JP6914089B2 - 回折格子、回折格子アレイ、及び光フェーズドアレイ - Google Patents

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Description

本発明は、回折格子、回折格子アレイ、及び光フェーズドアレイに関する。
光フェーズドアレイとは光を偏向するデバイスであり、光アンテナを構成するキーデバイスである。光フェーズドアレイの一形態として、非特許文献1に開示されたような、位相変調器と回折格子とを組み合わせた光フェーズドアレイが知られている。非特許文献1に開示された光フェーズドアレイでは、アレイ状に配置された回折格子の各々に入力させる光の位相を変調することにより偏向角が変えられるように構成されている。
一方、回折格子は、一般に、格子材料に凹凸加工を施して作製する(例えば、特許文献1)。
特開平5−150109号公報
Large-scale nanophotonicphased array, Nature, Vol.1493, p195-199, 2013
ところで、光フェーズドアレイでは、グレーティングローブと呼ばれる現象が問題になる場合がある。グレーティングローブとは、主放射方向以外の方向に放射される副次的な放射成分を指し、このグレーティングローブの影響が大きいと、例えば光フェーズドアレイを用いたレーザレーダの送信光の指向性を劣化させる要因となる。
グレーティングローブは、光フェーズドアレイを伝播する光の波長をλ、アレイ状に配置された回折格子の相互の間隔をdとした場合、d/λ>0.5なる条件を充足する場合に発生し、d/λの値が大きいほど発生するグレーティングローブの数が増加する。換言すれば、グレーティングローブの発生を抑制するためには、回折格子の間隔を狭くする必要がある。
この点、非特許文献1に開示された光フェーズドアレイでは、回折格子の形状等に起因して、回折格子の間隔dが波長λの2倍以上(d>2λ)あり、数多くのグレーティングローブが発生すると考えられる。従って、光フェーズドアレイの指向性の観点から改善の余地があった。
一方、特許文献1に開示されたような回折格子では、例えばハーフエッチングにより溝の深さを浅くすることによってグレーティングローブを低減させることができる。しかしながら、ハーフエッチングは再現性の点で問題があり、またハーフエッチングのための工程が追加されることによってコスト増加の要因ともなる。一般に、光導波路を用いた光集積回路等におけるエッチング量の制御は難しく、エッチングによって溝の深さを調整することは困難だからである。従って、従来技術とは発想を異にした、簡素な製造方法が求められている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、グレーティングローブの発生が抑制されると共に、製造が容易な回折構造体を用いた回折格子、回折格子アレイ、及び光フェーズドアレイを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の回折格子は、支持層と、前記支持層に平行な所定の方向に沿い互いに平行に予め定められた間隔の空間を設けて前記支持層上に形成されると共に、各々第1の屈折率を有する第1の層及び第2の層を備え、かつ前記支持層上の記第1の層の一端と前記第2の層の一端との間の間隙を入力端とすると共に前記第1の層の他端と前記第2の層の他端が接続され、前記入力端から入力された入力光を前記支持層上の前記空間に沿って前記所定の方向に導波する導波路を構成する高屈折率層であって、前記第1の層及び前記第2の層の各々は、前記所定の方向に沿って形成されると共に前記所定の方向と交差する方向に前記支持層に至る深さで切り欠いた複数の凹部を備え、前記第1の層の凹部の各々の開放された側と前記第2の層の凹部の各々の開放された側とが前記入力光の光路に対して対向する位置に配置された高屈折率層と、前記高屈折率層を覆うと共に前記空間を充填するように形成された前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する低屈折率層と、を含み、前記第1の層の複数の凹部と前記第2の層の複数の凹部とによって前記入力光を回折させて出力光として放射させる回折部を構成するものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記導波路は、前記第1の層、前記第2の層、及び前記第1の層と前記第2の層との間を充填する前記低屈折率層によるスロット導波路として構成されものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記複数の凹部の各々は前記所定の方向と交差する方向に予め定められた長さを有し、前記予め定められた長さによって前記回折部の回折効率を設定するものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記予め定められた長さが、前記入力端から前記所定の方向に沿って漸増する長さとされているものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記入力光を入力する単一モード導波路と、前記単一モード導波路と前記入力端との間に接続されると共に単一モードの光をスロットモードに変換するモード変換部と、をさらに含むものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記高屈折率層の温度特性と前記低屈折率層の温度特性とが反対の特性となっているものである。
上記目的を達成するために、請求項に記載の回折格子アレイは、前記所定の方向と交差する方向に隣接して配置された複数の請求項〜請求項のいずれか1項に記載の回折格子を含むものである。
