JP2949485B2 - 注入固化方法及びその注入装置 - Google Patents

注入固化方法及びその注入装置

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JP2949485B2 JP15507897A JP15507897A JP2949485B2 JP 2949485 B2 JP2949485 B2 JP 2949485B2 JP 15507897 A JP15507897 A JP 15507897A JP 15507897 A JP15507897 A JP 15507897A JP 2949485 B2 JP2949485 B2 JP 2949485B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮空気とグラウ
ト材を用いた注入固化方法及びその注入装置に関するも
ので、砂質地盤の液状化防止対策、及び液状化に伴う地
盤流動化防止対策を要旨として、恒久性、高強度が要求
される既設構造物基礎地盤の改良、(例えば新幹線、高
速道路の高架橋下部基礎地盤補強など)岸壁の荷役施設
及び護岸・擁壁の下部地盤の改良、既設タンク基礎地盤
の改良などに適した注入固化方法及びその注入装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】液状化現象が科学的に認識されたのは、
新潟地震(1964年、M=7.5)以降からで、この
地震を契機として、液状化現象の解明とその対策に関す
る工学的な取り組みが急速に進展し多くの実用化技術が
研究されてきている。このうち、固結工法ではセメント
などの改良材と土を地盤中で攪拌混合する深層混合処理
工法、懸濁液状の改良材を地盤中に注入して固化させる
注入固化工法などがあり、いづれの工法の地盤の性質
(密度、透水性)を変えて液状化抵抗を増大させ過剰間
隙水圧の発生を抑制し液状化を起こさせないという考え
方に基づいている。前者は比較的施工実績も多く、実用
化技術が種々提案されているのに対し後者は施工実績も
少なく、実用化技術に遅れをとっているが、近年、恒久
性の超微粒子懸濁液グラウトが開発され兵庫県南部地震
の復興対策工事で採用されたことでにわかに脚光を浴び
ることとなった。
【0003】緩結性の溶液グラウト及び超微粒子懸濁液
グラウトで砂質土地盤を浸透改良する工法は、二重管ダ
ブルパッカー工法(ソレタンシュ工法、スリーブ工法)
が広く知られている。一方、圧縮空気を用いるグラウト
注入方法では、特開昭60−138112号公報に記載
されている圧縮空気を地中に吹き込んで該地盤中に透気
道を形成し、その後該透気道に粉体または懸濁液状のグ
ラウトを注入することを含む空気式グラウチング方法が
提案されている。この方法は先ず圧縮空気により透気道
を形成し、その後該透気道に粉体または懸濁液状のグラ
ウト材を注入するという2段階方式を採用しており、グ
ラウト材を広範囲にわたって注入することが可能である
が、広範囲にわたって透気道を維持するには圧縮空気の
圧力を高めておく必要があり、漏気性の軟弱地盤や既設
構造物周辺では圧縮空気により地盤を破壊する危険性が
ある。また、同公報の図3及び図4から明らかなように
エアーパイプの下方端部に複数の吐出口を有した注入装
置より粉体または懸濁液状のグラウト材を圧縮空気とと
もに地盤中に吹込むことになるが、同吐出口には逆流防
止のための逆止弁などの装置がないため、注入完了時、
またはエアーパイプの接続・切断時には送気装置及びグ
ラウト送給装置を停止すると前記吐出口よりパイプ内に
粉体または懸濁液状のグラウト材が逆流するため、注入
装置内が閉塞するなどのトラブルが発生しやすい。
【0004】また、圧縮空気を用いるグラウト注入で他
の方法として、特開昭54−152309では、気・液
を別通路を通して圧送しているものも提案されている
が、この装置では気・液の両通路は注入管内で気・液が
混合する構成になっており、しかも気・液の吐出口には
一旦噴出した液などが管内に逆流するのを防止するため
の逆止弁などの装置がないため、噴出を一時停止すると
きなどに管内への逆流が生じ、噴出口が塞がれるなどの
不都合が生じ、注入不能となり、注入管を引き抜き再度
削孔するなど多大な手間と費用を要する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の二重管
ダブルパッカー工法(ソレタンシュ工法、スリーブ工
法)は、外管と地盤に形成されるリング状間隙に硬化材
(セメント・ベントナイト)を充填し固化させ、外管と
地盤を一体化させることにより外管を動かさないように
し、グラウトの逸走、上噴を確実に防止することで、溶
液グラウト及び超微粒子懸濁液グラウトのような緩結性
注入材を注入する場合、非常に有効である反面、注入時
において、前記外管の周囲に形成されたシールグラウト
を割って地盤に注入する際のクラッキングは、外管の設
置状態と関係し一方に偏ってクラッキングされる場合が
多く、従って注入管を中心として放射状に注入されるこ
とは少ない。また、この工法では、低吐出、低圧力によ
り砂質土層の浸透注入を行なうことを要旨としている
が、超微粒子懸濁液グラウトを砂質土層に低圧力で注入
した場合、土粒子間隙を通過する際、グラウト中の微粒
子と土粒子の接触面に生じる抵抗力や、グラウトの流速
が遅いとグラウト微粒子の沈殿、凝集などが生じ、吐出
口周辺が目詰まり状態となり、緩結性の溶液型グラウト
に比較して改良径が小さくなるという欠点がある。改良
径が小さいと施工面積当たりの注入孔数が増大しコスト
面に影響するので、従って如何に浸透性を向上させ改良
径を大きくするかということが重要な課題となる。
【0006】次ぎに、圧縮空気とグラウト材を用い地盤
に注入する工法で緩結性の超微粒子懸濁液グラウトを注
入する場合、気液混合されたグラウトが注入管廻りの空
隙に沿って上部に逃げて地表面に噴出したり、既設構造
物との境界面、地盤中の水みち、空隙などから漏出した
りすることが多い。注入管を所定位置に設置する場合、
穿孔水を使用するのが一般的で、穿孔水をスライム排出
手段として使用するため、特に緩い砂質土などでは注入
管周囲の地盤に大きな空隙が形成される。この空隙に瞬
結性のグラウト材を用いてグラウトパッカーを形成し、
注入材の上噴防止を行っているが、気液混合グラウトを
注入する時、地盤の受入れ抵抗が大きく且つグラウトパ
ッカーの形成に溶液型グラウトを用いた場合にはホモゲ
ル強度が小さいため、グラウトパッカーは容易に破られ
上噴防止は困難となる。従って、気液混合グラウトを注
入するに当たっては前記上噴防止が重要な課題となる。
【0007】また、圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウト
の気液混合グラウトを注入する工法の装置に関しては、
地上に設けられた装置で予め混合された気液混合グラウ
トをエアーパイプ先端に接続された注入吐出口から地盤
中に注入するもの、または二重管の一方の流路に圧縮空
気を送気し、他方の流路に超微粒子懸濁液グラウトを送
液して注入管先端の管内で混合させ吐出口より地盤中に
注入する方法などがあるが、注入管の外周に複数の吐出
口を有し、地盤に対し水平方向に開口されている注入管
装置では、所定の注入終了時、または注入管の切断、接
続時には送気装置及びグラウト送給装置を停止して前記
操作を行なうことになるが、両装置を停止すると、注入
管内が負圧状態となり、外周地盤に注入され圧力状態の
気液混合グラウトが前記開口した吐出口より注入管内に
逆流するため、先端装置内が閉塞し注入不能となるなど
の問題が生じる。
【0008】次に砂質土地盤を均質に浸透注入させるた
めの気液混合グラウトの吐出方向については、注入管の
軸方向に対し直角(地盤に対し水平方向)に指向し、周
方向に複数の吐出口を有する注入装置では、注入材の噴
射は吐出口数に応じた点状の注入形態を示し、点状の中
間部では未浸透部分が形成され易く、所定領域を均質に
浸透改良がなされないなどの問題点が生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために提案されたもので、本願出願人が開発し
た特開昭54−144705号の、外管と内管を同心状
に配設した注入部材の先端に無水用掘削刃を装着し、無
水状態で被改良地盤内の所定深度まで穿孔した後、前記
