JP2949484B2 - 注入固化方法及びその注入装置 - Google Patents

注入固化方法及びその注入装置

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JP2949484B2 JP11779597A JP11779597A JP2949484B2 JP 2949484 B2 JP2949484 B2 JP 2949484B2 JP 11779597 A JP11779597 A JP 11779597A JP 11779597 A JP11779597 A JP 11779597A JP 2949484 B2 JP2949484 B2 JP 2949484B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮空気と地盤改
良用グラウト剤を用いた無水穿孔式の注入固化方法及び
その注入装置に関するもので、ゆるい砂質地盤の液状化
防止対策、及び液状化に伴う地盤流動防止対策を要旨と
して、恒久性、高強度が要求される既設構造物基礎地盤
の改良、(例えば新幹線、高速道路の高架橋下部基礎地
盤補強など)岸壁の荷役施設及び護岸・擁壁の下部地盤
の改良、既設タンク基礎地盤の改良などに適した注入固
化方法及びその注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液状化現象が科学的に認識されたのは、
新潟地震(1964年、M=7.5)以降からで、この
地震を契機として、液状化現象の解明とその対策に関す
る工学的な取り組みが急速に進展し多くの実用化技術が
研究されてきている。このうち、固結工法ではセメント
などの改良材と土を地盤中で攪拌混合する深層混合処理
工法、懸濁液状の改良材を地盤中に注入して固化させる
注入固化工法などがあり、いづれの工法も地盤の性質
(密度、透水性)を変えて液状化抵抗を増大させ過剰間
隙水圧の発生を抑制し液状化を起こさせないという考え
方に基づいている。前者は比較的施工実績も多く、実用
化技術が種々提案されているのに対し後者は施工実績も
少なく、実用化技術に遅れをとっているが、近年、恒久
性の超微粒子懸濁液グラウトが開発され兵庫県南部地震
の復興対策工事で採用されたことでにわかに脚光を浴び
ることとなった。
【0003】緩結性の溶液グラウト剤及び超微粒子懸濁
液グラウト剤で砂質土地盤を浸透改良する工法は、二重
管ダブルパッカー工法(ソレタンシュ工法、スリーブ工
法)が広く知られている。一方、圧縮空気を用いるグラ
ウト注入方法では、特開昭60−138112号公報に
記載されている圧縮空気を地中に吹き込んで該地盤中に
透気道を形成し、その後該透気道に粉体または懸濁液状
のグラウト剤を注入することを含む空気式グラウチング
方法が提案されている。この方法は先ず圧縮空気により
透気道を形成し、その後該透気道に粉体または懸濁液状
のグラウト剤を注入するという2段階方式を採用してお
り、グラウト剤を広範囲にわたって注入することが可能
であるが、広範囲にわたって透気道を維持するには圧縮
空気の圧力を高めておく必要があり、漏気性の軟弱地盤
や既設構造物周辺では圧縮空気により地盤を破壊する危
険性がある。また、同公報の図3及び図4から明らかな
ようにエアーパイプの下方端部の複数の吐出口を有した
注入装置より粉体または懸濁液状のグラウト剤を地盤中
に注入し、所定注入量を注入した後、エアーパイプの引
抜時、あるいはエアーパイプの接続・切断時などは、送
気装置及びグラウト送給装置を停止し前記操作を行うこ
とになるが、注入量を次第に低下させた後、送気装置の
圧力を段階的に降下させ、両装置を停止すると、エアー
パイプ内が減圧状態となり、地盤に吹き込まれた圧縮空
気、及び粉体または懸濁液状のグラウト剤の残留圧力に
より前記吐出口よりパイプ内にそれらが逆流するため、
注入装置内が閉塞するなどのトラブルが発生しやすい。
【0004】本願発明に係る方法は、グラウト剤は内管
の液流路を通り、これに連通した吐出口に留まり、また
圧縮空気は外管の空気流路を通りそれに連通した吐出口
に留まり、ゴムなどの弾性環状体の弾性作用により注入
直前まで両系統とも独立を保っており、注入と同時に気
液が環状体内または管外で気液混合されるため、管内閉
塞または逆流等が発生しない。
【0005】また、圧縮空気を用いるグラウト注入で他
の方法として、特開昭54−152309では、気・液
を別通路を通して圧送しているものも提案されている
が、この装置では気・液の両通路は注入管内で気・液が
混合する構成になっており、しかも気・液の吐出口には
一旦噴出した液などが管内に逆流するのを防止するため
の逆止弁などの装置がないため、噴出を一時停止すると
きなどに管内への逆流が生じ、噴出口が塞がれるなどの
不都合が生じ、注入不能となり、注入管を引き抜き再度
削孔するなど多大な手間と費用を要する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の二重管
ダブルパッカー工法(ソレタンシュ工法、スリーブ工
法)は、外管と地盤に形成されるリング状間隙に硬化材
(セメント・ベントナイト)を充填し固化させ、外管と
地盤を一体化させることにより(外管を動かさない)グ
ラウトの逸走、上噴が確実に防止されることで、溶液グ
ラウト剤及び超微粒子懸濁液グラウトのような緩結性注
入材を注入する場合、非常に有効である反面、注入時に
おいて、前記外管の周囲に形成されたシールグラウトを
割って地盤に注入する際のクラッキングは、外管の設置
状態と関係し一方に偏ってクラッキングされる場合が多
く、従って注入管を中心として放射状に注入されること
は少ない。また、この工法では、低吐出、低圧力により
砂質土層の浸透注入を行うことを技術思想としている
が、ダブルパッカー工法に限らず浸透改良径を人為的に
大きくするようなことは困難と考えられており、注入側
