以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施の形態
1.1.システム構成例
1.2.機能構成例
1.3.動作例
2.応用例
3.まとめ
<1.本開示の実施の形態>
[1.1.システム構成例]
まず、図面を参照しながら本開示の実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を説明する。
図1は、本開示の実施の形態に係るネットワークシステム1の構成例を示す説明図である。以下、図1を用いて本開示の実施の形態に係るネットワークシステム1の構成例について説明する。図1におけるそれぞれの構成要素間を結ぶ線については、実線は有線で接続されていることを意味し、破線は無線で接続されていることを意味する。なお、構成要素間の接続形態は必ずしも図1に示したものに限定されるものではない。
図1に示したように、本開示の実施の形態に係るネットワークシステム1は、インターネット2と、CN(Correspondent Node)3と、ドメイン10と、を含んで構成される。CN3は、インターネット2に接続され、ドメイン10の中の通信機器との間で通信を行う装置である。CN3の例としてはWebサーバがある。
ドメイン10は、本実施形態の通信プロトコルが動作するネットワークの範囲を指し、本開示の通信ネットワーク網の一例である。ドメイン10の例としては1つの携帯電話網、携帯電話事業者網、コアネットワーク(Core Network)が挙げられる。この携帯電話網は、例えば、いわゆる5G(5th Generation)と称される携帯電話網である。また本実施形態では、ドメイン10の内部の機器ではIPv6が動作する。なお、図1ではドメインを1つのみ図示しているが、ドメインは複数存在しうる。
ドメイン10は、PGW(Packet data network Gateway)11と、RT(Router)12a、12bと、MME(Mobility Management Entity)13と、eNB(eNodeB)14a、14b、14cと、移動セル20と、を含んで構成される。
PGW11は、インターネット2に接続され、ドメイン10の内部の通信装置と、ドメイン10の外部の通信装置との通信の中継機能を有する。RT12a、12bは、ルーティング機能を有するルータであり、いずれも上位側がPGW11に接続されている。RT12aは、下位側でeNB14a、14bと接続されており、RT12bは、下位側でeNB14cと接続されている。なお、上位側とは、インターネット2に近い側を指すものとする。逆に下位側とは、インターネット2から遠い側を指すものとする。
MME13は、後述の移動セル20の内部に存在する通信機器の接続場所を管理する装置である。本実施形態では、MME13はRT12aに接続されているが、本開示は係る例に限定されるものではない。
eNB(eNodeBまたは、Base Station、gNB、gNodeBもしくはAccess Point)14a、14b、14cは、有線網と無線網とを中継するルータである。eNB14aを例に挙げると、eNB14aは、上流側でRT12aと有線で接続されており、下流側で移動セル20に含まれるRN(Relay Node、またはMaster Node)21と無線で接続されている。
移動セル20は、RN21およびRN21の下流側に接続されている機器を総称したものである。図1に示した例では、移動セル20は、RN21と、UE(User EquipmentまたはUser TerminalもしくはMobile Terminal)22と、入れ子移動セル30と、を含んで構成される。移動セル20の矩形と、移動セル30の矩形とは、それぞれの移動セルの範囲を示す。図1に示すように、異なる移動セルが互いに入れ子構造の関係性を取ってもよい。
RN21は、無線回線を介してeNB14aと接続する移動ルータである。なおRN21は、ルータの機能と共に、種々のアプリケーションを実行する端末装置の機能を有していても良い。図1の例では、RN21は上流側でeNB14aと接続されており、下流側でUE22およびRN31と接続されている。
UE22は、無線回線を介してRN21と接続する、種々のアプリケーションを実行する端末装置である。なおUE22は、無線回線を介して他の装置(例えばeNB14a)に接続してもよい。RNに接続しているUEを、特にリモートUE(Remote UE)と呼ぶ場合がある。
入れ子移動セル30は、移動セル20におけるRN21の下流側に接続されている機器を総称したものである。入れ子移動セル30は、RN31と、UE32と、を含んで構成される。
RN31は、無線回線を介してRN21と接続する移動ルータである。なおRN31は、ルータの機能と共に、種々のアプリケーションを実行する端末装置の機能を有していても良い。種々のアプリケーションを実行する端末装置の機能を有しているRNを、特にリレーUE(Relay UE)やマスタUE(Master UE)と呼ぶ場合がある。図1の例では、RN31は上流側でRN21と接続されており、下流側でUE32と接続されている。
UE32は、無線回線を介してRN31と接続する、種々のアプリケーションを実行する端末装置である。なおUE32は、無線回線を介して他の装置(例えばeNB14a、RN21)に接続してもよい。
本実施形態に係るネットワークシステム1は、以下の前提を有するものとする。
1つのドメインには、最長64ビットのIPv6プレフィクス(IPv6アドレスの上位64ビット)が割り当てられているものとする。言い換えれば、MMEが管理する範囲においてIPv6プレフィクスが割り当てられているものとする。1つの図1で示したドメイン10には、Pref5G1というIPv6プレフィクスが割り当てられているとする。
インターネット2の内部には複数のルータが存在しうる。そして、そのインターネット2の内部のルータは、各ドメインに割り当てられたIPv6プレフィクスに関する経路情報を保持しているものとする。図1では、インターネット2の内部のルータは、Pref5G1というプレフィクスを有するドメイン10についての経路情報を保持している。
eNBの無線インタフェースには、固有のIPv6プレフィクスが割り当てられているとする。例えば本実施形態では、eNB14aの無線インタフェースにはPrefD eNB1というIPv6プレフィクスが割り当てられている。
ドメイン内部の各ノード(PGW、MME、eNB、RT、UEを指す)は、ドメイン内で一意となる最長64ビットの識別子を有するものとする。そしてドメイン内の各ノードは、IPv6プレフィクスを上位ビット、識別子を下位ビットとするアドレスを有し、当該アドレスに基づいて通信を行う。
以上、本開示の実施の形態に係るネットワークシステム1の構成例を説明した。
[1.2.機能構成例]
(PGW11)
続いて、本開示の実施の形態に係るPGW11の機能構成例を説明する。図2は、本開示の実施の形態に係るPGW11の機能構成例を示す説明図である。以下、図2を用いて本開示の実施の形態に係るPGW11の機能構成例について説明する。
図2に示したように、本開示の実施の形態に係るPGW11は、ネットワーク通信部1110、記憶部1120、及び処理部1130を備える。
ネットワーク通信部1110は、他の装置との間で通信を行うためのインタフェースである。例えば、PGW11は、インターネット2に接続されているCN3や、MME13、eNB14a、14b、14cとの間で通信を行う。
記憶部1120は、例えばHDDその他の記憶媒体で構成され、PGW11の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
処理部1130は、例えばCPU等の演算装置やROM、RAM等の各種メモリなどで構成され、PGW11の様々な機能を提供する。処理部1130は、通信制御部1131を含む。なお、処理部1130は、この構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部1130は、この構成要素の動作以外の動作も行い得る。
通信制御部1131は、RN21、31や、UE22、32の、インターネット2への接続処理に関する各種処理を行う機能を有する。
以上、本開示の実施の形態に係るPGW11の機能構成例について説明した。
(MME13)
続いて、本開示の実施の形態に係るMME13の機能構成例を説明する。図3は、本開示の実施の形態に係るMME13の機能構成例を示す説明図である。以下、図3を用いて本開示の実施の形態に係るMME13の機能構成例について説明する。
図3に示したように、本開示の実施の形態に係るMME13は、ネットワーク通信部1310、記憶部1320、及び処理部1330を備える。
ネットワーク通信部1310は、他の装置との間で通信を行うためのインタフェースである。例えば、MME13は、RT12aとの間で通信を行う。
記憶部1320は、例えばHDDその他の記憶媒体で構成され、MME13の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。本実施形態では、MME13の記憶部1320は、eNBの無線インタフェースのIPv6プレフィクスや、eNBとRN、RN同士の接続関係が登録されたマッピングテーブルを保持する。
