JP6916674B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発電機を制御する車両用制御装置に関する。
車両に搭載される発電機として、モータジェネレータ、オルタネータ或いはISG(Integrated Starter Generator)等の発電機がある。これらの発電機は、エンジン動力によって発電を行うだけでなく、車両制動時やコースト走行時には車輪からの動力によって発電を行うことが多い(特許文献1〜3参照)。
特開2015−116085号公報 国際公開第2012/090924号 国際公開第2012/063572号
ところで、発電機の発電トルクは車両を減速させる要因であることから、車両を過度に減速させることがないように、発電機の発電トルクを制御することが求められている。特に、惰性走行であるコースト走行においては、乗員に対して減速による違和感を与え易い走行状況であることから、発電機の発電トルクを適切に制限することが必要であった。一方、車両の燃費性能を向上させる観点からは、コースト走行時であっても、発電機の発電トルクを高めて発電電力を増加させることが求められている。つまり、コースト走行時においては、乗員に違和感を与えることなく発電電力を増加させることが求められていた。
本発明の目的は、乗員に違和感を与えることなくコースト走行時の発電電力を増加させることにある。
本発明の車両用制御装置は、車両の走行モードとして、乗員の操作によって切り替えられる第1走行モードおよび第2走行モードを備える、車両用制御装置であって、乗員の操作によって設定された走行モードに基づいて、コースト走行時に許容される許容減速度を設定する減速度設定部と、前記許容減速度に基づいて、車両を前記許容減速度で減速させるための第1減速仕事率を算出する第1仕事率算出部と、前記第1減速仕事率に基づいて、車輪に連結される発電機の上限仕事率を算出する上限仕事率算出部と、乗員の操作によって設定された走行モードに基づいて、前記発電機の上限トルクの変化率制限値を設定する変化率制限値設定部と、前記上限仕事率および前記変化率制限値に基づいて、前記発電機の上限トルクを算出する上限トルク算出部と、前記上限トルクに基づいて、コースト走行時に前記発電機の発電トルクを制限する発電機制御部と、を有し、前記減速度設定部は、前記第1走行モードが設定される場合に、前記許容減速度として第1許容減速度を設定し、前記第2走行モードが設定される場合に、前記許容減速度として前記第1許容減速度よりも大きな第2許容減速度を設定前記変化率制限値設定部は、前記第1走行モードが設定される場合に、前記変化率制限値として第1変化率制限値を設定し、前記第2走行モードが設定される場合に、前記変化率制限値として前記第1変化率制限値よりも大きな第2変化率制限値を設定する。
本発明によれば、減速度設定部は、第1走行モードが設定される場合に、許容減速度として第1許容減速度を設定し、第2走行モードが設定される場合に、許容減速度として第1許容減速度よりも大きな第2許容減速度を設定する。これにより、乗員に違和感を与えることなくコースト走行時の発電電力を増加させることができる。
本発明の一実施の形態である車両用制御装置を備える車両の構成例を示す概略図である。 電源回路の一例を示す回路図である。 車両用制御装置の制御系を示す概略図である。 自動変速モードにおいて使用されるシフトパターンの一例を示す説明図である。 スタータジェネレータを発電状態に制御したときの電力供給状況を示す回路図である。 スタータジェネレータを発電休止状態に制御したときの電力供給状況を示す回路図である。 回生発電制御を実行するメインコントローラが備える各機能部の一例を示すブロック図である。 理想車体減速度を設定する際に参照される減速度マップの一例を示す線図である。 回生発電制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。 コースト走行時における車体減速度および回生トルクの推移例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である車両用制御装置10を備える車両11の構成例を示す概略図である。図1に示すように、車両11には、動力源であるエンジン12を備えたパワーユニット13が搭載されている。エンジン12のクランク軸14には、ベルト機構15を介してスタータジェネレータ(発電機)16が機械的に連結されている。また、エンジン12にはトルクコンバータ17を介して変速機構18が連結されており、変速機構18にはデファレンシャル機構19等を介して車輪20が連結されている。つまり、スタータジェネレータ16は、エンジン12や変速機構18等を介して車輪20に連結されている。また、エンジン12には、インジェクタ、イグナイタおよびスロットルバルブ等の補機21を制御するため、マイコン等からなるエンジンコントローラ22が接続されている。
エンジン12に連結されるスタータジェネレータ16は、発電機および電動機として機能する所謂ISG(Integrated Starter Generator)である。スタータジェネレータ16は、クランク軸14に駆動される発電機として機能するだけでなく、クランク軸14を回転させる電動機として機能する。例えば、アイドリングストップ制御においてエンジン12を再始動させる場合や、発進時や加速時においてエンジン12をアシストする場合には、電動機としてスタータジェネレータ16は力行状態に制御される。
スタータジェネレータ16は、ステータコイルを備えたステータ23と、フィールドコイルを備えたロータ24と、を有している。また、スタータジェネレータ16には、ステータコイルやフィールドコイルの通電状態を制御するため、インバータ、レギュレータおよびマイコン等からなるISGコントローラ25が設けられている。ISGコントローラ25によってフィールドコイルやステータコイルの通電状態を制御することにより、スタータジェネレータ16の発電電圧や発電トルク等を制御することができる。