上記目的を達成するために、請求項に記載の光フェーズドアレイは、前記入力光を入力する入力導波路と、前記入力導波路に接続されると共に前記入力光を複数に分岐した複数の分岐光の各々を出力する複数の出力端を有する分岐部と、前記複数の出力端の各々に接続された複数の変調導波路、及び前記複数の変調導波路の各々の近傍に設けられた複数の加熱部を備え、前記複数の加熱部の各々によって前記複数の変調導波路の各々を加熱して前記複数の分岐光の各々の位相を変調する位相変調部と、複数の前記入力端の各々が前記複数の変調導波路の各々と接続された請求項に記載の回折格子アレイと、を含み、前記位相変調部によって前記複数の分岐光の各々の位相を変えることにより放射される光の進行方向を制御するものである。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の回折格子は、支持層と、前記支持層に平行な所定の方向に沿って前記支持層に至る深さで形成された複数の孔部を備え、かつ前記支持層上に形成された第1の屈折率を有する高屈折率層であって、前記複数の孔部の一方の末端の孔部に隣接する、前記複数の孔部の配列方向の前記高屈折率層の一端を入力端とし、前記入力端から入力された入力光を前記複数の孔部に沿って前記所定の方向に導波する導波路を構成する高屈折率層と、前記高屈折率層を覆うと共に前記複数の孔部を充填するように形成された前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する低屈折率層と、を備える回折構造体を含み、前記回折構造体が、前記入力光を回折させて出力光として放射させる回折部を構成するものである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記複数の孔部の各々は前記所定の方向と交差する方向に予め定められた長さを有し、前記予め定められた長さによって前記回折部の回折効率を設定するものである。
上記目的を達成するために、請求項11に記載の回折格子アレイは、前記所定の方向と交差する方向に隣接して配置された複数の請求項または請求項10に記載の回折格子を含むものである。
上記目的を達成するために、請求項12に記載の光フェーズドアレイは、前記入力光を入力する入力導波路と、前記入力導波路に接続されると共に前記入力光を複数に分岐した複数の分岐光の各々を出力する複数の出力端を有する分岐部と、前記複数の出力端の各々に接続された複数の変調導波路、及び前記複数の変調導波路の各々の近傍に設けられた複数の加熱部を備え、前記複数の加熱部の各々によって前記複数の変調導波路の各々を加熱して前記複数の分岐光の各々の位相を変調する位相変調部と、複数の前記入力端の各々が前記複数の変調導波路の各々と接続された請求項11に記載の回折格子アレイと、を含み、前記位相変調部によって前記複数の分岐光の各々の位相を変えることにより放射される光の進行方向を制御するものである。
本発明によれば、グレーティングローブの発生が抑制されると共に、製造が容易な回折構造体を用いた回折格子、回折格子アレイ、及び光フェーズドアレイを提供することができるという効果を奏する。
第1の実施の形態に係る回折格子の構成の一例を示す平面図、斜視図、及び断面図である。 第1の実施の形態に係る回折格子における光の伝播のシミュレーション結果を示す図である。 第1の実施の形態に係る回折格子の製造方法の一例を示す断面図である。 第1の実施の形態に係る単一モード入力回折格子の一例を示す平面図である。 第1の実施の形態に係る回折格子における結合効率の調整について説明する平面図である。 第2の実施の形態に係る回折格子アレイの構成の一例を示す平面図である。 第3の実施の形態に係る光フェーズドアレイの構成の一例を示す平面図である。 第4の実施の形態に係る回折格子の構成の一例を示す平面図である。 第4の実施の形態に係る回折格子における結合効率の調整について説明する平面図である。 第4の実施の形態に係る回折格子の他の形態を示す平面図である。 第5の実施の形態に係る光変調器の、(a)は全体の平面図、(b)は回折部の平面図、(c)は回折構造体の平面図である。 実施の形態に係るシミュレーションモデルの、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 実施の形態に係るシミュレーションにおける、(a)はバンド構造のシミュレーション結果を示すグラフ、(b)はバンド構造を説明する図である。 実施の形態に係る回折構造体における、(a)はスローライトの発生について説明する図、(b)は一般的な導波路の光の進行について説明する図である。 (a)は、第6の実施の形態に係るレーザ光源のは平面図、(b)は光フィルタの透過特性を示すグラフ、(c)は光フィルタの平面図(d)は比較例に係るレーザ光源の平面図、(e)はファブリペローモードを示すグラフである。 第6の実施の形態に係るλ/4シフト型の光フィルタを示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1ないし図5を参照して、本実施の形態に係る回折格子10について説明する。回折格子10は、本発明に係る回折構造体を回折格子に適用した形態である。図1(a)は回折格子10の平面図を、図1(b)回折格子10の斜視図を、図1(c)は回折格子10の図1(a)おけるA−A’線断面図を示している。図1(b)に示すように、回折格子10は、Si(シリコン)による基板12(支持層)、Siで形成された側壁層16a、16b(高屈折率層)、SiO2で形成されたクラッド層14(低屈折率層)、及び凹部20a、20b(開口部。以下、総称する場合は「凹部22」)を含んで構成されている。
図1(a)、(b)に示すように、回折格子10では、対向して配置された2本の側壁層16a、16b、及び側壁層16aと16bとの間に設けられた間隙でスロット導波路が構成され、側壁層16aと16bとの間の間隙はクラッド層14で埋められている。本実施の形態においては、側壁層16a、16bの屈折率はクラッド層14の屈折率よりも高く設定されている。
