JP6914441B2 - 親水性活性分子を送達するためのマイクロセルシステム - Google Patents

親水性活性分子を送達するためのマイクロセルシステム Download PDF

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Description

関連出願
本願は、本明細書に開示される他の特許および特許出願の全てとともに、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2017年11月14日に出願された、米国仮特許出願第62/585,674号に基づく優先権を主張する。
背景
ビタミン、抗生物質(例えば、ペニシリン)、およびある化合物の塩類等の親水性活性分子が、多くの場合、経皮システムを用いる送達のために、母材(matrix)またはゲル中で安定化される。母材およびゲルは、多量の非活性材料(例えば、セルロース、シクロデキストリン、ポリエチレンオキシド)を要求し、母材の中に捕捉され、そこから放出され得る親水性活性分子の量は、限定され得る。加えて、活性分子は、貯蔵の間、母材中で結晶化し、送達システムの貯蔵寿命を限定し得る。これらの限界のため、「標準的な」量の母材またはゲルを用いて送達され得る親水性活性分子の量は、患者全てのために十分ではない場合がある。その結果、「高」用量が、要求される場合、医師は、患者に、複数の母材含有経皮パッチを設置するように指示する、または患者に、1日の間に数回ゲルを適用するように指示する。これらの活性分子の濃度のさらなる変動性、ならびに放出プロファイルのより精密な制御を可能にする、システムが、望ましい。
要旨
本発明は、経皮送達システムを提供し、それによって、親水性活性分子が、単純な水溶液中に調製され、次いで、経皮的に送達され得るようにすることによって、これらの必要性に対処する。さらに、本発明のシステムは、異なるタイプ、および/または濃度、ならびに/もしくは体積の親水性活性分子の同一の送達システムからの送達を可能にする。
したがって、ある側面では、本発明は、親水性活性分子と、疎水性シール層と、生体適合性接着剤とを含む水性製剤で充填される、複数の熱可塑性マイクロセルを含む、活性分子送達システムである。マイクロセルはそれぞれ、壁と、開口部とを含む。マイクロセルは、正方形、円形、またはハニカム構造等の多角形であってもよい。マイクロセル毎に、開口部が、疎水性シール層によって跨架される。疎水性シール層は、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、またはポリシロキサン等の種々の材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、疎水性シール層は、多孔性拡散層によって跨架される。多孔性拡散層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレン等の種々の材料から構成されてもよい。典型的には、各マイクロセルは、100nLを上回る体積を有する。いくつかの実施形態では、多孔性拡散層は、1nm〜100nmの平均細孔サイズを有する。親水性活性分子は、医薬化合物、芳香化合物(例えば、香水)、核酸(例えば、DNA、RNA)、またはアミノ酸(例えば、タンパク質、例えば、ワクチン、抗体、もしくは酵素)を含む、水溶性または部分的に水溶性である任意の活性分子であり得る。
一実施形態では、本システムは、第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、第1の親水性活性分子の第1の水性製剤を含み、第2のマイクロセルは、第2の親水性活性分子の第2の水性製剤を含み、第1および第2の活性分子は、異なる。別の実施形態では、本システムは、第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、親水性活性分子を含む、第1の濃度の製剤を含み、第2のマイクロセルは、第2の濃度の同一の製剤を含み、第1および第2の濃度は、異なる。別の実施形態では、本システムは、少なくとも第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、活性分子を含む、溶液の第1の体積を含み、第2のマイクロセルは、活性分子を含む、溶液の第2の体積を含み、2つの体積は、異なる。別の実施形態では、本システムは、少なくとも第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、第1の多孔性を伴う、第1の多孔性拡散層を含み、第2のマイクロセルは、第2の多孔性を伴う、第2の多孔性拡散層を含み、第1および第2の多孔性は、異なる。種々のタイプおよび濃度の活性分子に加え、活性分子と、ビタミン、補助薬等の別の有用な化合物とを含むシステムを調製することもまた、可能性として考えられる。活性分子、薬品、および濃度の他の組み合わせもまた、当業者に明白である。
いくつかの実施形態では、水性製剤は、増粘剤、着色剤、補助薬、ビタミン、塩類、または緩衝剤等の付加的成分を含む。混合物はまた、電荷制御剤、界面活性剤、および保存料を含んでもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
活性分子送達システムであって、
