JP4583433B2 - 中継システム - Google Patents

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Description

本発明は、移動端末宛のデータを受信し、ホームアドレスと気付アドレスとに基づいて該当する移動端末に対して受信したデータを転送する中継装置に関する。
近年、IPネットワーク(Internet Protocolネットワーク)における移動端末(MN:Mobile Node)に関するプロトコルとして、MobileIPv6の標準化が進められている。MobileIPv6は、IPネットワークにおいて、移動端末がネットワーク上の接続位置を変更しても通信を行うことを可能とするプロトコルである。
図28は、MobileIPv6を用いたシステムP1の概要を示す図である。図28を用いてMobileIPv6を用いたシステムP1について説明する。
システムP1は、移動端末P2,ホームエージェントP3(HA:Home Agent),ホームリンクP4(ホームネットワーク),外部リンクP5,及びホームリンクP4と外部リンクP5とを通信可能に接続するネットワークP6を含む。まず、移動端末P2とホームエージェントP3とについて説明する。
移動端末P2は、モバイルIP端末装置を用いて構成される。移動端末P2は、通常はホームリンクP4に接続され、ホームリンクP4で使用するホームアドレスを有する。移動端末P2は、外部リンクP5に移動すると、外部リンクP5において自身に割り当てられるアドレス(気付アドレス:Care−of Address)を用いて通信を行う。このとき、移動端末P2は、ホームアドレスと気付アドレスとを、自身が備える記憶装置に記憶する。また、移動端末P2は、ホームリンクP4におけるホームエージェントP3に対し、気付アドレスとホームアドレスとを対応付けて記憶するように要求する。
また、移動端末P2は、外部リンクP5からホームリンクP4に戻ると、自身がホームリンクP4に位置することを、ホームエージェントP3に対して通知する。
ホームエージェントP3は、自身が接続されるホームリンクP4に通常接続される移動端末P2を管理する。具体的には、ホームエージェントP3は、管理対象となっている移動端末P2宛のパケットを受信し、このパケットの送信先である移動端末P2へ転送する。
ホームエージェントP3は、バインディングキャッシュ(BC:Binding Cache)を備える。ホームエージェントP3は、移動端末P2が外部リンクP5において使用する気付アドレスを、この移動端末P2のホームアドレスと対応付けてバインディングキャッシュに記憶する。また、ホームエージェントP3は、移動端末P2から、移動端末P2がホームリンクP4に位置することを通知されると、バインディングキャッシュに記憶される移動端末P2のホームアドレス及び対応する気付アドレスを削除する。
次に、MobileIPv6を用いたシステムP1の動作例を説明する。移動端末P2は、ホームリンクP4において使用するホームアドレスを有する。従って、移動端末P2は、ホームリンクP4に位置する場合は、ホームアドレスを用いて通信を行う。
移動端末P2は、ユーザによって持ち運ばれることにより、外部リンクP5へ移動し、
外部リンクP5に接続される。移動端末P2は、外部リンクP5では、ホームアドレスを用いた通信を行うことができない。このため、移動端末P2は、外部リンクにおいて使用される気付アドレスを取得する。そして、自身が通常接続するホームリンクP4のホームエージェントP3に対し、BUメッセージ(Binding Updateメッセージ:位置情報登録メッセージ)を送信する。このようにして、移動端末P2は、外部リンクP5では、取得した気付アドレスを用いて通信を行う。
BUメッセージは、気付アドレスとホームアドレスとを含む。BUメッセージを受信したホームエージェントP3は、BUメッセージに含まれる気付アドレスとホームアドレスとを対応付けたバインディングキャッシュエントリ(BCエントリ)をバインディングキャッシュに登録する。また、ホームエージェントP3は、BUメッセージを受信すると、このBUメッセージの送信元である移動端末P2に対し、BAメッセージ(Binding Acknowledgeメッセージ:位置情報登録応答メッセージ)を送信する。
ホームエージェントP3は、移動端末P2宛のパケットを受信すると、この移動端末P2についてのBCエントリがバインディングキャッシュに記憶されているか否かを検索する。このとき、ホームエージェントP3は、受信されたパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスを参照することによって、このパケットの送信先となる移動端末P2を判断する。また、ホームエージェントP3は、この送信先アドレスを検索キーとしてバインディングキャッシュを検索する。この移動端末P2についてのBCエントリが記憶されている場合、ホームエージェントP3は、このBCエントリの気付アドレス宛に受信されたパケットを転送する。一方、この移動端末P2についてのBCエントリが記憶されていない場合、ホームエージェントP3は、パケットに含まれる送信先アドレスへこのパケットを転送する。
このように、MobileIPv6を用いたシステムP1では、移動端末P2宛のパケットはホームエージェントP3を経由して送信される。このため、ホームエージェントP3がダウンした状態では、移動端末P2宛のパケットは移動端末P2へ到達せず破棄される。従って、ホームエージェントP3には冗長性が要求される。
従来、MobileIPv6を用いたシステムにおいて、ホームエージェントP3を冗長化する技術として、DHAD手順(Dynamic HA Discovery手順)とクラスタリング手法とがある。以下、それぞれの技術について説明する。