一方、側壁層16a、16bの各々の側面には、Y方向に切り欠かれた凹部20a、20bが、X方向に沿って形成されており、本実施の形態に係る回折格子10では、この凹部20a、20bによって回折現象が発生する。すなわち、側壁層16aと16bとの間の間隙(すなわち、クラッド層14)の一端から入力された入力光Piは間隙を透過し、凹部20a、20bにより形成された回折格子で回折され、出力光Poとして出力される。
なお、本実施の形態では、凹部20a、20bが相互に繋げられ、連続した開口(連続開口)を形成し、高屈折率層を側壁層16a(第1の層)と16b(第2の層)とに分離した形態とされている。しかしながら、これに限られず、回折格子10の入力光Piが入力される端面と反対側の端面では、側壁層16aと16bとが接続された形態としてもよい。
以上のように、回折格子10では、側壁層16a、16bの光が導波する側の側面に各々凹部20a、20bを設け、回折格子を構成しているので、側壁層16a、16bの凹部20a、20bと反対側の側面Sa、Sbは回折現象に寄与していない。つまり、複数の回折格子10を隣接して配置しても、回折格子10同士が光結合することがない。従って、回折格子10は、Y方向に緻密に配置することができる(図6参照)。
図2に、回折格子10における光の導波についてのシミュレーション結果を示す。図2は、クラッド層14内に配置された側壁層16a、16bに対して光を入射させた場合、すなわち図1(c)の断面図において、X方向に光を入射させた場合の光の分布をシミュレーションした結果を示すものである。図2に示すように、回折格子10に入射された光は、側壁層16aと16bとの間のクラッド層14に集中し、伝播される。
次に、図3を参照して、回折格子10の製造方法について説明する。
まず、Siの基板90、基板90上に形成されたSiO2(BOX:Buried Oxide)層92、SiO2層92上に形成されたSi層94を有するSOI(Silicon On Insulator)基板を準備する。
次に、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いてSi層94を加工し、側壁層16a、16bを形成する。
次に、Si層94及びSiO2層92上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)を用いて、SiO2層96を形成する。以上の製造工程によって、本実施の形態に係る回折格子10が製造される。図3における基板90、Si層94、及びSiO2層96の各々が、図1における基板12、側壁層16a、16b、及びクラッド層14の各々に対応している。
以上のように、回折格子10の製造方法では、従来技術のようにエッチングによる縦方向(回折格子10の厚さ方向、図1に示すZ方向)の加工を伴わず、マスクによる平面(図1に示すX−Y平面)内の加工により回折格子の形状が決まるので、製造が簡易であり、かつ再現性よく加工精度を維持することができる。
ここで、回折格子10はスロット型導波路で形成されているため、通常の導波路、例えば矩形の単一モード導波路との接続について配慮する必要がある。図4は、この点について配慮した単一モード入力回折格子30を示している。
図4に示すように、単一モード入力回折格子30は、回折格子10、モード変換器32、単一モード導波路34、及びスロット導波路36を含んで構成されている。
単一モード導波路34は、単一モードの光を伝播させる、例えば矩形導波路であり、モード変換器32側にテーパ状に加工されたテーパ部Tを有している。
スロット導波路36は、回折格子10の側壁層16a、16bから延伸された凹部20a、20bを有さないスロット導波路である。
モード変換器32は、単一モードをスロットモードに変換するモード変換素子であり、スロット導波路36から延伸され、単一モード導波路34のテーパ部Tと対向して両側から挟むように配置された結合部32a、32bを有している。
以上のように構成された単一モード入力回折格子30では、単一モード導波路34の一端から入力光Piが入力されると、回折格子10において回折され、出力光Poとして放射される。
次に、図5を参照して、回折格子10における、回折格子と導波路との結合効率の調整について説明する。本実施の形態に係る回折格子10では、凹部20a、20bの深さを調整することによって結合効率の調整が可能である。図5(a)、(b)、(c)は、回折格子10の結合効率を変えた形態の一例を示している。
図5(a)に示すように、回折格子10aは、凹部22a、22bを備え、各凹部の深さがd1とされている。同様に、回折格子10bは、凹部24a、24bを備え、各凹部の深さがd2とされ、回折格子10cは、凹部26a、26bを備え、各凹部の深さがd3とされている。そして、d1<d2<d3なる条件を満たしている。この場合、回折格子10aの結合効率をηa、回折格子10bの結合効率をηb、回折格子10cの結合効率をηcとすると、ηa<ηb<ηcとなる。
以上のように、本実施の形態に係る回折格子10では、凹部20a、20bの深さを調整することによって回折格子と導波路との間の結合効率ηの調整が可能である。凹部20a、20bの深さの加工は、マスクを用いたエッチングによる回折格子10の平面(図1におけるX−Y平面)内の加工であるため、で縦方向(図1におけるZ方向)の加工に比べて加工が容易であり、しかも精度のよい加工が可能である。従って、出力光Poの放射パターンの制御、あるいはグレーティングローブの抑制の程度等を精度よく設計することができる。
また、回折格子においては、光の伝播方向(図1の+X方向)に沿って回折効率を調整したい場合がある。すなわち、回折格子においては、一般に回折格子を伝播するに従って光強度が低下していく。従って、回折格子から均一な出力光を出射させるためには、光の伝播方向に沿って回折効率を大きくしていくことが望ましい。このような場合においても、本実施の形態に係る回折格子10によれば、凹部22の深さを調整することで、すなわち回折格子の厚さ方向ではなく、平面内の加工という簡易な製造方法によって回折効率の調整が可能である。従って、回折効率の分布を容易に設定することが可能な回折格子を提供することができる。
