JP2012193544A - 地盤改良体造成装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】攪拌翼による改良材の跳ね返りに起因する改良材のロス量を低減しながら、造成されるべき形状および寸法の地盤改良範囲に均一かつ十分な改良材が提供されて高品質な地盤改良体を造成することのできる地盤改良体造成装置を提供すること。
【解決手段】ケーシング1と、その先端から出入り自在でかつ回転自在なロッド2と、ロッド2の先端に回動自在に配設された少なくとも2つの攪拌翼3,3であって、閉じた姿勢と開いた姿勢とからなる姿勢変更自在な攪拌翼とを少なくとも備え、ケーシング1とロッド2の間に画成された流路F1に流体が流通するようになっている地盤改良体造成装置10において、ケーシング1の先端はその内側から外周側に向かって先鋭に形成された先鋭端1aとなっており、ロッド2の先端から離れた位置の外周に環状体4が配設され、該環状体4によって流路F1の断面が絞られている。
【選択図】図2

Description

本発明は、地盤内に地盤改良体を造成する地盤改良体造成装置に関するものである。
軟弱な地盤や、所望する強度を具備しない地盤に対しておこなわれる地盤改良工法は多岐に亘る。その一つの方法として、ケーシングと、ケーシング内でスライドするインナーロッドとその先端に装着された攪拌翼(攪拌ビット)からなる装置を使用し、ケーシングとインナーロッドの間のクリアランス(流路)を介して水を噴射して地盤をほぐし、ケーシングを地盤内に圧入した後に、攪拌翼を広げてロッドを回転させ、地盤を攪拌翼で攪拌しながら、セメントミルクを主成分とする改良材や改良材の硬化を促進する反応材などを噴射して攪拌し、所望径の地盤改良体(地盤改良杭)を造成する地盤改良工法は一般に用いられており、セメント系深層混合処理工法(CDM工法)やコラムジェットグラウト工法(CJG工法)などがその一例である。なお、上記する構成の拡大掘削装置とこの装置を用いた地盤改良工法に関する技術が特許文献1に開示されている。
たとえば、既存建物Bの直下に地盤改良杭を造成する方法を図9〜11を参照して説明する。なお、図10bは図10aにおけるb−b矢視図、図10cは図10aにおけるc部の拡大図であり、図11bは図11aにおけるb−b矢視図、図11cは図11aにおけるc部の拡大図である。
図9で示すように、既存建物Bの平面規模が大きな場合はとくに、この既存建物Bの直下を精度よく地盤改良するのが容易でない。そこで、図9、図10で示すように、スイベルが装備された削孔機Mを使用し、このスイベルの内部でケーシングやロッドを順次連結しながら既存建物Bの直下の被改良地盤層までその先端に先鋭のテーパー面を有するリング体C’を装着したケーシングCとロッドRを前進させ、これらが前進する過程でケーシングCとロッドRの間の流路を介して水(図10中のX1方向)を地盤に噴射して地盤をほぐし、ケーシングCを地盤内に圧入しながら該ケーシングCとロッドRを被改良地盤層に到達させる。次いで、図11で示すように、ロッドRをケーシングCの先端から張り出させ、ロッドRの先端に回動自在に設けられた攪拌翼W、Wを広げて回転させ(図11中のX2方向)、改良材を噴射して地盤とともに攪拌することにより、既存建物Bの直下に水平に延びる地盤改良体Pを造成するものである。なお、複数の水平方向の地盤改良体Pを接するように造成し、もしくは一定間隔を置いて併設するように造成することにより、既存建物Bの平面規模に関わらず、その直下の所望する軟弱地盤等を精度よく地盤改良補強することが可能となる。
しかしながら、この地盤改良工法においては、図11a,図11cで示すように、回転する攪拌翼Wに噴射された改良材が跳ね返ってしまい(X3方向)、攪拌翼Wの前方に十分な量の改良材を噴射し難いという課題があり、この改良材の跳ね返りによって改良材の戻り量が多くなってしまい、これが改良材のロス量増大に繋がってしまう。
また、図示する従来の装置では、流量調整によって改良材を噴射しているものの、実際には攪拌翼前方に勢いよく改良材を噴射できておらず、結果として所望範囲(開いた状態の攪拌翼の回転によってできる円形面積と改良材を提供して装置を移動させる長さ範囲からなる体積範囲)の改良体の全体に改良材が均一かつ十分に行き渡らず、強度のばらつきが大きく、所望する形状を満たさない地盤改良体が造成され易いといった課題もある。
