JP6887262B2 - ダウンザホールハンマを有する高圧噴射撹拌装置及びこれを用いた高圧噴射撹拌工法 - Google Patents

ダウンザホールハンマを有する高圧噴射撹拌装置及びこれを用いた高圧噴射撹拌工法 Download PDF

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本発明は、大径改良体の造成が可能で、ロッド先端にダウンザホールハンマを装着した高圧噴射撹拌装置及びこれを用いた高圧噴射攪拌工法に関する。
高圧噴射撹拌工法を護岸補強等に適用する場合、改良対象範囲の地盤上部、河床付近等に捨石等の障害物があり、通常の高圧噴射撹拌施工機では改良計画下端までの削孔が極めて困難な施工区間が存在する場合がある。このように改良対象地盤の必要削孔区間に捨石等の障害物が存在して、高圧噴射撹拌工法を施工するに当って容易にこれを取り除くことができない施工区間が存在する場合、障害物の性状や地盤強度に応じて、通常の高圧噴射攪拌工法の作業工程とは別工程、別施工機で、前記障害物を打抜く削孔工程が必要になり、非常に非効率な施工となっていた。
そこで前記のような非効率な施工を避けるために、障害物を打抜く削孔工程と通常の高圧噴射攪拌工程とを連続工程かつ単一の施工機械で施工する目的で、高圧噴射撹拌施工機にダウンザホールハンマに必要な圧縮空気の流路とセメント系固化材スラリー流路で構成された二重管構造のロッドの、該二重管ロッド先端にダウンザホールハンマを取り付け、ダウンザホールハンマで捨石等の障害物層を削孔し、障害物層を打抜いた後に、連続して通常の高圧噴射撹拌工法のスラリー噴射・ロッド引上げを一工程で行う方法が開発された。(特許文献1参照。)
特開平11−172667号公報
しかしながら前記特許文献1に記載の高圧噴射撹拌工法は、改良体の改良径を造成する地盤の切削エネルギーに関する噴射流体としては高圧のセメント系固化材スラリーのみであり、圧縮空気はダウンザホールハンマ専用で障害物層を削孔するために用いられている。従って、前記の工法では基本的に単管式高圧噴射撹拌工法の改良径に準じた直径φ0.7〜1.0 m程度の改良径の改良体しか造成できなかった。
セメント系固化材スラリーを使用した高圧噴射撹拌工法は、より大径の改良体を造成するために、セメント系固化材スラリーのみを高圧噴射する単管噴射撹拌工法から、セメント系固化材スラリー噴流を圧縮空気で包み込んで噴射する圧縮空気併用高圧噴射撹拌工法へと発展してきている。
そこで、本発明は、従来よりも大径の改良体を造成できる圧縮空気併用高圧噴射撹拌装置及び該装置を使用した高圧噴射撹拌工法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、ロッド下端に造成モニタとダウンザホールハンマを順次連結して備え、圧縮空気を使用する高圧噴射攪拌工法に用いられる高圧噴射攪拌装置において、前記ロッド及び造成モニタは、内管、中管及び外管からなる、完全独立の三重管構造であり、前記内管は、前記造成モニタのノズル装置に連通する、固化材スラリー用流路であり、前記中管は、ダウンザホールハンマの駆動部に連通する、ダウンザホールハンマ駆動用エアー流路であり、前記外管は、前記造成モニタのノズル装置に連通するエアー流路であって、この改良体造成のためのエアー流路は、改良体造成用のエアーノズルの詰まり防止用のためのエアー流路及び削孔壁の崩壊防止用のエアー流路として機能し、前記中管及び外管は、切替え手段を有するエアー制御流路及び装置を介して高圧コンプレッサに連結されていることを特徴とする。
