以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るゲーム盤について詳細に説明する。
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。これらの方向は、これらの方向は、図1に示すゲーム盤100について設定された相対的な方向である。尚、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム盤100の斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係るゲーム盤100の平面図である。図3は、フィールド板を外した状態のゲーム盤の平面図である。図1〜3に示すように、ゲーム盤100は、本体部110と、フィールド板120と、操作レバー130と、ゴール部材400と、を備えている。
ゲーム盤100は、本体部110に、サッカーフィールドを模したフィールド板120やゴール部材400等が配置されることで、サッカー場に似た外観を有している。
図1〜3に示すように、本体部110は、隅角に丸味を持たせた長方形の平板とされる底板111を有している。本体部110は、底板111の周囲から略垂直に立設された内周壁113を有している。内周壁113の上端には、フィールド板120を支持する水平面とされたフィールド板受部114が設けられている。フィールド板受部114の外周には、スタンドを模した段部115が設けられている。また、本体部110は、段部115の上端から外方に延びる水平矩形平板環状の外周縁116を有している。本体部110は、外周縁116の外縁から下方に延びる側壁119を有している。
底板111には、本体部110の長辺方向に沿って、直線形状の溝117が形成されている。溝117は、棒状の操作レバー130をガイドする。底板111の角部近傍には、打出機構201が設けられている。
本体部110の両短辺中央には、ゴール部材400が配置される凹部118が設けられている。凹部118は、フィールド板受部114に載置されるフィールド板120と略同じ高さの底部を有している。
側壁119の内側四隅には脚部135が備わっており、テーブル等の上にゲーム盤100を載置できるようにしている。
操作レバー130は、棒状部132と、把持手部131と、人形載置台129と、を有している。操作レバー130は、棒状部132の後端に把持手部131を有している。操作レバー130は、棒状部132の先端や途中に人形載置台129を有している。
操作レバー130は、フィールド板120が本体部110に取り付けられた状態において、フィールド板120の下方に配置される。操作レバー130は、フィールド板120が本体部110に取り付けられた状態において、フィールド板120と本体部110の底板111との間に配置されている。
操作レバー130は、本体部110の短辺とされた側壁119に偶数本設けられている。本体部110の側壁119及び内周壁113には、操作レバー130の棒状部132の断面円の直径よりもやや大きな外壁長穴127及び内壁長穴125が設けられている。操作レバー130は、外壁長穴127及び内壁長穴125を貫通しており、底板111の溝117に沿って、軸方向に移動可能である。
操作レバー130の把持手部131は、側壁119から外方に突出している。把持手部131を側壁119の直近に位置させたとき、操作レバー130の先端が対向する短辺の内周壁113の近傍に至る長さとなる。
図4は、本体部110を外した状態のゲーム盤の側面図である。図4に示すように、操作レバー130の人形載置台129の上面に設けられた立設ピン122が、フィールド板120の貫通穴104(図5参照)を介して、フィールド板120の上面より上方に突出している。立設ピン122は、例えば、後述するオーバーヘッド用のプレーヤー人形300の場合、支持部材320に挿入される。また、プレーヤー人形160の場合は、プレーヤー人形160の軸足161(軸部の一例)に挿入される(図8参照)。これにより、プレーヤー人形160は人形載置台129に保持される。
ユーザが操作レバー130の把持手部131を軸方向に前進または後退させることに伴って、プレーヤー人形160は、フィールド板120の貫通穴104上を移動する。
ユーザが操作レバー130の把持手部131を軸回転させることに伴って、人形載置台129内のギアが回転し、ギアと連結されている立設ピン122が回転する。立設ピンの回転に伴い、プレーヤー人形160は、立設ピン122に固定された軸足161を中心として回転する。
図5は、フィールド板120の平面図である。図5に示すように、フィールド板120は、隅角に丸味を持たせた長方形の平板121と、平板121の両短辺中央に設けられるゴールエリア部123と、を有している。
フィールド板120には、平板121の長辺方向に、平板121を貫通する長尺状の貫通穴104が偶数本設けられている。
フィールド板120の二か所の隅には、隅穴157が設けられている。二つの隅穴157は、対角線上に配置されている。隅穴157は、ボール500(図8参照)の直径よりも小さな僅かに楕円の円形である。隅穴157の周囲は、隅穴157を中心として僅かに窪んでおり、フィールド板120の四隅近傍に転がったボール500を隅穴157で受けることができる。
フィールド板120が本体部110に取り付けられた状態において、本体部110のフィールド板受部114に、フィールド板120の周縁が支持されるとともに、フィールド板120のゴールエリア部123が本体部110の凹部118に嵌まる。
ゴールエリア部123の四隅には、貫通穴124が形成されている。
フィールド板120の裏面には、磁石600(第一磁石の一例)が設けられている。磁石600は、フィールド板120の2つの長辺の中央を通る線(図5中のL1)と、フィールド板120の短辺との中間位置付近に配置されている。
<ボール保持部>
図6は、図1に示すvi−vi線で矢視した場合のゲーム盤の断面図である。図7は図5上のA部分の拡大斜視図である。図5〜7に示すように、フィールド板120において、貫通穴104の側方に、溝部140(ボール保持部の一例)が設けられている。溝部140は、略直線状であり、貫通穴104が延伸する方向に沿って延びている。溝部140と貫通穴104との間には上述の磁石600が配置されている。フィールド板120の長辺に最も近接した溝部140の先端は分岐している。溝部140の先端の一方の端部140aは、フィールド板120の隅穴157まで延びており、もう一方の端部140bは、ゴール方向に向かって湾曲している(図5参照)。
溝部140は、断面視で皿状に形成されており、二つの傾斜面142と、その二つの傾斜面142の間に配置される底面144とを有している。溝部140の横幅W1は、貫通穴104の横幅W2よりも広い。
溝部140上には、所定の間隔で、溝部140よりも幅広な窪み部141が設けられている。窪み部141は、皿状であり、略円形の底面143と、底面143の周囲を囲むように形成される周壁部145を有している。窪み部141の周壁部145の最外形の直径は、溝部140の横幅W1より大きいため、窪み部141は、溝部140の横幅W1より幅広となっている。