特開2000−64759号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を噴射して地盤改良体を造成する際に改良材と攪拌翼の干渉を低減しながら地盤内に勢いよく改良材を噴射することができ、もって、攪拌翼による改良材の跳ね返りに起因する改良材のロス量を低減しながら、造成されるべき形状および寸法の地盤改良範囲に均一かつ十分な改良材が提供されて高品質な地盤改良体を造成することのできる地盤改良体造成装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による地盤改良体造成装置は、ケーシングと、前記ケーシング内をスライドして該ケーシングの先端から出入り自在でかつ回転自在なロッドと、前記ロッドの先端に回動自在に配設された少なくとも2つの攪拌翼であって、前記ケーシング内においてロッドの軸方向に向いて閉じた姿勢と、前記ケーシングの先端から出てロッドの軸方向に直交する方向に向いて開いた姿勢と、からなる姿勢変更自在な攪拌翼と、を少なくとも備え、ケーシングとロッドの間に画成された流路に流体が流通するようになっている地盤改良体造成装置において、前記ケーシングの前記先端はその内側から外周側に向かって先鋭に形成された先鋭端となっており、前記ロッドの前記先端から離れた位置の外周に環状体が配設され、該環状体によって前記流路の断面が絞られているものである。
本発明の地盤改良体造成装置は、ケーシング内をスライドしてその先端に回動自在な少なくとも2つの攪拌翼を装備したロッドの外周において、ロッドとケーシングの間に画成された流路の断面を絞る環状体を備えたこと、および、ケーシングの先端がその内側から外周側に向かって先鋭に形成された先鋭端となっていること、に特徴を有するものであり、これらの構成により、改良材の吐出方向を地盤内前方で傾斜した方向に制御することができ、もって攪拌翼と地盤内に噴射された改良材の干渉を効果的に抑制することを可能としたものである。
本発明の装置の用途としては、液状化対策や耐震補強対策、沈下対策などを目的として被改良地盤内に地盤改良体(地盤改良杭)を造成して地盤改良をおこなう場合のほかにも、アースアンカー工法におけるアンカー定着部を地盤改良体で造成する場合などにも適用できる。
地盤改良体造成装置の装置構成は、ケーシングと、攪拌翼を具備して該ケーシング内をスライドする回転自在なロッドのほか、ケーシングやロッドを前進させるスイベル等を備えた掘削機、水を収容して当該流路に提供するタンク、セメントミルクや硬化促進剤などの改良材を収容して当該流路に提供するタンクなどから構成されるものである。そして、ロッド先端には、少なくとも2以上の攪拌翼(2つの攪拌翼、3以上の攪拌翼)が回動自在に装着されており、この攪拌翼の側面には適宜の鋸歯を形成しておくこともできる。
この装置を適用して地盤改良体を造成する場合には、地盤に水を噴射してほぐしながら地盤内にケーシングを圧入していくステップと、次いで、攪拌翼で地盤を攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップの2つの大きなステップがある。
地盤内にケーシングを圧入していくステップでは、ケーシング内においてロッドの軸方向にたとえば2つの攪拌翼を向かせて双方を閉じた姿勢とし、流路内を流れた水が地盤に提供されて地盤をほぐし、ケーシングの圧入促進を図る。
一方、地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップでは、ケーシングの先端からロッドを地盤内へ張り出させ、たとえば2つの攪拌翼をロッドの軸方向に直交する方向に回動させて開いた姿勢とし、ロッドの回転に同期して開いた姿勢の2つの攪拌翼を回転させながら、流路内を改良材が流れて環状体を通過する過程でその地盤内への吐出方向がロッドの軸方向から傾斜した方向に変化されて地盤に提供され、回転する攪拌翼で地盤と攪拌混合されることによって地盤改良体が造成される。
改良材の吐出方向を変化させるための構成として、ケーシングの先端は、その内側から外周側に向かって先鋭に形成された先鋭端を有している(ケーシング先端の外周側が先鋭となる)。なお、ここでいう「先鋭端」とは、ケーシング自体の肉厚部に先鋭端が形成されている実施の形態や、ケーシングの先端に装備された金属製のリング体に先鋭端が形成されている実施の形態などを含むものである。