親水性活性分子を含む水性製剤で充填される、複数の熱可塑性マイクロセルであって、各マイクロセルは、壁と、開口部とを含む、複数の熱可塑性マイクロセルと、
前記開口部に跨架する、疎水性シール層と、
生体適合性接着剤と
を備える、活性分子送達システム。
(項目2)
前記疎水性シール層は、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、またはポリシロキサンを含む、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目3)
前記疎水性シール層と前記生体適合性接着剤との間に多孔性拡散層をさらに備える、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目4)
前記多孔性拡散層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレンを含む、項目3に記載の活性分子送達システム。
(項目5)
前記多孔性拡散層は、10nm〜100μmの平均細孔サイズを有する、項目3に記載の活性分子送達システム。
(項目6)
前記親水性活性分子は、医薬化合物である、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目7)
前記親水性活性分子は、芳香化合物である、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目8)
前記親水性活性分子は、核酸またはアミノ酸を含む、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目9)
前記複数のマイクロセルはそれぞれ、100nLを上回る体積を有する、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目10)
前記水性製剤は、親水性活性分子の1つを上回るタイプを含む、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目11)
前記複数の熱可塑性マイクロセルは、第1の水性製剤で充填される、第1のマイクロセルと、第2の水性製剤で充填される、第2のマイクロセルとを含み、前記第1および第2の製剤は、同一の製剤ではない、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目12)
前記複数の熱可塑性マイクロセルは、第1の濃度における前記水性製剤で充填される、第1のマイクロセルと、第2の濃度における前記水性製剤で充填される、第2のマイクロセルとを含み、前記第1および第2の濃度は、異なる、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目13)
前記活性分子送達システムをカプセル化する、カプセル化カバーをさらに備える、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目14)
前記接着層と接触する、バッキング層をさらに備える、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目15)
前記水性製剤は、加えて、増粘剤を含む、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目16)
前記増粘剤は、ポリマーである、項目1に記載の活性分子送達システム。
(項目17)
前記増粘剤は、ポリマーである、項目16に記載の活性分子送達システム。
(項目18)
前記ポリマーは、エチレンポリビニルアルコール共重合体である、項目16に記載の活性分子送達システム。
図1は、熱可塑性材料から形成され、親水性活性分子を含む水性製剤を含有する、複数のマイクロセルを含む、親水性活性分子送達システムのある実施形態を図示する。マイクロセルは、疎水性シール層でシールされ、本システムは、加えて、接着層を含む。
図2は、複数のマイクロセルと、疎水性シール層と、多孔性拡散層とを含む、活性分子送達システムのある実施形態を図示する。図2の実施形態では、異なるマイクロセルが、異なる活性分子を含む。
図3は、複数のマイクロセルと、疎水性シール層と、多孔性拡散層とを含む、活性分子送達システムのある実施形態を図示する。図3の実施形態では、異なるマイクロセルが、多孔性拡散層内に異なる多孔性を含み、したがって、異なる送達プロファイルを有する。
図4は、ロールツーロールプロセスを使用して本発明のマイクロセルを作製するための方法を示す。
図5Aおよび5Bは、熱硬化性前駆体でコーティングされた導体膜のフォトマスクを通したフォトリソグラフィ露光を使用した、活性分子送達システムのためのマイクロセルの生産を詳述する。
図5Cおよび5Dは、活性分子送達システムのためのマイクロセルがフォトリソグラフィを使用して加工される、代替実施形態を詳述する。図5Cおよび5Dでは、上部露光ならびに底部露光の組み合わせが、使用され、不透過性のベース導体膜を通して、1つの横方向の壁が上部フォトマスク露光によって硬化され、別の横方向壁が底部露光によって硬化されることを可能にする。
図6A−6Dは、活性分子送達システム内で使用されるべきマイクロセルのアレイを充填かつシールするステップを図示する。
