JPH1136281A - 注入固化方法及びその注入装置 - Google Patents

注入固化方法及びその注入装置

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JPH1136281A
JPH1136281A JP22416497A JP22416497A JPH1136281A JP H1136281 A JPH1136281 A JP H1136281A JP 22416497 A JP22416497 A JP 22416497A JP 22416497 A JP22416497 A JP 22416497A JP H1136281 A JPH1136281 A JP H1136281A
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grout
pipe
injection
flow path
ground
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JP22416497A
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Hiroshi Sugimoto
弘 杉本
Hikari Sugimoto
光 杉本
Seiji Takada
征士 高田
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TOKO GIKEN KK
Original Assignee
TOKO GIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 注入固化方法において、注入グラウト材の地
上への漏出を遮断し、所定範囲を無駄なく改良し、グラ
ウト材の浸透性を向上する。 【解決手段】 少なくとも一部が軸方向に移動可能で、
かつ、内部に内管流路を有する内管とそれをとり囲み、
かつ、前記内管との間に外管流路を形成するように設け
られた外管とからなる掘削兼グラウト注入部材により、
そのまま、または掘削孔と注入部材との間にシールグラ
ウトあるいは砂の充填を行ったのち、外管流路14に圧
縮空気、内管流路13にはグラウトまたは気液混合グラ
ウトを夫々圧送し、注入グラウト材の地上への漏出を遮
断するように地盤内に水平方向にエアーバリアー51を
形成し、管内または管外で気液混合されたグラウトを気
液混合グラウトの噴射圧力で土粒子間隙に浸入させなが
ら徐々に改良径を大きくして浸透性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮空気とグラウ
ト材を用いた注入固化方法及びその注入装置に関するも
ので、砂質地盤の液状化防止対策、及び液状化に伴う地
盤流動化防止対策のために開発された技術であり、より
具体的には、恒久性、高強度が要求される既設構造物基
礎地盤の改良、(例えば新幹線、高速道路の高架橋下部
基礎地盤補強など)岸壁の荷役施設及び護岸・擁壁の下
部地盤の改良、既設タンク基礎地盤の改良などに適した
注入固化方法及びその注入装置に関する。
【0002】
【従来技術】液状化現象が科学的に認識されたのは、新
潟地震(1964年、M=7.5)以降からで、この地
震を契機として、液状化現象の解明とその対策に関する
工学的な取り組みが急速に進展し多くの実用化技術が研
究されてきている。このうち、固結工法ではセメントな
どの改良材と土を地盤中で攪拌混合する深層混合処理工
法、懸濁液状の改良材を地盤中に注入して固化させる注
入固化工法などがあり、いづれの工法も地盤の性質(密
度、透水性)を変えて液状化抵抗を増大させ過剰間隙水
圧の発生を抑制し液状化を起こさせないという考え方に
基づいている。前者は比較的施工実績も多く、実用化技
術が種々提案されているのに対し後者は施工実績も少な
く、実用化技術に遅れをとっているが、近年、恒久性の
超微粒子懸濁液グラウトが開発され兵庫県南部地震の復
興対策工事で採用されたことでにわかに脚光を浴びるこ
ととなった。
【0003】緩結性の溶液グラウト及び超微粒子懸濁液
グラウトで砂質土地盤を浸透改良する工法は、二重管ダ
ブルパッカー工法(ソレタンシュ工法、スリーブ工法)
が広く知られている。一方、圧縮空気を用いるグラウト
注入方法では、特開昭60−138112号公報に記載
されている圧縮空気を地中に吹き込んで該地盤中に透気
道を形成し、その後該透気道に粉体または懸濁液状のグ
ラウトを注入することを含む空気式グラウチング方法が
提案されている。この方法は先ず圧縮空気により透気道
を形成し、その後該透気道に粉体または懸濁液状のグラ
ウト材を注入するという2段階方式を採用しており、グ
ラウト材を広範囲にわたって注入することが可能である
が、広範囲にわたって透気道を維持するには圧縮空気の
圧力を高めておく必要があり、漏気性の軟弱地盤や既設
構造物周辺では圧縮空気により地盤を破壊する危険性が
ある。また、同公報の図3及び図4から明らかなように
エアーパイプの下方端部に複数の吐出口を有した注入装
置より粉体または懸濁液状のグラウト材を圧縮空気とと
もに地盤中に吹込むことになるが、同吐出口には逆流防
止のための逆止弁などの装置がないため、注入完了時、
またはエアーパイプの接続・切断時には送気装置及びグ
ラウト送給装置を停止すると前記吐出口よりパイプ内に
粉体または懸濁液状のグラウト材が逆流するため、注入
装置内が閉塞するなどのトラブルが発生しやすい。
【0004】また、圧縮空気を用いるグラウト注入で他
の方法として、特開昭54−152309では、気・液
を別通路を通して圧送しているものも提案されている
が、この装置では気・液の両通路は注入管内で気・液が
混合する構成になっており、しかも気・液の吐出口には
一旦噴出した液などが管内に逆流するのを防止するため
の逆止弁などの装置がないため、噴出を一時停止すると
きなどに管内への逆流が生じ、噴出口が塞がれるなどの
不都合が生じ、注入不能となり、注入管を引き抜き再度
削孔するなど多大な手間と費用を要する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の二重管
ダブルパッカー工法(ソレタンシュ工法、スリーブ工
法)は、外管と地盤に形成されるリング状間隙に硬化材
(セメント・ベントナイト)を充填し固化させ、外管と
地盤を一体化させることにより(外管を動かさない)グ
ラウトの逸走、上噴が確実に防止されることで、溶液グ
ラウト及び超微粒子懸濁液グラウトのような緩結性注入
材を注入する場合、非常に有効である反面、注入時にお
いて、前記外管の周囲に形成されたシールグラウトを割
って地盤に注入する際のクラッキングは、外管の設置状
態と関係し一方に偏ってクラッキングされる場合が多
く、従って注入管を中心として放射状に注入されること
は少ない。また、この工法では、低吐出、低圧力により
砂質土層の浸透注入を行うことを要旨としているが、超
微粒子懸濁液グラウトを砂質土層に低圧力で注入した場
合、土粒子間隙を通過する際、グラウト中の微粒子と土
粒子の接触面に生じる抵抗力や、グラウトの流速が遅い
とグラウト微粒子の沈殿、凝集などが生じ、吐出口周辺
が目詰まり状態となり、緩結性の溶液型グラウトに比較
して改良径が小さくなるという欠点がある。改良径が小
さいと施工面積当たりの注入孔数が増大しコスト面に影
響するので、従って如何に浸透性を向上させ改良径を大
きくするかということが重要な課題となる。
【0006】次ぎに、圧縮空気とグラウト材を用い地盤
に注入する工法で緩結性の超微粒子懸濁液グラウトを注
入する場合、気液混合されたグラウトが注入管廻りの空
隙に沿って上部に逃げ地表面に噴出したり、既設構造物
との境界面、地盤中の水みち、空隙などから漏出したり
することが多い。注入管を所定位置まで削孔する場合、
削孔水を使用するのが一般的で、削孔水をスライム排出
