JP6917190B2 - 空調システム - Google Patents
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しかも、上述したように天井側空調設備と床側ペリメータ空調設備を備えた空調システムでは、床側ペリメータ空調設備による冷房が必要となる頻度は比較的少ないので、床側ペリメータ空調設備の冷房運転に対応して設けられたドレン排管等の結露水排出設備の使用頻度も比較的少ない。
室内空間のペリメータゾーンに床側から空調空気を送風する床側ペリメータ空調設備とが備えられ、
前記天井側空調設備は、空気を加熱して前記有孔天井材を介して室内空間に送風する、又は、前記放射天井材を介して室内空間に対して熱放射する暖房運転と、空気を冷却して前記有孔天井材を介して室内空間に送風する、又は、前記放射天井材を介して室内空間に対して熱吸収する冷房運転とを実行可能に構成され、
前記床側ペリメータ空調設備は、空気を加熱してペリメータゾーンに送風する暖房運転と、結露が発生しない結露防止運転条件下で空気を冷却してペリメータゾーンに送風する結露防止冷房運転とを実行可能に構成され、
前記天井側空調設備が前記暖房運転を実行して前記床側ペリメータ空調設備が前記暖房運転を実行する暖房・暖房モードと、前記天井側空調設備が前記冷房運転を実行して前記床側ペリメータ空調設備が前記結露防止冷房運転を実行する冷房・冷房モードを実行可能に構成されている点にある。
更に、室内空間の冷房負荷についても、天井側空調設備による天井側からの冷房に、必要に応じて、床側ペリメータ空調設備にて結露防止冷房運転を実行して床側からペリメータゾーンへの冷房を追加し、適切に賄うことができる。
室内空間のペリメータゾーンに床側から空調空気を送風する床側ペリメータ空調設備とが備えられ、
前記床側ペリメータ空調設備は、空気を加熱してペリメータゾーンに送風する暖房運転と、結露が発生しない結露防止運転条件下で空気を冷却してペリメータゾーンに送風する結露防止冷房運転とを実行可能に構成され、
前記床側ペリメータ空調設備において、前記暖房運転における送風速度よりも前記結露防止冷房運転における送風速度が大に設定されている点にある。
そして、結露防止冷房運転では、暖房運転よりも送風速度を大にし、重力差に抗して床側から上層側への空気到達距離を延ばす形態で、ペリメータゾーンの冷房を適切に行うことができる。
しかも、このように結露防止冷房運転にて送風速度を大にすることで、結露防止冷房運転の運転条件を更に結露の発生を防止する安全側の条件とすることができ、結露防止冷房運転での結露の発生を一層確実に防止することができる。
前記空気吸込口及び前記空気吹出口は、前記空気吸込口が前記空気吹出口よりも屋外側に位置する配置状態で備えられている点にある。
また、夏季等に床側ペリメータ空調設備にて結露防止冷房運転を実行する場合には、最も高温となる屋外側(窓側)の室内空気を空気吸込口から吸い込んで冷却して空気吹出口から吹き出すことにより、ペリメータゾーンの温熱環境を効率的に改善することができる。
しかも、この結露防止冷房運転において、最も高温となる屋外側(窓側)の室内空気を冷却対象空気とすることで、露点温度との差が比較的大きく確保し易くなり、冷却対象空気を露点温度以下まで冷却して結露水が発生するのを一層確実に防止することができる。
更に、暖房運転の立ち上り時等の高暖房負荷時に、結露水蒸発手段としての電気ヒータにて空気を追加加熱して暖房熱量を補完することができる。
前記結露水蒸発手段は、前記空気吸込口から吸い込む室内空気の量を増加させて、その増加させた室内空気に結露水を晒して結露水を蒸発させるように構成されている点にある。
よって、床側ペリメータ空調設備において、ペリメータゾーンを空調するために吸い込んだ室内空気(還気)を用いて結露水を蒸発させることができ、床側ペリメータ空調設備本来の機能を利用して結露水を蒸発させることができる。
しかも、この結露防止冷房運転時に空気吸込口から吸い込む室内空気は、比較的温度が高くて結露水の蒸発に適したペリメータゾーンの空気であるので、結露水を効率良く蒸発させることができる。