で吐出口の形状、注入剤の種類、注入剤の粘性、吐出量
などの条件を考慮した上で、対象地盤の土粒子間隙の大
小、地下水の存在、土被圧など受入れ側の土質条件によ
り一義的に決定されるというのが一般的な見解である。
【0007】次ぎに緩結性の溶液型グラウト剤と超微粒
子懸濁液グラウト剤を用い同じ条件下で2つの注入剤を
砂質土に浸透注入させ、その固結体の形状を比較した場
合、超微粒子懸濁液グラウト剤の方が溶液型グラウト剤
より固結比(固結体体積/注入量)が小さい傾向を示す
が、その理由として、超微粒子懸濁液グラウト剤は、土
粒子間隙を通過する際、グラウト中の微粒子と土粒子の
接触面に生じる抵抗力、グラウトの粘性、流速、更にグ
ラウトの沈殿、凝集性などが考えられる。改良径が小さ
いと施工面積当たりの注入孔数が増大しコスト面に影響
するので、従って如何に改良径を大きくするかというこ
とが第1の課題である。
【0008】次ぎに第2の課題として、二重管ロッドを
用いて注入する工法で、圧縮空気と超微粒子懸濁液グラ
ウトの気液混合グラウトを注入する装置に関するもの
で、二重管の一方の流路に圧縮空気を送気し、他方の流
路に超微粒子懸濁液グラウト剤を送液して注入管先端付
近で混合させ注入させる場合、 (A) 注入用外管の外周に複数の吐出口を有し、地盤
に対し水平方向に開口されている注入装置では、所定の
注入終了時または二重管ロッドの切断、接続時には送気
装置及びグラウト送給装置を停止し前記操作を行うこと
になるが、両装置を停止すると、注入管内が負圧状態と
なり、外周地盤に注入され加圧状態の気液混合グラウト
が前記開口した吐出口より逆流するため、先端装置内が
閉塞し注入不能となるなどの問題が生じる。
【0009】(B) 圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウ
トの混合方式では、いわゆる内管混合と言われる外管と
内管のリング状間隙で混合する場合は、圧縮空気と超微
粒子懸濁液グラウト剤の圧力差の違いにより一方へ逆流
するので先端装置内が閉塞し注入不能となる。 (C) 改良深度が深く1本当たりの注入施工数量が多
い場合、注入時間は長時間となるので先端装置内では、
超微粒子懸濁液グラウト剤の沈殿・付着が生じ、削孔か
ら注入に切り替える操作で内管にロケットやボールを投
入し、あるいは、内管又は外管の一方の流路に送液して
先端装置内の内管または外管を移動させたり、弁を閉じ
たり開けたり、またスプリングを使用した複雑な装置な
どは、動作不良となる惧れがある。
【0010】(D) 砂質土地盤を均質に浸透注入させ
るための気液混合グラウトの吐出方向については、注入
管の軸方向に対し直角(地盤に対し水平方向)に向き、
周方向に例えば4つの吐出口(細孔)を有する注入装置
では、注入剤の噴射は注入管を中心として90度間隔に
4方向への流線状となり、前記90度の中間部付近では
未注入部分が形成され易く、所定領域を均質に浸透改良
がなされないなどの課題が生じる。
【0011】第3の課題として、圧縮空気と超微粒子懸
濁液グラウトを用いた気液混合グラウトが、注入管廻り
の空隙に沿って上部に逃げ地表面に噴出したり、既設構
造物との境界面、地盤中の水みち、空隙などから漏出し
たりすることが考えられる。注入管を所定位置まで穿孔
する場合、ほとんどの注入工法は穿孔水を使用するのが
一般的で、穿孔水をスライム排出手段として使用するた
め、特に緩い砂質土などでは注入管周囲の地盤に大きな
空隙が形成される。注入時にはこの空隙に瞬結性の溶液
型注入剤でシールグラウトを行って対処しているが、緩
結性のグラウトを用いて注入した場合は、抵抗の大きい
地盤に浸透するよりは抵抗の小さい溶液型のホモゲルで
シールされた部分に集中的に注入されるなど必ずしもリ
ーク対策は充分でなかった。従って、気液混合グラウト
を注入するに当たっては前記リーク対策が重要な課題と
なる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するために、本願出願人が開発した特開昭54−1
44705号の、二液混合型グラウトのA液注入用外管
とB液注入用内管を同心状に配設し、前記外管の上部外
管には、環状凹窩を有し、該環状凹窩には相互に独立し
た流路を有する二つの細孔が上下方向に適宜間隔で穿設
され、上側細孔はA液用流路と連通し、下側細孔はB液
用流路と連通し、その上部をゴムなどの弾性環状体で前
記上部外管の外周面より突出しないように覆われ、前記
弾性環状体の下端部が前記環状凹窩外周面と下部外管に
突設された環状突出部により挟着してなる注入管を用
い、その先端に無水用掘削刃を装着し、無水状態で被改
良地盤内の所定深度まで穿孔した後、前記注入管と外周
地盤とが密着した状態で同注入管を介して地盤改良用グ
ラウト剤を被改良地盤内に注入するグラウト注入方法に
おいて、前記注入管と外周地盤とが密着した状態で、そ
のまま、又はシールグラウトを行った後、前記A液用流
路に圧縮空気、B液用流路には1ショットまたは1.5
ショット配合液の地盤改良用グラウト剤を夫々圧送し、
注入直前に前記環状凹窩部分で気液混合されたグラウト
剤を土粒子間隙に浸入させ、前記気液混合グラウトの噴
射圧力で間隙水を押出し排除すると同時に、押出された
間隙にグラウト剤を浸入させながら徐々に改良径を大き
くするなど浸透性を向上させることを特徴とする注入固
化方法を開発した。
【0013】さらに、本発明では、前記注入管の基端部
に接続管を介して軸方向に適宜間隔をおいて上段吐出部
が形成され、前記上段吐出部の上部外管には環状凹窩を
有し、該環状凹窩には軸線に対し水平方向に向いた細孔
が穿設され、2流路のうちA液用流路と連通し、前記環
状凹窩部分上部にゴムなどの弾性環状体を前記上部外管
の外周面より突出しないようにそれぞれ嵌着するととも
に前記弾性環状体の下端部が前記凹窩外周面と下部外管
に突出された環状突出部で挟着してなる注入管を用いる