手段として使用するため、特に緩い砂質土などでは注入
管周囲の地盤に大きな空隙が形成される。この空隙に瞬
結性のグラウト材を用いてグラウトパッカーを形成し、
注入材の上噴防止を行っているが、気液混合グラウトを
注入する時、地盤の受入れ抵抗が大きく且つグラウトパ
ッカーの形成に溶液型グラウトを用いた場合にはホモゲ
ル強度が小さいため、グラウトパッカーは容易に破られ
上噴防止は困難となる。従って、気液混合グラウトを注
入するに当たっては前記上噴防止が重要な課題となる。
【0007】また、圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウト
の気液混合グラウトを注入する工法の装置に関しては、
地上に設けられた装置で予め混合された気液混合グラウ
トをエアーパイプ先端に接続された注入吐出口から地盤
中に注入するもの、または二重管の一方の流路に圧縮空
気を送気し、他方の流路に超微粒子懸濁液グラウトを送
液して注入管先端の管内で混合させ吐出口より地盤中に
注入する方法、更に三重管を用いた方法で2つの流路を
超微粒子懸濁液グラウトのそれぞれA液、B液とし注入
管先端の管内で混合させ吐出口より地盤中に注入し、他
の1つの流路より圧縮空気を別の吐出口より噴射させる
方法などがあるが、注入管の外周に複数の吐出口を有
し、地盤に対し水平方向に開口されている注入管装置で
は、所定の注入終了時または注入管の切断、接続時には
送気装置及びグラウト送給装置を停止し前記操作を行う
ことになるが、両装置を停止すると、注入管内が負圧状
態となり、外周地盤に注入され圧力状態の気液混合グラ
ウトが前記開口した吐出口より逆流するため、先端装置
内が閉塞し注入不能となるなどの問題が生じる。
【0008】次に砂質土地盤を均質に浸透注入させるた
めの気液混合グラウトの吐出方向については、注入管の
軸方向に対し直角(地盤に対し水平方向)に指向し、周
方向に複数の吐出口を有する注入装置では、注入材の噴
射は吐出口数に応じた点状の注入形態を示し、点状の中
間部では未浸透部分が形成され易く、所定領域を均質に
浸透改良がなされないなどの課題が生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記問題点
を解決するために提案されたもので、少なくとも一部が
軸方向に移動可能で、かつ、内部に内管流路を有する内
管とそれをとり囲み、かつ、前記内管との間に外管流路
を形成するように設けられた外管とからなる掘削兼グラ
ウト注入部材により、圧縮空気または/及び水を用い、
所定深度まで掘削し、注入する方法において、前記注入
部材の前記外管には、下側吐出部と上側吐出部により構
成された2つの吐出部が軸方向に適宣間隔で配設され、
前記2つの吐出部にはそれぞれ環状凹窩を有し、該環状
凹窩にはそれぞれ周方向に亘り、等配分に複数の細孔が
穿設され、前記環状凹窩部分にそれぞれ弾性環状体で覆
い、前記下側吐出部では、前記弾性環状体の上下いずれ
か一方の端部を前記環状凹窩外周面の外管に突設された
環状突出部により挟着するとともに、前記上側吐出部で
は、前記弾性環状体の上下いずれか一方の端部を前記環
状凹窩外周面の外管に突設された環状突出部により挟着
してなる注入部材を用い、掘削時には前記注入部材の内
外2つの流路のうち、いずれか一方または両方の流路に
圧縮空気または水を送り、いずれの場合も下方では内管
流路に流入し、注入部材の先端より噴出させて被改良地
盤内の所定深度まで削孔した後、注入時には内管流路が
管体下端部に連通している場合には、該内管流路を閉塞
し、内管流路が閉じられているときにはそのまま内管流
路に液または圧縮空気を圧入し、この液圧または空気圧
により下側内管を下落させ、管体下端部に通ずる流路を
閉塞するとともに前記下側吐出部に設けられた前記各細
孔と内管流路とを連通し、上側吐出部では外管流路と連
通させ、そのまま、又は掘削孔と注入部材との間にシー
ルグラウトあるいは砂の充填を行った後、内管流路に圧
縮空気とグラウトを圧入し、それらを管内で混合し、混
合された気液混合グラウトを前記下側吐出部より噴射
し、同気液混合グラウトの噴射圧力で土粒子間隙に浸入
させながら徐々に地盤改良径を大きくする一方、前記上
側吐出部より圧縮空気を噴射し、前記注入部材周囲の隙
間より漏出する前記気液混合グラウトを、同圧縮空気の
噴射流に誘引させ随伴状態で地盤中に注入させることに
より、地上へのグラウトの漏出を遮断するエアーバリア
ーを形成し、外周地盤の所定範囲を改良することを特徴
とする注入固化方法を開発した。
【0010】さらに、本発明では、少なくとも一部が軸
方向に移動可能で、かつ、内部に内管流路を有する内管
とそれをとり囲み、かつ、前記内管との間に外管流路を
形成するように設けられた外管とからなる掘削兼グラウ
ト注入部材により圧縮空気または/及び水を用い、所定
深度まで掘削し、注入する装置において、前記注入部材
の前記外管には、下側吐出部と上側吐出部により構成さ
れた2つの吐出部が軸方向に適宣間隔で配設され、前記
2つの吐出部はそれぞれ環状凹窩を有し、該環状凹窩に
はそれぞれ周方向等配分に複数の細孔が穿設され、前記
環状凹窩部分にそれぞれ弾性環状体で覆い、前記下側吐
出部では、前記弾性環状体の上下いずれか一方の端部を
前記環状凹窩外周面の外管に突設された環状突出部によ
り挟着するとともに、前記上側吐出部では、前記弾性環
状体の上下いずれか一方の端部を前記環状凹窩外周面の
外管に突設された環状突出部により挟着し、掘削時に
は、前記外管の内周壁に、移動しない上側内管とその下
側に移動可能な内管が下側吐出部の各細孔を閉塞するよ
うに配設され、管体下端部に通ずる流路を形成し、注入
時には管体下端部に通ずる流路を閉塞栓で閉塞した後、
内管流路に液または圧縮空気を圧入し、この液圧または
空気圧により下側内管を下落させ、前記下側吐出部に設
けられた前記各細孔と内管流路とを連通し、前記上側吐
出部では外管流路と連通するようにした注入部材を用い
てなることを特徴とする掘削兼注入装置を開発した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を本発明の好ましい実
施の形態を示す図面について説明する。 (実施例1)図1は、本発明請求項1及び2の発明を実
施するための注入装置で、(1)は掘削時、(2)は注
入時における状態を示すもので、(1)の掘削時では、
1は注入部材、2は吐出部で、下側吐出部5と上側吐出
部4により構成された2つの吐出部が軸方向に適宣間隔
で配設され、好ましくは部材1先端に掘削刃3aを有す
る掘削部材3を装着することができる。前記吐出部2は
上部管6と中部管7と下部管8よりなり、中部管7の外
周面には上側吐出部4を形成する第2の環状凹窩10と
下側吐出部5を形成する第1の環状凹窩9が設けられ、
中部管7の基端部、下端部にそれぞれ外周螺糸部7a、
7bが設けられ、同部7a、7bに中部管7と同径の上
部管6及び下部管8が螺着され、同下部管8の下端には
弁体3cを有する掘削部材3と掘削刃3aが螺着され、
また同下部管8の上端縁は前記第1の環状凹窩9の下半
部外周を囲繞まる環状突出部8aが突出され、上部管6
の下端縁は前記第2の環状凹窩10の上半部外周を囲繞
まる環状突出部6aが突出されている。外管11の上部
管6と中部管7に連通した中空部には移動しない上側内
管12が上部管6と中部管7の断面中心に配設され、そ
の下端部外周が中部管7における第2の環状凹窩10の
下端部に位置する内周部に設けられた段部7cより下方
に配設された内周螺糸部7dに螺着され、移動しない上
側内管12は上部管6と外周螺糸部7aの中空部を介し
て中部管7の中空部に連通して内管流路13を形成し、
一方前記段部7cより上方の中部管7内の中空部は移動
しない上側内管12の外周壁と前記段部7cとによって
内周及び下端を閉塞されて外管流路14を形成してい
る。