注入部材と地盤とが密着した状態で同注入部材を介して
地盤改良用グラウト材を被改良地盤内に注入するグラウ
ト注入方法において、前記注入部材の前記外管には、下
側吐出部と上側吐出部により構成された2つの吐出部が
軸方向に適宜間隔で配設され、前記各吐出部にはそれぞ
れ環状凹窩を有し、該環状凹窩にはそれぞれ周方向等配
分に複数の細孔が穿設され、該細孔は前記下側吐出部で
は内管流路と連通し、上側吐出部では外管流路と連通
し、前記環状凹窩部分にはそれぞれ弾性環状体を前記外
管の外周面より突出しないように覆い、前記下側吐出部
では、前記弾性環状体の下端部を前記環状凹窩外周面の
下側外管に突設された環状突出部により挟着するととも
に、前記上側吐出部では、前記弾性環状体の上端部を前
記環状凹窩外周面の上側外管に突設された環状突出部に
より挟着してなる注入部材を用い、その先端に無水用掘
削刃を装着し、無水状態で被改良地盤内の所定深度まで
穿孔した後、前記注入部材と外周地盤とが密着した状態
で、そのまま、又はシールグラウトを行った後、圧縮空
気とグラウト材を管内で混合し、混合された気液混合グ
ラウトを前記注入部材の内管流路に連通した下側吐出部
より噴射し、同気液混合グラウトの噴射圧力で土粒子間
隙に浸入させながら徐々に改良径を大きくする一方、前
記上側吐出部より前記圧縮空気とは別系統の圧縮空気を
噴射し、前記注入部材周囲の隙間より漏出する前記気液
混合グラウトを、同圧縮空気の噴射流に誘引させ随伴状
態で地盤中に注入させることにより、地上への漏出を遮
断するエアーバリアーを形成し、所定範囲を改良し、注
入することを特徴とする注入固化方法を開発した。
【0010】さらに、本発明では、外管と内管を同心状
に配設した注入部材の先端に無水用掘削刃を装着し、無
水状態で被改良地盤内の所定深度まで穿孔した後、前記
注入部材と地盤とが密着した状態で同注入部材を介して
地盤改良用グラウト材を被改良地盤内に注入するグラウ
ト注入装置において、前記注入部材の前記外管には、下
側吐出部と上側吐出部により構成された2つの吐出部が
軸方向に適宜間隔で列設され、前記吐出部にはそれぞれ
環状凹窩を有し、該環状凹窩にはそれぞれ周方向等配分
に複数の細孔が穿設され、該細孔は前記下側吐出部では
内管流路と連通し、上側吐出部では外管流路と連通し、
前記環状凹窩部分にはそれぞれ弾性環状体を前記外管の
外周面より突出しないように覆い、前記下側吐出部で
は、前記弾性環状体の下端部を前記環状凹窩外周面の下
側外管に突設された環状突出部により挟着するととも
に、前記上側吐出部では、前記弾性環状体の上端部を前
記環状凹窩外周面の上側外管に突設された環状突出部に
より挟着した注入部材を用いたことを特徴とする注入装
置を開発した。
【0011】また、本発明では、本願出願人が開発した
特開昭57−190826号の、被改良地盤内に所定深
度まで二重管より水を噴射しながら削孔し、削孔に引き
続いて同二重管を引上げながら削孔部内に硬化材を前記
二重管より注入充填し、引き上げられた同二重管の先端
に注入部材と掘削刃を取付けて硬化材が充填されている
削孔部内に再び無水状態で掘り下げ、硬化材内に注入部
材が貫入された状態で同注入部材より硬化材を通過して
周囲の地盤中に地盤改良用グラウト材を注入する地盤改
良工法において、有水穿孔された孔を硬化材で孔埋めし
た所を再び無水状態で掘り下げ、前記硬化材内に前記注
入装置が貫入された状態で同注入装置より前記硬化材を
通過して周囲の地盤中に圧縮空気とグラウト材の気液混
合グラウトを注入することを特徴とする注入固化方法を
開発した。このように本発明は前記発明を更に改良した
ものである。
【0012】また、本発明では、被改良地盤内に所定深
度までケーシングパイプにより水または圧縮空気を噴射
しながら削孔し、前記注入部材とそれに継接された二重
管ロッドを前記ケーシングパイプ内に遊挿し、ケーシン
グパイプを引き抜きながらまたは引き抜き後、前記注入
部材とそれに継接された二重管ロッドの外周とケーシン
グパイプ内壁に形成される中空部を介して前記注入部材
とそれに継接された二重管ロッド周囲に砂を充填し、前
記注入部材と充填砂とが密着した状態で、圧縮空気を用
いてエアーバリアーを形成するとともにグラウト材を注
入する気液混合注入固化工法を開発した。
【0013】更に本発明では、被改良地盤内に所定深度
までケーシングパイプにより水または圧縮空気を噴射し
ながら削孔し、前記ケーシングパイプを引き抜きながら
または引き抜き後、削孔部内に砂を注入充填し、前記二
重管ロッドの先端に前記注入部材と無水用掘削刃を取り
付けて砂で充填された前記削孔部内を無水状態で掘り下
げ、充填砂内に前記注入部材が貫入された状態で同注入
部材より圧縮空気を用いてエアーバリアーを形成すると
ともにグラウト材を注入する気液混合注入固化工法を開
発した。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を本発明の好ましい実
施の形態を示す図面について説明する。 (実施例1)図1は、本発明の請求項1及び2の発明を
実施するための注入装置で、1は注入部材、2は吐出部
で、下側吐出部5と上側吐出部4により構成された2つ
の吐出部が軸方向に適宜間隔で配設され、部材先端に無
水用掘削刃3が装着されている。前記吐出部2は上部管
6と中部管7と下部管8よりなり、中部管7の外周面に
は上側吐出部4を形成する第2の環状凹窩10と下側吐
出部5を形成する第1の環状凹窩9が設けられ、中部管
7の基端部、下端部にそれぞれ外周螺糸部7a,7bが
設けられ、同部7a,7bに中部管7と同径の上部管6
及び下部管8が螺着され、下部管8によって中部管7の
中空部が閉塞されている。同下部管8の下端には先端錐
3aを有する無水掘削刃3が螺着され、また同下部管8
の上端縁からは前記第1の環状凹窩9の下半部外周を囲
繞する環状突出部8aが突出され、上部管6の下端縁か
らは前記第2の環状凹窩10の上半部外周を囲繞する環
状突出部6aが突出されている。外管11の上部管6と
中部管7に連通した中空部には内管12が上部管6と中
部管7の断面中心に配設され、その下端部外周が中部管
7における第2の環状凹窩10の下端部に位置する内周
部に設けられた段部7cより下方に配設された内周螺糸
部7dに螺着され、内管12は上部管6と外周螺糸部7
aの中空部を介して中部管7の中空部に連通して流路1
3を形成し、一方前記段部7cより上方の中部管7内の
中空部は内管12の外周壁と前記段部7cとによって内
周及び下端を閉塞されて流路14を形成している。
【0015】前記第2の環状凹窩10には周方向に90
度間隔で4方向に穿設された細孔10aを有し、該細孔
10aは中部管7の流路14に連通し、また、前記第1
の環状凹窩9には周方向に90度間隔で4方向に穿設さ
れた細孔9aを有し、該細孔9aは内管12の流路13
とを連通し、且つ前記凹窩10、9にはゴム等よりなる
弾性環状体10c、9cが、その外周面が上部管6、中
部管7及び下部管8の外周面より突出しないように嵌装
され、上側吐出部4では、その上端部が第2の環状凹窩
10と上部管6の環状突出部6aとによって挟着され、
下側吐出部5では、その下端部が第1の環状凹窩9と下
部管8の環状突出部8aとによって挟着され、注入部材
1が形成される。
【0016】図3に示すように、着脱自在な2重管ロッ
ド27に前記注入部材1を継接し、その下端部に装着さ
れた先端錐3aを有する無水掘削刃3を利用して噴射水
を使用することなく無水の状態でそのまま被改良地盤4
6の所定深度まで公知の注入管設置機29により回転・
圧入する。この際、図1に示すように前記上側吐出部4
及び下側吐出部5に環状に設けられた弾性環状体10
c、9cは、夫々外管11の外周面より突出しないの
で、注入部材1の圧入に対して障害とならず、同注入部
材1は円滑に地中に圧入されるとともに、周辺土砂の注
入細孔10a、9aへの浸入が防止される。
【0017】また、前記注入部材1は無水状態の下に地
盤内に圧入されるので、周辺地盤を攪乱することがな
く、また注入部材1と外周地盤との間には殆ど隙間が生
起することがない。このように注入部材1と外周地盤が
密着した状態で、同注入部材1を回転することなく、そ
のまま注入を行なってもよく、また、シールグラウトを
行なう時は、瞬結型の懸濁液グラウト、または溶液グラ
ウトを用い、上側吐出部4に連通した外管流路14には
主剤、下側吐出部5に連通した内管流路13には硬化剤