前記ボーリングマシンに装着したロッド及び造成モニタの構造を前記のように構成したことによって、地中障害物の容易な削孔作業や、改良体造成用のエアーノズルからの圧縮空気流路の制御、改良体造成時の適正なエアー圧力及びエアー量に切り替えが簡易に行うことができる。
更に、請求項1記載の発明は、前記エアー制御流路は、コンプレッサから分岐する高圧流路と減圧流路と、前記高圧流路と減圧流路を切り替える切替えバルブと、前記減圧流路に設けられた減圧弁と、前記高圧流路と減圧流路が経由する共通流路と、前記共通流路から分岐する中管側流路と外管側流路と、前記中管側流路と外管側流路に設けられた切替えバルブと、を備えていることを特徴とする。
この発明は、削孔時には、減圧弁側の流路の切替えバルブを閉じ、高圧流路の切替えバルブを開放するとともに、中管側流路及び外管側流路の切替えバルブを開放して、ダウンザホールハンマ駆動用のエアー圧力と改良体造成用のエアーノズルの詰まり防止用のためのエアー圧力及び削孔壁の崩壊防止用のエアー圧力を高圧圧力で制御する。また、改良体造成時には、減圧弁側の流路の切替えバルブを開放し、高圧流路の切替えバルブを閉じるとともに、中管側流路の切替えバルブを閉じ、外管側切替えバルブを開放し、改良体造成のためのエアー圧力を減圧弁で制御する。なお、最適なエアー圧力として、例えば、中管側流路のダウンザホールハンマ駆動用エアー圧力は、1.4 MPaであり、外管側流路の改良体造成用のエアー圧力は0.7〜1.05 MPa程度である。また外管側流路の改良体造成用のエアー圧力は減圧せずに1.4 MPaで行うこともできる。
請求項2記載の発明は、造成モニタとダウンザホールハンマの間にレジューサを取り付けたことを特徴とする。レジューサを取り付けた目的は、市販の各種サイズのダウンザホールハンマに自在に対応するためである。また、通常の多重管工法として、ダウンザホールハンマをメタルクラウンに交換して、通水させ、水削孔でも使用するという利用方法も可能である。
請求項記載の発明は、外管側流路及び中管側流路には、風量計が配設されていることを特徴とする。この発明は、風量計により風量を計測できるので、切替えバルブを制御して、最適なエアー風量にすることができる。
請求項記載の発明は、請求項1、2、又は、3のいずれかに記載の高圧噴射撹拌装置で施工する高圧噴射攪拌工法である。
請求項記載の発明は、請求項1、2、又は、3のいずれかに記載の高圧噴射撹拌装置で施工する高圧噴射攪拌工法であって、削孔時には、前記高圧流路と減圧流路を切り替える切替えバルブを前記高圧流路側に切り替えてコンプレッサから供給される圧縮空気を中管及び外管に供給し、中管流路でダウンザホールハンマを駆動させるとともに、外管流路でエアーノズルから圧縮空気を噴出させてノズルの詰まり及び削孔壁の崩壊を防止し、改良体造成時には、前記高圧流路と減圧流路を切り替える切替えバルブを前記減圧流路側に切り替えると共に前記中管側流路と外管側流路に設けられた切替えバルブを切り替えて外管のみに圧縮空気を供給し、エアーノズルから噴射される固化材スラリーを包み込むように噴射させることを特徴とする。
本発明は、ダウンザホールハンマを使用する圧縮空気併用高圧噴射攪拌装置を、以上のように構成したので、1台の高圧コンプレッサで、削孔時にはダウンザホールハンマ駆動用の高圧エアー及びエアーノズルの詰まり及び削孔壁の崩壊防止する高圧エアーが得られ、又、改良体造成時には、固化材スラリーを包む最適なエアー圧力に制御したエアー圧力を得ることができる。
エアー圧力には、削孔時のダウンザホールハンマ駆動用の高圧エアー圧力及び改良体造成用のエアーノズル詰まり防止用のエアーノズルからのエアー圧力があり、改良体造成時の固化材スラリー噴流を包み込んで噴射するエアー圧力は、減圧弁により最適なエアー圧力に減圧し調節することができる。また、エアー風量は、切替えバルブによって調節することができる。適切なエアー風量は、風量計で測定し、必要な風量を調節し監視することができる。