[電源回路]
車両用制御装置10が備える電源回路30について説明する。図2は電源回路30の一例を示す回路図である。図2に示すように、電源回路30は、スタータジェネレータ16に電気的に接続される鉛バッテリ31と、これと並列にスタータジェネレータ16に電気的に接続されるリチウムイオンバッテリ32と、を備えている。なお、リチウムイオンバッテリ32を積極的に放電させるため、リチウムイオンバッテリ32の端子電圧は、鉛バッテリ31の端子電圧よりも高く設計されている。また、リチウムイオンバッテリ32を積極的に充放電させるため、リチウムイオンバッテリ32の内部抵抗は、鉛バッテリ31の内部抵抗よりも小さく設計されている。
鉛バッテリ31の正極端子31aには正極ライン33が接続され、リチウムイオンバッテリ32の正極端子32aには正極ライン34が接続され、スタータジェネレータ16の正極端子16aには正極ライン35が接続される。これらの正極ライン33〜35は、接続点36を介して互いに接続されている。また、鉛バッテリ31の負極端子31bには負極ライン37が接続され、リチウムイオンバッテリ32の負極端子32bには負極ライン38が接続され、スタータジェネレータ16の負極端子16bには負極ライン39が接続される。これらの負極ライン37〜39は、基準電位点40を介して互いに接続されている。
鉛バッテリ31の正極ライン33には、導通状態と遮断状態とに切り替えられるスイッチSW1が設けられている。スイッチSW1を導通状態に制御することにより、スタータジェネレータ16と鉛バッテリ31とは互いに接続される。一方、スイッチSW1を遮断状態に制御することにより、スタータジェネレータ16と鉛バッテリ31とは互いに切り離される。また、リチウムイオンバッテリ32の正極ライン34には、導通状態と遮断状態とに切り替えられるスイッチSW2が設けられている。スイッチSW2を導通状態に制御することにより、スタータジェネレータ16とリチウムイオンバッテリ32は互いに接続される。一方、スイッチSW2を遮断状態に制御することにより、スタータジェネレータ16とリチウムイオンバッテリ32とは互いに切り離される。
これらのスイッチSW1,SW2は、MOSFET等の半導体素子によって構成されるスイッチであっても良く、電磁力等を用いて接点を機械的に開閉させるスイッチであっても良い。なお、スイッチSW1,SW2は、リレーやコンタクタ等とも呼ばれている。
図1に示すように、電源回路30には、バッテリモジュール41が設けられている。このバッテリモジュール41には、リチウムイオンバッテリ32が組み込まれるとともに、スイッチSW1,SW2が組み込まれている。また、バッテリモジュール41には、マイコン等からなるバッテリコントローラ42が設けられている。バッテリコントローラ42は、リチウムイオンバッテリ32の充電状態SOC、充放電電流、端子電圧、セル温度、内部抵抗等を監視する機能や、スイッチSW1,SW2を制御する機能を有している。
また、鉛バッテリ31の正極ライン33には、スタータモータ50や他の電気負荷51等からなる電気負荷群52が接続されている。また、鉛バッテリ31の負極ライン37には、バッテリセンサ53が設けられている。このバッテリセンサ53は、鉛バッテリ31の充電電流、放電電流、端子電圧、充電状態SOC等を検出する機能を有している。なお、正極ライン33には、電気負荷群52等を保護するヒューズ54が設けられている。
[制御系]
車両用制御装置10の制御系について説明する。図3は車両用制御装置10の制御系を示す概略図である。図1および図3に示すように、車両用制御装置10は、車両用制御装置10には、マイコン等からなるメインコントローラ60が設けられている。メインコントローラ60や前述した各コントローラ22,25,42は、CANやLIN等の車載ネットワーク61を介して互いに通信自在に接続されている。また、各コントローラ22,25,42を統括するメインコントローラ60は、スタータジェネレータ16の発電電圧や発電トルク等の目標値を設定し、この目標値に応じた制御信号をISGコントローラ25に向けて出力する。なお、メインコントローラ60は、スイッチSW1,SW2やエンジン12の作動目標を設定し、この作動目標に応じた制御信号をバッテリコントローラ42やエンジンコントローラ22に向けて出力する。
図3に示すように、メインコントローラ60には、各コントローラ22,25,42が接続されるだけでなく、アクセルペダルの操作状況(以下、アクセル開度と記載する。)を検出するアクセルセンサ62、ブレーキペダルの操作状況を検出するブレーキセンサ63、および車両11の走行速度である車速を検出する車速センサ64が接続されている。また、メインコントローラ60には、セレクトレバー65の操作状況を検出するポジションセンサ66が接続されている。走行モードとして後述する自動変速モードが設定される場合には、ポジションセンサ66からメインコントローラ60にモード信号Saが出力され、走行モードとして後述する手動変速モードが設定される場合には、ポジションセンサ66からメインコントローラ60にモード信号Smが出力される。
メインコントローラ60には、ISGコントローラ25から、スタータジェネレータ16の発電電圧、発電電流、発電トルクおよびロータ回転数等の情報が入力される。また、メインコントローラ60には、エンジンコントローラ22から、エンジン回転数、燃料噴射量およびスロットル開度等の情報が入力される。さらに、メインコントローラ60には、バッテリコントローラ42から、リチウムイオンバッテリ32の充電状態SOC、充放電電流、端子電圧等の情報が入力される。なお、充電状態SOC(State Of Charge)とは、バッテリの設計容量に対する蓄電量の比率である。