【0012】前記第2の環状凹窩10には周方向に90
度間隔で4方向に穿設された細孔10aを有し、該細孔
10aは中部管7の外管流路14に連通し、前記第1の
環状凹窩9には周方向に90度間隔で4方向に穿設され
た細孔9aを有し、前記凹窩10、9にはゴム等よりな
る弾性環状体10c、9cを嵌着するが、好ましくは上
部管6、中部管7及び下部管8の外周面より突出してい
ないものがよい。上側吐出部4では、弾性環状体10c
の上端部が第2の環状凹窩10と上部管6の環状突出部
6aとによって挟着され、下側吐出部5では、弾性環状
体9cの下端部が第1の環状凹窩9と下部管8の環状突
出部8aとによって挟着されている。
【0013】また、移動しない上側内管12の下側には
前記中部管7の内周壁に移動可能な下側内管12aが前
記各細孔9aを閉塞するように中部管7に収納され、移
動可能な下側内管12aの外周面と中部管7の内周壁と
の間はオイルシール12cにより前記各細孔9aの上方
と下方がシールされている。移動可能な下側内管12a
の下端部と中部管7の下端部とを下落防止ピン12dで
固定し、移動しない上側内管12の内管流路13と移動
可能な下側内管12aの流路13aとを連通し、更に流
路13aは管体下端部に通ずる流路13cに連通され、
更に掘削部材3内の中空部を介して掘削刃3a内の噴出
口にいたる。
【0014】前記掘削部材3の中空部には上下の流路を
連通させ、軸方向に複数の切込溝が設けられた案内管3
fを有し、案内管3fの軸心には移動可能な弁棒3dと
その先端に弁体3cがスプリング3eにより弁座3bに
常時上方に押し上げられ逆止弁が形成されている。前記
掘削部材3及び掘削刃3aは、逆止弁を設けた公知の掘
削部材でもよく、また、ロッドクラウンあるいはメタル
クラウンなどの掘削刃を用いてもよい。
【0015】図1(1)の掘削時には、注入部材1の基
端部に図示しない二重管とスイベルが接続されており、
まず、注入部材1を回転させながら、移動しない内管1
2の内管流路13を介して液または圧縮空気を圧送す
る。中部管7の内周壁に移動可能な下側内管12aが前
記各細孔9aを閉塞するように中部管7に収納され流路
13aを形成しているので、液または圧縮空気は流路1
3aを通り管体下端部の流路13cを通って掘削部材3
の案内管3fの切込み溝を介して下方に流れ、液圧また
は空気圧により弁体3cを押し下げ、弁体3cと弁座3
bの隙間3hより掘削部材3の下端部に装着された掘削
刃3a内の噴出口3iより噴出して所定深度まで削孔す
る。
【0016】次ぎに注入部材1の内管流路13にスチー
ルボール13bなどの閉塞栓を投下すると、移動可能な
下側内管12aの上側内周部に突出された弁座12bに
スチールボール13bが着座し、下側内管12aの流路
13aを閉塞する。ここで内管流路13に液または圧縮
空気を圧送すると、内管流路13の下方流路13aが閉
塞されているので、移動可能な下側内管12aの下端部
と中部管7の下端部とを固定している下落防止ピン12
dを液圧または空気圧でせん断するとともに下側内管1
2aを下落させ、下側吐出部5に設けられた各細孔9a
と内管流路13とを連通させ、図1(2)に示す注入開
始時の状態となる。
【0017】図3に示すように、着脱自在な2重管27
に掘削刃3aを有する掘削部材3を装着した注入部材1
を継接し、液または圧縮空気を使用し被改良地盤46の
所定深度まで公知の注入管設置機29により回転・圧入
しながら削孔する。この際、図1(1)に示すように前
記上側吐出部4及び下側吐出部5に環状に設けられた弾
性環状体10c、9cは、夫々外管11の外周面より突
出しないように嵌着されているので、注入部材1の圧入
に対し障害とならず、同注入部材1は円滑に地中に圧入
されるとともに、周辺土砂が注入細孔10a、9aへの
浸入が防止される。
【0018】このように所定深度まで削孔し注入部材1
を設置したら、同注入部材1の内管流路13にスチール
ボール13bなどの閉塞栓を投下し、下側内管12aの
流路13aを閉塞し、図1(2)に示す注入開始状態
で、前記注入部材1を回転することなく、前記注入部材
1の周辺に形成された空隙に砂を充填し、またはシール
グラウトを行なう時は、瞬結型の懸濁液グラウトまたは
溶液グラウトを用い、図1(2)に示すように上側吐出
部4に連通した外管流路14には主剤、下側吐出部5に
連通した内管流路13には硬化剤を2ショット方式で送
液し、前記上側吐出部4と下側吐出部5より同時に注入
し、管外で2液混合させ、注入部材1外周に形成される
空隙にシールグラウトすることにより、グラウトまたは
圧縮空気及び気液混合グラウトの地表面への漏出を防止
する。シールグラウト量は、注入部材1外周に形成され
る空隙への注入なので予め計画された注入量で注入し、
好ましくはステップ時など注入部材1を移動させる場合
は適宣行うことが望ましい。
【0019】また、本発明の要旨である圧縮空気とグラ
ウトからなる気液混合グラウトを地盤に注入中に後述の
エアーバリアー(air barrier)を逸脱した
グラウトや予期し得ない既設構造物との境界面、地盤中
の水みち、空隙などから漏出したりすることを防止する
ために、地上に設置した流路切替装置33で上記シール
グラウト方法に切替え、随時、シールグラウトを行うこ
とが可能である。
【0020】本発明の請求項1に記載の発明は図3に示
すようにグラウト材を1ショットまたは1.5ショット
方式で送給装置35より流量計34を通り流路切替装置
33の図示しないグラウト流入口にいたる。また、第1
系統の圧縮空気は送気装置41の第1系統送気口40よ
り圧力計付きのレギュレータ39と風量計38を接続し
たエアーホース37を通り流路切替装置33の図示しな
い第1系統圧縮空気口にいたる。ここで流路切替装置3
3の操作により同配管内で第1系統の圧縮空気と前記グ
ラウト材は合流混合され気液混合グラウトとなり、流路
切替装置33の図示しない流出口に接続された内管流路
用ホース31、及びスイベル30を介して、前記注入部
材1の内管流路13にいたる。一方、第2系統の圧縮空
気は、送気装置41の第2系統送気口45より、圧力計
付きのレギュレータ44と、風量計43を接続したエア
ーホース42を通り前記流路切替装置33における図示
しない第2系統圧縮空気口にいたり、前記流路切替装置
33における図示しない流出口に接続された外管流路用
ホース32、及びスイベル30を介して、前記注入部材
1の外管流路14にいたる。
【0021】ここで図1(2)に示すように、前記注入
部材1の2流路のうち、内管流路13には第1系統の圧
縮空気とグラウト材よりなる気液混合グラウトが送液さ
れ、前記内管流路13は下側吐出部5を形成する第1の
環状凹窩部9の細孔9aと連通しているので、前記気液
混合グラウトは夫々の細孔9aを経て、第1の環状凹窩
9と弾性環状体9cの隙間を通り、弾性環状体9cを半
径方向に押し広げながら環状凹窩部分9の上端に達する
が、ここで横方向に向きを変え弾性環状体9c上端と環
状凹窩部9上端の隙間より被改良地盤46に噴射され
る。
【0022】なお、弾性環状体9cの下端部は凹窩外周
面と下部管8に突出された環状突出部8aで挟着するた
め、細孔9aより吐出された気液混合グラウトは環状凹
窩部分9と弾性環状体9cの隙間部分では上方向のみに
吐出される。また、環状凹窩部分9に穿設された細孔9
aは、周方向に亘り4個で90度間隔に形成され、夫々
の細孔9aで前記の吐出状態が同時に行われることにな
るので、切れ目なく全方位に噴射される。一方、外管流
路14には第2系統の圧縮空気が送気され、前記外管流
路14は上側吐出部4を形成する第2の環状凹窩部10
の細孔10aと連通しているので、前記圧縮空気は夫々
の細孔10aを経て、第2の環状凹窩部10と弾性環状
体10cの隙間を通り、弾性環状体10cを半径方向に
押し広げながら環状凹窩部分10の下端に達し、ここで