エアー流路の方向は、切替えバルブによって操作でき、このようなエアー流路の切換え方法によって、地盤に効率的に大径の改良体を造成する高圧噴射攪拌工法が施工できる。ダウンザホールハンマの構造は、造成モニタの下部にレジューサで接続し、地盤に応じて直径φ90〜250 mmの種々のサイズのダウンザホールハンマが適用可能である。本発明により、改良対象地盤が捨石等の障害物下の地盤であっても、ダウンザホールハンマで削孔した下部地盤に直径φ3〜5 m程度の大径の改良体を造成することができる。
本発明の高圧噴射撹拌装置の造成モニタ及びダウンザホールハンマの縦断面拡大図である。 本発明のレジューサを取り付ける位置と取付けの態様を説明する図である。 本発明のエアー制御流路を示す図で、削孔時のエアーの流れを示すフロー図である。 本発明のエアー制御流路を示す図で、改良体造成時のエアーの流れを示すフロー図である。 本発明の実施例に係る地層と改良体を示す図で、地盤土層構成及び改良体深度位置を示す図である。 本発明の実施例に係る地層と改良体を示す図で、改良体と護岸の位置関係を示す図である。 本発明の実施例に係る地層と改良体を示す図で、図4(b)のC−C断面図である。 本発明の高圧噴射撹拌装置を用いての高圧噴射撹拌工法施工手順を示す図であり、(a)はボーリングマシンのセット時、(b)は捨石層の削孔時、(c)は改良下端までの削孔時、(d)は固化材スラリーの噴射テスト後、造成開始から造成途中時、(e)は改良上端まで噴射造成時、(f)はロッドを引き上げた改良体造成完了時、を示す図である。
本発明の第1実施形態を図1〜図5により説明する。高圧噴射撹拌装置Mは、駆動装置3により駆動するロッド1を備えており、前記ロッド1の下端部1aには造成モニタ5が螺着され、該造成モニタ5の下端部にはダウンザホールハンマ7が連結されている。
前記ロッド1及び造成モニタ5(以下、単に、ロッド、ということがある)は、三重管式の多重管構造であり、内管9と中管11と外管13とを備えている。前記内管9は、ロッドの中心部を通る縦管部9aと、該縦管部9aに連続する径方向の横管部9bとを備え、前記横管部9bの出口は、セメント系固化材スラリーの噴出孔9c(ノズル)となっている。この内管9は、その中心部から外側に向かって、セメント系固化材スラリーを流通させる。前記中管11は、前記内管9の外側に配設され、該中管11の下端部はダウンザホールハンマ7の駆動エアー流路7aに連通している。前記中管11に供給された圧縮空気は、駆動エアー流路7aに設けたピストン(図示省略)を駆動させてダウンザホールハンマ7を摺動させる。
前記外管13は、中管12の外側に配設された縦管部13aと該縦管部13aに連続する径方向の横管部13bとを備え、前記横管部13bの出口は高圧空気の噴射孔(エアーノズル)13cとなっている。前記噴射孔13cは、前記噴出孔9cの外周を間隔をおいて包囲しており、前記噴出孔9c及び噴射孔13cは、全体として造成モニタ5のノズル装置Nを構成している。前記外管13は、前記噴出孔9c(ノズル)から高圧噴射させるセメント系固化材スラリー噴流に沿わせて噴射する圧縮空気及び削孔時の改良体造成用のエアーノズル詰まり防止と、削孔地盤の孔壁の崩壊防止のための圧縮空気を流通させる。なお、前記各管9,11,13は、完全に独立した構成となっている。
