JP6916748B2 - 電子顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、電子顕微鏡に関する。
材料の機能性発現や高温特性改善などを目的として、材料に微量元素を添加することがある。例えば磁性材料においては、主相はその磁性材料の特性を決定づける結晶構造であり、その結晶構造が周期的に繰り返し配置されることにより、当該磁性材料の特性が発現する。その結晶構造のうちいずれかの部位を添加元素によって置き換えることにより、当該磁性材料に新たな機能性を発現させることができる。機能性発現の原因を把握するためには、添加元素が主相に置換しているか否か、さらに主相の結晶構造のうちどの部位が添加元素によって置換されているか(すなわち置換サイト)を計測する必要がある。
従来、置換サイトの計測は、XAFS(X−ray Absorption Fine Structure)放射光や中性子回折により実施されていた。放射光や中性子回折においては、ビームサイズが数10μm〜数mmであるのに対し、主相の結晶構造はミクロンサイズであるので、計測が困難であった。また放射光施設においては、マシンタイムの制限があるので、短TAT(Turn Around Time)で置換サイトを計測することは困難であった。
電子顕微鏡を用いる場合、電子線をナノメートルまで絞ることができるので、ミクロンサイズの粒子単位で置換サイトを計測することができる。さらに、実験室レベルの計測であるので、短TATで計測することができる。電子線とこれにより励起される特性X線を利用した置換サイト計測法として、下記非特許文献1に記載されているALCHEMI法(Atom Location by Channeling−Enhanced MIcroanalysis)があり、既に実験的にも有用性が示されている。
ALCHEMI法は、試料に対して照射する電子線の入射方向を変えながら、試料から放出されるX線のスペクトルを解析することにより、試料の原子構造を分析する方法である。ALCHEMI法の解析精度を向上させるためには、電子線の入射方向を変化させても、その入射部位における試料の原子列数が大きく変化しないことが重要である。また試料からX線が放出される過程において、試料自体がX線をある程度吸収するので、X線が通過する距離が方向毎に大きく異なると、X線の検出精度が方向に依拠してばらつき好ましくない。したがって、電子線の入射方向が変化しても試料厚さが大きく変わらないことも重要である。
下記特許文献1は、円筒形状の試料を作成してその中心軸周りで試料を回転させながら試料を観察する手法を開示している。電子線は、回転軸に対して直交する方向から試料に対して入射する。したがって、回転軸に対して直交する平面上で電子線の入射角度を変化させたとしても、電子線の侵入長は変わらない。
特許第3677895号
J. Taftφ and J. C. H. Spence, Ultramicroscopy, 9, 243 (1982)
特許文献1記載のような円筒形状の試料を用いる場合、回転軸に対して直交する平面上で電子線の入射角度を変化させたとしても、電子線の侵入長は変わらない。しかしALCHEMI法においては、電子線の入射角度を2次元方向に変化させる。したがって、特許文献1記載の円筒試料の場合であれば、回転軸に対して平行な平面上で電子線の入射角度を変化させる場合もある。そうすると、電子線の入射角度に依拠して電子線の侵入長とX線の横断長が異なるので、計測精度が低下する。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、電子線の入射角度を2次元方向に変化させたとしても、電子線の侵入長とX線の横断長ができる限り変化しないようにすることを目的とする。
本発明に係る電子顕微鏡は、第1方向から電子線を照射したとき試料内を前記電子線が通過する第1距離と、第2方向から前記電子線を照射したとき前記試料内を前記電子線が通過する第2距離とが互いに等しい形状を有する試料を計測する。X線検出器は、前記第1および第2方向それぞれにおいて前記電子線を照射したとき前記試料から放出されるX線を検出する。
本発明に係る電子顕微鏡によれば、電子線の入射角度を2次元方向に変化させたとしても、電子線の侵入長とX線の横断長を揃えることができる。したがって、ALCHEMI法の解析精度を向上させることができる。