ことを特徴とする注入装置を開発した。
【0014】また、本発明では、本願出願人が開発した
特開昭57−190826号の、「被改良地盤内に所定
深度まで二重管より圧力水を噴射しながら削孔し、削孔
に引き続いて同二重管を引上げながら削孔部内に硬化剤
を前記二重管より注入充填し、引き上げられた同二重管
の先端に注入部材と掘削刃を取付けて硬化材が充填され
ている削孔部内に再び無水状態で掘り下げ、硬化材内に
注入部材が貫入された状態で同注入部材より硬化材を通
過して周囲の地盤中に地盤改良材を注入することを特徴
とする地盤改良工法」において、有水穿孔された孔を硬
化材で孔埋めした所を再び無水状態で掘り下げ、前記硬
化材内に前記注入装置が貫入された状態で同注入装置よ
り前記硬化材を通過して周囲の地盤中に圧縮空気と超微
粒子懸濁液グラウトの気液混合グラウトを注入すること
を特徴とする注入固化方法を開発した。本発明は前記発
明を更に改良したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を本発明の好ましい実
施の形態を示す図面について説明する。図1は、二液混
合型グラウト注入管で、上段吐出部1と接続管3を介し
て下段吐出部2が継接され、その先端に装着された無水
用掘削刃4により構成されている。下段吐出部2は上部
管5と下部管6よりなり、上部管5の外周面には第2の
環状凹窩8が設けられ、その下部には外周螺糸部5aが
設けられ、同部5aに上部管5と同径の下部管6が螺着
され、同管6の下端には先端錐4aを有する無水掘削刃
4が螺着され、同掘削刃4によって下部管6の中空部が
閉塞されている。また同下部管6の上端縁は前記第2の
環状凹窩8の下半部外周を囲繞する環状突出部6aが突
出されている。
【0016】外管7の上部管5内には内管9が上部管の
断面中心に配設され、その下端部外周が上部管5におけ
る第2の環状凹窩8の中間部に位置する内周部に設けら
れた段部5bより下方に配設された内周螺糸部5cに螺
着され、内管9は上部管5の下部中空部を介して下部管
6の中空部に連通して流路11を形成し、一方前記段部
5bより上方の上部管5内の中空部は内管9の外周壁と
前記段部5bとによって内周及び下端を閉塞されて流路
10を形成している。
【0017】前記第2の環状凹窩8と上部管5の流路1
0、及び内管9の流路11とを連絡する上側細孔12及
び下側細孔13が夫々第2の環状凹窩8に軸方向で上下
一対、且つ周方向に90度間隔で4方向に穿設され、前
記凹窩8にはゴム等よりなる弾性環状体14が、その外
周面が上部管5及び下部管6の外周面より突出しないよ
うに嵌装され、その下端部が第2の環状凹窩8と下部管
6の環状突出部6aとによって挟着されている。
【0018】一方、下段吐出部2の上端には、接続管3
を介し上段吐出部1が継接され、上段吐出部1には上部
管19と下部管20よりなり、上部管19の外周面には
第1の環状凹窩21が設けられ、その下部には外周螺糸
部19aが設けられ、同部19aに上部管19と同径の
下部管20が螺着され、同管20の下端には、接続管3
が継接される。また同下部管20の上端縁は前記第1の
環状凹窩21の下半部外周を囲繞する環状突出部20a
が突出されている。
【0019】外管18の上部管19内には内管23が同
心状に配設され、その上部には内管23をガイドする案
内管22に接続され、その案内管22には軸方向に凹状
溝が周方向等分に4ケ所設けられ外管18と内管23の
中空部に連通し、その外周面は外管18の内周に面し、
外管18の外周面より案内管22に着脱自在に案内管固
定用ネジ24で接続される。内管23は上部管19の中
空部と下部管20の中空部を介し接続管3に継接され、
流路26を形成する。一方前記内管23の外周壁と上部
管19の内周壁の中空部は、下方の内管23の外周壁と
下部管20の内周壁の中空部に連通し、流路25を形成
している。
【0020】前記第1の環状凹窩21と上部管19の流
路25とを連絡する細孔27が前記第1の環状凹窩21
に周方向に90度間隔で4方向に穿設され、前記細孔2
7には、取替自在な筒状中空ノズル28を着脱自在にネ
ジ蝶合接続されており、前記凹窩21にはゴム等よりな
る弾性環状体29が、その外周面が上部管19及び下部
管20の外周面より突出しないように嵌装され、その下
端部が第1の環状凹窩21と下部管20の環状突出部2
0aとによって挟着されている。
【0021】図2に示すように、着脱自在な2重管31
に前記注入管30を継接し、その下端部に装着された先
端錐4aを有する無水掘削刃4を利用して噴射水を使用
することなく無水の状態でそのまま被改良地盤45の所
定深度まで公知の注入管設置機33により回転・圧入す
る。この際、図1に示すように前記上段吐出部1及び下
段吐出部2に環状に設けられた弾性環状体29、14
は、夫々外管7、18の外周面より突出しないので、注
入管30の圧入に対し障害とならず、同注入管30は円
滑に地中に圧入されるとともに、周辺土砂の注入細孔1
2、13、27への浸入が防止される。
【0022】また、前記注入管30は無水状態の下に地
盤内に圧入されるので、周辺地盤を攪乱することがな
く、また注入管30と外周地盤との間には殆んど隙間が
生起することがない。このように注入管30と外周地盤
が密着した状態で、そのまま注入を行なってもよく、ま
た、シールグラウトを行なう時は、A液用流路10に
は、硬化時間1分〜2分程度のゲルタイムを有する2液
混合グラウト、(例えば、水ガラス+セメント懸濁液、
水ガラス+超微粒子懸濁液グラウトなど)を1.5ショ
ット方式で送液し、B液用流路11より圧縮空気を用
い、下段吐出部2より2液混合グラウトと圧縮空気の気
液混合グラウト、上段吐出部1より2液混合グラウトを
同時に注入し、注入管外周に形成される微細な間隙にシ
ールグラウトすることにより、気液混合グラウト注入時
の地表面への漏出を防止する。シールグラウト量は、注