処理部1330は、例えばCPU等の演算装置やROM、RAM等の各種メモリなどで構成され、MME13の様々な機能を提供する。処理部1330は、通信制御部1331を含む。なお、処理部1330は、この構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部1330は、この構成要素の動作以外の動作も行い得る。
通信制御部1331は、RN21、31や、UE22、32の、インターネット2への接続処理に関する各種処理を行う機能を有する。
以上、本開示の実施の形態に係るMME13の機能構成例について説明した。
(eNB14a)
続いて、本開示の実施の形態に係るeNB14aの機能構成例を説明する。図4Aは、本開示の実施の形態に係るeNB14aの機能構成例を示す説明図である。以下、図4Aを用いて本開示の実施の形態に係るeNB14aの機能構成例について説明する。また、ここではeNB14aのみについて示すが、他のeNB14b、14cについても同様の構成を有する。
図4Aに示したように、本開示の実施の形態に係るeNB14aは、アンテナ部110と、無線通信部120と、通信部121と、記憶部130と、処理部140と、を含んで構成される。
アンテナ部110は、無線通信部120により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部110は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部220へ出力する。
無線通信部120は、信号を送受信する。例えば、無線通信部120は、接続先のRN21からのアップリンク信号を受信し、接続先のRN21へのダウンリンク信号を送信する。通信部121は、図1に示したネットワークシステム1ではRT12aに接続され、ドメイン10の内部の各装置との間の通信を行う。
記憶部130は、eNB14aの動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
処理部140は、eNB14aの様々な機能を提供する。処理部140は、通信制御部141を含む。なお、処理部140は、この構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部140は、この構成要素の動作以外の動作も行い得る。
通信制御部141は、ドメイン10の内部の各装置との間の通信を制御したり、接続先のRN21との接続処理又はハンドオーバ処理等を行ったりする機能を有する。
以上、本開示の実施の形態に係るeNB14aの機能構成例について説明した。
(RN21)
続いて、本開示の実施の形態に係るRN21の機能構成例を説明する。図4Bは、本開示の実施の形態に係るRN21の機能構成例を示す説明図である。以下、図4Bを用いて本開示の実施の形態に係るRN21の機能構成例について説明する。
図4Bに示したように、本開示の実施の形態に係るRN21は、アンテナ部210と、無線通信部220と、記憶部230と、処理部240と、を含んで構成される。
アンテナ部210は、無線通信部220により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部210は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部220へ出力する。
無線通信部220は、信号を送受信する。例えば、無線通信部220は、接続先のeNB14aからのダウンリンク信号を受信し、接続先のeNB14aへのアップリンク信号を送信する。また、例えば無線通信部220は、UE22やRN31からのアップリンク信号を受信し、UE22やRN31へのダウンリンク信号を送信する。
記憶部230は、RN21の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
処理部240は、RN21の様々な機能を提供する。処理部240は、中継部241、及び通信制御部243を含む。なお、処理部240は、この構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部240は、この構成要素の動作以外の動作も行い得る。
中継部241は、接続先のeNB14aと配下のひとつ以上のUE22又は配下のひとつ以上のRN31との間で無線信号を中継する機能を有する。通信制御部243は、UE22との通信を制御したり、接続先のeNB14aとの接続処理又はハンドオーバ処理等を行ったりする機能を有する。
以上、本開示の実施の形態に係るRN21の機能構成例について説明した。なお、図1に示したUE31は、中継機能を有しないこと以外はRN21と同等の構成を有していても良い。すなわち、UE31は中継部241を含んでいなくてもよい。
[1.3.動作例]
続いて、本実施形態に係るネットワークシステム1の動作例を説明する。まずは、本動作例における初期状態について説明する。
図5は、本実施形態に係るネットワークシステム1の動作例における初期状態を示す説明図である。また図6は、その初期状態においてMME13が保持するマッピングテーブルを示す説明図である。上述したように、MME13はeNB14a、14b、14cの無線インタフェースのIPv6プレフィクスをマッピングテーブルで保持している。図6の1行目は、識別子IDeNB1を有するeNB14aの無線インタフェースIPv6プレフィクスがPrefD eNB1であることを示している。図6の2行目は、識別子IDeNB2を有するeNB14bの無線インタフェースIPv6プレフィクスがPrefD eNB2であることを示している。図6の3行目は、識別子IDeNB3を有するeNB14cの無線インタフェースIPv6プレフィクスがPrefD eNB3であることを示している。
この初期状態から、識別子IDRN1を有するRN21がeNB14aに接続された状態を説明する。RN21は、eNB14aに接続すると自ノードのIPv6アドレスを、以下の方法により生成する。なお、識別子IDRN1は、上述したように64ビットのビット幅を有する。
図7は、本実施形態に係るネットワークシステム1の動作例において、RN21がeNB14aに接続された状態を示す説明図である。また図8は、RN21とeNB14aとの間の無線リンク確立後のメッセージ交換手順を示す流れ図である。
RN21は、eNB14aにRS(Router Solicitation)メッセージを送信する(ステップS101)。このメッセージはRN21の識別子であるIDRN1を含む。
eNB14aは、RN21から送信されたRSメッセージを受信すると、そのRSメッセージに応じたRegistrationメッセージをMME13に送信する(ステップS102)。このRegistrationメッセージは、RN21の識別子であるIDRN1と、eNB14aの識別子であるIDeNB1と、を含む。
MME13は、eNB14aから送信されたRegistrationメッセージを受信すると、Registrationメッセージの内容に基づいて、保持しているマッピングテーブルの内容を更新する(ステップS103)。図9は、MME13が保持するマッピングテーブルの内容の例を示す説明図である。MME13は、eNB14aから送信されたRegistrationメッセージに基づき、マッピングテーブルの4行目のように、識別子IDRN1を有するRN21が、識別子IDeNB1を有するeNB14aに接続されているという情報をマッピングテーブルに登録する。
MME13は、マッピングテーブルを更新すると、マッピングテーブルの更新が成功したことを示すRegistration Ack(Acknowledgement)メッセージをeNB14aに返送する(ステップS104)。eNB14aは、Registration AckメッセージをMME13から受信すると、RA(Router Advertisement)メッセージをRN21に返送する(ステップS105)。このRAメッセージは、eNB14aの無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD eNB1と、eNB14aの識別子であるIDeNB1と、を含む。
RN21は、eNB14aから送信されたRAメッセージを受信すると、eNB14aの無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD eNB1と、自ノードの識別子であるIDRN1とから、自ノードのIPv6アドレスであるIPU RN1を生成する(ステップS106)。
続いて、インターネット2に接続しているノードであるCN3からRN21へのパケット送信を考える。CN3はRN21の識別子であるIDRN1と、RN21が接続しているドメイン10のIPv6プレフィクスPref5G1を知っているものとする。