横方向に向きを変え弾性環状体10c下端と環状凹窩部
10下端の隙間より地盤に噴射される。前記弾性環状体
10cの上端部は凹窩外周面と上部管6に突出された環
状突出部6aで挟着されるため、細孔10aより吐出さ
れた第2系統の圧縮空気は第2の環状凹窩部分10と弾
性環状体10cの隙間部分では下方向のみに噴出され
る。また、環状凹窩部分10に穿設された細孔10a
は、下側吐出部5と同様、周方向等配分で4個で90度
間隔に形成され、夫々の細孔10aで前記の噴出状態が
同時に行われることになるので、切れ目なく全方位に噴
射される。
【0023】このように下側吐出部5より気液混合グラ
ウトを地盤に対し水平方向、周方向では点注入すること
なく全方位に亘って面状に噴射し、地盤内の噴射面積を
広めて土粒子間隙に均等に浸入させ、気液混合グラウト
の噴射圧力で間隙にグラウト材を浸入させながら徐々に
改良径を大きくして浸透性を向上させると同時に、前記
上側吐出部4より第2系統の圧縮空気を地盤に対し水平
方向、周方向では全方位に噴射することにより地盤内に
水平方向のエアーバリアー(air barrier)
を形成し、下部から漏出する気液混合グラウトを、圧縮
空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤に注入するの
で、気液混合グラウトの地上への漏出を遮断するととも
に、所定範囲を無駄なく注入することが出来る。図1
(1)及び(2)に示す注入部材1の吐出部2は、下側
吐出部5と上側吐出部4の2段の吐出口で構成されてお
り、同各吐出部間の間隔は、土質状況または注入方法に
応じ狭小な間隔に配設することもでき、また所定寸法の
間隔に配設することもできる。また、上側吐出部4より
圧縮空気とグラウト材を用い合流混合させた気液混合グ
ラウトを噴射し、同気液混合グラウト中の気体でエアー
バリアーを形成する事もできる。(請求項4)この方法
では、前記下側吐出部5と上側吐出部4の吐出口との間
の間隔を、たとえばステップ間隔と同寸法に設定し、気
液混合グラウトを同時に下側吐出部5と上側吐出部4よ
り噴射することにより、同気液混合グラウト中の気体で
エアーバリアーの形成とともに同種グラウトの同時注入
を可能ならしめ、1本当たりの施工時間を1/2に短縮
できる。また、前記下側吐出部5の第1の環状凹窩9及
び上側吐出部4の第2の環状凹窩10には周方向等分に
90度間隔に4個の細孔9a,10aを夫々有し、夫々
の細孔9a,10aには取替自在な筒状中空ノズル9
b、10bを着脱自在にネジ接続することも可能であ
る。ノズル径は下側吐出部5と上側吐出部4とのバラン
スを考慮して圧縮空気または気液混合グラウトの圧力及
び流量を自由に設定出来る。(請求項9)更に図9に示
すように上側吐出部4の弾性環状体10cの下端部を第
2の環状凹窩10外周面の中部管7の上側に突設された
環状突出部7eにより挟着し、下側吐出部5と同様、弾
性環状体10cの上端部より地盤に対して水平方向に噴
射することもでき、また、図10に示すように下側吐出
部5の弾性環状体9cの上端部を第1の環状凹窩9外周
面の中部管7の下側に突設された環状突出部7eにより
挟着し、上側吐出部4と同様、弾性環状体9cの下端部
より地盤に対して水平方向に噴射することもできる。
(請求項7)このように所定量の注入が完了したら、注
入部材1をステップアップまたはステップダウンし、次
のステップの注入を行うが、本発明ではステップアップ
方式が望ましい。また、ステップ間隔は、10cm間隔
以上100cm間隔までの範囲内で、1/4m(25c
m)間隔とすることが望ましい。以上の注入操作を繰り
返し、1孔当たりの注入が終了する。このように、請求
項1の記載の発明は、予め切替装置33の操作でグラウ
ト材と第1系統の圧縮空気を合流混合せさた気液混合グ
ラウトを下側吐出部5より噴射すると同時に、上側吐出
部4より第2系統の圧縮空気または気液混合グラウトを
噴射し、エアーバリアーを形成して注入する事を要旨と
する。 (実施例2)次に請求項2の発明を具体的に説明する。
図3に示すようにグラウト材は1ショットまたは1.5
ショット方式でグラウト送給装置35より流量計34を
通り流路切替装置33の図示しないグラウト流入口にい
たる。ここで流路切替装置33の操作により、第1系統
の圧縮空気を用いることなく、グラウト材は流路切替装
置33における図示しない第1系統流出口に接続された
内管流路用ホース31、及びスイベル30を介して、前
記注入部材1の内管流路13にいたる。一方、第2系統
の圧縮空気は、送気装置41の第2系統送気口45よ
り、圧力計付きのレギュレータ44と、風量計43を接
続したエアーホース42を通り前記流路切替装置33に
おける図示しない第2系統圧縮空気口に至り、前記流路
切替装置33における図示しない第2系統流出口に接続
された外管流路用ホース32、及びスイベル30を介し
て、前記注入部材1の外管流路14に至る。
【0024】ここで図1(2)に示すように前記注入部
材1の2流路のうち、内管流路13にはグラウト材が送
液され、同内管流路13は下側吐出部5を形成する第1
の環状凹窩部9の細孔9aと連通しているので、前記グ
ラウト材は夫々の細孔を経て、第1の環状凹窩9と弾性
環状体9cの隙間を通り、弾性環状体9cを半径方向に
押し広げながら環状凹窩部分9の上端に達するが、ここ
で横方向に向きを変え弾性環状体9c上端と環状凹窩部
9上端の隙間より地盤に噴射される。
【0025】なお、弾性環状体9cの下端部は凹窩外周
面と下部管8に突出された環状突出部8aで挟着するた
め、細孔9aより吐出されたグラウト材は環状凹窩部分
9と弾性環状体9cの隙間部分では上方向のみに吐出さ
れる。また、環状凹窩部分9に穿設された細孔9aは、
周方向等分で4個で90度間隔に形成され、夫々の細孔
で前記の吐出状態が同時に行われることになるので、切
れ目なく全方位に噴射される。一方、外管流路14には
第2系統の圧縮空気が送気され、前記外管流路14は上
側吐出部4を形成する第2の環状凹窩部10の細孔10
aと連通しているので、前記圧縮空気は夫々の細孔を経
て、第2の環状凹窩部10と弾性環状体10cの隙間を
通り、弾性環状体10cを半径方向に押し広げながら環
状凹窩部分10の下端に達するが、ここで横方向に向き
を変え弾性環状体10c下端と環状凹窩部10下端の隙
間より地盤に噴射される。前記弾性環状体10cの上端
部は凹窩外周面と上部管6に突出された環状突出部6a
で挟着するため、細孔10aより吐出された第2系統の
圧縮空気は第2の環状凹窩部分10と弾性環状体10c
の隙間部分では下方向のみに噴出される。また、環状凹
窩部分10に穿設された細孔10aは、下側吐出部5と
同様、周方向等分で4個で90度間隔に形成され、夫々
の細孔で前記の噴出状態が同時に行われることになるの
で、切れ目なく全方位に噴射される。
【0026】このようにグラウト材を下側吐出部5より
噴射すると同時に上側吐出部4より第2系統の圧縮空気
を噴射し、管外で圧縮空気とグラウト材を合流混合させ
た気液混合グラウトを土粒子間隙に浸入させ、気液混合
グラウトの噴射圧力で間隙にグラウト材を浸入させなが
ら徐々に改良径を大きくする一方、上側吐出部4より噴
射された圧縮空気は地盤内に水平方向のエアーバリアー
(air barrier)を形成するので、前記注入
部材1周囲の隙間より漏出する前記グラウトを、圧縮空
気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤中に注入し、地上
への漏出を遮断するとともに、所定範囲を無駄なく注入
することが可能となる。 図1(1)または(2)に示
す注入部材1の吐出部2は、実施例1と同様に下側吐出
部5と上側吐出部4の2段の吐出口で構成されている
が、管外でグラウト材と圧縮空気を合流混合させるには
前記2つの吐出口は、狭小間隔に配設されることが望ま