入管外周に形成される微細な間隙への注入なので少量で
よく、適宜行うことが望ましい。
【0023】また、このシールグラウトは次の方法でも
よい。A液用流路10には、水ガラスなどの主剤、B液
用流路11より懸濁液グラウト(セメントまたは超微粒
子懸濁液グラウト)を用い2ショット方式とし、夫々独
立した流路により、圧送し、注入直前で2液混合させた
グラウト剤を硬化時間1分〜2分程度のゲルタイムで下
段吐出部2より注入し、注入管外周に形成される微細な
間隙にシールグラウトすると同時に、上段吐出部1より
水ガラスなどの主剤を同時に注入し、注入管周囲に形成
される微細な間隙に沿って下部から漏出する既注入部の
気液混合グラウトの一部と注入管外周で混合させ、前記
硬化時間でシールグラウトを形成し、前記気液混合グラ
ウトの漏出を防止する。この方法は、本発明の要旨であ
る圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウトの気液混合グラウ
トを浸透注入中に後述のエアーバリアー(air ba
rrier)を逸脱したグラウトや予期し得ない既設構
造物との境界面、地盤中の水みち、空隙などから漏出し
たりすることを防止するために、地上に設置した切替え
装置で上記方法に切替え、随時、シールグラウトを行う
ことが可能である。
【0024】次ぎに図2に示すように超微粒子懸濁液グ
ラウトを1ショットまたは1.5ショット方式で送給装
置39より流量計38を通り流路切替装置37の操作に
よりB液流路用ホース35、及びスイベル34を介し
て、前記注入管30のB液用流路にいたる。一方、圧縮
空気は、送気装置44より、圧力計43と風量計42を
接続したエアーホース41を通り前記流路切替装置37
の操作によりA液用流路用ホース36、及びスイベル3
4を介して、前記注入管30のA液用流路にいたる。
【0025】このように前記A液用流路に圧縮空気、B
液用流路に超微粒子懸濁液グラウトを用い注入すること
により、図1より下段吐出部2の外管7の第2の環状凹
窩部8に上下一対のほぼ水平方向に穿設された細孔にお
いて、B液用流路は下側細孔13と連通し、A液用流路
は上側細孔12と連通しているので、夫々の細孔を経
て、第2の環状凹窩8と弾性環状体14の隙間部分で合
流させ、前記弾性環状体14を半径方向に押し広げ混合
しながら環状凹窩部分8の上端に達するが、ここで横方
向に向きを変え弾性環状体上端と環状凹窩部の隙間より
地盤に噴射される。
【0026】なお、弾性環状体14の下端部は凹窩外周
面と下部管6に突出された環状突出部6aで挟着するた
め、下側細孔13より吐出された超微粒子懸濁液グラウ
トは環状凹窩部分と弾性環状体の隙間部分では上方向の
みに吐出され、上側細孔12から吐出した圧縮空気と必
ず混合されるようになっている。また、この上下一対の
細孔は、前記の通り周方向等配で4個で90度間隔に形
成され、夫々の細孔で前記の混合状態が同時に行われる
ことになるので、切れ目なく全方位に地盤に噴射され、
地盤との接触面積を広めて土粒子間隙に均等に浸透注入
させると同時に、上段吐出部1の第1の環状凹窩21部
分には、周方向等配に90度間隔に4個の細孔27を有
し、夫々の細孔27は圧縮空気の流路からなるA液用流
路25と連通し、且つ下段吐出部の流路10と連通して
いる。前記夫々の細孔27を経た圧縮空気は第1の環状
凹窩21と弾性環状体29の隙間部分に浸入し、前記弾
性環状体29を半径方向に押し広げ、環状凹窩部分21
の上端に達し、ここで横方向に向きを変え弾性環状体2
9の上端と環状凹窩部21の間隙より地盤に対し水平方
向、周方向では全方位に噴射することにより地盤内に水
平方向のエアーバリアー(air barrier)が
形成され、下部から漏出する気液混合グラウトを、圧縮
空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤に注入するの
で、気液混合グラウトの地上への漏出を遮断するととも
に、所定範囲を無駄なく注入することが出来る。
【0027】なお、弾性環状体21の下端部は凹窩外周
面と下部管20に突出された環状突出部20aで挟着す
るため、圧縮空気は第1の環状凹窩21と弾性環状体2
9の隙間部分では上方向のみに吐出されるようになって
いる。また、前記夫々の細孔27には、取替自在な筒状
中空ノズル28を着脱自在にネジ蝶合接続出来るので、
下段吐出部2との間でノズル径を変更する事で圧縮空気
の圧力比率及び流量比率を自由に調整できる。
【0028】また、下段吐出部2のA液用流路と連通し
た夫々の上側細孔12は上段吐出部1と同様に取替自在
な筒状中空ノズル28を着脱自在にネジ蝶合接続するこ
とも可能である。ノズル径は上段吐出部1との関係にお
いて圧縮空気の圧力比率及び流量比率に応じて自由に設
定出来る。更に必要ならばノズル径が0mmの閉塞用ノ
ズルを用いる事も可能で、下段吐出部2の夫々の上側細
孔12を閉塞ノズルで閉塞し、下側細孔13のみから吐
出させる事も可能である。
【0029】このステップで所定量の注入が完了した
ら、注入管30を回転させることなく次のステップまで
引き上げ再び注入を行うステップアップ方式またはステ
ップダウン方式により注入が可能であるが、本発明では
ステップアップ方式が望ましい。注入管30を移動させ
た場合は、適量のシールグラウトを随時行う必要があ
る。また、ステップ間隔は、10cm間隔以上100c
m間隔までの範囲内で、1/4m(25cm)間隔とす
ることが望ましい。また、下段吐出部2の吐出口と上段
吐出部1の吐出口までの離隔は、ステップ内で無駄なく
注入するため、上記ステップ間隔と同様であることが望
ましい。
【0030】以上の注入操作を繰り返し、1孔当たりの
注入が終了する。なお、本発明にいう超微粒子懸濁液グ
ラウトとして、超微粒子スラグ系、超微粒子系シリカ系
グラウト、超微粒子セメント系、更に超硬粉砕ボールな
