JP6913037B2 - 二重管高圧噴射攪拌装置および二重管高圧噴射攪拌工法 - Google Patents

二重管高圧噴射攪拌装置および二重管高圧噴射攪拌工法 Download PDF

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Description

本発明は、二重管高圧噴射攪拌装置および二重管高圧噴射攪拌工法に関する。
軟弱地盤等を高強度に改良するための地盤改良工法として、高圧噴射攪拌工法が知られている。高圧噴射攪拌工法は、一連の工程のなかに貫入工程と造成工程を含む工法である。貫入工程は、地盤にロッドを貫入する工程であり、造成工程の前に行われる。造成工程は、地盤に貫入したロッドの側面から固化材スラリーを噴射することにより、円柱状の地盤改良体を造成する工程である。
貫入工程では、地盤にロッドを貫入するにあって、地盤を削孔するための水(以下、「削孔水」という。)をロッドの下端から吐出する。一方、造成工程では、削孔水の供給を停止して、ロッドの側面から固化材スラリーを噴射する。高圧噴射攪拌工法のなかには、ロッドの側面から固化材スラリーと同時に圧縮空気を噴射する方式もある。
高圧噴射攪拌工法における削孔水の吐出および停止の切替方法として、たとえば特許文献1には、弁座とボールとによって構成された切替バルブを用いた方法が記載されている。具体的には、貫入工程では、ロッド内にボールを投入せずに、弁座を通る流路を通して削孔水を吐出孔に送る。その後、造成工程では、固化材スラリーとしてのセメントミルクを噴射するにあたって、ボールを投入することによって流路を封止し、セメントミルクを噴射ノズルに送る。
一方、特許文献2には、削孔水の吐出および停止の切替方法として、以下の方法が記載されている。まず、貫入工程では、ロッド内に止水ボールを投入せずに削孔水噴射ノズルを開孔し、削孔水噴射ノズルから削孔水を噴射するとともに、固化材液噴射ノズル内にモニタ用プラグを取り付けて、固化材液噴射ノズルをモニター用プラグで塞いでおく。その後、造成工程では、ロッド内に止水ボールを投入することによって削孔水噴射ノズルを閉孔するとともに、固化材液の噴射圧力によってモニタ用プラグを固化材液噴射ノズルの外に押し出すことにより、固化材液噴射ノズルから固化材液を噴射させる。
なお、上記特許文献1に記載のボールと、上記特許文献2に記載の止水ボールは、通常、スチール製であるため、以降の説明では、それらを「スチールボール」と総称する。
特開2003−286717号公報 特開2010−275797号公報
上記特許文献1、2に記載された技術では、ロッド内に投入したスチールボールで削孔水の吐出孔を塞ぐことにより、削孔水の吐出を停止する仕組みになっている。このため、1つの地盤改良体を造成した後、次の地盤改良体の造成作業に着手する場合は、削孔水の吐出を再開するために、スチールボールをロッドの外に取り出す必要がある。スチールボールを取り出すには、ロッドの下端部からモニタ部を取り外してからスチールボールを回収しなければならず、作業に時間がかかる。また、回収したスチールボールは転がりやすいため、取り扱いが面倒なうえに紛失しやすいなどの問題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、地盤改良体の造成作業のたびに回収が必要となるスチールボールを使用しなくても、削孔水の吐出孔の開閉状態を切り換えることができる二重管高圧噴射攪拌装置および二重管高圧噴射攪拌工法を提供することにある。
本発明は、二重管構造のロッドを備え、前記ロッドの下端から削孔水を吐出させながら前記ロッドを地盤に貫入する貫入工程と、前記地盤に貫入した前記ロッドの側面から圧縮空気と固化材スラリーを噴射させて地盤改良体を造成する造成工程と、を含む高圧噴射攪拌工法に用いられる、二重管高圧噴射攪拌装置であって、
前記ロッドは、前記削孔水および前記圧縮空気を流すための第1流路と、前記固化材スラリーを流すための第2流路と、前記ロッドの下端部に設けられたモニタ部と、を備え、
前記モニタ部は、前記モニタ部の下端に設けられ、前記第1流路を通して供給される前記削孔水を下方に吐出させる吐出孔と、前記モニタ部の側面に設けられ、前記第1流路を通して供給される前記圧縮空気と前記第2流路を通して供給される前記固化材スラリーを噴射させるノズル部と、前記モニタ部の下端に上下方向に移動可能に設けられ、前記吐出孔の開閉状態を切り換える切換弁と、を備え、
前記切換弁は、前記ロッドを前記地盤に貫入する際に土圧を受ける第1受圧部と、前記第1流路を通して供給される前記圧縮空気の圧力を受ける第2受圧部と、を備え、前記第1受圧部で前記土圧を受けたときは前記切換弁が上方に移動することによって前記吐出孔を開孔し、前記第2受圧部で前記圧縮空気の圧力を受けたときは前記切換弁が下方に移動することによって前記吐出孔を閉孔するように構成されている。
また、本発明は、削孔水および圧縮空気を流すための第1流路と、固化材スラリーを流すための第2流路と、ロッド下端部に設けられたモニタ部と、を備える二重管構造のロッドを使用し、前記ロッドの下端から前記削孔水を吐出させながら前記ロッドを地盤に貫入する貫入工程と、前記地盤に貫入した前記ロッドの側面から前記圧縮空気と前記固化材スラリーを噴射させて地盤改良体を造成する造成工程と、を含む高圧噴射攪拌工法であって、
前記モニタ部に、前記削孔水を吐出させるための吐出孔と、上下方向の移動によって前記吐出孔の開閉状態を切り換える切換弁とを設けておき、