そして、地盤改良体を造成するステップでは、環状体の後方端とケーシング先端の先鋭端の後方が位置決めされ、環状体とケーシングの間の断面が絞られた流路を介して高圧の改良材が地盤内に提供されるようになっており、このことにより、改良材をケーシングの軸方向に向かう直進流で地盤内に提供するのではなく、ケーシングの先端の先鋭端の勾配に沿ってケーシングの軸方向に対してたとえば角度θ傾斜した方向に改良材を噴射することができる。なお、この地盤改良体を造成するステップにおける環状体の後方端とケーシングの先鋭端の後方の位置決め方法としては、ケーシングに対してロッドが相対的にスライドして当該位置決めされるべき位置でロッドのスライドが停止するように、ケーシングとロッドの双方に係合部を設けておくなどすればよい。また、別の位置決め方法として、ロッドの後方に所望長さのエキステンションロッドを取り付けてケーシングに対して長さが延長されたロッドを相対的にスライドさせることにより、当該位置決めされるべき位置でロッドを停止させる形態などであってもよい。
ケーシング先端から角度θで広がるように改良材が地盤内に噴射されることにより、勢いよく改良材を地盤内に提供して前方で回転する攪拌翼との干渉も低減することができ(したがって、改良材の戻り量およびロス量が低減する)、しかも、地盤内の改良範囲に改良材を十分に行き渡らせることができ、もって所望形状および寸法で強度ばらつきの少ない地盤改良体を造成することができる。
このケーシング先端の先鋭端の形状は、縦断面的に見て、ケーシングの外周側に向かう直線テーパー状を成す断面形状や、ケーシングの外周側に湾曲状に開いた断面形状などを適用できる。
また、前記環状体の他の実施の形態として、該環状体に流体を流通させる1以上のスリットが設けてある実施の形態であってもよい。
環状体が1つもしくは2つのスリットを具備することで、セメントミルク等の改良材が環状体で絞られた流路付近で詰まるといった危険性を低減することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の地盤改良体造成装置によれば、ケーシング内をスライドしてその先端に回動自在な少なくとも2つの攪拌翼を装備したロッドの外周において、ロッドとケーシングの間に画成された流路の断面を絞る環状体を備えたこと、および、ケーシングの先端がその内側から外周側に向かって先鋭に形成された先鋭端となっていること、により、攪拌翼を広げて改良材と地盤を攪拌混合しながら地盤改良体を造成する際に、環状体の後方端とケーシング先端の先鋭端の後方が位置決めされ、環状体とケーシングの間の断面が絞られた流路を介して改良材が広範囲に提供されることから、回転する攪拌翼による改良材の戻り量およびこれに起因するロス量を低減でき、地盤内の改良範囲に改良材を十分に行き渡らせることができ、もって所望形状および寸法で強度ばらつきの少ない地盤改良体を造成することができる。
本発明の地盤改良体造成装置の一実施の形態を適用した改良施工において、地盤をほぐしてケーシングを圧入するステップを説明した模式図であり、(a)は側面図を、(b)は(a)のb−b矢視図を、(c)は(a)のc部の拡大図をそれぞれ示した図である。 図1で示す地盤改良体造成装置を適用した改良施工において、地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップを説明した模式図であり、(a)は側面図を、(b)は(a)のb−b矢視図を、(c)は(a)のc部の拡大図をそれぞれ示した図である。 本発明の地盤改良体造成装置の他の実施の形態を適用した改良施工において、地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップを説明した模式図であり、(a)は側面図を、(b)は(a)のb方向矢視図を、(c)は(a)のc部の拡大図をそれぞれ示した図である。 (a),(b),(c)の順に、地盤改良施工の施工フローを示した図である。 図4に続いて、(a),(b),(c)の順に、地盤改良施工の施工フローを示した図である。 図5に続いて、(a),(b),(c)の順に、地盤改良施工の施工フローを示した図である。 (a)は、地盤改良体造成装置の実機において、2つの攪拌翼が閉じた姿勢でケーシング内に収容されている状態を示した写真図であり、(b)は、2つの攪拌翼がケーシングから張り出して開いた状態を示した写真図である。 (a)は、図7aの状態で水の直進流が噴射されている状態を示した写真図であり、(b)は、図7bの状態で水(改良材に代わって水を使用)が広範囲に広がりながら噴射されている状態を示した写真図である。 既存建物の直下における地盤改良方法の一実施の形態を説明する模式図である。 従来の地盤改良体造成装置の一実施の形態を適用した改良施工において、地盤をほぐしてケーシングを圧入するステップを説明した模式図であり、(a)は側面図を、(b)は(a)のb−b矢視図を、(c)は(a)のc部の拡大図をそれぞれ示した図である。 図10で示す地盤改良体造成装置を適用した改良施工において、地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップを説明した模式図であり、(a)は側面図を、(b)は(a)のb−b矢視図を、(c)は(a)のc部の拡大図をそれぞれ示した図である。
以下、図面を参照して本発明の地盤改良体造成装置とこの装置を適用した地盤改良方法を説明する。なお、図示する地盤改良体造成装置は、その構成要素であるロッド先端に回動自在な2つの攪拌翼を具備するものであるが、回動自在な3以上の攪拌翼を具備する装置であってもよい。
(地盤改良体造成装置の実施の形態1)
図1は本発明の地盤改良体造成装置の一実施の形態を適用した改良施工において、地盤をほぐしてケーシングを圧入するステップを説明した模式図であり、図1aは側面図を、図1bは図1aのb−b矢視図を、図1cは図1aのc部の拡大図をそれぞれ示した図であり、図2は図1で示す地盤改良体造成装置を適用した改良施工において、地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップを説明した模式図であり、図2aは側面図を、図2bは図2aのb−b矢視図を、図2cは図2aのc部の拡大図をそれぞれ示した図である。
本発明の地盤改良体造成装置10は、ケーシング1と、2つの攪拌翼3,3がその先端に回動自在に装着されてケーシング1内をスライドする回転自在なロッド2と、ケーシング1やロッド2を前進させるスイベル等を備えた不図示の掘削機と、水を収容して当該流路に水を提供する不図示のタンク、セメントミルクや硬化促進剤などの改良材を収容して当該流路に改良材を提供する不図示のタンクなどから大略構成される。
この地盤改良体造成装置10を適用して地盤改良体を造成する場合には、地盤に水を提供してほぐしながらケーシング1を圧入するステップと、次いで、地盤を攪拌翼3で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップの2つの大きなステップがある。
ロッド2のうち、攪拌翼3,3が装着された先端よりも後方位置の外周には環状体4が装着されており、ロッド2とケーシング1の間に画成された流路F1の断面をこの環状体4で絞ることにより(断面が絞られた流路F2)、ロッド2の先端側へ流通する流体の流速をここで高めることができるようになっている。
図1で示す地盤に水を提供してほぐしながらケーシング1を圧入するステップでは、ケーシング1内においてロッド2の軸方向に2つの攪拌翼3,3を向かせて双方を閉じた姿勢とし、図1a,cで示すように、水が流路F1を流れて地盤に提供され(X1方向)、この提供された水で地盤をほぐしてケーシング1の圧入促進を図ることができる。
一方、図2で示す地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップでは、ケーシング1に対してロッド2を相対的にスライドさせて該ケーシング1の先端からロッド2を地盤内へ張り出させ、次いで2つの攪拌翼3,3をロッド2の軸方向に直交する方向に回動させて開いた姿勢とする。
ここで、ケーシング1の先端には、図2a,cで示すように、その内側から外周側に向かって角度θのテーパー状に形成された先鋭端1aaを具備する金属製のリング体1aが装着されている。図示する先鋭端1aaは、角度θの直線テーパー状の形態であるが、これ以外にも、2以上の異なる角度θ1、θ2、…の複数のテーパー面を有して、先端に向かって角度が徐々に大きくなっているような先鋭端であってもよい。さらに、ケーシング1自体の先端に先鋭端が形成された実施の形態であってもよい。