前記造成モニタ5とダウンザホールハンマ7は、連結具を介して連結されている。前記造成モニタ5は特殊品(独自加工品)であるので、市販の通常規格品のダウンザホールハンマ7を使用するためには、造成モニタ5とダウンザホールハンマ7を連結する連結具が必要となるのである。この連結具として、レジューサ15を使用することによって、通常規格品のダウンザホールハンマを自由に用いることができるので、本発明の高圧噴射攪拌装置を用いた施工に汎用性を持たせることができる。
本発明で主に使用を想定している、内管、中間及び外管からなる三重管構造のモニタ(以下、単に、三重管モニタ、と言う)は、直径φ89 mmまたはφ114 mmである。市販のダウンザホールハンマの直径には各種のサイズがあり、装着するダウンザホールハンマの直径は、前述の三重管モニタと同一径又はそれより大きい径がよい。使用可能なダウンザホールハンマの直径はφ90 mm〜250 mmサイズがあるが、本発明が対象としている高圧噴射攪拌工に使用するダウンザホールハンマの直径は、施工中の排泥排出の最適処理を考慮すると、好ましくは、三重管モニタの直径がφ89 mmの場合には、φ90 mmからφ110 mmである。また、三重管モニタの直径がφ114 mmの場合には、φ115 mm〜130 mmである。より好ましくは、三重管モニタの直径がφ89 mmの場合には三重管モニタの直径の約+5%の径としてφ100 mmの径のものが好適である。また、三重管モニタの直径がφ114 mmの場合には、三重管モニタの直径の約+5%の径としてφ120 mm〜φ130 mmの径のものが好適に用いられる。
ダウンザホールハンマ7は、圧縮空気により作動するピストン(図示省略)及び該ピストンの打撃により突出して地盤を削孔するビット17を有しており、ピストンの往復運動により摺動するビット17の打撃により、捨石等の障害物を粉砕する。前記ビット17は交換が可能であり、例を挙げれば、そのビット形式には、クロス式、ボタン式、スパイク式等があり、口径(ゲージ径)もダウンザホールハンマ胴径φ114 mmに対しては標準規格でφ127 mm、φ140 mm等がある。なお、先端ビット口径に関しては、用途に応じて所望の口径のビットが作成可能である。
前記三重管構造は内管9、中管11、外管13で構成されているが、その内の圧縮空気の供給は、前記中管11、外管13であり、エアー制御流路を介してコントロールされる。このエアー制御流路を図3により説明する。内管9は、超高圧ポンプ20、流量計23を介してスラリープラント27に接続されている。
高圧コンプレッサ33から高圧流路32Aと減圧流路39Aに分岐しており、前記高圧流路32Aには、高圧切替えバルブ32が設けられ、前記減圧流路39Aには、減圧弁40と該減圧弁40の二次側に減圧切替えバルブ39が設けられている。前記高圧流路32Aと減圧流路39Aは、その後共通流路31を経由した後、再び中管側流路11Aと外管側流路13Aに分岐する。前記中管側流路11Aは、中管切替えバルブ30、風量計29を介して中管11に連通し、外管側流路13Aは、外管切替えバルブ37、風量計35を介して外管13に連通している。
前記エアー制御流路において、減圧弁、切替えバルブ、風量計を組み込んだ主な目的は、1台のコンプレッサを使用して兼用させ、且つエアー量とエアー圧力を調節するためである。前記コンプレッサとして、例えば、エアー量19 m3/分、エアー圧力1.4 MPa仕様の高圧コンプレッサ33が用いられ、又、高圧切替バルブ32及び減圧切替バルブ39として、例えば、ボール弁が用いられる。
図4及び図5に基づいて、三重管モニタの直径がφ114 mmの場合について、本発明のダウンザホールハンマを装着した高圧噴射撹拌工法の実施例及び施工手順を以下に示す。本工事目的は、液状化対策を目的とした改良杭造成である。高圧噴射撹拌工法の改良仕様としては、改良体Kの直径(改良径)φ3.5 m、改良削孔長 L=12 m、改良長 L=9 mである。地盤構成は、図4に示すように、上部から1 mの空打ち部E、その下部2 m厚で捨石層F、その下部4 mにはN値10から15の緩い砂層S、その下部5 mにはN値20程度の礫まじり砂で崩壊しやすい砂礫層R、で構成されている。