しい。また、上側吐出部4より圧縮空気とグラウト材を
用い合流混合させた気液混合グラウトを噴射し、同気液
混合グラウト中の気体でエアーバリアーを形成する事も
できる。(請求項4)更にこの方法では、上側吐出部4
より圧縮空気と2液混合型グラウトの一方の配合液Aを
合流混合させた気液混合剤を噴射すると同時に下側吐出
部5より他方の配合液Bを噴射し、管外で2液を混合さ
せた気液混合グラウトを地盤に注入するとともに上側吐
出部4より噴射された気液混合剤中の気体によりエアー
バリアーを形成することもできる。また、前記下側吐出
部5の第1の環状凹窩9及び上側吐出部4の第2の環状
凹窩10には周方向等分に90度間隔に4個の細孔9
a,10aを夫々有し、夫々の細孔9a,10aには取
替自在な筒状中空ノズル9b、10bを着脱自在にネジ
接続することも可能である。ノズル径は下側吐出部5と
上側吐出部4とのバランスを考慮して圧縮空気または気
液混合グラウトの圧力及び流量を自由に設定出来る。こ
のように所定量の1ステップ当たりの注入が完了した
ら、注入部材1を回転させることなくステップアップま
たはステップダウンし次のステップの注入を行うが、本
発明ではステップアップ方式が望ましい。また、ステッ
プ間隔は、10cm間隔以上100cm間隔までの範囲
内で、1/4m(25cm)間隔とすることが望まし
い。以上の注入操作を繰り返し、1孔当たりの注入が終
了する。従って、請求項2に記載の発明は、下側吐出部
5よりグラウト材と上側吐出部4より第2系統の圧縮空
気が噴射され、管外で合流混合し、気液混合グラウトを
形成するとともに上側吐出部4より噴射された第2系統
の圧縮空気または気液混合グラウト中の気体によりエア
ーバリアーの形成を兼ねる事になる。 (実施例3)図2は請求項3に記載の発明を実施するた
めの具体例を示すもので、請求項1及び2に記載の注入
部材1の基端部にそのまま、又は接続管16を介して適
宣間隔をおいて上段吐出部17が形成され、上段吐出部
17には上部管19と下部管20よりなり、上部管19
の外周面には第3の環状凹窩21が設けられ、その下部
には外周螺糸部19a設けられ、同部19aに上部管1
9と同径の下部管20が螺着され、同管20の下端に
は、接続管16が継接される。また同下部管20の上端
縁は前記第3の環状凹窩21の下半部外周を囲繞する環
状突出部20aが突出されている。
【0027】外管18の上部管19内には内管23が同
心状に配設され、その上部には内管23をガイドする案
内管22に接続され、その案内管22には軸方向に凸状
溝が周方向等分に4ケ所設けられ、外管18と内管23
の中空部に連通し、その外周面は外管18の内周に面
し、外管18の外周面より案内管22に着脱自在に案内
管固定用ネジ22aで接続される。内管23は上部管1
9の中空部と下部管20の中空部を介し接続管16の内
管通路16cに継接され、流路24を形成する。一方前
記内管23の外周壁と上部管19の内周壁の中空部は、
下方の内管23の外周壁と下部管20の内周壁の中空部
に連通し、流路25を形成している。
【0028】前記第3の環状凹窩21と上部管19の流
路25とを連絡する細孔21aが前記第3の環状凹窩2
1に周方向に90度間隔で4方向に穿設され、前記凹窩
21にはゴム等よりなる弾性環状体21cが、好ましく
は、その外周面が上部管19及び下部管20の外周面よ
り突出しないように嵌装され、その下端部が第3の環状
凹窩21と下部管20の環状突出部20aとによって挟
着された注入部材15を用い、前記注入部材15周囲の
隙間より漏出するグラウトを、上段吐出部17より噴射
された圧縮空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤中に
注入させることにより、地上へのグラウトの漏出を遮断
するエアーバリアーを形成し、前記注入部材1の吐出部
2より形成されたエアーバリアーとともに多重バリアー
を形成する。
【0029】更に詳細に説明すると、図2に示す注入部
材15は、請求項1または2の実施例で説明した注入部
材1に接続管16を介して接続されたもので、吐出部は
吐出部2と上段吐出部17よりなり、吐出部2は更に下
側吐出部5、上側吐出部4により構成されているため、
注入部材15には3段の吐出部が形成されている。ま
た、前記上段吐出部17の基端部に更に複数段の吐出部
を形成する事も可能である。吐出部2と上段吐出部1と
の間の間隔は、ステップ間隔と同様とし、10cm間隔
以上100cm間隔までの範囲内で、1/4m(25c
m)間隔とすることが望ましい。
【0030】ここで、吐出部2の下側吐出部5より気液
混合グラウトまたはグラウト材を噴射し地盤に注入する
と同時に吐出部2の上側吐出部4より第2系統の圧縮空
気を噴射しエアーバリアーを形成するが、上段吐出部1
7の第3の環状凹窩21部分には、周方向等分に90度
間隔に4個の細孔21aを有し、夫々の細孔21aは前
記吐出部2の上側吐出部4より噴射される第2系統の圧
縮空気の流路14と上段吐出部17の流路25と連通
し、前記夫々の細孔21aを経た第2系統の圧縮空気は
第3の環状凹窩21と弾性環状体21cの隙間部分に浸
入し、前記弾性環状体21cを半径方向に押し広げ、環
状凹窩部分21の上端に達し、ここで横方向に向きを変
え弾性環状体21cの上端と環状凹窩部21の間隙より
地盤に対し水平方向、周方向では全方位に噴射すること
により地盤内に水平方向のエアーバリアー(air b
arrier)を形成し、前記上側吐出部4より噴射し
形成されたエアーバリアーとともに多重エアーバリアー
を形成し、下部から漏出するグラウトを、圧縮空気の噴
射流に誘引させ随伴状態で地盤に注入するので、気液混
合グラウトの地上への漏出を遮断するとともに、所定範
囲を無駄なく注入することが出来る。
【0031】なお、弾性環状体21cの下端部は凹窩外
周面と下部管20に突出された環状突出部20aで挟着
するため、圧縮空気は第3の環状凹窩21と弾性環状体
21cの隙間部分では上方向のみに吐出されるようにな
っている。吐出部2の外管流路14と上段吐出部17の
外管流路25と連通した上側吐出部4と上段吐出部17
より圧縮空気とグラウト材を用い合流混合させた気液混
合グラウトを噴射し、同気液混合グラウト中の気体によ
り多重エアーバリアーを形成する事もできる。(請求項
5)。また、前記夫々の細孔21aには、取替自在な筒
状中空ノズル21bを着脱自在にネジ接続出来る。ノズ
ル径は吐出部2の上側吐出部4と上段吐出部17とのバ
ランスを考慮して、圧縮空気または気液混合グラウトの
圧力及び流量を自由に設定出来る。(請求項9)このよ
うに所定量の1ステップ当たりの注入が完了したら、ス
テップアップまたはステップダウンし次のステップの注
入を行うが、本発明ではステップアップ方式が望まし
い。また、ステップ間隔は、10cm間隔以上100c
m間隔までの範囲内で、1/4m(25cm)間隔とす
ることが望ましい。以上の注入操作を繰り返し、1孔当
たりの注入が終了する。
【0032】次に本発明の作用を更に詳細に説明する。
通常、砂質土地盤にはグラウト材として緩結性の溶液型
グラウトが一般的に用いられることが多いが、最近で
は、前述の通り超微粒子懸濁液グラウトが恒久性グラウ
トとして用いられるようになった。しかし、両者の浸透
形態には大きな違いがあり、前者の緩結性の溶液グラウ
トでは、グラウトの注入圧力により地盤内の間隙水を押
出し、土粒子の組成構造を変えることなく、土粒子間隙
に存在する間隙水とグラウトを置換していくもので、グ
ラウト及びグラウト水自体が土粒子を包み込んでゲル化
し固結域を形成するものであるが、後者の超微粒子懸濁
液グラウトは、不溶解性の微粒子とグラウト水よりな
り、前者との違いは、グラウト微粒子はグラウト水に浮
遊した状態で土粒子間隙に運ばれ、微粒子自体が水和反
応により固結するもの、また、グラウト水に含まれる刺