以上、詳述したように、本実施の形態に係る回折格子によれば、グレーティングローブの発生が抑制されると共に、製造が容易な回折格子を提供することが可能となる。
[第2の実施の形態]
図6を参照して、本実施の形態に係る回折格子アレイ50について説明する。回折格子アレイ50は、本発明に係る回折構造体を回折格子アレイに適用した形態である。回折格子アレイ50は、上記の単一モード入力回折格子30を複数(本実施の形態では、10)配置して形成されたものである。
図6に示すように、回折格子アレイ50は、単一モード入力回折格子30−1ないし30−10が平行に配置されて構成されている。単一モード入力回折格子30−1ないし30−10の各々は、上述した単一モード入力回折格子30と同じものなので、同様の構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
上術したように、本実施の形態に係る単一モード入力回折格子30−1ないし30−10の各々は、素子間隔d0を小さくして配置することができるので、グレーティングローブの発生を抑制することができる。本実施の形態に係る回折格子アレイ50における素子間隔d0の具体的な値は、一例として約1.2μmである。回折格子アレイ50では、上記した理由により、回折格子をこのように緻密に配列してもグレーティングローブの発生を効果的に抑制することができる。
以上、詳述したように、本実施の形態に係る回折格子アレイによれば、グレーティングローブの発生が抑制されると共に、製造が容易な回折格子アレイを提供することが可能となる。
[第3の実施の形態]
図7を参照して、本実施の形態に係る光フェーズドアレイ60について説明する。光フェーズドアレイ60は、本発明に係る回折構造体を光フェーズドアレイに適用した形態である。光フェーズドアレイ60は、上記の回折格子アレイ50を光フェーズドアレイに適用した形態である。
図7に示すように、光フェーズドアレイ60は、回折格子アレイ50、位相変調器61、MMI(MMI:Multi Mode Interference:多モード干渉)カプラ62、及び入力導波路66を備えて構成されている。
入力導波路66は、入力光Piを入力させる、例えば単一モードの矩形導波路である。
MMIカプラ62(分岐部)は、入力された単一モードの光を、多モード干渉によって複数の出力(本実施の形態では、10)に分岐する素子である。MMIカプラ62で分岐された各伝播光は、導波路68−1ないし68−10(以下、総称する場合は「導波路68」)を伝播する。
導波路68−1〜68−10(変調導波路)の各々は、回折格子アレイ50の単一モード導波路34−1〜34−10の各々に接続されている。
位相変調器61は、導波路68−1〜68−10、及び導波路68−1〜68−10の各々の上部に配置されたヒータ64−1〜64−10(以下、総称する場合は「ヒータ64」)を備え、熱光学効果型の位相変調器として構成されている。熱光学効果とは、温度を上げると屈折率が変化する性質であり、位相変調器61では、ヒータ64(加熱部)により導波路68に熱を付与し、導波路68の屈折率を変化させる。導波路68の屈折率が変化すると導波路の等価的な光路長が変化するので、導波路68を伝播する伝播光の位相を変化させることができる。
図7では図示を省略しているが、ヒータ64−1〜64−10の各々は、流れる電流を独立して設定可能なように構成されており、発熱量を個別に設定することが可能となっている。つまり、導波路68−1〜68−10の各々を伝播する伝播光の位相を独立して設定可能となっている。
一方、回折格子アレイ50からの出力光Poの伝播方向は、導波路68−1〜68−10の各々を伝播する伝播光の位相をつないだ波面によって定まる。従って、上記のように構成された位相変調器61では、出力光Poの伝播方向に応じて導波路68−1〜68−10の各々を伝播する光の位相を個別に調整し、出力光Poをスキャン(走査)することが可能となっている。
以上、詳述したように、本実施の形態に係る光フェーズドアレイによれば、グレーティングローブの発生が抑制されると共に、製造が容易な光フェーズドアレイを提供することが可能となる。
[第4の実施の形態]
図8ないし図10を参照して、本実施の形態に係る回折格子70及び回折格子80について説明する。回折格子70及び80は、回折格子として作用する部位を凹部として形成する代わりに、孔部として形成する形態である。
図8(b)に示すように、回折格子70は、Siによる基板74、基板74上に形成されたSiO2層78、SiO2層78上に形成されたSiによる側壁層76を含んで構成されている。図示を省略するが、回折格子70も、回折格子10と同様側壁層76を覆うクラッド層を有している。図8(a)、(b)に示すように、側壁層76には、所定の方向に配列させて形成された複数の孔部(開口部)72が形成されており、この孔部72が回折格子の作用を発揮する。すなわち、回折格子70の一端から入力された入力光Piは、回折格子70を伝播しつつ回折されて、出力光Poとして放射される。
回折格子70も、上記の回折格子10と同様、側壁層76の内部に孔部72が形成されており、側壁層76の孔部72が形成された側とは反対の側面Sa、Sbは回折現象とは無関係であるので、複数の回折格子70を隣接して配置しても隣り合う回折格子70同士が光結合することはない。従って、回折格子70を緻密に配列した場合でも、グレーティングローブの発生が抑制される。
図9は、回折格子70における回折格子と導波路との結合効率ηの調整方法を示している。図9(a)に示すように、回折格子70の孔部72の幅をd4とする。このとき、図9(b)に示す回折格子70aのように、孔部72の幅をd5(>d4)と長くすることによって、回折格子70の結合効率と比較した回折格子70aの結合効率を大きくすることができる。
