以下、実施形態の照明制御システム、照明器具、照明制御方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の照明制御システム1システム構成図の一例を示す図である。照明制御システム1は、相互に通信可能な照明器具100−1から照明器具100−5、制御装置200及び端末装置300を備える。照明制御システム1では、照明器具100−1〜照明器具100−5同士で無線通信が行われ、各照明器具100の照明の出力が調節される。以下、いずれの照明器具であるかを区別しないときは、単に照明器具100と称して説明する。本実施形態の照明制御システム1は、5台の照明器具100を備える場合で説明するが、5台に限定されず、何台で構成されてもよい。
照明器具100は、電灯、電球、LED(Light Emitting Diode)又は蛍光灯等の照明器具である。照明器具100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサやメモリや補助記憶装置などを備える。照明器具100は、無線通信を行うことで、他の照明器具100と情報の送受信を行う。照明器具100は、送受信された情報に基づいて、自装置の照明の出力を決定する。点線の円10から円12は、照明器具100−1から他の照明器具100−2から100−5までの距離を表す。円10の内部に配置される照明器具は、照明器具100−1との距離は0と表される。円11の内部に配置される照明器具100−2は、照明器具100−1との距離は1と表される。円12の内部に配置される照明器具100−3は、照明器具100−1との距離は2と表される。円12の外部に配置される照明器具100−4及び照明器具100−5は、照明器具100−1との距離は3と表される。照明器具100は、人間の存在を検知する。図1の各照明器具100から伸びる矢印20〜矢印23は、照明器具100−1から照明器具100−4が人間の存在を検知できる範囲を表す。
制御装置200は、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。制御装置200は、バスで接続されたCPU等のプロセッサやメモリや補助記憶装置などを備える。制御装置200は、照明器具100に対する制御を行う。照明器具100に対する制御は、例えば、複数の照明器具100をグループ分けする制御又は照明器具100の配置情報の生成する制御である。
端末装置300は、スイッチ、パワーコントローラ等の照明器具100に対して指示を送信する機器である。照明器具100に対して送信される指示には、照明器具100のON又はOFFの切替指示であってもよいし、照明器具100が発する照明の出力を決定する光量指示であってもよい。端末装置300は、スマートフォン、タブレットコンピュータ等の情報処理装置であってもよい。
図2は、実施形態の照明器具100の機能構成を表す機能ブロック図である。照明器具100は、照明制御プログラムを実行することによって人感センサ101、照度センサ102、無線通信部103、照明部104、記憶部105及び制御部106を備える装置として機能する。
人感センサ101は、物体の動き又は物体の温度等を検知することで、所定の範囲内の人間の存在を検出するセンサである。所定の範囲は、例えば、照明器具101−1が備える人感センサの場合、矢印20の範囲で、人間の存在を検出する。照度センサ102は、自装置の周辺の明るさを検出するセンサである。
無線通信部103は、無線ネットワークインタフェースである。無線通信部103は、無線通信方式を用いて、照明器具100と通信する。無線通信部103は、例えば無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の通信方式で通信してもよい。
無線通信部103は、他の照明器具100と相互に通信可能に接続される。無線通信部103は、異なるグループに所属する照明器具100から情報を受信した場合、情報を破棄するように構成されてもよい。
照明部104は、電球、LED又は蛍光灯等の照明部材である。照明部104は、指示された照明出力に応じて、発光する。
記憶部105は、照明制御システム1を稼働させるために用いられる各種のデータを記憶する。記憶部105は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部105は、照明制御情報記憶部107、器具情報記憶部108、グループ情報記憶部109及び距離推定情報記憶部110を備える。
照明制御情報記憶部107は、照明制御テーブルを記憶する。照明制御テーブルは、照明部104の照明出力を記憶する。照明部104は、照明制御テーブルから選択された照明出力の値に応じて、発光する。
器具情報記憶部108は、照明器具100に関する器具情報を記憶する。器具情報には、例えば、照明部104がON又はOFFのいずれの状態であるかを示す状態情報、現在の照明出力を表す照明情報、電流、電圧又は消費電力量等の数値情報、ON又はOFFのディレイ、照明出力の反映速度、不感帯を含む。