前記貫入工程では、前記ロッドの貫入に伴う土圧によって前記切換弁を上方に移動させることにより前記吐出孔を開孔するとともに、前記第1流路に前記削孔水を供給して前記吐出孔から前記削孔水を吐出させ、
前記造成工程では、前記削孔水の供給を停止して前記第1流路に前記圧縮空気を供給するとともに、前記第2流路に前記固化材スラリーを供給し、前記圧縮空気の圧力で前記切換弁を下方に移動させることにより前記吐出孔を閉孔するとともに、前記圧縮空気と前記固化材スラリーを前記ロッドの側面から噴射させる。
本発明によれば、地盤改良体の造成作業のたびに回収が必要となるスチールボールを使用しなくても、削孔水の吐出孔の開閉状態を切り換えることができる。
本発明の実施形態に係るロッドの構成例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るモニタ部の構成を示す概略断面図である。 図2のIII−III位置の断面図である。 図2に示すモニタ部をB方向から見た概略断面図である。 本発明の実施形態に係る切換弁の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る切換弁の第1変形例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る切換弁の第2変形例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る切換弁の第3変形例を説明する図である。 貫入工程における切換弁の動作を示す概略断面図である。 造成工程における切換弁の動作を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態においては、地盤改良のために地盤に貫入されるロッドとして、二重管構造のロッドを使用する。二重管構造のロッドを使用する技術的な意義は以下のとおりである。
地盤改良工法の一つである高圧噴射攪拌工法では、改良対象域の地盤にロッドを貫入する必要がある。高圧噴射攪拌工法で使用されるロッドには、単管構造、二重管構造、三重管構造などがある。単管構造のロッドには1つの流路が存在し、二重管構造のロッドには同心円状に2つの流路が存在し、三重管構造のロッドには同心円状に3つの流路が存在する。
高圧噴射攪拌工法においては、たとえば、削孔水、圧縮空気および固化材スラリーといった3つの異なる流体をロッド内に供給する場合がある。その場合、三重管構造のロッドを使用すれば、各々の流体を3つの流路に分けて流すことができる。ただし、三重管構造のロッドは、二重管構造のロッドに比べて、外径が大きい、重量が重い、経済性に劣るなどの難点がある。
そこで、本発明の実施形態においては、3つの異なる流体を二重管構造のロッドを使用して流す方式を採用することにより、上記の難点を解消することとした。具体的には、二重管構造のロッドが有する2つの流路のうち、第1流路を削孔水と圧縮空気の兼用(共用)流路とし、第2流路を固化材スラリーの専用流路とすることにより、ロッドの小型化、軽量化、経済性の改善を実現している。
本明細書においては、二重管構造のロッドを備える高圧噴射攪拌装置を「二重管高圧噴射攪拌装置」と定義し、二重管構造のロッドを使用する高圧噴射攪拌工法を「二重管高圧噴射攪拌工法」と定義する。また、各部の相対的な位置関係を説明するにあたって、地盤にロッドを貫入するときのロッドの姿勢、すなわちロッドを垂直に立てた姿勢を基準に、ロッドの中心軸と平行な方向を「上下方向」、ロッドの直径方向を「径方向」、ロッドの中心軸に直交する方向を「水平方向」と定義する。
<二重管高圧噴射攪拌装置>
本発明の実施形態に係る二重管高圧噴射攪拌装置は、たとえば図1に示すような二重管構造のロッド(以下、単に「ロッド」ともいう。)10を備える。二重管高圧噴射攪拌装置の構成要素としては、ロッド10の他にも、たとえば、流体供給用のホース、ポンプなどを挙げることができる。なお、図1は、ロッド10の構造を概略的かつ模式的に示すもので、実際の施工現場で使用するロッドの構造を正確に示すものではない。
(ロッドの構成)
図1は本発明の実施形態に係るロッドの構成例を示す概略図である。図1ではロッドの一部を断面で示している。
ロッド10は、ロッド本体11と、モニタ部12とを備えている。ロッド10の内部には、第1流路13と第2流路14が同心円状に形成されている。ロッド本体11は、外管11aと内管11bを有する二重管構造になっている。
ロッド10の径方向において、第1流路13はロッド10の外周側に形成され、第2流路14はロッド10の中心側に形成されている。第1流路13は、ロッド本体11の内部で外管11aと内管11bの間に形成され、第2流路14は内管11bの内側に形成されている。なお、ロッド10の仕様によっては、第1流路13がロッド10の中心側、第2流路14がロッド10の外周側に形成される場合もある。また、ロッド10の長さ方向(図1の上下方向)の途中で、第1流路13と第2流路14の位置関係が反転する場合もある。
モニタ部12は、ロッド10の下端部に設けられている。モニタ部12は、ロッド本体11に対して着脱可能に取り付けられている。
