JP6913333B2 - シート状物移送装置およびこれを備えたシート状物加工装置 - Google Patents

シート状物移送装置およびこれを備えたシート状物加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、シート状物を移送するためのシート状物移送装置及びこれを備えたシート状物加工装置に関する。
従来より、シート状物を移送させながら延伸させる延伸機が提案されている。このような延伸機は、多数のクリップを有する左右一対の無端チェーンを備え、シート状物の両側縁をクリップで把持した状態で無端チェーンを周回させることにより、シート状物を所定の移送方向へ移送させる。無端チェーンはパンタグラフ状に選択的に収縮/伸張が可能であって、シート状物を移送しながら徐々に伸張することでシート状物を延伸させる。また、従来の延伸機は、無端チェーンを伸張させるためのガイドレール及びスクリュを備える。スクリュの周面には螺旋状のガイド溝が設けられ、ガイド溝のピッチは移送方向下流側に向かうに従い漸増し、このようなガイド溝に無端チェーンの軸受ローラが案内されることによって、収縮状態にあった無端チェーンが徐々に伸張されていく(例えば、特許文献1参照)。
特開昭64−22532号公報
従来の延伸機において、シート状物の延伸率を変更する場合には、延伸率に応じたスクリュへ交換する必要があり作業性が悪く、また延伸率に応じて多様なスクリュを揃えておく必要があった。
本発明は、シート状物の収縮率や延伸率の変更に柔軟に対応できるシート状物移送装置およびこれを備えたシート状物加工装置の提供を目的とする。
本発明のシート状物移送装置は、長手方向に選択的に収縮及び伸張可能に構成された無端チェーンと、前記無端チェーンを所定の周回方向に周回させる周回手段と、前記無端チェーンを案内するスクリュと、切替部材と、を備え、前記無端チェーンは、複数個のクリップ部が無端状に連結されて構成され、各クリップ部は、シート状物の側縁を把持するためのクリップ手段と、被案内部材と、前記被案内部材を支持する支持部材と、を有し、前記無端チェーンは前記クリップ手段により前記シート状物の側縁を把持した状態で前記周回方向に周回することにより前記シート状物を移送方向へ移送し、前記スクリュには前記被案内部材を案内して前記移送方向へ送り出すための螺旋状の第1ガイド部が設けられ、前記第1ガイド部のピッチは前記移送方向下流側に向かうに従い漸減又は漸増し、前記支持部材は、前記被案内部材を、第1所定位置と第2所定位置の間を移動可能に支持し、前記被案内部材が前記第1所定位置に位置するとき、前記第1ガイド部は前記被案内部材に当接して前記被案内部材を前記移送方向へ送り出し、前記被案内部材が前記第2所定位置にあるとき、前記被案内部材は前記第1ガイド部から離隔し、前記第1ガイド部に対して非接触に保たれ、前記切替部材は、前記移送方向における前記スクリュの上流端と下流端の間の位置において、前記被案内部材を前記第1所定位置から前記第2所定位置へ移動させることを特徴とする。
また、本発明のシート状物加工装置は、上記シート状物移送装置を備えることを特徴とする。
本発明のシート状物移送装置によれば、切替部材は、移送方向におけるスクリュの上流端と下流端の間の位置において被案内部材を第1所定位置から第2所定位置へ移動させるので、被案内部材はスクリュによりガイドされている途中においてスクリュから解放される。よって、シート状物の収縮率又は延伸率を変更する場合であっても、被案内部材のスクリュからの解放のタイミングを調整すれば足り、スクリュ自体の交換が不要になる。
また、本発明のシート状物加工装置によれば、上記シート状物移送装置を備えるので、上述したのと同様の効果が得られる。
本発明の実施形態に係るシート状物加工装置を示す概略平面図。 (a)は、図1に示すシート状物加工装置が備える一方のシート状物移送装置を示す概略平面図、(b)は(a)の要部拡大図。 図2(b)のIII−III線要部断面図。 図2に示すシート状移送装置が備える無端チェーンの一部を拡大して示す底面図であって、(a)は伸張状態を示す図、(b)は収縮状態を示す図。 図2に示すシート状物移送装置を移送経路側からみた要部概略側面図。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係るシート状物加工装置について説明する。