図7は、青色の食品着色剤で着色された水性製剤で充填された、マイクロセルのある層の顕微鏡画像である。セルは、ポリイソブチレンを含む、疎水性シール層でシールされる。
図8は、ポリイソブチレンシール層、およびアクリル/メタクリル酸共重合体(Evonik(Essen, DE)製EUDRAGIT(登録商標))から形成される、多孔性拡散層の顕微鏡画像を示す。
説明
本発明は、親水性活性分子送達システムであって、それによって、活性分子が要求に応じて放出され得、および/または種々の異なる活性分子が同一のシステムから送達され得、ならびに/もしくは異なる濃度の活性分子が同一のシステムから送達され得る、親水性活性分子送達システムを提供する。本発明は、患者に親水性医薬品を経皮的に送達するために非常に好適であるが、しかしながら、本発明は、概して、親水性活性成分を送達するために使用されてもよい。例えば、本発明は、酵素または抗体等の水性緩衝環境中に保たれる必要がある、より大きい分子を送達するために使用されることができる。活性分子送達システムは、複数のマイクロセルを含み、マイクロセルは親水性活性分子を含む媒体で充填される。マイクロセルは、開口部を含み、開口部は、疎水性シール層によって跨架される。シール層は、多孔性拡散層で上塗りされてもよい。
医薬化合物の経皮送達等のさらなる従来の用途に加えて、活性分子送達システムは、農産用栄養剤を送達するための基礎となり得る。例えば、マイクロセルアレイは、水耕栽培システムと併用され得る大きいシートに加工されることができる、またはマイクロセルアレイは、ヒドロゲルフィルム農法の中に統合されることができる。例えば、Mebiol,Inc.(Kanagawa,Japan)を参照されたい。活性分子送達システムはまた、スマートパッケージの構造的な壁の中に組み込まれることができる。そのような送達システムは、新鮮な野菜を含有するパッケージの中への抗酸化剤の長時間放出を行うことを可能にする。本「スマート」パッケージングは、ある食品の貯蔵寿命を劇的に改善し、これは、パッケージが開放されるまで、鮮度を維持するために必要な量の抗酸化剤のみを要求する。したがって、同一のパッケージングが、地域で、国を横断して、または全世界に流通される食品に関して使用されることができる。
親水性活性分子送達システムの概要が、図1に示される。本システムは、複数のマイクロセル11を含み、各マイクロセルは、親水性活性分子12を含む、水性媒体(すなわち、内相)を含む。各マイクロセルは、壁と、例えば、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、またはポリシロキサンから構成され得る疎水性シール層15でシールされる、開口部とを含む。送達システムは、加えて、例えば、ポリイソブチレン、アクリル、ポリエチレングリコール、またはシリコーンを含み得る、生体適合性接着剤を含む。
図2に示されるように、第1のマイクロセルは、第1の親水性活性分子12aを含んでもよく、第2のマイクロセルは、第2の親水性活性分子12bを含む一方、第3のマイクロセルは、第3の親水性活性分子12cを含む。各マイクロセル11は、下記により詳細に説明されるポリマー母材から形成される、アレイの一部である。活性分子送達システムは、典型的には、バッキング障壁13を含み、湿気の進入および物理的な相互作用に対する構造的支持ならびに保護を提供する。マイクロセルは、少なくとも1μmの高さである壁14によって画定されるが、それらは、マイクロセルの所望される深度に応じてはるかにより高くあり得る。マイクロセルは、正方形、ハニカム、円形等であるように配列されてもよい。多くの場合、本システムは、加えて、活性分子に対しても多孔性である、接着層16を含む。接着層16は、活性分子送達システムを表面に隣接して保つことを補助する。
送達システムはまた、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレン等の種々の天然もしくは非天然ポリマーから構成され得る、多孔性拡散層を含んでもよい。インクジェットまたは他の流体システムを用いたピコリットル注入法を使用して、個々のマイクロセルは、種々の異なる活性分子が活性分子送達システム中に含まれることを可能にするように充填されることができる。
図3は、拡散層の多孔性が異なるマイクロセルに関して変動される、親水性活性分子送達システムの別の実施形態を示す。これは、例えば、シールプロセス(下記に説明される)の間、インクジェットを使用して、異なるポリマー材料と、微量注入法とを使用することによって遂行されることができる。そのようなシステムは、単一の送達システムが、ある時間周期にわたって種々の濃度の同一または異なる活性分子を投与することを可能にする。例えば、本発明のシステムは、3つの異なる濃度の葉酸を伴う、3つのマイクロセル37、38、39を含んでもよい。しかしながら、投与時間は、拡散層の多孔性によって制御される。例えば、投与直後は、最も濃縮された投与量が、最も多孔性である拡散層34を介した第1のマイクロセル37を介して送達され得、その後、第2のマイクロセル38から送達される維持投与量が続き得、次いで、夜間、最も濃縮されていない投与量が、最も多孔性ではない拡散層36を介した第3のマイクロセル39を介して送達される。
