JP6917838B2 - 積層体及びバンド - Google Patents

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Description

本発明は、積層体及びバンドに関する。
従来、個人を識別又は管理するため、手首等に巻き付けて身体に装着できるバンドが使用されている。例えば、医療施設では、入院患者の手首に、患者の氏名、血液型、生年月日等の情報を印刷したリストバンドを装着させて、患者の取り違えを防止することが行われている。また、レジャーランド、イベント会場等においても、来場者にリストバンドを装着させることがある。
従来、印字適性を備えた表面基材、所定の強度を備える中間基材及び身体に接触する裏面基材からなる3層構造のリストバンドが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このリストバンドでは、表面基材として、合成紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられている。また、中間基材にはポリエチレンテレフタレートが用いられ、裏面基材にはポリエチレンが用いられている。
上記リストバンドは剛性が高く、長期間の使用に耐えられる強度を有するが、装着時の肌への当たりが強く、装着者に違和感を生じさせる等、使用感に問題がある。また、剛性が高いバンドは皺が生じやすく、外観が損なわれやすい。
このような使用感及び外観の問題を解消するため、中間基材としてナイロンを用いて柔軟性を高めたリストバンドも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、吸湿性が高いナイロンを用いた積層体は、保管時の湿度環境によってカールしやすくなる。積層体がカールしやすいと、バンドの形状に切り取り線を設けた積層体に情報を印刷するときに、切り取られた一部分がカールして、紙詰まり、印刷ずれ等の印刷不良を発生させることがある。また、ナイロンは、ポリプロピレン又はポリエチレンに比べて原料価格が高く、製造コストが上昇しやすい。
特開2003−164307号公報 特開2005−283992号公報
本発明は、身体に装着したときの使用感、耐久性、外観及び印刷性に優れた積層体及びバンドを提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、基材としてナイロンではなく熱可塑性樹脂を使用し、さらに熱可塑性樹脂に石油樹脂類を含有させることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)基材層と、
前記基材層の少なくとも一方の面上に位置する印刷層と、を備え、
前記基材層が、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムであり、
前記基材層及び前記印刷層の少なくとも一方が、無機粒子を含有し、
前記印刷層が、感熱記録層と、前記感熱記録層と前記基材層との間に樹脂層と、を備え、
前記樹脂層が、前記無機粒子を含有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムを含むことを特徴とする積層体
)前記基材層と前記印刷層との間に、接着層を備えることを特徴とする上記(1)に記載の積層体
)前記石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂フィルムであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の積層体
)前記ポリオレフィン系樹脂フィルムが、結晶核剤を含有することを特徴とする上記(3)に記載の積層体
)前記石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムが、無延伸フィルムであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体
)前記基材層が、さらに前記石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、石油樹脂類を含有しない熱可塑性樹脂フィルムを備えることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の積層体
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の積層体を用いたバンド。
本発明によれば、身体に装着したときの使用感、耐久性、外観及び印刷性に優れた積層体及びバンドを提供することができる。
本発明の一実施例である積層体を示す断面図である。 切り取り線が設けられた積層体を示す上面図である。 耐久性評価のために吊るされたバンドを示す斜視図である。
以下、本発明の積層体及びバンドの詳細を説明するが、以下に説明する構成は、本発明の一実施態様としての一例(代表例)であり、本発明は説明した内容に限定されない。
以下の説明において、「(メタ)アクリレート」の記載は、アクリレートとメタクリレートの両方を示す。(メタ)アクリル酸誘導体についても同様である。
[積層体]
本発明の積層体は、基材層(C)と、当該基材層(C)の少なくとも一方の面上に位置する印刷層(A)と、を備える。基材層(C)は、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムである。また、基材層(C)及び印刷層(A)の少なくとも一方が、無機粒子を含有する。
本発明の積層体は、情報を印刷して身体に装着するバンドとして使用することができる。
本発明の積層体は、基材層(C)と印刷層(A)間に接着層(B)を備えることが好ましい。これにより、基材層(C)と印刷層(A)の密着性を高めて、バンドとして使用したときの耐久性を高めることができる。
[基材層]
基材層(C)は、積層体に機械的強度を付与する。
基材層(C)は、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムのみの単層構造であってもよいし、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムの層以外の層を含む多層構造であってもよい。なかでも、多層構造である基材層(C)は、各層で目的の機能を発揮することができ、好ましい。
多層構造の場合、基材層(C)は、さらに石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、石油樹脂類を含有しない熱可塑性樹脂フィルムを備えることが好ましい。
例えば、基材層(C)は、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムを第1層(C1)として、当該第1層(C1)の印刷層(A)側の面上に、石油樹脂類を含有しない熱可塑性樹脂フィルムである第2層(C2)を備えることができる。また、基材層(C)は、第1層(C1)の印刷層(A)とは反対側の面上に、石油樹脂類を含有しない熱可塑性樹脂フィルムである第3層(C3)を備えることができる。第1層(C1)によりバンドとして長期使用が可能な優れた耐久性を付与し、第2層(C2)により接着層(B)との高い密着性を、第3層(C3)により装着時の優れた使用感をそれぞれ付与することができる。
[第1層]
第1層(C1)は、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムである。
熱可塑性樹脂フィルムを使用することにより、高湿度下においても積層体のカールの発生を抑えることができる。また、石油樹脂類を含有することによって、熱可塑性樹脂フィルムの柔軟性を損なうことなく強度を高めることができ、装着したときの使用感と耐久性に優れた積層体を得ることができる。特に、バンドを手首等に巻いて両端を止めるための孔を積層体に設ける場合も、その孔からの引き裂き、破れ等が少なく、長期間身体に装着して使用することが可能になる。適度な剛性であるため、皺が少なく外観に優れたバンドを得ることもできる。
(熱可塑性樹脂フィルム)
熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、これらの混合樹脂等が挙げられる。なかでも、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムに使用する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が、装着時の使用感に優れた柔軟性が得られ、加工性も良好で、耐水性にも優れ、耐久性が向上し、安価であることから、好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等を好ましく使用できる。
ポリプロピレン樹脂としては、例えばプロピレンを単独重合させたアイソタクティックホモポリプロピレン、シンジオタクティックホモポリプロピレン等のプロピレン単独重合体、プロピレンを主体とし、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン等を共重合させたプロピレン共重合体等が挙げられる。ポリプロピレンの共重合体は、2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。ポリプロピレン樹脂は、結晶性でも非晶性でもよいが、装着時の使用感に優れた柔軟性と使用時の耐久性を両立する観点から、結晶性ポリプロピレン樹脂が好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖線状低密度ポリエチレン、エチレンを主体とし、プロピレン、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンを共重合させた共重合体、マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩(金属は亜鉛、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、エチレン−環状オレフィン共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の融点(Tm)は、成形加工性と耐熱性の観点から、120〜180℃が好ましく、130〜170℃がより好ましい。樹脂の融点(℃)及びガラス転移温度(℃)は、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)により測定できる。
熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)は、熱可塑性樹脂フィルムの品質の均一性と成形加工のし易さの観点から、0.1〜30g/10分が好ましく、0.3〜20g/10分がより好ましい。上記MFRは、JIS K7210(1999)に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定することができる。
(石油樹脂類)
本発明で使用できる石油樹脂類としては、例えば石油樹脂、テルペン系樹脂、クロマン−インデン樹脂、アルキル−フェノール樹脂等が挙げられる
石油樹脂は、石油類の熱分解により生成する分解油留分を重合し、固化させた熱可塑性樹脂であって、例えばC5留分を原料とした脂肪族系石油樹脂、C9留分を原料とした芳香族系樹脂、ジシクロペンタジエンを原料とした脂環族系石油樹脂、これらの2種以上が共重合した共重合系石油樹脂、これらを水素化した水素化系石油樹脂等が挙げられる。
テルペン系樹脂は、テレピン油を原料とした樹脂であり、例えばα−ペネン、β―ペネン等が重合したテルペン樹脂、フェノールとテルペンを反応させたテルペンフェノール樹脂、スチレン等で極性を付与した芳香族変性テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂等が挙げられる。
クロマン−インデン樹脂は、クロマン及びインデンを主体とする重合物からなる樹脂である。
アルキル−フェノール樹脂とは、アルキルフェノールとアルデヒドの反応により得られる樹脂である。
ロジン系樹脂は、松脂等から得られるアビエチン酸又はその誘導体を主成分とする樹脂である。ロジン系樹脂としては、例えばガムロジン、ウッドロジン、水素化ロジン、アルコールでエステル化したエステル化ロジン、フェノールとロジンを反応させたロジンフェノール樹脂等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を併用できる。
石油樹脂類として、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば荒川化学工業社製の商品名「アルコン」、ヤスハラケミカル社製の商品名「クリアロン」、東燃ゼネラル石油社製の商品名「T−REZ」、出光興産社製の商品名「アイマーブ」、エクソンモービル社製の商品名「オペラ」等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルム中の石油樹脂類の含有量は、0.1〜40質量%が好ましく、1〜35質量%がより好ましく、3〜30質量%がさらに好ましい。0.1質量%以上であれば、バンドとしての長期使用に耐え得る十分な機械的強度を熱可塑性樹脂フィルムに付与しやすくなる。また、40質量%以下であれば、身体に装着しても違和感のない柔軟性を熱可塑性樹脂フィルムに付与しやすくなる。
(その他の成分)
本発明において、熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて公知の添加剤を任意に含むことができる。添加剤としては、結晶核剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機粒子の分散剤、脂肪酸アミド等のスリップ剤、染料、顔料、離型剤、難燃剤等の公知の助剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を使用する場合は、ポリオレフィン系樹脂フィルムが結晶核剤を含有することが好ましい。結晶核剤により、ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造過程において、ポリオレフィン系樹脂の結晶部の粗大な結晶化を避けて微細な結晶化を促進することができる。これにより、ポリオレフィン系樹脂フィルムの柔軟性を高めるとともに、内部ヘイズを低下させて透明性を高めることができる。
結晶核剤としては、例えばベンジリデンソルビトール類、安息香酸金属塩、燐酸エステル金属塩等が挙げられる。
ベンジリデンソルビトール類としては、例えばジベンジリデンソルビトール、1・3:2・4−ジベンジリデンソルビトール、ジメチルジベンジリデンソルビトール、1・3:2・4−ビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール、p−エチルベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
安息香酸金属塩としては、例えば安息香酸アルミニウム、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、ジ(p−t−ブチル安息香酸)アルミニウム、p−t−ブチル安息香酸ヒドロキシアルミニウム、ジ(p−t−ブチル安息香酸)ヒドロキシアルミニウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウム−β−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレート、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、ロジン金属塩等が挙げられる。
燐酸エステル金属塩としては、例えば燐酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、燐酸2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、燐酸2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)アルミニウム等が挙げられる。
これらの結晶核剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
結晶核剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部がより好ましく、0.1〜0.3質量部がさらに好ましい。上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂フィルムの柔軟性及び透明性を向上させる効果が十分に得られる。
アンチブロッキング剤としては、例えばゼオライト、アクリル酸アルキルエステル共重合物等のポリマービーズ、シリカ、軽質炭酸カルシウム等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を使用する場合は、可塑剤を用いて可塑化させることもできる。可塑剤としては、例えばフタル酸エステル、アジピン酸エステル等のカルボン酸エステル;トリアセチン等が挙げられる。
また、屋外での耐久性が求められる場合には、熱可塑性樹脂フィルムは、酸化防止剤、光安定剤等を含むことが好ましい。
酸化防止剤としては、立体障害フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。
光安定剤としては、立体障害アミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤、ベンゾフェノン系光安定剤等が挙げられる。
酸化防止剤及び光安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂フィルムの質量に対して、0.001〜1質量%の範囲内で使用することが好ましい。
第1層(C1)の厚さは、10〜300μmであることが好ましく、30〜200μmがより好ましい。上記範囲内であれば、目的の機械的強度と柔軟性を両立することができる。
[第2層]
第2層(C2)は、石油樹脂類を含有しない熱可塑性樹脂フィルムであり、第1層(C1)の印刷層(A)側の面上に位置する。第2層(C2)は、石油樹脂類を含有し、その含有量が0.1質量%未満である熱可塑性樹脂フィルムであってもよい。
第2層(C2)の熱可塑性樹脂フィルムとしては、第1層(C1)と同様の熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。接着層(B)との密着性を高める観点からは、第2層(C2)は、接着層(B)との親和性が高くなることから、柔軟性が高いことが好ましい。高い柔軟性を得る観点からは、熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂のなかでも、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂が好ましく、両者を併用することがより好ましい。
第2層(C2)の厚さは、それぞれ0.1〜30μmであることが好ましく、0.3〜20μmがより好ましい。第2層(C2)の厚さが上記範囲内であれば、十分な柔軟性と接着層(B)との密着性を得ることができる。
[第3層]
第3層(C3)は、石油樹脂類を含有しない熱可塑性樹脂フィルムであり、第1層(C1)の印刷層(A)と反対側の面上に位置する。
第3層(C3)の熱可塑性樹脂フィルムとしては、第1層(C1)と同様の熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。バンドとして装着したときの肌への刺激を減らす観点からは、第3層(C3)は、柔軟性が高いことが好ましい。高い柔軟性が得る観点からは、熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂が好ましく、なかでも低密度ポリエチレン樹脂が好ましく、直鎖線状低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂を用いる場合は、密度が0.85〜0.93g/cmが好ましい。