図1に示すシート状物加工装置101は、一対のシート状物移送装置(以下、単に「移送装置」という。)1,1と、図示しない加熱手段と、を備える。一方の移送装置1は、シート状物Sが搬送される搬送経路Paの幅方向D左側に配置され、他方の移送装置1は右側に配置されている。これら一対の移送装置1,1は、シート状物Sの幅方向D1両側縁を挟持して所定の移送方向D2へ移送し、加熱手段(図示せず)は移送されるシート状物Sを加熱する。シート状物Sの移送経路Paには、上流側から順に、第1移送域R1、第1変速域R2、第2移送域R3,及び第2変速域R4が規定される。
移送装置1,1は、移送経路Paを中心に左右対称である他は実質同一の構成を有すため、ここでは一方の移送装置1についてのみ説明し、他方の移送装置1についての説明は省略する。また、以下の説明において、「上流側」、「下流側」というときは、特に言及のない限り、移送方向D2における上流側、下流側をいうものとする。
図1及び図2を参照して、移送装置1は、無端チェーン2と、無端チェーン2を周回させるための周回手段3と、無端チェーン2を案内するための案内レール4と、スクリュ51と、補助スクリュ52と、駆動手段Mと、を備える。周回手段3は、一対の駆動スプロケット3a,3b(上流側スプロケット3a及び下流側スプロケット3b)を備え、駆動手段Mは第1〜第5モータM1〜M5を備える。
無端チェーン2は、スプロケット3a,3bと噛み合わされて、スプロケット3a,3bの間に掛け渡されている。スプロケット3a,3bにはそれぞれモータM1,M2が接続されており、モータM1,M2からの回転駆動力によってスプロケット3a,3bが所定方向に回転駆動されると、無端チェーン2は所定の周回方向D3に移動(周回)する。
図2に示す様に、案内レール4は、第1レール41と、相互に平行に配置された一対の第2レール42,42と、を有する。第1レール41は無端チェーン2の周回経路に沿って配置された環状レールであり(図2において、第1レール41を一部省略して示す)、第2レール42,42は有端状であって、上流側スプロケット3aの下流側から下流側スプロケット3bの下方位置まで次の様に延びている。即ち、一対の第2レール42,42は、第1移送域R1において第1レール41と平行に延びた後に、第1変速域R2において移送経路Paに近づく方向に第1レール41に対して傾斜する。その後、第2移送域R3において第1レール41と平行に延びた後に、第2変速域R4において搬送経路Paから遠ざかる方向へ第1レール41に対して傾斜し、最後に再び第1レール41と平行に延びる。
無端チェーン2は長さ方向に選択的に収縮可能に構成されており、複数個のクリップ部6と、隣接する一対のクリップ部6,6同士を接続する複数個のチェーンユニット7と、を備える。無端チェーン2の収縮は、後述のように第1レール41に対する第2レール42,42の相対位置とスクリュ51によって達成される。
無端チェーン2の構成について具体的に説明する。図3及び図4をも参照して、各クリップ部6は、支持体61と、支持体61に支持されたクリップ手段62及び被案内手段63と、を有する。クリップ手段62は、シート状物Sの側縁を保持するものであって、所定のクリップ位置P1(図1)においてシート状物Sの側縁を挟持し、所定のクリップアウト位置P2においてシート状物Sを解放する。被案内手段63は、回転軸63aを中心に揺動可能に構成されたアーム部63bと、アーム部63bの先端に設けられた従動コロ(被案内部材)63cと、を備え、アーム部63bが回転軸63aを中心に図3に実線で示す外向姿勢と点線で示す内向姿勢との間で揺動することにより、従動コロ63cの位置は、図3に実線で示す近接位置(第1所定位置)と点線で示す退避位置(第2所定位置)との間で切り替わる。クリップ部6は更に第1レール41に当接する3個の従動コロ64,65,66を備え、これによりクリップ部6は第1レール41に案内されながら周回方向D3へ周回する。
各チェーンユニット7は、一対のリンク71,71と、中間リンク72と、を備える。各リンク71は、隣接するクリップ部6に連結軸S1を介して旋回自在に連結されている。中間リンク72は、一対のリンク71,71の間に位置し、連結軸S2,S2を介して一対のリンク71,71に旋回自在に連結されている。また、中間リンク72には従動コロ73が設けられている。従動コロ73は一対の第2レール42,42の間に位置し、これにより従動コロ73は中間リンク72と共に第2レール42,42に案内されながら周回方向D3へ周回する。
