JP6911371B2 - 土壌表面被覆材 - Google Patents

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Description

本発明は、土壌表面被覆材に関する。具体的には、本発明はセルロース繊維を含む土壌表面被覆材に関する。
従来、農業用資材として土壌表面被覆材が用いられている。土壌表面被覆材は、農作物等の植物の地表面(株元)を覆うものである。土壌表面被覆材は、光を遮ることで雑草の成長を抑制したり、地温や土壌水分量の調整をすることで植物の生育を助ける働きをする。
土壌表面被覆材としては、樹脂製フィルムが広く使用されている。例えば、黒色や緑色に着色された樹脂製フィルムは土壌表面被覆材として好ましく用いられている。しかしながら、このような樹脂製フィルムは土壌中で生分解されないため、使用後には回収をすることが必須である。このため、樹脂製フィルムの回収にかかる農業従事者等の負担が大きなものとなっている。また、使用中に樹脂製フィルムの一部が欠損して周辺環境に飛散した場合、環境汚染の原因にもなるため問題となっている。
このため、近年は、生分解性を有する土壌表面被覆材の開発も行われている。例えば、特許文献1には、乾性油、半乾性油及びワックスを所定の割合で紙に含有させてなる紙製農業用被覆材が開示されている。ここでは、土中で分解可能な紙に、油脂組成物を含有させることで使用後の回収が不要な紙製農業用被覆材が得られるとされている。
特開2008−67673号公報
土壌表面被覆材には、雨風等にも耐えうる強度が要求される。また、使用後に回収の必要がない土壌表面被覆材であって、回収をしない場合であっても土壌環境に悪影響を与えにくい土壌表面被覆材の開発が求められている。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、優れた強度を有する土壌表面被覆材であって、回収せずとも土壌環境に悪影響を与えにくい土壌表面被覆材を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、土壌表面被覆材に架橋されたリン酸化セルロース繊維を含有させることにより、優れた強度を有し、かつ回収せずとも土壌環境に悪影響を与えにくい土壌表面被覆材が得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] セルロース繊維を含む土壌表面被覆材であって、セルロース繊維はリン酸基又はリン酸基由来の置換基を有し、セルロース繊維の少なくとも一部において、リン酸基又はリン酸基由来の置換基が架橋している土壌表面被覆材。
[2] セルロース繊維の含有量は、土壌表面被覆材の全固形分質量に対して90質量%以上である[1]に記載の土壌表面被覆材。
[3] シート状物、もしくはシート加工物である[1]又は[2]に記載の土壌表面被覆材。
[4] 土壌表面被覆材の第1の方向の湿潤引張強度と、第1の方向に直交する第2の方向の湿潤引張強度の平均値が0.3kN/m以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の土壌表面被覆材。
本発明によれば、優れた強度を有する土壌表面被覆材であって、回収せずとも土壌環境に悪影響を与えにくい土壌表面被覆材を得ることができる。
図1は、本発明の土壌表面被覆材の形態及びその使用態様を説明する図である。 図2は、本発明の土壌表面被覆材の他の形態及びその使用態様を説明する図である。 図3は、繊維原料に対するNaOH滴下量とpHの関係を示すグラフである。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
(土壌表面被覆材)
本発明は、セルロース繊維を含む土壌表面被覆材に関する。ここで、セルロース繊維はリン酸基又はリン酸基由来の置換基(以下、単にリン酸基ともいう)を有し、セルロース繊維の少なくとも一部において、リン酸基又はリン酸基由来の置換基は架橋している。本明細書において、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有するセルロース繊維は、リン酸化セルロース繊維と言うこともできる。すなわち、本発明の土壌表面被覆材は、架橋されたリン酸化セルロース繊維を含むものである。本発明の土壌表面被覆材は優れた強度を有する土壌表面被覆材であって、回収せずとも土壌環境に悪影響を与えにくい土壌表面被覆材である。
本発明の土壌表面被覆材は、農作物等の植物の地表面(株元)を覆うことで、植物の根を覆うものである。このように、植物の根を覆うことを「マルチ(mulch)」と呼ぶこともあるため、土壌表面被覆材をマルチング資材と呼ぶこともある。マルチング資材の主な機能としては、例えば、地温の調節、土壌の水分量の調節、土壌侵食防止、土壌肥料の流出阻止、土壌表面固化の抑制、雑草防除等が挙げられる。
本発明の土壌表面被覆材は、農作物等の植物の地表面(株元)を覆うものであるため、土壌表面被覆材は降雨等の水に晒されたり、雨滴の衝撃が加えられたりすることがある。また、土壌表面被覆材は乾燥条件に長時間置かれることもあり、土壌表面被覆材には紫外線が長時間に亘って照射されることもある。本発明の土壌表面被覆材は、このような過酷条件下に置かれた場合であっても、優れた強度を発揮することができる。特に、土壌表面被覆材が水に濡れた湿潤状態にある場合であっても、本発明の土壌表面被覆材は優れた強度を発揮できる点に特徴がある。
具体的には、本発明の土壌表面被覆材の第1の方向の湿潤引張強度と、第1の方向に直交する第2の方向の湿潤引張強度の平均値は、0.3kN/m以上であることが好ましく、0.4kN/m以上であることがより好ましく、0.5kN/m以上であることがさらに好ましい。また、湿潤引張強度の平均値の上限値は特に限定されるものではなく、例えば、2.0kN/mとすることができる。ここで、土壌表面被覆材の第1の方向とは、土壌表面被覆材の表面において任意に選択される一方向であり、土壌表面被覆材の第2の方向は、任意の一方向に直交する方向をいう。例えば、土壌表面被覆材の縦方向と横方向の判別がつく場合は、第1の方向は縦方向であることが好ましく、第2の方向は横方向であることが好ましい。