を2ショット方式で送液し、前記上側吐出部4と下側吐
出部5より同時に注入し、管外で2液混合させ、注入管
外周に形成される微細な間隙にシールグラウトすること
により、グラウト材の地表面への漏出を防止する。シー
ルグラウト量は、注入管外周に形成される微細な間隙へ
の注入であるので少量でよい。
【0018】また、本発明の要旨である圧縮空気とグラ
ウト材からなる気液混合グラウトを地盤に注入中に後述
のエアーバリアー(air barrier)を逸脱し
たグラウトや予期し得ない既設構造物との境界面、地盤
中の水みち、空隙などから漏出したりすることを防止す
るために、地上に設置した流路切替装置33で上記シー
ルグラウト方法に切替え、随時、シールグラウトを行な
うこともできる。
【0019】本発明の請求項1の記載の発明は図3に示
すようにグラウト材を1ショットまたは1.5ショット
方式でグラウト送給装置35より流量計34を通り流路
切替装置33の図示しないグラウト流入口にいたる。ま
た、第1系統の圧縮空気は送気装置41の第1系統送気
口40より圧力計付きのレギュレータ39と風量計38
を接続したエアーホース37を通り流路切替装置33の
図示しない第1系統圧縮空気口にいたる。ここで流路切
替装置33の操作により同配管内で第1系統の圧縮空気
と前記グラウト材は合流混合され気液混合グラウトとな
り、流路切替装置33の図示しない流出口に接続された
内管流路用ホース31、及びスイベル30を介して、前
記注入部材1の内管流路13にいたる。一方、第2系統
の圧縮空気は、送気装置41の第2系統送気口45よ
り、圧力計付きのレギュレータ44と、風量計43を接
続したエアーホース42を通り前記流路切替装置33に
おける図示しない第2系統圧縮空気口にいたり、前記流
路切替装置33における図示しない流出口に接続された
外管流路用ホース32、及びスイベル30を介して、前
記注入部材1の外管流路14にいたる。
【0020】このように前記注入部材1の2流路のう
ち、内管流路13には第1系統の圧縮空気とグラウト材
の気液混合グラウトが送液され、前記内管流路13は下
側吐出部5を形成する第1の環状凹窩部9の細孔9aと
連通しているので、前記気液混合グラウトは夫々の細孔
9aを経て、第1の環状凹窩9と弾性環状体9cの隙間
を通り、弾性環状体9cを半径方向に押し広げながら環
状凹窩部分9の上端に達するが、ここで横方向に向きを
変え弾性環状体9c上端と環状凹窩部9上端の隙間より
被改良地盤46に噴射される。
【0021】なお、弾性環状体9cの下端部は凹窩外周
面と下部管8に突出された環状突出部8aで挟着される
ため、細孔9aより吐出された気液混合グラウトは環状
凹窩部分9と弾性環状体9cの隙間部分では上方向のみ
に吐出される。また、環状凹窩部分9に穿設された細孔
9aは、周方向に亘り4個で90度間隔に形成され、夫
々の細孔9aで前記の吐出状態が同時に行なわれること
になるので、切れ目なく全方位に噴射される。一方、外
管流路14には第2系統の圧縮空気が送気され、前記外
管流路14は上側吐出部4を形成する第2の環状凹窩部
10の細孔10aと連通しているので、前記圧縮空気は
夫々の細孔10aを経て、第2の環状凹窩部10と弾性
環状体10cの隙間を通り、弾性環状体10cを半径方
向に押し広げながら環状凹窩部分10の下端に達し、こ
こで横方向に向きを変え弾性環状体10c下端と環状凹
窩部10下端の隙間より地盤に噴射される。前記弾性環
状体10cの上端部は凹窩外周面と上部管6より突設さ
れた環状突出部6aで挟着されるため、細孔10aより
吐出された第2系統の圧縮空気は第2の環状凹窩部分1
0と弾性環状体10cの隙間部分では下方向のみに噴出
される。また、環状凹窩部10に穿設された細孔10a
は、下側吐出部5と同様、周方向等分で4個で90度間
隔に形成され、夫々の細孔で前記の噴出状態が同時に行
なわれることになるので、切れ目なく全方位に噴射され
る。
【0022】このように下側吐出部5より気液混合グラ
ウトを地盤に対し水平方向、周方向では点注入すること
なく全方位に亘って面状に噴射し、地盤内の噴射面積を
広めて土粒子間隙に均等に浸入させ、気液混合グラウト
の噴射圧力で間隙にグラウト材を浸入させながら徐々に
改良径を大きくして浸透性を向上させると同時に、前記
上側吐出部4より第2系統の圧縮空気を地盤に対し水平
方向、周方向では全方位に噴射することにより地盤内に
水平方向のエアーバリアー(air barrier)
を形成し、下部から漏出する気液混合グラウトを、圧縮
空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤に注入するの
で、気液混合グラウトの地上への漏出を遮断するととも
に、所定範囲を無駄なく注入することが出来る。図1に
示す注入部材1の吐出部2は、下側吐出部5と上側吐出
部4の2段の吐出口で構成されており、同各吐出部間の
間隔は、土質状況または注入方法に応じ狭小な間隔に配
設することもでき、また所定寸法の間隔に配設すること
もできる。また、上側吐出部4より圧縮空気とグラウト
材を用い合流混合させた気液混合グラウトを噴射し、エ
アーバリアーを形成する事もできる(請求項4)。この
方法では、前記下側吐出部5と上側吐出部4の吐出口と
の間の間隔を、たとえばステップ間隔と同寸法に設定
し、気液混合グラウトを同時に下側吐出部5と上側吐出
部4より噴射することによりエアーバリアーの形成とと
もに同種グラウトの同時注入を可能ならしめ、1本当た
りの施工時間を1/2に短縮できる。また、前記下側吐
出部5の第1の環状凹窩9及び上側吐出部4の第2の環
状凹窩10には周方向等分に90度間隔に4個の細孔9
a、10aを夫々有し、夫々の細孔9a、10aには取
替自在な筒状中空ノズル9b、10bを着脱自在にネジ
接続することも可能である。ノズル径は下側吐出部5と
上側吐出部4とのバランスを考慮して圧縮空気または気
液混合グラウトの圧力及び流量を自由に設定出来る(請
求項8)。更に図10に示すように上側吐出部4の弾性
環状体10cの下端部を第2の環状凹窩10外周面の中
部管7の上側に突設された環状突出部7eにより挟着
し、下側突出部5と同様、弾性環状体10cの上端部よ
り地盤に対して水平方向に噴射することもできる(請求
項9)。また、図11に示すように下側吐出部5の弾性
環状体9cの上端部を第1の環状凹窩9外周面の中部管
7の下側に突設された環状突出部7eにより挟着し、上
側吐出部4と同様、弾性環状体9cの下端部より地盤に
対して水平方向に噴射することもできる(請求項1
0)。このように所定量の1ステップ当たりの注入が完
了したら、注入部材1をステップアップまたはステップ
ダウンし、次のステップの注入を行なうが、本発明では
ステップアップ方式が望ましい。また、ステップ間隔
は、10cm間隔以上100cm間隔までの範囲内で、
1/4m(25cm)間隔とすることが望ましい。以上
の注入操作を繰り返し、1孔当たりの注入が終了する。
このように、請求項1の記載の発明は、予め切替装置3
3の操作でグラウト材と第1系統の圧縮空気を合流混合
させた気液混合グラウトを下側吐出部5より噴射すると
同時に、上側吐出部4より第2系統の圧縮空気または気
液混合グラウトを噴射し、エアーバリアーを形成して注
入する事を要旨とする。 (実施例2)次ぎに請求項2の発明を具体的に説明す
る。図3に示すようにグラウト材は1ショットまたは
1.5ショット方式でグラウト送給装置35より流量計
34を通り流路切替装置33の図示しないグラウト流入
口にいたる。ここで流路切替装置33の操作により、第
1系統の圧縮空気を用いることなく、グラウト材は流路
切替装置33における図示しない第1系統流出口に接続
された内管流路用ホース31、及びスイベル30を介し
て、前記注入部材1の内管流路13にいたる。一方、第
2系統の圧縮空気は、送気装置41の第2系統送気口4
5より、圧力計付きのレギュレータ44と、風量計43
を接続したエアーホース42を通り前記流路切替装置3
3における図示しない第2系統圧縮空気口に至り、前記
流路切替装置33における図示しない第2系統流出口に
接続された外管流路用ホース32、及びスイベル30を
介して、前記注入部材1の外管流路14に至る。
【0023】このように前記注入部材1の2流路のう
ち、内管流路13にはグラウト材が送液され、同内管流
路13は下側吐出部5を形成する第1の環状凹窩部9の
細孔9aと連通しているので、前記グラウト材は夫々の