グループ情報記憶部109は、グループ情報テーブルを記憶する。グループ情報テーブルは、照明制御システム1に含まれる照明器具100が所属するグループを表す。グループ情報記憶部109には、自装置が所属しないグループに関する照明器具100の情報が含まれていなくてもよい。
距離推定情報記憶部110は、距離推定情報テーブルを記憶する。距離推定情報テーブルは、自装置と他の照明器具100との距離を記憶する。照明器具100−1の場合、距離は、他の照明器具100−2から100−5が、円10、円11、円12の内部又は円12の外部のいずれに配置されているか否かで決定される。
制御部106は、照明器具100の各部の動作を制御する。制御部106は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を備えた装置により実行される。制御部106は、照明制御プログラムを実行することによって、人感情報取得部111、照度情報取得部112、照明制御部113、器具情報取得部114、制御情報生成部115、グループ情報更新部116、他器具情報取得部117、距離推定情報生成部118、制御指示取得部119及び転送部120として機能する。
人感情報取得部111は、人感センサ101が検出した人間の存在の有無を示す情報を人感情報として取得する。人感情報取得部111は、取得された人感情報を照明制御部113又は制御情報生成部115に出力する。
照度情報取得部112は、照度センサ102が検出した周辺の明るさを示す情報を照度情報として取得する。照度情報取得部112は、取得された照度情報を照明制御部113又は制御情報生成部115に出力する。
照明制御部113は、照明部104の発光を制御する。照明制御部113は、取得された人感情報及び照度情報に基づいて照明制御テーブルから、所定の照明出力を特定する。照明制御部113は、特定した照明出力に基づいて、照明部104の照明出力を制御する。照明制御部113は、照明部104を制御した照明出力を器具情報記憶部108に記録する。なお、照明制御部113は、人感情報、照度情報及び他の照明器具100との距離に基づいて、照明制御テーブルから、所定の照明出力を特定してもよい。この場合、照明制御部113は、距離を距離推定情報テーブルから取得する。照明制御部113は、照明器具100間の制御のハンチングが生じないように、照明制御テーブルから、所定の照明情報を特定し、照明部104を制御する。
照明制御部113は、端末装置300から受け付けた制御指示に基づいて、照明部104の照明出力を決定してもよい。照明制御部113は、例えば、端末装置300から、照明部104の出力を100%とする制御指示を受け付けた場合、照明部104の出力が100%となるように決定し、照明部104を制御する。制御指示は、照明器具100を制御する指示を示す。制御指示は、例えば、照明部104の照明出力を決定する指示であってもよいし、照明器具100の電源をON又はOFFにする指示であってもよいし、照明器具100の電源をON又はOFFにするタイマーを示す指示であってもよいし、照明器具100を自律制御に戻すという指示であってもよい。制御指示には、制御対象となる照明器具100又は照明器具100が所属するグループ情報が含まれていてもよい。照明制御部113は、制御指示に基づいて照明出力を決定した場合、人感情報が不在を示す情報得ある又は自律制御に戻すという指示を受け付けるまで、照明出力を維持してもよい。
器具情報取得部114は、器具情報記憶部108から器具情報を取得する。器具情報取得部114は、取得した器具情報を制御情報生成部115に出力する。
制御情報生成部115は、人感情報、照度情報、距離又は器具情報のうち少なくとも1つに基づいて、制御情報を生成する。制御情報は、照明器具100の動作を制御するために用いられる情報である。制御情報は、照明器具100の動作を決定する情報である。制御情報生成部115は、生成された制御情報を距離推定情報生成部118に出力する。制御情報生成部115は、生成された制御情報を他の照明器具100又は制御装置200に送信する。
グループ情報更新部116は、受け付けたグループ情報に基づいて、グループ情報テーブルを更新する。グループ情報テーブルは、各照明器具100が所属するグループを示すテーブルである。グループ情報更新部116は、更新されたグループ情報テーブルをグループ情報記憶部109に記録する。グループ情報更新部116は、第2グループ情報更新部の一態様である。
他器具情報取得部117は、他の照明器具100によって生成された制御情報を取得する。他器具情報取得部117は、取得した制御情報を距離推定情報生成部118に出力する。他器具情報取得部117は、制御情報を取得した場合に、無線通信部103から受信強度を受信してもよい。受信強度とは、無線通信の電波強度を示す指標である。受信強度は、例えば、dBである。他器具情報取得部117は、受信強度を距離推定情報生成部118に出力する。円10〜12の範囲は、受信強度に閾値を設けて、設けられた閾値に応じて、決定されてもよい。