土壌表面被覆材の縦方向の湿潤引張強度は、0.2kN/m以上であることが好ましく、0.4kN/m以上であることがより好ましく、0.5kN/m以上であることがさらに好ましい。また、土壌表面被覆材の横方向の湿潤引張強度は、0.1kN/m以上であることが好ましく、0.2kN/m以上であることがより好ましく、0.3kN/m以上であることがさらに好ましい。なお、縦方向及び横方向の各々の湿潤引張強度の上限値は特に限定されるものではなく、例えば、2.0kN/mとすることができる。
また、本発明の土壌表面被覆材は、乾燥状態においても一定以上の強度を有している。本発明の土壌表面被覆材の第1の方向の引張強度と、第1の方向に直交する第2の方向の引張強度の平均値は、1.0kN/m以上であることが好ましく、2.0kN/m以上であることがより好ましく、2.5kN/m以上であることがさらに好ましい。また、引張強度の平均値の上限値は特に限定されるものではなく、例えば、8.0kN/mとすることができる。
土壌表面被覆材の縦方向の引張強度は、1.0kN/m以上であることが好ましく、1.5kN/m以上であることがより好ましく、2.0kN/m以上であることがさらに好ましい。また、土壌表面被覆材の横方向の引張強度は、0.5kN/m以上であることが好ましく、1.0kN/m以上であることがより好ましく、1.5kN/m以上であることがさらに好ましい。なお、縦方向及び横方向の各々の引張強度の上限値は特に限定されるものではなく、例えば、8.0kN/mとすることができる。
上記引張強度は、JIS P 8113「紙及び板紙−引張特製の試験方法−第2部:定速伸長法」により測定することができる。また、上記湿潤引張強度は、JIS P 8135「紙及び板紙−湿潤引張強さ試験方法」により測定することができる。
本発明の土壌表面被覆材は、リン酸化セルロースを主成分として含むものであるか、リン酸化セルロースからなるものであるため、回収せずとも土壌環境に悪影響を与えにくい点にも特徴がある。すなわち、本発明の土壌表面被覆材は、使用後に回収不要であるという利点を有している。さらに、本発明の土壌表面被覆材は土壌環境に悪影響を与えにくいことのみならず、肥料成分を土壌中に溶出することもできる。具体的には、土壌表面被覆材に含まれるリン酸を土壌中に溶出するができる。さらに、本発明の一実施形態では土壌表面被覆材に含まれるセルロース繊維をリン酸化する際に尿素をリン酸化剤と併用するため、肥料成分として尿素を土壌中に溶出することもできる。特に土壌環境が酸性条件の場合に、土壌表面被覆材からの肥料成分の溶出が増加する傾向がある。肥料成分の溶出は、土壌の表面を被覆している間にも見られ、かつ使用後に土壌表面被覆材を土壌中にすき込むことで肥料成分を土壌中に溶出させることもできる。
例えば、本発明の土壌表面被覆材を直径7mmの丸型パンチで打ち抜いて、直径7mmの丸型チップ状にし、該チップ1gにイオン交換水100mLを加え、マグネチックスターラーで撹拌後、No.2のろ紙を用いてリン酸化セルロースシートのチップとろ液を分離する操作を行った場合、得られるろ液中に含まれるリン酸濃度は、200ppm以上であることが好ましく、300ppm以上であることがより好ましく、400ppm以上であることがさらに好ましい。また、得られるろ液中に含まれる尿素濃度は500ppm以上であることが好ましく、600ppm以上であることがより好ましく、800ppm以上であることがさらに好ましい。これらは、土壌表面被覆材が水に晒された場合に土壌表面被覆材からリン酸や尿素が土壌中に溶出することを示している。
なお、ろ液中に含まれるリン酸濃度を測定する場合は、呈色反応を利用する。具体的には、6.6%モリブデン酸アンモニウム溶液25mLを200mLに希釈し、7.5N硫酸を25mL加え、A液とし、硫酸鉄7水和物5gと7.5N硫酸1mLを水で50mLとなるように希釈し、B液とし、リン酸濃度が100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmのリン酸水溶液を作製し、検量線試料とする。次いで、A液と、B液と、検量線試料を9:0.8:0.2の体積比率(A液:B液:検量線試料)で混合し、呈色させ、波長720nmにおける吸光度を測定し検量線を作成する。そして、ろ液についても、波長720nmの吸光度を測定し、吸光度と検量線から、ろ液に含まれるリン酸濃度を決定する。
ろ液中に含まれる尿素濃度を測定する場合においても呈色反応を利用する。具体的には、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド2g、95%エタノール100mL、濃塩酸10mLの混合液を作製し、呈色試薬とし、尿素濃度が100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmの尿素水溶液を作製し、検量線試料とする。次いで、各濃度の尿素水溶液(検量線試料)5gに呈色試薬を10mL加えた後、イオン交換水で全量が25mLとなるように希釈し、呈色させ、波長435nmの吸光度を測定し検量線を作成する。そして、ろ液について波長435nmの吸光度を測定し、吸光度と検量線から、ろ液に含まれる尿素濃度を決定する。
土壌環境が酸性条件の場合の肥料成分の溶出成分程度は、例えば2%クエン酸ナトリウム水溶液への肥料成分の溶出量を測定することで評価することができる。具体的には、本発明の土壌表面被覆材を直径7mmの丸型パンチで打ち抜いて、直径7mmの丸型チップ状にし、該チップ1gにイオン交換水100mLを加え、マグネチックスターラーで撹拌後、No.2のろ紙を用いてリン酸化セルロースシートのチップとろ液を分離する操作を3回行い、洗浄をした後に、さらにチップ1gに2%濃度クエン酸ナトリウム水溶液を100mL添加し、5日後、2週間後、2ヶ月後のリン酸濃度を測定する。リン酸濃度は上述した方法と同様の方法で測定する。この場合、5日後、2週間後、2ヶ月後のいずれの時点においても、2%濃度クエン酸ナトリウム水溶液中のリン酸濃度は、100ppm以上であることが好ましく、150ppm以上であることがより好ましく、200ppm以上であることがさらに好ましい。
本発明の土壌表面被覆材の全質量に対する水分含有量は50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。なお、本発明において、土壌表面被覆材の水分含有量は0質量%であってもよい。