図10は、CN3からRN21に送信されるパケットの終点アドレスの移り変わりを示す説明図である。CN3は、終点アドレスとして符号101に示すIPv6アドレスを生成する。符号101に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、RN21の識別子であるIDRN1が付加されたものである。始点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。インターネット2のルータは、Pref5G1に関する経路情報を保持している。従って、CN3から送信されたパケットはPGW11に到達する。
図11は、PGW11及びMME13の動作例を示す流れ図である。PGW11は、CN3からのパケットが到達すると、MME13に対して、識別子IDRN1に対応するIPv6プレフィクスを問い合わせる(ステップS111)。MME13は、マッピングテーブルを参照して、識別子IDRN1に対応するRN21は、識別子IDeNB1を有するeNB(eNB14a)に接続していることを知り、さらに識別子IDeNB1を有するeNBの無線インタフェースのIPv6プレフィクスはPrefD eNB1であることを知る。そしてMME13は、マッピングテーブルの参照結果をPGW11に返信する(ステップS112)。この返信処理は、例えば処理部1330が実行しうる。PGW11は、MME13から返信された情報をキャッシュする。PGW11は、これ以降、同じ終点アドレスを有するパケットを受信した場合には、MME13には問い合わせず、キャッシュした情報を使用する。なお、PGW11は、所定の条件に従ってキャッシュした情報を消去してもよい。所定の条件の例として、所定の時間が経過した場合が挙げられる。また、所定の条件の別の例として、終点アドレスに相当するUEまたはRNの所在が把握できなくなった場合(例えば、UEまたはRNの電源がオフになった場合、またはUEまたはRNがドメイン10の圏外になった場合)が挙げられる。他にもPGW11は、キャッシュをクリアする指示の受信に応じてキャッシュした情報を消去しても良い。
PGW11は、MME13から情報を取得すると、符号102に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。この書き換えは、処理部1130(処理部1130の内部の通信制御部1131)が行いうる。符号102のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部におけるIPv6経路制御によって、RN21に到達する。
RN21のネットワーク層は、符号102の終点アドレスを有するパケットを受信すると、符号103に示すように終点アドレスの書き換えを行う。この終点アドレスの書き換えは、処理部240(処理部240の内部の通信制御部243)が実行しうる。すなわち、RN21はIPv6プレフィクスPrefD eNB1をPref5G1に書き換える。RN21は、終点アドレスを書き換えると、上位層にパケットを渡す。
この一連のパケットの書き換えにより、RN21とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号101に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
次に、RN21からCN3へのパケット送信を、同じく図10を用いて考える。RN21で動作するアプリケーションは、始点アドレスとして符号103に示したIPv6アドレスを生成する。符号101に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、RN21の識別子であるIDRN1が付加されたものである。終点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。
RN21のネットワーク層は、始点アドレスを符号102に示したIPv6アドレスに変換する。すなわち、RN21は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。この始点アドレスの書き換えは、処理部240(処理部240の内部の通信制御部243)が実行してもよい。符号102のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部におけるIPv6経路制御によって、PGW11に到達する。
PGW11は、符号102の始点アドレスを有するパケットを受信すると、符号103に示すように始点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11はIPv6プレフィクスPrefD eNB1をPref5G1に書き換える。この書き換えは、処理部1130(処理部1130の内部の通信制御部1131)が行いうる。PGW11は、始点アドレスを書き換えると、インターネット2に書き換え後のパケットを送信する。パケットは、インターネット2の経路制御によってCN3に到達する。
この一連のパケットの書き換えにより、RN21とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号101に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
続いて、図7に示した状態において、識別子IDUE1を有するUE22がRN21に接続した場合の動作を説明する。図12は、識別子IDUE1を有するUE22がRN21に接続した状態を示す説明図である。また図13は、RN21とUE22との間の無線リンク確立後のメッセージ交換手順を示す流れ図である。
UE22は、RN21にRSメッセージを送信する(ステップS121)。このメッセージは、UE22の識別子であるIDUE1を含む。
RN21は、RSメッセージをUE22から受信すると、RegistrationメッセージをMME13に送信する(ステップS122)。このRegistrationメッセージは、RN21の識別子であるIDRN1と、UE22の識別子であるIDUE1と、を含む。
MME13は、RN21から送信されたRegistrationメッセージを受信すると、Registrationメッセージの内容に基づいて、保持しているマッピングテーブルの内容を更新する(ステップS123)。図14は、MME13が保持するマッピングテーブルの内容の例を示す説明図である。MME13は、RN21から送信されたRegistrationメッセージに基づき、マッピングテーブルの5行目のように、識別子IDUE1を有するUE22が、識別子IDRN1を有するRN21に接続されているという情報をマッピングテーブルに登録する。
MME13は、マッピングテーブルを更新すると、マッピングテーブルの更新が成功したことを示すRegistration AckメッセージをRN21に返送する(ステップS124)。RN21は、Registration AckメッセージをMME13から受信すると、自ノードが保持するマッピングテーブルを更新する(ステップS125)。図15は、RN21が保持するマッピングテーブルの例を示す説明図である。
RN21は、マッピングテーブルを更新すると、UE22へRAメッセージを返送する(ステップS126)。このRAメッセージは、RN21の下流インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD RN1と、RN21の識別子であるIDRN1と、を含む。
UE22は、RN21から送信されたRAメッセージを受信すると、RN21の無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD RN1と、自ノードの識別子であるIDUE1とから、自ノードのIPv6アドレスであるIPUE1を生成する(ステップS127)。
続いて、インターネット2に接続しているノードであるCN3からUE22へのパケット送信を考える。CN3はUE22の識別子であるIDUE1と、UE22が接続しているドメイン10のIPv6プレフィクスPref5G1を知っているものとする。
図16は、CN3からRN21に送信されるパケットの終点アドレスの移り変わりを示す説明図である。CN3は、終点アドレスとして符号111に示すIPv6アドレスを生成する。符号111に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、UE22の識別子であるIDUE1が付加されたものである。始点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。インターネット2のルータは、Pref5G1に関する経路情報を保持している。従って、CN3から送信されたパケットはPGW11に到達する。
図17は、PGW11及びMME13の動作例を示す流れ図である。PGW11は、CN3からのパケットが到達すると、MME13に対して、識別子IDUE1に対応するIPv6プレフィクスを問い合わせる(ステップS131)。MME13は、マッピングテーブルを参照して、識別子IDUE1に対応するUE22は、識別子IDRN1を有するRN(RN21)に接続していることを知り、識別子IDRN1に対応するRN21は、識別子IDeNB1を有するeNB(eNB14a)に接続していることを知り、さらに識別子IDeNB1を有するeNBの無線インタフェースのIPv6プレフィクスはPrefD eNB1であることを知る。そしてMME13は、マッピングテーブルの参照結果をPGW11に返信する(ステップS132)。PGW11は、MME13から返信された情報をキャッシュする。PGW11は、これ以降、同じ終点アドレスを有するパケットを受信した場合には、MME13には問い合わせず、キャッシュした情報を使用する。
