JP6914682B2 - 敷設ブロック - Google Patents

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Description

この発明は、敷設ブロックに関するものである。
舗装用や建築用などに各種の敷設ブロックが使用されている。このような敷設ブロックには地面や建物に熱を伝えないようにするために遮熱性を備えたものが存在している(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1の敷設ブロックでは、全体を白セメントと白骨材と遮熱顔料とで構成することによって太陽光を反射させて遮熱性を得るようにしている。また、特許文献2の敷設ブロックでは、コンクリートの表層部に遮熱顔料に替えて日射反射率の高い骨材を使用し、更にその骨材が表面に露出するような処理を施すことで遮熱顔料を用いたものより約20%も低いコストで遮熱顔料を用いたものと同等以上の遮熱性が得られるようにしている(密粒度アスファルトが65℃になる環境下で遮熱顔料を用いたものよりも表面温度が約3.6℃低くなる)。
特開2012−206866号公報 特開2016−155708号公報
近年、日本国内では各地で夏場の最高気温の更新がみられ、暑さ対策が深刻化している。そこで、上記した各特許文献のものよりも更に夏場の暑さ対策機能に優れた敷設ブロックを開発することが求められている。
上記課題を解決するために、本発明は、
骨材に断熱性を有する中空粒体が分散されて接合材で固められた表層と、骨材を接合材で固めて、密度を前記表層の密度よりも高くした基層と、で二層に成型され、
前記中空粒体は、無機中空バルーン材である敷設ブロックを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって既存のものよりも更に夏場の暑さ対策機能を高めることができる。
本実施の形態にかかる敷設ブロックの全体斜視図である。 図1の敷設ブロックの平面図である。 図1の敷設ブロックの側面図である。 敷設ブロックの表層の表面に対する露出処理の一例を示す図であり、(a)は洗出し加工前の状態(b)洗出し加工後の状態である。 カーボンの配合と熱伝導率との関係を示すグラフである。 カーボンの効果を調べるために行った屋外温度測定試験の結果を示すグラフ(横軸:時間、縦軸:温度)である。 熱伝導率と充填率との関係を示すグラフである。 中空粒体およびカーボンの効果を調べるために行った屋外温度測定試験の結果を示すグラフ(横軸:時間、縦軸:温度)である。
以下、本実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図8はこの実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1〜図3に示すような敷設ブロック3を設ける。この敷設ブロック3は骨材(基層用骨材)をセメントなどの接合材(基層用接合材)で混練して固めた基層1と、骨材(表層用骨材)をセメントなどの接合材(表層用接合材)で混練して固めた表層2とを有するように成型したものである。即ち、敷設ブロック3は、基層1と表層2とを有する二層構造のものとなっている。
ここで、基層1および表層2は、構成する骨材や接合材などの材料の少なくとも一部が異なっている。このように基層1と表層2の材料を変えることで、機能の異なる2つの層を有する敷設ブロック3となる。このような敷設ブロック3は加圧振動成型機などを用いて製造できる。加圧振動成型機は自動制御で複数回のプレスが可能な装置であり、多層の敷設ブロック3を容易に製造できる。敷設ブロック3は、例えば、平面視でほぼ四角形状の表面形状を有し、所要の厚みを有する平面視正方形または長方形状の平板となっている。但し、敷設ブロック3の平面形状は、上記に限るものではない。