この空調システムは、図1(a)に示すように、天井側から室内空間Aを空調する天井側空調設備10と、床側から室内空間Aの窓W際等のペリメータゾーンPを空調する床側ペリメータ空調設備20と、空調システムの運転状態を制御する制御装置30等を備えて構成されている。
以下、天井側空調設備10、床側ペリメータ空調設備20、及び、空調システムの各運転モードについて詳述する。
図1(a)に示すように、天井側空調設備10は、上階側のスラブS2の下方側に配置された空調用天井材11にて室内空間Aとは区画された天井チャンバ12に空調空気SA1を供給し、空調用天井材11を介して天井側から室内空間Aを空調するように構成されている。
なお、図示は省略するが、天井チャンバ12には、外気導入路(図示省略)を通じて適宜に外気を導入することができる。また、必要に応じて、室内空間AにおけるペリメータゾーンPの境界部位に垂れ壁K等を配置することができる。
図示は省略するが、空調用室内機13は、熱源機や室外機等から冷温水や冷媒等の熱媒体が循環供給される熱交換器や通風ファン等を備えて構成されている。
(暖房運転)
天井側空調設備10は、制御装置30から暖房運転が指令されると、空調用室内機13にて室内空間Aからの還気RA1を加熱し、その加熱空気を空調空気SA1として天井チャンバ12内に供給する暖房運転を実行する。
すると、天井チャンバ12内に供給された空調空気SA1(加熱空気)にて空調用天井材11が加熱され、その加熱された空調用天井材11を介して天井側から室内空間Aの全般に対して熱放射が行われる。また、空調用天井材11に分散形成された多数の孔を通じて、天井チャンバ12内から室内空間Aの全般に空調空気SA1(加熱空気)が導入される。
このようにして、天井側空調設備10は、天井側から室内空間Aの全般を効率的に暖房することができる。
天井側空調設備10は、制御装置30から冷房運転が指令されると、空調用室内機13にて室内空間Aからの還気RA1を冷却し、その冷却空気を空調空気SA1として天井チャンバ12内に供給する冷房運転を実行する。
すると、天井チャンバ12内に供給された空調空気SA1(冷却空気)にて空調用天井材11が冷却され、その冷却された空調用天井材11を介して天井側から室内空間Aの全般に対して熱吸収が行われる。また、空調用天井材11に分散形成された多数の孔を通じて、天井チャンバ12内から室内空間Aの全般に空調空気SA1(冷却空気)が導入される。
このようにして、天井側空調設備10は、天井側から室内空間Aの全般を効率的に冷房することができる。特に、天井側から室内空間Aの全般に導入された空調空気SA1(冷却空気)は、重力差により室内空間Aの下層側に自然降下するので、室内空間Aの冷房が一層効率的なものとなる。
図1(a)、(b)に示すように、床側ペリメータ空調設備20は、ペリメータゾーンPから還気RA2を吸い込んで温調した後に空調空気SA2として床側からペリメータゾーンPに送風可能に構成されている。
本実施形態では空気吸込口21及び空気吹出口22は、空気吸込口21が空気吹出口22よりも屋外側に位置する配置状態で備えられている。
しかも、このように結露防止冷房運転にて送風速度を大にすることで、この結露防止冷房運転の運転条件を更に結露水の発生を防止する安全側の条件とすることができ、結露防止冷房運転での結露水の発生を一層確実に防止することができる。
この床側ペリメータ空調設備20は、冷房時の結露水の発生が防止されているので、床側ペリメータ空調設備20に対するドレン排管等のドレン水排出設備は省略されている。
本実施形態では、電気ヒータ26は、ドレンパン27の直上で、且つ、本体ケーシング23内の風路に配置されている。そのため、ドレンパン27の上面側に受け止められた結露水を電気ヒータ26にて直接的に加熱することができる。また、暖房運転の立ち上がり時等、暖房負荷が大きい場合等に電気ヒータ26にて空気を追加加熱することができる。
(暖房運転)
床側ペリメータ空調設備20は、制御装置30から暖房運転が指令されると、空気吸込口21を通じてペリメータゾーンPから下向きに還気RA2を吸い込んで加熱し、その加熱した空気を空調空気SA2として空気吹出口22を通じて床側からペリメータゾーンPに上向きに送風する暖房運転を実行する。この暖房運転では、立ち上がり時等の暖房負荷が大きい場合には、電気ヒータ26を作動させて電気ヒータ26にて還気RA2を追加加熱する。