土壌表面被覆材の水分含有量を測定する際には、105℃の条件下で24時間乾燥する前後の重量を測定し、下記式により算出することができる。
水分含有量(質量%)=(乾燥前の重量−乾燥後の重量)/乾燥後の重量×1
本発明の土壌表面被覆材の不透明度は、特に限定されるものではないが、遮光性が要求される場合は、80%以上とすることも好ましい。土壌表面被覆材の不透明度を上記範囲とすることにより、雑草の発育を効果的に抑制することができる。一方で、土壌表面被覆材に地温上昇の効果が期待される場合は、土壌表面被覆材の不透明度を50%以下にすることも好ましい。なお、不透明度の測定は、JIS P 8149に準拠して行うことができる。
本発明の土壌表面被覆材は、シート状物、もしくはシート加工物であることが好ましい。図1には、リン酸化セルロースシート5から、土壌表面被覆材10を作製する様子を例示しているが、本発明の土壌表面被覆材は、図1の左端に示したようなシート状物(リン酸化セルロースシート5自体)であってもよい。また、本発明の土壌表面被覆材は、リン酸化セルロースシート5を適宜加工することで得られたシート加工物であってもよい。なお、シート加工物としては、例えば、チップ状物、ストリップ状物、塊状物、粒状物、ストロー状物等を挙げることができる。
土壌表面被覆材10がシート状物である場合、土壌表面被覆材10の厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。また、土壌表面被覆材10の厚みは、5mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。
土壌表面被覆材10がシート加工物である場合、例えば図1(a)に示されているように、リン酸化セルロースシート5を所定の形にカットすることで、チップ状の土壌表面被覆材10とすることができる。なお、リン酸化セルロースシート5は様々な形にカットすることができ、例えば、丸型、四角形型、三角形型等の形態とすることができる。また、リン酸化セルロースシート5をさらに小さく粉砕することで粒状のシート加工物としてもよい。このようにして得られた土壌表面被覆材10は植物の株元の地表面を覆うように敷き詰められる。
チップ状の土壌表面被覆材10の粒径(直径)は、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがより好ましい。なお、チップ状の土壌表面被覆材10が円形ではない場合は、チップ状の土壌表面被覆材10の粒径は、外接円の直径と定義することができる。なお、本明細書においては、粒状の土壌表面被覆材10の粒径(直径)は1mm未満であると定義することができる。
図1(b)には、リン酸化セルロースシート5をストロー状に丸めることで得られたセルロースシート円柱状体を、円形断面と略平行な方向に切断することでチップ状もしくは、塊状の土壌表面被覆材10を作製する様子が示されている。図1(b)では、セルロースシート円柱状体において点線で示した箇所をカットすることでチップ状もしくは、塊状の土壌表面被覆材10を得ている。ストロー状のシートを切断することで、より通気性に優れた土壌表面被覆材10を得ることができる。なお、本発明の土壌表面被覆材10は、リン酸化セルロースシート5をストロー状に丸めることで得られたセルロースシート円柱状体自体であってもよい。このような円柱状体を複数作製し、植物の株元に敷き詰めることで土壌の表面を被覆してもよい。円柱状体は、構造内部に空気層を含むものであるため、保温効果を発揮しやすい。
図2(a)には、リン酸化セルロースシート5を縦方向もしくは横方向のいずれか一方の方向にカットすることで、ストリップ状もしくは短冊状の土壌表面被覆材10を作製する様子が示されている。このようにして得られたストリップ状もしくは短冊状の土壌表面被覆材10を、ランダムな方向となるように植物の株元に敷き詰めることで土壌の表面を被覆することができる。
図2(b)には、リン酸化セルロースシート5から所定箇所を打ち抜いたシート状の土壌表面被覆材10を作製する様子が示されている。図2(b)では、点線で示した円形部を打ち抜き、3つの円形の打ち抜き穴を有するシートを得ている。このようなシートで土壌表面を覆った後に、打ち抜き穴によって露出した土壌に植物の種や苗を植えることで、土壌表面被覆材10は植物の株元の地表面を覆うことができる。
本発明の土壌表面被覆材は、リン酸化セルロースを主成分として含むものであるか、リン酸化セルロースからなるものである。このため、本発明の土壌表面被覆材は保水性を有している。例えば、農作物等の栽培において降雨が少なく、乾燥状態が続いた際には、本発明の土壌表面被覆材は土壌の表面が必要以上に乾燥しないように保水する機能を果たす。一方で、降雨が続いた場合には、本発明の土壌表面被覆材が土壌中の水分を吸収し、土壌中の水分量を調整する働きもする。
また、本発明の土壌表面被覆材は回収不要であるため、使用後にはそのまま土壌表面に放置することができる。なお、本発明の土壌表面被覆材を土壌中にすき込むことで土壌の団粒構造を改善することもできる。この場合、本発明の土壌表面被覆材に含まれるリン酸等が肥料成分として土壌中に溶出しやすくなるため、追肥効果を期待することもできる。
(セルロース繊維)
本発明の土壌表面被覆材は、架橋されたリン酸化セルロース繊維を含む。土壌表面被覆材におけるセルロース繊維の含有量は、土壌表面被覆材の全固形分質量に対して90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。なお、土壌表面被覆材の全固形分がセルロース繊維から構成されていてもよい。すなわち、本発明の土壌表面被覆材は、バインダー成分や油脂組成物等の添加剤を含まないか、含んでいたとしても少量である。
なお、土壌表面被覆材の全固形分質量は、土壌表面被覆材の絶乾質量である。土壌表面被覆材を絶乾にする方法としては、例えば、105℃±2℃に設定された送風乾燥機内での乾燥を挙げることができるが、特に限定されない。測定の際には土壌表面被覆材が吹き飛ばされないよう、秤量ビン等の機器を適宜使用することができる。
全固形分中のセルロース繊維の含有量は、セルロース繊維以外に含まれる成分または