さらに、ケーシング1に対して相対的にスライドするロッド2は、環状体4の後方端とケーシング1先端のリング体1aの先鋭端1aaの後方が図2cで示すように位置決めされた位置で停止し、ロッド2が図示位置で停止した後に攪拌翼3,3が回動して開いた姿勢を形成するようになっている。たとえば、ロッドの後方に所望長さのエクステンションロッドを取り付けてケーシングに対して長さが延長されたロッドを相対的にスライドさせることにより、当該位置決めされるべき位置でロッドを停止させることができる。
図2で示すケーシング1とロッド2の位置関係の下で、流路F1を流通する改良材が環状体4とリング体1aの先鋭端1aaの間の断面が絞られた流路F3を介してその流速が高められ、この改良材が地盤内に先鋭端1aaのテーパー角θ方向に広がるように噴射される(図2aのX4方向)。
ロッドの回転に同期して開いた姿勢の2つの攪拌翼3,3を回転させながら(図2のX2方向)、先鋭端1aaのテーパー角θ方向に広がるようにして改良材が地盤に噴射され、回転する攪拌翼3,3で地盤と攪拌混合されることによって地盤改良材が造成される。
ケーシング1の先端から角度θで広がるように改良材が地盤内に噴射されることにより、勢いよく改良材を地盤内に提供して前方で回転する攪拌翼3,3との干渉も低減することができ、改良材の戻り量とこれに起因するロス量を低減することができる。さらに、角度θで広がるように改良材が地盤内に噴射されることから、地盤内の改良範囲に改良材を十分に行き渡らせることができ、もって所望形状および寸法で強度ばらつきの少ない地盤改良体を造成することができる。
(地盤改良体造成装置の実施の形態2)
図3には、本発明の地盤改良体造成装置の他の実施の形態を示しており、この装置10Aを使用した改良施工において、地盤を攪拌翼で攪拌しながら改良材を提供して地盤改良体を造成するステップを説明した模式図として示している。
図1,2で示す装置10と相違する構成は、2つのスリット4a,4aを対角位置に有する環状体4Aがロッド2に装着されていることである。
図示する施工ステップにおいては、環状体4Aとケーシング1の先端の先鋭端1aの間に絞られた流路F3(たとえば流路幅が0.5mm程度)が形成されると同時に、スリット4aを介して改良材が地盤内へ提供されることから、このスリット4aを介して改良材をある程度流通させることができ、セメントミルク等の改良材が絞られた流路F3付近で詰まるといった危険性を低減することができる。
(地盤改良施工の施工フロー)
次に、図4,5,6を参照して、この順で上記で説明した地盤改良体造成装置10を使用して地盤改良施工をおこなう際の施工フローを概説する。
図4aには、クローラタイプのロータリーパーカッションドリル(掘削機5)を含む地盤改良体造成装置10を示している。まず、図4aで示すように、掘削機5を用いて、ケーシング1内にロッド2を配し、双方を被改良地盤層まで前進させ、これらが前進する過程でケーシング1とロッド2の間の流路を介して水を地盤に提供して(X1方向)地盤をほぐしながらケーシング1を圧入していき、該ケーシング1とロッド2を被改良地盤層に到達させる。なお、このステップでは、ケーシング1内においてロッド2の軸方向に2つの攪拌翼3,3が閉じた姿勢となっている。
次に、図4bで示すように、掘削機5を取り外し、ケーシング1の先端からロッド2を所定長だけスライドさせるためのエキステンションロッド2Aを掘削機5に取付け、さらにケーシング1を掘削機5に取り付けて、図4cで示すように、水を継続して地盤へ提供しながら、ロッド2をスライドさせてケーシング1の先端から前方へ張り出させる。
次に、ケーシング1の前方に張り出して閉じた姿勢の攪拌翼3,3に対して、図5aで示すようにロッド2の中空内を高圧状態とする(圧力Qをロッド先端に付与する)ことで2つの攪拌翼3,3を90度回動させて双方を開いた姿勢にする(Y1方向)。