ロッド10の上端部にはスイベル15が取り付けられている。スイベル15には、流体供給用のホース16,17が接続されている。ホース16は削孔水と圧縮空気を供給するためのもので、ホース17は固化材スラリーを供給するためのものである。ホース16はスイベル15を介して第1流路13につながっており、ホース17はスイベル15を介して第2流路14につながっている。このため、削孔水と圧縮空気は、ホース16およびスイベル15を通して第1流路13に供給され、固化材スラリーは、ホース17およびスイベル15を通して第2流路14に供給される。
第1流路13は削孔水と圧縮空気の兼用流路であるが、第1流路13に供給する流体を削孔水とするか圧縮空気とするかは、流体の供給源側で、たとえば弁やポンプ等の駆動により切り替え可能となっている。この切り替え機能によって、後述する貫入工程では第1流路13に削孔水が供給され、造成工程では圧縮空気が供給される。
(モニタ部の構成)
図2は本発明の実施形態に係るモニタ部の構成を示す概略断面図である。また、図3は図2のIII−III位置の断面図であり、図4は図2に示すモニタ部をB方向から見た概略断面図である。
モニタ部12は、モニタ本体21と、弁取付部22とを有する。モニタ本体21の上端部はロッド本体11の下端に接続される。モニタ本体21の上端側は、ロッド本体11と同様に、第1流路13と第2流路14を有する二重管構造になっている。モニタ本体21の側面には、ノズル部23が設けられている。ノズル部23は、1つのモニタ部12に2つ設けられている。各々のノズル部23は、それぞれ同心円状の二重ノズルになっている。具体的には、同心円状の中心側が固化材スラリー用のノズル(以下、「スラリーノズル」ともいう)で、外周側が圧縮空気用のノズル(以下、「エアーノズル」ともいう)になっている。エアーノズルは、スラリーノズルを囲むように円環状に形成されている。エアーノズルは第1流路13に連通し、スラリーノズルは第2流路14に連通している。「連通」とは、流体が流通できるように連なっていることを意味する。
モニタ部12の下端側は、第1流路13を形成する空洞になっている。弁取付部22は、モニタ本体21の下端部に着脱可能に取り付けられている。モニタ本体21に弁取付部22を取り付けるための構造としては、たとえば、雄ネジと雌ネジによるネジ連結構造を適用することができる。
弁取付部22には吐出孔24が設けられている。吐出孔24は、第1流路13を通して供給される削孔水をロッド10の下端から下方に吐出させるための孔である。吐出孔24の断面形状は円形になっている。ここで記述する吐出孔24の断面形状とは、ロッド10の中心軸に直交する方向に吐出孔24を断面した場合の形状をいう。吐出孔24は、モニタ部12の中心軸上において、モニタ部12内の底面25とモニタ部12の下端面26との間を貫通するように形成されている。モニタ部12内の底面25は、弁取付部22の上面側に形成され、モニタ部12の下端面26は、弁取付部22の下面側に形成されている。このため、モニタ部12の下端面26は、モニタ部12内の底面25よりも下方に位置している。また、吐出孔24の上端は、モニタ部12内の底面25で上向きに開孔し、吐出孔24の下端は、モニタ部12の下端面26で下向きに開孔している。
モニタ部12の下端には切換弁31が設けられている。切換弁31は、上下方向(モニタ部12の中心軸方向)に移動可能に設けられている。なお、ロッド本体11とモニタ本体21は、互いに同軸上に連結されることから、ロッド10の中心軸方向とモニタ部12の中心軸方向とは実質的に同じ方向となる。切換弁31は、上下方向への移動によって吐出孔24の開閉状態を切り換えるものである。具体的には、切換弁31は、上方への移動によって吐出孔24を開孔し、下方への移動によって吐出孔24を閉孔する。この切り換え機能により、切換弁31は、第1流路13に供給される削孔水と圧縮空気の流れを切り換える。すなわち、吐出孔24を開孔した状態では、第1流路13に供給される削孔水を、吐出孔24を通してロッド10の下端から吐出させ、吐出孔24を閉孔した状態では、第1流路13に供給される圧縮空気をノズル部23から噴射させる。
(切換弁の構成)
図5は本発明の実施形態に係る切換弁の構成を示す斜視図である。
切換弁31は、弁先端部32と、胴部33と、弁頭頂部34とを備えている。切換弁31は、上述のように弁取付部22に形成された吐出孔24を利用して、モニタ部12の下端に取り付けられている。切換弁31は、上下方向において、少なくとも2つに分割可能な構造になっている。本実施形態においては、一例として、胴部33と弁頭頂部34は一体構造になっているが、弁先端部32は、胴部33の端部にネジ連結構造等によって着脱可能になっている。このように切換弁31を分割可能な構造とする理由は、弁取付部22の吐出孔24に胴部33を挿入して切換弁31を取り付けるためである。
(弁先端部)
弁先端部32は、円錐面32aと円環面32bを有する円錐形に形成されている。弁先端部32は、モニタ部12の下端面26よりも下方に突出して配置されている。また、弁先端部32は、先鋭部が下向きとなる逆さ円錐形に配置されている。弁先端部32の円錐面32aは、ロッド10を地盤に貫入する際に土圧を受ける第1受圧部に相当する。「受圧部」とは、圧力を受ける部分をいう。弁先端部32の円錐面32aには、ロッド10を地盤に貫入するときの貫入抵抗が土圧となって加わる。このため、ロッド10の貫入時は、弁先端部32の円錐面32aに加わる土圧に押されて切換弁31が上方に移動する。