DHAD手順を用いたシステムでは、一つのホームリンクP4に複数台のホームエージェントP3が設置される。ホームエージェントP3は、定期的に同じホームリンクP4に設置される各ホームエージェントP3と通信し、各ホームエージェントP3の可用性を相互に確認する。そして、ホームエージェントP3は、各ホームエージェントについて優先度を定め、優先度リストを生成する。同じホームリンクP4に設置されたホームエージェントP3は、統一された(同じ)優先度リストを持つ。
移動端末P2は、複数台のうち一台のホームエージェントP3が割り当てられる。移動端末P2は、割り当てられたホームエージェントP3に対し、BUメッセージを送信する。
ホームエージェントP3に障害が発生した場合、このホームエージェントP3にBUメッセージを送信した移動端末P2は、このBUメッセージに対するBAメッセージを受信できずにタイムアウトが発生する。このとき、移動端末P2は、BUメッセージの送信先であるホームエージェントP3に障害が発生したと判断する。すると、移動端末P2は、優先度リストの送信を要求する優先度リスト要求をホームリンクP4に対しエニーキャス
トで送信し、いずれかのホームエージェントP3から優先度リストを取得する。移動端末P2は、取得した優先度リストに基づいて、優先度の高いホームエージェントP3を選択し、このホームエージェントP3に対してBUメッセージを送信する。このようにして、DHAD手順は、ホームエージェントP3の冗長化を実現する。
クラスタリング手法を用いたシステムでは、一つのホームリンクP4に複数台のホームエージェントP3が設置される。ホームエージェントP3は、他のホームエージェントP3と相互に制御情報を定期的に交換し、制御情報の同期を図る。制御情報とは、バインディングキャッシュを含む、ホームエージェントとしての動作に必要な情報である。あるホームエージェントP3に障害が発生した場合、他のホームエージェントP3は、障害が発生したホームエージェントP3のMACアドレス(Media Access Controlアドレス)やIPアドレスを引き継ぐ。そして、他のホームエージェントP3は、障害が発生したホームエージェントP3の代替装置として動作する。
しかしながら、従来の冗長化技術には以下の問題があった。
いずれの従来技術の場合も、ホームエージェントP3に障害が発生してから冗長処理が完了するまでの間は、このホームエージェントP3におけるパケットの転送処理は中断され、このパケットは消失される。このため、ホームエージェントP3における障害発生から冗長処理の完了までの時間を短縮する必要がある。
しかし、DHAD手順の場合、ホームエージェントP3に発生した障害が検知されるタイミングは、移動端末P2がこのホームエージェントP3に対してBUメッセージを送信するタイミングに依存していた。移動端末P2によるBUメッセージの送信は、リンクを移動した場合又は数分から数十分オーダの周期で実行される。なぜなら、BUメッセージに対するホームエージェントP3の処理負荷やホームリンクP4におけるトラフィック負荷などを抑えるためである。従って、DHAD手順の場合、ホームエージェントP3に障害が発生した際には、数分から数十分のオーダで移動端末P2へのパケットの転送処理が中断されていた。
また、クラスタリング手法の場合であっても、制御情報のボリュームにも依存するが、一般的に分オーダで移動端末P2へのパケットの転送処理が中断されていた。
本発明は、このような問題を解決し、長時間(分オーダ)にわたるサービス(パケット転送処理)の中断を回避するシステム、つまりサービスの中断時間を短縮するシステムを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は以下のような構成をとる。本発明の第一の態様は中継システムであって、第一のアドレス(ホームアドレス)と第二のアドレス(気付アドレス)とを有する移動端末から送信される第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けた登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段と、前記登録要求を予備系中継装置に転送する登録要求転送手段とを備える現用系中継装置と、前記現用系中継装置が備える記憶手段及び一般データ転送手段に加え、前記現用系中継装置の状態を監視する監視手段と、前記監視手段が前記現用系中継装置に障害が発生したと判断した場合に自装置を現用系に切り替える切り替え手段とを備える予備系中継装置とを備える。
本発明によれば、移動端末は、第一のアドレスと第二のアドレスとを有し、第二のアドレスを現用系中継装置に通知するため、第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて含む登録要求を現用系中継装置に対して送信する。
登録要求が受信されると、現用系中継装置の記憶手段は、受信された登録要求が含む第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する。一般データ転送手段は、一般データが受信された場合に、この一般データの送信先として指定されている第一のアドレスと対応付けられて記憶手段に記憶される第二のアドレスに対して、この一般データを転送する。また、登録要求が受信された場合、登録要求転送手段は、受信された登録要求を予備系中継装置に対して転送する。
現用系中継装置から登録要求が受信されると、予備系中継装置の記憶手段は、受信された登録要求が含む第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する。また、監視手段は、現用系中継装置の状態を監視する。監視手段が現用系中継装置に障害が発生したと判断した場合、切り替え手段は、自装置即ち予備系中継装置を現用系に切り替える。この場合、予備系中継装置が備えていた一般データ転送手段は、現用系中継装置の一般データ転送手段として一般データの転送処理を開始する。