距離推定情報生成部118は、距離推定情報を生成する。距離推定情報は、照明器具100同士の相対的な距離を示す情報である。距離推定情報生成部118は、生成された距離推定情報を、制御装置200に送信する。距離推定情報は、自装置が生成した制御情報と他の照明器具100から取得された制御情報とに基づいて生成される。距離推定情報生成部118は、距離推定情報を生成するに当たって、公知の手法を用いてもよい。距離推定情報生成部118は、生成された距離推定情報を距離推定情報記憶部110に記録する。距離推定情報生成部118は、相対的な距離を算出する場合に、受信強度に応じて決定された円の範囲が用いられてもよい。
制御指示取得部119は、端末装置300から制御指示を取得する。制御指示取得部119は、取得した制御指示を照明制御部113に出力する。
転送部120は、自装置が受け付けた情報を他の照明器具100に転送する。具体的には、転送部120は、自装置が生成した制御情報、制御装置200又は他の照明器具100から受信した制御情報、制御装置200又は他の照明器具100から受信したグループ情報、制御装置200又は他の照明器具100から受信した距離推定情報を転送する。転送部120は、ブロードキャストで情報を転送してもよいし、距離推定情報記憶部110に記録される他の照明器具100との距離に基づいて、距離が所定の条件を満たす照明器具100宛に情報を転送してもよい。所定の条件とは、例えば、距離が1以下の照明器具100等であってもよい。
図3は、実施形態の制御装置200の機能構成を表す機能ブロック図である。制御装置200は、照明制御プログラムを実行することによって通信部201、入力部202、表示部203、記憶部204及び制御部205を備える装置として機能する。
通信部201は、ネットワークインタフェースである。通信部201は照明器具100と通信する。通信部201は、例えば無線LAN、有線LAN、Bluetooth又はLTE等の通信方式で通信してもよい。
入力部202は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部202は、入力装置を制御装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部202は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、制御装置200に対する指示を示す指示情報)を生成し、制御装置200に入力する。
表示部203は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部203は、出力装置を制御装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部203は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
記憶部204は、照明制御システム1を稼働させるために用いられる各種のデータを記憶する。記憶部204は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部204は、配置情報記憶部206及びグループ情報記憶部207を備える。
配置情報記憶部206は、配置情報を記憶する。配置情報は、照明制御システム1が備える照明器具100の配置場所を示す情報である。配置情報は、2次元座標上に照明器具100を示すマークが配置された配置図であってもよい。配置情報は、3次元座標上に照明器具100を示すマークが配置された配置図であってもよい。配置情報は、照明器具100から受け付けた照明器具100毎の距離推定情報に基づいて生成される。配置情報は、ユーザからの指示に応じて、制御部205によって表示部203に表示されてもよい。
グループ情報記憶部207は、グループ情報テーブルを記憶する。グループ情報テーブルは、照明制御システム1が備える照明器具100毎に、各照明器具100が所属するグループを表す。
制御部205は、制御装置200の各部の動作を制御する。制御部205は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部205は、照明制御プログラムを実行することによって、グループ情報更新部208、配信部209、距離推定情報取得部210及び配置情報生成部211として機能する。