よって、第2レール42,42が搬送経路Paに近づく方向へ傾斜する第1変速域R2においては、従動コロ73には矢印A方向への力が加わり、その結果、各リンク71が連結軸S1,S2を中心にクリップ部6及び中間リンク72に対して旋回し、図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態へ変化する。また、第2レール42,42が搬送経路Paから遠ざかる方向へ傾斜する第2変速域R3においては、従動コロ73には矢印A方向とは逆の矢印B方向への力が加わり、その結果、各リンク71は連結軸S1,S2を中心にクリップ部6及び中間リンク72に対して旋回し、図4(b)に示す状態から図4(a)に示す状態へ戻る。このようにして、周回方向D3におけるクリップ部6のピッチ(以下、「クリップ間ピッチ」という)を最大ピッチL1と最小ピッチL2の間で変化させることができ、クリップ間ピッチの変化量(無端チェーン2の収縮率)はシート状物Sの収縮率に応じて任意に設定される。
かかる構成において、無端チェーン2はチェーンユニット7が伸びきった状態で上流側スプロケット3aにより送り出され、その後、中間リンク72に設けられた従動コロ73が一対の第2レール42,42の間に進入し、第2レール42,42に沿って移動する。その結果、上述したように、第1変速域R2において従動コロ73が矢印A方向に押され、クリップ間ピッチが漸減し、第2移送域R3においてはクリップ間ピッチが減少した状態に維持される。その後、第2変速域R3において従動コロ73が矢印B方向に押され、クリップ間ピッチが漸増して元に戻る。このように、本実施形態においては、第1レール41に対する第2レール42,42の相対位置を変化させることによって、チェーンユニット7(即ち、無端チェーン2)を収縮/伸張させて、クリップ間ピッチを変更している。
図1及び図2を参照して、スクリュ51は、一対の第2レール42,42の上流端(始端)42a,42aの下流側近傍に設けられ、駆動モータM3により回転駆動される。補助スクリュ52はクリップアウト位置P2と下流側スプロケット3bの間に位置し、駆動モータM4により回転駆動される。スクリュ51の周面には従動コロ63cを案内するための螺旋状のガイド部(第1ガイド部)51aが設けられ、同様に補助スクリュ52の周面にも従動コロ63cを案内するための螺旋状のガイド部52aが設けられている。ガイド部51aのピッチは下流側に向かうに従い漸減し、ガイド部52aのピッチは全域において一定とされている。
かかる構成において、従動コロ63cが近接位置(図3に実線で示す位置)にあるとき、従動コロ63cはスクリュ51,52に近接し、ガイド部51a,52aに案内されて移動される。一方、従動コロ63cが退避位置(図3に点線で示す位置)にあるとき、従動コロ63cはガイド部51aから幅方向D1に離隔する。即ち、従動コロ63cはガイド部51aに対して非接触状態に保たれ、ガイド部51aにより案内されることはない。
移送装置1は更に、被案内手段63のアーム部63bを揺動させることによって従動コロ63cを近接位置又は退避位置に位置づけるための切替機構8を備える。図2(b)を参照して、切替機構8は、上流側から順に配置された第1切替部材81,第2切替部材82,及び第3切替部材83と、第2切替部材82の位置調整を行うための調整機構(第1移動手段)80と、を備える。
第1切替部材81は、一対の第2レール42,42の上流側端部42a近傍に配設され、ガイド面81aを有する。ガイド面81aは、無端チェーン2に対向すると共に、下流側に向かうに従い無端チェーン2に近づく方向に傾斜している。かかる構成により、無端チェーン2のクリップ部6が移送方向D2(周回方向D3)に移動するに従い、内向姿勢にあるアーム部63b(図3)の上方部位は、第1切替部材81のガイド面81aに当接してスクリュ51から離隔する矢印A方向へ押され、これによりアーム部63bは外向姿勢に切り替えられ、従動コロ63cは近接位置に位置づけられる。