セルロース繊維のみを抽出あるいは分解する方法で適宜算出することが出来るが、前述の通り、通常は、土壌表面被覆材の大部分はセルロース繊維で構成されており、実質的に全固形分質量の値はセルロース繊維の質量に極めて近くなる。
セルロース繊維を得るためのセルロース原料としては特に限定されないが、入手しやすく安価である点から、パルプを用いることが好ましい。パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。本実施態様のパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。上記パルプの中で、入手のしやすさという点で、セルロースを含む木材パルプ、脱墨パルプが好ましい。
本発明において、リン酸基を有するセルロース繊維の繊維幅は特に限定されない。例えば、リン酸基を有するセルロース繊維の繊維幅は1000nmよりも大きいものであってもよく、1000nm以下であってもよい。また、繊維幅が1000nmよりも大きいセルロース繊維と、繊維幅が1000nm以下のセルロース繊維が混在していてもよい。なお、セルロース繊維の繊維幅が1000nm以下である場合、このようなセルロース繊維を微細繊維状セルロースと呼ぶこともある。
ここで、セルロース繊維の繊維幅は、電子顕微鏡観察によって以下の方法で測定することができる。まず、濃度0.05質量%以上0.1質量%以下のセルロース繊維水系懸濁液を調製し、この懸濁液を親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。この際、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を目視で読み取る。こうして少なくとも重なっていない表面部分の画像を3組以上観察し、各々の画像に対して、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を読み取る。このように少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。
セルロース繊維の平均繊維長は特に限定されないが、0.1mm以上であることが好ましく、0.6mm以上であることがより好ましい。また、5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。セルロース繊維の平均繊維長を上記範囲内とすることにより、セルロース繊維を塊状物に成形した際の強度を高めることができる。ここで、セルロース繊維の平均繊維長は、例えば、カヤーニオートメーション社のカヤーニ繊維長測定器(FS−200形)を用い、長さ加重平均繊維長を測定することにより求めることができる。また、繊維の長さに応じて走査型顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定することもできる。
セルロース繊維は、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する。そして、セルロース繊維の少なくとも一部において、リン酸基又はリン酸基由来の置換基は架橋している。すなわち、本発明の土壌表面被覆材は、架橋されたリン酸化セルロース繊維を含むものである。
リン酸化セルロース繊維におけるリン酸基はリン酸からヒドロキシル基を取り除いたものにあたる、2価の官能基である。具体的には−PO32で表される基である。リン酸基に由来する置換基は、リン酸基が縮重合した基、リン酸基の塩、リン酸エステル基などの置換基が含まれ、イオン性置換基であることが好ましい。
本発明では、リン酸基又はリン酸基に由来する置換基は、下記式(1)で表される置換基であってもよい。
Figure 0006911371
式(1)中、a、b、m及びnはそれぞれ独立に整数を表す(ただし、a=b×mである);αn(n=1以上n以下の整数)およびα’はそれぞれ独立にR又はORを表す。Rは、水素原子、飽和−直鎖状炭化水素基、飽和−分岐鎖状炭化水素基、飽和−環状炭化水素基、不飽和−直鎖状炭化水素基、不飽和−分岐鎖状炭化水素基、芳香族基、又はこれらの誘導基である;βは有機物または無機物からなる1価以上の陽イオンである。
セルロース繊維が有するリン酸基の含有量は、セルロース繊維1g(質量)あたり0.10mmol/g以上であることが好ましく、0.20mmol/g以上であることがより好ましく、0.50mmol/g以上であることがさらに好ましく、1.00mmol/g以上であることが一層好ましく、1.20mmol/g以上であることがより一層好ましく、1.30mmol/g以上であることが特に好ましく、1.60mmol/g以上であることが最も好ましい。また、リン酸基の含有量は、3.65mmol/g以下であることが好ましく、3.5mmol/g以下であることがより好ましく、3.0mmol/g以下であることがさらに好ましい。なお、本明細書において、セルロース繊維が有するリン酸基の含有量は、後述するようにセルロース繊維が有するリン酸基の強酸性基量と等しい。
セルロース繊維が有するリン酸基の含有量は、中和滴定法により測定することができる。中和滴定法による測定の際には、リン酸基を完全に酸型に変換させた後、機械処理工程(微細化工程)により微細化を行い、得られた微細繊維状セルロース含有スラリーに、水酸化ナトリウム水溶液を加えながらpHの変化を求めることにより、導入量を測定する。
リン酸基の酸型への変換は、セルロース繊維を含む土壌表面被覆材を、セルロース繊維濃度が2質量%となるようイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、十分な量の1N塩酸水溶液を少しずつ添加することで行う。リン酸基の酸型への変換では、上記のセルロース繊維含有スラリーを脱水し、脱水シートを得た後、再びイオン交換水で希釈し、1N塩酸水溶液を添加する操作を繰り返すことにより、セルロース繊維に含まれるリン酸基を完全に酸型へ変化させることが好ましい。そして、リン酸基の酸型への変換工程の後には、得られたセルロース繊維含有スラリーを攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して脱水シートを得る操作を繰り返すことにより、余剰の塩酸を十分に洗い流すことが好ましい。