グループ情報更新部208は、入力部202を介してグループ情報更新指示を受け付ける。グループ情報更新部208は、受け付けたグループ情報更新指示に基づいて、グループ情報記憶部207に記憶されるグループ情報テーブルを更新する。グループ情報更新指示は、例えば、グループ情報テーブルに対するグループ情報レコードの追加指示であってもよいし、グループ情報レコードの削除指示であってもよいし、グループ情報レコードの内容変更(例えば、照明器具100のグループ情報の変更)であってもよい。グループ情報更新部208は、更新されたグループ情報テーブルをグループ情報記憶部207に記録する。配信部209は、通信部201を介してグループ情報記憶部207に記録されたグループ情報テーブルを、各照明器具100に送信する。グループ情報更新部208は、第1グループ情報更新部の一態様である。
距離推定情報取得部210は、各照明器具100から距離推定情報を取得する。距離推定情報取得部210は、取得した距離推定情報を配置情報生成部211に出力する。配置情報生成部211は、取得された距離推定情報に基づいて配置情報を生成する。配置情報生成部211は、生成された配置情報を配置情報記憶部206に記録する。配置情報の生成には、公知の手法が用いられてもよい。配置情報生成部211は、生成された配置情報を配置情報記憶部206に記録する。
図4は、実施形態の端末装置300の機能構成を表す機能ブロック図である。端末装置300は、照明制御プログラムを実行することによって通信部301、入力部302、表示部303及び制御部304を備える装置として機能する。
通信部301は、ネットワークインタフェースである。通信部301は照明器具100と通信する。通信部301は、例えば無線LAN、有線LAN、Bluetooth、LonWorks又はLTE等の通信方式で通信してもよい。
入力部302は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部302は、入力装置を端末装置300に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部302は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、端末装置300に対する指示を示す指示情報)を生成し、端末装置300に入力する。
表示部303は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の出力装置である。表示部303は、出力装置を端末装置300に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部303は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
制御部304は、端末装置300の各部の動作を制御する。制御部304は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部304は、照明制御プログラムを実行することによって、制御指示取得部305、制御指示送信部306及び制御画面生成部307として機能する。
制御指示取得部305は、入力部302を介して照明器具100に対する制御指示を受け付ける。制御指示取得部305は、受け付けた制御指示を制御指示送信部306に出力する。制御指示送信部306は、受け付けた制御指示を、通信部301を介して照明器具100に送信する。
制御画面生成部307は、表示部303に表示される制御画面を生成する。制御画面には、ユーザに対する照明制御システム1に関する情報が表示される。制御画面は、例えば、照明器具100の現在の照明出力が表示されてもよいし、照明器具100がOFFとなるまでの時間を示すタイマーが表示されてもよいし、照明器具100がONとなるまでの時間を示すタイマーが表示されてもよい。
図5は、実施形態の照明制御テーブルの一例を示す図である。照明制御テーブルは、照明制御レコードを有する。照明制御レコードは、人感情報、照度情報、在の器具との距離及び照明出力の各値を有する。人感情報は、自装置が人感センサ101から取得した人感情報を示す。照度情報は、自装置が照度センサ102から取得した照度情報を示す。在の器具との距離は、自装置が他の照明器具100から取得した制御情報のうち、人感情報が在である照明器具100との距離を示す。照明出力は、照明制御部113が照明部104に出力させる発光の強さを示す。
図5に示される例では、照明制御テーブルの最上段の照明制御レコードは、人感情報の値が“在”、照度情報の値が“500”、在の器具との距離の値が“0”、照明出力の値が“30%”である。従って、照明制御テーブルの最上段のレコードによると、自装置が取得した人感情報が“在”であり、自装置が取得した照度情報が“500”であり、他の照明器具100から取得した制御情報に含まれる人感情報が“在”である照明器具100との距離が“0”である場合、照明制御部113は、照明部104の照明出力を“30%”に制御する。なお、図5に示される照明制御テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図5とは異なる態様で照明制御テーブルが構成されてもよい。例えば、照明制御テーブルは、在の器具との距離に関する情報を有さないように構成されてもよい。