激剤により固結するものなどがあり、特に超微粒子セメ
ント系ではグラウト水自体が土粒子を包み込んで固結す
るものでない。従って、超微粒子懸濁液グラウトを土粒
子間隙に浸透注入させる場合、その浸透性を阻害する要
因として、グラウト自体の注入圧力で間隙水を押出す時
の抵抗のほか、土粒子間隙を通過する際のグラウト中の
微粒子と土粒子の接触面に生じる抵抗力や、図4に示す
ようにグラウトが土粒子間の大小様々な間隙を通過する
際に、流速の減少によって沈殿・凝集が生じ、目詰り状
態が形成される。この現象は、太い注入ホースでセメン
ト液を長時間、低吐出量で注入した時にホース内にセメ
ント粒子が沈殿し、やがて閉塞する場合と似ている。
【0033】また、図5に示すように1つの吐出ノズル
などから点として注入した場合などで、グラウトの濃度
が高い場合には、吐出ノズル付近にグラウト粒子による
濾過現象(グラウト粒子の浸透速度が水の浸透速度より
も遅くなり、グラウトの濃度が高くなる現象をいう。)
が生じ、一時的に間隙水圧の上昇や目詰まり状態が形成
され、改良径も小さくなるなどの傾向が見られる。
【0034】よって本発明では、グラウト材と圧縮空気
を管内で混合させた気液混合グラウトを下側吐出口より
噴射すると同時に上側吐出口より圧縮空気を噴射し、ま
たは下側吐出口よりグラウト材、上側吐出口より圧縮空
気を噴射し、管外で合流混合させた気液混合グラウトを
地盤に対し水平方向、周方向では点注入することなく面
状に全方位に亘って噴射し、地盤の噴射面積を広めて土
粒子間隙に均等に浸入させ、圧縮空気の噴射流でグラウ
トの流速を速めることにより、グラウト中の微粒子の沈
殿・凝集を抑制し、且つ濾過現象を防止することにな
る。
【0035】図6は圧縮空気の噴射流でグラウトの流速
を速め、グラウト中の微粒子とグラウト水を噴射流によ
り押出しながら浸透範囲を拡大してゆく状態を模式的に
示したものであるが、 吐出口付近では微粒子の濾過現象が生じ易くグラウ
トの濃度も高いが、 圧縮空気の噴射流でグラウトの微粒子、グラウト水
の流速が速められ間隙水を押し出している。 圧縮空気に押出されてグラウト粒子が浸入してい
る。
【0036】以上の現象が外周部に向かって繰り返し行
われ、グラウトのエネルギーが消滅したところで浸透は
停止する。従って、従来の注入方法より圧縮空気を用い
ることにより格段に浸透性を向上させることが可能とな
った。
【0037】なお、本発明にいう超微粒子懸濁液グラウ
トとして、超微粒子スラグ系、超微粒子系シリカ系グラ
ウト、超微粒子セメント系、更に超硬粉砕ボールなどを
用いた湿式粉砕機で粉砕した超微粒懸濁型地盤改良薬
液、その他の超微粒子系グラウトを用いることができ
る。更に必要ならば、無機系、有機系の瞬結性または緩
結性溶液型グラウトを用いる事も可能である。
【0038】次に上噴対策について本発明の作用を説明
する。注入管を所定位置まで削孔する場合、ほとんどの
注入工法は削孔水を使用するのが一般的で、削孔水をス
ライム排出手段として使用するため、特に緩い砂質土な
どでは注入管周囲の地盤に空隙が形成され注入材の上噴
が生じその対策が大きな課題となっている。
【0039】特に圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウトを
用いた気液混合グラウトで注入する場合、注入管廻りの
空隙に沿って上部に逃げ地表面に噴出したり、既設構造
物との境界面、地盤中の水みち、空隙などから漏出した
りすることが懸念され、その上噴対策が最も重要とな
る。本発明では、掘削刃を有する掘削部材を接続した注
入部材で、液または圧縮空気を使用して、所定深度まで
注入管設置機により回転削孔した場合や注入ステップ時
の注入管の移動では、注入部材外周に形成される空隙に
沿って圧縮空気やグラウトが地表面に漏出する場合が考
えられるが、これらを防止するため、注入部材周囲に砂
の充填を行ったり、またはシールグラウトを行うことも
ある。
【0040】更に図7に示すように注入時において、前
記下側吐出部5より気液混合グラウトが地盤中に浸透注
入され、そのグラウトの一部が、注入管周囲に形成され
た空隙に沿って上噴する場合があるが、上側吐出部4よ
り圧縮空気または気液混合グラウト中の気体を地盤に対
し水平方向、周方向では面状に全方位で噴射させること
によりエアーバリアー51が形成され、下部から漏出す
る気液混合グラウト52を、圧縮空気の噴射流に誘引さ
せ随伴状態で地盤に注入するので、気液混合グラウト5
2の地上への漏出を遮断するとともに、所定範囲を無駄
なく注入することが出来る。
【0041】また、図8に示すように、吐出部2の下側
吐出部5よりグラウトまたは気液混合グラウトが地盤中
に浸透注入され、そのグラウトの一部が、注入管周囲に
形成された空隙に沿って上噴する場合があるが、吐出部
2の上側吐出部4と上段吐出部17の吐出部より圧縮空
気または気液混合グラウト中の気体を地盤に対し水平方
向、周方向では面状に全方位で噴射させることにより、
上側吐出部4より噴射し形成されたエアーバリアーとと
もに多重エアーバリアー53が形成され、下部から漏出
する気液混合グラウト52を、圧縮空気の噴射流に誘引
させ随伴状態で地盤に注入するので、気液混合グラウト
の地上への漏出を遮断するとともに、所定範囲を無駄な
く注入することが出来る。
【0042】更に本発明では、既注入固化地盤、あるい
は洪積砂質土、砂礫土などの硬質地盤の削孔及び注入に
おいて、所定深度までロータリパーカッションドリル機
によりケーシングパイプを回転または打撃・回転削孔し
た後、ケーシングパイプ内に注入部材が接続された二重
管ロッドを継ぎ足しながら遊挿し、ケーシングパイプを
引き抜きながらまたは引き抜いた後、削孔部内の注入部
材とそれに継接された二重管ロッド周囲に砂を充填し、
同注入部材と充填砂を密着させ、無水状態で削孔した時
と同様な状態を形成することにより注入部材周囲から圧
縮空気とグラウト材からなる気液混合グラウトの上噴防
止を図ることも出来る。
【0043】また、別の方法として、前記硬質地盤の所
定深度までケーシングパイプで削孔した後、充填砂で穴
埋めした所を再び注入部材が接続された二重管ロッドに
より液または圧縮空気を用い削孔し、注入部材と充填砂
とを密着させ、充填砂内に注入部材が貫入された状態で
注入を行うため、注入部材周囲からのグラウト材の漏出
はなくなり、前記エアーバリアー形成による相乗効果に
よりグラウト材の地上への上噴防止を図ることも出来
る。
【0044】また、軟弱な埋立地や、一旦工事などで掘
り返し埋戻した場所では、地盤に拘束力がないので、図
3に示すように口元管28を設置し、圧縮空気やグラウ
トの漏出を防止するが、その方法として、地上部から比
較的浅い深度の表層部または非液状化層までコアーチュ
ーブ等で有水削孔した後、その孔に口元管28を挿入し
たら、口元管周囲の空隙にシールグラウトし、口元管2
8と地盤とを一体化し、必要ならば口元管上端に市販品
のメカニカルパッカーを装着することも可能である。
【0045】このように本発明では、圧縮空気、気液混
合グラウトの地上への漏出防止を目的として、エアーバ
リアーまたは多重エアーバリアーの形成、更にケーシン
グパイプを用いて注入部材周囲に砂を充填することによ
り注入部材と地盤との密着化、シールグラウトの実施、
更に必要ならば口元管の設置など多くの上噴防止対策を
実施することにより所定改良範囲を確実に注入すること
になる。
【0046】次に注入装置に関するもので、吐出部を形
成する環状凹窩部分とゴムなどの弾性環状体の作用で
は、環状凹窩部分の上部外周面にゴムなどの弾性環状体
を先端側から挿抜自在に嵌着するが、嵌着前の弾性環状
体の内径寸法より環状凹窩部分の外径寸法が若干大きい
ので径方向に拡膨した状態で嵌着するため、環状凹窩部
外周面は密着状態となり、また、好ましくは外管の外周
面より突出しないように嵌着することで削孔時において