一部の窪み部141は、ガイド部147を有している。ガイド部147は、周壁部145の一部が所定の方向に向けて延びるように、形成されている。ここで言う所定の方向には、ゴールに向かう方向(シュート方向)や、ゴール前方付近に向かう方向(センタリング方向)等が含まれる。ゴール近傍の窪み部141のガイド部147は、ゴールに向かって先細になっている。
図8は、プレーヤー人形がトラップをしてシュートする様子を示す模式図である。溝部140は複数設けられており、図8に示すように、フィールド板120上には、複数の溝部140のうちの第一の溝部140cと第二の溝部140dの間に、第一の溝部140cと第二の溝部140dとを斜めに繋ぎ、貫通穴104を横断する交差溝180が設けられることもある。
上記構成によれば、ボール500は、貫通穴の側方に設けられた溝部140に留まることが可能となる。ボール500が留まる溝部140は、プレーヤー人形160(160A、160B)が移動する貫通穴104と同一軸上ではなく、貫通穴104の側方に設けられている。このため、ユーザは、プレーヤー人形160のうちボール500と接触する部分とボール500との距離を目視で調整しつつ操作レバー130の回転操作を行うことにより、様々な角度でその接触部分をボール500に接触させることができ、様々な方向にボール500を移動させることが可能となる。
このように、上記構成によれば、ボール500を動かせる方向の自由度を向上させることが可能なゲーム盤100を提供することができる。
例えば、図8に示すように、ユーザは、プレーヤー人形160Aに、溝部140上に保持されたボール500を、ゴールエリア前方にいるプレーヤー人形160Bに向けて精度良く移動させる(パスを出させる)動作を行わせることができる。また、ユーザは、ボール500をトラップしたプレーヤー人形160Bに、軸足(左足)とは異なる足(右足)により、キーパープレーヤー人形の居ない位置を狙って、ボール500をシュートさせることができる。
また、上記構成によれば、ボール500は、溝部140だけでなく窪み部141(図2及び図7参照)にも留まることが可能となる。このため、ボール500が窪み部141に留まった場合には、ボール500が安定して停止した状態となるので、ユーザは、容易に様々な方向にボール500を移動させることが可能となる。
また、上記構成によれば、窪み部141からプレーヤー人形160によって移動されるボール500の方向を、ガイド部147(図7参照)により、例えば、ゴール方向や、センタリングの方向などに導くことが可能となり、ゲームの戦略性が向上するとともに、ユーザに対する嗜好性を向上させることができる。
また、上記構成によれば、プレーヤー人形160によって溝部140上のボール500を移動させる方向を、コーナに向かう方向や、ゴールに向かう方向などに導くことが可能となり、ゲームの戦略性が向上するとともに、ユーザに対する嗜好性を向上させることができる。
また、上記構成によれば、プレーヤー人形160によって、ボール500を、交差溝180を経由して第一の溝部140cから第二の溝部140dへ移動させることが可能となり、ゲームの戦略性が向上するとともに、ユーザに対する嗜好性を向上させることができる。
また、上記構成によれば、ボール500は、プレーヤー人形160が移動する貫通穴104上よりも、貫通穴104の側方に配置された長尺状の溝部140に留まりやすくなる。このため、ユーザは、貫通穴104の側方に配置された長尺状の溝部140を利用して、ボール500を様々な方向に移動させ易くなるため、ゲームの戦略性が向上するとともに、ユーザに対する嗜好性を向上させることができる。
<打出機構>
図9(a)は、打出機構付近のゲーム盤の平面図であり、図9(b)は、フィールド板を取り外した状態での、打出機構付近のゲーム盤の平面図である。図10は、打出機構の斜視図である。打出機構201は、打出部材210と、弾性部材203と、打出部材210と協働して弾性部材203を圧縮させる押圧部170と、により構成されている。
図9〜10に示すように、打出部材210は、本体部211と、端部225と、回動軸213と、当接部215と、を有している。本体部211は、長尺で板状の形状を有している。端部225は、略円形の皿状であり、本体部211の長手方向の一方側に形成されている。端部225の底部の上面には、上面視で円弧状の突起部221が形成されている。
当接部215は、直方体状であり、回動軸213と直行する上下に延びる回転軸を中心に、本体部211に対して相対的に、回転可能に設けられている。当接部215は、他の部材と接触しない状態において、バネ部材(図示せず)により、先端部215aが操作レバー220側を向くように(図10参照)、姿勢が固定されている。
回動軸213は、打出部材210の本体部211の略中央部に位置している。回動軸213は、円柱形状であり、本体部211の長辺側の両側面から外方に向けてそれぞれ突出している。回動軸213は、ゲーム盤100の本体部110の底板111に設けられた軸受部112に回転可能に支持される。
打出部材210は、回動軸213を揺動中心として、ゲーム盤100の本体部110の底板111に対して上下に揺動可能に支持される。また、打出部材210は、一方の端部225が、ゲーム盤100の本体部110の底板111の隅角の近傍に位置するとともに、長尺状の打出部材210の本体部211がゲーム盤100の本体部110の長辺に沿うように配置される。
また、フィールド板120の隅穴157には、上面視で円弧状の貫通穴159が形成されており、フィールド板120が本体部110に取り付けられた状態において、打出部材210の突起部221が、貫通穴159から突出可能に配置されている。突起部221は、貫通穴159から突出可能なように、突起部221と貫通穴159との間に僅かな隙間が確保されている。
弾性部材203は、例えば、コイルバネで構成される。弾性部材203の一方の端部は、ゲーム盤100の本体部110の底板111に接続されて固定される。弾性部材203のもう一方の端部は、打出部材210の端部225の裏面に接続されて固定される。弾性部材203は、本体部110の底板111と、打出部材210の端部225との間に配置される。本例では、弾性部材の一例として、コイルバネを例に説明しているが、この例に限られない。弾性部材としては、弾性的に機能する部品であればよく、たとえば、板バネやゴム製のバネ等でも良い。
図3及び図10に示すように、複数本ある操作レバー130のうち、本体部110の長辺に最も近接した操作レバー220の棒状部132の先端に配置された人形載置台129は、押圧部170を有している。押圧部170は、直方体状の人形載置台129を構成する各面のうち打出部材210と対向する側面に設けられている。押圧部170は、人形載置台129の後面から前面に向かうにつれてゲーム盤100の本体部110の底板111に近づくように傾斜する傾斜面170aを有している。押圧部170は、側面視で直角三角形状であり、傾斜面170aは、直角と対向する斜辺に対応する。
<打出機構の動作>
図11は、打出機構の動作を説明するための模式図であり、(a)は、押圧部の傾斜面と打出部材の当接部とが接触し始めた時点の模式図であり、(b)は、打出部材の当接部が押圧部の傾斜面を上っている途中の時点の模式図であり、(c)は、打出部材の当接部が押圧部の傾斜面を乗り越えた直後の時点の模式図である。