ALCHEMI法の原理を説明する図である。 試料を加工する様子を示す図である。 実施形態1に係る電子顕微鏡100の構成図である。 試料24の周辺を拡大した図である。 試料24の周辺をさらに拡大した図である。 試料24を作製する手順を説明する図である。 試料24を加工する過程を説明する図である。 半球形状の揺らぎΔrを定義する図である。 X線強度ゆらぎ(I/I’)と許容膜厚ゆらぎ(Δr)の関係を示す図である。
<ALCHEMI法の原理と課題について>
以下では本発明の原理を理解し易くするため、まず非特許文献1記載のALCHEMI法の原理と、電子線の侵入長に関する課題について説明する。その後に本発明の構成について説明する。
図1は、ALCHEMI法の原理を説明する図である。図1(a)に示す角度で電子線26aが試料24に対して入射すると、電子線26aが試料24内の原子列を透過しながら、透過波と回折波が発生し相互に干渉する。この条件においては、原子Aの原子列に定在波が生じたものとする。この場合、X線検出器が検出するX線スペクトルにおいては原子AのX線強度が高く、原子BのX線強度は低い(図1(c))。図1(b)に示す角度で電子線26bが入射すると、原子Bの原子列に定在波が生じたものとする。この場合のX線スペクトルにおいては、原子BのX線強度が高く、原子AのX線強度は低い(図1(d))。このように、X線スペクトル強度は電子線の入射角度に依存する。図1(b)の場合における原子CのX線強度は、図1(a)における原子CのX線強度よりも高いので、原子Cは原子Bを置換していることが分かる。
図1においては電子線26aの照射角をx方向にθx傾けているが、原子は3次元的に配列しているので、ALCHEMI法においてはさらに照射角をy方向にθy傾けて計測を実施する。3次元構造の解析精度を上げるためには、θx、θyをできるだけ細かく変化させる必要がある。ある角度条件(θx1、θy1)ごとにX線スペクトルを1つ取得する。例えば角度を0°≦θx≦180°、0°≦θy≦180°とし、θxとθyを1°ずつ変化させながら計測を実施した場合、X線スペクトルを32761個(=181×181個)取得することになる。このデータを非特許文献1記載のALCHEMI法によって解析することにより、3次元的な原子配列構造および置換構造とその比率を知ることができる。
このようにALCHEMI法においては、電子線が照射している箇所における原子列数が重要な情報である。他方でAlCHEMI法は、試料に対して電子線の入射方向を幅広く変える計測手法であるので、解析精度を向上させるためには、電子線の入射方向が変化しても原子列数が大きく変化しないことが重要である。また軽元素を分析する際には、電子線が励起する特性X線のエネルギーが低いので、試料からX線検出器までの間において試料自体がX線を吸収する効果も無視できない。したがって、観察条件(電子線の入射角度)ごとに試料厚さが変わらないように工夫することが必要である。
通常、電子顕微鏡を用いて試料を観察する際には、試料を目的箇所のみ薄片化し、入射電子線が試料内で散乱して広がらないようにする。例えば加速電圧が100kV〜300kV程度の汎用電子顕微鏡においては、加速電圧や試料の原子番号に応じて数nm〜数100nmの厚さに試料を薄片化する必要がある。試料を薄片化加工する際には、電解研磨やイオンビーム加工が用いられる。特に目的視野から精度良く試料を摘出して薄片化するためには、FIB(Focused Ion Beam;集束イオンビーム)加工を用いることが多い。これにより平坦な薄片化試料を加工することができる。
図2は、試料を加工する様子を示す図である。ALCHEMI法は、試料に対する電子線の入射方向を2次元方向に変化させるので、平坦な板状の薄片化試料を用いた場合は、試料面に対して垂直に電子線が入射したときと斜めに入射したときを比較すると、電子線の侵入長およびX線が試料内で横断する距離(横断長)が互いに異なることになる(図2(a))。
CT(Computed Tomography)により微細な3次元構造を観察する3次元電子顕微鏡においては、電子線の侵入長をできるだけ揃えたいので、図2(b)のような円筒形試料を用いる。この場合は、円筒の中心軸に対して直交する平面上で電子線の入射方向を変えたとしても、試料を中心軸周りで回転させることにより、電子線の侵入長を容易に揃えることができる(図2(b)左下)。しかしALCHEMI法においては、2次元方向に電子線の入射方向を変化させる必要があるので、たとえば円筒の中心軸に対して平行な平面上で電子線の入射方向を変化させることになる。この場合は、電子線の侵入長を揃えることができない(図2(b)右下)。