細孔を経て、第1の環状凹窩9と弾性環状体9cの隙間
を通り、弾性環状体9cを半径方向に押し広げながら環
状凹窩部分9の上端に達するが、ここで横方向に向きを
変え弾性環状体9c上端と環状凹窩部9上端の隙間より
地盤に噴射される。
【0024】なお、弾性環状体9cの下端部は凹窩外周
面と下部管8に突出された環状突出部8aで挟着される
ため、細孔9aより吐出されたグラウト材は環状凹窩部
分9と弾性環状体9cの隙間部分では上方向のみに吐出
される。また、環状凹窩部分9に穿設された細孔9a
は、周方向等分で4個で90度間隔に形成され、夫々の
細孔で前記の吐出状態が同時に行なわれることになるの
で、切れ目なく全方位に噴射される。一方、外管流路1
4には第2系統の圧縮空気が送気され、前記外管流路1
4は上側吐出部4を形成する第2の環状凹窩部10の細
孔10aと連通しているので、前記圧縮空気は夫々の細
孔を経て、第2の環状凹窩部10と弾性環状体10cの
隙間を通り、弾性環状体10cを半径方向に押し広げな
がら環状凹窩部分10の下端に達するが、ここで横方向
に向きを変え弾性環状体10c下端と環状凹窩部10下
端の隙間より地盤に噴射される。前記弾性環状体10c
の上端部は凹窩外周面と上部管6に突出された環状突出
部6aで挟着されるため、細孔10aより吐出された第
2系統の圧縮空気は第2の環状凹窩部分10と弾性環状
体10cの隙間部分では下方向のみに噴出される。ま
た、環状凹窩部分10に穿設された細孔15は、下側吐
出部6と同様、周方向等分で4個の90度間隔に形成さ
れ、夫々の細孔で前記の噴出状態が同時に行なわれるこ
とになるので、切れ目なく全方位に噴射される。
【0025】このようにグラウト材を下側吐出部5より
噴射すると同時に上側吐出部4より第2系統の圧縮空気
を噴射し、管外で圧縮空気とグラウト材を合流混合させ
た気液混合グラウトを土粒子間隙に浸入させ、気液混合
グラウトの噴射圧力で間隙にグラウト材を浸入させなが
ら徐々に改良径を大きくする一方、上側吐出部4より噴
射された圧縮空気は地盤内に水平方向のエアーバリアー
(air barrier)を形成するので、前記注入
部材1周囲の隙間より漏出する前記気液混合グラウト
を、圧縮空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤中に注
入し、地上への漏出を遮断するとともに、所定範囲を無
駄なく注入することが可能となる。図1に示す注入部材
1の吐出部2は、実施例1と同様に下側吐出部5と上側
吐出部4の2段の吐出口で構成されているが、管外でグ
ラウト材と圧縮空気を合流混合させるには前記2つの吐
出口は、狭小間隔に配設されることが望ましい。また、
上側吐出部4より圧縮空気グラウト材を用い合流混合さ
せた気液混合グラウトを噴射し、エアーバリアーを形成
することもできる。(請求項4)更にこの方法では、上
側吐出部4より圧縮空気と2液混合型グラウトの一方の
配合液Aを合流混合させた気液混合剤を噴射すると同時
に、下側吐出部5より他方の配合液Bを噴射し、管外で
2液を混合させた気液混合グラウトを地盤に注入すると
ともに上側吐出部4より噴射された気液混合剤の内、圧
縮空気によりエアーバリアーを形成することもできる。
また、前記下側吐出部5の第1の環状凹窩9及び上側吐
出部4の第2の環状凹窩10には周方向等分に90度間
隔に4個の細孔9a、10aをそれぞれ有し、夫々の細
孔9a、10aには取替自在な筒状中空ノズル9b、1
0bを着脱自在にネジ接続することも可能である。ノズ
ル径は下側吐出部5と上側吐出部4とのバランスを考慮
して圧縮空気または気液混合グラウトの圧力及び流量を
自由に設定出来る。(請求項8)このように所定量の1
ステップ当たりの注入が完了したら、注入部材1を回転
させることなくステップアップまたはステップダウンし
次のステップの注入を行なうが、本発明ではステップア
ップ方式が望ましい。また、ステップ間隔は、10cm
間隔以上100cm間隔までの範囲内で、1/4m(2
5cm)間隔とすることが望ましい。以上の注入操作を
繰り返し、1孔当たりの注入が終了する。従って、請求
項2に記載の発明は、下側吐出部5よりグラウト材と上
側吐出部4より第2系統の圧縮空気が噴射され、管外で
合流混合し、気液混合グラウトを形成するとともに上側
吐出部4より噴射された第2系統の圧縮空気または気液
混合グラウトによりエアーバリアーの形成を兼ねる事に
なる。 (実施例3)図2は請求項3に記載の発明を実施するた
めの具体例を示すもので、請求項1及び2に記載の注入
部材1の基端部にそのまま、又は接続管16を介して適
宜間隔をおいて上段吐出部17が形成され、上段吐出部
17は上部管19と下部管20よりなり、上部管19の
外周面には第3の環状凹窩21が設けられ、その下部に
は外周螺糸部19aが設けられ、同部19aに上部管1
9と同径の下部管20が螺着され、同管20の下端に
は、接続管16が継接される。また同下部管20の上端
縁には前記第3の環状凹窩21の下半部外周を囲繞する
環状突出部20aが突出されている。
【0026】外管18の上部管19内には内管23が同
心状に配設され、その上部には内管23をガイドする案
内管22に接続され、その案内管22には軸方向に凸条
溝が周方向等分に4ケ所設けられ、外管18と内管23
の中空部に連通し、その外周面は外管18の内周に面
し、外管18の外周面より案内管22に着脱自在に案内
管固定用ネジ22aで接続される。内管23は上部管1
9の中空部と下部管20の中空部を介し接続管16の内
管通路16cに継接され、流路24を形成する。一方前
記内管23の外周壁と上部管19の内周壁の中空部は、
下方の内管23の外周壁と下部管20の内周壁の中空部
に連通し、流路25を形成している。
【0027】前記第3の環状凹窩21と上部管19の流
路25とを連絡する細孔21aが前記第3の環状凹窩2
1に周方向に90度間隔で4方向に穿設され、前記凹窩
21にはゴム等よりなる弾性環状体21cが、その外周
面が上部管19及び下部管20の外周面より突出しない
ように嵌装され、その下端部が第3の環状凹窩21と下
部管20の環状突出部20aとによって挟着された注入
部材15を用い、前記注入部材15周囲の隙間より漏出
する気液混合グラウトを、上段吐出部17より噴射され
た圧縮空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤中に注入
させることにより、地上への漏出を遮断するエアーバリ
アーを形成し、前記注入部材1の吐出部2より形成され
たエアーバリアーともに多重エアーバリアーを形成す
る。
【0028】更に詳細に説明すると、図2に示す注入部
材15は、請求項1または2の実施例で説明した注入部
材1の基端部に接続管16を介して接続されたもので、
吐出部は吐出部2と上段吐出部17よりなり、吐出部2
は更に下側吐出部5、上側吐出部4により構成されてい
るため、注入部材15には3段の吐出部が形成されてい
る。また、前記上段吐出部17の基端部に更に複数段の
吐出部を形成する事も可能である。吐出部2と上段吐出
部1の離隔は、ステップ間隔と同様とし、10cm間隔
以上100cm間隔までの範囲内で、1/4m(25c
m)間隔とすることが望ましい。
【0029】ここで、吐出部2の下側吐出部5より気液
混合グラウトまたはグラウト材を噴射し地盤に注入する
と同時に吐出部2の上側吐出部4より第2系統の圧縮空
気を噴射しエアーバリアーを形成するが、上段吐出部1
7の第3の環状凹窩21部分には、周方向等分に90度
間隔に4個の細孔21aを有し、夫々の細孔21aは前
記吐出部2の上側吐出部4より噴射される第2系統の圧
縮空気の流路14と上段吐出部17の流路25と連通
し、前記夫々の細孔21aを経た圧縮空気は第3の環状
凹窩21と弾性環状体21cの隙間部分に浸入し、前記
弾性環状体21cを半径方向に押し広げ、環状凹窩部分
21の上端に達し、ここで横方向に向きを変え弾性環状
体21cの上端と環状凹窩部21の間隙より地盤に対し
水平方向、周方向では全方位に噴射することにより地盤
内に水平方向のエアーバリアー(aie barrie
r)を形成し、前記上側吐出部4より噴射し形成された
エアーバリアーとともに多重エアーバリアーを形成し、
下部から漏出する気液混合グラウトを、圧縮空気の噴射
流に誘引させ随伴状態で地盤に注入するので、気液混合
グラウトの地上への漏出を遮断するとともに、所定範囲
