴16を設けている。ケース8と絶縁材15の接続穴16は、互いに対向する位置に設けられる。このマイクロブレーカは、ケース8の接続穴16からレーザービームを照射して、固定接点板2を溶融してPTC7の下側電極7aを溶接して接続する。図8のマイクロブレーカは、接続穴16に溶融ハンダを注入し、あるいは導電性接着剤を注入して固定接点板2をPTC7に接続することもできる。
図9と図10のマイクロブレーカは、PTC7の両面の電極にリードワイヤー14を接続している。下側電極7aに接続しているリードワイヤー14は固定接点板2に、上側電極7bに接続しているリードワイヤー14は可動接点板1に接続される。このマイクロブレーカは、PTC7の両面電極をリードワイヤー14で固定接点板2と可動接点板1に接続するので、PTC7を確実に接点間に接続できる特徴がある。図9のマイクロブレーカは、PTC7の上側電極7bに接続しているリードワイヤー14を可動接点板1に接続して組み立てられる。このマイクロブレーカは、リードワイヤー14と可動接点板1を接続する状態でケース8の周壁8Aに埋設して組み立てられる。図10のマイクロブレーカは、リードワイヤー14を可動接点板1に接続しない状態で組み立て、接点10を活性化した後、ケース8の外部でリードワイヤー14を可動接点板1に接続する。
図11と図12のマイクロブレーカは、ケース8の内部に自己保持用のPTC7Xを内蔵して、瞬断防止用のPTC7Yをケース8の外部に配置する。このマイクロブレーカは、ケース8の外部に瞬断防止用のPTC7Yを接続するために、固定接点板2をケース8の両端に突出させている。PTC7は、長方形であるケース8の長手方向の一端であって、固定接点板2と可動接点板1の間に配置される。図11のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yの両面の電極に直接に可動接点板1と固定接点板2を接続している。図12のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yの両面の電極にリードワイヤー14を接続し、リードワイヤー14を介して可動接点板1と固定接点板2に接続している。
図11と図12のマイクロブレーカは、瞬断防止用のPTC7Yをケース8の外部に配置するので、従来のマイクロブレーカの構造と形状を変更することなく、またブレーカの厚さと横幅を変更することなく、瞬断防止用のPTC7Yを配置できる特徴がある。マイクロブレーカは、電池の保護素子として主としてパック電池に内蔵されるが、パック電池は、ラミネート電池のテラス部や角形電池セルの封口板との対向位置にマイクロブレーカを配置している。テラス部や封口板との対向位置は、細長い空隙であって長さ方向にスペースの余裕がある。したがって、厚さと横幅を変更することなく、長さのみ変更して瞬断防止用のPTC7Yを配置できるマイクロブレーカは、パック電池を厚くすることなく、瞬断を防止できる特徴を実現する。さらに図11と図12のマイクロブレーカは、瞬断を防止しながら接点10を活性化してクローズ状態における内部抵抗を小さくできる特徴も実現する。
本発明のマイクロブレーカは、落下等の衝撃で瞬間的に接点が離れて起こる瞬断を防止できるブレーカとして、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器に保護素子として好適に使用できる。
1…可動接点板
2…固定接点板
3…可動接点
4…固定接点
5…弾性アーム
6…バイメタル
7…PTC
7a…下側電極
7b…上側電極
7X…自己保持用のPTC
7Y…瞬断防止用のPTC
8…ケース
8X…上ケース
8Y…下ケース
8A…周壁
9…中空部
10…接点
11…接続端子
12…接続端子
13…突出部
14…リードワイヤー
15…絶縁材
16…接続穴
17…絶縁シート
18…位置決め構造
18A…位置決め穴
18B…凸部
19…外部接続端子
19a…非絶縁部
20…組み立てパーツ
30…電源
31…リフロー炉
90…接点
96…バイメタル
97…PTC

Claims (22)

  1. 電池と直列に接続される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    弾性アームの先端に可動接点を設けてなる可動接点板と、
    前記可動接点との対向位置に固定接点を設けてなる固定接点板と、
    設定温度において前記可動接点を前記固定接点から離してオフ状態とするバイメタルと、
    前記固定接点板と前記可動接点板とに接続してなる瞬断防止用のPTCとを備え、
    前記可動接点板と前記固定接点板との間に、設定温度になると反転して前記可動接点を前記固定接点から離す前記バイメタルと、前記バイメタルと前記固定接点板との間にバイメタルを加熱して反転状態に保持する自己保持用のPTCとを内蔵しており、
    前記自己保持用のPTCが前記瞬断防止用のPTCに兼用されてなり、さらに、
    前記可動接点板と前記固定接点板を固定しているケースと、
    前記PTCの表面に接続され、かつ端部を前記ケースの外部に引き出してなる外部接続端子としてなるリードワイヤーとを備え、
    さらに、前記外部接続端子と前記可動接点板との間に絶縁シートを備えると共に、該外部接続端子が該可動接点板に接続されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  2. 請求項1に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記瞬断防止用のPTCの一方の電極がハンダ付け、溶接、接着の何れかで前記固定接点板に接続され、
    前記瞬断防止用のPTCの他方の電極がハンダ付け、溶接、接着の何れかで前記可動接点板に接続されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  3. 請求項1又は2に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記絶縁シートが、前記リードワイヤーの表面に接着されてなる5μm以上であって50μm以下の熱可塑性のプラスチックフィルムとしてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  4. 請求項1ないし3に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記リードワイヤーが前記バイメタルと前記PTCとの間に配設されると共に、前記バイメタルとの対向面に絶縁シートを設けてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記リードワイヤーが前記絶縁シートを介して前記可動接点板に積層されて前記ケースに固定されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記リードワイヤーがリフローハンダで前記PTCの表面に接続されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  7. 請求項に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記PTCがリフローハンダで前記固定接点板に接続されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記リードワイヤーが位置決め構造で前記ケースの定位置に配置されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  9. 請求項に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記位置決め構造が、前記リードワイヤーに設けた位置決め穴と、前記ケースに設けられて前記位置決め穴に挿入される位置決め凸部とで構成され、前記位置決め凸部が前記位置決め穴に挿入されて、前記リードワイヤーが前記ケースの定位置に配置されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  10. 電池と直列に接続される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    弾性アームの先端に可動接点を設けてなる可動接点板と、