第3層(C3)は、バンドとして装着したときの使用感及び通気性を高める観点から、肌への接触面積が少ないことが好ましい。具体的には、第3層(C3)は、JIS B0601:2001に準拠して測定した表面の算術平均粗さ(Ra)が0.5〜5μmであるか、十点平均表面粗さ(Rzjiz)が10〜50μmであることが好ましい。このような第3層(C3)は、例えばエンボス加工することにより得ることができる。
第3層(C3)の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、2〜40μmがより好ましい。第3層(C3)の厚さが上記範囲内であれば、十分な柔軟性が得られ、エンボス加工も容易となる。
第1層(C1)〜第3層(C3)を構成する各熱可塑性樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよいが、基材層(C)の強度を高めて優れた耐久性を得る観点から、無延伸フィルムであることが好ましい。
第2層(C2)を構成する各熱可塑性樹脂フィルムは、第2層(C2)と接着層(B)間の密着性を高める観点から、接着層(B)と接する表面が表面処理が施されて活性化した表面であることが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理等が挙げられ、これら処理は組み合わせることができる。なかでも、コロナ放電処理又はフレーム処理が好ましく、コロナ処理がより好ましい。
基材層(C)が無機粒子を含有する場合、第1層(C1)〜第3層(C3)のいずれが無機粒子を含有してもよい。無機粒子の含有により、基材層(C)の剛度、白色度及び不透明度を目的に応じて調整することができる。無機粒子を含む熱可塑性樹脂フィルムを延伸した場合、無機粒子を核とした微細な空孔を熱可塑性樹脂フィルム内部に多数形成することができ、白色化、不透明化及び軽量化を図ることができる。白色化により、印刷層(A)に印刷する文字等の画像の視認性を向上させることができる。
(無機粒子)
無機粒子としては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルク、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、これらを脂肪酸、高分子界面活性剤、帯電防止剤等で表面処理した無機粒子等が挙げられる。なかでも、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ又はタルクが、空孔の成形性が良く、安価なために好ましい。白色度、不透明度を向上させる観点からは、酸化チタン、酸化亜鉛又は硫酸バリウムが好ましい。
無機粒子の平均粒子径は、熱可塑性樹脂との混合の容易さの観点からは、大きいことが好ましい。また、無機粒子の平均粒子径は、フィルムの延伸により内部に空孔を発生させて不透明性及び印刷性を向上させる場合には、延伸時のシート切れ等のトラブルを発生させにくくする観点からは、小さいことが好ましい。具体的には、無機粒子の平均粒子径は、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であり、さらに好ましくは0.5μm以上である。また、無機粒子の平均粒子径は、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは15μm以下である。
無機粒子の平均粒子径は、粒子計測装置、例えばレーザー回折式粒子計測装置(マイクロトラック、株式会社日機装製)により測定した累積で50%にあたる粒子径(累積50%粒径)により測定することができる。
熱可塑性樹脂フィルム中の無機粒子の含有量は、熱可塑性樹脂フィルムの不透明度等を付与しやすいことから、1質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。
熱可塑性樹脂フィルムに剛度を与えて取扱い性を向上させる観点からは、熱可塑性樹脂フィルム中の無機粒子の含有量は、45質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは35質量%以下である。
(基材層(C)の製造方法)
基材層(C)の各層(C1)〜(C3)として使用する熱可塑性樹脂フィルムは、通常、上述の熱可塑性樹脂に、石油樹脂類又は必要に応じてその他の成分を混合した後、フィルム成形することにより得ることができる。熱可塑性樹脂フィルムの成形方法は特に限定されず、公知の種々の成形方法を単独でも又は組み合わせて製造することができる。
無延伸の熱可塑性樹脂フィルムは、例えばスクリュー型押出機に接続された単層又は多層のTダイ、Iダイ等により、溶融樹脂をフィルム状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形等によって、フィルム成形することができる。熱可塑性樹脂と有機溶媒又はオイルとの混合物を、キャスト成形又はカレンダー成形した後、溶媒又はオイルを除去することにより、熱可塑性樹脂フィルムを成形してもよい。
熱可塑性樹脂フィルムを多層構造にする場合の成形方法としては、例えばフィードブロック、マルチマニホールドを使用した多層ダイス方式、複数のダイスを使用する押出しラミネーション方式等が挙げられ、各方法を組み合わせることもできる。
[印刷層]
印刷層(A)は、印刷により文字や画像等の記録が可能な層である。
印刷方式としては、感熱記録方式、熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式等の各種印刷方式を用いることができる。なかでも、インキ等の消耗品が不要で異なる情報の印刷が容易であり、耐水性に優れることから、印刷層(A)は、感熱記録方式で印刷可能な感熱記録層であることが好ましい。
印刷層(A)は、感熱記録層(A1)等の印刷可能な1層のみの単層構造であってもよいが、多層構造であってもよい。
多層構造の場合、印刷層(A)は、さらに感熱記録層(A1)と基材層(C)との間に樹脂層(A2)を備えることが好ましい。印刷層(A)が無機粒子を含有する場合、樹脂層(A2)が、無機粒子を含有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムであると、背景を白化して感熱記録層(A1)の印刷内容の視認性が向上することから、好ましい。
[感熱記録層]
本発明において、感熱記録層(A1)は、発色性染料と顕色剤を含有し、必要に応じて公知の顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を1種又は2種以上含有させることができる。他の成分の使用量は、それぞれ、発色性染料1質量部に対して、通常0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲である。他の成分は、感熱記録層(A1)ではなく、樹脂層(A2)に含有させてもよい。感熱記録層(A1)の片面又は両面にはコート層を設けることができ、このコート層中に酸化防止剤、光安定剤等を含有させることもできる。酸化防止剤、光安定剤等は、必要に応じてマイクロカプセルに内包させて、含有させることができる。
感熱記録層(A1)に使用できる発色性染料としては、例えばフルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質である顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば使用できる。これらの発色性染料は、単独で又は2種以上を併用して、感熱記録層の発色を調整することができる。例えば、赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料又は黒発色染料を混合使用して、高濃度の黒を発色する記録層を製造することができる。
フルオラン系の発色性染料としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチルアミノ−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノ−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N′−ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−キシリルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジフェニルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(メチルフェニルアミノ)フルオラン等が挙げられる。