機械処理工程(微細化工程)では、得られた脱水シートにイオン交換水を注ぎ、セルロース繊維濃度が0.3質量%のセルロース繊維含有スラリーを得て、このスラリーを、解繊処理装置(エムテクニック社製、クレアミックス‐2.2S)を用いて、21500回転/分の条件で30分間処理する。このようにして、微細繊維状セルロース含有スラリーを得る。
アルカリを用いた滴定では、微細繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、分散液が示すpHの値の変化を計測する。この中和滴定では、アルカリ(水酸化ナトリウム水溶液)を加えた量に対して測定したpHをプロットした曲線において、増分(pHのアルカリ滴下量に対する微分値)が極大となる点を二つ与える(増分が最大となる点と、2番目に大きくなる点)。このうち、アルカリを加えはじめて先に得られる増分の極大点(以下、第1終点と呼ぶ)までに必要としたアルカリ量が、滴定に使用した分散液中の強酸性基量と等しく、次に得られる増分の極大点(以下、第2終点と呼ぶ)までに必要としたアルカリ量が滴定に使用した分散液中の弱酸性基量と等しくなる。第1終点までに必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象の微細繊維状セルロース含有スラリー中の固形分(g)で除して、第1解離アルカリ量(mmol/g)とし、この量をセルロース繊維が有するリン酸基の含有量とする。
図3は、中和滴定において、アルカリ(水酸化ナトリウム水溶液)を加えた量に対して測定したpHをプロットした曲線を例示したものである。第1終点までの領域を第1領域、第2終点までの領域を第2領域という。なお、第2領域の後には第3領域がある。すなわち、3つの領域が現れる。図3において、第1領域で必要としたアルカリ量が、滴定に使用したスラリー中の強酸性基量と等しく、第2領域で必要としたアルカリ量が滴定に使用したスラリー中の弱酸性基量と等しくなる。
架橋構造は、セルロース繊維に導入されたリン酸基又はリン酸基由来の置換基が縮合することによって形成される。セルロース繊維にリン酸基が導入された場合、架橋構造は、ピロリン酸の2つのP原子に1つずつ、セルロースのグルコースユニットが、O原子を介して結合した構造となる。したがって、架橋構造が形成されると、見かけ上、弱酸性基が失われ、第1終点までに必要としたアルカリ量と比較して第2終点までに必要としたアルカリ量が少なくなる。ここで、セルロース繊維に導入されたリン酸基同士が全く縮合していない場合、セルロース繊維に導入されている強酸性基量と、弱酸性基量は等しい。このため、架橋構造が形成されることで失われた弱酸性基の量を2で除した値は架橋構造量(架橋点数)を表すことになる。すなわち、架橋構造量(架橋点数)は、第1終点までに要したアルカリ量(第1解離アルカリ量)と第2終点までに要したアルカリ量(第2解離アルカリ量)の差分を2で除した値に等しい。架橋構造量(架橋点数)は下記式(1)で表される。
架橋構造量(架橋点数)=(セルロース繊維に含まれる強酸性基量−セルロース繊維に含まれる弱酸性基量)/2 式(1)
本発明においては、上記式(1)で算出されるセルロース繊維の架橋構造量(架橋点数)は0.20mmol/g以上であればよく、0.25mmol/g以上であることが好ましく、0.30mmol/g以上であることがより好ましい。なお、架橋構造量(架橋点数)の上限値は、セルロース繊維に含まれる強酸性基量を2で除した値となるため、例えば1.82mmol/g以下となる。
セルロース繊維は、対イオンを有していてもよい。対イオンは、無機イオンであっても有機イオンであってもよい。無機イオンとしては、アルカリ金属イオンに代表される1価の金属イオン、アルカリ土類金属イオンに代表される2価の金属イオン、その他、非金属の陽イオンであるアンモニウムイオン、アルミニウムイオン、スズイオン、鉛イオンなどの卑金属イオン、その他、銀イオン、銅イオン、鉄イオンなどの遷移金属イオンが挙げられる。有機イオンとしては、有機アンモニウムイオンや、有機ホスホニウムイオンが挙げられる。保水性を高めたい場合は、1価の陽イオンを対イオンとすることが好ましく、汎用性の観点から、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオンを対イオンとすることがより好ましく、ナトリウムイオン、アンモニウムイオンを対イオンとすることがさらに好ましい。
(任意成分)
本発明の土壌表面被覆材には、セルロース繊維以外の任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、たとえば、消泡剤、潤滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、填料、安定剤、アルコール等の水と混和可能な有機溶媒、防腐剤、有機微粒子、無機微粒子等を挙げることができる。なお、土壌表面被覆材に任意成分が含まれる場合は、土壌表面被覆材の全固形分質量に対して10質量%未満であることが好ましい。
(土壌表面被覆材の製造方法)
本発明は、土壌表面被覆材の製造方法に関するものでもある。土壌表面被覆材の製造方法は、セルロース繊維シートにリン酸基又はリン酸基由来の置換基を導入する工程(リン酸化工程)と、リン酸基を有するセルロース繊維シートを加熱する工程(加熱工程)と、を含む。
<リン酸化工程>
リン酸化工程では、リン酸基又はリン酸基由来の置換基をセルロース繊維に導入する。リン酸化工程では、セルロース繊維シート(パルプシート)に対し、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する化合物及びその塩から選択される少なくとも1種(以下、「リン酸化剤」又は「化合物A」ともいう)を反応させることにより行うことができる。このようなリン酸化剤は、乾燥状態または湿潤状態のセルロース繊維に粉末や水溶液の状態で混合してもよい。また別の例としては、セルロース繊維のスラリーにリン酸化剤の粉末や水溶液を添加してもよい。すなわち、リン酸基導入工程は、少なくとも、セルロース繊維とリン酸化剤を混合する工程を含む。
リン酸基導入工程は、セルロース繊維にリン酸化剤を反応させることにより行うことができるが、この反応は、尿素及びその誘導体から選択される少なくとも1種(以下、「化合物B」ともいう)の存在下で行ってもよい。