当然ながら、種々の組み合わせもまた、可能性として考えられ、種々のマイクロセルが、親水性医薬品、親水性栄養補助食品、親水性補助薬、親水性ビタミン、またはワクチンを含む場合がある。さらに、マイクロセルの配列は、分散されない場合がある。むしろ、マイクロセルは、クラスターで充填されてもよく、これは、充填およびシールをより容易にする。他の実施形態では、より小さいマイクロセルアレイが、同一の媒体、すなわち、同一の濃度の同一の活性分子を有するもので充填され得、次いで、より小さいアレイは、より大きいアレイにまとめられ、本発明の送達システムを作製し得る。他の実施形態では、異なる多孔性が、マイクロセルのための異なる内容物と併用されることができる。例えば、1つのマイクロセルが、酵素溶液を含み、酵素が通過するために十分に大きい細孔を有する、多孔性拡散層を要求し得る一方、隣接するマイクロセルが、酵素を活性化させるための基質を含むが、基質の送達を調整するためにはるかにより小さい細孔を伴う、多孔性拡散層を要求し得る。
マイクロセルを構成するための技法。マイクロセルは、米国特許第6,933,098号に開示されているようなバッチ式プロセスまたは連続的ロールツーロールプロセスのいずれか一方で形成され得る。後者は、活性分子送達および電気泳動ディスプレイを含む種々の用途における使用のためのコンパートメントの生産のための、連続的、低コスト、高処理能力の製造技術を提供する。本発明との併用に好適であるマイクロセルアレイは、図4に図示されるように、マイクロエンボスを用いて作成されることができる。雄金型20が、図4に示されるように、ウェブ24の上方か、またはウェブ24の下方(図示せず)のいずれか一方に設置され得るが、しかしながら、代替の配列もまた、可能性として考えられる。米国特許第7,715,088号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。伝導性基質が、デバイスのための基材となるポリマー基質上に導体膜21を形成することによって、構成され得る。熱可塑性物質、熱硬化性物質、またはその前駆体を含む組成物22が、次いで、導体膜上にコーティングされる。熱可塑性または熱硬化性前駆体層が、ローラ、プレート、もしくはベルトの形態の雄金型によって、熱可塑性または熱硬化性前駆体層のガラス遷移温度より高温でエンボス処理される。
マイクロセルの調製のための熱可塑性または熱硬化性前駆体は、多官能アクリレートもしくはメタクリレート、ビニルエーテル、エポキシド、およびそのオリゴマーまたはポリマー、ならびに同等物であってもよい。多官能性エポキシドおよび多官能アクリレートの組み合わせはまた、望ましい物理的機械的性質を達成するために非常に有用である。ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレート等の可撓性を付与する架橋性オリゴマーが、エンボス処理されたマイクロセルの撓曲抵抗を改善するために追加されてもよい。組成物は、ポリマーと、オリゴマーと、モノマーと、添加剤と、またはオリゴマーと、モノマーと、添加剤とのみを含有してもよい。本クラスの材料に関するガラス遷移温度(すなわち、T)は、通常、約−70℃〜約150℃、好ましくは、約−20℃〜約50℃の範囲に及ぶ。マイクロエンボスプロセスは、典型的には、Tより高温で実行される。それに対して金型が圧接される加熱された雄金型または加熱された筐体基質が、マイクロエンボスの温度および圧力を制御するために使用されてもよい。
図4に示されるように、前駆体層が硬化され、マイクロセルのアレイ23を露見させる間またはその後、金型が、取り外される。前駆体層の硬化は、冷却、溶媒蒸発、放射線による架橋結合、加熱、または加湿によって遂行され得る。熱硬化性前駆体の硬化がUV照射によって遂行される場合、UVは、2つの図に示されるように、ウェブの底部または上部から透過性の導体膜上に放射されてもよい。代替として、UVランプが、金型の内側に設置されてもよい。本場合では、金型は、UV光が、事前にパターン化された雄金型を通して熱硬化性前駆体層上に放射することを可能にするように透過性でなければならない。雄金型は、後にエッチングまたは電気鍍着のいずれか一方が続く、ダイヤモンド旋削プロセスもしくはフォトレジストプロセス等の任意の適切な方法によって調製されてもよい。雄金型のためのマスタテンプレートが、電気鍍着等の任意の適切な方法によって製造されてもよい。電気鍍着を用いて、ガラス基部が、クロムインコネル等のシード金属の薄層(典型的には、3,000Å)でスパッタリング処理される。金型は、次いで、フォトレジスト層でコーティングされ、UVに露光される。マスクが、UVとフォトレジスト層との間に設置される。フォトレジストの露光面積が、硬化される。非露光面積が、次いで、適切な溶媒を用いてそれらを洗浄することによって除去される。残りの硬化フォトレジストが、乾燥され、再び、シード金属の薄層でスパッタリング処理される。マスタテンプレートは、次いで、電鋳できる状態になる。電鋳のために使用される典型的材料は、ニッケルコバルトである。代替として、マスタテンプレートは、電鋳または無電解ニッケル析出によって、ニッケルから作製されることができる。金型の床は、典型的には、約50〜400ミクロンである。マスタテンプレートはまた、「Replication techniques for micro−optics」SPIE Proc. Vol. 3099, pp. 76−82 (1997)に説明されるような、電子ビーム描画、乾式エッチング、化学エッチング、レーザ描画、またはレーザ干渉を含む他のマイクロエンジニアリング技法を使用して作製されることができる。代替として、金型は、プラスチック、セラミック、または金属を使用して、光機械加工によって作製されることができる。