[走行モード]
車両用制御装置10が備える走行モードについて説明する。車両用制御装置10は、車両11の走行モードとして、自動変速モード(第1走行モード)および手動変速モード(第2走行モード)を備えている。図4は自動変速モードにおいて使用されるシフトパターンの一例を示す説明図である。また、図4に示すR1とは最も変速比の大きな低速段側(ロー側)の変速段であり、R5とは最も変速比の小さな高速段側(ハイ側)の変速段である。つまり、図1に示した変速機構18には、低速段から高速段にかけて、R1、R2、R3、R4、R5の順に5つの変速段が設定されている。なお、変速比とは、変速機構18の出力軸回転速度に対する入力軸回転速度の比である。
まず、図3に示すように、車両用制御装置10には、乗員に操作されるセレクトレバー65を備えたセレクトユニット67が設けられている。セレクトユニット67には、セレクトレバー65を案内するゲート68として、自動変速ゲート68aおよび手動変速ゲート68mが設けられている。セレクトレバー65が自動変速ゲート68a内に配置される場合には、走行モードとして自動変速モードが設定される。一方、セレクトレバー65が手動変速ゲート68m内に配置される場合には、走行モードとして手動変速モードが設定される。つまり、乗員がセレクトレバー65を手動変速ゲート68mから自動変速ゲート68aに移動させた場合には、走行モードが手動変速モードから自動変速モードに切り替えられる。一方、乗員がセレクトレバー65を自動変速ゲート68aから手動変速ゲート68mに移動させた場合には、走行モードが自動変速モードから手動変速モードに切り替えられる。
乗員のセレクトレバー操作(操作)によって自動変速モードが設定されると、変速機構18を制御する図示しないミッションコントローラは、車速およびアクセル開度に基づいて変速段R1〜R5を切り替える。図4に示すように、自動変速モードのシフトパターンには、変速段R1〜R5間でのアップシフトを規定する複数のアップシフト線(実線)が設定されており、変速段R1〜R5間でのダウンシフトを規定する複数のダウンシフト線(破線)が設定されている。アップシフト線を跨ぐように車速やアクセル開度が変化した場合には、高速段側の変速段R2〜R5に向けてアップシフトが実行される。一方、ダウンシフト線を跨ぐように車速やアクセル開度が変化した場合には、低速段側の変速段R1〜R4に向けてダウンシフトが実行される。このように、自動変速モードにおいては、車速やアクセル開度等に応じて変速段が自動的に切り替えられる。
一方、乗員のセレクトレバー操作によって手動変速モードが設定されると、ミッションコントローラは、乗員のセレクトレバー操作に基づいて変速段R1〜R5を切り替える。図3に示すように、手動変速ゲート68m内においてはセレクトレバー65を前後方向(矢印α,β方向)に動かすことが可能である。そして、セレクトレバー65が矢印α方向に操作された場合には、高速段側の変速段R2〜R5に向けてアップシフトが実行される。一方、セレクトレバー65が矢印β方向に操作された場合には、低速段側の変速段R1〜R4に向けてダウンシフトが実行される。このように、手動変速モードにおいては、乗員のセレクトレバー操作に応じて変速段が任意に切り替えられる。
[バッテリ充放電制御]
続いて、スタータジェネレータ16によるリチウムイオンバッテリ32の充放電制御について説明する。図5はスタータジェネレータ16を発電状態に制御したときの電力供給状況を示す回路図である。図6はスタータジェネレータ16を発電休止状態に制御したときの電力供給状況を示す回路図である。なお、スタータジェネレータ16の発電状態として、エンジン動力によってスタータジェネレータ16を回転駆動する燃焼発電状態と、車両減速時の運動エネルギーによってスタータジェネレータ16を回転駆動する回生発電状態とがある。
図5に示すように、リチウムイオンバッテリ32の蓄電量が枯渇している場合には、スタータジェネレータ16が燃焼発電状態に制御される。つまり、リチウムイオンバッテリ32の充電状態SOCが所定の下限値を下回る場合には、リチウムイオンバッテリ32を充電して充電状態SOCを高めるため、スタータジェネレータ16が燃焼発電状態に制御される。スタータジェネレータ16を燃焼発電状態に制御する際には、スタータジェネレータ16の発電電圧がリチウムイオンバッテリ32の端子電圧よりも引き上げられる。これにより、図5に黒塗りの矢印で示すように、スタータジェネレータ16から、リチウムイオンバッテリ32、電気負荷群52および鉛バッテリ31等に対して電力が供給される。
図6に示すように、リチウムイオンバッテリ32の蓄電量が十分に確保されている場合には、スタータジェネレータ16が発電休止状態に制御される。つまり、リチウムイオンバッテリ32の充電状態SOCが所定の上限値を上回る場合には、リチウムイオンバッテリ32の放電を促してエンジン負荷を低減するため、スタータジェネレータ16は発電休止状態に制御される。スタータジェネレータ16を発電休止状態に制御する際には、スタータジェネレータ16の発電電圧がリチウムイオンバッテリ32の端子電圧よりも引き下げられる。これにより、図6に黒塗りの矢印で示すように、リチウムイオンバッテリ32から電気負荷群52に対して電力が供給されるため、スタータジェネレータ16の発電を抑制することができ、エンジン負荷を低減することができる。