化合物Aを化合物Bの共存下でセルロース繊維に作用させる方法の一例としては、乾燥状態または湿潤状態のセルロース繊維に化合物A及び化合物Bの粉末や水溶液を混合する方法が挙げられる。また別の例としては、セルロース繊維含有スラリーに化合物A及び化合物Bの粉末や水溶液を添加する方法が挙げられる。これらのうち、反応の均一性が高いことから、乾燥状態のセルロース繊維に化合物Aおよび化合物Bの水溶液を添加する方法、または湿潤状態のセルロース繊維に化合物Aおよび化合物Bの粉末や水溶液を添加する方法が好ましい。また、化合物Aと化合物Bは同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。また、初めに反応に供試する化合物Aと化合物Bを水溶液として添加して、圧搾により余剰の薬液を除いてもよい。セルロース繊維の形態は綿状や薄いシート状であることが好ましいが、特に限定されない。
リン酸化剤(化合物A)は、リン酸基を有する化合物及びその塩から選択される少なくとも1種である。リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩などが挙げられるが、特に限定されない。リン酸のリチウム塩としては、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、またはポリリン酸リチウムなどが挙げられる。リン酸のナトリウム塩としてはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン酸のカリウム塩としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、またはポリリン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。中でも、リン酸、リン酸のナトリウム塩、又はリン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩は好ましく用いられる。
反応の均一性が高まり、かつリン酸基導入の効率がより高くなることからリン酸化剤(化合物A)は水溶液として用いることが好ましい。リン酸化剤(化合物A)の水溶液のpHは特に限定されないが、リン酸基の導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましく、セルロース繊維の加水分解を抑える観点からpH3以上pH7以下がさらに好ましい。化合物Aの水溶液のpHは例えば、リン酸基を有する化合物のうち、酸性を示すものとアルカリ性を示すものを併用し、その量比を変えて調整してもよい。リン酸化剤(化合物A)の水溶液のpHは、リン酸基を有する化合物のうち、酸性を示すものに無機アルカリまたは有機アルカリを添加すること等により調整してもよい。
セルロース繊維に対するリン酸化剤(化合物A)の添加量は特に限定されないが、リン酸化剤(化合物A)の添加量をリン原子量に換算した場合、セルロース繊維(絶乾質量)に対するリン原子の添加量は0.5質量%以上100質量%以下が好ましく、1質量%以上50質量%以下がより好ましく、2質量%以上30質量%以下が最も好ましい。セルロース繊維に対するリン原子の添加量が上記範囲内であれば、リン酸化セルロース繊維の収率をより向上させることができる。セルロース繊維に対するリン原子の添加量を100質量%以下とすることにより、収率向上の効果とコストのバランスをとることができる。一方、セルロース繊維に対するリン原子の添加量を上記下限値以上とすることにより、収率を高めることができる。
本実施態様で使用する化合物Bとしては、尿素、ビウレット、1−フェニル尿素、1−ベンジル尿素、1−メチル尿素、1−エチル尿素などが挙げられる。
化合物Bは化合物Aと同様に水溶液として用いることが好ましい。また、反応の均一性が高まることから化合物Aと化合物Bの両方が溶解した水溶液を用いることが好ましい。セルロース繊維(絶乾質量)に対する化合物Bの添加量は1質量%以上500質量%以下であることが好ましく、10質量%以上400質量%以下であることがより好ましく、100質量%以上350質量%以下であることがさらに好ましく、150質量%以上300質量%以下であることが特に好ましい。
化合物Aと化合物Bの他に、アミド類またはアミン類を反応系に含んでもよい。アミド類としては、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。アミン類としては、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、特にトリエチルアミンは良好な反応触媒として働くことが知られている。
<加熱工程>
加熱工程では、リン酸化工程を経て得られたリン酸化セルロースシートを加熱処理する。このような加熱工程を設けることで、セルロース繊維にリン酸基を効率的に導入し、さらにリン酸基又はリン酸基由来の置換基の少なくとも一部を架橋させることができる。このようにセルロース繊維間に架橋構造を形成することで、湿潤状態においても優れた強度を発揮し得るリン酸化セルロースシートを得ることができる。
加熱工程における加熱処理温度は、セルロース繊維の熱分解や加水分解反応を抑えながら、リン酸基の架橋を促進し得る温度を選択することが好ましい。また、加熱処理温度は、上述した式(1)で算出されるセルロース繊維の架橋点数が所定値以上となるようにリン酸基又はリン酸基由来の置換基を架橋させる温度を選択することが好ましい。加熱処理温度は、具体的には50℃以上300℃以下であることが好ましく、100℃以上250℃以下であることがより好ましく、130℃以上200℃以下であることがさらに好ましい。また、加熱には減圧乾燥機、赤外線加熱装置、マイクロ波加熱装置を用いてもよい。
加熱処理に用いる加熱装置としては、成形したセルロース繊維(パルプ)が保持する水分及びリン酸基などの繊維の水酸基への付加反応で生じる水分を常に装置系外に排出できる装置であることが好ましく、例えば送風方式のオーブン等が好ましい。装置系内の水分を常に排出すれば、リン酸エステル化の逆反応であるリン酸エステル結合の加水分解反応を抑制できることに加えて、セルロース繊維中の糖鎖の酸加水分解を抑制することができる。