この際、基層1はその約60%〜90%が骨材で残りのほぼ全て(約40%〜10%)が接合材である。また、表層2はその約60%〜90%が骨材で残りのほぼ全て(約40%〜10%)が接合材である。そして、表層2には、太陽光を反射する機能を与えるために日射反射率が35%以上の骨材4を、表層2を構成する骨材全体の重量のうちの50%以上の割合で配合しても良い。ちなみに、敷設ブロックに通常使われている骨材の日射反射率は上記した値よりも低くなっており(およそ10%〜20%程度)、例えば、黒系骨材では日射反射率は10.3%などとなる。但し、日射反射率が35%以上の骨材4は、上記割合で配合するのが好ましいが、例えば、表層2を構成する骨材全体の重量のうちの50%以下の割合で配合しても良いし、または、全く配合しなくても良い。
更に、成型直後の敷設ブロック3の表層2に対して上記日射反射率が35%以上の骨材4などを表面により多く露出させるための露出処理を施す。この露出処理によって表層2の表面の日射反射率を30%以上にする。露出処理は、例えば、表層2の表面に上記骨材4などを直接ばらまくバラマキ処理や、表面のセメントを除去するための加工、例えば、図4に示すような表層2の表面のセメントを水で洗い出す洗出し加工や、表層2の表面をショットブラストなどによって傷付ける傷付け加工や、表層2の表面を研磨する研磨加工などのうちの少なくともいずれかとする。
そして、以上のような構成に対し、この実施例は、以下のような構成を備えている。
(1)表層2を構成する骨材4に高断熱性を有する中空粒体11が分散されて接合材で固められる。
ここで、中空粒体11は、無機質で中空構造を有する微細な軽量骨材であり、シリカ・アルミナを主成分とするフライアッシュバルーンや、ガラスを主成分とするリサイクルガラスバルーン、国内で採れる火山灰を原料として発泡させたシラスバルーンなどの無機中空バルーン材などが存在する。無機中空バルーン材は、無機質であるため不活性で化学的に安定しており、形状が丸いため物理的にも安定していると共に流動性や混合性に優れ、微粒バルーン形状であるため低吸水性や高断熱性や防音性などを有している。
中空粒体11は、50〜500μm程度の粒径を有するものが好ましい。この実施例では、中空粒体11に、供給安定性に優れたパーライトを原料とした無機中空バルーン材を使用する。具体的には、中空粒体11には、0.1mm以下のものが約15.5wt%、0.1〜0.3mmのものが約60.7wt%、0.3〜0.5mmのものが約21.7wt%、0.5mm以上のものが約2.1wt%の粒度分布を有する無機中空バルーン材を使用している。
中空粒体11は、骨材(または副骨材)として、表層2を構成する全体重量に対し約3%〜30%程度、好ましくは約8%〜21%程度、配合する。この値は、中空粒体11が少ないと表層2の断熱性を十分に上げることができず、反対に、中空粒体11が多過ぎると表層2の耐摩耗性が低下することによる。
なお、成型直後に上記した露出処理を行うことで、敷設ブロック3の表層2の表面には日射反射率が35%以上の骨材4に加えて中空粒体11が露出される。
(2)基層1の熱伝導率を、表層2の熱伝導率よりも高くする。
ここで、基層1の熱伝導率は、表層2の熱伝導率より少しでも高ければ良いが、表層2の熱を効率良く地中へ逃がすためには、表層2の熱伝導率より少なくとも20%程度以上高くするのが好ましい。また、基層1の熱伝導率は高いほど良いと考えられるが、基層1の熱伝導率の上限はおよそ3.0W/m・Kである。
また、表層2の熱伝導率をより低くすることによって、基層1の熱伝導率を相対的に良くすることも考えられるが、表層2は、日射反射率を高くしたり、耐摩耗性を持たせたりするなどの必要があることから、表層2の熱伝導率を低くするのは難しい。なお、表層2の熱伝導率の熱伝導率の下限はおよそ0.3W/m・Kである。よって、基層1の熱伝導率を表層2の熱伝導率よりも高くすることができる限界は、最大で10倍程度までとなる。
そこで、基層1の熱伝導率を高めるために考えられる第一の手段は、基層1に熱伝導率を高めるための混和材21を配合することである。混和材21には、例えば、黒鉛(グラファイト)などのカーボンを使用するのが好ましい。