どを用いた湿式粉砕機で粉砕した超微粒懸濁型地盤改良
薬液、その他の超微粒子系グラウトを用いることができ
る。更に必要ならば、無機系、有機系の緩結性溶液型グ
ラウトを用いる事も可能である。
【0031】軟弱な埋立地や、一旦工事などで掘り返し
埋戻した場所では、地盤に拘束力がないので、図2に示
すように口元管32により圧縮空気やグラウトの漏出を
防止するが、その方法として、地上部から比較的浅い深
度の表層部または非液状化層までコアーチューブ等で有
水穿孔した後、その孔に口元管32を挿入したら、口元
管内外の空隙に硬化材を充填し硬化させると口元管32
は地盤と一体化するので、無水掘削刃4を装着した注入
管30により前記口元管32内の硬化材で孔埋めした所
を再び無水状態で掘り下げ、前記口元管を通過したらそ
のまま被改良地盤45に続行して掘り下げる事ができ
る。必要ならば口元管上端に市販品のメカニカルパッカ
ーを装着する事も可能である。
【0032】このように本発明によれば、圧縮空気と地
盤改良用グラウト剤を夫々独立した流路により圧送し、
注入直前で気液混合させたグラウトを下段吐出部より土
粒子間隙に浸入させ、前記気液混合グラウトの噴射圧力
で間隙水を押出し排除すると同時に、押出された間隙に
グラウト剤を浸入させながら徐々に改良径を大きくして
浸透性を向上させることを基本とするもので、通常、砂
質土地盤には地盤改良用グラウト剤として緩結性の溶液
型グラウトが一般的に用いられることが多いが、最近で
は、前述の通り超微粒子懸濁液グラウト剤が恒久性グラ
ウトとして用いられるようになった。
【0033】しかし、両者の浸透形態には大きな違いが
あり、前者の緩結性の溶液グラウト剤では、グラウトの
注入圧力により地盤内の間隙水を押出し、土粒子の組成
構造を変えることなく、土粒子間隙に存在する間隙水と
グラウトを置換していくもので、グラウト及びグラウト
水自体が土粒子を包み込んでゲル化し固結域を形成する
ものであるが、後者の超微粒子懸濁液グラウト剤は、不
溶解性の微粒子とグラウト水よりなり、前者との違い
は、グラウト微粒子はグラウト水に浮遊した状態で土粒
子間隙に運ばれ、微粒子自体が水和反応より固結するも
の、また、グラウト水に含まれる刺激剤により固結する
ものなどがあり、特に超微粒子セメント系ではグラウト
水自体が土粒子を包み込んで固結するものでない。
【0034】従って、超微粒子懸濁液グラウト剤を土粒
子間隙に浸透注入させる場合、その浸透性を阻害する要
因として、グラウト自体の注入圧力で間隙水を押出す時
の抵抗のほか、土粒子間隙を通過する際のグラウト中の
微粒子と土粒子の接触面に生じる抵抗力や、図3に示す
ようにグラウトが土粒子間の大小様々な間隙を通過する
際に、流速の減少によって沈殿・凝集が生じ、目詰り状
態が形成される。この現象は、太い注入ホースでセメン
ト液を長時間、低吐出量で注入した時にホース内にセメ
ント粒子が沈殿し、やがて閉塞する場合と似ている。
【0035】また、図4に示すように1個の吐出ノズル
などから1点に集中して注入した場合などで、グラウト
の濃度が高く、間隙が大きい場合には、注入孔付近にグ
ラウト粒子による濾過現象(グラウトの浸透速度が水の
浸透速度よりも遅くなり、グラウトの濃度が高くなる現
象をいう。)が生じ、一時的に間隙水圧の上昇や目詰ま
り状態が形成され、改良径も小さくなるなどの傾向が見
られる。
【0036】よって本発明では、地上部のグラウト送給
装置及び送気装置より超微粒子懸濁グラウトと圧縮空気
を夫々独立した流路により圧送し、注入直前で気液混合
させたグラウトを下段吐出部の吐出口より地盤に対し水
平方向、周方向では一点に集中的に注入することなく全
方位に噴射し、地盤との接触面積を広めて土粒子間隙に
均等に浸入させ、圧縮空気の噴射流でグラウトの流速を
速めることにより、グラウト中の微粒子の沈殿・凝集を
抑制し、且つ濾過現象を防止することになる。図5は圧
縮空気の噴射流でグラウトの流速を速め、グラウト中の
微粒子とグラウト水を噴射流により押出しながら浸透範
囲を拡大してゆく状態を模式的に示したものであるが、 注入孔付近では微粒子の濾過現象が生じ易くグラウ
トの濃度も高いが、 圧縮空気の噴射流でグラウトの微粒子、グラウト水
の流速が速められ間隙水を押し出している。
【0037】 圧縮空気に押出されてグラウト粒子が
浸入している。 以上の現象が外周部に向かって繰り返し行われ、グラウ
トのエネルギーが消滅したところで浸透は停止する。従
って、従来の注入方法より圧縮空気を用いることにより
格段に浸透性を向上させることが可能となった。一方、
図6に示すように上段吐出部1の作用は、前記下段吐出
部2より気液混合グラウトが地盤中に浸透注入され、そ
のグラウトの一部が、注入管周囲に形成された微細な間
隙に沿って上部に漏出する場合があるが、上段吐出部1
より圧縮空気のみを地盤に対し水平方向、周方向では全
方位に噴射させることによりエアーバリアー46が形成
され、下部から漏出する気液混合グラウト47を、圧縮
空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤に注入するの
で、気液混合グラウトの地上への漏出を遮断するととも
に、所定範囲を無駄なく注入することが出来る。
【0038】また、前記上段吐出部の圧縮空気の流路は
上段吐出部と下段吐出部の上側細孔と連通しており、上
段吐出部の環状凹窩部分には、周方向等配に複数の細孔
を有し、圧縮空気の圧力及び流量を自由に選択出来るよ
うに取替自在な筒状中空ノズルを着脱自在に細孔にネジ
蝶合接続されており、下段吐出部の上側細孔との間でノ
ズル径を変更する事で圧縮空気の圧力比率及び流量比率
を調整できるようになっている。
【0039】次ぎに注入装置のうち、下段吐出部の混合
及び注入作用では、注入管は外管と内管よりなり、外管
と内管の間の断面リング状間隙をA液用流路とし、内管
をB液用流路とした二つの流路を有する注入管を用い、