顕色剤としては、例えばビスフェノールA、4,4′−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3′−ジメチルブタン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4′−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4′−エチリデンビスフェノール、(ヒドロキシフェニル)メチルフェノール、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニル−フェニル)プロパン、4,4′−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4′−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル等のビスフェノール化合物;4,4′−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノール化合物;4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類;安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩;4−[2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ]サリチル酸等のサリチル酸類;サリチル酸亜鉛、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸]亜鉛等のサリチル酸金属塩;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノール、4,4′−スルホニルビス[2−(2−プロペニル)]フェノール、4−[{4−(プロポキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、4−[{4−(アリロキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、4−[{4−(ベンジロキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、2,4−ビス(フェニルスルホニル)−5−メチル−フェノール等のヒドロキシスルホン類;4−フェニルスルホニルフェノキシ亜鉛マグネシウム、アルミニウム、チタン等のヒドロキシスルホン類の多価金属塩類;4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類;2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類;トリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類;4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−(3−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル)ウレア等のスルホニルウレア類;ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、2,4−ジヒドロキシ−2′−メトキシベンズアニリド、テトラシアノキノジメタン類、N−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[(4−ヒドロキシフェニル)チオ]アセタミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[(4−ヒドロキシフェニル)チオ]アセタミド、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド、4′−ヒドロキシ−4−メチルベンゼンスルホンアニリド、4,4′−ビス((4−メチル−3−フェノキシカルボニル)アミノフェニルウレイド)ジフェニルスルホン、3−(3−フェニルウレイド)ベンゼンスルホンアニリド、オクタデシルリン酸、ドデシルリン酸、ジフェニルスルホン架橋型化合物又はそれらの混合物等が挙げられる。
画像安定剤としては、例えばエポキシ基含有ジフェニルスルホン類ヒンダードフェノール化合物、フェノールノボラック型化合物、エポキシレジン、それらの混合物等が挙げられる。
画像安定剤は、常温で固体であることが好ましく、特に好ましくは融点が60℃以上であり、水に溶けにくい化合物である。
増感剤としては、例えば高級脂肪酸アミド類フタル酸ジエステル類シュウ酸ジエステル類、ビス(t−ブチルフェノール)類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類ターフェニル類、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4′−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル、グアイアコールカーボネート等の炭酸誘導体ステアリン酸塩類、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸、ベヘン酸亜鉛、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
填料としては、例えばシリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメント、珪藻土、タルク、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらのなかでも、焼成カオリン又は炭酸カルシウムを好適に例示することができる。填料の使用割合は、発色染料1質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部である。また上記填料を混合して使用することも可能である。
分散剤としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、スルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリスチレン及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂等が挙げられる。
分散剤は、水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用することができ、水又は他の溶媒中に乳化又はペースト状に分散させた状態で使用することも可能である。
酸化防止剤としては、例えば2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス[{4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル}メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。
減感剤としては、例えば脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等が挙げられる。
粘着防止剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば高級アルコール系、脂肪酸エステル系、オイル系、シリコーン系、ポリエーテル系、変性炭化水素系、パラフィン系等が挙げられる。
光安定剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレン等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、例えば4,4′−ビス[2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩等のナトリウム塩類が挙げられる。
感熱記録層(A1)の厚さは、1〜30μmであることが好ましく、2〜20μmがより好ましい。上記範囲内であれば、十分な発色性が得られやすい。
[樹脂層]
樹脂層(A2)は、印刷層(A)の支持体として機能し、印刷に十分な強度を付与する。
樹脂層(A2)は、熱可塑性樹脂の延伸フィルムであり、上述した基材層(C)と同様の熱可塑性樹脂の延伸フィルムを使用することができる。熱可塑性樹脂のなかでも、耐水性及び透明性が高く、フィルム成形しやすいことから、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂が好ましい。フィルムの成形性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂のなかでもポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂が好ましい。
樹脂層(A2)は、単層構造であってもよいし、複数の熱可塑性樹脂フィルムを積層した多層構造であってもよい。多層構造であると、各層で目的の機能を発揮することができ、好ましい。
印刷層(A)が無機粒子を含有する場合は、延伸フィルムである樹脂層(A2)が無機粒子を含有することが好ましい。上述のように、無機粒子を含む熱可塑性樹脂フィルムを延伸すると、無機粒子を核とした微細な空孔を熱可塑性樹脂フィルム内部に多数形成することができ、白色化、不透明化及び軽量化を図ることができる。
(空孔率)
樹脂層(A2)の断熱性が高いと、感熱記録層(A1)の発色性が向上する。断熱性を高める観点からは、樹脂層(A2)は、内部に空孔を有する延伸フィルムであることが好ましく、フィルム中の空孔の割合を表す空孔率が、5〜70%であることが好ましい。より好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜50%であることが好ましい。5%以上の空孔率であれば、感熱記録層(A1)の発色性が十分な断熱性を得ることができる。70%以下の空孔率であれば、印刷層(A)の支持体として十分な強度を得ることができる。
空孔率の測定方法は、電子顕微鏡で観察した基板の断面の一定領域において、空孔が占める面積の比率より求めることができる。具体的には、基板の任意の一部を切り取り、エポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて基板の面方向に垂直に切断し、その切断面が観察面となるように観察試料台に貼り付ける。観察面に金又は金−パラジウム等を蒸着し、電子顕微鏡にて観察しやすい任意の倍率(例えば、500倍〜3000倍の拡大倍率)において空孔を観察し、観察した領域を画像データとして取り込む。得られた画像データに対して画像解析装置にて画像処理を行い、空孔部分の面積率を求めて、空孔率を得ることができる。この場合、任意の10箇所以上の観察における測定値を平均して、空孔率とすることができる。