なお、回折格子70は、図3によって説明した回折格子10の製造方法と同様の製造方法によって製造することができる。
また、本実施の形態では、孔部72の形状を矩形とする形態を例示して説明したが、これに限られず、例えば円形、あるいは楕円形等とする形態としてもよい。図10は、孔部72の形状を円形とする形態を示している。
以上のように、本実施の形態に係る回折格子によっても、グレーティングローブの発生が抑制されると共に、製造が容易な光フェーズドアレイを提供することが可能となる。
[第5の実施の形態]
以下、図11ないし図14を参照して、本実施の形態に係る光変調器100について説明する。光変調器100は、本発明に係る回折構造体を光変調器に適用した形態である。
図11(a)に示すように、本実施の形態に係る光変調器100は、回折部150、電極104−1、104−2、104−3、104−4を含んで構成されている。光変調器100は、図1に示す回折格子10と同様、図示しない基板上に形成されている。
図11(b)は回折部150の詳細を示している。図11(b)に示すように、回折部150は、回折構造体114、スロット導波路112−1、112−2、モード変換器110−1、110−2、単一モード導波路106−1、106−2を含んで構成されている。モード変換器110−1、110−2は、各々結合部116を備えている。スロット導波路112−1、112−2、モード変換器110−1、110−2、単一モード導波路106−1、106−2、結合部116の機能は、各々図4に示すスロット導波路36、モード変換器32、単一モード導波路34、結合部32a、32bと同様なので、詳細な説明を省略する。
図11(c)は、回折構造体114の詳細を示している(図11(a)に符号Aで示す破線円で囲まれた部分)。図11(c)に示す<1>は回折構造体114の平面図を、<2>は側面図を各々示している。図11(c)に示すように、回折構造体114は側壁層102、凹部118を備え、周囲がEOポリマ120で覆われている。
再び図11(a)を参照し、図11(a)に示す電極104−1〜104−4は、各々結合部116に接続されている。光変調器100を動作させる場合には、電極104−1と104−2との間、及び電極104−3と104−4との間に電源および変調信号を印加する。電極104−1と104−2との間における側壁層102(モード変換器110−1、110−2、スロット導波路112−1、112−2、回折構造体114)には不純物が添加されており、電極104−1と104−2との間で電流を流すことができる。
電極104−3と104−4との間も同様である。すなわち、光変調器100では、側壁層102が電極の一部を構成している。
本実施の形態に係る光変調器100は、一方の単一モード導波路106−1から入射された入力光Piを位相変調し、他方の単一モード導波路106−2から出力光Poとして出力させる。その際、回折構造体114が位相変調の作用を奏する。光変調器100を伝播する光は、側壁層102の屈折率よりも低い屈折率を有するEOポリマ120によって閉じ込められる。
このように、本実施の形態に係る光変調器100は、図1に示す回折格子10と同じ構造を有しているが、回折格子10のように出力光Poを外部に向けて放射せず、単一モード導波路106−1から106−2まで閉じ込めて伝送する。この理由を以下に説明するが、以下では、外部に向けて放射されるモードを「放射モード」、内部に閉じ込められて伝播するモードを「導波モード」という。
図12ないし図14を参照して、本発明に係る回折構造体が、回折格子、光変調器、あるいは後述する光フィルタとして使い分けられる理由を説明する。
図12(a)は、本発明に係る回折格子、光変調器、光フィルタに共通する構成である回折構造体900の斜視図を、(b)は平面図を、(c)は側面図を各々示している。図12(a)に示すように、回折構造体900は、側壁層902−1、902−2、凹部904−1、904−2を備え、図示しない基板上に形成されている。また、回折構造体900は、側壁層902−1、902−2の屈折率よりも低い屈折率を有する媒質(図示省略)で覆われている。本実施の形態では、該媒質をクラッド層と称する。側壁層902−1、902−2、クラッド層の材料は特に限定されないが、本実施の形態では、一例として側壁層902−1、902−2をSiで、クラッド層をSiO2で各々形成している。
回折構造体900が放射モードを発現する場合(回折格子として機能する場合)と、導波モードを発現する場合(光変調器、あるいは光フィルタとして機能する場合)の分岐点についてシミュレーションによって検討した。図12(b)はそのシミュレーションモデルの平面図を、図12(c)は側面図を各々示している。図12(b)、(c)では、aを固定値として回折構造体900の光の進行方向に直交する外側の幅をa、内側の幅を0.2aとしている。すなわち、回折構造体900の外側の幅と内側の幅との比を5:1としている。また、凹部904−1、904−2の幅を0.5aとし、周期をa(すなわち、凹部の間隔が0.5a)としている。さらに、回折構造体900の厚さは0.5aとしている。
図12(b)、(c)に示すシミュレーションモデルを用いてシミュレーションした結果、回折構造体900に伝搬させる光の波長を1.5μmとしたとき、a<0.54μmで導波モードが支配的となり、光変調器、あるいは光フィルタに好適に用いることが可能であることがわかった。一方、a>0.54μmでは放射モードとなり、回折格子として好適に用いることが可能であることがわかった。
図13(a)に上記シミュレーションの結果の一例を示す。図13(a)は、図12(b)、(c)に示す回折構造体900のバンド構造をシミュレーションした結果である。