を無駄なく注入することが出来る。
【0030】なお、弾性環状体21cの下端部は凹窩外
周面と下部管20に突出された環状突出部20aで挟着
するため、圧縮空気は第3の環状凹窩21と弾性環状体
21cの隙間部分では上方向のみに吐出されるようにな
っている。吐出部2の外管流路14と上段吐出部17の
外管流路25と連通した上側吐出部4と上段吐出部17
より圧縮空気とグラウト材を用い合流混合させた気液混
合グラウトを噴射し、多重エアーバリアーを形成するこ
ともできる(請求項4)。また、前記夫々の細孔21a
には、取替自在な筒状中空ノズル21bを着脱自在にネ
ジ接続出来る。ノズル径は吐出部2の上側吐出部4と上
段吐出部17とのバランスを考慮して、圧縮空気または
気液混合グラウトの圧力及び流量を自由に設定出来る。
(請求項8)このように所定量の1ステップ当たりの注
入が完了したら、ステップアップまたはステップダウン
し次のステップの注入を行なうが、本発明ではステップ
アップ方式が望ましい。また、ステップ間隔は、10c
m間隔以上100cm間隔までの範囲内で、1/4m
(25cm)間隔とすることが望ましい。以上の注入操
作を繰り返し、1孔当たりの注入が終了する。 (実施例4)図4は、請求項11の発明を示すもので、
図4は、着脱自在な2重管ロッド27の先端に図示しな
い有水用掘削刃を接続し噴射水を使用して、硬質地盤4
7の所定深度まで公知の注入管設置機29により回転削
孔し、削孔部内48が形成された後、そのまま、図示し
ない送給装置より2重管ロッド27を介して先端より硬
化材を注入しながら2重管ロッド27を注入管設置機2
9により引き上げ、前記削孔部内48の上部まで注入、
図4(1)は削孔部内48が硬化材で充填49固化され
た状態を示す。
【0031】次ぎに図4(2)では、注入管設置機29
により引き上げられた2重管ロッド27の先端に注入部
材50と無水掘削刃3を取り付け、硬化材で充填49固
化された削孔部内48を再度無水状態で所定深度まで削
孔したら、硬化材内に注入部材50が貫入された状態で
同注入部材50より硬化材を通過して周囲の硬質地盤4
7に前記実施例1〜3の方法により注入を行なうが、前
記硬化材は、瞬結性の溶液グラウトまたは懸濁液グラウ
トを用いることができる。このように硬質地盤47を一
旦有水削孔した後、硬化材で孔埋めした所を再び無水状
態で回転圧入することにより注入管と同体積分の硬化し
たグラウト材が注入管周囲に圧縮されることになり、グ
ラウトの強度も増し、注入管を密着させ、硬化したグラ
ウト内に注入部材が貫入された状態で注入を行なうた
め、注入管周囲からのグラウト材の漏出はなくなり、更
にエアーバリアー形成による相乗効果によりグラウト材
の地上への上噴防止が図られる。
【0032】この方法は、斜注入施工などで既改良域を
通過して注入改良する場合、また、硬質砂質土の注入改
良などにおいて、恒久性の超微粒子懸濁液グラウトを用
いて砂質土層に浸透注入を行なった場合は、改良固結強
度は高強度となるため、前者では既改良域の無水穿孔が
不可能となる。また、後者では連続した硬質砂質土層を
無水穿孔する場合も同様である。このような時は、固結
強度の高い既改良域または硬質砂質土層の所定深度まで
有水削孔した後、硬化材で孔埋めした所を再び無水状態
で掘り下げ、硬化したグラウト内に注入部材が貫入され
た状態で同注入部材より硬化したグラウトを通過させて
周囲の地盤中に圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウトを注
入するものであるから、注入部材外周からのグラウトの
漏出はなくなるので確実に所定領域を改良できる。 (実施例5)図13は、請求項12に記載の発明を示す
もので、図13(1)は、着脱自在なケーシングパイプ
54の先端に図示しない掘削刃を接続し、スライム排出
用に水また圧縮空気を使用して、所定深度まで公知のロ
ータリパーカッションドリル機55により回転または打
撃・回転削孔した後、注入部材50とそれに継接された
二重管ロッド27を継ぎ足しながら前記ケーシングパイ
プ54内に遊挿し、二重管ロッド27の基端部にキャッ
プ56を被せた状態を示す。
【0033】図13(2)は、ケーシングパイプ54を
引き抜きながらまたは引き抜き後、削孔部内48に注入
部材50とそれに継接された二重管ロッド27が残置さ
れ、図示しない砂供給装置より注入部材50とそれに継
接された二重管ロッド27の外周とケーシングパイプ5
4内壁に形成される中空部57を介して砂が供給され、
削孔部内48の注入部材50とそれに継接された二重管
ロッド27周囲に砂が充填され同注入部材50と充填砂
58とが密着した状態を示す。
【0034】図13(3)は、削孔工程が終了して、ロ
ータリパーカッション機55が別な位置に移動し、同位
置に注入管設置機29が据えつけられ、同注入管設置機
29と残置された二重管ロッド27が接続されて注入開
始状態を示し、前記実施例1〜3の注入方法により注入
を行なう事ができる。この方法では、軟弱〜硬質地盤ま
であらゆる種類の土層で削孔工程と注入工程でそれぞれ
別工程で本発明を実施する事が可能となり、工期短縮な
どが図られる。なお、充填砂に用いる砂材は粗目砂、豆
砂利、小礫混じり砂、その他粉砕機で粒度調整した再処
理用砂を用いることもできる。 (実施例6)図14は、請求項13に記載の発明を示す
もので、図14(1)は、着脱自在なケーシングパイプ
54の先端に図示しない掘削刃を接続し、スライム排出
用に水または圧縮空気を使用して、所定深度まで公知の
ロータリパーカッションドリル機55により回転または
打撃・回転削孔した後、ケーシングパイプ54を引き抜
きながらまたは引き抜き後、形成された削孔部内48
に、図示しない砂供給装置よりケーシングパイプ54を
介して砂58を注入充填した状態を示す。
【0035】図14(2)は、削孔工程が終了して、ロ
ータリパーカッション機55が別な位置に移動し、同位
置に注入管設置機29が据えつけられ、同注入設置機2
9により二重管ロッド27の先端に注入部材50と無水
掘削刃3を取り付け、砂で充填された削孔部内48を再
度無水状態で所定深度まで削孔したら、充填砂58内に
注入部材50が貫入された状態で同注入部材50より充
填砂を通過して周囲の地盤に注入を行う注入開始状態を
示し、前記実施例1〜3の注入方法により注入を行うこ
とができる。この方法では、実施例5と同様に軟弱〜硬
質地盤まであらゆる種類の土層で削孔工程と注入工程で
それぞれ別工程で本発明を実施する事が可能となり、工
期短縮などが図られる。また、充填砂に用いる砂材も実
施例5と同様である。
【0036】このように被改良地盤の所定深度までケー
シングパイプで削孔した後、充填砂で孔埋めした所を再
び無水状態で回転圧入し、注入部材と同体積分の砂が注
入部材周囲に圧縮されることになり、注入部材と充填砂
とを密着させ、充填砂内に注入部材部材が貫入された状
態で注入を行うため、注入管周囲からのグラウト材の漏
出はなくなり、更にエアーバリアー形成による相乗効果
によりグラウト材の地上への上噴防止が図られる。
【0037】次に本発明の作用を更に詳細に説明する。
通常、砂質土地盤にはグラウト材として緩結性の溶液型
グラウトが一般的に用いられることが多いが、最近で
は、前述の通り超微粒子懸濁液グラウトが恒久性グラウ
トとして用いられるようになった。しかし、両者の浸透
形態には大きな違いがあり、前者の緩結性の溶液グラウ
トでは、グラウトの注入圧力により地盤内の間隙水を押
出し、土粒子の組成構造を変えることなく、土粒子間隙
に存在する間隙水とグラウトを置換していくもので、グ
ラウト及びグラウト水自体が土粒子を包み込んでゲル化
し固結域を形成するものであるが、後者の超微粒子懸濁
液グラウトは、不溶解性の微粒子とグラウト水よりな
り、前者との違いは、グラウト微粒子はグラウト水に浮
遊した状態で土粒子間隙に運ばれ、微粒子自体が水和反
応により固結するもの、また、グラウト水に含まれる刺
激剤により固結するものなどがあり、特に超微粒子セメ
ント系ではグラウト水自体が土粒子を包み込んで固結す
るものでない。従って、超微粒子懸濁液グラウトを土粒
子間隙に浸透注入させる場合、その浸透性を阻害する要
因として、グラウト自体の注入圧力で間隙水を押出す時
の抵抗のほか、土粒子間隙を通過する際のグラウト中の
微粒子と土粒子の接触面に生じる抵抗力や、図5に示す
ようにグラウトが土粒子間の大小様々な間隙を通過する