地盤との摩擦などにより弾性環状体の破損を防止するこ
とが可能である。
【0047】次に弾性環状体の弾性作用による圧力につ
いては、グラウト材を送給装置より送液すると弾性環状
体の弾性作用により2.0kg/cm程度の初期圧力
が生じる。また、圧縮空気を用い気液混合グラウトとし
た場合、前記初期圧力に送気圧力が加算される。従っ
て、グラウト材または気液混合グラウトに運動エネルギ
ーが付加され、地盤に対して水平方向、周方向では面状
に指向性をもって噴射される。ここで弾性環状体の弾性
作用を一般的な現象で説明すると、庭の樹木に水道ホー
スで散水する場合、ホース先端を絞らないと狭い範囲し
か散水出来ないばかりか地盤に水が浸透せず、水溜まり
が出来るが、図11のように、親指と人差指で先端を上
下に軽く絞ると水は横に広がりを持ち遠くまで広い範囲
に散水することが出来る。先端を絞ることにより水の圧
力が高められ、水平方向に押しつぶされたホースの形状
に従い水に指向性が付与され放射状に放出されるのであ
る。
【0048】上記の作用のうち、先端を上下に軽く絞
り、水平方向に押しつぶされたホースの形状、これが弾
性環状体上端と環状凹窩部分の吐出口部分にあたり周方
向に90度間隔4個の細孔より吐出されるので切れ目な
く面状に全方位で地盤に噴射され、地盤の噴射面積を広
めて土粒子間隙に均等に浸入させる作用を有する。
【0049】所定の注入終了時または二重管ロッドの切
断、接続時には送気装置及びグラウト送給装置を一時停
止すると、既注入地盤に残留した圧力状態の気液混合グ
ラウトが注入管内へ逆流する惧れがあるが、両装置を停
止した場合、管内圧力は0となり、従って弾性環状体は
収縮し環状凹窩部外周面に密着状態となるため、逆止弁
の作用が生じ、注入管内にグラウトや圧縮空気が逆流し
閉塞することはない。また、2つの吐出口は2つの流路
と1:1で対応しているので完全に独立を保っている。
なお、管内圧力は0の場合、弾性環状体は収縮し環状凹
窩部外周面に密着状態となるが、この時の弾性圧力は、
2.0kg/cm程度であり、ゴムの硬度、または弾
性環状体の内径寸法を変更することにより圧力が変えら
れる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、圧縮空
気と超微粒子懸濁液グラウトの気液混合グラウトを用い
た注入固化方法及びその注入装置により地盤内への浸透
性を大幅に向上させ、改良径を大きくするとともに、恒
久性、高強度の固結体が形成されることで地盤の液状化
抵抗を増大させ、過剰間隙水圧の発生を抑制し液状化防
止はもとより地盤流動化防止、基礎地盤の耐震補強等な
どが有効となりその優れた効果を有する。
【0051】本発明に用いる注入設備は、従来の設備が
そのまま使用でき、小型で且つ機動性に富むため、既設
構造物基礎地盤の耐震補強で施工スペースのない狭い場
所での施工にも対応でき、斜注入、水平注入が可能とな
る。なお、本発明では、仮設工事など一般的な注入工事
にも充分対応できるため、その適用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る注入固化装置の一実施例を示し請
求項1または2の注入方法、並びに請求項7の注入部材
先端装置で(1)は削孔時、(2)は注入時の縦断面図
である。
【図2】本発明の他の実施例を示し、請求項3または8
の注入部材先端装置の縦断面図である。
【図3】本発明の注入実施態様示す全体図である。
【図4】グラウトが土粒子間の大小様々な間隙を通過す
る際に、流速の減少によって生じるグラウト粒子の沈殿
物の状態を示すものである。
【図5】圧縮空気を用いない一般的な注入方法で懸濁液
グラウトを吐出ノズルより点状に注入した場合の吐出ノ
ズル付近に生ずるグラウトの濾過現象を示すものであ
る。
【図6】圧縮空気の噴射流でグラウトの流速を速め、グ
ラウト中の微粒子とグラウト水を噴射流により押出しな
がら浸透範囲を拡大していく状態を模式的に示したもの
である。
【図7】請求項1または2の発明におけるエアーバリア
ーなど概要説明の縦断面図である。
【図8】請求項3の発明における多重エアーバリアーな
ど概要説明の縦断面図である。
【図9】上側吐出部における弾性環状体の下端部を突出
部により挟着し上端部より噴射する装置の例を示す縦断
面図である。
【図10】下側吐出部における弾性環状体の上端部を突
出部により挟着し下端部より噴射する装置の例を示す縦
断面図である。
【図11】弾性環状体と環状凹窩部分の間隙より噴射す
る状態を概念的に説明した図である。
【符号の説明】
1 注入部材 2 吐出部 3 掘削部材 3a 掘削刃 3b 掘削部材の弁座 3c 弁体 3d 弁棒 3e スプリング 3f 案内管 3g スプリング固定用ネジ 3h 弁体と弁座の隙間 3i 噴出口 4 吐出部の上側吐出部 5 吐出部の下側吐出部 6 上部管 6a 上部管の環状突出部 7 中部管 7a 中部管の上側外周螺糸部 7b 中部管の下側外周螺糸部 7c 中部管の段部 7d 中部管の内周螺糸部 7e 中部管の環状突出部 8 下部管 8a 下部管の環状突出部 8b 管体下端部 9 第1の環状凹窩 9a 第1の環状凹窩の細孔 9b 筒状ノズル 9c 第1の環状凹窩に嵌着する弾性環状体 10 第2の環状凹窩 10a 第2の環状凹窩の細孔 10b 筒状ノズル 10c 第2の環状凹窩に嵌着する弾性環状体 11 外管 12 移動しない内管 12a 移動可能な内管 12b 移動可能な内管内周部に設けられた弁座 12c オイルシール 12d 下落防止ピン 13 移動しない内管の内管流路 13a 移動可能な内管の内管流路 13b スチールボール 13c 管体下端部の流路 14 外管流路 15 注入部材1を継接した注入部材 16 接続管 16a 接続管の外管 16b 接続管の内管 16c 接続管の内管流路 16d 接続管の外管流路 17 上段吐出部 18 上段吐出部の外管 19 上段吐出部の上部管 19a 上部管の外周螺糸部 20 上段吐出部の下部管 20a 下部管の環状突出部 21 第3の環状凹窩 21a 第3の環状凹窩の細孔 21b 筒状ノズル 21c 第3の環状凹窩に嵌着する弾性環状体 22 内管の案内管 22a 案内管固定用ネジ 23 上段吐出部の内管 24 上段吐出部の内管流路 25 上段吐出部の外管流路 26 注入部材 27 二重管ロッド 28 口元管 29 注入管設置機 30 二重管スイベル 31 内管用注入ホース 32 外管用注入ホース 33 流路切替機 34 流量計 35 グラウト送給装置 36 グラウトミキサー装置 37 第1系統のエアーホース 38 第1系統の風量計 39 第1系統の圧力計付きレギュレータ 40 第1系統送気口 41 送気装置 42 第2系統のエアーホース 43 第2系統の風量計 44 第2系統の圧力計付きレギュレータ 45 第2系統送気口 46 被改良地盤 51 エアーバリアー 52 気液混合グラウト 53 多重エアーバリアー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 弘 千葉県佐倉市山王2−8−10 (72)発明者 杉本 光 千葉県船橋市新高根4−10−18 (72)発明者 高田 征士 千葉県船橋市前原西1−3−25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が軸方向に移動可能で、
    かつ、内部に内管流路を有する内管と、それをとり囲
    み、かつ前記内管との間に外管流路を形成するように設
    けられた外管とからなる掘削兼グラウト注入部材によ
    り、圧縮空気または/及び水を用い、所定深度まで掘削
    し、注入する方法において、前記注入部材の前記外管に
    は、下側吐出部と上側吐出部により構成された2つの吐
    出部が軸方向に適宣間隔で配設され、前記2つの吐出部