図6は、実施形態のグループ情報テーブルの一例を示す図である。グループ情報テーブルは、グループ情報レコードを有する。グループ情報レコードは、照明器具及びグループ情報の各値を有する。照明器具は、照明制御システム1が備える照明器具100のいずれかを特定する識別情報である。グループ情報は、グループ情報レコードに保持される識別情報によって特定される照明器具100が、いずれのグループに所属するかを特定可能な情報である。
図6に示される例では、グループ情報テーブルの最上段のグループ情報レコードは、照明器具の値が“100−1”、グループ情報の値が“1”である。従って、グループ情報テーブルの最上段のレコードによると、照明器具100−1は、グループとして第1のグループに所属する照明器具であることがわかる。なお、図6に示されるグループ情報テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図6とは異なる態様でグループ情報テーブルが構成されてもよい。例えば、グループ情報テーブルは、グループ情報毎に生成されてもよい。
図7は、実施形態の距離推定情報テーブルの一例を示す図である。距離推定情報テーブルは、距離推定情報レコードを有する。距離推定情報レコードは、照明器具及び距離の各値を有する。照明器具は、照明制御システム1が備える照明器具100のいずれかを特定する識別情報である。距離は、自装置と照明器具の値で特定される照明器具100との距離を示す情報である。
図7に示される例では、距離推定情報テーブルの最上段の距離推定情報レコードは、照明器具の値が“100−2”、距離の値が“1”である。従って、距離推定情報テーブルの最上段のレコードによると、照明器具100−2は、自装置から距離が1の位置に配置される照明器具であることがわかる。なお、図7に示される距離推定情報テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図7とは異なる態様で距離推定情報テーブルが構成されてもよい。例えば、距離推定情報テーブルは、自装置に関する位置推定レコードを記録していてもよい。
図8は、実施形態の照明制御システム1が人間を検知した場合の処理を示す構成図である。図8に示す例では、照明器具100−1から照明器具100−4までは同一グループであるものとして説明する。図8によると、人間30は、照明器具100−1から伸びる矢印20の内側に存在する。照明器具100−2から照明器具100−4は、照明器具100−1から人間の有無が在を示す人感情報を含む制御情報を受付ける。照明器具100−2から照明器具100−4は、制御情報に含まれる人感情報、照度情報及び距離に基づいて、自身の照明出力を決定する。
図9は、実施形態の照明制御システム1が人間を検知した場合の処理を示すシーケンスチャートである。照明器具100−1の人感センサ101は、人間が検出範囲に入った場合、人間の存在を検出する(ステップS101)。人感情報取得部111は、人感センサ101が検出した人間の存在の有無を示す情報を人感情報として取得する(ステップS102)。照度情報取得部112は、照度センサ102が検出した周辺の明るさを示す情報を照度情報として取得する(ステップS103)。他器具情報取得部117は、他の照明器具100から制御情報を取得する(ステップS104)。照明制御部113は、取得した制御情報に含まれる人感情報が在である照明器具100を特定する。照明制御部113は、人感情報が在である照明器具100を特定できない場合、在の器具はないものとみなす。照明制御部113は、取得された人感情報、照度情報及び在の器具との距離に基づいて、照明制御テーブルから、所定の照明出力を特定する(ステップS105)。照明制御部113は、特定された照明出力に基づいて、照明部104を制御する(ステップS105)。例えば、照明出力が80%である場合、照明制御部113は、照明部104の出力を80%で発光させる。
照明制御部113は、照明出力を、器具情報記憶部108に記録する。器具情報取得部114は、器具情報記憶部108から器具情報を取得する(ステップS107)。制御情報生成部115は、人感情報、照度情報及び器具情報に基づいて、制御情報を生成する(ステップS108)。制御情報生成部115は、生成した制御情報を照明器具100−1と同じグループに所属する照明器具100に送信する(ステップS109)。図9の場合、照明器具100−1は、照明器具100−2に制御情報が送信される。照明器具100−2の転送部120は、受信した制御情報を照明器具100−4に送信する。
照明器具100−2から照明器具100−4の照明制御部113は、受信した制御情報に基づいて、照明出力を特定する(ステップS110)。照明器具100−2から照明器具100−4の照明制御部113は、特定された照明出力に基づいて、照明部104を制御する(ステップS111)。なお、照明器具100−5は、異なるグループに所属するため、制御情報を受信しても、何らの処理も行わない。なお、照明器具100−2から照明器具100−5までが行うステップS110及びステップS111は、同時に行われる必要はなく、異なるタイミングで実行されてもよい。