外管の環状凹窩部分には相互に独立した流路を有する二
つの細孔が軸方向に上下一対で適宜間隔で配設され、周
方向等配で複数個(4個で90度間隔が望ましい)に穿
設されている。上側細孔はA液用流路と連通させ下側細
孔はB液用流路と連通させ、前記環状凹窩部分の上部に
ゴムなどの弾性環状体を前記外管の外周面より突出しな
いようにそれぞれ嵌着するとともに前記弾性環状体の下
端部が前記凹窩外周面と外管に突出された環状突出部で
挟着してなる注入管を用い、その先端に無水用掘削刃を
装着するものであるが、図7に示すように前記A液用流
路10に圧縮空気、B液用流路11に超微粒子懸濁液グ
ラウトを用いた場合の混合方式は、外管の環状凹窩部分
に上下一対のほぼ水平方向に穿設された細孔において、
下側細孔13より超微粒子懸濁液グラウト及び上側細孔
12より圧縮空気を夫々吐出し、環状凹窩部分8と弾性
環状体14の隙間部分で合流させ、弾性環状体14を押
し広げ混合しながら環状凹窩部分の上端に達するが、こ
こで横方向に向きを変え弾性環状体上端と環状凹窩部の
隙間より地盤に噴射される。
【0040】なお、弾性環状体14の下端部は凹窩8外
周面と下部管6に突出された環状突出部6aで挟着する
ため、下側細孔13より吐出された超微粒子懸濁液グラ
ウトは環状凹窩部分8と弾性環状体14の隙間部分では
上方向のみに吐出され、上側細孔12から吐出した圧縮
空気と必ず混合されるようになっている。また、この上
下一対の細孔は、前記の通り周方向等配で4個で90度
間隔に形成され、夫々の細孔で前記の混合状態が同時に
行われることになる。
【0041】図8に示すように弾性環状体14の上端部
に上部管5に突出された環状突出部5aで挟着し、弾性
環状体14の下端と環状凹窩部8の隙間より地盤に噴射
することもできる。環状凹窩部分の上部外周面にゴムな
どの弾性環状体を先端側から挿抜自在に嵌着するが、嵌
着前の弾性環状体の内径寸法より環状凹窩部分の外径寸
法が若干大きいので径方向に拡膨した状態で嵌着するた
め、環状凹窩部外周面は密着状態となり、また、外管の
外周面より突出しないように嵌着することで無水穿孔時
において地盤との摩擦などにより弾性環状体の破損を防
止することが可能である。
【0042】注入圧力または送気圧力は、地上部のグラ
ウト送給装置及び送気装置から夫々独立した流路から、
注入直前で気液混合させるまでの抵抗による圧力、グラ
ウト及び圧縮空気が、細孔より吐出または噴射させる圧
力、更に気液混合グラウトを弾性環状体の弾性作用によ
る圧力などの総和として注入圧力となり、同グラウトに
運動エネルギーが付加され、地盤に対して水平方向、周
方向では全方位に指向性をもって噴射される。ここで弾
性環状体の弾性作用を一般的な現象で説明すると、庭の
樹木に水道ホースで散水する場合、ホース先端を絞らな
いと狭い範囲しか散水出来ないばかりか地盤に水が浸透
せず、水溜まりが出来るが、図9のように、親指と人差
指で先端を上下に軽く絞ると水は横に広がりを持ち遠く
まで広い範囲に散水することが出来る。先端を絞ること
により水の圧力が高められ、水平方向に押しつぶされた
ホースの形状に従い水に指向性が付与され放射状に放出
されるのである。
【0043】上記の作用のうち、先端を上下に軽く絞
り、水平方向に押しつぶされたホースの形状、これが弾
性環状体上端と環状凹窩部分の吐出口部分にあたり周方
向に90度間隔4個の細孔より吐出されるので切れ目な
く全方位に地盤に噴射され、地盤との接触面積を広めて
土粒子間隙に均等に浸入させる作用を有する。所定の注
入終了時または二重管ロッドの切断、接続時には送気装
置及びグラウト送給装置を一時停止すると、既注入地盤
に残留した圧力状態の気液混合グラウトが注入管内へ逆
流する惧れがあるが、両装置を停止した場合、管内圧力
は0となり、従って弾性環状体は収縮し環状凹窩部外周
面に密着状態となるため、逆止弁の作用が生じ、注入管
内にグラウトや圧縮空気が逆流し閉塞することはない。
また、2つの流路は完全に独立を保っている。なお、管
内圧力は0の場合、弾性環状体は収縮し環状凹窩部外周
面に密着状態となるが、この時の弾性圧力は、1.5〜
2.0kg/cm2 程度であり、ゴムの硬度、または弾
性環状体の内径寸法を変更することにより圧力が変えら
れる。
【0044】注入管を所定位置まで穿孔する場合、ほと
んどの注入工法は穿孔水を使用するのが一般的で、穿孔
水をスライム排出手段として使用するため、特に緩い砂
質土などでは注入管周囲の地盤に大きな空隙が形成され
注入剤のリークが生じその対策が大きな問題となってい
る。本発明では、圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウトを
用いた気液混合グラウトが、注入管廻りの空隙に沿って
上部に逃げ地表面に噴出したり、既設構造物との境界
面、地盤中の水みち、空隙などから漏出したりすること
を防止するリーク対策が最も重要でその作用は、注入装
置先端に無水用の掘削刃を装着し、圧力水を使用するこ
となく無水状態で、所定深度まで穿孔装置により回転圧
入されるが、無水用の掘削刃で切削されたスライムは注
入管周囲の地盤に押し込まれるため、ほとんど間隙は生
じない。このように注入管が地盤と密着した状態となる
が、注入開始時や注入ステップ時の注入管の移動では、
注入管外周に形成される微細な間隙に沿って圧縮空気や
グラウトが地表面に漏出する場合も有り、これらを防止
するため、前記部分にシールグラウトを行う必要性が有
り、シールグラウト方法は下記のいずれかの方法で行う
ことができる。
【0045】1.注入管は外管と内管よりなり外管と内
管の間の断面リング状間隙をA液用流路とし、内管をB
液用流路とした二つの流路を有する注入管を用い、A液
用流路には、1分〜2分程度の硬化時間を有する2液混
合グラウト、(例えば、水ガラス+セメント懸濁液、水
ガラス+超微粒子懸濁液グラウトなど)を1.5ショッ