PGW11は、MME13から情報を取得すると、符号112に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。符号112のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部におけるIPv6経路制御によって、RN21に到達する。
パケットを受信したRN21は、自ノードのマッピングテーブルを参照して、識別子IDUE1に対応するUE22は自ノードに接続されていることを知る。そしてRN21は、符号113に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、RN21は、IPv6プレフィクスPrefD eNB1をPrefD RN1に書き換える。
UE22のネットワーク層は、符号113の終点アドレスを有するパケットを受信すると、符号114に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、UE22はIPv6プレフィクスPrefD RN1をPref5G1に書き換える。UE22は、終点アドレスを書き換えると、上位層にパケットを渡す。
この一連のパケットの書き換えにより、UE22とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号111に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
次に、UE22からCN3へのパケット送信を考える。UE22で動作するアプリケーションは、始点アドレスとして符号114に示したIPv6アドレスを生成する。符号114に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、UE22の識別子であるIDUE1が付加されたものである。終点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。
UE22のネットワーク層は、始点アドレスを符号113に示したIPv6アドレスに変換する。すなわち、UE22は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD UE1に書き換える。符号113のように書き換えられたパケットは、RN21に到達する。
RN21は、始点アドレスを符号112に示したIPv6アドレスに変換する。すなわち、RN21は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。符号112のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部の経路制御によってPGW11に到達する。
PGW11は、符号112の始点アドレスを有するパケットを受信すると、符号111に示すように始点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11はIPv6プレフィクスPrefD eNB1をPref5G1に書き換える。PGW11は、始点アドレスを書き換えると、インターネット2に書き換え後のパケットを送信する。パケットは、インターネット2の経路制御によってCN3に到達する。
この一連のパケットの書き換えにより、UE22とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号114に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
続いて、図12に示した状態において、識別子IDRN2を有するRN31がRN21に接続した場合の動作を説明する。図18は、識別子IDRN2を有するRN31がRN21に接続した状態を示す説明図である。また図19は、RN21とRN31との間の無線リンク確立後のメッセージ交換手順を示す流れ図である。
RN31は、RN21にRSメッセージを送信する(ステップS141)。このメッセージは、RN31の識別子であるIDRN2を含む。
RN21は、RSメッセージをRN31から受信すると、RegistrationメッセージをMME13に送信する(ステップS142)。このRegistrationメッセージは、RN21の識別子であるIDRN1と、RN31の識別子であるIDRN2と、を含む。
MME13は、RN21から送信されたRegistrationメッセージを受信すると、Registrationメッセージの内容に基づいて、保持しているマッピングテーブルの内容を更新する(ステップS143)。図20は、MME13が保持するマッピングテーブルの内容の例を示す説明図である。MME13は、RN21から送信されたRegistrationメッセージに基づき、マッピングテーブルの6行目のように、識別子IDRN2を有するRN31が、識別子IDRN1を有するRN21に接続されているという情報をマッピングテーブルに登録する。
MME13は、マッピングテーブルを更新すると、マッピングテーブルの更新が成功したことを示すRegistration AckメッセージをRN21に返送する(ステップS144)。RN21は、Registration AckメッセージをMME13から受信すると、自ノードが保持するマッピングテーブルを更新する(ステップS145)。図21は、RN21が保持するマッピングテーブルの例を示す説明図である。図21に示したマッピングテーブルの2行目は、RN31がRN21に接続していることを示している。
RN21は、マッピングテーブルを更新すると、RN31へRAメッセージを返送する(ステップS146)。このRAメッセージは、RN21の下流インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD RN1と、RN21の識別子であるIDRN1と、を含む。
RN31は、RN21から送信されたRAメッセージを受信すると、RN21の無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD RN1と、自ノードの識別子であるIDRN2とから、自ノードのIPv6アドレスであるIPU RN2を生成する(ステップS147)。
続いて、インターネット2に接続しているノードであるCN3からRN31へのパケット送信を考える。CN3はRN31の識別子であるIDRN2と、RN31が接続しているドメイン10のIPv6プレフィクスPref5G1を知っているものとする。
図22は、CN3からRN31に送信されるパケットの終点アドレスの移り変わりを示す説明図である。CN3は、終点アドレスとして符号121に示すIPv6アドレスを生成する。符号121に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、RN31の識別子であるIDRN2が付加されたものである。始点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。インターネット2のルータは、Pref5G1に関する経路情報を保持している。従って、CN3から送信されたパケットはPGW11に到達する。
図23は、PGW11及びMME13の動作例を示す流れ図である。PGW11は、CN3からのパケットが到達すると、MME13に対して、識別子IDRN2に対応するIPv6プレフィクスを問い合わせる(ステップS151)。MME13は、マッピングテーブルを参照して、識別子IDRN2に対応するRN31は、識別子IDRN1を有するRN(RN21)に接続していることを知り、識別子IDRN1に対応するRN21は、識別子IDeNB1を有するeNB(eNB14a)に接続していることを知り、さらに識別子IDeNB1を有するeNBの無線インタフェースのIPv6プレフィクスはPrefD eNB1であることを知る。そしてMME13は、マッピングテーブルの参照結果をPGW11に返信する(ステップS152)。PGW11は、MME13から返信された情報をキャッシュする。PGW11は、これ以降、同じ終点アドレスを有するパケットを受信した場合には、MME13には問い合わせず、キャッシュした情報を使用する。
PGW11は、MME13から情報を取得すると、符号122に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。符号122のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部におけるIPv6経路制御によって、RN21に到達する。