図10は、実施形態の照明制御システム1のグループ情報テーブルが更新された場合の処理を示す構成図である。図10に示す例では、照明器具100−1から照明器具100−4が所属するグループに照明器具100−5を追加する場合について説明する。この場合、制御装置200は、照明器具100−1から照明器具100−5が同じグループに所属することを示すグループ情報テーブルを照明器具100−1に送信する。照明器具100−1は、受信したグループ情報テーブルを同一のグループに属する他の照明器具100に送信する。このように構成されることで、照明器具100−5は、照明器具100−1から照明器具100−4が所属するグループに追加される。
図11は、実施形態の照明制御システム1が人間を検知した場合の処理を示すシーケンスチャートである。制御装置200のグループ情報更新部208は、入力部202を介してグループ情報更新指示を受け付ける(ステップS201)。グループ情報更新部208は、グループ情報記憶部207に記憶されるグループ情報テーブルを取得する(ステップS202)。グループ情報更新部208は、受け付けたグループ情報更新指示に基づいてグループ情報テーブルを更新する(ステップS203)。グループ情報更新部208は、更新されたグループ情報テーブルを、グループ情報記憶部207に記録する(ステップS204)。
配信部209は、通信部201を介してグループ情報記憶部207に記録されたグループ情報テーブルを、各照明器具100に送信する(ステップS205)。図11の場合、配信部209は、グループ情報テーブルを、照明器具100−1に送信する。照明器具100−1の転送部120は、グループ情報テーブルを他の照明器具100(例えば、照明器具100−5)に送信する。各照明器具100のグループ情報更新部116は、受け付けたグループ情報に基づいて、グループ情報テーブルを更新する(ステップS206)。グループ情報更新部116は、更新されたグループ情報テーブルをグループ情報記憶部109に記録する(ステップS207)。なお、照明器具100−1から照明器具100−5までが行うステップS206及びステップS207は、同時に行われる必要はなく、異なるタイミングで実行されてもよい。このように構成されることで、各照明器具100は、照明器具100−5から受信される人感情報、照度情報及び制御情報に基づいて、自身の照明出力等の制御が行われる。
図12は、実施形態の照明制御システム1に照明器具100−6が追加された場合の処理を示す構成図である。照明器具100−6は、起動されると、自装置の人感情報及び照度情報に基づいて制御情報を生成する。照明器具100−6は、生成された制御情報を近傍の照明器具100(図12の場合は、照明器具100−4)に送信する。制御情報を受信した照明器具100は、他の照明器具100に制御情報を送信する。このように、各照明器具100は、照明器具100−6の制御情報を受付けることで、照明器具100−6が追加されたことを認識する。
図13は、実施形態の照明制御システム1に照明器具100−6が追加された場合の処理を示すシーケンスチャートである。照明器具100−6の人感情報取得部111は、人感センサ101が検出した人間の存在の有無を示す情報を人感情報として、取得する。照明器具100−6の照度情報取得部112は、照度センサ102が検出した周辺の明るさを示す情報を照度情報として、取得する。照明器具100−6の器具情報取得部114は、器具情報記憶部108から器具情報を取得する(ステップS301)。照明器具100−6の制御情報生成部115は人感情報、照度情報及び器具情報に基づいて制御情報を生成する(ステップS302)。照明器具100−6の転送部120は、制御情報を照明器具100に送信する(ステップS303)。図12の場合、転送部120は、制御情報を、照明器具100−4に送信する。照明器具100−4の転送部120は、制御情報を他の照明器具100(例えば、照明器具100−1)に送信する。
照明器具100の他器具情報取得部117は、他の照明器具100から制御情報を取得する(ステップS304)。他器具情報取得部117は、自装置が生成した制御情報と他の照明器具100から取得された制御情報とに基づいて生成する(ステップS305)。距離推定情報生成部118は、距離推定情報記憶部110に生成された距離推定情報を記録する(ステップS306)。なお、照明器具100−1から照明器具100−6までが行うステップS304及びステップS306は、同時に行われる必要はなく、異なるタイミングで実行されてもよい。
各照明器具100は、生成した距離推定情報を制御装置200へ送信する(ステップS307)。図13では、各照明器具100は、制御装置200に直接距離推定情報を送信できない場合、他の照明器具100を仲介して距離推定情報を送信してもよい。