図11(a)に示すように、ユーザが、操作レバー220を底板111の溝117に沿って前進(相手ゴール側を前にする。)させると、打出部材210の当接部215が、操作レバー220の押圧部170の傾斜面170aに低い位置で接触する。この時点では、貫通穴159からその一部が突出している突起部221は、貫通穴159が形成されている隅穴157の底面とともに、ボール500を支持している。
ユーザが、さらに操作レバー220を前進させると、図11(b)に示すように、打出部材210は回動軸213を中心に回動し、打出部材210の当接部215は、押圧部170の傾斜面170a上に当接しながら上方に押し上げられる。それに伴い、打出部材210の端部225は下方に向かって移動し、端部225と底板111との間に配置された弾性部材203が圧縮されていく。打出部材210の端部225が下方に向かって移動するに伴い、貫通穴159からその一部が突出している突起部221は、隅穴157の底面より下方に下降する。この際、突起部221はボール500から離れた状態となる。
ユーザが、操作レバー220をさらに前進させて、当接部215が傾斜面170aの上端を乗り越えるまで移動させると、図11(c)に示すように、弾性部材203は圧縮状態から解放されて、打出部材210は回動軸213を中心に回動し、弾性部材203と接続している端部225は貫通穴159に向かって上昇する。この端部225の上昇に伴って、端部225の突起部221は、弾性部材203の圧縮状態が解放されたことに起因して、貫通穴159から勢い良く突出することになる。その結果、隅穴157の底面に保持されていたボール500が、突出してきた突起部221により隅穴からゴールエリア部123の前方に向けて打ち出される。
ユーザが、操作レバー220を後退させて、押圧部170の後端面170bと当接部215とが接触したとき、当接部215は操作レバー220が後退する方向に回転する(図10のR1参照)。このため、ユーザは、当接部215が引っかかることなく、操作レバー220を手前に引き戻すことができる。押圧部170が当接部215の位置を通過すると、当接部215は、バネ部材(図示せず)により、先端部215aが操作レバー220側を向く姿勢に戻る。
上記構成によれば、操作レバー220の所定範囲(図11(a)中のD1)内の移動に伴って圧縮される弾性部材203の弾性力を利用して突起部221を上昇させることができる。これにより、操作レバー220を移動させる際のユーザの力加減とは関係なく、弾性部材203の弾性力によってボール500を打ち出すことができる。このため、ユーザにとっては、ボール500を打ち上げるための操作については力加減を意識する必要が無くなり、打ち上げられたボール500にタイミングを合わせる操作に集中し易くなる。また、操作レバー220の所定範囲の移動に伴って圧縮される弾性部材203の弾性力は、毎回一定の力となるため、穴から空中に打ち出されるボール500の軌道やスピードが予測し易くなり、シュートを打たせるプレーヤー人形160を移動させるタイミングを調整し易くなる。
このように、上記構成によれば、プレーヤー人形160を打ち上げられたボール500に当てる操作の難易度を低下させることが可能なゲーム盤を提供することができる。
また、上記構成によれば、揺動可能な打出部材210と操作レバー220とが、同一方向に沿って配置されているため、打出部材210と操作レバー220とを交差させて配置する場合と比較して、弾性部材203を圧縮させるための移動範囲(所定範囲)を長く取りやすくなる。このため、操作レバー220を移動させる操作に伴って、比較的に弱い力で徐々に弾性部材203を圧縮させることができ、弾性部材203を圧縮させる操作においてユーザの操作感に与える影響を小さくすることができる。
<オーバーヘッド用のプレーヤー人形>
図12(a)は、プレーヤー人形の斜視図であり、図12(b)は、プレーヤー人形の側面図であり、図12(c)は、プレーヤー人形の胴体部の一部を透視した状態で示した背面図である。
図12(a)〜(c)に示すように、オーバーヘッド用のプレーヤー人形300は、サッカー選手を模した外観を有しており、プレーヤー人形本体310と、支持部材320と、を有している。プレーヤー人形300の重心は、下方になるようにしている。
プレーヤー人形本体310は、顔311aを含む頭部311、両腕が形成されている胴体部313と、右脚部315と、左脚部317と、を有している。胴体部313は、腹部付近を横断する円形の貫通穴319を有している。右脚部315は、胴体部313から略垂直下方に延びており、その下端側に右足部316を有している。右足部316は、その内部に磁石601(第二磁石の一例)を有している。左脚部317は、胴体部313から前方斜め下方に向けて延びており、その下端側に左足部318を有している。
図13(a)は、プレーヤー人形の支持部材の側面図であり、図13(b)は、プレーヤー人形の支持部材の平面図である。図13(c)は、プレーヤー人形の支持部材の本体部の斜視図である。
図13(a)〜(c)に示すように、プレーヤー人形の支持部材320は、逆L字状の本体部350と、回転規制部360と、弾性部材370と、を有している。
支持部材320の本体部350は、第一軸部330と、第二軸部340と、を有している。
第一軸部330は、横方向に延びる棒状の軸棒部331と、軸棒部331の前端に形成され、軸棒部331より直径が大きい略扁平円柱状の先端部332と、軸棒部331の後端に形成され、軸棒部331より直径が大きい横向きの円柱状の後端部333と、を有している。
後端部333の円形の前面334の中心部位には、軸棒部331の後端が接続されている。後端部333の前面334には、段差部335が形成されている。後端部333の前面334は、前面334を正面(図13(c)の左斜め前方)から見て、段差部335の前端335aから後端335bに向けて、軸棒部331の円周方向に沿って反時計回りに進むにつれて、緩やかに後方に向けて傾斜する傾斜面となっている。
第二軸部340は、円柱形状の台座部341と、断面T字状の柱部342と、を有している。柱部342の上端は、後端部333の側面に接続されている。柱部342の下端は、台座部341の上端に接続されている。台座部341の底面には、立設ピン122を挿入可能な凹部(図示省略)が形成されている。
回転規制部360は、円柱部361と、円柱部361の前面に接続される略扁平直方体形状の係合部362と、円柱部361の後面に接続されて円柱部361より直径が大きい円柱状の後端部363と、を有している。係合部362は、プレーヤー人形本体310の胴体部313内に固定され(図12参照)、プレーヤー人形本体310を支持している。
回転規制部360の後端部363の後面は、本体部350の後端部333の前面334と互いに対向して当接可能に傾斜しており、段差部364が形成されている。
回転規制部360は、円柱部361と係合部362と後端部363のそれぞれの中心を貫通する円形の貫通穴を有している。その貫通穴を介して、回転規制部360は、本体部350の第一軸部330の軸棒部331に装着されている。
弾性部材370は、本体部350の第一軸部330の軸棒部331に装着されており、先端部332と係合部362との間に配置されている。弾性部材370の前端は、先端部332の後面に接触している。弾性部材370の後端は、係合部362の前面に接触している。