まず、図13(b)を参照して、一般的なバンド構造(フォトニックバンド構造)について説明する。バンド構造は、横軸に波数、縦軸に周波数をとり特定の光伝搬構造体の分散特性を示した図である。図13(b)の曲線C1、C2が分散特性を表している。
曲線C2に対する接線である直線Lは、空気のライトラインを表している。ライトラインLは、特定の光伝搬構造体が放射特性を示すか、導波モードを示すかの分岐点となる直線である。すなわち、ライトラインLの左側(上側)に位置する分散特性C1の領域A1では放射特性を示し、ライトラインLの右側(下側)に位置する分散特性C1の領域A2では導波特性を示す。従って、領域A1は主として回折格子として用いることができ、領域A2は主として光変調器、光フィルタとして用いることができる。
バンド構造のシミュレーション結果を示す図13(a)において、TE、TMで示す曲線が各々TEモード、TMモードに対する分散特性である。図13(a)では、ライトラインL、バンドギャップBGを併せて示している。ここで、TEモードに着目すると、ライトラインLとTEモードの分散特性の交点Pを境界とし放射モードと導波モードが切り替わる。交点Pにおけるa/λはa/λ=0.36である。ただし、λは回折構造体900を伝搬する光の波長である。いまλ=1.5μmとすると、a=0.36・λ=0.36×1.5=0.54(μm)となるので、回折構造体900は、a<0.54μmでは導波モード支配的となり、主として光変調器、光フィルタに適した特性となる。一方a>0.54μmでは放射モードが支配的となり、主として回折格子に適した特性となる。
一方、曲線C2が横軸に平行に近づく領域、すなわち曲線C2の微分値が0に近づく領域である領域A3では回折構造体900を伝搬する伝搬光に対して超低速な光であるスローライトが発生する。図14を参照して、回折構造体900でスローライトが発生する理由を説明する。図14(a)は、本実施の形態に係る回折構造体900を伝搬する光の様子を示しており、左側から入力した光線L1が回折構造体900の内部で反射を繰り返し、右側から出力している。このとき、回折構造体900の凹部904−1、904−2が微細構造を形成していることに起因して、入射した光線L1の一部が光線L2として入力側に押し戻される。回折構造体900では、この往復、ジグザグ進行を繰り返すので、光の進行が極めて遅くなる。これが、回折構造体900でスローライトが発生する理由である。
図14(b)は、回折構造体900と比較のために示した一般的な導波路であり、例えばSiによるコアを図示しないSiO2のクラッド層で覆った構造を有している。図14(b)に示すように、一般的な導波路の場合は入力した光線L3は反射を繰り返しそのまま出力される。従って、光線L3の進行速度は変化しない。
図11(c)に示す回折構造体114も、基本的に上述の回折構造体900と同様の機能を有し、同様の作用を示す。そして、例えば適用波長を1.5μmとし、図12(b)、(c)に示すaの値が0.54μmより小さくされている。従って、本実施の形態に係る光変調器100によれば、スロット導波路を有する回折構造体114により伝搬光を狭い範囲に閉じ込めることができ、さらにスローライト効果により非線形効果が増大する。
その結果、変調効率が増大するので、非常に短い長さで光変調器を構成することができる。そのため、変調用の電極の長さ、すなわち、電極104−1から電極104−2まで長さ、あるいは電極104−3から電極104−4までの長さも短くすることができ、必ずしも進行波型電極を採用する必要もなく集中定数型で十分なので周波数特性も改善し、高周波で動作させることができる。
なお、本実施の形態では本発明に係る回折構造体を位相変調器に適用した形態を例示して説明したが、これに限られず、MZ(Mach Zehnder:マッハツェンダ)型の光変調器に適用してもよい。この場合はMZ型変調器の2つのアームの各々に本実施の形態に係る光変調器100を配置すればよい。
[第6の実施の形態]
図15及び図16を参照して、本実施の形態に係る光フィルタ202、及びレーザ光源200について説明する。本実施の形態は、本発明に係る回折構造体を光フィルタ202に適用し、光フィルタ202をレーザ光源200の一部に用いた形態である。
図15(a)に示すように、本実施の形態に係るレーザ光源200は、基板214上に形成された光フィルタ202、導波路206、208、ヒータ212、導波路208の端面に設けられたハーフミラー(半透過鏡)226、及びSOA(Semiconductor Optical Amplifier:半導体光増幅器)204を含んで構成されている。レーザ光源200では、SOA204の後端面228とハーフミラー226との間で共振器が構成され、該共振器の共振周波数で発振する。その際、バンドパスフィルタである光フィルタ202によって帯域が制限されて、レーザ光源200は狭線幅光源として機能する。また、ヒータ212によって発振周波数が可変とされている。
SOA204は、レーザ光源200の発振光を生成するための光源であり、SOA204の出力端は導波路206と光結合されている。上述したように、SOA204は光の出射側とは反対側の後端面228が反射面とされており、後端面228がハーフミラー226とともに共振器の反射端面となっている。SOA204の出射端と対向する導波路206には、該出射端における光のスポットサイズと導波路206のスポットサイズの違いを調整するスポットサイズ変換器を設けてもよい。
ヒータ212は、導波路208上に配置され、導波路208に熱を付与して導波路208の屈折率を変化させるように構成されている。導波路208に熱を付与することにより導波路208の屈折率が変化し、その結果上述した共振器の等価的な共振器長が変化するので、レーザ光源から出力される出力光Poの波長を変化させることができる。なお、導波路208の屈折率を変える構成はこれに限られず、例えば電流注入型、電圧印加型、キャリアプラズマ効果型等他の屈折率可変構造を用いてもよい。