UV硬化性樹脂組成物を適用することに先立って、金型は、離型プロセスを補助するための離型剤を用いて処置されてもよい。UV硬化性樹脂は、分与されることに先立って、脱気されてもよく、随意に、溶媒を含有してもよい。溶媒は、存在する場合、容易に蒸発する。UV硬化性樹脂は、コーティング、浸漬、傾注、または同等物等の任意の適切な手段によって分与される。ディスペンサは、移動式または固定式であってもよい。導体膜が、UV硬化性樹脂上に置かれる。必要である場合、圧力が、樹脂とプラスチックとの間の適切な接合を確実にするように、かつマイクロセルの床の厚さを制御するように印加されてもよい。圧力は、ラミネートローラ、真空成型、プレス加工デバイス、または任意の他の同様の手段を使用して印加されてもよい。雄金型が、金属であり、不透過性である場合、プラスチック基質は、典型的には、樹脂を硬化させるために使用される化学線に対して透過性である。逆に、雄金型が、透過性であり得る場合、プラスチック基質は、化学線に対して不透過性であり得る。成型された特徴の移送シート上への良好な転写を得るために、導体膜は、金型表面に対する良好な離型性質を有するべきUV硬化性樹脂への良好な粘着力を有する必要がある。
フォトリソグラフィ。マイクロセルはまた、フォトリソグラフィを使用しても生産されることができる。マイクロセルアレイを加工するためのフォトリソグラフィプロセスが、図5Aおよび5Bに図示される。図5Aおよび5Bに示されるように、マイクロセルアレイ40が、公知の方法によって導体電極フィルム42上にコーティングされた放射線硬化性材料41aを、マスク46を通してUV光(または代替として、他の形態の放射線、電子ビーム、ならびに同等物)に露光し、マスク46を通して投影された画像に対応する壁41bを形成することによって、調製されてもよい。ベース導体膜42が、好ましくは、塑性材料を含み得る支持基質ベースウェブ43上に搭載される。
図5Aのフォトマスク46では、暗色の正方形部44が、不透過性面積を表し、暗色の正方形部の間の空間が、マスク46の透過性面積45を表す。UVは、透過性面積45を通して放射線硬化性材料41a上に照射する。露光が、好ましくは、直接、放射線硬化性材料41a上に実施される、すなわち、UVは、基質43またはベース導体42を通過しない(上部露光)。本理由のために、基質43または導体42のいずれも、UVもしくは他の採用される放射線波長に対して透過性である必要はない。
図5Bに示されるように、露光面積41bが、硬化し、非露光面積(マスク46の不透過性面積44によって保護される)が、次いで、適切な溶媒または現像液によって除去され、マイクロセル47を形成する。溶媒または現像液は、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、アセトン、イソプロパノール、もしくは同等物等の放射線硬化性材料を分解またはその粘性を低減させるために一般的に使用されるものから選択される。マイクロセルの調製は、導体膜/基質支持ウェブの真下にフォトマスクを設置することによって同様に遂行され得、本場合では、UV光は、フォトマスクを通して底部から放射し、基質は、放射線に対して透過性である必要がある。
画像様露光。画像様露光による、本発明のマイクロセルアレイの調製のためのさらに別の代替方法が、図5Cおよび5Dに図示される。不透過性の導体ラインが使用されるとき、導体ラインは、底部からの露光のためのフォトマスクとして使用されることができる。耐久性マイクロセル壁が、導体ラインに対して垂直である不透過性ラインを有する第2のフォトマスクを通した、上部からの付加的な露光によって形成される。図5Cは、本発明のマイクロセルアレイ50を生産するための、上部および底部露光原理の両方の使用を図示する。ベース導体膜52は、不透過性であり、線状にパターン化されている。ベース導体52および基質53上にコーティングされた放射線硬化性材料51aが、第1のフォトマスクとしての役割を果たす導体の線状パターン52を通して、底部から露光される。第2の露光が、導体ライン52に対して垂直である線状パターンを有する第2のフォトマスク56を通して、「上」面から実施される。ライン54の間の空間55は、UV光に対して実質的に透過性である。本プロセスでは、壁材料51bが、底部から上に、1つの横配向に硬化され、かつ上部から下に、垂直方向に硬化され、継合し、一体型のマイクロセル57を形成する。図5Dに示されるように、非露光面積が、次いで、上記に説明されるように、溶媒または現像液によって除去され、マイクロセル57を露見させる。図5Cおよび5Dに説明される技法は、したがって、異なる壁が、図3に図示される実施形態に関して必要に応じて、異なる多孔性を伴うように構成されることを可能にする。