弾性部材370の弾性力により、回転規制部360の後端部363の後面は、本体部350の後端部333の前面334に押し付けられた状態となっている。この状態において、回転規制部360は、プレーヤー人形本体310とともに第一の円周方向D2に回転可能である。また、回転規制部360は、この状態において、段差部364が段差部335に当接することにより、第一の円周方向D2と反対方向には回転しない。このため、回転規制部360は、図12及び13の状態から、プレーヤー人形本体310がD2と反対方向には回転することを規制している。
このため、本例では、プレーヤー人形本体310は、プレーヤー人形本体310の顔311aが水平方向からフィールド板120の上方向を向く方向にのみ縦回転可能となっている。
また、図13(b)に示すように、段差部364と段差部335は、支持部材320を上方から見て、縦軸上の中心部分で面接触している。
このため、胴体部313内に係合部362が固定されたプレーヤー人形本体310が縦回転し始めると、段差部364が段差部335に当接した状態が解除されるが、縦回転後、弾性部材370の弾性力と、プレーヤー人形300の重心が下方にあることとにより、段差部364が段差部335に当接する状態に戻る。
<オーバーヘッドの動作>
図14は、プレーヤー人形にオーバーヘッドを行わせる際の一連の動作を説明する図であり、(a)は、プレーヤー人形が相手ゴールに向かって前進している様子を示す模式図であり、(b)は、プレーヤー人形が横回転をして相手ゴールに背中を向けた様子を示す模式図であり、(c)は、プレーヤー人形がオーバーヘッド動作を開始した様子を示す模式図である。
図14(a)に示すように、ユーザが、オーバーヘッド用のプレーヤー人形300が装着された人形載置台129を備える操作レバー130を前進させる。それにより、オーバーヘッド用のプレーヤー人形300は、対戦相手のゴール部材400に対して正面を向いたまま、フィールド板120上を前進していく。
図14(b)に示すように、ユーザは、さらに操作レバー130を前進させてプレーヤー人形300がフィールド板120の裏面に配置された磁石600に近づいたとき、操作レバー130の把持手部131を軸回転させる。この操作により、人形載置台129内のギアが回転し、ギアと連結している立設ピン122が回転する。立設ピン122の回転に伴い、プレーヤー人形300は、立設ピン122が固定された台座部341を含む第二軸部340を中心として、横回転する。これにより、プレーヤー人形300は、対戦相手のゴールに対して背中を向けた状態となる。また、プレーヤー人形300の右脚部315は、磁石600が配置された点を含む、貫通穴104に沿った線と略平行な線上に位置することとなる。
図14(c)に示すように、ユーザがプレーヤー人形300の背中を対戦相手のゴールに対して向けた状態にしつつ操作レバー130を前進させていくと、プレーヤー人形300の右脚部315の右足部316は、フィールド板120の裏面に設けられた磁石600の上方を通過する。このとき、右足部316の内部に配置された磁石601と、フィールド板120の裏面の磁石600との間に反発力が生じる。そのため、前記の反発力とユーザが操作レバー130を対戦相手のゴール側に前進させることによりプレーヤー人形300にかかる力により、プレーヤー人形300は、第一軸部330の軸棒部331を中心として縦回転し始める。
そして、回転後は、プレーヤー人形300は、図14(b)に示す位置に戻る。
なお、プレーヤー人形300の縦回転は、回転規制部360により規制されている。また、プレーヤー人形300が図14(a)に示すような正面を向いた状態では、プレーヤー人形300の右脚部315の右足部316は、フィールド板120の裏面に設けられた磁石600の上方を通過しない。さらに、プレーヤー人形300の重心は、下方になるようにしている。
このため、オーバーヘッド操作をしないときは、プレーヤー人形300の縦回転が防止される。
上記構成によれば、ボール500が空中に打ち出された際、ユーザは、オーバーヘッドキックを狙うプレーヤー人形300が取り付けられた操作レバー130を前進移動させることで、プレーヤー人形300を縦回転させることができる。これにより、ユーザは、空中のボール500に対してオーバーヘッドキックを試みることが可能である。
例えば、図15に示されたように、隅穴157に支持されたボール500が、打出機構201により、ゴールエリア部123付近に打ち出される。ユーザは、操作レバー130を前進させ、プレーヤー人形300を、打ち出されたボール500に向かってゴールエリア付近まで前進させる。このとき、打出機構201により打ち出されたボール500は、一定の軌道でゴールエリア部123付近・BR>ノ打ち出されるため、プレーヤー人形300の左足部318にボール500を接触させることが容易になる。そのため、オーバーヘッドキックによるシュートが実現しやすくなる。
また、上記構成によれば、打出機構201より、ボール500が空中に打ち出された際、ユーザは、オーバーヘッドキックを狙うプレーヤー人形300が取り付けられた操作レバー130を回転させて、プレーヤー人形300の背中を対戦相手のゴールに向けた状態にしつつ、その操作レバー130を前進移動させることで、プレーヤー人形300を縦回転させることができる。
また、上記構成によれば、プレーヤー人形300は、プレーヤー人形300の前方にあるボール500に対して横回転してボール500に足が正面から当たった場合、縦回転方向に回転することなく、その当たった足によりボール500を打ち出すことができる。
また、上記構成によれば、ユーザは、磁石600が配置された位置においてスムーズにプレーヤー人形300にオーバーヘッドキックの動作を開始させることが可能となり、ゲームの戦略性や嗜好性が向上する。
<ゴール部材>
図16(a)は、背面部を装着する前のゴール部材の正面図である。図16(b)は、背面部を装着したゴール部材の正面図である。図16に示すように、ゴール部材400は、ゴールポスト部410と、ゴールネット部420と、を有している。ゴールポスト部410は、上下に延びる棒状の左ポスト部411と、上下に延びる棒状の右ポスト部412と、左ポスト部の上端部と右ポスト部の上端部とをつなぐように横方向に延びる棒状のゴールバー部413と、を有している。ゴールネット部420は、左側面部421と、右側面部422と、上面部423と、背面部424と、を有している。
左側面部421は、縦長の長方形状であり、左ポスト部411の後面に設けられている。左側面部421の下面において、前端と後端のそれぞれに左脚部430が設けられている。右側面部422は、縦長の長方形状であり、右ポスト部412の後面に設けられている。右側面部422の下面において、前端と後端のそれぞれに右脚部431が設けられている。
上面部423は、横長の長方形状であり、ゴールバー部413の後面から延びている。上面部423の左端部432は、左側面部421の上端部433と接続されている。上面部423の右端部434は、右側面部422の上端部435と接続されている。