まず、改良造成を行うに当たり、改良対象地盤を所定深度まで削孔する必要がある。装着するダウンザホールハンマ7は、三重管モニタ5の直径の約+5%の径として、直径φ120 mmを使用し、三重管モニタ5の下端部位置にレジューサ15で連結した。削孔作業は、高圧コンプレッサ33を駆動させ、削孔時のダウンザホールハンマ7駆動用の高圧エアー及び改良体造成用のエアーノズルの詰まり防止用の高圧エアーを吐出しながら削孔作業を開始する。
図3(a)により削孔時のエアーの流れを説明する。削孔時には、減圧切替えバルブ39を閉鎖し、高圧切替えバルブ32を開放する。そうすると、高圧コンプレッサ33(機械仕様:エアー圧力1.4 MPa、エアー量19 m3/分)からの圧縮空気は、高圧流路32A、共通流路31を通って中管側流路11A及び外管側流路13Aに流れる。
前記中管側流路11Aに分岐された圧縮空気は、中管切替えバルブ30、風量計29を通って、中管11に流入し、ダウンザホールハンマ駆動用エアーとなってピストンを駆動させるので、ダウンザホールハンマ7が摺動する。そうすると、ダウンザホールハンマ7は、捨石などの障害物を粉砕しながら削孔するので、捨石層Fの削孔を容易に行うことができる。この時、中管切替えバルブ30は100%開の内、90%程度の開とした。
前記外管側流路13Aに分岐された圧縮空気は、外管切替えバルブ37、風量計35を通って外管13に流入し、噴射孔(エアーノズル)13cから削孔壁に向かって噴出される。そうすると、ノズル装置Nにはノズルとエアーノズルとの間からエアーを噴射させるため、エアーノズル詰まりを防止できるとともに、削孔壁は圧縮空気を受けるので、崩れにくくなる。この時、外管切替えバルブ37は100%開の内、10%程度の開とした。
エアー量は、ダウンザホールハンマ駆動用と改良体造成用のエアーノズル詰まり防止用に最適な風量となるように、風量計35及び風量計29を見ながら切替えバルブ30,37の開閉具合を調整し、目的に合った風量に制御する。この高圧エアーが流れる方向は、外管13には風量計35を通過して改良体造成用のエアーノズル詰まり防止用圧縮空気流路方向へ、中管11には風量計29を通過してダウンザホールハンマ駆動用圧縮空気流路方向へ、夫々圧送される。
本実施例の削孔地盤の土層構成と削孔時の高圧エアーの調節仕様を説明する。最上部から1 mの空打ち部Eは、空中、或いは緩い砂や粘性地盤である。その下部2 mは捨石層Fであり、この捨石層Fの削孔を行う場合は、高圧コンプレッサのエアー圧力は1.4 MPaで、ダウンザホールハンマ駆動用エアー量と、エアーノズル詰まり防止用エアー量の総量は15 m3/分で、各用途別のエアー量の割合は9:1であり、具体的には、13.5 m3/分:1.5 m3/分程度に調整されている。
前記捨石層Fの下部には、層厚4 mのN値10から15の緩い砂層Sが存在し、この緩い砂層Sを削孔する場合には、ダウンザホールハンマ駆動エアー量とノズル詰まり防止用エアー量のエアー量の割合は、総エアー量15m3/分の内、前記各用途に対して7:3の割合で、エアー量の割合は、10.5 m3/分:4.5 m3/分程度に調整されている。
前記緩い砂層Sの下部には、層厚5 mのN値20程度の礫まじり砂で崩壊しやすい砂礫層Rが存在し、この砂礫層Rを削孔する場合には、ダウンザホールハンマ駆動エアー量と、ノズル詰まり防止用エアー量は、15 m3/分の内、前記各用途に対して6:4の割合で、エアー量の割合は、9 m3/分:6 m3/分程度で行うと、崩壊しやすい地盤の土砂は地表部へ著しく排出しやすくなった。なお、高圧コンプレッサ33のエアー量の調節は、改良予定深度までの地盤の構成によって自在に調整可能である。