ト方式で送液し、B液用流路より圧縮空気を用い、下段
吐出部より2液混合グラウトと圧縮空気の気液混合グラ
ウト、上段吐出部より2液混合グラウトを同時に注入
し、シールグラウトを行う。注入管外周に形成される微
細な間隙にシールグラウトすることになるので、硬化時
間1分〜2分程度のゲルタイムを有する2液混合グラウ
トを用いることになる。また、B液用流路の圧縮空気
は、圧力を弱め、地盤に浸透させることなく、気液混合
グラウトの流速を速めて微細な間隙を広範囲にシールグ
ラウトすることを目的とする。
【0046】2.注入管は外管と内管よりなり外管と内
管の間の断面リング状間隙をA液用流路とし、内管をB
液用流路とした二つの流路を有する注入管を用い、A液
用流路には、水ガラスなどの主剤、B液用流路より懸濁
液グラウト(セメントまたは超微粒子懸濁液グラウト)
を用い2ショット方式とし、夫々独立した流路により、
圧送し、注入直前で2液混合させたグラウト剤を1分〜
2分程度の硬化時間で下段吐出部より注入し、注入管外
周に形成される微細な間隙にシールグラウトすると同時
に、上段吐出部より水ガラスなどの主剤を同時に注入
し、注入管周囲に形成される微細な間隙に沿って下部か
ら漏出する既注入部の気液混合グラウトの一部と注入管
外周で混合させ、1分〜2分程度の硬化時間でシールグ
ラウトを形成し、前記気液混合グラウトの漏出を防止す
る。この方法は、本発明の要旨である圧縮空気と超微粒
子懸濁液グラウトの気液混合グラウトを浸透注入中にエ
アーバリアーを逸脱したグラウトや予期し得ない既設構
造物との境界面、地盤中の水みち、空隙などから漏出し
たりすることを防止するために、地上に設置した切替え
装置で上記方法に切替え、随時、シールグラウトを行う
ことが可能である。
【0047】斜注入施工などで既改良域を通過して注入
改良する場合、また、硬質砂質土の注入改良などにおい
て、恒久性の超微粒子懸濁液グラウトを用いて砂質土層
に浸透注入を行った場合は、改良固結強度は高強度とな
るため、前者では既改良域の無水穿孔が不可能な場合も
考えられ、また、後者では連続した硬質砂質土層を無水
穿孔する場合も同様である。このような時は、固結強度
の高い既改良域または硬質砂質土層の所定深度までを有
水穿孔した後、硬化材(例えば 水ガラス+セメント懸
濁液または溶液型注入剤)で孔埋めした所を再び無水状
態で掘り下げ、硬化したグラウト内に注入装置が貫入さ
れた状態で同注入装置より硬化したグラウトを通過させ
て周囲の地盤中に圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウトの
気液混合グラウトを注入するものであるから、注入管外
周からのグラウトの漏出はなくなるので確実に所定領域
を改良出来るなどの作用を有する。
【0048】前記のように一旦有水穿孔した後、その注
入管を引き抜きながら懸濁液グラウトなどの硬化剤で孔
埋めし、再び注入管先端に無水用の掘削刃を装着した注
入管により無水状態で硬化したシールグラウト内を圧入
することにより、注入管と同体積分のシールグラウトが
注入管周囲に圧縮されることになり、シールグラウトの
強度も増し、注入管を密着させるため、注入管外周から
の気液混合グラウトの漏出はなくなる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、圧縮空
気と超微粒子懸濁液グラウト剤の気液混合グラウトを用
いた注入固化方法及びその注入装置により浸透性を大幅
に向上させ、改良径を大きくするとともに、恒久性、高
強度の固結体が形成されることで地盤の液状化抵抗を増
大させ、過剰間隙水圧の発生を抑制し液状化防止はもと
より地盤流動化防止、基礎地盤の耐震補強等などが有効
となりその優れた効果を有する。
【0050】本発明に用いる注入設備は、従来の設備が
そのまま使用でき、小型で且つ機動性に富むため、既設
構造物基礎地盤の耐震補強で施工スペースのない狭い場
所での施工にも対応でき、斜注入、水平注入が可能とな
る。なお、本発明では、仮設工事など一般的な注入工事
にも充分対応できるため、その適用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】注入管先端装置の縦断面図である。
【図2】本発明の注入実施態様示す全体図である。
【図3】グラウトが土粒子間の大小様々な間隙を通過す
る際に、流速の減少によって生じるグラウト粒子の沈殿
物の状態を示すものである。
【図4】圧縮空気を用いない一般的な注入方法で懸濁液
グラウトを吐出ノズルより1点に集中して注入した場合
の注入口付近に生ずるグラウトの濾過現象を示すもので
ある。
【図5】圧縮空気の噴射流でグラウトの流速を速め、グ
ラウト中の微粒子とグラウト水を噴射流により押出しな
がら浸透範囲を拡大していく状態を模式的に示したもの
である。
【図6】上段吐出部及び下段吐出部の概要説明の縦断面
図である。
【図7】下段吐出部の吐出口付近における混合状態を説
明する拡大図である。
【図8】弾性環状体の下端部より噴射する装置の例を示
す縦断面図である。
【図9】弾性環状体と環状凹窩部分の間隙より噴射する
状態を概念的に説明した図である。
【符号の説明】
1 上段吐出部 2 下段吐出部 3 接続管 4 無水掘削刃 4a 三角錐 5 下段吐出部の上部管 5a 外周螺糸部 5b 段部 5c 内周螺糸部 6 下段吐出部の下部管 6a 下段吐出部の環状突出部 7 下段吐出部の外管 8 第2の環状凹窩 9 下段吐出部の内管 10 A液用流路 11 B液用流路 12 上側細孔 13 下側細孔 14 下段吐出部の弾性環状体 15 接続管の外管 16 接続管のB液用流路 17 接続管のA液用流路 18 上段吐出部の外管 19 上段吐出部の上部管 19a 上段吐出部の上部管外周螺糸部 20 上段吐出部の下部管 20a 上段吐出部の環状突出部 21 第1の環状凹窩 22 内管の案内管 23 上段吐出部の内管 24 案内管固定用ネジ 25 上段吐出部のA液用流路 26 上段吐出部のB液用流路 27 上段吐出部の細孔 28 筒状ノズル 29 上段吐出部の弾性環状体 30 注入管 31 2重管 32 口元管 33 注入管設置機 34 スイベル 35 B液用注入ホース 36 A液用注入ホース 37 切替え機 38 流量計 39 送給装置 40 ミキサー装置 41 エアーホース 42 風量計 43 圧力計 44 送気装置 45 被改良地盤 46 エアーバリアー 47 気液混合グラウト