第2切替部材82は、スクリュ51の上流端51bと下流端51cの間に設けられ、ガイド面82aを有する。ガイド面82aは、スクリュ51に対向すると共に、下流側に向かうに従い無端チェーン2から離隔する方向に傾斜している。かかる構成により、無端チェーン2のクリップ部6が移送方向D2(周回方向D3)に移動するに従い、外向姿勢にあるアーム部63b(図3)の上方部位は、第2切替部材82のガイド面82aに当接してスクリュ51に近づく矢印B方向へ押され、これによりアーム部63bは内向姿勢に切り替えられ、従動コロ63cは退避位置に位置づけられる。
第3切替部材83は、補助スクリュ52よりも上流側に配設され、ガイド面83aを有する。ガイド面83aは、ガイド面81aと同様に、無端チェーン2に対向すると共に、下流側に向かうに従い無端チェーン2に近づく方向に傾斜している。かかる構成により、無端チェーン2のクリップ部6が移送方向D2(周回方向D3)に移動するに従い、内向姿勢にあるアーム部63bの上方部位は、第3切替部材83のガイド面83aに当接してスクリュ51から離隔する矢印A方向へ押され、これによりアーム部63bは外向姿勢に切り替えられ、従動コロ63cは近接位置に位置づけられる。
図2(b),図3,及び図5を参照して、調整機構80は、第2切替部材82を支持するスライド部材84と、スライド部材84を支持する支持部材85と、スライド部材84を案内する案内スクリュ86と、を備える。
スライド部84は、第2切替部材82を支持するスライド本体84aと、スライド本体84aに支持された従動コロ84bと、を有する。支持部材85は移送方向D2に延びる長尺状の部材であって、スライド部84のスライド本体84aを移送方向D2に沿ってスライド自在に支持する。案内スクリュ86はスクリュ51の上方に位置し、その周面には従動コロ84bを案内するための螺旋状のガイド部(第2ガイド部)86aが設けられている。ガイド部86aのピッチは下流側に向かうに従い漸増する。また、案内スクリュ86にはモータM5(図1)が連結されており、モータM5からの回転駆動力により案内スクリュ86はガイド部86aが下流側に移動する正方向と上流側に移動する逆方向へ選択的に回転される。
これにより、案内スクリュ86を正方向に回転させると、従動コロ84bはガイド部86aにより下流側へ案内され、これにより第2切替部材82をスライド部84と共に下流側へ移動させることができる。一方、案内スクリュ86を逆方向に回転させると、従動コロ84bはガイド部86aにより上流側へ案内され、これにより第2切替部材82をスライド部84と共に上流側へ移動させることができる。このように、案内スクリュ86の回転によって、第2切替部材82を任意の位置へ移動させることができる。
かかる構成において、無端チェーン2のクリップ部6は上流側スプロケット3aにより第1速度で送り出され、第1速度を保ったまま第1移送域R1を通過する。このとき、チェーンユニット7は図4(a)に示す様に延びた状態に維持されている。また、内向姿勢にあるアーム部63bは、上述の様に第1切替部材81によって外向姿勢に切り替えられ、従動コロ63cは確実に近接位置に位置づけられる。
次に、第1変速域R2においては、従動コロ63cがスクリュ51の螺旋状のガイド部51aにより案内されてクリップ部6の速度が漸減し、チェーンユニット7(無端チェーン2)は長手方向に収縮する。その後、アーム部63bは上述の様に第2切替部材82によって内向姿勢に切り替えられ、従動コロ63cは退避位置に位置づけられる。これにより、従動コロ63cはガイド部51aから解放され、ガイド部51aによる案内が解かれる。このようにしてガイド部51aから離隔したクリップ部6は、第1速度よりも遅い第2速度を維持しまま第2移送域R3を移動する。
その後、第2変速域R4において、アーム部63bは上述の様に第3切替部材83によって外向姿勢に切り替えられ、従動コロ63cは近接位置に位置づけられ、従動コロ63cは補助スクリュ52の螺旋状のガイド部52aにより案内される。これによりクリップ部6の速度は第2速度から第1速度へ戻されて、チェーンユニット7(無端チェーン2)は伸張し、この状態で下流側スプロケット3bへ送り出される。
このように、クリップ部6をスクリュ51のガイド部51aで案内することによって無端チェーン2を収縮させることができる。そして、第2切替部材82を移動させることによって従動コロ63cをガイド部51aから解放するタイミングを変更することができ、これにより無端チェーン2の収縮率を任意に設定することができる。