前述したように、スタータジェネレータ16は、充電状態SOCに基づき燃焼発電状態や発電休止状態に制御されるが、車両11の燃費性能を向上させる観点から、車両減速時にはスタータジェネレータ16が回生発電状態に制御される。これにより、車両11の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収することができ、車両11のエネルギー効率を向上させることができる。スタータジェネレータ16の回生発電を実行するか否かについては、アクセルペダルやブレーキペダルの操作状況等に基づいて決定される。例えば、車両走行中にアクセルペダルの踏み込みが解除された場合や、車両走行中にブレーキペダルが踏み込まれた場合には、スタータジェネレータ16の発電電圧がリチウムイオンバッテリ32の端子電圧よりも引き上げられ、図5に示すように、スタータジェネレータ16が回生発電状態に制御される。なお、図5および図6に示すように、スタータジェネレータ16を燃焼発電状態、回生発電状態および発電休止状態に制御する際に、スイッチSW1,SW2は導通状態に保持される。
ところで、車両11が緩やかに減速する惰性走行としてのコースト走行時、つまりアクセルペダルおよびブレーキペダルの踏み込みが解除されるコースト走行時においては、車体減速度を過度に増加させて乗員に違和感を与えることがないように、スタータジェネレータ16を適切に制御することが必要である。つまり、車両11が緩やかに減速するコースト走行においては、車体減速度を過度に増加させてしまうと乗員に違和感を与える虞があることから、スタータジェネレータ16の発電トルクつまり回生トルクを適切に制限することが求められている。一方、エンジン12に対する燃料供給が遮断されるコースト走行時においては、スタータジェネレータ16の回生トルクを高めることにより、車両11のエネルギー効率を高めて燃費性能を向上させることが求められている。
[コースト走行時の回生発電制御]
以下、コースト走行時に実行されるスタータジェネレータ16の回生発電制御について説明する。図7は回生発電制御を実行するメインコントローラ60が備える各機能部の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明において、車体減速度とは減速側の車体加速度を意味しており、車体減速度が大きいということは車体加速度の絶対値が大きいことを意味している。
図7に示すように、メインコントローラ60は、理想減速度設定部70、理想仕事率算出部71、転がり抵抗仕事率算出部72、空気抵抗仕事率算出部73、エンジン抵抗仕事率算出部74、回生仕事率算出部75、およびトルク制限値算出部76を有している。メインコントローラ60の理想減速度設定部(減速度設定部)70は、コースト走行時の車速Vおよびモード信号Sa,Smに基づいて所定の減速度マップを参照し、コースト走行時における車両11の許容減速度である理想車体減速度Dxを設定する。理想車体減速度Dxとは、緩やかに減速するコースト走行時に許容される減速度であり、乗員に対して大きな違和感を与えることのない減速度の上限値である。つまり、コースト走行時においては、車体減速度を理想車体減速度Dx以下に抑えることにより、乗員に大きな違和感を与えることなく車両11を走行させることができる。
ここで、図8は理想車体減速度Dxを設定する際に参照される減速度マップの一例を示す線図である。なお、図8に示す特性線Dminは、スタータジェネレータ16の回生トルクを「0」に制御したときの車体減速度であり、特性線Dmaxは、スタータジェネレータ16の回生トルクを最大値に制御したときの車体減速度である。
図8に示すように、モード信号Saが入力される場合、つまり自動変速モードが設定される場合には、特性線Daに沿って理想車体減速度Dxが設定される。つまり、自動変速モードにおいては、車速Vに基づき特性線Daを参照することにより、理想車体減速度Dxが設定される。また、モード信号Smが入力される場合、つまり手動変速モードが設定される場合には、特性線Dm1〜Dm5に沿って理想車体減速度Dxが設定される。つまり、手動変速モードにおいては、車速Vに基づき特性線Dm1〜Dm5を参照することにより、理想車体減速度Dxが設定される。また、手動変速モードにおいて、変速段R1が設定される場合には特性線Dm1が選択され、変速段R2が設定される場合には特性線Dm2が選択され、変速段R3が設定される場合には特性線Dm3が選択され、変速段R4が設定される場合には特性線Dm4が選択され、変速段R5が設定される場合には特性線Dm5が選択される。
すなわち、図8に示すように、自動変速モードが設定され、かつ車速がV1である場合には、特性線Daを参照することにより、理想車体減速度(許容減速度,第1許容減速度)Dxaが設定される。また、手動変速モードの変速段R3が設定され、かつ車速がV1である場合には、特性線Dm3を参照することにより、理想車体減速度Dxaよりも大きな理想車体減速度(許容減速度,第2許容減速度)Dxbが設定される。なお、図8に示す例では、高車速時には理想車体減速度Dxが大きく設定される一方、低車速時には理想車体減速度Dxが小さく設定されるが、これに限られることはなく、理想車体減速度Dxとして固定値を採用しても良い。また、手動変速モードにおいては、変速段毎に特性線Dm1〜Dm5を分けて設定しているが、これに限られることはなく、例えば全ての変速段に対して共通の特性線を設定しても良い。
図7に示すように、理想仕事率算出部(第1仕事率算出部)71は、以下の式(1)に基づいて、理想車体減速度Dxから車体理想減速仕事率(第1減速仕事率)P1を算出する。この車体理想減速仕事率P1とは、車体減速度を理想車体減速度Dxに到達させるために必要な仕事率である。つまり、車体理想減速仕事率P1に相当するエネルギーを用いて車両11を減速させることにより、車体減速度を理想車体減速度Dxまで増加させることが可能である。なお、式(1)に示した「Wv」は車両質量である。