フロントページの続き (72)発明者 小園江 二三男 東京都江戸川区南葛西5−17−5−118 (56)参考文献 特開 平10−102476(JP,A) 特開 平9−287130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 3/12 101

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二液混合型グラウトの外管と内管を同心
    状に配設し、前記外管の上部外管には、環状凹窩を有
    し、該環状凹窩には相互に独立した流路を有する二つの
    細孔が上下方向に適宜間隔で穿設され、上側細孔はA液
    用流路と連通し、下側細孔はB液用流路と連通し、その
    上部を弾性環状体で前記上部外管の外周面より突出しな
    いように覆い、前記弾性環状体の下端部を前記環状凹窩
    外周面と下部外管に突設された環状突出部により挟着し
    てなる注入管を用い、その先端に無水用掘削刃を装着
    し、無水状態で被改良地盤内の所定深度まで穿孔した
    後、前記注入管と外周地盤とが密着した状態で同注入管
    を介して地盤改良用グラウト剤を被改良地盤内に注入す
    るグラウト注入方法において、前記注入管と外周地盤と
    が密着した状態で、そのまま、又はシールグラウトを行
    った後、前記A液用流路に圧縮空気、B液用流路には1
    ショットまたは1.5ショット配合液の地盤改良用グラ
    ウト剤を夫々圧送し、注入直前に前記環状凹窩部分で気
    液混合されたグラウト剤を土粒子間隙に浸入させ、前記
    気液混合グラウトの噴射圧力で間隙水を押出し排除する
    と同時に、押出された間隙にグラウト剤を浸入させなが
    ら徐々に改良径を大きくして浸透性を向上させることを
    特徴とする注入固化方法。
  2. 【請求項2】 前記注入管の基端部に接続管を介して軸
    方向に適宜間隔をおいて上段吐出部が形成され、前記上
    段吐出部の上部外管には環状凹窩を有し、該環状凹窩に
    は軸線に対し水平方向に指向して延びる細孔が穿設さ
    れ、2流路のうちA液用流路と連通し、前記環状凹窩部
    分上部に弾性環状体を前記上部外管の外周面より突出し
    ないようにそれぞれ嵌着するとともに前記弾性環状体の
    下端部が前記凹窩外周面と下部外管に突出された環状突
    出部で挟着してなる注入管を用いることにより、注入管
    廻りの隙間より漏出する前記気液混合グラウトを、前記
    上段吐出部より噴射された圧縮空気の噴射流に誘引させ
    随伴状態で地盤中に注入させることにより、地上への漏
    出を遮断し、所定範囲を改良し、グラウトの浸透性を向
    上させることを特徴とする請求項1に記載の注入固化方
    法。
  3. 【請求項3】 前記地盤改良用グラウト剤として超微粒
    子懸濁液グラウト剤を注入することを特徴とする請求項
    1または2に記載の注入固化方法。
  4. 【請求項4】 前記注入管の基端部に接続管を介して軸
    方向に適宜間隔をおいて上段吐出部が形成され、前記上
    段吐出部の上部外管には環状凹窩を有し、該環状凹窩に
    は軸線に対し水平方向に指向して延びる細孔が穿設さ
    れ、2流路のうちA液用流路と連通し、前記環状凹窩部
    分の上部に弾性環状体を前記上部外管の外周面より突出
    しないようにそれぞれ嵌着するとともに、前記弾性環状
    体の下端部が前記凹窩外周面と下部外管に突出された環
    状突出部で挟着してなる注入管を用いてなることを特徴
    とする注入装置。
  5. 【請求項5】 前記上段吐出部における上部外管の環状
    凹窩部分には、周方向等配に複数の細孔を有し、ノズル
    口径が選択または取替自在な筒状中空ノズルを着脱自在
    に前記細孔にネジ蝶合接続された請求項4に記載の注入
    装置。
  6. 【請求項6】 前記上段吐出部及び下段吐出部の環状凹
    窩部分の細孔上部に弾性環状体を嵌着し、前記弾性環状
    体の上端部が前記凹窩外周面と夫々上段、下段吐出部の
    上部外管に突出された環状突出部で挟着してなる請求項
    4に記載の注入装置。
  7. 【請求項7】 被改良地盤内に所定深度まで二重管より
    水を噴射しながら削孔し、削孔に引き続いて同二重管を
    引上げながら削孔部内に硬化材を前記二重管より注入充
    填し、引き上げられた同二重管の先端に注入部材と掘削
    刃を取付けて硬化材が充填されている削孔部内に再び無
    水状態で掘り下げ、硬化材内に注入部材が貫入された状
    態で同注入部材より硬化材を通過して周囲の地盤中に地
    盤改良用グラウト剤を注入することを特徴とする地盤改
    良工法において、有水穿孔された孔を硬化材で孔埋めし
    た所を再び無水状態で掘り下げ、前記硬化材内に前記注
    入装置が貫入された状態で同注入装置より前記硬化材を
    通過して周囲の地盤中に圧縮空気と地盤改良用グラウト
    の気液混合グラウトを注入することを特徴とする注入固
    化方法。
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