際に、流速の減少によって沈澱・凝集が生じ、目詰まり
状態が形成される。この現象は、太い注入ホースでセメ
ント液を長時間、低吐出量で注入した時にホース内にセ
メント粒子が沈殿し、やがて閉塞する場合と似ている。
【0038】また、図6に示すように1つの吐出ノズル
などから点として注入した場合などで、グラウトの濃度
が高い場合には、吐出ノズル付近にグラウト粒子による
濾過現象(グラウト粒子の浸透速度がグラウト水の浸透
速度よりも遅くなり、グラウトの濃度が高くなる現象を
いう。)が生じ、一時的に間隙水圧の上昇や目詰まり状
態が形成され、改良径も小さくなるなどの傾向が見られ
る。
【0039】よって本発明では、グラウト材と圧縮空気
を管内で混合させた気液混合グラウトを下側吐出口より
噴射すると同時に上側吐出口より圧縮空気を噴射し、ま
たは下側吐出口よりグラウト材、上側吐出口より圧縮空
気を噴射し、管外で合流混合させた気液混合グラウトを
地盤に対し水平方向、周方向では点注入することなく面
状に全方位に亘って噴射し、地盤の噴射面積を広めて土
粒子間隙に均等に浸入させ、圧縮空気の噴射流でグラウ
トの流速を速めることにより、グラウト中の微粒子の沈
殿・凝集を抑制し、且つ濾過現象を防止することにな
る。
【0040】図7は圧縮空気の噴射流でグラウトの流速
を速め、グラウト中の微粒子とグラウト水を噴射流によ
り押出しながら浸透範囲を拡大してゆく状態を模式的に
示したものであるが、 吐出口付近では微粒子の濾過現象が生じ易くグラウ
トの濃度も高いが、 圧縮空気の噴射流でグラウトの微粒子、グラウト水
の流速が速められ間隙水を押し出している。
【0041】 圧縮空気に押出されてグラウト粒子が
浸入している。 以上の現象が外周部に向かって繰り返し行なわれ、グラ
ウトのエネルギーが消滅したところが浸透は停止する。
従って、従来の注入方法より圧縮空気を用いることによ
り格段に浸透性を向上させることが可能となった。な
お、本発明にいう超微粒子懸濁液グラウトとして、超微
粒子スラグ系、超微粒子系シリカ系グラウト、超微粒子
セメント系、更に超硬粉砕ボールなどを用いた湿式粉砕
機で粉砕した超微粒懸濁型地盤改良薬液、その他の超微
粒子系グラウトを用いることができる。更に必要なら
ば、無機系、有機系の瞬結性または緩結性溶液型グラウ
トを用いる事も可能である。
【0042】次に図8に示すように吐出部2の上側吐出
部4の作用は、前記下側吐出部5より気液混合グラウト
が地盤中に浸透注入され、そのグラウトの一部が、注入
管周囲に形成された微細な間隙に沿って上部に漏出する
場合があるが、上側吐出部4より圧縮空気または気液混
合グラウトを地盤に対し水平方向、周方向では面状に全
方位で噴射させることによりエアーバリアー51が形成
され、下部から漏出する気液混合グラウト52を、圧縮
空気の噴射流に誘引させ随伴状態で地盤に注入するの
で、気液混合グラウト52の地上へ漏出を遮断するとと
もに、所定範囲を無駄なく注入することが出来る。
【0043】また、図9に示すように吐出部2の上側吐
出部4と上段吐出部17の作用は、前記吐出部2の下側
吐出部5よりグラウトまたは気液混合グラウトが地盤中
に浸透注入され、そのグラウトの一部が、注入管周囲に
形成された微細な間隙に沿って上部に漏出する場合があ
るが、吐出部2の上側吐出部4と上段吐出部17の複数
の吐出口より圧縮空気または気液混合グラウトを地盤に
対し水平方向、周方向では面状に全方位で噴射させるこ
とにより多重エアーバリアー53が形成され、下部から
漏出する気液混合グラウト52を、圧縮空気の噴射流に
誘引させ随伴状態で地盤に注入するので、気液混合グラ
ウト52の地上への漏出を遮断するとともに、所定範囲
を無駄なく注入することが出来る。
【0044】次ぎに注入装置に関するもので、吐出部を
形成する環状凹窩部分とゴムなどの弾性環状体の作用で
は、環状凹窩部分の上部外周面にゴムなどの弾性環状体
を先端側から挿抜自在に嵌着するが、嵌着前の弾性環状
体の内径寸法より環状凹窩部分の外径寸法が若干大きい
ので径方向に拡膨した状態で嵌着するため、環状凹窩部
外周面は密着状態となり、また、外管の外周面より突出
しないように嵌着することで無水穿孔時において地盤と
の摩擦などにより弾性環状体の破損を防止することが可
能である。
【0045】次ぎに弾性環状体の弾性作用による圧力に
ついては、グラウト材を送給装置より送液すると弾性環
状体の弾性作用により2.0kg/cm2 程度の初期圧
力が生じる。また、圧縮空気を用い気液混合グラウトと
した場合、前記初期圧力に送気圧力が加算される。従っ
て、グラウト材または気液混合グラウトに運動エネルギ
ーが付加され、地盤に対して水平方向、周方向では面状
に指向性をもって噴射される。ここで弾性環状体の弾性
作用を一般的な現象で説明すると、庭の樹木に水道ホー
スで散水する場合、ホース先端を絞らないと狭い範囲し
か散水出来ないばかりか地盤に水が浸透せず、水溜まり
が出来るが、図12のように、親指と人差指で先端を上
下に軽く絞ると水は横に広がりを持ち遠くまで広い範囲
に散水することが出来る。先端を絞ることにより水の圧
力が高められ、水平方向に押しつぶされたホースの形状
に従い水に指向性が付与され放射状に放出されるのであ
る。
【0046】上記の作用のうち、先端を上下に軽く絞
り、水平方向に押しつぶされたホースの形状、これが弾
性環状体上端と環状凹窩部分の吐出口部分にあたり周方
向に90度間隔4個の細孔より吐出されるので切れ目な
く面状に全方位で地盤に噴射され、地盤との噴射面積を
広めて土粒子間隙に均等に浸入させる作用を有する。所
定の注入終了時または二重管ロッドの切断、接続時には
送気装置及びグラウト送給装置を一時停止すると、既注
入地盤に残留した圧力状態の気液混合グラウトが注入管
内へ逆流する惧れがあるが、両装置を停止した場合、管
内圧力は0となり、従って弾性環状体は収縮し環状凹窩
部外周面に密着状態となるため、逆止弁の作用が生じ、
注入管内にグラウトや圧縮空気が逆流し閉塞することは
ない。また、2つの吐出部は2つの流路と1:1で対応
しているので完全に独立を保っている。なお、管内圧力
は0の場合、弾性環状体は収縮し環状凹窩部外周面に密
着状態となるが、この時の弾性圧力は、2.0kg/c
2 程度であり、ゴムの硬度、または弾性環状体の内径
寸法を変更することにより圧力が変えられる。
【0047】次ぎに上噴対策について本発明の作用を説
明する。注入管を所定位置まで穿孔する場合、ほとんど
の注入工法は穿孔水を使用するのが一般的で、穿孔水を
スライム排出手段として使用するため、特に緩い砂質土
などでは注入管周囲の地盤に大きな空隙が形成され注入
材の上噴が生じその対策が大きな問題となっている。本
発明では、圧縮空気と超微粒子懸濁液グラウトを用いた
気液混合グラウトが、注入管廻りの空隙に沿って上部に
逃げ地表面に噴出したり、既設構造物との境界面、地盤
中の水みち、空隙などから漏出したりすることを防止す
る上噴対策が最も重要でその作用は、注入装置先端に無
水用の掘削刃を装着し、圧力水を使用することなく無水
状態で、所定深度まで削孔装置により回転圧入される
が、無水用の掘削刃で切削されたスライムは注入管周囲
の地盤に押し込まれるため、ほとんど間隙は生じない。
このように注入管が地盤と密着した状態となるが、注入
開始時や注入ステップ時の注入管の移動では、注入管外
周に形成される微細な間隙に沿って圧縮空気やグラウト
が地表面に漏出する場合も有り、これらを防止するた
め、前記部分にシールグラウトを行なうこともある。
【0048】また、軟弱〜硬質地盤まであらゆる種類の
土層においては、所定深度までロータリパーカッション
ドリル機によりケーシングパイプを回転または打撃・回
転削孔した後、ケーシングパイプ内に注入部材が接続さ
れた二重管ロッドを継ぎ足しながら遊挿し、ケーシング
パイプを引き抜きながらまたは引き抜いた後、削孔部内
の注入部材とそれに継接された二重管ロッド周囲に砂が
充填された同注入部材と充填砂とが密着し、無水状態で
穿孔した時と同様な状態となり、圧縮空気とグラウト材
からなる気液混合グラウトの上噴防止が可能となる。
【0049】更に別の方法として、被改良地盤の所定深
度までケーシングパイプで削孔した後、充填砂で穴埋め
した所を再び無水状態で回転圧入し、注入部材と同体積
分の砂が注入部材周囲に圧縮されることになり、注入部
材と充填砂とを密着させ、充填砂内に注入部材が貫入さ