カーボンのうち、黒鉛には、天然系のものと、コークスや電極用黒鉛などの人造系のものとがあり、そのどちらでも良い。このうち、天然系の黒鉛には土状黒鉛や鱗状黒鉛や半鱗状黒鉛や鱗片状黒鉛(膨張黒鉛や膨張化黒鉛や球状黒鉛などを含む)などがあり、特に、コスト面とその効果とを考慮して土状黒鉛を用いるのが好ましい。土状黒鉛は土状または土塊状の外観を有し金属光沢を持つ非晶質な鉱物である。土状黒鉛は熱伝導率が高く、金属に匹敵する熱の良導体である。また、土状黒鉛は科学的にも安定しており、熱膨張係数が非常に小さいなどの様々な優れた特性を有している。しかも、土状黒鉛は比較的安価で、安定して入手できるものである。但し、土状黒鉛などの黒鉛以外のカーボンを用いることも可能である。カーボンなどの混和材21は、基層1を構成するセメント(約10%〜40%)に対し1.5%〜6.0%程度、好ましくは3%程度配合するのが好ましい。
また、基層1の熱伝導率を高めるために考えられる第二の手段は、断熱性のある空気を逃がして基層1の密度を表層2や既存の敷設ブロック(の基層や表層)の密度よりも高くすることである。具体的には、より緻密な骨材やより細かい骨材などを用いて基層1の組織が緻密となるように製造することで敷設ブロック3の基層1の熱伝導率を高めることができる。また、基層1を構成する材料を混合して既存の敷設ブロックの場合よりも多めに型枠に給材を行い加圧振動成型するようにして(即ち、基層1に対する材料の充填率を高めて)緻密な敷設ブロック3を製造することで、敷設ブロック3の基層1の熱伝導率を高めることができる。
(3)上記した表層2への中空粒体11を配合することと、基層1の熱伝導率を高めることとは、どちらか一方のみとしても良いし、または、両方同時に実施しても良い。また、上記において、基層1の熱伝導率を高めるための手段としての基層1への混和材21の配合と基層1の緻密化とは、どちらか一方のみとしても良いし、または、両方同時に実施しても良い。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
コンクリート製の基層1に表層2を成型して二層構造の敷設ブロック3とする。このように、敷設ブロック3は基層1と表層2に分かれているため、例えば、表層2に高価な材料や意匠性の高い材料などを用い、基層1に安価な材料を用いることで、安価で高品質な敷設ブロック3を得ることが可能になる。また、例えば、表層2に機能性を有する材料などを用い、基層1に安価な材料を用いることで、安価で高機能な敷設ブロック3を得ることが可能になる。
そして、好ましくは、敷設ブロック3の表層2に対し、太陽光を反射する機能を有する材料として日射反射率が35%以上の骨材4を配合する。更に、表層2の表面に対して、上記骨材4が表面に露出するように露出処理を施す。このように、日射反射率が35%以上の骨材4を表層2に含有すると共に、上記骨材4が表面により多く露出するような露出処理を施すことで、日射反射率が35%以上の骨材4が太陽光を高反射するので、敷設ブロック3の遮熱性を高めることができる。
しかしながら、近年、日本国内では各地で夏場の最高気温の更新がみられ、暑さ対策が深刻化している。そこで、上記した既存の敷設ブロックよりも更に夏場の暑さ対策機能に優れた敷設ブロック3が求められるようになっている。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)敷設ブロック3の表層2に無機中空バルーン材などの中空粒体11を配合した。無機中空バルーン材などの中空粒体11は高断熱性を有するため、敷設ブロック3の表層2に無機中空バルーン材などの中空粒体11を配合することで太陽光の熱の吸収を抑えることができる。これにより、夏場の高温時などに敷設ブロック3の表面温度を低く保つことができる。具体的には、無機中空バルーン材などの中空粒体11を配合することで敷設ブロック3は、無機中空バルーン材などの中空粒体11を配合していない既存の敷設ブロックと比べて、アスファルトの表面温度が60℃を越える環境下においておよそ3℃〜4℃程度ブロック表面温度を低くすることができる。