マイクロセルは、マイクロセルとの良好な親和性を有し、かつ電気泳動媒体と相互作用しない、熱可塑性エラストマから構成されてもよい。有用である熱可塑性エラストマの実施例は、ABAおよび(AB)n型のジブロック、トリブロック、ならびにマルチブロック共重合体である(式中、Aは、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、プロピレン、またはノルボルネンであり、Bは、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ジメチルシロキサン、もしくはプロピレンスルフィドであり、AおよびBは、化学式において同一であることはできない。数nは、≧1であり、好ましくは1〜10である)。特に有用であるものは、SB(ポリ(スチレン−b−ブタジエン))、SBS(ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−スチレン))、SIS(ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−スチレン))、SEBS(ポリ(スチレン−b−エチレン/ブチレン−b−スチレン))ポリ(スチレン−b−ジメチルシロキサン−b−スチレン)、ポリ(α−メチルスチレン−b−イソプレン)、ポリ(α−メチルスチレン−b−イソプレン−b−α−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン−b−プロピレンスルフィド−b−α−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン−b−ジメチルシロキサン−b−α−メチルスチレン)等の、スチレンまたはox−メチルスチレンのジブロックもしくはトリブロック共重合体である。Kraton D and G series(Kraton Polymer(Houston,Tex.)製)等の商業的に利用可能なスチレンブロック共重合体は、特に、有用である。ポリ(エチレン−コ−プロピレン−コ−5−メチレン−2−ノルボルネン)等の結晶性ゴムまたはVistalon 6505(Exxon Mobil(Houston,Tex..)製)等のEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)ゴム、およびそれらのグラフト共重合体もまた、非常に有用であることが見出されている。
熱可塑性エラストマは、マイクロセル中のディスプレイ流体と非混和性であり、かつディスプレイ流体のものを下回る比重を示す、溶媒または溶媒混合物の中に溶解され得る。低表面張力溶媒は、マイクロセル壁および電気泳動流体に優るそれらのより良好な濡れ性のため、オーバーコーティング組成物として好ましい。35ダイン/cmより低い表面張力を有する溶媒または溶媒混合物が、好ましい。30ダイン/cmより低い表面張力が、より好ましい。好適な溶媒は、アルカン(好ましくは、ヘプタン、オクタン、またはExxon Chemical Company製Isopar溶媒、ノナン、デカン等のC6−12シクロアルカン、およびそれらの異性体)、シクロアルカン(好ましくは、シクロヘキサンならびにデカリン等のC6−12シクロアルカンおよび同等物)、アルキルベンゼン(好ましくは、トルエン、キシレン等のモノ−もしくはジ−C1−6アルキルベンゼンならびに同等物)、アルキルエステル(好ましくは、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のC2−5アルキルエステルおよび同等物)ならびにC3−5アルキルアルコール(イソプロパノールおよび同等物ならびにそれらの異性体等)を含む。アルキルベンゼンと、アルカンとの混合物は、特に、有用である。
ポリマー添加剤に加えて、ポリマー混合物はまた、湿潤剤(界面活性剤)を含んでもよい。湿潤剤(3M Company製FC界面活性剤、DuPont製Zonylフッ素系界面活性剤、フルオロアクリレート、フルオロメタクリレート、フルオロ置換長鎖アルコール、ペルフルオロ置換長鎖カルボン酸、およびそれらの誘導体、ならびにOsi(Greenwich,Conn.)製Silwetシリコーン界面活性剤等)もまた、マイクロセルへのシーラントの粘着力を改善し、より柔軟なコーティングプロセスを提供するために、組成物中に含まれてもよい。架橋剤(例えば、4,4′−ジアジドジフェニルメタンおよび2,6−ジ(4′−アジドベンザール)−4−メチルシクロヘキサノン等のビスアジド)、加硫剤(例えば、2−ベンゾチアゾリルジスルフィドならびにテトラメチルチウラムジスルフィド)、多官能性モノマーまたはオリゴマー(例えば、ヘキサンジオール、ジアクリレート、トリメチロールプロパン、トリアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート)、熱開始剤(例えば、過酸化ジラウロイル、過酸化ベンゾイル)、および光開始剤(例えば、Ciba−Geigy製イソプロピルチオキサントン(ITX)、Irgacure 651、ならびにIrgacure 369)を含む他の材料もまた、オーバーコーティングプロセスの間もしくはその後の架橋結合または重合反応によって、シール層の物理的機械的性質を改善するために非常に有用である。
マイクロセルは、生産された後、適切な活性分子の混合物で充填される。マイクロセルアレイ60は、上記に説明されるような方法のうちの任意のものによって調製されてもよい。図6A−6Dの断面図に示されるように、マイクロセル壁61が、基材63から上向きに延在し、開放したセルを形成する。マイクロセルは、混合物を不動態化させ、かつマイクロセル材料が活性分子65を含有する混合物と相互作用しないように保つためのプライマ層62を含んでもよい。充填するステップに先立って、マイクロセルアレイ60は、使用に先立って活性分子が損なわれないことを確実にするために、清掃かつ殺菌されてもよい。