P1[W]=Wv[kg]×Dx[m/s]×V[m/s] ・・(1)
転がり抵抗仕事率算出部(第2仕事率算出部)72は、以下の式(2)に基づいて、車速Vから転がり抵抗仕事率(第2減速仕事率)P2aを算出する。この転がり抵抗仕事率P2aとは、コースト走行時に車両11を減速させる走行抵抗分の仕事率である。なお、式(2)に示した「μr」は転がり抵抗係数であり、「g」は重力加速度である。
P2a[W]=μr×Wv[kg]×g[m/s2]×V[m/s] ・・(2)
空気抵抗仕事率算出部(第2仕事率算出部)73は、以下の式(3)に基づいて、車速Vから空気抵抗仕事率(第2減速仕事率)P2bを算出する。この空気抵抗仕事率P2bとは、コースト走行時に車両11を減速させる走行抵抗分の仕事率である。なお、式(3)に示した「μl」は空気抵抗係数であり、「ρ」は空気密度であり、「S」は車両11の前面投影面積である。
P2b[W]=μl×ρ[kg/m3]×S[m2]×{V[m/s]}3 ・・(3)
エンジン抵抗仕事率算出部(第3仕事率算出部)74は、以下の式(4)に基づいて、エンジン回転数(エンジンの回転速度)Neからエンジンフリクション仕事率(第3減速仕事率)P3を算出する。このエンジンフリクション仕事率P3とは、コースト走行時に車両11を減速させるエンジン回転抵抗分の仕事率である。式(4)に示した「Tef」は、エンジンブレーキの制動トルクに相当するエンジンフリクショントルクである。ここで、エンジンフリクショントルクTefとは、エンジンポンピングロストルク、エンジン機械損失トルクおよびISGベルトフリクショントルクを合算したトルクである。
なお、エンジンポンピングロストルクとは、エンジン12の吸気行程および排気行程において発生する回転抵抗トルクである。また、エンジン機械損失トルクとは、エンジン図示トルクからエンジン正味トルクを減算したトルクであり、エンジン内部の摩擦抵抗による回転抵抗トルクである。さらに、ISGベルトフリクショントルクとは、ベルト機構15の回転抵抗による回転抵抗トルクである。
P3[W]=Tef[Nm]×Ne[rad/s] ・・(4)
回生仕事率算出部(上限仕事率算出部)75は、以下の式(5)に基づいて、車体理想減速仕事率P1から、転がり抵抗仕事率P2a、空気抵抗仕事率P2bおよびエンジンフリクション仕事率P3を減算し、減速回生仕事率(上限仕事率)Pgを算出する。この減速回生仕事率Pgとは、コースト走行時の回生発電に許容される仕事率、つまりコースト走行時のスタータジェネレータ16に許容される仕事率の上限値である。
Pg[W]={P1[W]−P2a[W]−P2b[W]−P3[W]} ・・(5)
トルク制限値算出部(上限トルク算出部)76は、以下の式(6)に基づいて、減速回生仕事率Pgをスタータジェネレータ16の回転速度Nisgで除算し、回生トルク制限値(上限トルク)Tgを算出する。この回生トルク制限値Tgとは、コースト走行時のスタータジェネレータ16に許容される回生トルクの上限値である。
Tg[Nm]=Pg[W]/Nisg[rad/s] ・・(6)
このように、トルク制限値算出部76によって算出された回生トルク制限値Tgは、トルク制限値算出部76からISGコントローラ25に指令値として出力され、発電機制御部であるISGコントローラ25は、回生トルク制限値Tgに基づいてスタータジェネレータ16の回生トルクを制限する。このように、スタータジェネレータ16の回生トルクを回生トルク制限値Tg以下に制限することにより、コースト走行時の車体減速度を理想車体減速度Dx以下に抑えることができるため、乗員に違和感を与えることなく車両11を走行させることができる。
しかも、走行モードが自動変速モードである場合には、小さな理想車体減速度Dxが設定される一方、走行モードが手動変速モードである場合には、大きな理想車体減速度Dxが設定される。すなわち、乗員が積極的な減速を望む傾向にある手動変速モードにおいては、コースト走行時の理想車体減速度Dxを大きく設定することにより、ドライバビリティを向上させつつ発電電力を増加させることができる。つまり、乗員に違和感を与えることなく、コースト走行時の発電電力を増加させることができる。このように、コースト走行時の発電電力を積極的に増加させることにより、車両11のエネルギー効率を高めて燃費性能を向上させることができる。さらに、前述の説明では、走行モードが手動変速モードである場合には、変速比の大きな低速段側の変速段が設定される程に、コースト走行時の理想車体減速度Dxが大きく設定されている。これにより、乗員に違和感を与えることなく積極的にコースト走行時の発電電力を増加させることができ、車両11の燃費性能を向上させることができる。
また、車体理想減速仕事率P1、転がり抵抗仕事率P2a、空気抵抗仕事率P2b、エンジンフリクション仕事率P3および減速回生仕事率Pgのように、仕事率つまり単位時間当たりのエネルギーに換算した上で、コースト走行時の減速度を理想車体減速度Dx以下に制限するための回生トルク制限値Tgを算出している。このように、仕事率を用いて回生トルク制限値Tgを算出することにより、あらゆる走行状況毎にマップデータを構築することなく、回生トルク制限値Tgを算出することができる。これにより、複雑なマップデータを構築するための工数を削減することができ、車両用制御装置10の開発コストを下げることができる。しかも、理想車体減速度Dxから回生トルク制限値Tgを算出する制御方法であり、複雑なマップデータを使用しない制御方法であることから、外乱が生じた場合であっても制御の安定性(ロバスト性)を高めることができる。