更に、上記したように、表層2に日射反射率が35%以上の骨材4を配合することで、日射反射率が35%以上の骨材4による日射反射機能を得ることができるが、これに無機中空バルーン材などの中空粒体11による断熱効果を加えることで、相乗効果によって敷設ブロック3の表面温度を更に低くすることができる。
(効果2)敷設ブロック3の基層1の熱伝導率を表層2の熱伝導率よりも高くした。敷設ブロック3が表層2よりも熱伝導率の高い基層1を有することで、基層1の高い熱伝導性によって表層2の熱を奪い、表層2の熱や基層1の熱を地中(例えば、敷設ブロック3の下側に施工された敷砂層などの下地層やクッション層など)へ効率良く逃がすことができる。これにより、敷設ブロック3の表面温度を低くすることができる。基層1の熱伝導率は、基層1にカーボンなどの混和材21を配合することや、(基層1の組織をより緻密にしたり、基層1に対する材料の充填率をより高めたりして)基層1の密度を表層2の密度よりも高めることで表層2の熱伝導率よりも良くすることができる。具体的には、基層1の熱伝導率を表層2の熱伝導率よりも高くした敷設ブロック3は、基層1の熱伝導率を表層2の熱伝導率よりも高くしていない既存の敷設ブロックと比べて、アスファルトの表面温度が60℃を越える環境下においておよそ1℃〜2℃程度ブロック表面温度を低くすることができる。
(作用効果3)そして、表層2に無機中空バルーン材などの中空粒体11を配合することと、基層1の熱伝導率を表層2よりも良くすることとを組み合わせることで既存の敷設ブロックと比べてアスファルトの表面温度が60℃を越える環境下においておよそ4℃〜6℃程度ブロック表面温度を低くすることができる。
(表層2への中空粒体11の配合について)
表層2への中空粒体11の配合について調べるために、中空粒体11を配合していない敷設ブロック(ブロックA)と、中空粒体11を9.3%配合した敷設ブロック3(ブロックB)と、中空粒体11を11.4%配合した敷設ブロック3(ブロックC)と、中空粒体11を23.2%配合した敷設ブロック(ブロックD)とを用意した。
ブロックA ブロックB ブロックC ブロックD
骨材 75.5% 60.5% 58.4% 46.6%
中空粒体 0% 9.3% 11.4% 23.2%
白色セメント 19.0% 23.0% 23.0% 23.0%
水 5.5% 7.2% 7.2% 7.2%
そして、先ず、ビームランプBRF110V120W(東芝ライテック製)を用いて室内照射試験を行い、アスファルトが60℃の時点での各敷設ブロック3の表面温度を測定し、アスファルトとの温度差を求めると共に、中空粒体11を配合していない敷設ブロック(ブロックA)との温度差を求めた。この際、目標となる温度差を、ブロックAに対して−3℃とした。その結果、中空粒体11を配合していない敷設ブロック(ブロックA)と比べ、中空粒体11を9.3%配合した敷設ブロック3(ブロックB)は3.1℃、中空粒体11を11.4%配合した敷設ブロック3(ブロックC)は3.7℃、表面温度が低くなることが確認され、目標を達成した。
ブロックA ブロックB ブロックC
アスファルト60℃での表面温度 43.2℃ 40.1℃ 39.5℃
アスファルトとの温度差 16.8℃ 19.9℃ 20.5℃
ブロックAとの温度差 0℃ 3.1℃ 3.7℃
次に、中空粒体11を9.3%配合した敷設ブロック3(ブロックB)と、中空粒体11を11.4%配合した敷設ブロック3(ブロックC)と、中空粒体11を23.2%配合した敷設ブロック(ブロックD)とに対し、米国ASTM C779に示す円盤回転式摩耗試験器を用いて耐摩耗試験を行い、60分経過後の質量減少率を測定した。この際、目標となる質量減少率を2.5%以下とした。