弁先端部32の円環面32bは、モニタ部12の下端面26と対向するように配置されている。弁先端部32の円環面32bには凸部32cが形成されている。凸部32cは、弁先端部32の円環面32bに土圧が加わって切換弁31が上方に移動した場合でも、モニタ部12の下端面26と弁先端部32の円環面32bとの間に適度な隙間を確保し、この隙間を通して吐出孔24の下端から削孔水を吐出させるために形成されている。円環面32bに設ける凸部32cの数は1つでもよいが、本実施形態においては、好ましい例として、円環面32bに複数の凸部32cが設けられている。複数の凸部32cは、円環面32bの円周方向に均等な間隔で配置されている。
なお、図2および図5では弁先端部32の円環面32bに4つの凸部32cを設ける構成を例示しているが、凸部32cの数は2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。また、凸部32cの形状や寸法は必要に応じて変更してもよい。また、凸部32cは、弁先端部32の円環面32bに対向するモニタ部12の下端面26に形成してもよい。つまり、凸部32cは、弁先端部32の円環面32bとモニタ部12の下端面26のうち少なくとも一方に形成すればよい。また、切換弁31が土圧に押されて上方に移動した場合でも吐出孔24の下端から削孔水を吐出させ得るものであれば、円環面32bと下端面26の少なくとも一方に、凸部32cに代えて凹部(不図示)を放射状に形成してもよいし、凹部と凸部を組み合わせた凹凸をほう形成してもよい。
また、吐出孔24の下端を弁先端部32で塞がないための構成としては、上述した凸部32cや凹部、凹凸の他にも、たとえば図6A、図6B、または図6Cに示すような切換弁31の構成が考えられる。
図6Aはロッドの中心軸方向でモニタ部を下方から見た図である。図示のように、切換弁31の弁先端部32には、削孔水連通路35を露出するように、一対の切欠部39が形成されている。一対の切欠部39は、円錐体の両側を切換弁31の中心軸と平行に切り欠いた形態になっている。これにより、切換弁31の上方への移動によって弁先端部32がモニタ部12の下端面26に突き当たった場合でも、削孔水連通路35が常に下向きに開孔した状態になる。したがって、削孔水連通路35を通して吐出孔24から削孔水を吐出させることができる。
図6Bおよび図6Cはいずれも切換弁を斜め上方から見た図である。図6Bにおいては、切換弁31の弁先端部32の平面視形状がI形になっている。また、同図においては、E1方向から見た弁先端部32の側面視形状が三角形、E2方向から見た弁先端部32の側面視形状がI形になっている。一方、図6Cにおいては、切換弁31の弁先端部32の平面視形状がX形になっている。また、同図においては、E1方向およびE2方向から見た弁先端部32の側面視形状がいずれも台形になっている。
(胴部)
胴部33は、吐出孔24に上下動自在に嵌合されている。胴部33の長さ寸法(上下方向の寸法)は、吐出孔24の深さ寸法よりも大きく設定されている。胴部33の断面形状は、楕円形になっている。ここで記述する胴部33の断面形状とは、ロッド10の中心軸に直行する方向に胴部33を断面した場合の形状をいう。また、胴部33の断面形状を表す楕円形には、数学的に定義される楕円だけでなく、たとえば上記図3に示すように円の円周上の二箇所を互いに平行に切り欠いたような形状を含む。胴部33の断面形状は、胴部33の長さ方向全体にわたって一様な形状になっている。また、胴部33の断面形状は吐出孔24の断面形状と相異しており、これによって吐出孔24に胴部33を嵌合した状態でも、吐出孔24の内部に削孔水連通路35(図2および図3を参照)が形成される構成になっている。
ここで、削孔水連通路35の開孔面積と、ノズル部23に形成されるエアーノズル(圧縮空気用のノズル)の開孔面積との関係について説明する。
削孔水連通路35の開孔面積とは、吐出孔24と胴部33の嵌合部分を水平方向に断面したときに、削孔水連通路35の断面形状と胴部33の断面形状の相異によって吐出孔24内に形成される開孔部分(削孔水が流れる部分)の面積をいう。一方、エアーノズルの開孔面積とは、ロッド本体11の側面に設けられたノズル部23において、圧縮空気を噴射するためのノズルの空気流路を上下方向に断面したときに形成される円環状の開孔部分の面積をいう。
削孔水連通路35の開孔面積をSa(mm)、エアーノズルの開孔面積をSb(mm)とすると、ロッド10の構成としては「Sa>Sb」を満たすことが好ましい。また、SaとSbの比率をR=Sa/Sbで表す場合、Rの値は2以上5以下であることが好ましい。
なお、上記エアーノズルの開孔面積Sbは、モニタ部12に複数のノズル部23が設けられている場合は、すべてのノズル部23についてエアーノズルの開孔面積を足し合わせた値で規定する。したがって、エアーノズルの開孔面積Sbは、モニタ部12に設けられるノズル部23の個数によって変わる。たとえば、モニタ部12に2個のノズル部23が設けられている場合は、1個のノズル部23が設けられている場合に比べて、エアーノズルの開孔面積Sbが2倍になる。
(弁頭頂部)