ところで、回生トルクが回生トルク制限値Tg以下に制限される場合であっても、特に自動変速モードにおいては、回生トルク制限値Tgが急に変化すると乗員に対して違和感を与えてしまう虞がある。そこで、メインコントローラ60は、変化率制限値Rtgを設定する変化率制限値設定部77を有している。変化率制限値設定部77は、モード信号Saが入力される場合、つまり自動変速モードが設定される場合には、変化率制限値Rtgとして、所定値よりも小さな変化率制限値(第1変化率制限値)Raを設定する。一方、変化率制限値設定部77は、モード信号Smが入力される場合、つまり手動変速モードが設定される場合には、変化率制限値Rtgとして、所定値よりも大きな変化率制限値(第2変化率制限値)Rmを設定する。すなわち、自動変速モードにおいては、手動変速モードよりも、変化率制限値Rtgが小さく設定される。
このように、変化率制限値設定部77によって設定された変化率制限値Rtgは、回生トルク制限値Tgを算出するためのトルク制限値算出部76に入力される。そして、トルク制限値算出部76は、今回の回生トルク制限値Tg(n)と前回の回生トルク制限値Tg(n−1)との差が、変化率制限値Rtgを超えた場合には、以下の式(7)に基づいて、回生トルク制限値Tgを更新する。すなわち、回生トルク制限値Tgの更新量は、変化率制限値Rtgに基づき制限される。一方、今回の回生トルク制限値Tg(n)と前回の回生トルク制限値Tg(n−1)との差が、変化率制限値Rtg以下である場合には、以下の式(8)に基づいて、今回の制御ルーチンで算出された回生トルク制限値Tg(n)を、新たな回生トルク制限値Tgとして更新する。なお、式(7)および(8)に示した「Tg(n)」は今回の制御ルーチンで算出された回生トルク制限値であり、「Tg(n−1)」は前回の制御ルーチンで算出された回生トルク制限値であり、「T1」は処理周期つまり制御ルーチンの処理時間である。
Tg(n)[Nm]=Tg(n-1)[Nm]+Rtg[Nm/s]×T1[s] ・・(7)
Tg(n)[Nm]=Tg(n)[Nm] ・・(8)
これにより、自動変速モードにおいては、回生トルク制限値Tgを緩やかに変化させることができるため、コースト走行時の車体減速度を緩やかに変化させることができ、乗員に違和感を与えることなく車両11を走行させることができる。一方、手動変速モードにおいては、回生トルク制限値Tgを急速に変化させることができるため、コースト走行時の車体減速度を急速に変化させることができ、車両11を積極的に減速させてドライバビリティを向上させることができる。なお、前述の説明では、走行モードに応じて変化率制限値Rtgを変化させることにより、更新される回生トルク制限値Tgの変化量を調整しているが、これに限られることはない。例えば、走行モードに応じて理想車体減速度Dxの変化率制限値を設定することにより、更新される理想車体減速度Dxの変化量を調整しても良い。
前述の説明では、第1走行モードとして自動変速モードを採用し、第2走行モードとして手動変速モードを採用しているが、これに限られることはない。例えば、第1走行モードとして、変速比を連続的に変化させる無段変速モードを採用しても良い。また、第2走行モードとしては、乗員が積極的な減速を期待する走行モードであれば、如何なる走行モードであっても良い。例えば、第2走行モードとして、エンジン回転数を高く設定する走行モードや、変速比を大きく(ロー側)に設定する走行モードを採用しても良い。つまり、第2走行モードとして、自動変速モード等の第1走行モードよりも、エンジン回転数を上げる走行モードを採用しても良い。また、第2走行モードとして、自動変速モード等の第1走行モードよりも、ロー側の変速比で走行させる走行モードを採用しても良い。このように、第2走行モードとして利用可能な走行モードとしては、いわゆるLレンジモードやエンジンブレーキモード等がある。また、前述の説明では、セレクトレバー操作によって走行モードを切り替えているが、これに限られることはなく、ボタン操作、スイッチ操作あるいはパドル操作等の操作によって走行モードを切り替えても良い。
[フローチャート]
前述したコースト走行時の回生発電制御をフローチャートに沿って説明する。図9は回生発電制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップS10では車両11がコースト走行であるか否かが判定される。ステップS10において、車両11がコースト走行であると判定された場合には、ステップS11に進み、走行モードが自動変速モードであるか否かが判定される。
ステップS11において、自動変速モードであると判定された場合には、ステップS12に進み、車速および特性線Daに基づき理想車体減速度Dxが設定され(図8参照)、ステップS13に進み、自動変速モード用の変化率制限値Raが設定される。続くステップS14では、理想車体減速度Dxに基づいて、スタータジェネレータ16の回生トルク制限値Tgが算出され、続くステップS15では、変化率制限値Raに基づいて、回生トルク制限値Tgの更新量が制限される。そして、ステップS16に進み、ISGコントローラ25に対して回生トルク制限値Tgが指示され、スタータジェネレータ16の回生トルクは回生トルク制限値Tg以下に制限される。
一方、ステップS11において、手動変速モードであると判定された場合には、ステップS17に進み、車速および特性線Dm1〜Dm5に基づき理想車体減速度Dxが設定され(図8参照)、ステップS18に進み、手動変速モード用の変化率制限値Rmが設定される。続くステップS14では、理想車体減速度Dxに基づいて、スタータジェネレータ16の回生トルク制限値Tgが算出され、続くステップS15では、変化率制限値Rmに基づいて、回生トルク制限値Tgの更新量が制限される。そして、ステップS16に進み、ISGコントローラ25に対して回生トルク制限値Tgが指示され、スタータジェネレータ16の回生トルクは回生トルク制限値Tg以下に制限される。