その結果、中空粒体11を9.3%配合した敷設ブロック3(ブロックB)は質量減少率が1.17%となり、中空粒体11を11.4%配合した敷設ブロック3(ブロックC)は質量減少率が1.71%となり、中空粒体11を23.2%配合した敷設ブロック(ブロックD)は質量減少率が2.68%となった。
そして、中空粒体11を9.3%配合した敷設ブロック3(ブロックB)および、中空粒体11を11.4%配合した敷設ブロック3(ブロックC)については目標値をクリアし、中空粒体11を23.2%配合した敷設ブロック(ブロックD)については、目標値をオーバーした。
ブロックB ブロックC ブロックD
質量減少率 1.17% 1.71% 2.68%
以上により、中空粒体11の配合は、約8%〜21%が好ましいことが実際に確認された。
(基層1へのカーボンの配合について)
表層2へのカーボン(混和材21)の配合について調べるために、カーボンを配合していない敷設ブロックと、セメントに対して重量比1%のカーボンを配合した敷設ブロック3と、3%のカーボンを配合した敷設ブロック3と、5%のカーボンを配合した敷設ブロック3とを各種用意して熱伝導率を測定した。熱伝導率の測定には、京都電子工業社製の迅速熱伝導率計QTM−500およびPD−11のプローブを使用した。
その結果をまとめたものが図5である。これによると、カーボンを3%配合した敷設ブロック3が最も熱伝導率が高くなった。そして、カーボンを3%配合した敷設ブロック3の熱伝導率を100%とすると、カーボンを配合していない敷設ブロックの熱伝導率は71.3%、カーボンを1%配合した敷設ブロック3の熱伝導率は84.5%、カーボンを5%配合した敷設ブロック3の熱伝導率は93.9%になった。
更に、密粒度アスファルトと、カーボンが0%の敷設ブロックと、カーボンを3%配合した敷設ブロック3とを用いて、屋外温度測定試験を行った。その結果を示すデータが図6である。これによると、密粒度アスファルトの温度が60℃を越える領域で、カーボンを3%配合した敷設ブロック3は、カーボンが0%の敷設ブロックと比べて0.9℃〜1.1℃、表面温度が低くなることが、実際に確認された。
そして、カーボンを配合しないものと比べて表面温度が−1℃以上になるカーボンの配合を検討したところ、カーボンを3%配合した敷設ブロック3の90%の熱伝導率となることが必要であると考えられ、図5の結果に基いて、カーボンは基層1を構成するセメント(約10%〜40%)に対し1.5%〜6.0%程度、好ましくは3%程度配合するのが最適であるという結果が得られた。
(基層1における材料の充填率について)
基層1における材料の充填率について調べるために、骨材が76.7%、セメントが17.3%、水が6.0%の材料を用意した。そして、上記材料を用いて、充填率の異なる敷設ブロックを製造した。この際、セメントに対して重量比3%のカーボンを配合した。
この敷設ブロックの場合、仮に絶乾密度(絶対的な乾燥状態での密度)が高い方の充填率を100%とすると、充填率が96%のときに、絶乾密度が1.85g/cm3で、熱伝導率が1.94W/m・Kとなり、充填率が100%のときに、絶乾密度が1.92g/cm3で、熱伝導率が2.02W/m・Kとなった。即ち、図7に示すように、密度を高くすると、熱伝導率もそれに比例して高くなる傾向にあることが確認された。よって、基層1を、表層2より少なくとも20%程度以上密度を高くすることで、熱伝導率が20%程度以上高くなるようにできることが確認された。
充填率 絶乾密度 熱伝導率
96% 1.85g/cm3 1.94W/mK
100% 1.92g/cm3 2.02W/mK
(表層2への中空粒体11の配合および基層1の高熱伝導化について)
表層2への中空粒体11の配合と、基層1の高熱伝導化との両方を備えた場合の効果について調べるために、表層2に無機中空バルーン材などの中空粒体11を配合すると共に、基層1に熱伝導率を高める手段として土状黒鉛を配合した敷設ブロック3を設けた。