弁頭頂部34は、切換弁31が吐出孔24の開閉状態を切り換えるにあたって、吐出孔24の上端の開孔を開閉する部分となる。弁頭頂部34は、円盤状に形成されている。弁頭頂部34の直径(外径)は、吐出孔24の内径よりも大きく設定されている。弁頭頂部34の上面34aは、第1流路13を通して供給される圧縮空気の圧力を受ける第2受圧部に相当する。弁頭頂部34は、切換弁31が下方に移動した際に、弁頭頂部34の下面34bがモニタ部12内の底面25に接触することで吐出孔24を閉孔する。モニタ部12内の底面25にはシール部材36が設けられている。シール部材36は、弁頭頂部34を底面25に接触させたときの密着性を高めるものである。シール部材36は、たとえば、ゴム製のパッキンで構成することができる。シール部材36は、弁頭頂部34の下面34bと対向するように配置されている。なお、シール部材36は、モニタ部12内の底面25に代えて、弁頭頂部34の下面34bに配置してもよいし、底面25と下面34bの両方に配置してもよい。
モニタ部12は、上方に移動した切換弁31の位置を保持する保持部を備えている。保持部が切換弁31の位置を保持する力(以下、「保持力」という。)は、ロッド10を所望の深さまで貫入する途中で何らかの理由によりロッド10を所定量だけ引き上げた場合でも、その前に土圧によって上方に移動した切換弁31が安易に滑り落ちない程度の大きさに設定されている。また、保持部の保持力は、第1流路13に圧縮空気を供給し、これによって弁頭頂部34の上面34aが圧縮空気の圧力を受けた場合に、圧縮空気に押されて切換弁31が下方に移動し得る程度の大きさに設定されている。保持部は、移動抵抗増加部材37と、マグネット38とを用いて構成されている。
(移動抵抗増加部材)
移動抵抗増加部材37は、吐出孔24の内部に配置されている。移動抵抗増加部材37は、吐出孔24における胴部33の移動抵抗を増加させることにより、切換弁31の位置を保持するものである。移動抵抗増加部材37は、3つのOリング37aを用いて構成されている。吐出孔24の内壁には上下方向に位置をずらして三箇所に周溝が形成され、各々の周溝にOリング37aが1つずつ取り付けられている。Oリング37aの内周側は、胴部33の外周面に接触している。ただし、胴部33の断面形状の一部(切り欠き部分)は、径方向でOリング37aから離間するように径が小さくなっており、そこに削孔水連通路35が形成されているため、そこではOリング37aが胴部33に接触していない。
(マグネット)
マグネット38は、モニタ部12の下端面26に配置されている。マグネット38は、磁気吸引力を利用して切換弁31の位置を保持するものである。マグネット38は、弁先端部32の円環面32bと対向するように配置されている。切換弁31を構成する弁先端部32、胴部33および弁頭頂部34のうち、少なくとも弁先端部32は磁性体によって構成されている。このため、マグネット38の磁気吸引力は弁先端部32に作用し、この磁気吸引力によって弁先端部32が吸引される構成になっている。弁先端部32に作用するマグネット38の磁気吸引力は、切換弁31の上方への移動によって弁先端部32の円環面32bがマグネット38に近づくほど大きくなる。したがって、上方に移動した切換弁31の弁先端部32に対して、マグネット38の磁気吸引力を有効に作用させることができる。特に、上記図6に示すように、吐出孔24の下端を弁先端部32で塞がないよう、切換弁31の弁先端部32に一対の切欠部39を形成した構成では、土圧によって切換弁31が上方に移動した場合に、弁先端部32がマグネット38に隙間なく接触するようになる。このため、マグネット38の磁気吸引力を最大限に発揮させて高い保持力を確保することができる。
<二重管高圧噴射攪拌工法>
続いて、本発明の実施形態に係る二重管高圧噴射攪拌工法について説明する。
二重管高圧噴射攪拌工法は、ロッドの下端から削孔水を吐出させながらロッドを地盤に貫入する貫入工程と、地盤に貫入したロッドの側面から圧縮空気と固化材スラリーを噴射させて地盤改良体を造成する造成工程と、を含む。以下、工程別に詳しく説明する。
(貫入工程)
まず、貫入工程においては、図示しないボーリングマシンでロッド10を垂直に支持するとともに、ホース16およびスイベル15を通してロッド10の第1流路13に削孔水を供給する。そして、ボーリングマシンの駆動によりロッド10の貫入を開始する。これにより、改良対象域の地盤にロッド10が徐々に貫入されていく。
その際、ロッド10の下端部に設けられたモニタ部12には、地盤への貫入に伴う土圧が加わる。この土圧は、図7に示すように、モニタ部12の下端に設けられた切換弁31の弁先端部32に上向きに加わる。そうすると、弁先端部32の円錐面32aが土圧を受けるため、切換弁31が土圧に押されて上方に移動する。切換弁31が上方に移動すると、切換弁31の弁頭頂部34はシール部材36から離間する。このため、吐出孔24が開孔した状態となる。
その結果、ロッド10の第1流路13に供給された削孔水は、図7の破線の矢印で示すように、弁頭頂部34とシール部材36との間を通して吐出孔24の削孔水連通路35に流れ込む。また、マグネット38と弁先端部32との間には、凸部32cによって隙間が確保されているため、削孔水連通路35に流れ込んだ削孔水は、マグネット38と弁先端部32との間の隙間を通して吐出孔24の下端から吐出する。これにより、ロッド10の下端から削孔水を吐出させながらロッド10を地盤に貫入させることができる。また、切換弁31の弁先端部32が円錐形に形成されているため、切換弁31に掘進性能を付与することができる。その後、ロッド10を所望の深さまで貫入したら、削孔水の供給を停止する