<実施の形態1>
図3は、本発明の実施形態1に係る電子顕微鏡100の構成図である。電子顕微鏡100は、ALCHEMI法を用いて試料24の原子構造を解析するために用いる信号を取得するように構成されている。
電子銃11(電子銃制御回路11’が制御する、以下同様に表記)から放射された電子線26は、コンデンサレンズ12(コンデンサレンズ制御回路12’)、コンデンサ絞り13(コンデンサ絞り制御回路13’)、軸ずれ補正用偏向器14(軸ずれ補正用偏向器制御回路14’)、収差補正器15(収差補正器制御回路15’)、イメージシフト用偏向器16(イメージシフト用偏向器制御回路16’)、対物レンズ18(対物レンズ制御回路18’)、投射レンズ22(投射レンズ制御回路22’)により、試料ホルダ20(試料ホルダ制御回路20’)上の目的分析箇所を半球型に薄膜化した試料24に収束、照射される。電子線26は、走査用偏向器17により試料面上で2次元的に走査される。透過電子線27の強度を電子検出器21(電子検出器制御回路21’)で検出し、走査位置と同期をとって計算機23上で画像表示することにより、試料の構造/組成/電子状態に対応したコントラストを有する透過電子線像を観察することができる。
図4は、試料24の周辺を拡大した図である。記載の便宜上、説明のため必要な構成要素のみ示した。電子線26は、コンデンサレンズ12により平行にされた後、軸ずれ補正用偏向器14に入射する。軸ずれ補正用偏向器14により、電子線26は試料24に対して角度Θxだけ傾いて入射する。電子線26はある程度の幅を有するが、試料24に対する入射角は常にΘxである(すなわち平行ビーム)。試料24のうち電子線26が照射された部位から、その部位の元素種に対応した特性X線28が発生する。X線検出器19(X線検出器制御回路19’)は特性X線28を検出する。
図5は、試料24の周辺をさらに拡大した図である。試料ホルダ20上には薄片化された試料24が設置されている。試料24は、特に注目する分析箇所29を中心とする半球部分と、半球部分を保持する板形状の支持部分とを有する。試料24に対して電子線26がさまざまな角度から入射する。電子線26を偏向することに代えて、またはこれと併用して、2軸傾斜試料ステージなどの装置が試料ホルダ20を傾斜させることにより、電子線26と試料24との間の相対角度を変化させてもよい。
図6は、試料24を作製する手順を説明する図である。母試料の目的視野の周辺を溝加工し、目的視野にマイクロプローブ30を接触させる。次にFIB装置内で有機タングステンガスを流し、マイクロプローブ30先端にイオンビームを照射することにより有機タングステンガスを固体化して、マイクロプローブ30と試料24を固定する(図6(a))。次にマイクロプローブ30で試料24を摘出し、試料台31に試料24を移動する(図6(b))。次に、試料台31と試料24の接触部に再度有機タングステンガスを流してイオンビームを照射することにより、試料台31と試料24を仮固定する(図6(c))。続いてFIBでマイクロプローブ30側の余分な試料部分を切除したあと、試料台31と試料24の間の固定を強化し、本固定とする(図6(d))。次に試料台31および試料24をFIB装置内で90°回転し、イオンビーム照射方向と試料24の方位関係を図6(e)の関係とする。イオンビームは照射時間におおむね比例した深さだけ試料24を削るので、はじめにFIB#1により、試料24が点線の形状に残るようにFIB照射時間をコントロールして上面を加工する。次にFIB#2により下面を平坦に加工する。以上の操作により、図5に示した半球型形状の試料が作製できる。試料台31を試料ホルダ20上に機械的に固定することにより、試料24が電子顕微鏡100を用いた観察に供される。
X線検出器19は、電子線26の各入射角度における特性X線28を検出し、その検出結果を表す信号を出力する。計算機23は、その検出信号が表す特性を、図1で例示したALCHEMI法にしたがって解析することにより、置換された元素種を特定することができる。さらに試料24の結晶構造におけるいずれのサイトが置換されたかを特定することができる。ALCHEMI法の具体的手法は公知であるので、ここでは詳細説明を省略する。