制御装置200の距離推定情報取得部210は、各照明器具100から位置情報を取得する(ステップS308)。配置情報生成部211は、取得された距離推定情報に基づいて配置情報を生成する(ステップS309)。配置情報生成部211は、生成された配置情報を配置情報記憶部206に記録する(ステップS310)。
図14は、実施形態の照明制御システム1に端末装置300から指示が送信された場合の処理を示す構成図である。図14に示す例では、照明器具100−1から照明器具100−4までは同一グループであるものとして説明する。図14によると、端末装置300から制御指示(例えば、照明出力を決定する指示)が照明器具100−1に送信される。照明器具100−1は、他の照明器具100に制御指示を転送する。各照明器具100は、制御指示に応じた処理を実行する。なお、照明器具100−5は、グループが異なるため、制御指示を受信した場合であっても何らの処理も実行しない。
図15は、実施形態の照明制御システム1に端末装置300から指示が送信された場合の処理を示すシーケンスチャートである。図15では、制御指示は、照明出力を決定する指示であるとして説明するが、照明出力を決定する指示に限定されない。端末装置300の制御指示取得部305は、入力部302を介して制御指示を取得する(ステップS401)。制御指示送信部306は、取得した制御指示を制御指示に含まれるグループに所属する照明器具100に送信する(ステップS402)。端末装置300は、各照明器具100に直接制御指示を送信できない場合、他の照明器具100を仲介して制御指示を送信してもよい。
照明器具100の照明制御部113は、制御指示に基づいて、照明部104の照明出力を決定する(ステップS403)。照明制御部113は、決定した照明出力に基づいて、照明部104を制御する(ステップS404)。なお、照明器具100−1から照明器具100−4までが行うステップS403及びステップS404は、同時に行われる必要はなく、異なるタイミングで実行されてもよい。
このように構成された照明制御システム1では、各照明器具100は、自装置が所属するグループを示すグループ情報テーブルと他の照明器具100と通信可能な無線通信部とを有する。各照明器具100は、無線通信部を介して他の照明器具100と通信可能に接続される。照明器具100は、照明器具100の動作を制御する制御情報を自装置及び他の照明器具100から取得する。照明器具100は、取得した制御情報に基づいて、他の照明器具100との相対的な距離を示す距離推定情報を生成する。制御装置200は、複数の照明器具100から取得した距離推定情報に基づいて、複数の照明器具の配置を示す配置情報を生成する。したがって、各照明器具100同士が相互に通信可能となることで、施工又は設計工程の労力をより少なくすることができる。また、照明制御システム1のユーザは、生成された配置情報を確認することで、各照明器具100の利用場所又は用途によって、グループの見直し等をより簡単に行うことができる。また、各照明器具100は、人感センサ101及び照度センサ102を備えるため、これらのセンサ機器の施工の労力、設置スペース又は設計工程の労力をより少なくすることができる。したがって、ユーザは、より簡単に照明制御システム1を導入することが可能となる。
(変形例)
制御情報生成部115は、自装置が故障した場合、自装置が故障したことを示す故障情報を制御情報に含めるように構成されてもよい。故障とは、照明部104が発光しなくなった場合であってもよいし、照明制御プログラムのバグが作動した場合であってもよい。
照明器具100の照明部104が複数の発光部材を備える場合、制御情報生成部115は、発光部材単位で発光部材の消耗の度合いを示す消耗情報を制御情報に含めるように構成されてもよい。
制御装置200は、照明器具100の器具情報を変更するように構成されてもよい。
本実施形態は、照明器具100を制御する照明制御システム1に関して説明したが、照明制御システム1に限定されない。例えば、本実施形態は、空調設備を制御する空調制御システムにも適用されてもよい。
上記各実施形態では、人感情報取得部111、照度情報取得部112、照明制御部113、器具情報取得部114、制御情報生成部115、グループ情報更新部116、他器具情報取得部117、距離推定情報生成部118、制御指示取得部119及び転送部120はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、人感情報取得部111、照度情報取得部112、照明制御部113、器具情報取得部114、制御情報生成部115、グループ情報更新部116、他器具情報取得部117、距離推定情報生成部118、制御指示取得部119及び転送部120を持つことにより、より簡単に照明制御システム1を導入することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。