マイクロセルは、次いで、活性分子65を含む混合物64で充填される。図6Bに示されるように、異なるマイクロセルが、異なる活性分子を含んでもよい。マイクロセル60は、好ましくは、越流および活性成分との意図しない混合を防止するために、部分的に充填される。疎水性活性分子を送達するためのシステムでは、混合物は、生体適合性油またはある他の生体適合性疎水性キャリアをベースとしたものであってもよい。例えば、混合物は、植物油、果実湯、または堅果油から成ってもよい。他の実施形態では、シリコーン油が、使用されてもよい。親水性活性分子を送達するためのシステムでは、混合物は、水またはリン酸緩衝液等の別の水性媒体をベースとしたものであってもよい。混合物は、液体である必要はないが、しかしながら、ヒドロゲルおよび他の基質が、活性分子65を送達するために好適であり得る。
マイクロセルは、種々の技法を使用して充填されてもよい。多数の隣接したマイクロセルが同じ混合物で充填されることになる、いくつかの実施形態では、マイクロセルをマイクロセル壁61の深度まで充填するために、ブレードコーティングが、使用されてもよい。種々の異なる混合物が種々の近傍のマイクロセルの中に充填されることになる、他の実施形態では、マイクロセルを充填するために、インクジェットタイプの微量注入法が、使用されることができる。さらに他の実施形態では、マイクロセルのアレイを正しい混合物で充填するために、マイクロニードルアレイが、使用されてもよい。充填は、一段階プロセスまたは多段階プロセスで行われてもよい。例えば、セル全てが、ある量の溶媒で部分的に充填されてもよい。部分的に充填されたマイクロセルは、次いで、送達されるべき1つまたはそれを上回る活性分子を含む、第2の混合物で充填される。
図6Cに示されるように、充填の後、マイクロセルは、多孔性拡散層になるポリマー66を適用することによって、シールされる。いくつかの実施形態では、シールプロセスは、熱、乾燥した高温の空気、または紫外線への暴露を伴ってもよい。大部分の実施形態では、ポリマー66は、混合物64と親和性であるが、混合物64の溶媒によって溶解されない。ポリマー66はまた、生体適合性であり、マイクロセル壁61の側面または上部に接着されるように選択される。多孔性拡散層のための好適な生体適合性接着剤は、「Method for Sealing Microcell Containers with Phenethylamine Mixtures」と題された2016年10月30日に出願された米国特許出願第15/336,841号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等のフェネチルアミン混合物である。故に、最終マイクロセル構造は、大部分は、漏出に対して不浸透性であり、かつ多孔性拡散層の層間剥離なく撓曲に耐えることができる。
代替実施形態では、種々の個々のマイクロセルが、反復的フォトリソグラフィを使用することによって、所望される混合物で充填されてもよい。本プロセスは、典型的には、空のマイクロセルのアレイをポジ型フォトレジストの層でコーティングするステップと、ポジ型フォトレジストを画像様露光することによって、ある数のマイクロセルを選択的に開放させるステップとを含み、後に、フォトレジストを現像するステップと、開放されたマイクロセルを所望される混合物で充填するステップと、充填されたマイクロセルをシールプロセスによってシールするステップとが、続く。これらのステップが、繰り返され、他の混合物で充填された、シールされたマイクロセルを作成してもよい。本手技は、所望の比率または濃度の混合物を有するマイクロセルの大きいシートの形成を可能にする。
マイクロセル60が充填された後、シールされたアレイは、また、活性分子に対して多孔性である仕上層68で、好ましくは、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、または熱、湿気、もしくは放射線硬化性接着剤であり得る接着層で仕上層68を事前コーティングすることによって、積層されてもよい。ラミネート接着剤は、上部導体膜が放射線に対して透過性である場合、それを通したUV等の放射線によって後硬化されてもよい。いくつかの実施形態では、生体適合性接着剤67が、次いで、アセンブリに積層される。生体適合性接着剤67は、本デバイスをユーザ上に移動可能な状態に保ちながら、活性分子が通過することを可能にする。好適な生体適合性接着剤は、3M(Minneapolis,MN)から入手可能である。
送達システムは、いったん構成されると、物理的衝撃に対する保護を提供するために、カプセル化カバーで被覆されてもよい。カプセル化カバーはまた、活性分子送達システムが、例えば、患者の背中に添着された状態であることを確実にするために、接着剤を含んでもよい。カプセル化カバーはまた、子供向けの審美的着色または楽しい設計を含んでもよい。
実施例−水溶液で充填される、マイクロセルアセンブリ