本実施の形態に係る導波路206、208は例えば矩形状の断面構造を有した単一モードで構成されている。しかしながら、これに限られずスロット導波路で構成してもよい。
この場合は後述のモード変換器221−1、221−2は不要である。
光フィルタ202は、図15(c)に示すように、回折構造体230、モード変換器221−1、221−2が形成された側壁層220、及び単一モード導波路222−1,222−2を含み、図11に示す回折部150と同様の構造となっている。従って、各部の詳細な機能の説明は省略する。光フィルタ202は、導波路206と208との間に配置され、導波路206、208を伝搬する光の帯域を制限している。
図15(d)に、光フィルタ202を有しない比較例に係るレーザ光源500を示す。
図15(d)に示すように、レーザ光源500は、基板510上に形成された導波路504、ヒータ508、導波路504の端面に設けられたハーフミラー506、SOA502を備えている。レーザ光源500では、ハーフミラー506とSOA502の後端面512とを共振端面とする共振器が構成されている。図15(e)はレーザ光源500から出射される出力光Poの波長特性を、横軸に波長λ、縦軸に光強度Iをとって示している。
図15(e)に示すように、レーザ光源500では、上記共振器により多数のファブリペローモードが発生し、ヒータ508で波長の調整が行われる。
一方、図15(b)は本実施の形態に係るレーザ光源200から出射される出力光Poの波長特性を示している。図15(b)に破線で示す曲線C3が光フィルタ202の透過特性を示している。すなわち、光フィルタ202はハーフミラー226と後端面228による共振器で生成されたファブリペローモードの帯域を制限し、多数のファブリペローモード中の特定の波長が選択されるように(特定の波長の透過損が少なくなるように)構成されている。また、選択される特定の波長は、ヒータ212で変えられるように構成されている。これは、一般にレーザ発振においては損失が少なく利得が高いモードが、他のモードのキャリアも消費して優先的に発振することによる。
図16を参照して、光フィルタ202の変形例である光フィルタ202Aについて説明する。光フィルタ202Aは、回折構造体以外の部分は光フィルタ202と同様なので、回折構造体の部位を中心に説明する。
図16に示すように、光フィルタ202Aでは、回折構造体230に代えて回折構造体230Aを備えている。回折構造体230では、図11(c)に示すように、一定の幅の凹部118を一定のピッチで配列していたが、本実施の形態では、凹部の幅、あるいは凹部の配列ピッチの一部を変えている。図16に示すように、回折構造体230Aでは、他の部分ではa/2である凹部の幅の一部をaに変えている。このような構造は一般にλ/4シフトと称され、光フィルタの透過特性の制御をより厳密に行うことができる。本実施の形態に係る光フィルタは、側壁層220−1、220−2に対し横方向(基板と平行な方向)に凹部を設ける形態を採用しているので、従来技術と比較してλ/4シフト構造の形成がより容易であり、アポタイゼーション(一般に、回折格子のピッチを変えてバンド幅を制御することをいう)による制御をより容易に行える構成となっている。
以上の構成を有するレーザ光源200では、極めてスペクトル幅の狭い狭線幅光源を実現している。また、レーザ光源200では発振光の経路をスロット導波路によって構成し、発振光が該スロット導波路のスロット領域(図15(c)に示す光フィルタ202の2つの側壁層220の間)を通過するように構成されている。スロット部分は、側壁層220と比較して非線形光学効果が生じにくい材料、例えばSiO2で充填されているので比較的高い光パワーを通過させることができ、レーザ光源の高出力化が可能となっている。
また、より高出力としたい場合は、2つの側壁層の間隔をさらに離間させ、スロットの幅を拡大するようにしてもよい。
なお、上記各実施の形態では、側壁層を構成する材料、及び側壁層を覆うクラッドの材料の温度特性については触れなかったが、これらの温度特性を勘案した構成を採用してもよい。すなわち、側壁層を構成する材料の温度特性と、側壁層を覆うクラッドの材料の温度特性とが反対の特性となるように各材料を選択してもよい。この場合、本発明に係る各回折構造体の温度特性を改善する(温度依存性を抑制する)ことができ、例えば温度依存性の少ないレーザ光源を実現することができる。
10 回折格子
12 基板
14 クラッド層
16a、16b 側壁層
20a、20b 凹部
22a、22b 凹部
24a、24b 凹部
26a、26b 凹部
30、30−1〜30−10 単一モード入力回折格子
32 モード変換器
32a、32b 結合部
34、34−1〜34−10 単一モード導波路
36 スロット導波路
50 回折格子アレイ
60 光フェーズドアレイ
61 位相変調器
62 MMIカプラ
64、64−1〜64−10 ヒータ
66 入力導波路
68、68−1〜68−10 導波路
70 回折格子
72 孔部
74 基板
76 側壁層
78 SiO2層
80 回折格子
90 基板
92 SiO2層
94 Si層
96 SiO2層
100 光変調器
102−1、102−2 側壁層
104−1、104−2、104−3、104−4 電極
106−1、106−2 単一モード導波路
110−1、110−2 モード変換器
112−1、112−2 スロット導波路
114 回折構造体
116 結合部
118 凹部
120 EOポリマ
150 回折部
200 レーザ光源
202、202A 光フィルタ
204 SOA
206、208 導波路
212 ヒータ
214 基板
220、220−1、220−2 側壁層
221−1、221−2 モード変換器
222−1、222−2 単一モード導波路
224−1、224−2 凹部
226 ハーフミラー
228 後端面
230、230A 回折構造体
500 レーザ光源
502 SOA
504 導波路
506 ハーフミラー