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る電子顕微鏡100は、半球形状を有する試料24に対して複数の入射角度から電子線26を照射する。半球部分に対して入射した電子線26は、いずれの方向から入射したとしても侵入長は等しい。したがって、電子線26の入射角度を2次元方向に変化させたとしても、特性X線28のスペクトルは等価であると考えられる。これにより、特性X線28を用いたALCHEMI法の解析精度を向上させることができる。
<実施の形態2>
本発明の実施形態2では、半球型試料の作製手順についてより詳細に説明する。FIB装置は、数nm径に集束したイオンビームを2次元面上で走査することにより、任意形状の3次元構造を加工することができる。イオンビームは照射時間におおむね比例した深さだけ試料を削るので、ビーム照射方向に沿った試料24の高さは、FIB照射時間をコントロールすることにより制御できる。
図7は、試料24を加工する過程を説明する図である。図7(a)は、試料の平面形状を示す上面図である。以下では分析箇所29を座標の原点(0,0)とし、半径rの半球型試料を作製するものとする。図7(b)は図7(a)の側面図である。加工前試料面からFIB加工を開始し、半球の頂点高さ、すなわち半球半径をrとする。したがって、加工前試料面から半球の頂点がある高さまでは一律tの厚さを削り落とす必要がある。試料24の板状部分は、さらに厚さ(t+r)を削り落とすことにより形成する。
半球状の箇所は、場所によって削る高さが異なる。分析箇所29を原点としたxy面における座標を(x,y)とし、座標(x,y)における加工厚さをt(x,y)とすると、イオンビーム照射時間はT(x,y)=A・t(x,y)となる。Aは、削る材料/イオンビーム種/イオンビームエネルギーにより異なるスパッタレート(単位は例えばsec/nm)である。加工厚さt(x,y)は場所によって異なる。z方向から見て半球の内側、すなわち(x+y)≦rの領域においては、t(x,y)=r−(r−(x+y))1/2である。半球の外側かつ試料面上、すなわち(x+y)≧rかつ−a≦x≦a,−b≦y≦bの領域においては、t(x,y)=rとなる。
ビーム走査は図7(c)〜図7(e)のようにさまざまなやり方があるが、いずれも加工位置座標が決まればイオンビーム照射時間は一義に決めることができる。したがっていずれの走査形状であっても図7(b)の手順を実施することができる。
本発明では試料の形状を半球型としているが、イオンビームで加工する限りは理想的な半球を作製することは困難である。半球からどれだけずれたプロファイルの試料形状が許されるかは、分析精度をどこまで追及するかに依存している。そこで以下では形状揺らぎの考えを取り入れ、これを規定する根拠を示すことにする。
図8は、半球形状の揺らぎΔrを定義する図である。半径rの理想的半球の外周面は、球面方程式x+y+z=rにより規定される。許容される半径方向の形状揺らぎをΔrと定義すると、(r−Δr)≦x+y+z≦(r+Δr)が成り立つことになる。試料形状が揺らいだ場合、電子線26が試料内を透過する長さも揺らぐので、励起するX線量も揺らぐことになる。さらに、励起された特性X線28は試料内で吸収されながら試料外に放出される。特に軽元素から放出されるエネルギーが1keVより低いX線の場合は、吸収の影響が無視できない。
半球半径がrのときと(r+Δr)のときそれぞれにおいて放出される特性X線28の強度をI、I’とすると、(I−I’)/I=Io・〔exp(−r/λ)−exp(−(r+Δr)/λ)〕/Io・exp(−r/λ)=1−exp(−Δr/λ)となる。これよりΔr=λ・ln(I/I’)の関係が導かれる。すなわち、本来得られるX線量がIとなるべきところI’となるので、これらの間の差が計測誤差となる。
図9は、X線強度ゆらぎ(I/I’)と許容膜厚ゆらぎΔrの関係を示す図である。許容される計測誤差は評価内容に寄って異なる。ここでは1例として、典型的な平均自由行程(例えばシリコン中のボロン)である180nmにおけるX線強度ゆらぎ(I/I’)と許容膜厚ゆらぎΔrの関係を示した。理想的にはI/I’=1(=100%)であるので、この場合の許容膜厚ゆらぎΔrはゼロになる。I/I’=0.8(=80%)程度で足りる場合は、許容膜厚ゆらぎΔrは40nm程度である。極微量元素の分析などにおいては、I/I’=0.99(=99%)程度が必要となり、この場合の許容膜厚ゆらぎΔrは1.8nm程度である。このように試料形状の揺らぎは、必要な分析精度との関係で定義することができる。