加熱処理の時間(加熱時間)は、加熱温度にも影響されるが、リン酸化剤とセルロース繊維が混合され、熱源に晒されてから10秒以上300分以下であることが好ましく、1分以上270分以下であることがより好ましく、10分以上120分以下であることがさらに好ましい。本発明においては、加熱処理温度と加熱時間を適切な範囲とすることにより、リン酸基の導入量と架橋点数を好ましい範囲内とすることができる。
<洗浄工程>
加熱工程の後には、必要に応じて洗浄工程を設けてもよい。なお、リン酸化工程で用いたリン酸化剤は土壌中に溶出することで肥料成分となり得るため、このような成分の溶出を期待する場合には加熱工程の後に洗浄工程を設けなくてもよい。なお、洗浄工程を設ける場合は、リン酸化セルロースシートをイオン交換水で洗浄することが好ましい。また、洗浄工程を設けた場合、洗浄工程の後に乾燥工程を設けることが好ましい。
<加工工程>
加熱工程の後には、必要に応じて加工工程を設けてもよい。加工工程は、図1及び2に示したようにシート状のリン酸化セルロースシートの形状を所望形状となるように加工する工程である。加工工程では、例えば、リン酸化セルロースシートを丸型、四角形型、三角形型等のチップ状となるようにカットしたり、さらに細かく粉砕することができる。また、リン酸化セルロースシートをストロー状に丸めたり、ストロー状に丸めたセルロースシート円柱状体を円形断面と略平行な方向に切断することもできる。さらにリン酸化セルロースシートを縦方向もしくは横方向のいずれか一方の方向にカットすることで、ストリップ状もしくは短冊状にしたり、リン酸化セルロースシートに1個以上の打ち抜き穴を形成したシートを形成することもできる。
(用途)
本発明の土壌表面被覆材は、優れた強度を有し、かつ回収不要の土壌表面被覆材である。このため、広大の範囲の土壌を被覆する用途に適している。特に農作物を栽培するための土壌表面被覆材として用いられることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例)
<リン酸化シートの調製>
針葉樹クラフトパルプとして、王子製紙製のパルプ(固形分96質量%、坪量213g/m2シート状)を原料(以下、原料パルプシートという)として使用した。上記原料パルプシート(絶乾質量)100質量部に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を含浸し、リン酸二水素アンモニウム45質量部、尿素120質量部、イオン交換水150質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプシートを得た。得られた薬液含浸パルプシートを165℃の熱風乾燥機で10分間乾燥・加熱処理し、パルプ中のセルロースにリン酸基及びリン酸架橋構造を導入し、リン酸化セルロースシート(土壌表面被覆材)を得た。
(比較例)
比較例では、実施例で用いた王子製紙製のパルプ(固形分96質量%、坪量213g/m2シート状)を、リン酸化処理等を行わずに使用した。
(分析)
<リン酸基導入量の測定>
リン酸化セルロースシートのリン酸基の導入量は、中和滴定法により測定した。具体的には、セルロース繊維に含まれるリン酸基を完全に酸型に変換させた後、機械処理工程(微細化工程)により微細化を行い、得られた微細繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、スラリー(分散液)が示すpHの変化を求めることにより、導入量を測定した。
リン酸基の酸型への変換では、得られたリン酸化セルロースシートを、セルロース繊維濃度が2質量%となるようイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、十分な量の1N塩酸水溶液を少しずつ添加した。次いで、このセルロース繊維含有スラリーを15分間撹拌したのち脱水し、脱水シートを得た後、再びイオン交換水で希釈し、1N塩酸水溶液を添加する操作を繰り返すことにより、セルロース繊維に含まれるリン酸基を完全に酸型へ変化させた。さらに、このセルロース繊維含有スラリーを攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して脱水シートを得る操作を繰り返すことにより、余剰の塩酸を十分に洗い流した。
機械処理工程では、得られた脱水シートにイオン交換水を注ぎ、セルロース繊維濃度が0.3質量%のセルロース繊維含有スラリーを得た。このスラリーを、解繊処理装置(エムテクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用いて、21500回転/分の条件で30分間処理した。
アルカリを用いた滴定では、微細繊維状セルロース含有スラリーに0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、分散液が示すpHの値の変化を計測した。この中和滴定では、アルカリを加えた量に対して測定したpHをプロットした曲線において、増分(pHのアルカリ滴下量に対する微分値)が極大となる点を二つ与える(増分が最大となる点と、2番目に大きくなる点)。このうち、アルカリを加えはじめて先に得られる増分の極大点(以下、第1終点と呼ぶ)、までに必要としたアルカリ量が、滴定に使用した分散液中の強酸性基量と等しく、次に得られる増分の極大点(以下、第2終点と呼ぶ)までに必要としたアルカリ量が滴定に使用した分散液中の弱酸性基量と等しくなる。
第1終点までに必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象分散液中の固形分(g)で除して、第1解離アルカリ量(mmol/g)とし、この量をリン酸基の導入量とした。
<架橋点数の測定>
架橋構造は、セルロース繊維に導入されたリン酸基同士が脱水縮合することによって形成されると考えられる。すなわち、架橋構造は、ピロリン酸の2つのP原子に1つずつ、セルロースのグルコースユニットが、O原子を介して結合した構造となる。したがって、架橋リン酸基が形成されると、見かけ上弱酸性基が失われ、第1終点までに必要としたアルカリ量と比較して第2終点までに必要としたアルカリ量が少なくなる。すなわち、架橋点数は、第1終点までに要したアルカリ量(第1解離アルカリ量)と第2終点までに要したアルカリ量(第2解離アルカリ量)の差分を2で除した値に等しい。