次に、図3(b)により改良体造成時のエアーの流れを説明する。改良体造成時には、超高圧ポンプ20を起動してスラリープラント27から内管9に固化材スラリーを供給する。そして、エアー制御流路の減圧切替えバルブ39、外管切替えバルブ37を開にし、高圧切替バルブ32、中管切替えバルブ30を閉にする。この時、外管切替えバルブ37は全開にする。そうすると、高圧コンプレッサ33からの圧縮空気は、減圧弁40、減圧流路39、共通流路31を通って外管側流路13Aのみに流れる。
改良体造成時では、圧縮空気はエアーノズル13cを介し全て固化材スラリー噴流を包み込んで噴射するエアーとして使用する。そしてこの場合の所定のエアー圧力は、本発明が対象とする高圧噴射攪拌工法の噴射仕様の場合には1.05 MPaであるので、高圧コンプレッサ33で発生するエアー圧力1.4 MPaは減圧する必要がある。よってエアー制御流路は、削孔時に開いていた高圧切替えバルブ32を閉じて、減圧切替えバルブ39を開き、エアー圧力を1.4 MPaから1.05 MPaに減圧するように調節する減圧弁40を通過させる。
風量計35を通過したエアー圧力1.05 MPaに減圧された高圧エアーは、その用途から全て外管13に圧送するので、外管切替えバルブ37を全開するとともに、切替えバルブ30を閉鎖する。このときの改良体造成時の固化材スラリー噴流を包み込んで噴射するエアー量は、9 m3/分〜12 m3/分となる。また前記エアー量は、風量計35を監視しながら外管切替えバルブ37の開閉具合を調節することで制御でき、必要に応じたエアー量を外管13に供給できる。なお、エアー圧力は、減圧弁40の設定を調整することで自在に調節でき、使用目的に合わせて自由に制御できることは言うまでもない。
改良体造成時には、ノズル装置Nから固化材スラリーが圧縮空気とともに、削孔壁に向かって噴射されて、改良体Kが形成されるが、この時の改良体Kの直径は、φ3.5 mである。
図5は、施工手順を示す図であるが、この図について簡単に説明する。削孔時には、図5(a)に示すように高圧噴射撹拌装置Mは改良対象地盤にセットされ、図5(b)に示すように捨石層Fが削孔された後、図5(c)に示すように砂層、砂礫層が掘削され、改良予定の下端まで削孔される。又、改良体造成時には、図5(d)に示すようにノズル装置Nから固化材スラリーを圧縮空気で包み込むようにしながら噴出させるとともに、ロッド1を上昇させ、図5(e)に示すようにノズルNを改良上端まで上昇させる。その後ノズル装置Nからの固化材スラリー及び圧縮空気の噴射を停止し、ロッド1を上昇させて元の位置に戻す。この様にして、設計通りの大径の改良体Kが形成される。
本発明に用いるエアー流路の減圧弁40の原理は、市販の減圧弁と同じである。その機構はダイアフラムを境として調整スプリングの力と二次圧力の力、この上下の力のつりあいで圧力を調整している。つまり、調整ねじを押し込んで調整スプリングに力を加えると、その力に見合った二次圧力が設定されるものである。このように調整ねじの押し込み具合で減圧弁の設定圧力を自在に調節することができる。
また、本発明のバリエーションとして、固化材スラリー、切削水、圧縮空気を使用する三重管高圧噴射攪拌工法にも適用が可能である。更に、本発明の三重管ロッドの外管流路を停止し二重管ロッドとして使用することにより、エアー噴射を伴わないスラリー噴射の切削のみで改良径を造成するダウンザホールハンマ装着の単液高圧噴射攪拌装置として用いることも可能である。