パケットを受信したRN21は、自ノードのマッピングテーブルを参照して、識別子IDRN2に対応するRN31は自ノードに接続されていることを知る。そしてRN21は、符号123に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、RN21は、IPv6プレフィクスPrefD eNB1をPrefD RN1に書き換える。終点アドレスが符号123のように書き換えられたパケットは、RN31に到達する。
RN31のネットワーク層は、符号123の終点アドレスを有するパケットを受信すると、符号124に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、RN31はIPv6プレフィクスPrefD RN1をPref5G1に書き換える。RN31は、終点アドレスを書き換えると、上位層にパケットを渡す。
この一連のパケットの書き換えにより、RN31とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号121に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
次に、RN31からCN3へのパケット送信を考える。RN31で動作するアプリケーションは、始点アドレスとして符号124に示したIPv6アドレスを生成する。符号124に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、RN31の識別子であるIDRN2が付加されたものである。終点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。
RN31のネットワーク層は、始点アドレスを符号123に示したIPv6アドレスに変換する。すなわち、RN31は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD UE1に書き換える。符号123のように書き換えられたパケットは、RN21に到達する。
RN21は、始点アドレスを符号122に示したIPv6アドレスに変換する。すなわち、RN21は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。符号122のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部の経路制御によってPGW11に到達する。
PGW11は、符号122の始点アドレスを有するパケットを受信すると、符号121に示すように始点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11はIPv6プレフィクスPrefD eNB1をPref5G1に書き換える。PGW11は、始点アドレスを書き換えると、インターネット2に書き換え後のパケットを送信する。パケットは、インターネット2の経路制御によってCN3に到達する。
この一連のパケットの書き換えにより、RN31とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号124に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
続いて、図18に示した状態において、識別子IDUE2を有するUE32がRN31に接続した場合の動作を説明する。図24は、識別子IDUE2を有するUE32がRN31に接続した状態を示す説明図である。また図25は、RN31とUE32との間の無線リンク確立後のメッセージ交換手順を示す流れ図である。
UE32は、RN31にRSメッセージを送信する(ステップS161)。このメッセージは、UE32の識別子であるIDUE2を含む。
RN31は、RSメッセージをUE32から受信すると、RegistrationメッセージをMME13に送信する(ステップS162)。このRegistrationメッセージは、RN31の識別子であるIDRN2と、UE32の識別子であるIDUE2と、を含む。Registrationメッセージは、RN21、eNB14aを介してMME13に到達する。
MME13は、RN31から送信されたRegistrationメッセージを受信すると、Registrationメッセージの内容に基づいて、保持しているマッピングテーブルの内容を更新する(ステップS163)。図26は、MME13が保持するマッピングテーブルの内容の例を示す説明図である。MME13は、RN31から送信されたRegistrationメッセージに基づき、マッピングテーブルの7行目のように、識別子IDUE2を有するUE32が、識別子IDRN2を有するRN31に接続されているという情報をマッピングテーブルに登録する。
MME13は、マッピングテーブルを更新すると、マッピングテーブルの更新が成功したことを示すRegistration AckメッセージをRN31に返送する(ステップS164)。RN21は、Registration AckメッセージをMME13から受信すると、自ノードが保持するマッピングテーブルを更新する(ステップS165)。図27は、RN21が保持するマッピングテーブルの例を示す説明図である。図27に示したマッピングテーブルの4行目は、UE32がRN31に接続していることを示している。
RN21は、マッピングテーブルを更新すると、RN31へRAメッセージを返送する(ステップS166)。RN31は、自ノードが保持するマッピングテーブルを更新する(ステップS167)。図28は、RN31が保持するマッピングテーブルの例を示す説明図である。図28に示したマッピングテーブルの1行目は、UE32がRN31に接続していることを示している。
RN31は、マッピングテーブルを更新すると、UE32へRAメッセージを返送する(ステップS168)。このRAメッセージは、RN31の下流インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD RN2と、RN31の識別子であるIDRN2と、を含む。
UE32は、RN31から送信されたRAメッセージを受信すると、RN31の無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD RN2と、自ノードの識別子であるIDUE2とから、自ノードのIPv6アドレスであるIPUE2を生成する(ステップS169)。
続いて、インターネット2に接続しているノードであるCN3からUE32へのパケット送信を考える。CN3はUE32の識別子であるIDUE2と、UE32が接続しているドメイン10のIPv6プレフィクスPref5G1を知っているものとする。
図29は、CN3からUE32に送信されるパケットの終点アドレスの移り変わりを示す説明図である。CN3は、終点アドレスとして符号131に示すIPv6アドレスを生成する。符号131に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、UE32の識別子であるIDUE2が付加されたものである。始点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。インターネット2のルータは、Pref5G1に関する経路情報を保持している。従って、CN3から送信されたパケットはPGW11に到達する。
図30は、PGW11及びMME13の動作例を示す流れ図である。PGW11は、CN3からのパケットが到達すると、MME13に対して、識別子IDUE2に対応するIPv6プレフィクスを問い合わせる(ステップS171)。MME13は、マッピングテーブルを参照して、識別子IDUE2に対応するUE32が識別子IDRN2を有するRN(RN31)に接続していることを知る。またMME13は、識別子IDRN2に対応するRN31が識別子IDRN1を有するRN(RN21)に接続していることを知る。またMME13は、識別子IDRN1に対応するRN21が識別子IDeNB1を有するeNB(eNB14a)に接続していることを知り、さらに識別子IDeNB1を有するeNBの無線インタフェースのIPv6プレフィクスはPrefD eNB1であることを知る。そしてMME13は、マッピングテーブルの参照結果をPGW11に返信する(ステップS172)。PGW11は、MME13から返信された情報をキャッシュする。PGW11は、これ以降、同じ終点アドレスを有するパケットを受信した場合には、MME13には問い合わせず、キャッシュした情報を使用する。
PGW11は、MME13から情報を取得すると、符号132に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。符号132のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部におけるIPv6経路制御によって、RN21に到達する。
パケットを受信したRN21は、自ノードのマッピングテーブルを参照して、識別子IDUE2に対応するUE32が識別子IDRN2を有するRN(RN31)に接続していることを知り、識別子IDRN2に対応するRN31は自ノードに接続されていることを知る。そしてRN21は、符号133に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、RN21は、IPv6プレフィクスPrefD eNB1をPrefD RN2に書き換える。終点アドレスが符号123のように書き換えられたパケットは、RN31に到達する。