[タイミングチャート]
前述したコースト走行時の回生発電制御をタイミングチャートに沿って説明する。図10はコースト走行時における車体減速度および回生トルクの推移例を示すタイミングチャートである。図10には、コースト走行時の走行モードが、自動変速モード、手動変速モード、自動変速モードの順に切り替えられた状況が示されている。
図10に示すように、アクセルペダルの踏み込みが解除されると(符号a1)、車両11はコースト走行に移行する。このとき、車両11は自動変速モードであることから(符号b1)、自動変速モード用の特性線Da(図8参照)に基づき、理想車体減速度Dxとして「Dx1」が設定される。また、理想車体減速度(第1許容減速度)Dx1に基づき、回生トルク制限値Tgとして「Tg1」が設定される。そして、スタータジェネレータ16の回生トルクは回生トルク制限値Tg1に向けて立ち上げられ(符号c1)、回生トルク制限値Tg1を超えないように制限される(符号c2)。このように、回生トルクを制限することにより、コースト走行時の減速度を理想車体減速度Dx1以下に制限することができる(符号d1)。これにより、乗員が積極的な減速を望まない傾向の自動変速モードにおいては、コースト走行時の車体減速度を抑制することができ、乗員に違和感を与えることなく車両11を走行させることができる。
また、走行モードが自動変速モードから手動変速モードに切り替えられると(符号b2)、設定される手動変速モードの変速段R1〜R5に応じて特性線Dm1〜Dm5(図8参照)を参照し、理想車体減速度Dxとして「Dx2」が設定される。また、理想車体減速度(第2許容減速度)Dx2に基づき、回生トルク制限値Tgとして「Tg2」が設定される。そして、スタータジェネレータ16の回生トルクは回生トルク制限値Tg2に向けて立ち上げられ(符号c3)、回生トルク制限値Tg2を超えないように制限される(符号c4)。このように、回生トルクを制限することにより、コースト走行時の減速度を理想車体減速度Dx2以下に制限することができる(符号d2)。すなわち、走行モードが自動変速モードから手動変速モードに切り替えられると、矢印αで示すように、理想車体減速度が「Dx1」から「Dx2」に引き上げられ、矢印βで示すように、回生トルク制限値が「Tg1」から「Tg2」に引き上げられるため、スタータジェネレータ16の回生トルクが引き上げられる。これにより、乗員が積極的な減速を期待する手動変速モードにおいては、コースト走行時の回生トルクを高めて発電電力を増加させることができ、ドライバビリティを向上させつつ車両11の燃費性能を向上させることができる。
その後、走行モードが手動変速モードから自動変速モードに切り替えられると(符号d3)、自動変速モード用の特性線Da(図8参照)に基づき、理想車体減速度Dxとして「Dx1」が設定される。また、理想車体減速度Dx1に基づき、回生トルク制限値Tgとして「Tg1」が設定される。そして、スタータジェネレータ16の回生トルクは回生トルク制限値Tg1に向けて引き下げられ(符号c5)、回生トルク制限値Tg1を超えないように制限される(符号c6)。このように、回生トルクを制限することにより、コースト走行時の減速度を理想車体減速度Dx1以下に制限することができる(符号d3)。これにより、乗員が積極的な減速を望まない傾向の自動変速モードにおいては、コースト走行時の車体減速度を抑制することができ、乗員に違和感を与えることなく車両11を走行させることができる。
また、前述したように、自動変速モードが設定される場合には、変化率制限値Rtgとして、所定値よりも小さな変化率制限値Raが設定される一方、手動変速モードが設定される場合には、変化率制限値Rtgとして、所定値よりも大きな変化率制限値Rmが設定される。これにより、自動変速モードにおいては、回生トルク制限値Tgを緩やかに変化させることができるため、符号e1,e3で示すように、コースト走行時の車体減速度を緩やかに変化させることができ、乗員に違和感を与えることなく車両11を走行させることができる。一方、手動変速モードにおいては、回生トルク制限値Tgを急速に変化させることができるため、符号e2で示すように、コースト走行時の車体減速度を急速に変化させることができ、車両11を積極的に減速させてドライバビリティを向上させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、発電機としてISGであるスタータジェネレータ16を採用しているが、これに限られることはなく、発電機としてオルタネータを採用しても良く、ハイブリッド車両の動力源であるモータジェネレータを発電機として採用しても良い。また、前述の説明では、メインコントローラ60を、減速度設定部、第1仕事率算出部、上限仕事率算出部、上限トルク算出部として機能させ、ISGコントローラ25を、発電機制御部として機能させているが、これに限られることはない。例えば、他のコントローラ、1つのコントローラ、或いは複数のコントローラを、減速度設定部、第1仕事率算出部、上限仕事率算出部、上限トルク算出部、発電機制御部として機能させても良い。
前述の説明では、減速回生仕事率Pgを算出するため、転がり抵抗仕事率P2a、空気抵抗仕事率P2b、およびエンジンフリクション仕事率P3を用いているが、これに限られることはない。例えば、車体理想減速仕事率P1のみを用いて減速回生仕事率Pgを算出しても良い。また、転がり抵抗仕事率P2a、空気抵抗仕事率P2bおよびエンジンフリクション仕事率P3の少なくともいずれか1つと、車体理想減速仕事率P1と、を用いて減速回生仕事率Pgを算出しても良い。