なお、貫入工程においては、ロッド10を貫入する途中で、たとえばロッド10がジャミングした場合に、その削孔を容易にするためにロッド10を何度か上下動させることがある。その場合、ロッド10を引き上げた瞬間に土圧が解除されるため、たとえば、移動抵抗増加部材37やマグネット38などの保持部を備えていないと、切換弁31が下方に移動して吐出孔24を塞いでしまうおそれがある。これに対し、移動抵抗増加部材37やマグネット38などの保持部を備える場合は、ロッド10の引き上げによって土圧が解除されても、切換弁31の下方への移動が保持部によって抑制される。このため、吐出孔24を開孔状態に維持し、削孔水の吐出を継続させることができる。なお、仮に、保持部の保持力が不足して切換弁31が下方に移動してしまった場合でも、その後、土圧の作用によって切換弁31を上方に移動させることで、吐出孔24を開孔させることは可能である。
(造成工程)
次に、造成工程においては、ロッド10の第1流路13に供給する流体を圧縮空気に切り換えるとともに、第2流路14に対して固化材スラリーの供給を開始する。ここで、第1流路13に圧縮空気を供給すると、図8に示すように、切換弁31の弁頭頂部34に圧縮空気の圧力が加わる。そうすると、弁頭頂部34の上面34aが圧縮空気の圧力を受けるため、切換弁31が圧縮空気の圧力に押されて下方に移動する。切換弁31が下方に移動すると、切換弁31の弁頭頂部34がシール部材36に接触する。このため、吐出孔24が閉孔した状態となる。
その結果、ロッド10の第1流路13に供給された圧縮空気は、吐出孔24から吐出することなく、ノズル部23から噴出する。このとき、ノズル部23からは固化材スラリーが圧縮空気と一緒に高圧で噴射する。固化材スラリーと圧縮空気の噴射方向は、一般的には水平方向である。
造成工程では、上述のようにロッド10の側面から固化材スラリーと圧縮空気を噴射しながらロッド10を軸回りに回転させる。また、造成工程では、ロッド10を軸回りに回転させながら、ロッド10を連続的または段階的に引き上げる。これにより、固化材スラリーが原土と攪拌混合され、円柱状の地盤改良体が造成される。
こうして1つの地盤改良体の造成を終えたら、第1流路13への圧縮空気の供給と第2流路14への固化材スラリーの供給を共に停止した後、次の地盤改良体の造成作業に着手する。これにより、改良対象域の地盤に順次、地盤改良体を形成することができる。
<実施形態の効果>
本発明の実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)本実施形態においては、ロッド10のモニタ部12の下端に切換弁31を設け、この切換弁31を、弁先端部32に加わる土圧と、弁頭頂部34に加わる圧縮空気の圧力を利用して、上下方向に移動することにより、吐出孔24の開閉状態を切り換える構成を採用している。これにより、スチールボールを使用しなくても、吐出孔24の開閉状態を切り換えることができる。このため、1つの地盤改良体の造成を終えて、次の地盤改良体の造成作業に着手する場合に、その都度、スチールボールをロッドの外に取り出す必要がなくなる。したがって、地盤改良体の造成作業を効率よく行うことができる。
(b)本実施形態においては、上方に移動した切換弁31の位置を保持する保持部(37,38)を備えた構成を採用している。これにより、ロッド10を貫入する途中で何らかの理由により切換弁31の弁先端部32に土圧が加わらなくなった場合でも、切換弁31の下方への移動を抑制し、吐出孔24の開孔状態を維持することができる。
(c)本実施形態においては、吐出孔24の断面形状と胴部33の断面形状との相異により、吐出孔24に削孔水連通路35が形成される構成を採用している。これにより、吐出孔24と胴部33との嵌合によって切換弁31の傾きを抑制しつつ、削孔水の吐出に必要な削孔水連通路35を確保することができる。
(d)本実施形態においては、モニタ部12内の底面25にシール部材36を設けた構成を採用している。これにより、切換弁31の下方への移動によって吐出孔24を閉孔させる場合に、切換弁31の弁頭頂部34がモニタ部12内の底面25に接触するときの密着性を高めることができる。このため、第1流路13に供給する圧縮空気を、吐出孔24から極力漏らすことなく、ノズル部23から噴射させることができる。
(e)本実施形態においては、切換弁31の弁先端部32を円錐形に形成した構成を採用している。これにより、ロッド本体11を地盤に貫入する場合に、切換弁31に掘進機能を付与することができる。
(f)本実施形態においては、削孔水連通路35の開孔面積Saを、エアーノズルの開孔面積Sbよりも大きく設定した構成を採用している。これにより、ロッド10の第1流路13に削孔水を供給する場合に、エアーノズルからの削孔水の吐出を抑制し、より多くの削孔水を吐出孔24から吐出させることができる。特に、SaとSbの比率を表すR(R=Sa÷Sb)の値を2以上5以下とすることで、エアーノズルからの削孔水の吐出を効果的に抑制し、より顕著な効果が得られる。
なお、貫入工程で第1流路13に削孔水を供給する場合に、エアーノズルからの漏水を確実に防止する手段として、たとえば、エアーノズルの開孔をOリングなどで塞ぐことが考えられる。その場合は、削孔水の供給に伴う水圧がOリングに加わるため、貫入工程では、削孔水の水圧でOリングが外れないよう、単位時間あたりの削孔水の供給水量を制限する必要がある。また、貫入工程から造成工程に移る場合は、削孔水の供給量を増やしてエアーノズルの部分に加わる水圧を上昇させ、Oリングをエアーノズルの外に射出させる必要がある。