マイクロセルと、疎水性シール層と、多孔性拡散層とを含む、親水性分子送達システムが、構成された。マイクロセル層が、上記に説明されるように、ポリエチレンテレフタラート(PET)をマイクロエンボス加工することによって調製された。次いで、脱イオン水中のエチレンビニルアルコール共重合体(Kuraray製RS1717)の5%水溶液が、調製された。可視化を改良するために、青色食品着色剤が、5%ポリマー溶液に添加された。マイクロセルが、ピペットを使用して着色された5%溶液で充填され、残りの溶液が、ゴムべらを用いて除去された。充填されたマイクロセルは、キシレン中のポリイソブチレン(PIB)溶液で上塗りされた。シール層中のPIBは、850KDの平均分子量を有していた。キシレンは、蒸発し、それによって、疎水性シール層を作成することが可能にされた。充填およびシールされたマイクロセル層の顕微鏡図が、図7に示される。
シール層が、硬化された後、多孔性拡散層が、シール層の上に追加された。多孔性拡散層は、Eudragit E100(MEK中)、すなわち、Evonic GmbH(Essen,Germany)から入手可能である、メタクリル酸ジメチルアミノエチルと、ブチルメタクリレートと、メチルメタクリレートとを含む、市販の共重合体から作製された。図8に示されるように、Eudragitは、PIBとともに、マイクロセルの内側に、明確に画定される水体積を伴う均一な障壁を生産する。本明細書に示されていないが、接着層が、多孔性拡散層に直接適用され、活性分子送達システムの長期間の設置を促進してもよい。
したがって、本発明は、複数のマイクロセルを含む、親水性活性分子送達システムを提供する。マイクロセルは、異なる親水性活性分子、または異なる濃度の親水性活性分子を含んでもよい。本開示は、限定するものではなく、説明されてはいないが、当業者に自明である本発明への他の修正も、本発明の範囲内に含まれるものとする。

Claims (15)

  1. 活性分子送達システムであって、
    第1の濃度の親水性活性分子を含む第1の水性製剤で充填される第1の熱可塑性マイクロセルと第2の濃度の親水性活性分子を含む第2の水性製剤で充填される第2の熱可塑性マイクロセルとを含む複数の熱可塑性マイクロセルであって、前記第1の濃度と前記第2の濃度とは異なっており、熱可塑性マイクロセルは、壁と、開口部とを含む、複数の熱可塑性マイクロセルと、
    前記開口部に跨架す疎水性シール層と、
    生体適合性接着剤と
    前記疎水性シール層と前記生体適合性接着剤との間の複数の多孔性拡散層であって、前記複数の多孔性拡散層は、第1の多孔性を有しかつ前記第1の熱可塑性マイクロセルに対応する第1の多孔性拡散層と、第2の多孔性を有しかつ前記第2の熱可塑性マイクロセルに対応する第2の多孔性拡散層とを含み、前記第1の多孔性と前記第2の多孔性とは異なる、複数の多孔性拡散層と
    を備える、活性分子送達システム。
  2. 前記疎水性シール層は、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、またはポリシロキサンを含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  3. 前記多孔性拡散層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレンを含む、請求項に記載の活性分子送達システム。
  4. 前記多孔性拡散層は、10nm〜100μmの平均細孔サイズを有する、請求項に記載の活性分子送達システム。
  5. 前記親水性活性分子は、医薬化合物である、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  6. 前記親水性活性分子は、芳香化合物である、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  7. 前記親水性活性分子は、核酸またはアミノ酸を含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  8. 前記複数の熱可塑性マイクロセルはそれぞれ、100nLを上回る体積を有する、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  9. 前記水性製剤は、より多いタイプの親水性活性分子を含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  10. 前記活性分子送達システムをカプセル化する、カプセル化カバーをさらに備える、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  11. 前記生体適合性接着層と接触する仕上層をさらに備える、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  12. 前記水性製剤は、加えて、増粘剤を含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
  13. 前記増粘剤は、ポリマーである、請求項12に記載の活性分子送達システム。
  14. 前記増粘剤は、ポリマーである、請求項13に記載の活性分子送達システム。
  15. 前記ポリマーは、エチレンポリビニルアルコール共重合体である、請求項13に記載の活性分子送達システム。
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