熱可塑性樹脂フィルムの延伸方法としては、例えばロール群の周速差を利用した縦延伸法、テンターオーブンを利用した横延伸法、これらを組み合わせた逐次二軸延伸法、圧延法、テンターオーブンとパンタグラフの組み合わせによる同時二軸延伸法、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸法等が挙げられる。また、スクリュー型押出機に接続された円形ダイを使用して溶融樹脂をチューブ状に押し出し成形した後、これに空気を吹き込む同時二軸延伸(インフレーション成形)法等も使用できる。
延伸を実施するときの延伸温度は、樹脂層(A2)に使用する熱可塑性樹脂が、非晶性樹脂の場合は当該熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上の範囲であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂の場合の延伸温度は、当該熱可塑性樹脂の非結晶部分のガラス転移点以上であって、かつ当該熱可塑性樹脂の結晶部分の融点以下の範囲内であることが好ましく、具体的には熱可塑性樹脂の融点よりも2〜60℃低い温度が好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムの延伸速度は、特に限定されるものではないが、安定した延伸成形の観点から、20〜350m/分の範囲内であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂フィルムを延伸する場合の延伸倍率についても、使用する熱可塑性樹脂の特性等を考慮して適宜決定することができる。 例えば、プロピレンの単独重合体又はその共重合体を含む熱可塑性樹脂フィルムを一方向に延伸する場合、その延伸倍率は、通常、下限が約1.2倍以上、好ましくは2倍以上であり、上限が12倍以下、好ましくは10倍以下である。一方、二軸延伸する場合の延伸倍率は、面積延伸倍率で通常、下限が1.5倍以上、好ましくは10倍以上であり、上限が60倍以下、好ましくは50倍以下である。
また、ポリエステル系樹脂を含む熱可塑性樹脂フィルムを一方向に延伸する場合、その延伸倍率は、通常、上限が1.2倍以上、好ましくは2倍以上であり、下限が10倍以下、好ましくは5倍以下である。二軸延伸する場合の延伸倍率は、面積延伸倍率で通常、下限が1.5倍以上、好ましくは4倍以上であり、上限が20倍以下、好ましくは12倍以下である。
上記延伸倍率の範囲内であれば、目的の空孔率が得られて不透明性が向上しやすい。また、熱可塑性樹脂フィルムの破断が起きにくく、安定した延伸成形ができる傾向がある。
樹脂層(A2)の厚さは、10〜500μmであることが好ましく、30〜300μmがより好ましい。上記範囲内であれば、印刷に十分な強度が得られやすい。
樹脂層(A2)は、感熱記録層(A1)又は接着層(B)との密着性を向上させる観点から、少なくとも一方の面にアンカー層を備えてもよい。アンカー層としては、従来公知の化合物を使用することができ、その形成方法についても特に限定されない。
同様の観点から、樹脂層(A2)は、表面処理を施すことにより、少なくとも一方の面が活性化された面であることが好ましい。表面処理としては、基材層(C)と同様の表面処理を用いることができる。
(印刷層の形成方法)
印刷層(A)は、樹脂層(A2)の一方の面上に、例えばドライラミネーション法、押出ラミネーション、ウエットラミネーション法、塗工法等によって、感熱記録層(A1)を設けることにより得ることができる。なかでも、感熱記録層(A1)の塗工液を塗工して膜化する塗工法が好ましい。塗工には、例えばロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、コンマコーター、サイズプレス、ゲートロール等の塗工装置を使用できる。
感熱記録層(A1)の塗工量は、通常は固形分質量が1g/m2以上であることが好ましく、より好ましくは2g/m2以上である。また、感熱記録層(A1)の塗工量は、30g/m2以下であることが好ましく、10g/m2以下であることがより好ましい。
[接着層]
接着層(B)は、基材層(C)と印刷層(A)を接着する。
接着層(B)を有する積層体は、通常の手法により得ることができる。例えば、水系接着剤、溶剤系接着剤又はホットメルト型接着剤等の接着剤からなる層を、塗工、散布、溶融押出成形等の手法により印刷層(A)上に設けて接着層(B)を形成した後、接着層(B)上に基材層(C)をラミネートすることにより得ることができる。同様に、基材層(C)上に接着層(B)を設けた後、印刷層(A)をラミネートしてもよい。また、印刷層(A)と基材層(C)の間に接着剤を溶融押出して圧着し、ラミネートしてもよい。
ドライラミネートを行う場合の接着剤としては、例えば、エーテル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、ウリア樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、ゴム系接着剤等の樹脂成分を、従来公知の溶剤に溶解、分散、乳濁分散、希釈等して、流動性があり塗工可能な液状の接着剤を使用できる。液状の接着剤は、溶液型やエマルジョン型等の様態であることができる。
エーテル樹脂としては、例えばプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ビスフェノールA等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を重合させることにより得られるポリエーテルポリオール、より具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
エステル樹脂としては、例えば多塩基酸と多価アルコールの脱水反応物が挙げられる。多塩基酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、これらを単独又は2種以上使用できる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタン1,3−ジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上使用して重合される。
ウレタン樹脂としては、例えば前述の多価アルコール、エーテル樹脂及びエステル樹脂の少なくとも一種と、イソシアネート化合物の縮合反応物が挙げられる。イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネート−1−1−メチルシクロヘキサン、ジイソシアネートシクロブタン、テトラメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、o−、m−又はp−キシリレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネートカーボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ジフェニルエーテルジイソシアネート等のイソシアネートモノマー類等が挙げられる。さらに、イソシアネート化合物は、ウレタン樹脂の分子量を上げるとともに、接着力や安定性等の種々の性能を付与するために、多価アルコールで変性したポリイソシアネート化合物を使用することもできる。
ウリア樹脂としては、例えば前述のイソシアネート化合物と、アミン化合物の縮合反応物が挙げられる。アミン化合物としては、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等の脂環式アミン;ピペラジン、メチルピペラジン、アミノエチルピペラジン等の複素環式アミン等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば有機過酸化物を重合開始剤とする、アクリル化合物の重合体が挙げられる。アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上使用して重合される。
アミド樹脂としては、例えば前述の多塩基酸と前述のアミン化合物の縮合反応物が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば多価フェノール類と、エピハロヒドリン及び低分子量エポキシ化合物の少なくとも一方を反応して得られるポリグリシジルエーテルの単独縮合反応や前述のエーテル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、ウリア樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂との縮合反応によって得られる縮合反応物が挙げられる。
多価フェノール類の具体的な例としては、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールE(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールS(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−フェニルエタン、ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等のビスフェノール類が挙げられる。
ゴム系接着剤の例としては、天然ゴム、クロロプレンゴム、テルペン樹脂、ロジンフェノール樹脂、石油樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げられる。
これら接着剤の塗工は、基材層(C)の印刷層(C)に接する面か、又は印刷層(C)の基材層(C)と接する面に対して行う。塗工には、ダイコーター、バーコーター、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、リバースコーター、エアーナイフコーター、スライドホッパー等を用いることができる。塗工後、必要によりスムージングを行い、乾燥工程を経て、接着層(B)を形成できる。