RN31は、RN21から送られたパケットを受信すると、自ノードのマッピングテーブルから、識別子IDUE2に対応するUE32が自ノードに接続されていることを知り、このままパケットを中継する。このパケットはUE32に到達する。
UE32のネットワーク層は、符号133の終点アドレスを有するパケットを受信すると、符号134に示すように終点アドレスの書き換えを行う。すなわち、UE32はIPv6プレフィクスPrefD RN2をPref5G1に書き換える。UE32は、終点アドレスを書き換えると、上位層にパケットを渡す。
この一連のパケットの書き換えにより、UE32とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号131に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
次に、UE32からCN3へのパケット送信を考える。UE32で動作するアプリケーションは、始点アドレスとして符号134に示したIPv6アドレスを生成する。符号134に示すIPv6アドレスは、IPv6プレフィクスPref5G1に、UE32の識別子であるIDUE2が付加されたものである。終点アドレスは、CN3のIPv6アドレスであるIPCN1が使用される。
UE32のネットワーク層は、始点アドレスを符号133に示したIPv6アドレスに変換する。すなわち、UE32は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD RN2に書き換える。符号133のように書き換えられたパケットは、RN31を経由して、RN21に到達する。
RN21は、始点アドレスを符号132に示したIPv6アドレスに変換する。すなわち、RN21は、IPv6プレフィクスPref5G1をPrefD eNB1に書き換える。符号132のように書き換えられたパケットは、ドメイン10の内部の経路制御によってPGW11に到達する。
PGW11は、符号132の始点アドレスを有するパケットを受信すると、符号131に示すように始点アドレスの書き換えを行う。すなわち、PGW11はIPv6プレフィクスPrefD eNB1をPref5G1に書き換える。PGW11は、始点アドレスを書き換えると、インターネット2に書き換え後のパケットを送信する。パケットは、インターネット2の経路制御によってCN3に到達する。
この一連のパケットの書き換えにより、UE32とCN3のトランスポート層以上の視点では、CN3のIPv6アドレスIPCN1と、符号134に示したIPv6アドレスとの間で通信が行われているように見える。
続いて、図24に示した状態において、RN21がeNB14aからeNB14bへハンドオーバした際の動作を説明する。図31は、RN21がeNB14aからeNB14bへハンドオーバした状態を示す説明図である。また図32は、RN21がeNB14aからeNB14bへハンドオーバした際のメッセージ交換手順を示す流れ図である。
RN21がeNB14aの電波到達範囲からeNB14bの電波到達範囲に移動することにより、eNB14aとeNB14bとが、RN21のハンドオーバに関してネゴシエーションを行う(ステップS181)。このネゴシエーションの結果により、RN21は、eNB14aからeNB14bにハンドオーバすることが決定される。
RN21のハンドオーバが決定されると、eNB14aは、RN21にHandover Triggerメッセージを送信し、eNB14aからeNB14bにハンドオーバすることを通知する(ステップS182)。
Handover Triggerメッセージを受信したRN21は、eNB14bとの間で無線リンクを確立する(ステップS183)。
RN21は、eNB14bとの間で無線リンクを確立すると、eNB14bにRS(Router Solicitation)メッセージを送信する(ステップS184)。このメッセージはRN21の識別子であるIDRN1と、RN21の無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD RN1と、を含む。
eNB14bは、RN21から送信されたRSメッセージを受信すると、そのRSメッセージに応じたRegistrationメッセージをMME13に送信する(ステップS185)。このRegistrationメッセージは、RN21の識別子であるIDRN1と、eNB14bの識別子であるIDeNB2と、を含む。
MME13は、eNB14bから送信されたRegistrationメッセージを受信すると、Registrationメッセージの内容に基づいて、保持しているマッピングテーブルの内容を更新する(ステップS186)。図33は、MME13が保持するマッピングテーブルの内容の例を示す説明図である。MME13は、eNB14bから送信されたRegistrationメッセージに基づき、マッピングテーブルの4行目のように、識別子IDRN1を有するRN21が、識別子IDeNB2を有するeNB14bに接続されているという情報をマッピングテーブルに登録する。
MME13は、マッピングテーブルを更新すると、PGW11に対して、キャッシュをクリアするためのCache Clearメッセージを送信する(ステップS187)。このCache Clearメッセージは、RN21の識別子であるIDRN1を含む。
PGW11は、Cache Clearメッセージを受信すると、RN21に関するキャッシュを消去し、Cache Clear ACKメッセージをMME13に返送する(ステップS188)。
MME13は、Cache Clear ACKメッセージをPGW11から受信すると、マッピングテーブルの更新が成功したことを示すRegistration AckメッセージをeNB14bに返送する(ステップS189)。eNB14bは、Registration AckメッセージをMME13から受信すると、RA(Router Advertisement)メッセージをRN21に返送する(ステップS190)。このRAメッセージは、eNB14bの無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD eNB2と、eNB14bの識別子であるIDeNB2と、を含む。
RN21は、eNB14bから送信されたRAメッセージを受信すると、eNB14bの無線インタフェースのIPv6プレフィクスであるPrefD eNB2と、自ノードの識別子であるIDRN1とから、自ノードのIPv6アドレスであるIPU RN1を生成する(ステップS191)。
<3.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、PGW11やMME13は、タワーサーバ、ラックサーバ、又はブレードサーバなどのいずれかの種類のサーバとして実現されてもよい。また、PGW11やMME13の少なくとも一部の構成要素は、サーバに搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール、又はブレードサーバのスロットに挿入されるカード若しくはブレード)において実現されてもよい。
また、例えば、RN21、31やUE22、32は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、UE1又はURN2は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、RN21、31やUE22、32の少なくとも一部の構成要素は、これら端末に搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。
<3.1.通信制御装置に関する応用例>
図34は、本開示に係る技術が適用され得るサーバ700の概略的な構成の一例を示すブロック図である。サーバ700は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、ネットワークインタフェース704及びバス706を備える。
プロセッサ701は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、サーバ700の各種機能を制御する。メモリ702は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ701により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ703は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。
ネットワークインタフェース704は、サーバ700を有線通信ネットワーク705に接続するための有線通信インタフェースである。有線通信ネットワーク705は、EPC(Evolved Packet Core)などのコアネットワークであってもよく、又はインターネットなどのPDN(Packet Data Network)であってもよい。