左側面部421と上面部423により構成される奥側の角部に左軸受部440が形成されている。右側面部422と上面部423により構成される奥側の角部に右軸受部441が形成されている。
背面部424は、横長の長方形状であり、回動軸部450を有する。回動軸部450は棒状であり、背面部424の長辺よりも長い。回動軸部450の左端部451は、背面部424の左側短辺よりも左側に突出している。回動軸部450の右端部452は、背面部424の右側短辺よりも右側に突出している。左端部451は、左軸受部440に回動可能に支持される。右端部452は、右軸受部441に回動可能に支持される。
左脚部430及び右脚部431は略直方体状である。左脚部430及び右脚部431は、ゴールエリア部123の四隅に形成される貫通穴124より僅かに小さく、貫通穴124にそれぞれ嵌合可能である。
ゴールエリア部123の貫通穴124に、各脚部を嵌合させることにより、ゴール部材400が設置された状態において、背面部424の後面と、凹部118の内壁面部のうち背面部424の後面と対向する内壁面部との間には隙間S1がある(図2参照)。
<ゴール部材の動作>
図17は、ボール500がゴールネットに当たった際の様子を示す模式図である。図17に示すように、シュートされたボール500が勢い良くゴール部材400内に飛び込んで背面部424の前面に衝突した際、背面部424は、回動軸部450を中心に、後方に向かって回動可能である。
図18は、ゴールエリア部123にあるボール500を取り出す際の様子を示す模式図である。図18に示すように、ユーザが、背面部424の後面をゴールエリア方向に手で押すと、背面部424は、回動軸部450を中心に、前方に向けて回動する。ゴールエリア部123にボール500がある場合、背面部424は、ゴールエリア部123にあるボール500と接触し、ボール500はフィールド上に押し出される。
上記構成によれば、ゴール部材400の内部にボール500が飛び込んできて、ボール500がゴールネット部420の背面部424の前面に衝突した場合、背面部424がゴール部材400の後方に回動可能である。背面部424の後方への回動動作により、背面部424の前面に当たったボール500は、ゴール部材400の前方に跳ね返りにくくなり、ゴール部材400が設置されたゴールエリア部123の内側に収まりやすくなる。
このように、上記構成によれば、ゴールが決まったことが分かりやすいゲーム盤を提供することができる。
また、上記構成によれば、ユーザは背面部424を前方へ回動させることにより、ゴールエリア部123に落ちているボール500をユーザの手で回収しやすくなる。
また、上記構成によれば、背面部424がゴール部材400の後方に回動するための隙間S1が確保されているため、背面部424の前面に当たったボール500は、さらに、ゴール部材400の前方に跳ね返りにくくなり、ゴール部材400が設置されたゴールエリア部123の内側に収まりやすくなる。
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様のゲーム盤を提供することができる。
第1の態様に係るゲーム盤は、フィールド板と、前記フィールド板の下方に配置される棒状の操作レバーと、前記操作レバーに取り付けられるとともに、前記フィールド板の上方に配置されて、前記フィールド板上を移動可能なプレーヤー人形と、を備え、前記プレーヤー人形は、前記操作レバーの軸方向の移動に伴って前記フィールド板上を移動可能であり、前記操作レバーを前進移動させることで、前記プレーヤー人形の第一軸部を中心として、縦回転可能である。
この構成によれば、ボールが空中に打ち出された際、ユーザは、オーバーヘッドキックを狙うプレーヤー人形が取り付けられた操作レバーを前進移動させることで、プレーヤー人形を縦回転させることができる。これにより、ユーザは、空中のボールに対してオーバーヘッドキックを試みることが可能なゲーム盤を提供することができる。
第2の態様に係るゲーム盤において、前記プレーヤー人形は、前記操作レバーの回転操作に伴って前記プレーヤー人形の第二軸部を中心として横回転可能であり、前記プレーヤー人形を横回転させて前記プレーヤー人形の背中を対戦相手のゴールに向けた状態にしつつ、前記操作レバーを前進移動させることで、前記プレーヤー人形の第一軸部を中心として、縦回転可能である。
この構成によれば、ボールが空中に打ち出された際、ユーザは、オーバーヘッドキックを狙うプレーヤー人形が取り付けられた操作レバーを回転させて、プレーヤー人形の背中を対戦相手のゴールに向けた状態にしつつ、その操作レバーを前進移動させることで、プレーヤー人形を縦回転させることができる。
第3の態様に係るゲーム盤において、前記プレーヤー人形は、プレーヤー人形の顔が水平方向からフィールド板の上方向を向く方向にのみ縦回転可能である。
この構成によれば、プレーヤー人形は、プレーヤー人形の前方にあるボールに対して横回転してボールに足が正面から当たった場合、縦回転方向に回転することなく、その当たった足によりボールを打ち出すことができる。
第4の態様に係るゲーム盤において、前記フィールド板には、長尺上の貫通穴が設けられており、前記貫通穴の側方における前記フィールド板の裏面には第一磁石が設けられており、前記プレーヤー人形は、前記貫通穴を介して前記操作レバーに取り付けられ、前記操作レバーの軸方向の移動に伴って前記フィールド板上を移動可能であるとともに、前記プレーヤー人形の第一脚部には第二磁石が設けられており、前記操作レバーを前進移動させるとき、前記第一磁石の上方を前記第二磁石が通過する際に前記第一磁石と前記第二磁石とが互いに反発して、前記プレーヤー人形が縦回転を開始する。
この構成によれば、第一磁石が配置された位置においてスムーズにプレーヤー人形にオーバーヘッドキックの動作を開始させることが可能となり、ゲームの戦略性や嗜好性が向上する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上述の実施形態では、サッカーゲームを模したゲーム盤を用いているが、ホッケー等の他のゲームを模したゲーム盤であってもよい。
上述の実施形態では、プレーヤー人形160としてサッカー選手を模した立体的な形状の人形を図示しているが、漫画のキャラクターや動物を模した模型であってもよく、また、平面的な形状であっても良い。
上述の実施形態では、ボール保持部の一例として、長尺状の溝部140を例に挙げたが、この例に限られない。例えば、ボール保持部は、短い溝が連続的に同一軸線上に点在するような構成であってもよく、円形の窪みが点在するような構成や、または貫通穴であっても良い。
上述の実施形態では、隅穴157はフィールド板120の二か所の隅にあるが、この例に限られない。フィールド板120上の様々な位置に、ボール打出機構用の穴を設けてもよい。
上述の実施形態では、磁石600と磁石601の反発力を利用して、プレーヤー人形300を縦回転させることにより、オーバーヘッドキックを模擬した動作を実現させているが、この例に限られない。例えば、フィールド板上において、プレーヤー人形300の右足部316と接触する位置に小さな突起部を設けてもよい。ユーザは、プレーヤー人形300が対戦相手のゴールに対して背中を向けた状態で、プレーヤー人形300を前進させ、前記の突起部にプレーヤー人形300の右足部316を接触させることで、プレーヤー人形300を縦回転させることができる。