ホットメルト型接着剤としては、例えば低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(いわゆるサーリン)、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
ホットメルト型接着剤を使用する場合は、基材層(C)の印刷層(C)に接する面か、又は印刷層(C)の基材層(C)と接する面に、ダイより溶融フィルム状に押し出してラミネートするか、加熱装置を持つダイコーター又はグラビアコーターを使用して塗工することにより、接着層(B)を形成できる。
接着剤の塗工量は、特に限定されないが、乾燥後の固形分量として通常は0.1〜50g/mであり、好ましくは0.3〜40g/mであり、より好ましくは0.5〜30g/mである。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体は、基材層(C)上に印刷層(A)を形成することにより、製造することができる。本発明の積層体は、ロール・トゥ・ロールで製造し、生産性を向上させることもできる。
[バンドの製造方法]
本発明のバンドは、本発明の積層体を、バンドの形状に切り取ることにより製造することができる。積層体を完全に切り取るのではなく、部分的に打ち抜いて切り取り線を設け、切り取り線を設けた積層体上に印刷した後、切り取り線に沿って切り取ることにより、バンドを得ることもできる。
[積層体及びバンドの用途]
本発明の積層体は、目的の形状に切り取って、本発明のバンドとして使用することが可能である。本発明の積層体及びバンドは、印刷層(A)に印刷することによってバンドの装着者の個人情報、属性情報等の情報の記録が可能であることから、医療施設、レジャー施設等において個人を識別及び管理するために個人に装着させるバンドとして好適に使用できる。本発明の積層体及びバンドは、印刷不良の原因となるカールが少なく、印刷性に優れることから、バンドの製造が容易である。また、本発明の積層体及びバンドは、十分な柔軟性と強度を兼ね備えることから、長時間装着しても使用感が損なわれず、高い耐久性を実現できる。さらに、本発明の積層体及びバンドは皺が少なく、外観にも優れる。
[積層体及びバンドの特性]
(ヘイズ)
本発明において、積層体及びバンドのヘイズは、1〜10%が好ましく、2〜5%がより好ましい。ここで、ヘイズは、JIS K7136:2000に準拠して、ヘイズメータ(曇り度計)を用いて測定した値をいう。ヘイズが、上記範囲の上限以下であるとラベルの透明性が向上しやすいが、上記範囲の下限より低いフィルムを製造することは困難である。
ヘイズは、各層の材料、厚さ、無機粒子の含有量等によって調整できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例の記述に限定されるものではない。
なお、実施例中の「部」、「%」等の記載は、断りのない限り、質量基準の記載を意味する。
(基材層(C)の製造例11〜15)
製造例11〜15における基材層(C)の各層の樹脂組成物として、下記表1に示す樹脂組成物を用意した。
(基材層(C)の製造例11)
製造例11では、下記表1に示すように、第1層(C1)の樹脂組成物として、プロピレン単独重合体PPを98.8質量%と、石油樹脂PRを1質量%と、プロピレン単独重合体PPと石油樹脂PRの混合物100質量部に対して結晶核剤NAを0.2質量部と、を含む混合物を用いた。また、第2層(C2)の樹脂組成物として、プロピレン単独重合体PPを60質量%、低密度ポリエチレンLDPEを40質量%含む混合物を用いた。第3層(C3)の樹脂組成物としては、線状低密度ポリエチレンLLDPEを100質量%用いた。
各層(C1)〜(C3)の樹脂組成物を用いて、多層キャスト成形法により基材層(C)を形成した。
キャスト成形時の冷却ロールとしては、セミミラー調金属チルロールを用いた。セミミラー調金属チルロールは、硬化クロムメッキされた鏡面金属チルロールの表面を、セミマット調に加工した後、研磨して得た。JIS−B0601:2001に準拠して測定される、セミミラー調金属チルロールの表面の算術平均粗さ(Ra)は0.3μm、最大高さ(Rz)は2.9μm、十点平均粗さ(Rzjis)は2.2μmであった。また、セミミラー調金属チルロールの直径は450mm、幅は1500mmであった。冷却ロールとニップするゴムロールとしては、ゴム硬さ70、砂#500メッシュ、直径300mm、幅1500mmのマット調ゴムロールを用いた。
最初に、各層(C1)〜(C3)の樹脂組成物を、それぞれ別の押出機を用いて240℃で溶融混練し、これらを1台の共押出T−ダイに供給した。T−ダイ内で3層に積層し、T−ダイよりシート状に押し出して、セミミラー調金属チルロールとマット調ゴムロールとの間に導いた。セミミラー調金属チルロール側に第2層(C2)が、マット調ゴムロール側に第3層(C3)が接し、その間に第1層(C1)が位置するように導き、各ロールで挟圧(線圧約1.5kg/cm)して冷却し、3層構造の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
得られた熱可塑性樹脂フィルムを巻き取り機で引き取って、ガイドロールでコロナ放電処理機に導き、第2層(C2)及び第3層(C3)の両表面にコロナ放電処理をそれぞれ50w・分/m2の処理量で施した。その後、巻き取り機により巻き取って、得られた3層構造の無延伸フィルムのロールを製造例11の基材層(C)とした。
製造例11の基材層(C)の厚さは、75μm(第2層(C2)が10μm、第1層(C1)が55μm、第3層(C3)が10μm)であった。第3層(C3)の表面は、算術平均粗さ(Ra)が1.8μm、十点平均粗さ(Rzjis)が17μmであった。
(基材層(C)の製造例12)
製造例11において、用いるゴムロールと3層の組成を下記のように変更する以外は、製造例11と同様にして3層構造の無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを得て、製造例12の基材層(C)とした。
製造例12においては、第1層(C1)の樹脂組成物として、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを94.8質量%と、石油樹脂PRを5質量%と、プロピレン単独重合体PPと石油樹脂PRの混合物100質量部に対し、結晶核剤NAを0.2質量部と、を含む混合物を用いた。第2層(C2)の樹脂組成物としては、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを70質量%、ポリエチレン樹脂EVAを30質量%含む混合物を用いた。第3層(C3)の樹脂組成物としては、下記表1に記載の低密度ポリエチレン樹脂LLDPEを99.5質量%と、低密度ポリエチレン樹脂LLDPEの100質量部に対して、アンチブロッキング剤ABを0.5質量部と、を含む混合物を用いた。
また、製造例12では、ゴムロールとして、ゴム硬さ70、砂#600メッシュ、直径300mm、幅1500mmのマット調ゴムロールを用いた。
製造例12の基材層(C)の厚さは75μm(第2層(C2)が10μm、第1層(C1)が55μm、第3層(C3)が10μm)であった。第3層(C3)の表面は、算術平均粗さ(Ra)が1.2μm、十点平均粗さ(Rzjis)が12μmであった。
(基材層(C)の製造例13)
製造例11において、3層の組成を下記のように変更する以外は、製造例11と同様にして、3層構造の無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを得て、製造例13の基材層(C)とした。
製造例13では、第1層(C1)の樹脂組成物として、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを89.9質量%と、石油樹脂PRを10質量%と、プロピレン単独重合体PPと石油樹脂PRの混合物100質量部に対し、結晶核剤NAを0.1質量部とを含む混合物を用いた。第2層(C2)の樹脂組成物としては、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを60質量%、ポリエチレン樹脂LDPEを40質量%含む混合物を用いた。第3層(C3)の樹脂組成物としては、下記表1に記載の低密度ポリエチレン樹脂LLDPEを100質量%用いた。
製造例13の基材層(C)の厚さは75μm(第2層(C2)が10μm、第1層(C1)が55μm、第3層(C3)が10μm)であった。第3層(C3)の表面は、算術平均粗さ(Ra)が2.1μm、十点平均粗さ(Rzjis)が16μmであった。
(基材層(C)の製造例14)
製造例11において、3層の組成を下記のように変更する以外は、製造例11と同様にして3層構造の無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを得て、製造例14の基材層(C)として用いた。
製造例14では、第1層(C1)の樹脂組成物として、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを84.9質量%と、石油樹脂PRを15質量%と、プロピレン単独重合体PPと石油樹脂PRの混合物100質量部に対し、結晶核剤NAを0.1質量部と、を含む混合物を用いた。第2層(C2)の樹脂組成物としては、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを70質量%、ポリエチレン樹脂EVAを30質量%を含む混合物を用いた。第3層(C3)の樹脂組成物としては、下記表1に記載の低密度ポリエチレン樹脂LLDPEを100質量%用いた。