バス706は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703及びネットワークインタフェース704を互いに接続する。バス706は、速度の異なる2つ以上のバス(例えば、高速バス及び低速バス)を含んでもよい。
図34に示したサーバ700において、図2を参照して説明したPGW11や、図3を参照して説明したMME13に含まれる1つ以上の構成要素(例えば通信制御部1131や通信制御部1331)は、プロセッサ701において実装されてもよい。一例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)がサーバ700にインストールされ、プロセッサ701が当該プログラムを実行してもよい。別の例として、サーバ700は、プロセッサ701及びメモリ702を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムをメモリ702に記憶し、当該プログラムをプロセッサ701により実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてサーバ700又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるための上記プログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図34に示したサーバ700において、例えば、図2を参照して説明したネットワーク通信部1110や、図3を参照して説明したネットワーク通信部1310は、ネットワークインタフェース704において実装されてもよい。また、記憶部1120や、記憶部1320は、メモリ702及び/又はストレージ703において実装されてもよい。
<3.2.端末装置及び中継装置に関する応用例>
(第1の応用例)
図35は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM及びROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース912は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、典型的には、BBプロセッサ913及びRF回路914などを含み得る。BBプロセッサ913は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路914は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ916を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース912は、BBプロセッサ913及びRF回路914を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース912は、図35に示したように複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。なお、図35には無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示したが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース912は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ916の接続先を切り替える。
アンテナ916の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース912による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン900は、図35に示したように複数のアンテナ916を有してもよい。なお、図35にはスマートフォン900が複数のアンテナ916を有する例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を有してもよい。
さらに、スマートフォン900は、無線通信方式ごとにアンテナ916を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ915は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図35に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図35に示したスマートフォン900において、図4を参照して説明したRN21に含まれる1つ以上の構成要素(中継部241及び/又は通信制御部243)は、無線通信インタフェース912において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。一例として、スマートフォン900は、無線通信インタフェース912の一部(例えば、BBプロセッサ913)若しくは全部、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがスマートフォン900にインストールされ、無線通信インタフェース912(例えば、BBプロセッサ913)、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてスマートフォン900又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図35に示したスマートフォン900において、例えば、図4を参照して説明した無線通信部220は、無線通信インタフェース912(例えば、RF回路914)において実装されてもよい。また、アンテナ部210は、アンテナ916において実装されてもよい。また、記憶部230は、メモリ902において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図36は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、典型的には、BBプロセッサ934及びRF回路935などを含み得る。BBプロセッサ934は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路935は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ937を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース933は、BBプロセッサ934及びRF回路935を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、図36に示したように複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。なお、図36には無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示したが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース933は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ937の接続先を切り替える。
アンテナ937の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置920は、図36に示したように複数のアンテナ937を有してもよい。なお、図36にはカーナビゲーション装置920が複数のアンテナ937を有する例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を有してもよい。
さらに、カーナビゲーション装置920は、無線通信方式ごとにアンテナ937を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ936は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図36に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図36に示したカーナビゲーション装置920において、図4を参照して説明したRN21に含まれる1つ以上の構成要素(中継部241及び/又は通信制御部243)は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。一例として、カーナビゲーション装置920は、無線通信インタフェース933の一部(例えば、BBプロセッサ934)若しくは全部及び/又はプロセッサ921を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがカーナビゲーション装置920にインストールされ、無線通信インタフェース933(例えば、BBプロセッサ934)及び/又はプロセッサ921が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてカーナビゲーション装置920又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図36に示したカーナビゲーション装置920において、例えば、図4を参照して説明した無線通信部220は、無線通信インタフェース933(例えば、RF回路935)において実装されてもよい。また、アンテナ部210は、アンテナ937において実装されてもよい。また、記憶部230は、メモリ922において実装されてもよい。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。即ち、中継部241及び通信制御部243を備える装置として車載システム(又は車両)940が提供されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