Figure 0006911371
(評価)
<強度の確認>
実施例で得られたリン酸化セルロースシート、及び比較例の原料シートについて、シートの縦方向及び横方向の引張強度ならびに湿潤引張強度を測定した。引張強度はJIS P 8113「紙及び板紙−引張特製の試験方法−第2部:定速伸長法」により測定した。湿潤引張強度はJIS P 8135「紙及び板紙−湿潤引張強さ試験方法」によって測定した。
表2に示すように、リン酸化セルロースシートの湿潤強度が原料シートに比べて高く破れにくいことが確認できた。
Figure 0006911371
<肥料成分の溶出確認1>
得られたリン酸化セルロースシートを、直径7mmの丸型パンチで打ち抜いて、直径7mmの丸型チップ状にした。リン酸化セルロースシートのチップ1gにイオン交換水100mLを加え、マグネチックスターラーで撹拌後、No.2のろ紙を用いてリン酸化セルロースシートのチップとろ液を分離した。リン酸化セルロースシートのチップを再び100mLのイオン交換水に加え、マグネチックスターラーで撹拌し、No.2のろ紙を用いてリン酸化セルロースシートのチップとろ液を分離した。この操作をさらに3回(合計5回)繰り返し、1回目〜5回目の操作で得られるろ液を回収した。そして、各ろ液に含まれるリン酸濃度と尿素濃度を測定した。
<リン酸濃度の測定>
ろ液に含まれるリン酸濃度の測定には、呈色反応を利用した。具体的には、6.6%モリブデン酸アンモニウム溶液25mLを200mLに希釈し、7.5N硫酸を25mL加え、A液とした。硫酸鉄7水和物5gと7.5N硫酸1mLを水で50mLとなるように希釈し、B液とした。リン酸濃度が100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmのリン酸水溶液を作製し、検量線試料とした。A液と、B液と、検量線試料を9:0.8:0.2の体積比率(A液:B液:検量線試料)で混合し、呈色させ、波長720nmにおける吸光度を測定し、検量線を作成した。なお、呈色後2時間以内に吸光度を測定した。測定試料であるろ液についても、適宜希釈の後、同様に測定を行い、波長720nmの吸光度を測定した。そして、この吸光度と検量線から、ろ液に含まれるリン酸濃度を決定した。
<尿素の測定>
ろ液に含まれる尿素の測定には、呈色反応を利用した。具体的には、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド2g、95%エタノール100mL、濃塩酸10mLの混合液を作製し、呈色試薬とした。尿素濃度が100ppm、200ppm、400ppm、600ppm、800ppm、1000ppmの尿素水溶液を作製し、検量線試料とした。各濃度の尿素水溶液(検量線試料)5gに呈色試薬を10mL加えた後、イオン交換水で全量が25mLとなるように希釈し、室温で10分間静置した。黄緑色に呈色した溶液の波長435nmの吸光度を測定し、検量線を作成した。測定試料であるろ液についても、適宜希釈の後、同様に測定を行い、波長435nmの吸光度を測定した。そして、この吸光度と検量線から、ろ液に含まれる尿素濃度を決定した。
結果を表3に示す。リン酸化セルロースシートを作製する際に用いた薬液に含まれるリン酸二水素アンモニウムと尿素は、水に容易に溶出することが確認できた。なお、比較例を用いて同様の測定を行ったところ、リン酸二水素アンモニウムと尿素は、水に溶出しなかった。
Figure 0006911371
<肥料成分の溶出確認2>
得られたリン酸化セルロースシートを、直径7mmの丸型パンチで打ち抜いて、直径7mmの丸型チップ状にした。リン酸化セルロースシートのチップ1gに対しイオン交換水100mLを加え、マグネチックスターラーで撹拌後、No.2のろ紙を用いてリン酸化セルロースシートのチップとろ液を分離した。リン酸化セルロースシートのチップを再び100mLのイオン交換水に加え、マグネチックスターラーで撹拌後、No.2のろ紙を用いてリン酸化セルロースシートチップとろ液を分離した。この作業をさらに1回繰り返し(合計3回)、リン酸化セルロースシートのチップに付着している余剰のリン酸二水素アンモニウムと尿素を除去したのち、室温で乾燥させた。乾燥後のリン酸化セルロースシートのチップ1gを入れた容器を2個用意し、それぞれに100mLのイオン交換水、又は100mLの2%濃度クエン酸ナトリウム水溶液のいずれかを加えてよく撹拌したのち静置し、5日後、2週間後、2か月後に溶液の一部をとり、No.2のろ紙でろ過後、ろ液に含まれるリン酸濃度を測定した。リン酸濃度は上述した方法と同様の方法で測定した。
結果を表4に示す。リン酸化セルロースシートのチップを浸漬したイオン交換水には徐々にリン酸が溶出していくことが確認できた。また、同様に2%クエン酸溶液にも徐々にリン酸が溶出していくことが確認できた。さらに、2%クエン酸溶液へのリン酸の溶出量が多いことから、酸性状態では溶出が促進されることが確認できた。
Figure 0006911371
表2〜4に示されているように、実施例のリン酸化セルロースシートは、湿潤強度に優れ、かつ追肥効果を発揮できるものであった。また、実施例のリン酸化セルロースシートは、生分解性を有するものであるため、使用後は回収する必要がなく、肥料や土壌改良剤として土壌にすき込むことができる。
5 リン酸化セルロースシート
10 土壌表面被覆材

Claims (4)

  1. セルロース繊維を含む土壌表面被覆材であって、
    前記セルロース繊維はリン酸基又はリン酸基由来の置換基を有し、
    前記セルロース繊維の少なくとも一部において、前記リン酸基又はリン酸基由来の置換基が架橋している土壌表面被覆材。
  2. 前記セルロース繊維の含有量は、前記土壌表面被覆材の全固形分質量に対して90質量%以上である請求項1に記載の土壌表面被覆材。
  3. シート状物、もしくはシート加工物である請求項1又は2に記載の土壌表面被覆材。
  4. 前記土壌表面被覆材の第1の方向の湿潤引張強度と、前記第1の方向に直交する第2の方向の湿潤引張強度の平均値が0.3kN/m以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌表面被覆材。
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