なお、車両用制御装置10が備える電源回路としては、例示した電源回路30に限られることはない。例えば、図示する電源回路30には、リチウムイオンバッテリ32と鉛バッテリ31とが設けられているが、これに限られることはなく、1つの蓄電体を備えた電源回路であっても良い。また、図示する例では、リチウムイオンバッテリ32の正極ライン34にスイッチSW2を設けているが、これに限られることはない。例えば、図2に一点鎖線で示すように、リチウムイオンバッテリ32の負極ライン38にスイッチSW2を設けても良い。
10 車両用制御装置
11 車両
12 エンジン
16 スタータジェネレータ(発電機)
20 車輪
25 ISGコントローラ(発電機制御部)
60 メインコントローラ
70 理想減速度設定部(減速度設定部)
71 理想仕事率算出部(第1仕事率算出部)
72 転がり抵抗仕事率算出部(第2仕事率算出部)
73 空気抵抗仕事率算出部(第2仕事率算出部)
74 エンジン抵抗仕事率算出部(第3仕事率算出部)
75 回生仕事率算出部(上限仕事率算出部)
76 トルク制限値算出部(上限トルク算出部)
Dx 理想車体減速度(許容減速度)
Dxa 理想車体減速度(許容減速度,第1許容減速度)
Dxb 理想車体減速度(許容減速度,第2許容減速度)
Dx1 理想車体減速度(許容減速度,第1許容減速度)
Dx2 理想車体減速度(許容減速度,第2許容減速度)
P1 車体理想減速仕事率(第1減速仕事率)
P2a 転がり抵抗仕事率(第2減速仕事率)
P2b 空気抵抗仕事率(第2減速仕事率)
P3 エンジンフリクション仕事率(第3減速仕事率)
Pg 減速回生仕事率(上限仕事率)
Tg 回生トルク制限値(上限トルク)
Tg1 回生トルク制限値(上限トルク)
Tg2 回生トルク制限値(上限トルク)
V 車速(走行速度)
Ne エンジン回転数(回転速度)

Claims (7)

  1. 車両の走行モードとして、乗員の操作によって切り替えられる第1走行モードおよび第2走行モードを備える、車両用制御装置であって、
    乗員の操作によって設定された走行モードに基づいて、コースト走行時に許容される許容減速度を設定する減速度設定部と、
    前記許容減速度に基づいて、車両を前記許容減速度で減速させるための第1減速仕事率を算出する第1仕事率算出部と、
    前記第1減速仕事率に基づいて、車輪に連結される発電機の上限仕事率を算出する上限仕事率算出部と、
    乗員の操作によって設定された走行モードに基づいて、前記発電機の上限トルクの変化率制限値を設定する変化率制限値設定部と、
    前記上限仕事率および前記変化率制限値に基づいて、前記発電機の上限トルクを算出する上限トルク算出部と、
    前記上限トルクに基づいて、コースト走行時に前記発電機の発電トルクを制限する発電機制御部と、
    を有し、
    前記減速度設定部は、
    前記第1走行モードが設定される場合に、前記許容減速度として第1許容減速度を設定し、前記第2走行モードが設定される場合に、前記許容減速度として前記第1許容減速度よりも大きな第2許容減速度を設定
    前記変化率制限値設定部は、
    前記第1走行モードが設定される場合に、前記変化率制限値として第1変化率制限値を設定し、前記第2走行モードが設定される場合に、前記変化率制限値として前記第1変化率制限値よりも大きな第2変化率制限値を設定する、
    車両用制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制御装置において、
    コースト走行時の走行速度に基づいて、コースト走行時に車両を減速させる走行抵抗分の第2減速仕事率を算出する第2仕事率算出部、を有し、
    前記上限仕事率算出部は、前記第1減速仕事率から前記第2減速仕事率を減算し、前記発電機の前記上限仕事率を算出する、
    車両用制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用制御装置において、
    コースト走行時のエンジンの回転速度に基づいて、コースト走行時に車両を減速させるエンジン回転抵抗分の第3減速仕事率を算出する第3仕事率算出部、を有し、
    前記上限仕事率算出部は、前記第1減速仕事率から前記第2減速仕事率および前記第3減速仕事率を減算し、前記発電機の前記上限仕事率を算出する、
    車両用制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記第1走行モードは、自動変速モードであり、
    前記第2走行モードは、手動変速モードである、
    車両用制御装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記第2走行モードは、前記第1走行モードよりもエンジンの回転速度を上げる走行モードである、
    車両用制御装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記第2走行モードは、前記第1走行モードよりもロー側の変速比で走行させる走行モードである、
    車両用制御装置。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記第1走行モードは、変速比を自動的に切り替える自動変速モードであり、
    前記第2走行モードは、乗員の変速操作に基づいて前記変速比を切り替える手動変速モードであり、
    前記減速度設定部は、
    前記第1走行モードが設定される場合に、前記変速比に関わらず前記第1許容減速度を設定し、
    前記第2走行モードが設定される場合に、前記変速比が大きくなるほど前記第2許容減速度を大きく設定する、
    車両用制御装置。
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