    前記可動接点との対向位置に固定接点を設けてなる固定接点板と、
    設定温度において前記可動接点を前記固定接点から離してオフ状態とするバイメタルと、
    前記固定接点板と前記可動接点板とに接続してなる瞬断防止用のPTCと、
    前記可動接点板と前記固定接点板を固定しているケースを備え、
    前記瞬断防止用のPTCが前記ケースの外部に配置されてなる携帯機器用のマイクロブレーカ。
  11. 請求項10に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記瞬断防止用のPTCの一方の電極がハンダ付け、溶接、接着の何れかで前記固定接点板に接続され、
    前記瞬断防止用のPTCの他方の電極がハンダ付け、溶接、接着の何れかで前記可動接点板に接続されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  12. 請求項10又は11に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記固定接点板が前記ケースの底面沿って固定されると共に、ケースの底面から長手方向に突出して前記ケース外に接続端子を設けており、
    前記接続端子の上面に前記瞬断防止用のPTCを積層状態に固定してなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  13. 請求項12に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記ケースの外部に配置してなる瞬断防止用のPTCと、
    前記可動接点板と前記固定接点板との間であって、前記ケース内に設けられて、設定温度で前記可動接点をオフ状態に保持する自己保持用のPTCとを備える携帯機器用のマイクロブレーカ。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記瞬断防止用のPTCを前記可動接点板と前記固定接点板に接続するリードワイヤーを備え、
    前記リードワイヤーは、両端をハンダ付け、溶接、接着の何れか前記瞬断防止用のPTCと前記可動接点板と前記固定接点板とに接続されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  15. 電池と直列に接続される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    弾性アームの先端に可動接点を設けてなる可動接点板と、
    前記可動接点との対向位置に固定接点を設けてなる固定接点板と、
    設定温度において前記可動接点を前記固定接点から離してオフ状態とするバイメタルと、
    前記固定接点板と前記可動接点板とに接続してなる瞬断防止用のPTCと、
    前記瞬断防止用のPTCを前記可動接点板と前記固定接点板に接続するリードワイヤーを備え、
    前記リードワイヤーは、両端をハンダ付け、溶接、接着の何れか前記瞬断防止用のPTCと前記可動接点板と前記固定接点板とに接続されてなることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記瞬断防止用のPTCの通電状態における低抵抗値が、前記可動接点が前記固定接点に接触する状態における抵抗値である接点抵抗値の10倍以上であることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  17. 請求項16に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記接点抵抗値が5mΩ以下で、前記瞬断防止用のPTCの低抵抗値が4Ω以下であることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  18. 請求項16に記載される携帯機器用のマイクロブレーカであって、
    前記瞬断防止用のPTCの低抵抗値が20mΩ以上であることを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカ。
  19. 弾性アームの先端に可動接点を設けてなる可動接点板と、
    前記可動接点との対向位置に固定接点を設けてなる固定接点板と、
    設定温度において前記可動接点を前記固定接点から離してオフ状態とするバイメタルと、
    前記固定接点板と前記可動接点板とに接続してなる瞬断防止用のPTCとを備える携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法であって、
    前記瞬断防止用のPTCを前記可動接点板と前記固定接点板の何れか一方に接続し、あるいは両方に接続しない状態で前記可動接点と前記固定接点を活性化処理し、活性化処理の後、前記瞬断防止用のPTCを前記固定接点板と前記可動接点板に接続することを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法。
  20. 請求項19に記載される携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法であって、
    前記可動接点板と前記固定接点板を固定しているケースと、
    前記瞬断防止用のPTCの表面に接続され、かつ端部を前記ケースの外部に引き出してなる外部接続端子とするリードワイヤーとを備える携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法であって、
    前記外部接続端子と前記可動接点板との間に絶縁シートを配置して、前記リードワイヤーと前記可動接点板とを絶縁状態とする絶縁工程と、
    前記絶縁工程で前記リードワイヤーと前記可動接点板とを絶縁状態に保持して前記可動接点と前記固定接点とを活性化する活性化工程と、
    前記活性化工程で接点を活性化した後、前記ケースの外部で前記外部接続端子を前記可動接点板に接続する接続工程とで製造することを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法。
  21. 請求項20に記載される携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法であって、
    前記ケースの定位置に前記固定接点板をセットし、前記固定接点板の上に前記瞬断防止用のPTCを載せて、該瞬断防止用のPTCの上に前記リードワイヤーを載せ、この状態で、リフローハンダで前記瞬断防止用のPTCの下面を前記固定接点板に、上面を前記リードワイヤーとに接続することを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法。
  22. 旧請求項22のまま
    請求項20又は21に記載される携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法であって、
    前記外部接続端子の先端部に、前記可動接点板との間に前記絶縁シートが介在されない非絶縁部を設けており、
    前記絶縁工程において、前記非絶縁部を前記可動接点板から離間させて前記リードワイヤーと前記可動接点板とを絶縁状態とし、
    前記活性化工程で接点を活性化した後、前記接続工程において、前記非絶縁部を前記可動接点板に接続して前記リードワイヤーを前記可動接点板に接続することを特徴とする携帯機器用のマイクロブレーカの製造方法。
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