上述の実施形態では、回動軸部450の左端部451と右端部452は、左軸受部440と右軸受部441にそれぞれ回動可能に支持されているが、この例に限られない。例えば、回動軸部をゴールネット部の背面部の両側面にそれぞれ設け、各回動軸部を、ゴールネット部の両側面部に設けられた軸受部で支持することにより、背面部が縦開きするようにしてもよい。また、左軸受部440と右軸受部441に亘って回転軸部を設け、背面部424に軸受部を設けて、回転軸部に軸受部を回転可能に支持してもよい。
<打出機構の変形例>
図19は、打出機構の変形例を示しており、(a)は変形例に係る打出機構の正面図であり、(b)は打出機構の正面図の拡大図である。
打出機構201Aは、打出機構201と比較して、円形の平板ダイヤル700を有している点、及び打出部材210Aの下端部703の左端部704が略直角に形成されている点で異なっている。平板ダイヤル700は所定の厚みがあり、平板ダイヤル700の側面は凹凸形状の連続面である。平板ダイヤル700の上面中央部には筒状部702が配置されている。筒状部702の上面は、円弧状に時計回りに傾斜している傾斜面705である。
左端部704は、傾斜面705の一部と当接している。ユーザが、平板ダイヤル700を上面視で反時計回り(R2)に回転させると、筒状部702も反時計回りに回転する。これに伴い、傾斜面705における左端部704と当接している箇所の高さは、徐々に高くなる。傾斜面705が高くなるにつれ、左端部704の位置は上方に向かう。このため、打出部材210Aのうち、回動軸213よりも左側に位置する部分は上昇するのに対し、打出部材210Aのうち、回動軸213よりも右側に位置する部分(突起部221)は下降し、突起部221が貫通穴159から突出する高さは、低くなる。
この構成態様によれば、ユーザは平板ダイヤル700を操作して、例えば、打出部材210Aのうち、回動軸213よりも右側に位置する部分を下降させることにより、打出機構201Aの動作開始前における弾性部材203の待機姿勢をより縮まった状態にし、かつ突起部221が貫通穴159から突出する高さを低くした状態にしておくことができる。このようにして、ユーザは、打出機構201Aの動作開始前における弾性部材203の縮み幅と突起部221が貫通穴159から突出する高さを調整することができ、打出機構201Aによるボール500の飛距離を調整することができる。
<ゲーム盤の変形例>
図20は、変形例に係るゲーム盤100Aの平面図である。ゲーム盤100Aは、磁石600が設けられていない一方で、二つの隅穴157Aと、それぞれ隅穴157Aの近傍であって、フィールド板120の裏面に配置されている二つの打出機構(不図示)と、第一穴190と、第二穴191と、可動部材800と、が設けられている点でゲーム盤100と異なる。また、操作レバー220Aが追加されている点でゲーム盤100と異なる。さらに、変形例に係るプレーヤー人形300Aの右足部316は、その内部に磁石601を有していない一方で、右足部316の両端に当接部301(図25参照)が設けられている点でプレーヤー人形300と異なる。当接部301は、略直方体形状である。当接部301の前後方向の辺の長さは、当接部301の上下方向の辺の長さ及び当接部301の左右方向の辺の長さよりも長い。
隅穴157Aは、隅穴157と同様の構成であるので説明を省略する。隅穴157Aは、各ユーザから見て右側に位置するそれぞれの隅と、各ユーザから見て右側のゴールポスト部410と、の中間位置付近にそれぞれ配置されている。二つの隅穴157Aは、対角線上に配置されている。隅穴157Aからフィールド板120の短辺の中心までの距離d1は、隅穴157からフィールド板120の短辺の中心までの距離d2よりも短い。
操作レバー220Aの各々は、操作レバー220を操作する各ユーザから見て最も左側に位置する操作レバーである。
フィールド板120には、二つの第一穴190が設けられている。第一穴190は、フィールド板120の2つの長辺の中央を通る直線L2と、フィールド板120の短辺との中間位置付近にそれぞれ配置されている。
各第一穴190の近傍であって、各第一穴190から近い方のゴール部材400が位置する方向には、第二穴191がそれぞれ設けられている。
図21(a)〜(c)は、ゲーム盤100Aに設けられた可動部材800を示す図である。図21(a)〜(c)に示されるように、可動部材800は、本体部801と、棒状部802と、第一軸部803と、第二軸部804と、を備える。本体部801は板状である。本体部801の後端は半円弧状である。本体部801の前端は、本体部801の後端の半円よりも大きい円の円弧状である。本体部801は、突出部810と、非突出部811と、を含む。突出部810は、本体部801の前側上部を含む部分である。突出部810は、フィールド板120上に突出可能である。
棒状部802は、略直方体である。棒状部802は、本体部801と連続している。棒状部802の下端は円弧状である。
第一軸部803は、本体部801の左右面から左右方向に延びている。第一軸部803は、棒状である。第一軸部803の底面のうち、本体部801に面していない底面の一部は傾斜している。
第二軸部804は、本体部801の右側面から左右方向に延びている。第二軸部804は、棒状である。第二軸部804の左右方向の長さl2は、第一軸部803の左右方向の長さl1よりも長い。
ゲーム盤100Aは、弾性部材20を備えている。弾性部材20は、金属線が曲げられて形成されたものである。弾性部材20は、例えばトーションばねである。弾性部材20は、第一軸部803と第二軸部804に巻き付いている。
図22(a)は、可動部材800付近のフィールド板120の表側面を示す図である。図22(b)は、可動部材800付近のフィールド板120の裏側面を示す図である。図22(b)に示されるように、フィールド板120の裏面には、軸受部1201と、弾性部材支持部1202と、が設けられている。なお、フィールド板120の裏面には、二つの軸受部1201と一つの弾性部材支持部1202との組が二組設けられている。軸受部1201は、各第一穴190の左右近傍にそれぞれ配置されている。弾性部材支持部1202は、各第一穴190の前方に配置されている。可動部材800の第一軸部803の各々は、軸受部1201によって軸支されている。図22(a)に示されるように、可動部材800の突出部810は、可動部材800がフィールド板120に取り付けられた状態において、第一穴190から突出可能に配置されている。突出部810と第一穴190との間には、突出部810が第一穴190から突出可能なように、僅かな隙間が確保されている。