この敷設ブロック3における表層2の配合は、例えば、主骨材を60.5%、無機中空バルーン材などの中空粒体11を9.3%、セメント(白色セメント)を23%、水を7.2%などとした)。その他に少量の混和材なども配合した。主骨材には、日射反射率が35%以上の骨材4を使用した。また、表層2の表面に対して洗出し加工などの露出処理を施した。
また、この敷設ブロック3における基層1の配合は、骨材を約77.5%、セメント(普通セメント)を17.4%、水を7.2%などとした。その他に少量の混和材なども配合した。混和材の中には、熱伝導率を高めるためにセメントの重量に対して3%の土状黒鉛を配合した。
比較例として、密粒度アスファルト、および、基層1と表層2を有して、表層2に日射反射率が35%以上の骨材4を含有すると共に、表層2の表面に露出処理を施した既存の白色の敷設ブロックを用意した。
(試験方法)日中の最高気温が35.7℃の日に、上記密粒度アスファルト、比較例、実施例の敷設ブロック3を日射条件が等しくなるように屋外に並べて設置し、それぞれについて表面温度の変化を測定した(図8参照)。なお、透水アスファルトについても同時に表面温度を測定した。
(実験結果)
密粒度アスファルトの表面温度が65.0℃になった時に、透水アスファルトの表面温度が64.3℃になり、比較例の既存の敷設ブロックの表面温度が44.8℃になった。これにより、既存の敷設ブロックは、密粒度アスファルトよりも20.2℃低くなり、透水アスファルトよりも19.5℃低くなることが確認された。
これに対し、実施例の敷設ブロック3の表面温度は40.6℃となった。よって、実施例の敷設ブロック3は、比較例の既存の敷設ブロックよりも4℃〜5℃近く低くなっており、既存の敷設ブロックよりも更に高い温度低減効果が得られることが実際に確認された。
表面温度
密粒度アスファルト 65.0℃
透水アスファルト 64.3℃
比較例 44.8℃
実施例 40.6℃
この際、比較例の既存の敷設ブロックは、絶乾密度が2.10g/cm3であり、基層1の熱伝導率が1.07W/m・K、表層2の熱伝導率が1.19W/m・Kで、表層2に対する基層1の熱伝導率の比が、基層1/表層2=0.9であった。
これに対し、実施例の敷設ブロック3は、絶乾密度が2.14g/cm3であり、基層1の熱伝導率が1.73W/m・K、表層2の熱伝導率が1.09W/m・Kで、表層2に対する基層1の熱伝導率の比が、基層1/表層2=1.59であった。なお、以上の熱伝導率の測定には、京都電子工業社製の迅速熱伝導率計QTM−500およびPD−13のプローブを使用した。
気乾密度 熱伝導率(基層/表層) 基/表熱伝導率比
比較例 2.10 g/cm3 基層1.07 W/mK 表層1.19 W/mK 0.9
実施例 2.14 g/cm3 基層1.73 W/mK 表層1.09 W/mK 1.59
そして、上記した絶乾密度や熱伝導率の値によると、比較例の既存の敷設ブロックは、基層1の熱伝導率が表層2の熱伝導率よりも低いため表層2の熱を奪って地中へ逃す作用が起き難い状態になっているのに対し、実施例の敷設ブロック3は、基層1の熱伝導率が表層2の熱伝導率よりも高いため表層2の熱を奪って地中へ逃す作用が起こり易い状態になっていると考えられ、上記した実験結果とも一致した。
1 基層
2 表層
3 敷設ブロック
4 骨材
11 中空粒体(無機中空バルーン材)
21 混和材(黒鉛などのカーボン)

Claims (2)

  1. 骨材に断熱性を有する中空粒体が分散されて接合材で固められた表層と、骨材を接合材で固めて、密度を前記表層の密度よりも高くした基層と、で二層に成型され、
    前記中空粒体は、無機中空バルーン材であることを特徴とする敷設ブロック。
  2. 請求項1に記載の敷設ブロックにおいて、
    前記基層に黒鉛を配合することで前記基層の熱伝導率を前記表層の熱伝導率より高くしたことを特徴とする敷設ブロック。
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