しかしながら、二重管高圧噴射攪拌装置において、第1流路13に対する削孔水の供給水量が一定となるように制御しても、第1流路13内の水圧は必ずしも一定にならない。たとえば、貫入工程でロッド10を地盤に押し込む場合は、削孔水の吐出孔が土によって塞がれるため、削孔水の水圧がモニタ部12内で上昇しやすくなる。そのため、貫入工程中に削孔水の水圧が上昇し、エアーノズルからOリングが外れてしまうおそれがある。また、エアーノズルにOリングを取り付ける場合は、圧縮空気の噴射に必要なノズルの開孔寸法よりも大きい、既製のOリングの寸法を基準に、ノズルを開孔させる必要がある。このため、貫入工程中にOリングが外れると、エアーノズルから多量の削孔水が漏出し、ロッド10の下端から吐出する削孔水量が不足してしまう。その結果、削孔速度が低下するおそれがある。
また、貫入工程中にエアーノズルからOリングが外れたかどうかを地上部から判別することは難しい。このため、削孔速度が想定速度よりも遅くなった場合や、削孔水ポンプの吐出流量の変化が想定よりも少ない場合に、初めてエアーノズルからの漏水を疑うことになる。また、実際にエアーノズルからOリングが外れているかどうかを確認するには、モニタ部12が地上に現れるまでロッド10を引き上げる必要がある。このため、作業効率の著しい低下を招いてしまう。
一方、貫入工程中にエアーノズルからOリングが外れないよう、エアーノズルの開孔寸法を過度に狭くすると、造成工程で削孔水の供給量を増やして水圧を高めたときに、Oリングをエアーノズルの外に射出させることが困難になる。Oリングがエアーノズルの外に射出されないと、エアーノズルの一部または全部がOリングで塞がれたままになるため、ノズル部23から圧縮空気と固化材スラリーを正常に噴射させることができなくなる。
これに対し、上記実施形態においては、エアーノズルにOリングを取り付けることなく、切換弁31を用いて、吐出孔24からの削孔水の吐出と、エアーノズルからの圧縮空気の噴射を切り換えている。このため、貫入工程では、吐出孔24から必要十分な量の削孔水を吐出させながらロッド10を地盤に貫入させることができる。したがって、貫入工程を効率よく行うことができる。また、造成工程では、エアーノズルの外にOリングを射出させる必要がなくなるため、ノズル部23のエアーノズルから圧縮空気と固化材スラリーを正常に噴射させることができる。さらに、1回の造成作業を行うたびにエアーノズルにOリングを取り付ける手間を省くことができるため、造成作業のサイクルタイムを短縮することができる。
また、上記実施形態においては、エアーノズルの開孔寸法を、Oリングのリング断面の太さ寸法に依存することなく、必要最小寸法に設定することができる。このため、エアーノズルの開孔をOリングで塞ぐ場合に比べて、エアーノズルの開孔寸法を小さく設定することができる。これにより、ノズル部23から圧縮空気と固化材スラリーを同時に噴射させる場合に、固化材スラリーを囲繞する圧縮空気の流速を増大させることができる。具体的には、地盤の切削能力を保持するために必要とされる音速の半分以上まで圧縮空気の流速を増大させることができる。したがって、造成工程で造成される地盤改良体の外径を拡大させることが可能となる。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施形態においては、吐出孔24の内壁に周溝を形成し、この周溝にOリング37aを取り付けた構成を採用しているが、これに限らず、たとえば、切換弁31の胴部33の外周面に凹み部を形成し、この凹み部にOリングを取り付けた構成を採用してもよい。
また、上記実施形態においては、吐出孔24の断面形状を円形とし、吐出孔24に嵌合される胴部33の断面形状を楕円形としたが、これに限らず、たとえば、胴部33の断面形状を、角を丸めた三角形、四角形などの多角形としてもよい。また、吐出孔24の断面形状を多角形、胴部33の断面形状を円形としてもよい。
また、上記実施形態においては、弁頭頂部34を円盤状としたが、弁頭頂部34の形状は、吐出孔24の上端の開孔を開閉可能な形状であればどのような形状であってもよい。
また、上記実施形態においては、弁先端部32の好ましい形状の一つとして円錐形を例に挙げたが、弁先端部32の形状は、土圧を受ける第1受圧部を有する形状であればよい。
また、上記実施形態においては、移動抵抗増加部材37とマグネット38を用いて保持部を構成しているが、これに限らず、移動抵抗増加部材37とマグネット38のうち一方だけを備えた構成を採用してもよい。また、上方に移動した切換弁31の位置を保持できるものであれば、どのような構成の保持部を採用してもかまわない。
また、上記実施形態においては、1つのモニタ部12に2つのノズル部23を設けることにより、固化材スラリーを2方向に同時に噴射する構成を採用しているが、これに限らず、1つのモニタ部12に1つのノズル部23を設けることにより、固化材スラリーを1方向にのみ噴射する構成を採用してもよい。
10 ロッド、12 モニタ部、13 第1流路、14 第2流路、23 ノズル部、24 吐出孔、25 底面、31 切換弁、32 弁先端部、32a 円錐面(第1受圧部)、33 胴部、34 弁頭頂部、34a 上面(第2受圧部)、35 削孔水連通路、36 シール部材、37 移動抵抗増加部材(保持部)、38 マグネット(保持部)。

Claims (11)