    にはそれぞれ環状凹窩を有し、該環状凹窩にはそれぞれ
    周方向に亘り、等配分に複数の細孔が穿設され、前記環
    状凹窩部分にそれぞれ弾性環状体で覆い、前記下側吐出
    部では、前記弾性環状体の上下いずれか一方の端部を前
    記環状凹窩外周面の外管に突設された環状突出部により
    挟着するとともに、前記上側吐出部では、前記弾性環状
    体の上下いずれか一方の端部を前記環状凹窩外周面の外
    管に突設された環状突出部により挟着してなる注入部材
    を用い、掘削時には前記注入部材の内外2つの流路のう
    ち、いずれか一方または両方の流路に圧縮空気または水
    を送り、いずれの場合も下方では内管流路に流入し、注
    入部材の先端より噴出させて被改良地盤内の所定深度ま
    で削孔した後、注入時には内管流路が管体下端部に連通
    している場合には、該内管流路を閉塞し、内管流路が閉
    じられているときにはそのまま内管流路に液または圧縮
    空気を圧入し、この液圧または空気圧により下側内管を
    下落させ、管体下端部に通ずる流路を閉塞するとともに
    前記下側吐出部に設けられた前記各細孔と内管流路とを
    連通し、上側吐出部では外管流路と連通させ、そのま
    ま、又は掘削孔と注入部材との間にシールグラウトある
    いは砂の充填を行った後、内管流路に圧縮空気とグラウ
    トを圧入し、それらを管内で混合し、混合された気液混
    合グラウトを前記下側吐出部より噴射し、同気液混合グ
    ラウトの噴射圧力で土粒子間隙に浸入させながら徐々に
    地盤改良径を大きくする一方、前記上側吐出部より圧縮
    空気を噴射し、前記注入部材周囲の隙間より漏出する前
    記気液混合グラウトを、同圧縮空気の噴射流に誘引させ
    随伴状態で地盤中に注入させることにより、地上へのグ
    ラウトの漏出を遮断するエアーバリアーを形成し、外周
    地盤の所定範囲を改良することを特徴とする注入固化方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の注入部材の内管流路に
    連通した下側吐出部より圧縮空気を用いることなく、グ
    ラウトを噴射すると同時に上側吐出部より圧縮空気を噴
    射し、管外で同圧縮空気と前記グラウトを合流混合させ
    た気液混合グラウトを同気液混合グラウトの噴射圧力で
    土粒子間隙に浸入させながら徐々に改良径を大きくする
    一方、前記注入部材周囲の隙間より漏出する前記グラウ
    トを、前記圧縮空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤
    中に注入させることにより、地上へのグラウトの漏出を
    遮断するエアーバリアーを形成し、外周地盤の所定範囲
    を改良する請求項1に記載の注入固化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の注入部材の基
    端部にそのまま、又は接続管を介して軸方向に適宣間隔
    をおいて上段吐出部が形成され、前記上段吐出部の外管
    には環状凹窩を有し、該環状凹窩には軸線に対し水平方
    向に指向して延びる細孔が穿設され、この細孔は内外2
    流路のうち外管流路と連通し、前記環状凹窩部分に弾性
    環状体を嵌着するとともに前記弾性環状体の下端部を前
    記凹窩外周面と外管に突出された環状突出部で挟着して
    なる注入部材を用い、前記注入部材周囲の隙間より漏出
    する前記気液混合グラウトまたはグラウトを、前記上段
    吐出部より噴射された圧縮空気の噴射流に誘引させ随伴
    状態で地盤中に注入させることにより、地上へのグラウ
    トの漏出を遮断する多重エアーバリアーを形成すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の注入固化方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも上側吐出部より気液混合グラ
    ウトを吐出することにより、該気液混合グラウト中の気
    体が、エアーバリアーを形成するようにした請求項1ま
    たは2に記載の注入固化方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも上側吐出部および上段吐出部
    のいずれからも気液混合グラウトを吐出することによ
    り、これら気液混合グラウト中の気体がエアーバリアー
    を形成するようにした請求項1乃至3のいずれかに記載
    の注入固化方法。
  6. 【請求項6】 前記グラウトは、超微粒子懸濁液グラウ
    トからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の注入固化方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも一部が軸方向に移動可能で、
    かつ、内部に内管流路を有する内管とそれをとり囲み、
    かつ、前記内管との間に外管流路を形成するように設け
    られた外管とからなる掘削兼グラウト注入部材により圧
    縮空気または/及び水を用い、所定深度まで掘削し、注
    入する装置において、前記注入部材の前記外管には、下
    側吐出部と上側吐出部により構成された2つの吐出部が
    軸方向に適宣間隔で配設され、前記2つの吐出部はそれ
    ぞれ環状凹窩を有し、該環状凹窩にはそれぞれ周方向等
    配分に複数の細孔が穿設され、前記環状凹窩部分にそれ
    ぞれ弾性環状体で覆い、前記下側吐出部では、前記弾性
    環状体の上下いずれか一方の端部を前記環状凹窩外周面
    の外管に突設された環状突出部により挟着するととも
    に、前記上側吐出部では、前記弾性環状体の上下いずれ
    か一方の端部を前記環状凹窩外周面の外管に突設された
    環状突出部により挟着し、掘削時には、前記外管の内周
    壁に、移動しない上側内管とその下側に移動可能な内管
    が下側吐出部の各細孔を閉塞するように配設され、管体
    下端部に通ずる流路を形成し、注入時には管体下端部に
    通ずる流路を閉塞栓で閉塞した後、内管流路に液または
    圧縮空気を圧入し、この液圧または空気圧により下側内
    管を下落させ、前記下側吐出部に設けられた前記各細孔
    と内管流路とを連通し、前記上側吐出部では外管流路と
    連通するようにした注入部材を用いてなることを特徴と
    する掘削兼注入装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の注入部材の基端部にその
    まま、又は接続管を介して軸方向に適宣間隔をおいて上
    段吐出部が形成され、前記上段吐出部の外管には環状凹
    窩を有し、該環状凹窩には軸線に対し水平方向に指向し
    て延びる細孔が穿設され、この細孔は内外2流路のうち
    外管流路と連通しており、前記環状凹窩部分に弾性環状
    体を嵌着するとともに前記弾性環状体の下端部が前記凹
    窩外周面と外管に突出された環状突出部で挟着してなる
    注入部材を用いてなることを特徴とする請求項7に記載
    の注入装置。
  9. 【請求項9】 前記下側吐出部、上側吐出部または前記
    上段吐出部における前記外管の環状凹窩部分には、周方
    向等配に複数の細孔を有し、該細孔にノズル口径が選択
    または取替自在な筒状中空ノズルを着脱自在にとりつけ
    られるようにした請求項7または8に記載の注入装置。
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