<本発明の変形例について>
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
以上の実施形態において、計算機23は、X線検出器19による検出結果を用いて、電子線26の各入射方向におけるX線強度間の差分を求めることにより、Δrを求めることができる。計算機23は、求めたΔrが上述の許容範囲内に収まっていない場合は、その旨のアラートを出力してもよい。これによりユーザは、試料24を入れ替えるなどの措置を取ることができる。
以上の実施形態においては、試料24の結晶構造のうち添加元素によって置き換えられている部位(置換サイト)を、ALCHEMI法によって解析することを説明した。添加元素が結晶構造の一部を置き換えることにより機能性が発現するのは、結晶構造が周期性を有するからであると想定される。したがって同様の周期性を有する別の分子構造においても、本発明を適用できる可能性が考えられる。
11:電子銃
11’:電子銃制御回路
12:コンデンサレンズ
12’:コンデンサレンズ制御回路
13:コンデンサ絞り
13’:コンデンサ絞り制御回路
14:軸ずれ補正用偏向器
14’:軸ずれ補正用偏向器制御回路
15:収差補正器
15’:収差補正器制御回路
16:イメージシフト用偏向器
16’:イメージシフト用偏向器制御回路
17:走査用偏向器
17’:走査用偏向器制御回路
18:対物レンズ
18’:対物レンズ制御回路
19:X線検出器
19’:X線検出器制御回路
20:試料ホルダ
20’:試料ホルダ制御回路
21:電子検出器
21’:電子検出器制御回路
22:投射レンズ
22’:投射レンズ制御回路
23:計算機
24:試料
26:電子線
27:透過電子線
28:特性X線
29:分析箇所
30:マイクロプローブ
31:試料台

Claims (3)

  1. 試料に対して電子線を照射する電子顕微鏡であって、
    前記電子線を出射する電子線源、
    前記電子線が前記試料に対して入射する角度を変化させることにより、前記試料に対して複数の角度から前記電子線が照射されるようにする偏向器、
    前記電子線を前記試料に対して照射すると前記試料から生じるX線を検出するX線検出器、
    前記試料を載置するステージ、
    前記X線検出器が検出した前記X線の強度に基づき、前記試料が有する、前記ステージから前記電子線源に向かって突出した球面形状の凸部の半径を計算する演算装置、
    を備え
    前記X線検出器は、前記試料に対し第1方向から前記電子線を照射したとき前記試料から放射された前記X線と、前記試料に対して前記第1方向とは異なる第2方向から前記電子線を照射したとき前記試料から放射された前記X線を検出することにより、前記試料のうち前記電子線が照射された領域における特性を表す信号を取得し、
    前記演算装置は、前記計算した前記凸部の半径が不等式:Δr≦λ・ln(I/I’)を満たしていない場合はその旨のアラートを出力し、
    前記不等式において、
    Δr:前記球面形状の半径rの誤差として許容される許容誤差、
    I:前記球面形状のうち半径がrである部分を通過した前記X線の強度、
    I’:前記球面形状のうち半径がr+Δrである部分を通過した前記X線の強度を
    λ:前記試料に対して入射する前記電子線の前記試料内における平均自由行程または前記試料から放出される前記X線の平均自由行程、
    である
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 前記X線検出器は、複数の角度から前記試料に対して前記電子線を照射すると前記試料から生じる前記X線をそれぞれ検出することにより、前記試料のうち前記電子線が照射された領域において前記試料に対して添加されている元素を特定するために用いる信号を取得する
    ことを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡。
  3. 前記X線検出器は、複数の角度から前記試料に対して前記電子線を照射すると前記試料から生じる前記X線をそれぞれ検出することにより、前記試料の結晶構造のうち前記元素によって置き換えられている置換サイトの箇所を特定するために用いる信号を取得する
    ことを特徴とする請求項2記載の電子顕微鏡。
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