れた状態で注入を行なうため、注入管周囲からのグラウ
ト材の漏出はなくなり、更にエアーバリアー形成による
相乗効果によりグラウト材の地上への上噴防止が図られ
る。
【0050】軟弱な埋立地や、一旦工事などで掘り返し
埋め戻した場所では、地盤に拘束力がないので、図3に
示すように口元管28により圧縮空気や気液混合グラウ
トの地上への漏出を防止するが、その方法として、地上
部から比較的浅い深度の表層部または非液状化層までコ
アーチューブ等で有水穿孔した後、その孔に口元管28
を挿入したら、口元管内外の空隙に硬化材を充填し硬化
させた口元管28は地盤と一体化するので、無水掘削刃
3を装着した注入部材1により前記口元管28内の硬化
材で孔埋めした所を再び無水状態で掘り下げ、前記口元
管28を通過したらそのまま被改良地盤46に続行して
掘り下げる事ができる。必要ならば口元管28上端に図
示しない市販品のメカニカルパッカーを装着する事も可
能である。
【0051】以上のように本発明では、圧縮空気、気液
混合グラウトの地上への漏出防止を目的として、エアー
バリアーまたは多重エアーバリアーの形成、更に無水穿
孔において注入部材と地盤との密着化、ケーシングパイ
プを用いて注入部材周囲に砂充填による注入部材との密
着化、更に必要ならば口元管の設置など多くの上噴防止
対策を実施することにより所定改良範囲を確実に注入す
ることになる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、圧縮空
気と超微粒子懸濁液グラウト剤の気液混合グラウトを用
いた注入固化方法及びその注入装置により地盤内への浸
透性を大幅に向上させ、改良径を大きくするとともに、
恒久性、高強度の固結体が形成されることで地盤の液状
化抵抗を増大させ、過剰間隙水圧の発生を抑制し液状化
防止はもとより、地盤流動化防止、基礎地盤の耐震補強
等などが有効となりその優れた効果を有する。
【0053】本発明に用いる注入設備は、従来の設備が
そのまま使用でき、小型で且つ機動性に富むため、既設
構造物基礎地盤の耐震補強で施工スペースのない狭い場
所での施工にも対応でき、斜注入、水平注入が可能とな
る。なお、本発明では、仮設工事など一般的な注入工事
にも充分対応できるため、その適用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る注入固化装置の一実施例を示し請
求項1または2の注入方法、並びに請求項6の注入部材
先端装置の縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示し、請求項3または7
の注入部材先端装置の縦断面図である。
【図3】本発明の注入実施態様を示す全体図である。
【図4】(1)(2)は請求項11の発明の実施態様を
示す図である。
【図5】グラウトが土粒子間の大小様々な間隙を通過す
る際に、流速の減少によって生じるグラウト粒子の沈殿
物の状態を示すものである。
【図6】圧縮空気を用いない一般的な注入方法で懸濁液
グラウトを吐出ノズルより点状注入した場合の吐出ノズ
ル付近に生ずるグラウトの濾過現象を示すものである。
【図7】圧縮空気の噴射流でグラウトの流速を速め、グ
ラウト中の微粒子とグラウト水を噴射流により押出しな
がら浸透範囲を拡大していく状態を模式的に示したもの
である。
【図8】請求項1または2の発明におけるエアーバリア
ーなど概要説明の縦断面図である。
【図9】請求項3の発明における多重エアーバリアーな
ど概要説明の縦断面図である。
【図10】弾性環状体の下端部を突出部により挟着し上
端部より噴射する装置の例を示す縦断面図である。
【図11】弾性環状体の上端部を突出部により挟着し下
端部より噴射する装置の例を示す縦断面図である。
【図12】弾性環状体と環状凹窩部分の間隙より噴射す
る状態を概念的に説明した図である。
【図13】(1)(2)(3)は請求項12に記載のケ
ーシングパイプ内に二重管ロッドに接続された注入部材
を挿入してからその周囲に砂を充填する削孔工程の例を
示す縦断面図である。
【図14】(1)(2)は請求項13に記載のケーシン
グパイプ内に砂を充填する削孔工程と再度無水状態で掘
り下げ注入する注入工程の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】 1 注入部材 2 吐出部 3 無水掘削刃 3a 三角錐 4 吐出部の上側吐出部 5 吐出部の下側吐出部 6 上部管 6a 上部管の環状突出部 7 中部管 7a 中部管の上側外周螺糸部 7b 中部管の下側外周螺糸部 7c 中部管の段部 7d 中部管の内周螺糸部 7e 中部管の環状突出部 8 下部管 8a 下部管の環状突出部 9 第1の環状凹窩 9a 第1の環状凹窩の細孔 9b 筒状ノズル 9c 第1の環状凹窩に嵌着する弾性環状体 10 第2の環状凹窩 10a 第2の環状凹窩の細孔 10b 筒状ノズル 10c 第2の環状凹窩に嵌着する弾性環状体 11 外管 12 内管 13 内管流路 14 外管流路 15 注入部材1を継設した注入部材 16 接続管 16a 接続管の外管 16b 接続管の内管 16c 接続管の内管流路 16d 接続管の外管流路 17 上段吐出部 18 上段吐出部の外管 19 上段吐出部の上部管 19a 上部管の外周螺糸部 20 上段吐出部の下部管 20a 下部管の環状突出部 21 第3の環状凹窩 21a 第3の環状凹窩の細孔 21b 筒状ノズル 21c 第3の環状凹窩に嵌着する弾性環状体 22 内管の案内管 22a 案内管固定用ネジ 23 上段吐出部の内管 24 上段吐出部の内管流路 25 上段吐出部の外管流路 26 注入部材 27 2重管ロッド 28 口元管 29 注入管設置機 30 スイベル 31 内管用注入ホース 32 外管用注入ホース 33 流路切替機 34 流量計 35 グラウト送給装置 36 グラウトミキサー装置 37 第1系統のエアーホース 38 第1系統の風量計 39 第1系統の圧力計付きレギュレータ 40 第1系統送気口 41 送気装置 42 第2系統のエアーホース 43 第2系統の風量計 44 第2系統の圧力計付きレギュレータ 45 第2系統送気口 46 被改良地盤 47 硬質地盤 48 削孔部内 49 硬化材で充填された削孔部内 50 注入部材 51 エアーバリアー 52 気液混合グラウト 53 多重エアーバリアー 54 ケーシングパイプ 55 ロータリパーカッションドリル機 56 キャップ 57 注入部材外周とケーシングパイプ内壁に形成
される中空部 58 充填砂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小薗江 二三男 東京都江戸川区南葛西5−17−5−118 (56)参考文献 特開 平10−102476(JP,A) 特開 平9−287130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 3/12 101

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外管と内管を同心状に配設した注入部材
    の先端に無水用掘削刃を装着し、無水状態で被改良地盤
    内の所定深度まで穿孔した後、同前記注入部材と外周地
    盤とが密着した状態で同注入部材を介して地盤改良用グ
    ラウト材を被改良地盤内に注入するグラウト注入方法に
    おいて、前記注入部材の前記外管には、下側吐出部と上
    側吐出部により構成された2つの吐出部が軸方向に適宜
    間隔で配設され、前記吐出部にはそれぞれ環状凹窩を有
    し、該環状凹窩にはそれぞれ周方向に亘り、等配分に複
    数の細孔が穿設され、同各細孔は前記下側吐出部では内
    管流路と連通し、上側吐出部では外管流路と連通し、前
    記環状凹窩部分にはそれぞれ弾性環状体を前記外管の外
    周面より突出しないように覆い、前記下側吐出部では、
    前記弾性環状体の下端部を前記環状凹窩外周面の下側外
    管に突設された環状突出部により挟着するとともに、前
    記上側吐出部では、前記弾性環状体の上端部を前記環状
    凹窩外周面の上側外管に突設された環状突出部により挟
    着してなる注入部材を用い、その先端に無水用掘削刃を
    装着し、無水状態で被改良地盤内の所定深度まで穿孔し
    た後、前記注入部材が外周地盤に密着した状態で、その