この発明のエアー制御流路は、前記に限定されるものではなく、削孔時には、切替えバルブの切り替えによりコンプレッサから供給される圧縮空気を中管及び外管に供給して、ダウンザホールハンマに駆動用圧縮空気を送るとともに、造成モニタのエアーノズルにも圧縮空気を供給し、又、改良体造成時には、切替えバルブの切替えにより外管のみに圧縮空気を供給し、造成モニタのエアーノズルから固化材スラリーを包み込む圧縮空気を供給できる制御流路であれば良い。
1 ロッド
5 造成モニタ
7 ダウンザホールハンマ
9 内管
9c 固化材スラリーの噴出孔(ノズル)
11 中管
11A 中管側流路
13 外管
13A 外管側流路
13c 造成用エアーの噴射孔(エアーノズル)
15 レジューサ
29 風量計
30 中管切換えバルブ
31 共通流路
32 高圧切替えバルブ
33 高圧コンプレッサ
35 風量計
37 外管切替えバルブ
39 減圧切替えバルブ
39A 減圧流路
40 減圧弁
N ノズル装置
M 高圧噴射撹拌装置

Claims (5)

  1. ロッド下端に造成モニタとダウンザホールハンマを順次連結して備え、圧縮空気を使用する高圧噴射攪拌工法に用いられる高圧噴射攪拌装置において、前記ロッド及び造成モニタは、内管、中管及び外管からなる、完全独立の三重管構造であり、
    前記内管は、前記造成モニタのノズルに連通する、固化材スラリー用流路であり、前記中管は、ダウンザホールハンマの駆動部に連通する、ダウンザホールハンマ駆動用エアー流路であり、
    前記外管は、前記造成モニタのノズルに連通するエアー流路であって、この改良体造成のためのエアー流路は、改良体造成用のエアーノズルの詰まり防止用のためのエアー流路及び削孔壁の崩壊防止用のエアー流路として機能し、
    前記中管及び外管は、切替え手段を有するエアー制御流路及び装置を介してコンプレッサに連結されており、
    前記エアー制御流路は、コンプレッサから分岐する高圧流路と減圧流路と、前記高圧流路と減圧流路を切り替える切替えバルブと、前記減圧流路に設けられた減圧弁と、前記高圧流路と減圧流路が経由する共通流路と、前記共通流路から分岐する中管側流路と外管側流路と、前記中管側流路と外管側流路に設けられた切替えバルブと、を備えていることを特徴とする高圧噴射撹拌装置。
  2. 造成モニタとダウンザホールハンマの間にレジューサを取り付けたことを特徴とする請求項1記載の高圧噴射撹拌装置。
  3. 外管側流路及び中管側流路には、風量計が配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の高圧噴射撹拌装置。
  4. 請求項1、2、又は、3のいずれかに記載の高圧噴射撹拌装置で施工する高圧噴射攪拌工法。
  5. 請求項1、2、又は、3のいずれかに記載の高圧噴射撹拌装置で施工する高圧噴射攪拌工法であって、
    削孔時には、前記高圧流路と減圧流路を切り替える切替えバルブを前記高圧流路側に切り替えてコンプレッサから供給される圧縮空気を中管及び外管に供給し、中管流路でダウンザホールハンマを駆動させるとともに、外管流路でエアーノズルから圧縮空気を噴出させてノズルの詰まり及び削孔壁の崩壊を防止し、改良体造成時には、前記高圧流路と減圧流路を切り替える切替えバルブを前記減圧流路側に切り替えると共に前記中管側流路と外管側流路に設けられた切替えバルブを切り替えて外管のみに圧縮空気を供給し、エアーノズルから噴射される固化材スラリーを包み込むように噴射させることを特徴とする高圧噴射撹拌工法。
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