そして、図5bで示すように、ロッド2の回転に同期して開いた姿勢の2つの攪拌翼3,3を回転させながら(X2方向)、ケーシング1先端のリング体1aの先鋭端1aaのテーパー角θ方向に広がるようにして水に代わって流路内に提供された改良材を地盤に噴射し(X4方向)、回転する攪拌翼3,3で地盤と攪拌混合しながらケーシング1とロッド2および攪拌翼3,3を前進させることによって地盤改良体P'を徐々に造成していく。最終的には、図5cで示すような所定断面積を有し、所定長さを有した地盤改良体Pが造成される。なお、この地盤改良体Pの造成過程においては、地盤とセメントミルクを混合攪拌することによって排土量を抑制することができる。
地盤改良体Pが造成されたら、図6aで示すように、ケーシング1とロッド2を後退させ、ケーシング内を洗浄した後に、ロッド2内の内圧を開放して攪拌翼3,3を図6bで示すようにフリーな状態とし、ロッド2のみを後退させて攪拌翼3,3を閉じた姿勢に戻してケーシング1内に収容させ、ケーシング1からロッド2を完全に引き抜いて地盤改良体Pの造成が終了する(図6c参照)。
図4〜6で示す施工フローを繰り返して、あるいは、複数の装置10を同時に適用して、複数の水平方向の地盤改良体Pを接するように造成し、もしくは一定間隔を置いて併設するように造成することにより、既存建物の平面規模に関わらず、その直下の所望する軟弱地盤等を精度よく地盤改良補強することが可能となる。
[地盤改良体造成装置の実機と、高圧流体の噴射状態を確認した実験]
本発明者等は、図1,2等で説明した地盤改良体造成装置の実機を製作し、ケーシング内で攪拌翼が閉じた姿勢で流路から水が提供される状態と、地盤に対して改良材を広い範囲で噴射し、開いた姿勢の攪拌翼が地盤と改良材を混合する際の改良材の広範囲への噴射の状態を確認する実験をおこなった。図7aは、地盤改良体造成装置の実機において、2つの攪拌翼が閉じた姿勢でケーシング内に収容されている状態を示した写真図であり、図7bは、2つの攪拌翼がケーシングから張り出して開いた状態を示した写真図である。さらに、図8aは、図7aの状態で水が前方へ提供されている状態を示した写真図であり、図8bは、図7bの状態で、改良材に代わって水を使用して、これが広範囲に広がりながら噴射されている状態を示した写真図である。
図8aより、ケーシングとロッドの間の流路を介して水が勢いよく前方へ提供されることが実証されている。
また、図8bより、回転する2つの攪拌翼に干渉されることなく、水が広範囲に広がりながら噴射することが実証されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…ケーシング、1a…リング体、1aa…先鋭端、2…ロッド、3…攪拌翼、4,4A…環状体、4a…スリット、5…削孔機、10,10A…地盤改良体造成装置、P…地盤改良体、P’…造成途中の地盤改良体

Claims (4)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシング内をスライドして該ケーシングの先端から出入り自在でかつ回転自在なロッドと、
    前記ロッドの先端に回動自在に配設された少なくとも2つの攪拌翼であって、前記ケーシング内においてロッドの軸方向に向いて閉じた姿勢と、前記ケーシングの先端から出てロッドの軸方向に直交する方向に向いて開いた姿勢と、からなる姿勢変更自在な攪拌翼と、を少なくとも備え、ケーシングとロッドの間に画成された流路に流体が流通するようになっている地盤改良体造成装置において、
    前記ケーシングの前記先端はその内側から外周側に向かって先鋭に形成された先鋭端となっており、
    前記ロッドの前記先端から離れた位置の外周に環状体が配設され、該環状体によって前記流路の断面が絞られている地盤改良体造成装置。
  2. 前記少なくとも2つの攪拌翼が前記開いた姿勢の場合の前記流体は改良材であり、前記環状体の後方端とケーシングの先端の前記先鋭端の後方が位置決めされ、前記環状体とケーシングの間の断面が絞られた流路を介して該改良材が提供される請求項1に記載の地盤改良体造成装置。
  3. 前記先鋭端は、その内側から外周側に向かってテーパー状で先鋭に形成されている請求項1または2に記載の地盤改良体造成装置。
  4. 前記環状体に前記流体を流通させる1以上のスリットが設けてある請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良体造成装置。
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