図22(b)に示されるように、弾性部材20は、可動部材800の本体部801の右側面から延びる第一軸部803と、第二軸部804と、弾性部材支持部1202によって支持されている。弾性部材20の前端は弾性部材支持部1202によって保持されている。弾性部材20の後端は第二軸部804によって保持されている。可動部材800の棒状部802は、弾性部材20によって保持されている。棒状部802に前方向に向かう力が加わると、棒状部802は前方向に回転し始め、弾性部材20は弾性変形する。一方、棒状部802に前方向に向かう力が加わらないとき、棒状部802には、弾性部材20の弾性力により、後方向に向かう力が加わる。このとき、棒状部802は、第一軸部803を中心にして後方向に回転する。棒状部802に前方向に向かう力が加わらないとき、可動部材800の突出部810は、図23(a)に示されるように、フィールド板120の板面から上方に突出しない。つまり、突出部810の最上部は、フィールド板120の板面と略同じ高さの位置にある。このときの可動部材800の位置を、本明細書では、第一位置と定義する。通常時において、可動部材800は、弾性部材20によって第一位置に保持されている。一方で、可動部材800の棒状部802に前方向に向かう力が加わると、棒状部802は、第一軸部803を中心にして前方向に回転する。この場合、図23(b)に示されるように、可動部材800の突出部810は、フィールド板120の板面から上方に突出する。なお、このときの可動部材800の位置を、本明細書では、第二位置と定義する。
図24は、プレーヤー人形300Aが取り付けられた操作レバー130の斜視図である。操作レバー130に連結されている人形載置台129Aは、接触部30を備えている点で、人形載置台129と異なる。なお、図24に示されるように、操作レバー130は、第一ギア222を備えている。人形載置台129Aは、第二ギア40を備えている。
接触部30は、板状部材である。接触部30の一端は半円弧状であり、接触部30の他端は、当該接触部30の一端の半円よりも大きい円の円弧状である(図25(a)〜(b)参照)。図24に示された状態において、接触部30は、第二ギア40の上面から、操作レバー130の軸に対して直交する方向に延びている。また、図24に示された状態において、ユーザが操作レバー130を前方に移動させると、接触部30は、可動部材800の棒状部802に接触することができる。
第一ギア222は、操作レバー130の棒状部132の前端に設けられている。第一ギア222は、複数の歯車形状の襞223を有している。
第二ギア40の中央部分には、立設ピン122を挿入可能な連結穴41が設けられている。第二ギア40は、連結穴41を介して、立設ピン122と連結している。第二ギア40は、複数の歯車形状の襞42を有している。
第一ギア222の襞223は、第二ギア40の襞42と噛合している。このため、ユーザが、プレーヤー人形300Aを備えた操作レバー130の把持手部131(図20参照)を軸回転させると、第一ギア222と第二ギア40が回転する。その結果、第二ギア40に連結されている立設ピン122が回転する。
図25(a)は、プレーヤー人形300Aが相手ゴールに向かって前進しているときのプレーヤー人形300Aと人形載置台129Aに備わる接触部30の様子を示す図である。図25(b)は、プレーヤー人形300Aが相手ゴールに背中を向けているときのプレーヤー人形300Aと人形載置台129Aに備わる接触部30の様子を示す図である。
図25(a)に示されるように、プレーヤー人形300Aが相手ゴールに向かって前進しているとき、プレーヤー人形300Aは、相手ゴールがある方向を向いている。このとき、接触部30は、操作レバー130を操作するユーザから見て、操作レバー130に対して左方向の位置にある。
ここで、ユーザが、プレーヤー人形300Aを備えた操作レバー130の把持手部131を軸回転させると、プレーヤー人形300Aは、相手ゴールに対して背中を向ける。図25(b)に示されるように、プレーヤー人形300Aが相手ゴールに背中を向けているとき、プレーヤー人形300Aは、相手ゴールがある方向とは反対の方向を向いている。このとき、接触部30は、ユーザが操作レバー130の把持手部131を軸回転させたことに伴い、操作レバー130の動きに連動して、立設ピン122を中心に回転する。このため、接触部30は、操作レバー130を操作するユーザから見て、操作レバー130に対して右方向の位置にある。
図26(a)〜(c)は、プレーヤー人形300Aにオーバーヘッドを行わせる際の一連の動作を説明する図である。図26(a)は、プレーヤー人形300Aが相手ゴールに向かって前進している様子を示す模式図である。図26(b)は、プレーヤー人形300Aが横回転をして相手ゴールに背中を向けた様子を示す模式図である。図26(c)は、プレーヤー人形300Aがオーバーヘッド動作を開始した様子を示す模式図である。
図26(a)に示すように、ユーザが、オーバーヘッド用のプレーヤー人形300Aが装着された人形載置台129Aを備える操作レバー130を前進させる。それにより、オーバーヘッド用のプレーヤー人形300Aは、対戦相手のゴール部材400に対して正面を向いたまま、フィールド板120上を前進していく。図26(a)に示された状態において、接触部30は、可動部材800の棒状部802に接触していない。また、可動部材800の突出部810の最上部は、フィールド板120の板面と略同じ高さの位置にある。
図26(b)に示すように、ユーザは、さらに操作レバー130を前進させてプレーヤー人形300Aが可動部材800に近づいたとき、操作レバー130の把持手部131を軸回転させる。この操作により、第一ギア222が回転し、第一ギア222と噛合している第二ギア40が回転する。第二ギア40が回転すると、立設ピン122が回転する。立設ピン122の回転に伴い、プレーヤー人形300Aは、立設ピン122が固定された台座部341を含む第二軸部340を中心として、横回転する。これにより、プレーヤー人形300Aは、対戦相手のゴールに対して背中を向けた状態となる。また、プレーヤー人形300Aの右脚部315は、可動部材800が配置された部分を含む、貫通穴104に沿った線と略平行な線上に位置することとなる。図26(b)に示された状態において、接触部30は、可動部材800の棒状部802に接触し始める。このとき、可動部材800の棒状部802には、接触部30によって前方向の力が加わる。可動部材800の第一軸部803は、軸受部1201によって軸支されているため、可動部材800は回転し始める。その結果、可動部材800の突出部810は、フィールド板120上に突出し始める。しかし、プレーヤー人形300Aの右脚部315の右足部316に設けられた当接部301は、突出部810に接触していない。
図26(c)に示すように、ユーザがプレーヤー人形300Aの背中を対戦相手のゴールに対して向けた状態にしつつ操作レバー130を前進させていくと、可動部材800の棒状部802は、接触部30によって前方向に押されるため、可動部材800はさらに回転する。その結果、可動部材800の突出部810は、フィールド板120上に突出する。また、プレーヤー人形300Aの右脚部315の右足部316に設けられた当接部301は、可動部材800の突出部810に接触する。その結果、プレーヤー人形300Aは、前方上方向に移動する。プレーヤー人形300Aは、第一軸部330により軸支されているので、ユーザが操作レバー130を対戦相手のゴール側に前進させると、プレーヤー人形300Aは、第一軸部330の軸棒部331を中心として縦回転し始める。そして、回転後は、プレーヤー人形300は、図26(b)に示す位置に戻る。