508 ヒータ
510 基板
512 後端面
900 回折構造体
902−1、902−2 側壁層
904−1、904−2 凹部
L ライトライン
L1、L2、L3 光線
BG バンドギャップ
Pi 入力光
Po 出力光
Sa、Sb 側面
T テーパ部
η、ηa、ηb、ηc 結合効率

Claims (12)

  1. 支持層と、
    前記支持層に平行な所定の方向に沿い互いに平行に予め定められた間隔の空間を設けて前記支持層上に形成されると共に、各々第1の屈折率を有する第1の層及び第2の層を備え、かつ前記支持層上の前記第1の層の一端と前記第2の層の一端との間の間隙を入力端とすると共に前記第1の層の他端と前記第2の層の他端が接続され、前記入力端から入力された入力光を前記支持層上の前記空間に沿って前記所定の方向に導波する導波路を構成する高屈折率層であって、前記第1の層及び前記第2の層の各々は、前記所定の方向に沿って形成されると共に前記所定の方向と交差する方向に前記支持層に至る深さで切り欠いた複数の凹部を備え、前記第1の層の凹部の各々の開放された側と前記第2の層の凹部の各々の開放された側とが前記入力光の光路に対して対向する位置に配置された高屈折率層と、
    前記高屈折率層を覆うと共に前記空間を充填するように形成された前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する低屈折率層と、を含み、
    前記第1の層の複数の凹部と前記第2の層の複数の凹部とによって前記入力光を回折させて出力光として放射させる回折部を構成する
    回折格子。
  2. 前記導波路は、前記第1の層、前記第2の層、及び前記第1の層と前記第2の層との間を充填する前記低屈折率層によるスロット導波路として構成された
    請求項1に記載の回折格子。
  3. 前記複数の凹部の各々は前記所定の方向と交差する方向に予め定められた長さを有し、
    前記予め定められた長さによって前記回折部の回折効率を設定する
    請求項1又は請求項2に記載の回折格子。
  4. 前記予め定められた長さが、前記入力端から前記所定の方向に沿って漸増する長さとされている
    請求項3に記載の回折格子。
  5. 前記入力光を入力する単一モード導波路と、
    前記単一モード導波路と前記入力端との間に接続されると共に単一モードの光をスロットモードに変換するモード変換部と、をさらに含む
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の回折格子。
  6. 前記高屈折率層の温度特性と前記低屈折率層の温度特性とが反対の特性となっている
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の回折格子。
  7. 前記所定の方向と交差する方向に隣接して配置された複数の請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の回折格子を含む
    回折格子アレイ。
  8. 前記入力光を入力する入力導波路と、
    前記入力導波路に接続されると共に前記入力光を複数に分岐した複数の分岐光の各々を出力する複数の出力端を有する分岐部と、
    前記複数の出力端の各々に接続された複数の変調導波路、及び前記複数の変調導波路の各々の近傍に設けられた複数の加熱部を備え、前記複数の加熱部の各々によって前記複数の変調導波路の各々を加熱して前記複数の分岐光の各々の位相を変調する位相変調部と、
    複数の前記入力端の各々が前記複数の変調導波路の各々と接続された請求項7に記載の回折格子アレイと、を含み、
    前記位相変調部によって前記複数の分岐光の各々の位相を変えることにより放射される光の進行方向を制御する
    光フェーズドアレイ。
  9. 支持層と、
    前記支持層に平行な所定の方向に沿って前記支持層に至る深さで形成された複数の孔部を備え、かつ前記支持層上に形成された第1の屈折率を有する高屈折率層であって、前記複数の孔部の一方の末端の孔部に隣接する、前記複数の孔部の配列方向の前記高屈折率層の一端を入力端とし、前記入力端から入力された入力光を前記複数の孔部に沿って前記所定の方向に導波する導波路を構成する高屈折率層と、
    前記高屈折率層を覆うと共に前記複数の孔部を充填するように形成された前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する低屈折率層と、を備える回折構造体を含み、
    前記回折構造体が、前記入力光を回折させて出力光として放射させる回折部を構成する
    回折格子
  10. 前記複数の孔部の各々は前記所定の方向と交差する方向に予め定められた長さを有し、
    前記予め定められた長さによって前記回折部の回折効率を設定する
    請求項に記載の回折格子。
  11. 前記所定の方向と交差する方向に隣接して配置された複数の請求項または請求項10に記載の回折格子を含む
    回折格子アレイ。
  12. 前記入力光を入力する入力導波路と、
    前記入力導波路に接続されると共に前記入力光を複数に分岐した複数の分岐光の各々を出力する複数の出力端を有する分岐部と、
    前記複数の出力端の各々に接続された複数の変調導波路、及び前記複数の変調導波路の各々の近傍に設けられた複数の加熱部を備え、前記複数の加熱部の各々によって前記複数の変調導波路の各々を加熱して前記複数の分岐光の各々の位相を変調する位相変調部と、複数の前記入力端の各々が前記複数の変調導波路の各々と接続された請求項11に記載の回折格子アレイと、を含み、
    前記位相変調部によって前記複数の分岐光の各々の位相を変えることにより放射される光の進行方向を制御する
    光フェーズドアレイ。
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