<3.まとめ>
以上説明したように本開示の実施の形態によれば、移動することが想定されるリレーノードをサポートするPGW11、MME13、RN21、31、UE22、32が提供される。
本開示の実施の形態に係るPGW11は、インターネット2の装置から到達したパケットの終点アドレスを書き換えることで、RN21や、RN21に接続されている装置(リレーノードやUE)へ送られるパケットを中継することが出来る。また本開示の実施の形態に係るPGW11は、ドメイン10の内部から送られたパケットの始点アドレスを書き換えることで、インターネット2の装置へ送られるパケットを中継することが出来る。
本開示の実施の形態に係るRN21、31やUE22、32は、インターネット2から到達したパケットの終点アドレスを書き換えることで、トランスポート層以上の視点では、インターネット2の装置との間での通信を可能とする。
MME13は、ドメイン10の内部における装置間の接続状態や、各装置の識別子の情報を保持することで、PGW11やRN21等にパケットの書き換えを行わせることが出来る。
本実施形態に係るPGW11、MME13、RN21、31、UE22、32は、終点アドレスや始点アドレスの書き換えによって、移動することが想定されるリレーノードをサポートすることが可能となる。また本実施形態では、終点アドレスや始点アドレスの書き換えを行ってパケットを中継するので、トンネリングの必要が無く、ヘッダオーバヘッドが無い。また本実施形態では、コアネットワークの経路情報量は、移動セル内に接続するUEや、入れ子になっているRNの台数に依存しない。
本明細書の各装置が実行する処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、各装置が実行する処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、各装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した各装置の構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供されることが可能である。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、IPv6アドレスの上位64ビットをプレフィクスとしていたが、本開示は係る例に限定されるものではない。例えば、スライス毎にプレフィクスが与えられても良い。一例を挙げれば、IPv6アドレスの上位60ビットをベイスのプレフィクスとして、4ビットでスライスを示すような手法が採られても良い。
また例えば、上述した実施形態では、ドメイン10の内部にeNB14a〜14cが設けられており、eNB14a〜14cはRT12a、12bに接続されていたが、eNB14a〜14cがインターネット2に直接接続されても良い。eNB14a〜14cがインターネット2に直接される場合は、PGW11が行っていたパケットの書き換え処理をeNB14a〜14cが実行する。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
通信ネットワーク網毎に定められたルーティング識別子を上位ビットとし、装置毎に一意に割り振られた識別子を下位ビットとするネットワーク層IPアドレスを用いて通信処理を行う処理部を備える、無線通信装置。
(2)
前記処理部は、終点アドレスの下位ビットが自装置の識別子と等しいパケットを受信した場合、前記終点アドレスの上位ビットを前記ルーティング識別子に書き換える、前記(1)に記載の無線通信装置。
(3)
前記処理部は、パケットの送信の際に、始点アドレスの上位ビットを、前記ルーティング識別子から自ノードの上流側に接続している装置に対応するプレフィクス部に書き換える、前記(1)または(2)に記載の無線通信装置。
(4)
前記処理部は、ハンドオーバのトリガを受信すると、切り替え後の親機に対し所定の登録メッセージを送信する、前記(1)から(3)のいずれかに記載の無線通信装置。
(5)
前記上位ビットのビット数は最長64ビットである、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の無線通信装置。
(6)
前記下位ビットのビット数は最長64ビットである、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の無線通信装置。
(7)
所定の上位ビットおよび下位ビットからなるネットワーク層IPアドレス宛てのパケットを受信する通信部と、
通信ネットワーク網宛てのパケットの宛先となる前記ネットワーク層IPアドレスに対しては、前記下位ビットに対応するプレフィクス部を取得し、前記上位ビットを前記プレフィクス部に書き換え、インターネット網宛てのパケットの宛先となる前記ネットワーク層IPアドレスに対しては、前記プレフィクス部を取得し、前記上位ビットを通信ネットワーク網毎に定められたルーティング識別子に書き換える処理部と、
を備える、中継装置。
(8)
前記処理部は、前記上位ビットを前記プレフィクス部に書き換えた際は、前記プレフィクス部に関する情報をキャッシュする、前記(7)に記載の中継装置。
(9)
前記処理部は、同一の前記ネットワーク層IPアドレス宛のパケットを前記通信部が受信すると、キャッシュした前記情報を用いて前記上位ビットを前記プレフィクス部に書き換える、前記(8)に記載の中継装置。
(10)
前記上位ビットのビット数は最長64ビットである、前記(7)〜(9)のいずれかに記載の中継装置。
(11)
前記下位ビットのビット数は最長64ビットである、前記(7)〜(10)のいずれかに記載の中継装置。
(12)
通信ネットワーク網毎に定められたルーティング識別子を上位ビットとし、装置毎に一意に割り振られた識別子を下位ビットとするネットワーク層IPアドレスを用いて通信処理を行う装置に対し、前記通信ネットワーク網の内部の基地局に割り当てられた前記ルーティング識別子の情報及び前記通信ネットワーク網の内部における装置間の接続関係の情報を保持する記憶部を備える、サーバ装置。
(13)
前記識別子に対応する前記ルーティング識別子の問い合わせに応じて、前記記憶部に保持されている前記情報に基づいて、前記識別子に対応する前記ルーティング識別子を返す処理部を備える、前記(12)に記載のサーバ装置。
(14)
前記上位ビットのビット数は最長64ビットである、前記(12)または(13)に記載のサーバ装置。
(15)
前記下位ビットのビット数は最長64ビットである、前記(12)〜(14)のいずれかに記載のサーバ装置。
(16)
プロセッサが、通信ネットワーク網毎に定められたルーティング識別子を上位ビットとし、装置毎に一意に割り振られた識別子を下位ビットとするネットワーク層IPアドレスを用いて通信処理を行うことを含む、無線通信方法。
(17)
所定の上位ビットおよび下位ビットからなるネットワーク層IPアドレス宛てのパケットを受信することと、
通信ネットワーク網宛てのパケットの宛先となる前記ネットワーク層IPアドレスに対しては、前記下位ビットに対応するプレフィクス部を取得し、前記上位ビットを前記プレフィクス部に書き換え、インターネット網宛てのパケットの宛先となる前記ネットワーク層IPアドレスに対しては、前記プレフィクス部を取得し、前記上位ビットを通信ネットワーク網毎に定められたルーティング識別子に書き換えることと、
をプロセッサが行うことを含む、中継方法。
(18)
通信ネットワーク網毎に定められたルーティング識別子を上位ビットとし、装置毎に一意に割り振られた識別子を下位ビットとするネットワーク層IPアドレスを用いて通信処理を行う装置に対し、前記通信ネットワーク網の内部の基地局に割り当てられた前記ルーティング識別子の情報及び前記通信ネットワーク網の内部における装置間の接続関係の情報を保持することと、
前記識別子に対応する前記ルーティング識別子の問い合わせに応じて、保持されている前記情報に基づいて、前記識別子に対応する前記ルーティング識別子を返すことと、
をプロセッサが行うことを含む、情報処理方法。