上記構成によれば、可動部材800が第一位置にあるとき、突出部810の最上部は、フィールド板120の板面と略同じ高さの位置にある。このため、ボール500が突出部810に当たり、ユーザの意図せぬ方向にボール500が転がってしまうことを防ぐことができる。
一方、可動部材800が第二位置にあるとき、フィールド板120の板面より上方に突出している突出部810がプレーヤー人形300Aと接触することで、プレーヤー人形300Aの縦回転が開始されて、プレーヤー人形300Aにオーバーヘッドキックを模擬した動作が行われる。
このように、ユーザは、遊びやすさを損なうことなく、プレーヤー人形300Aにオーバーヘッドキックを模擬した動作を行わせることができる。
また、上記構成によれば、プレーヤー人形300Aが、相手ゴールがある方向を向いているとき、可動部材800は第一位置にある。ユーザが操作レバー130の把持手部131を軸回転させると、プレーヤー人形300Aは、対戦相手のゴールに対して背中を向けた状態となる。その後、ユーザが操作レバー130を前進移動させると、接触部30が可動部材800に接触し、可動部材800は第一位置から第二位置に移動する。可動部材800が第二位置にあるとき、突出部810はフィールド板120の板面より上方に突出しているので、プレーヤー人形300Aが突出部810に接触することで、プレーヤー人形300Aの縦回転が開始される。
このように、ユーザは、打ち上げられたボール500に対してタイミングを合わせるように操作レバー130を前進移動させることで、プレーヤー人形300Aにオーバーヘッドキックを模擬した動作が行わせるための一連の動作をスムーズに行うことができる。
また、上記構成によれば、プレーヤー人形300Aが、相手ゴールがある方向を向いているとき、可動部材800は第一位置にある。プレーヤー人形300Aが、相手ゴールがある方向を向いている状態で、ユーザが操作レバー130を前進移動させた場合、接触部30は可動部材800に接触しないので、プレーヤー人形300Aは突出部810に接触しない。
このように、ユーザが、プレーヤー人形300Aにオーバーヘッドキックを模擬した動作を行わせる意思がないとき、ユーザは、プレーヤー人形300Aが、相手ゴールがある方向を向いている状態で、操作レバー130を前進移動させることができる。
また、上記構成によれば、プレーヤー人形300Aの右足部316には、突出部810と当接可能な当接部301が設けられている。このため、プレーヤー人形300Aの右足部316と突出部810とが当接しやすくなり、プレーヤー人形300Aを縦回転させやすくなる。
また、上記構成によれば、回転可能な可動部材800は、弾性部材20によって第一位置に配置されるように付勢されている。このため、不意に突出部810がフィールド板120上に突出してしまうことを抑制することができる。
また、上記構成によれば、ユーザは、第二穴191を、オーバーヘッドキックの動作が行われる場所の目印にして、打ち上げられたボール500に対してタイミングを合わせるように操作レバー130を操作することができる。
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様のゲーム盤を提供することができる。
第1の態様に係るゲーム盤は、フィールド板と、前記フィールド板の下方に配置される棒状の操作レバーと、前記操作レバーに取り付けられるとともに、前記フィールド板の上方に配置されて、前記フィールド板上を移動可能なプレーヤー人形と、突出部を有するとともに、前記突出部が前記フィールド板の板面から上方に突出しない第一位置と、前記突出部が前記フィールド板の板面より上方に突出する第二位置との間を移動可能な可動部材と、を備え、前記可動部材が前記第二位置に移動して、前記突出部が前記フィールド板の板面より上方に突出しているときに、当該突出部が前記プレーヤー人形と接触することで、前記プレーヤー人形の縦回転が開始される。
この構成によれば、可動部材が第一位置に配置されているときは、突出部がフィールド板の板面から突出しない。このため、ボールが転がる方向が突出部によって大きく変化することはなく、遊技者の意図せぬ方向にボールが転がって遊びやすさが損なわれることが抑制される。
また、可動部材が第二位置に配置されているときは、フィールド板の板面より上方に突出している突出部がプレーヤー人形と接触することで、プレーヤー人形の縦回転が開始されて、プレーヤー人形にオーバーヘッドキックを模擬した動作が行われる。
このように、上記構成によれば、遊びやすさを損なうことなく、プレーヤー人形にオーバーヘッドキックを模擬した動作を行わせることが可能なゲーム盤を提供することができる。
第2の態様に係るゲーム盤は、前記操作レバーは、前記可動部材と接触可能な接触部を有しており、前記操作レバーが前記操作レバーの軸方向に沿って前進移動することに伴って前記接触部が前記可動部材と接触し、前記可動部材が前記第一位置から前記第二位置に移動される。
この構成によれば、遊技者が操作レバーを前進移動させることによって、可動部材が第一位置から第二位置に移動し、突出部がフィールド板の板面より上方に突出してプレーヤー人形の縦回転が開始される。
このように、上記構成によれば、遊技者は、打ち上げられたボールに対してタイミングを合わせるように操作レバーを前進移動させることで、プレーヤー人形にオーバーヘッドキックを模擬した動作が行わせるための一連の動作をスムーズに行うことができる。
第3の態様に係るゲーム盤は、前記プレーヤー人形の足部には、前記突出部と当接可能な当接部が設けられている。
この構成によれば、プレーヤー人形の足部には、突出部と当接可能な当接部が設けられている。このため、プレーヤー人形の足部と突出部とが当接しやすくなり、プレーヤー人形を縦回転させやすくなる。
第4の態様に係るゲーム盤は、前記可動部材は、前記フィールド板の下面に回転可能に軸支されており、前記ゲーム盤に備わる弾性部材によって前記可動部材が前記第一位置に配置されるように付勢されている。
この構成によれば、回転可能な可動部材が弾性部材によって第一位置に配置されるように付勢されている。このため、不意に突出部がフィールド板上に突出してしまうことを抑制することができる。
第5の態様に係るゲーム盤は、前記フィールド板上において、前記突出部が前記フィールド板の板面より上方に突出するための第一穴と、前記第一穴とは異なる第二穴が設けられ、前記第二穴は前記第一穴の近傍に設けられている。
この構成によれば、遊技者は、第二穴を、オーバーヘッドキックの動作が行われる場所の目印として把握することができ、打ち上げられたボールに対してタイミングを合わせるように操作レバーを操作することができる。
上述の実施形態では、ユーザがプレーヤー人形300Aを備えた操作レバー130を前進させることで、可動部材800の突出部810がフィールド板120上に突出させる例を用いて説明したがこれに限られない。例えば、ゲーム盤100Aは、可動部材800を動かすための可動機構と、当該可動機構を動かすための操作ボタンを備えていてもよい。当該操作ボタンは、例えば、ゲーム盤100Aの本体部110の側面に設けられ得る。
上述の実施形態では、プレーヤー人形300Aの右足部316の両端に当接部301が設けられている例を用いて説明したがこの例に限られない。当接部301は、プレーヤー人形300Aの右足部316のどちらか一端にのみ設けられていてもよい。