更に、本実施形態では、空気吸込口21がペリメータゾーンPの屋外側に位置し、空気吹出口22がペリメータゾーンPの室内側に位置するので、冬季等の暖房運転時において、ペリメータゾーンPで最も低温の屋外側の空気を吸い込んで加熱し、その加熱空気を空調空気SA2としてペリメータゾーンPの室内側に吹き出すことができ、ペリメータゾーンPの温熱環境を効率的に改善することができる。
床側ペリメータ空調設備20は、制御装置30から結露防止冷房運転が指令されると、結露が発生しない結露防止運転条件下で、空気吸込口21を通じてペリメータゾーンPから下向きに還気RA2を吸い込んで冷却し、その冷却した空気を空調空気SA2として空気吹出口22を通じて床側からペリメータゾーンPに上向きに送風する結露防止冷房運転を実行する。
なお、露点温度計測器は、露点温度を直接計測するものを利用することができるが、温湿度計の計測結果により露点温度を演算するものを利用してもよい。
更に、本実施形態では、空気吸込口21がペリメータゾーンPの屋外側に位置し、空気吹出口22がペリメータゾーンPの室内側に位置するので、夏季の結露防止冷房運転において、ペリメータゾーンPで最も高温の屋外側の室内空気を吸い込んで冷却し、その冷却空気を空調空気SA2としてペリメータゾーンPの室内側に吹き出すことができ、ペリメータゾーンPの温熱環境を効率的に改善することができる。
しかも、この結露防止冷房運転において、最も高温となる屋外側(窓側)の室内空気を冷却対象空気とすることで、露点温度との差が比較的大きく確保し易くなり、冷却対象空気を露点温度以下まで冷却して結露水が発生するのを一層確実に防止することができる。
床側ペリメータ空調設備20は、内蔵した各種のセンサ等の計測結果等から結露水の発生を示す所定の結露水発生条件が成立したと判定すると、結露水蒸発手段28としての電気ヒータ26を所定の出力で作動させる結露水蒸発運転を実行する。
ここで、結露水発生条件は、例えば、床側ペリメータ空調設備20に内蔵した各種のセンサ等で計測される還気RA2の温湿度が設定範囲から外れる場合や、各種のセンサ等で計測されるドレンパン等の水位が設定範囲を超える場合等に設定することができる。
この結露水蒸発運転の実行により、ドレンパン27の上面側に受け止められた結露水を電気ヒータ26にて直接的に加熱し、結露水を効率良く蒸発させることができる。
次に、図1、図2を参照して空調システムの各運転モードについて説明を加える。なお、制御装置30は、ユーザーのリモコン操作による指令や各種センサ等から入力される室内空気や外気の温湿度情報等に基づいて各運転モードを選択することができる。
制御装置30が「暖房・暖房モード」を選択すると、天井側空調設備10及び床側ペリメータ空調設備20に対して暖房運転が指令される。
また、床側ペリメータ空調設備20は、前述した暖房運転を実行し、空気吸込口21を通じてペリメータゾーンPから下向きに還気RA2を吸い込んで加熱し、その加熱した空気を空調空気SA2として空気吹出口22を通じて床側からペリメータゾーンPに上向きに送風し、ペリメータゾーンPに対して暖房を追加する。
制御装置30が「冷房・暖房モード」を選択すると、天井側空調設備10に対して冷房運転が指令され、床側ペリメータ空調設備20に対して暖房運転が指令される。
また、床側ペリメータ空調設備20は、前述した暖房運転を実行し、空気吸込口21を通じてペリメータゾーンPから下向きに還気RA2を吸い込んで加熱し、その加熱した空気を空調空気SA2として空気吹出口22を通じて床側からペリメータゾーンPに上向きに送風し、ペリメータゾーンPに対して暖房を行う。
制御装置30が「冷房・冷房モード」を選択すると、天井側空調設備10に対して冷房運転が指令され、床側ペリメータ空調設備20に対して結露防止冷房運転が指令される。
また、床側ペリメータ空調設備20は、前述した結露防止冷房運転を実行し、結露が発生しない結露防止運転条件下で、空気吸込口21を通じてペリメータゾーンPから下向きに還気RA2を吸い込んで冷却し、その冷却した空気を空調空気SA2として空気吹出口22を通じて床側からペリメータゾーンPに上向きに送風し、結露水の発生を防止した状態で弱レベル又は中レベルの冷房を行う。