即ち、第2切替部材82を上流側へ移動させると、従動コロ63cはより早いタイミングでガイド部51aから解放され、無端チェーン2の収縮率を小さくできる。一方、第2切替部材82を下流側へ移動させると、従動コロ63cはより遅いタイミングでガイド部51aから解放され、無端チェーン2の収縮率を大きくできる。従って、無端チェーン2の収縮率(即ち、シート状物Sの収縮率)を変更する場合には、案内スクリュ86を回転させて第2切替部材82の位置を調整し、従動コロ63cをスクリュ51の上流端51bと下流端51cの間の任意の位置でスクリュ51から解放すればよく、収縮率に合わせてスクリュ51を交換する必要がない。
上述したように、第1変速域R2における無端チェーン2の収縮率は、第1レール41に対する第2レール42の相対位置と、第2切替部材82の位置(従動コロ63cのガイド部51aからの解放のタイミング)によって決定される。このことから、本実施形態においては、第2切替部材82の移動に伴い、第1レール41に対する第2レール42の相対位置も変更するように構成されている。
即ち、移送装置1は更に、第2レール42,42を移動させるための移動機構(第2移動機構)9と、移動機構9と調整機構80とを連結する連結機構10と、を備える。移動機構9は、一対の第2レール42,42を支持する支持台91と、支持台91を幅方向D1へスライド移動自在に支持するベース部材92と、一対のスクリュ93,93と、を備える。
支持台91には一対の雌ねじ部91a,91a(図5)が設けられ、各スクリュ93は雌ねじ部91aと噛合している。よって、スクリュ93が正方向又は逆方向に回転すると、第2レール42は支持台91と共に矢印A方向又は矢印B方向に移動する。
連結機構10は、案内スクリュ86の回転軸86b(図5)に外嵌されたギアG1と、ギアG1と噛合するギアG2(図2(b))と、ギアG2の回転を一対のスクリュ93,93へ伝達する伝達機構11と、を有する。ギアG2はモータM5に連結されており、モータM5からの回転駆動力はギアG2を介してギアG1へ伝達されて案内スクリュ86を回転させると共に、ギアG2及び伝達機構11を介してスクリュ93へ伝達され、スクリュ93を回転させる。伝達機構11は、ギアG2の回転駆動力をスクリュ93,93へ伝達できれば具体的構成に限定はなく、例えば複数本のギアシャフトを用いて構成することができる。
かかる構成により、モータM5が正方向に回転すると、モータM5からの回転駆動力によって案内スクリュ86は正方向に回転し、第2切替部材82は下流側へ移動すると共に、スクリュ93は正方向に回転し、支持レール42は矢印A方向に移動する。これにより、無端チェーン2の収縮率は大きくなる。一方、モータM5が逆方向に回転すると、モータM5からの回転駆動力によって案内スクリュ86は逆方向に回転し、第2切替部材82は上流側へ移動すると共に、スクリュ93も逆方向に回転し、支持レール42は矢印B方向に移動する。これにより、無端チェーン2の収縮率は小さくなる。
このように、本実施形態においては、クリップ部6の従動コロ63cをスクリュ51から解放するタイミングを任意に調整することにより、スクリュ51を付け替えることなく無端チェーン2の収縮率を変更することができる。
また、クリップ部6の従動コロ63cがスクリュ51から解放されるタイミングは、第2切替部材82の位置によって決まるが、第2切替部材82の移動と同期して第2レール42,42の位置が自動的に調整されるので、無端チェーン2の収縮率に応じた第2レール42,42の位置調整を個別に行う必要がなく、使い勝手を向上できる。
以上、本発明の実施形態に係るシート状物加工装置について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
例えば、上記実施形態においては、シート状物Sを縦方向(移送方向D2)に収縮させる場合について説明したが、シート状物Sを縦方向に延伸させる場合にも同様に適用できる。この場合には、スクリュ51のガイド部51aのピッチが下流側に向かうに従い漸増するようにすると共に、案内スクリュ86のガイド部86aのピッチが下流側に向かうに従い漸減するように設定し、これに合わせて第2レール42の移動方向を調整すればよい。
また、上記実施形態においては、モータM5からの回転駆動力により案内スクリュ86を回転させたが、モータM5の代わりに例えば手動ハンドルを用いることもできる。また、案内スクリュ86の回転と第2レール42,42の移動を同期させるための機構は上記構成に限定されない。