    まま、又はシールグラウトを行った後、圧縮空気とグラ
    ウト材を管内で混合し、混合された気液混合グラウトを
    前記注入部材の内管流路に連通した下側吐出部より噴射
    し、同気液混合グラウトの噴射圧力で土粒子間隙に浸入
    させながら徐々に地盤改良径を大きくする一方、前記上
    側吐出部より前記圧縮空気とは別系統の圧縮空気を噴射
    し、前記注入部材周囲の隙間より漏出する前記気液混合
    グラウトを、同圧縮空気の噴射流に誘引させ随伴状態で
    地盤中に注入させることにより、地上への漏出を遮断す
    るエアーバリアーを形成し、外周地盤の所定範囲を改良
    することを特徴とする注入固化方法。
  2. 【請求項2】 前記注入部材の内管流路に連通した下側
    吐出部より圧縮空気を用いることなく、グラウト材を噴
    射すると同時に上側吐出部より別系統の前記圧縮空気を
    噴射し、管外で同圧縮空気と前記グラウト材を合流混合
    させた気液混合グラウトを土粒子間隙に浸入させ、同気
    液混合グラウトの噴射圧力で間隙にグラウト材を浸入さ
    せながら徐々に改良径を大きくする一方、前記注入部材
    周囲の隙間より漏出する前記気液混合グラウトを前記上
    側吐出部より噴射された同圧縮空気の噴射流に誘引させ
    随伴状態で地盤中に注入させることにより、地上への漏
    出を遮断するエアーバリアーを形成し、外周地盤の所定
    範囲を改良する請求項1に記載の注入固化方法。
  3. 【請求項3】 前記注入部材の基端部にそのまま、又は
    接続管を介して軸方向に適宜間隔をおいて上段吐出部が
    形成され、前記上段吐出部の上部外管には環状凹窩を有
    し、該環状凹窩には軸線に対し水平方向に指向して延び
    る細孔が穿設され、2流路のうち外管流路と連通し、前
    記環状凹窩部分上部に弾性環状体を前記上部外管の外周
    面より突出しないようにそれぞれ嵌着するとともに、前
    記弾性環状体の下端部を前記凹窩外周面と下部外管に突
    出された環状突出部で挟着してなる注入部材を用い、前
    記注入部材周囲の隙間より漏出する前記気液混合グラウ
    トを、前記上段吐出部より噴射された圧縮空気の噴射流
    に誘引させ随伴状態で地盤中に注入させることにより、
    地上への漏出を遮断する多重エアーバリアーを形成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の注入固化方
    法。
  4. 【請求項4】 外管流路と連通した前記上側吐出部また
    は前記上側吐出部と前記上段吐出部より噴射し、エアー
    バリアーまたは多重エアーバリアーを形成する前記別系
    統の圧縮空気は、前記注入部材の外管流路に連通した管
    内で混合された同圧縮空気と前記グラウト材よりなる気
    液混合グラウトを用いエアーバリアーまたは多重エアー
    バリアーを形成することを特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の注入固化方法。
  5. 【請求項5】 前記グラウト材は、超微粒子懸濁液グラ
    ウト材からなることを特徴とする請求項1または2若し
    くは4に記載の注入固化方法。
  6. 【請求項6】 外管と内管を同心状に配設した注入部材
    の先端に無水用掘削刃を装着し、無水状態で被改良地盤
    内の所定深度まで穿孔した後、前記注入部材と地盤とが
    密着した状態で同注入部材を介して地盤改良用グラウト
    材を被改良地盤内に注入するグラウト注入装置におい
    て、前記注入部材の前記外管には、下側吐出部と上側吐
    出部により構成された2つの吐出部が軸方向に適宜間隔
    で連設され、前記吐出部はそれぞれ環状凹窩を有し、該
    環状凹窩にはそれぞれ周方向等配分に複数の細孔が穿設
    され、該細孔は前記下側吐出部では内管流路と連通し、
    上側吐出部では外管流路と連通し、前記環状凹窩部分に
    はそれぞれ弾性環状体を前記外管の外周面より突出しな
    いように覆い、前記下側吐出部では、前記弾性環状体の
    下端部を前記環状凹窩外周面の下側外管に突設された環
    状突出部により挟着するとともに、前記上側吐出部で
    は、前記弾性環状体の上端部を前記環状凹窩外周面の上
    側外管に突設された環状突出部により挟着してなる注入
    部材を用いたことを特徴とする注入装置。
  7. 【請求項7】 前記注入部材の基端部にそのまま、又は
    接続管を介して軸方向に適宜間隔をおいて上段吐出部が
    形成され、前記上段吐出部の上部外管には環状凹窩を有
    し、該環状凹窩には軸線に対し水平方向に指向して延び
    る細孔が穿設され、2流路のうち外管流路と連通し、前
    記環状凹窩部分上部に弾性環状体を前記上部外管の外周
    面より突出しないようにそれぞれ嵌着するとともに前記
    弾性環状体の下端部が前記凹窩外周面と下部外管に突出
    された環状突出部で挟着してなる注入部材を用いてなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の注入装置。
  8. 【請求項8】 前記下側吐出部、上側吐出部または前記
    上段吐出部における前記外管の環状凹窩部分には、周方
    向等配分に複数の細孔を有し、ノズル口径が選択または
    取替自在な筒状中空ノズルが着脱自在に前記細孔にネジ
    接続された請求項6または7に記載の注入装置。
  9. 【請求項9】 前記上側吐出部の前記弾性環状体の下端
    部を前記環状凹窩外周面の下側外管に突設された環状突
    出部により挟着してなる請求項6に記載の注入装置。
  10. 【請求項10】 前記下側吐出部の前記弾性環状体の上
    端部を前記環状凹窩外周面の上側外管に突設された環状
    突出部により挟着してなる請求項6に記載の注入装置。
  11. 【請求項11】 被改良地盤内に所定深度まで二重管よ
    り水を噴射しながら削孔し、削孔に引き続いて同二重管
    を引き上げながら削孔部内に硬化材を前記二重管より注
    入充填し、引き上げられた同二重管の先端に注入部材と
    掘削刃を取付けて硬化材が充填されている削孔部内に再
    び無水状態で掘り下げ、硬化材内に注入部材が貫入され
    た状態で同注入部材より硬化材を通過して周囲の地盤中
    に地盤改良用グラウト材を注入することを特徴とする地
    盤改良工法において、有水穿孔された孔を硬化材で孔埋
    めした所を再び無水状態で掘り下げ、前記硬化材内に前
    記注入部材が貫入された状態で同注入部材より前記硬化
    材を通過して周囲の地盤中に圧縮空気とグラウト材の気
    液混合グラウトを注入することを特徴とする注入固化方
    法。
  12. 【請求項12】 被改良地盤内に所定深度までケーシン
    グパイプにより水または圧縮空気を噴射しながら削孔
    し、前記注入部材とそれに継接された二重管ロッドを前
    記ケーシングパイプ内に遊挿し、ケーシングパイプを引
    き抜きながらまたは引き抜き後、前記注入部材とそれに
    継接された二重管ロッドの外周とケーシングパイプ内壁
    に形成される中空部を介して前記注入部材とそれに継接
    された二重管ロッド周囲に砂を充填し、前記注入部材と
    充填砂とが密着した状態で、圧縮空気を用いてエアーバ
    リアーを形成するとともにグラウト材を注入する気液混
    合注入固化方法。
  13. 【請求項13】 被改良地盤内に所定深度までケーシン
    グパイプにより水または圧縮空気を噴射しながら削孔
    し、前記ケーシングパイプを引き抜きながらまたは引き
    抜き後、削孔部内に砂を注入充填し、前記二重管ロッド
    の先端に前記注入部材と無水用掘削刃を取り付けて砂で
    充填された前記削孔部内を無水状態で掘り下げ、充填砂
    内に前記注入部材が貫入された状態で同注入部材より圧
    縮空気を用いてエアーバリアーを形成するとともにグラ
    ウト材を注入する気液混合注入固化方法。
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