  1. 二重管構造のロッドを備え、前記ロッドの下端から削孔水を吐出させながら前記ロッドを地盤に貫入する貫入工程と、前記地盤に貫入した前記ロッドの側面から圧縮空気と固化材スラリーを噴射させて地盤改良体を造成する造成工程と、を含む高圧噴射攪拌工法に用いられる、二重管高圧噴射攪拌装置であって、
    前記ロッドは、前記削孔水および前記圧縮空気を流すための第1流路と、前記固化材スラリーを流すための第2流路と、前記ロッドの下端部に設けられたモニタ部と、を備え、
    前記モニタ部は、前記モニタ部の下端に設けられ、前記第1流路を通して供給される前記削孔水を下方に吐出させる吐出孔と、前記モニタ部の側面に設けられ、前記第1流路を通して供給される前記圧縮空気と前記第2流路を通して供給される前記固化材スラリーを噴射させるノズル部と、前記モニタ部の下端に上下方向に移動可能に設けられ、前記吐出孔の開閉状態を切り換える切換弁と、を備え、
    前記切換弁は、前記ロッドを前記地盤に貫入する際に土圧を受ける第1受圧部と、前記第1流路を通して供給される前記圧縮空気の圧力を受ける第2受圧部と、を備え、前記第1受圧部で前記土圧を受けたときは前記切換弁が上方に移動することによって前記吐出孔を開孔し、前記第2受圧部で前記圧縮空気の圧力を受けたときは前記切換弁が下方に移動することによって前記吐出孔を閉孔するように構成されている
    二重管高圧噴射攪拌装置。
  2. 前記モニタ部は、前記上方に移動した前記切換弁の位置を保持する保持部をさらに備える
    請求項1に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  3. 前記切換弁は、前記吐出孔に上下動自在に嵌合される胴部を含み、
    前記保持部は、前記吐出孔における前記胴部の移動抵抗を増加させることにより、前記切換弁の位置を保持する移動抵抗増加部材を含む
    請求項2に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  4. 前記切換弁は、前記第1受圧部を含む、磁性体からなる弁先端部を有し、
    前記保持部は、前記弁先端部を磁気吸引力で吸引することにより、前記切換弁の位置を保持するマグネットを含む
    請求項2または3に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  5. 前記弁先端部は円錐形に形成されている
    請求項4に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  6. 前記切換弁は、前記吐出孔に上下動自在に嵌合される胴部を含み、
    前記吐出孔の断面形状と前記胴部の断面形状との相異により、前記吐出孔に削孔水連通路が形成されている
    請求項1または2に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  7. 前記吐出孔の断面形状が円形であり、前記胴部の断面形状が楕円形である
    請求項6に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  8. 前記ノズル部は、圧縮空気用のノズルを有し、
    前記削孔水連通路の開孔面積が、前記圧縮空気用のノズルの開孔面積よりも大きい
    請求項6または7に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  9. 前記削孔水連通路の開孔面積をSa(mm)、前記圧縮空気用のノズルの開孔面積をSb(mm)、R=Sa/Sbとしたときに、Rの値が2以上5以下である
    請求項8に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  10. 前記切換弁は、前記第2受圧部を含む弁頭頂部を有し、前記弁頭頂部が前記モニタ部内の底面に接触することで前記吐出孔を閉孔するものであり、
    前記切換弁の弁頭頂部と前記モニタ部内の底面のうち少なくともいずれか一方に、前記弁頭頂部と前記底面とを接触させたときの密着性を高めるシール部材が設けられている
    請求項1から9のいずれか1項に記載の二重管高圧噴射攪拌装置。
  11. 削孔水および圧縮空気を流すための第1流路と、固化材スラリーを流すための第2流路と、ロッド下端部に設けられたモニタ部と、を備える二重管構造のロッドを使用し、前記ロッドの下端から前記削孔水を吐出させながら前記ロッドを地盤に貫入する貫入工程と、前記地盤に貫入した前記ロッドの側面から前記圧縮空気と前記固化材スラリーを噴射させて地盤改良体を造成する造成工程と、を含む高圧噴射攪拌工法であって、
    前記モニタ部に、前記削孔水を吐出させるための吐出孔と、上下方向の移動によって前記吐出孔の開閉状態を切り換える切換弁とを設けておき、
    前記貫入工程では、前記ロッドの貫入に伴う土圧によって前記切換弁を上方に移動させることにより前記吐出孔を開孔するとともに、前記第1流路に前記削孔水を供給して前記吐出孔から前記削孔水を吐出させ、
    前記造成工程では、前記削孔水の供給を停止して前記第1流路に前記圧縮空気を供給するとともに、前記第2流路に前記固化材スラリーを供給し、前記圧縮空気の圧力で前記切換弁を下方に移動させることにより前記吐出孔を閉孔するとともに、前記圧縮空気と前記固化材スラリーを前記ロッドの側面から噴射させる
    二重管高圧噴射攪拌工法。
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