更に、第2レール42,42(支持台91)を移動させる構成は上述のもの(移動機構9、連結機構10,伝達機構11)に限定されない。また、上記実施形態においては、第2切替部材82の移動に同期して第2レール42,42を自動的に移動させる構成としているが、第2切替部材82の移動に応じて第2レール42,42を手動で移動させる構成とすることもできる。
1 シート状物移送装置
2 無端チェーン
3 周回手段
3a 上流側スプロケット
3b 下流側スプロケット
4 案内レール
41 第1レール
42 第2レール
51 スクリュ
51a ガイド部(第1ガイド部)
63c 従動コロ(被案内部材)
81 第1切替部材
82 第2切替部材(切替部材)
83 第3切替部材
86 案内スクリュ
86a ガイド部(第2ガイド部)
S シート状物

Claims (5)

  1. 長手方向に選択的に収縮及び伸張可能に構成された無端チェーンと、
    前記無端チェーンを所定の周回方向に周回させる周回手段と、
    前記無端チェーンを案内するスクリュと、
    切替部材と、を備え、
    前記無端チェーンは、複数個のクリップ部が無端状に連結されて構成され、各クリップ部は、シート状物の側縁を把持するためのクリップ手段と、被案内部材と、前記被案内部材を支持する支持部材と、を有し、前記無端チェーンは前記クリップ手段により前記シート状物の側縁を把持した状態で前記周回方向に周回することにより前記シート状物を移送方向へ移送し、
    前記スクリュには前記被案内部材を案内して前記移送方向へ送り出すための螺旋状の第1ガイド部が設けられ、前記第1ガイド部のピッチは前記移送方向下流側に向かうに従い漸減又は漸増し、
    前記支持部材は、前記被案内部材を、第1所定位置と第2所定位置の間を移動可能に支持し、
    前記被案内部材が前記第1所定位置に位置するとき、前記第1ガイド部は前記被案内部材に当接して前記被案内部材を前記移送方向へ送り出し、
    前記被案内部材が前記第2所定位置にあるとき、前記被案内部材は前記第1ガイド部から離隔し、前記第1ガイド部に対して非接触に保たれ、
    前記切替部材は、前記移送方向における前記スクリュの上流端と下流端の間の位置において、前記被案内部材を前記第1所定位置から前記第2所定位置へ移動させることを特徴とするシート状物移送装置。
  2. 前記切替部材は、前記移送方向に位置調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のシート状物移送装置。
  3. 前記切替部材を前記移送方向に沿って移動させるための第1移動手段と、
    前記チェーンユニットを案内するレールと、
    前記レールを移動させるための第2移動手段と、
    前記第1移動手段と前記第2移動手段とを連結する連結手段と、を更に備え、
    前記連結手段は、前記第1移動手段を介して前記切替部材を前記移送方向に沿って移動させると共に、これと同期して前記第2移動手段を介して前記レールを移動させることを特徴とする請求項2に記載のシート状物移送装置。
  4. 前記第1移動手段は、前記切替部材を支持するスライド部材と、前記スライド部材を支持する支持部材と、前記スライド部材を案内する案内スクリュと、を備え、
    前記スライド部材は従動コロを備え、
    前記案内スクリュの周面には前記従動コロを案内するための螺旋状の第2ガイド部が設けられ
    前記案内スクリュが回転することにより、前記スライド部材は前記従動コロが前記第2ガイド部により案内されて、前記切替部材と共に前記移送方向に移動し、
    前記第1ガイド部のピッチが前記移送方向下流側に向かうに従い漸減するときは、前記第2ガイド部のピッチは前記移送方向下流側に向かうに従い漸増し、
    前記第1ガイド部のピッチが前記移送方向下流側に向かうに従い漸増するときは、前記第2ガイド部のピッチは前記移送方向下流側に向かうに従い漸減することを特徴とする請求項3に記載のシート状物移送装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のシート状物移送装置を備えることを特徴とするシート状物加工装置。
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