しかも、「冷房・冷房モード」において、床側ペリメータ空調設備20の側で結露水の発生を示す所定の結露水発生条件が成立した場合には、床側ペリメータ空調設備20は、前述した結露水蒸発運転を実行し、その結露水を蒸発させるので、結露水が床下空間に漏洩する不都合が生じるのを確実に防止することができる。
(1)前述の実施形態では、結露水蒸発手段28として、床側ペリメータ空調設備20の結露防止冷房運転にて発生した結露水を加熱して蒸発可能で、且つ、暖房運転にて空気を追加加熱可能な電気ヒータ26が床側ペリメータ空調設備20に備えられている場合を例に示したが、結露水蒸発手段28は、結露防止冷房運転にて発生した結露水を蒸発可能な各種の構成を適宜に採用することができる。
なお、この場合、結露水蒸発手段28は、床側ペリメータ空調設備20の制御部(図示省略)や通風ファン24、ドレンパン27等から構成されている。
11 空調用天井材
20 床側ペリメータ空調設備
21 空気吸込口
22 空気吹出口
26 電気ヒータ
28 結露水蒸発手段
A 室内空間
P ペリメータゾーン
V1 送風速度
V2 送風速度
Claims (6)
- 有孔天井材を介して天井側から室内空間に空調空気を送風する、又は、放射天井材を介して天井側から室内空間に対して熱放射又は熱吸収する天井側空調設備と、
室内空間のペリメータゾーンに床側から空調空気を送風する床側ペリメータ空調設備とが備えられ、
前記天井側空調設備は、空気を加熱して前記有孔天井材を介して室内空間に送風する、又は、前記放射天井材を介して室内空間に対して熱放射する暖房運転と、空気を冷却して前記有孔天井材を介して室内空間に送風する、又は、前記放射天井材を介して室内空間に対して熱吸収する冷房運転とを実行可能に構成され、
前記床側ペリメータ空調設備は、空気を加熱してペリメータゾーンに送風する暖房運転と、結露が発生しない結露防止運転条件下で空気を冷却してペリメータゾーンに送風する結露防止冷房運転とを実行可能に構成され、
前記天井側空調設備が前記暖房運転を実行して前記床側ペリメータ空調設備が前記暖房運転を実行する暖房・暖房モードと、前記天井側空調設備が前記冷房運転を実行して前記床側ペリメータ空調設備が前記結露防止冷房運転を実行する冷房・冷房モードを実行可能に構成されている空調システム。 - 有孔天井材を介して天井側から室内空間に空調空気を送風する、又は、放射天井材を介して天井側から室内空間に対して熱放射又は熱吸収する天井側空調設備と、
室内空間のペリメータゾーンに床側から空調空気を送風する床側ペリメータ空調設備とが備えられ、
前記床側ペリメータ空調設備は、空気を加熱してペリメータゾーンに送風する暖房運転と、結露が発生しない結露防止運転条件下で空気を冷却してペリメータゾーンに送風する結露防止冷房運転とを実行可能に構成され、
前記床側ペリメータ空調設備において、前記暖房運転における送風速度よりも前記結露防止冷房運転における送風速度が大に設定されている空調システム。 - 前記床側ペリメータ空調設備は、空気吸込口から室内空気を吸い込んで温調して空気吹出口から空調空気として吹き出すように構成され、
前記空気吸込口及び前記空気吹出口は、前記空気吸込口が前記空気吹出口よりも屋外側に位置する配置状態で備えられている請求項1又は2記載の空調システム。 - 前記結露防止冷房運転にて発生した結露水を蒸発可能な結露水蒸発手段が備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調システム。
- 前記床側ペリメータ空調設備には、前記結露防止冷房運転にて発生した結露水を加熱して蒸発可能で、且つ、前記暖房運転にて空気を追加加熱可能な電気ヒータが前記結露水蒸発手段として備えられている請求項4記載の空調システム。
- 前記床側ペリメータ空調設備は、空気吸込口から室内空気を吸い込んで温調して空気吹出口から空調空気として吹き出すように構成され、
前記結露水蒸発手段は、前記空気吸込口から吸い込む室内空気の量を増加させて、その増加させた室内空気に結露水を晒して結露水を蒸発させるように構成されている請求項4記載の空調システム。
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