製造例14の基材層(C)の厚さは75μm(第2層(C2)が10μm、第1層(C1)が55μm、第3層(C3)が10μm)であった。第3層(C3)の表面は、算術平均粗さ(Ra)が2.2μm、十点平均粗さ(Rzjis)が16μmであった。
(基材層(C)の製造例15)
製造例11において、3層の組成を下記のように変更する以外は、製造例11と同様にして3層構造の無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを得て、製造例15の基材層(C)とした。
製造例15では、3層樹脂の組成は、第1層(C1)の樹脂組成物として、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを74.9質量%と、石油樹脂PRを25質量%と、プロピレン単独重合体PPと石油樹脂PRの混合物100質量部に対し、結晶核剤NAを0.1質量部と、を含む混合物を用いた。第2層(C2)の樹脂組成物としては、下記表1に記載のプロピレン単独重合体PPを60質量%、ポリエチレン樹脂LDPEを40質量%を含む混合物を用いた。第3層(C3)の樹脂組成物としては、下記表1に記載の低密度ポリエチレン樹脂LLDPEを99.5質量%と、低密度ポリエチレン樹脂LLDPEの100質量部に対して、アンチブロッキング剤ABを0.5質量部とを含む混合物を用いた。
製造例15の基材層(C)の厚さは75μm(第2層(C2)が10μm、第1層(C1)が55μm、第3層(C3)が10μm)であった。第3層(C3)の表面は、算術平均粗さ(Ra)が1.5μm、十点平均粗さ(Rzjis)が13μmであった。
Figure 0006917838
下記表2は、上記表1中の略号が示す組成物を示す。
Figure 0006917838
(基材層(C)の製造例16)
厚さが50μmのナイロン6単層樹脂フィルム(三菱ケミカル社製、ダイアミロンC)を第1層(C)として用いた。このナイロン6単層樹脂フィルムのコロナ放電処理されていない面に、コロナ放電処理装置を用いて100w・分/m2の処理量で表面処理を施した。表面処理した面に、接着剤(東洋モートン社製、商品名:TM−329と商品名:CAT−18Bの等量混合液)を、固形分量が3g/mとなるようにグラビアコーターを用いて塗工した。40℃で1分間乾燥した後、第3層(C2)として厚さが25μmの片面がマット仕上げされた無延伸フィルム(DIC社製、ディファレンA7440B)の光沢面が接着剤と接するように積層した。ニップロールで両者を圧着して、第1層(C1)と第3層(C3)からなる基材層(C)を形成した。このフィルムの厚さは78μm(第1層(C1)が50μm、第3層(C3)が25μm)であった。第3層(C3)の表面は、算術平均粗さ(Ra)が1.7μm、十点平均粗さ(Rzjis)が13μmであった。
[印刷層]
樹脂層(A2)の樹脂組成物として、下記表3に示す樹脂組成物(a)〜(e)を用意した。
Figure 0006917838
(樹脂層(A2)の製造例1)
上記表3に記載の樹脂組成物(b)を230℃に設定した押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給した。押出ダイよりシート状に押し出し、冷却装置により60℃まで冷却して、無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを得た。この無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを145℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に4倍に延伸して一軸延伸フィルムを得た。
上記表3に記載の樹脂組成物(d)を250℃に設定した押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給した。押出ダイより、上記一軸延伸フィルムの片面にシート状に溶融押出して積層した。また、樹脂組成物(d)を250℃に設定した押出機にて溶融混練した後、シート状に押し出し、上記一軸延伸フィルムのもう一方の面に積層して、3層構造の積層体を得た。この積層体を、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に8倍延伸した後、160℃に調整した熱セットゾーンに搬送して熱処理を行った。次に、60℃まで冷却し、耳部をカットした後、得られた延伸フィルムの両面にコロナ放電による表面処理を30W・分/mの強度で施した。
さらに、アンカー層の塗工液を乾燥後固形分量が0.013g/mとなるように、両面にスプレーコーターにて塗工し、乾燥させてアンカー層を設けた。塗工液としては、カチオン性ポリウレタン樹脂の水系ディスパージョン(商品名:ハイドランCP7050、固形分濃度:25質量%、平均粒子径:75nm、DIC社製)40質量部とコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK、固形分濃度:23質量%、平均粒子径:10〜15nm、日産化学社製)13質量部と水300部の混合液を用いた。
アンカー層の形成により、全層の厚さが90μm、坪量が73.6g/m、空孔率が23%、3層構造の延伸フィルムを得て、製造例1の樹脂層(A2)とした。樹脂層(A2)を構成する3層は、樹脂組成がd/b/dであり、各層の厚さが20μm/50μm/20μmであり、各層の延伸軸数が1軸/2軸/1軸である。
(製造例2の樹脂層(A2))
上記表3に記載の樹脂組成物(a)と樹脂組成物(b)と樹脂組成物(a)を、230℃に設定した3台の押出機にてそれぞれ溶融混練した後、250℃に設定した共押出ダイに供給した。ダイ内で積層してシート状に押し出し、冷却装置により60℃まで冷却して、無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを得た。この無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを140℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムを、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に9倍延伸した。160℃に調整した熱セットゾーンに搬送して熱処理を行った後、60℃まで冷却し、耳部をカットした。得られた2軸延伸フィルムの両面に、製造例1と同様にしてアンカー層を設けて、全層の厚さが60μm、坪量が43.6g/m、空孔率が38%の3層の延伸フィルムを得て、製造例2の樹脂層(A2)とした。製造例2の樹脂層(A2)を構成する3層は、各層の樹脂組成がa/b/a、各層の厚さが2μm/56μm/2μm、各層の延伸軸数が2軸/2軸/2軸である。
(製造例3の樹脂層(A2))
表3に記載の樹脂組成物(c)を230℃に設定した押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給し、シート状に押し出して、冷却装置により60℃まで冷却し、無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを得た。この無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを145℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に4倍に延伸して、一軸延伸フィルムを得た。
表3に記載の樹脂組成物(e)を250℃に設定した押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイにそれぞれ供給し、上記一軸延伸フィルムの片面にシート状に溶融押出し積層した。また、樹脂組成物(e)を250℃に設定した押出機にて溶融混練した後、シート状に押し出し、上記一軸延伸フィルムのもう一方の面に積層して、3層構造の積層体を得た。この積層体を60℃まで冷却後、テンターオーブンを用いて約155℃に加熱して横方向に9倍延伸し、160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。
次に、60℃まで冷却し、耳部をカットした後、得られた2軸延伸フィルムの両面に、製造例1と同様にしてアンカー層を設け、全層の厚さが200μm、坪量が169.7g/m、空孔率が33%の3層構造の延伸フィルムを得て、製造例3の樹脂層(A2)とした。製造例3の樹脂層(A2)を構成する3層は、各層の樹脂組成がe/c/eであり、各層の厚さが50μm/100μm/50μmであり、各層の延伸軸数が1軸/2軸/1軸である。
下記表4は、各製造例1〜3の樹脂層(A2)の層構成を示す。
Figure 0006917838
(感熱記録層(A1))
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製、カラーフォーマーODB−2)16.0質量部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−117)の10%水溶液84.0質量部よりなる混合物を、ジルコニアビーズを用いてビーズミルで粉砕した。粉砕は、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの平均粒径が1.2μmになるまで行った。粉砕後、メッシュを用いてジルコニアビーズを除去し、X液とした。
ジフェニルスルフォン架橋型化合物(日本曹達社製、D−90)16.0質量部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−117)の10%水溶液84.0質量部よりなる混合物を、ジルコニアビーズを用いてビーズミルで粉砕した。粉砕は、ジフェニルスルフォン架橋型化合物の平均粒径が0.7μmになるまで行った。粉砕後、メッシュを用いてジルコニアビーズを除去し、Y液とした。
シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)(大日本インキ社製、HS3520)16.0質量部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−117)の10%水溶液84.0質量部よりなる混合物を、ジルコニアビーズを用いてビーズミルで粉砕した。粉砕は、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)の平均粒径が1.2μmになるまで行い、Z液とした。
X液2質量部、Y液4質量部及びZ液1質量部を混合して、感熱記録層(A1)形成用の塗工液1を調製した。次に、ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールNH−18、日本合成化学工業株式会社製)の10質量%水溶液の600質量部と、ステアリン酸亜鉛の水分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂株式会社製)の25質量部と、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム溶液(商品名:ラピゾールA−80、日油株式会社製)の0.5質量部の混合液を、感熱記録層(A1) 形成用の塗工液2として調製した。
(印刷層の形成)
上記塗工液1を乾燥後固形分量が5g/mとなるように、製造例1の樹脂層(A2)上にマイクログラビアコーターを用いて塗工した。塗工した延伸フィルムは50℃に設定したオーブンで乾燥させ、塗工層1を得た。次に塗工層1の上から、塗工液1と同様にして塗工液2を塗工し、乾燥させて塗工層2を設けて、塗工層1と塗工層1上に塗工層2を有する感熱記録層(A1)を形成した。
同様にして、製造例2及び3の樹脂層(A2)上にもそれぞれ感熱記録層(A1)を形成した。
(実施例1)
感熱記録層(A1)を有する樹脂層(A2)の、感熱記録層(A1)と反対側の面に接着剤(東洋モートン社製、商品名:TM−329と商品名:CAT−18Bの等量混合液)を固形分量が3g/mとなるように塗工し、40℃で1分間乾燥して、接着層(B)を形成した。この接着層(B)上に製造例11の基材層(C)の第2層(C2)側を重ねて積層し、ニップロールで両者を圧着して、実施例1の積層体を得た。
図1は、実施例1の積層体の構成を示す。
図1に示すように、積層体10は、印刷層A、接着層B及び基材層Cをこの順に備えている。印刷層Aは、感熱記録層A1と樹脂層A2を備え、感熱記録層A1は樹脂層A2の基材層Cとは反対側の面に位置している。基材層Cは、印刷層A側から順に、第1層C1、第2層C2及び第3層C3を備えている。第3層C3は、積層体から製造したバンドを身体に装着するときに肌に接触する層である。
(実施例2〜7及び比較例1)
実施例1の積層体において、下記表5に示すように、感熱記録層(A1)を有する樹脂層(A2)及び基材層(C)を変更したこと以外は、実施例1の積層体と同様にして、実施例2〜7及び比較例1の積層体を得た。
(比較例2)
感熱記録層(A1)を有する製造例3の樹脂層(A2)を比較例2の積層体として使用した。
なお、上述した積層体及び積層体の各層の厚さと、第3層(C3)の表面粗さは、次のようにして測定した。
(厚さ)
積層体全体の厚さは、JIS−P8118に準拠して、マイクロメータ(商品名:PG−01J、テクロック社製)を用いて測定した。
積層体を構成する各層の厚さは、走査型電子顕微鏡を使用して積層体の断面観察を行い、組成外観から各層の境界線を判別して積層体における各層の厚さの比率を求めて、積層体全体の厚さに、積層体における各層の厚さ比率を乗算して求めた。断面観察用の試料は、積層体を液体窒素で−60℃以下の温度に冷却し、ガラス板上に置いた試料に対してカミソリ刃を直角に当て切断して作成した。
(表面粗さ)
表面の算術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rzjis)は、JIS−B0601:2001に準拠して、表面粗さ・輪郭形状測定機(製品名:サーフコーダーSE−30、小坂研究所社製)を用いて測定した。
実施例1〜7及び比較例1、2の積層体からバンドを製造し、バンドの印刷性、耐久性及び使用感を、次のようにして評価した。
(バンドの製造)
各実施例及び比較例の積層体のロールを、幅100mmにカットし、ピナクル簡易式抜き機を使用して、ピナクルダイにて部分的に打ち抜き、バンドの形状に沿って切り取り線を設けた。バンド10枚分の打ち抜き作業を連続で行った。
図2は、切り取り線を設けた積層体を示す。
図2に示すように、長さ250mm、幅70mmの矩形のバンド1の外郭を点線状に打ち抜き、切り取り線41を設けた。矩形の角は曲線状に打ち抜いた。また、矩形の一端側の内部を円状に打ち抜いて、直径5mmの孔42を設けた。この積層体10上に印刷を行った後、切り取り線41で積層体10を切り取ることにより、バンド1を得ることができる。
(印刷性)
10枚分のバンドの切り取り線を設けた積層体を、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下で1週間保管した。その後、温度30℃、相対湿度80%の環境下で、切り取り線内の各バンドの領域内に、バーコードと文字を連続で印刷した。印刷には、バーコードプリンターXiIII(Zebra社製)を用いた。印刷したバーコードと文字から、印刷性を次のように評価した。
A:バンドにカールが無く、問題なく印刷できた
B:バンドに若干のカールがあるものの、問題なく印刷できた
C:バンドに若干のカールがあり、印刷位置がややずれる
D:バンドがカールして浮き上がり、印刷位置がずれるか、切り取り線からバンドが外れる
E:バンドがカールして浮き上がり、印刷位置がずれるか、紙詰まりが生じ、かつ切り取り線からバンドが外れる
(耐久性)
切り取り線で積層体からバンドを切り取って、得られた10枚のバンドのサンプルを、それぞれSUS製の円筒管に巻いた。図3は、円筒管に巻いたバンドを示す。図3に示すように、バンド1を円筒管44に巻いて、バンド1の孔42にミニホック鋲43を通してバンド1の両端を止めた。その後、円筒管44を1週間屋外に吊るして、その耐久性を次のように評価した。
A:状態に変化なし
B:状態にほぼ変化なし
C:ミニホック鋲が外れそうなサンプルがある
D:ミニホック鋲が外れたサンプルが1個ある
E:ミニホック鋲が外れたサンプルが2個以上ある
(使用感)
切り取り線で積層体からバンドを切り取って、得られた10枚のバンドのサンプルを被験者5名に装着した。装着時には、被験者の手首にバンドを巻いた後、図3に示すように、バンドの孔にミニホック鋲を通して両端を止めた。各被験者に4時間のデスクワークをした後の痛み、痒み等の違和感を聴取した。聴取した違和感から、バンドの使用感を次のようにして評価した。
A:被験者全員が全く違和感を感じない
B:被験者1名が違和感を感じたが、ごく軽い違和感であった
C:被験者1名が違和感を感じた
D:被験者2名が違和感を感じた
E:被験者3名以上が違和感を感じた
下記表5は、評価結果を示す。
Figure 0006917838
実施例1〜7と比較例1を比較すると、基材層(C)として石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムを使用することにより、印刷性、耐久性及び使用感に優れたバンドが得られることが分かる。また、実施例1〜7のバンドは、いずれも皺がなく、外観に優れていた。
また、比較例2からは、バンドの優れた耐久性は実施例1〜7の基材層(C)によって得られることが分かる。
1 バンド
10 積層体
A 印刷層
A1 感熱記録層
A2 樹脂層
B 接着層
C 基材層
C1 第1層
C2 第2層
C3 第3層
本発明の積層体及びバンドは、手首、足首等の身体の一部に巻き付けて装着するバンドとして使用することができる。本発明の積層体及びバンドは、柔軟性に優れ、装着者に不快感を与えず、使用感に優れるとともに、高湿度環境下においてもカールが少なく、安定した印刷性を有することから、個人の識別及び管理のためのバンドとして好適に利用することができる。また、本発明の積層体及びバンドは、耐久性、特に引き裂き耐性に優れることから、長時間身体に装着して使用するバンドとしての利用性が高い。

Claims (7)

  1. 基材層と、
    前記基材層の少なくとも一方の面上に位置する印刷層と、を備え、
    前記基材層が、石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムであり、
    前記基材層及び前記印刷層の少なくとも一方が、無機粒子を含有し、
    前記印刷層が、感熱記録層と、前記感熱記録層と前記基材層との間に樹脂層と、を備え、
    前記樹脂層が、前記無機粒子を含有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムを含むことを特徴とする積層体。
  2. 前記基材層と前記印刷層との間に、接着層を備えることを特徴とする請求項に記載の積層体。
  3. 前記石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂フィルムが、結晶核剤を含有することを特徴とする請求項に記載の積層体。
  5. 前記石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムが、無延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記基材層が、さらに前記石油樹脂類を含有する熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、石油樹脂類を含有しない熱可塑性樹脂フィルムを備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の積層体を用いたバンド。
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