このため、サービスの中断時間は、移動端末における登録要求の送信周期に依存することなく、監視手段の判断周期に依存する。また、監視手段が現用系中継装置に与える負荷は、移動端末が登録要求を送信することにより現用系中継装置に与える負荷に比べて小さい。このため、監視手段は、登録要求が実行される周期に比べて小さい周期で監視を実行することが可能となる。従って、中継装置におけるサービスの中断時間を短縮することが可能となる。
また、本発明の第一の態様における中継システムの前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた優先値をさらに記憶し、前記登録要求転送手段は、前記登録要求が含む第一のアドレス及び/又は第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する優先値の値に応じて登録要求の転送処理を制御するように構成されても良い。
また、本発明の第二の態様は中継システムであって、第一のアドレスと第二のアドレスとを有する移動端末から送信される第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けた登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段と、前記記憶手段が記憶する第二のアドレスのみを予備系中継装置に送信するアドレス送信手段とを備える現用系中継装置と、前記現用系中継装置が備える記憶手段及び一般データ転送手段に加え、前記現用系中継装置から受信した第二のアドレスを前記記憶手段に登録する登録手段と、前記現用系中継装置の状態を監視する監視手段と、前記監視手段が前記現用系中継装置に障害が発生したと判断した場合に自装置を現用系に切り替える切り替え手段と、前記切り替え手段が切り替えを実行する際に前記記憶手段が記憶する第二のアドレスに対し登録要求の送信を要求する送信要求を送信する送信要求手段とを備える予備系中継装置とを備える。
また、本発明の第二の態様における中継システムの前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた優先値をさらに記憶し、前記アドレス送信手段は、前記第二のアドレスに加えてさらにこの第二のアドレスに対応付けて前記記憶手段が記憶する優先値の値を送信し、前記登録手段は、前記第二のアドレスに対応付けて前記優先値の値を前記記憶手段にさらに登録し、前記送信要求手段は、前記第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する優先値の値に応じて送信要求の送信処理を制御するように構成され
ても良い。
また、本発明の第三の態様は中継システムであって、第一のアドレスと第二のアドレスとを有する移動端末から送信される第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けた登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段とを備える現用系中継装置及び予備系中継装置と、前記移動端末の第一のアドレスと前記現用系中継装置及び前記予備系中継装置のアドレスとを対応付けて記憶する振分記憶手段と、受信した登録要求が含む第一のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する前記現用系中継装置及び前記予備系中継装置へこの登録要求を転送する登録要求転送手段とを備える振分装置とを備える。
本発明によれば、サービスの中断時間は、移動端末における登録要求の送信周期に依存することなく、監視手段の判断周期に依存する。このため、本発明による中継装置において監視手段の判断周期を短くすることにより、サービスの中断時間を短縮することが可能となる。また、監視手段が現用系中継装置に与える負荷は、移動端末が登録要求を送信することにより現用系中継装置に与える負荷に比べて小さい。このため、監視手段は、登録要求が実行される周期に比べて小さい周期で監視を実行することが可能となる。従って、中継装置におけるサービスの中断時間を短縮することが可能となる。
また、本発明によれば、記憶手段が記憶する内容について、登録要求の転送処理によって、現用系中継装置と予備系中継装置とで同期を図る。このため、記憶手段が記憶する内容を送信して同期を図る場合に比べて、現用系中継装置と予備系中継装置との間における通信負荷を軽減することが可能となる。従って、現用系中継装置と予備系中継装置とにおいて、記憶手段が記憶する内容の同期に優れ、中継装置におけるサービスの中断時間を短縮することが可能となる。
次に、図を用いて本発明の実施形態におけるパケット中継システムについて説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明の構成は以下の説明に限定されない。
〔第一実施形態〕
〔〔システム概要〕〕
図1は、本発明の第一実施形態によるパケット中継システム1の概要を示す図である。パケット中継システム1は、移動端末2,現用系HA3,ホームリンク4,外部リンク5,予備系HAであるスタンバイ系HA6,及びホームリンク4と外部リンク5とを通信可能に接続するネットワーク26を含む。
パケット中継システム1では、現用系HA3は、移動端末2から受信するBUメッセージをスタンバイ系HA6に対して転送することにより、BCテーブルの内容の同期を図る。以下、各構成について説明する。
〈移動端末〉
移動端末2は、移動可能な情報処理装置を用いて構成される。このような情報処理装置の例として、PDA,携帯電話機,パーソナルコンピュータ等がある。移動端末2は、MobileIPv6に対応したアプリケーション等がインストールされる。移動端末2は、従来技術における移動端末P2と同じ構成を持つ。また、移動端末2は、パケット中継システム1に用いられる際に、このパケット中継システム1に特化した機能や構成が追加されない。
〈現用系HA〉
図2は、現用系HA3のブロック図である。現用系HA3は、ハードウェア的には、バスを介して接続されたCPU,主記憶(RAM),補助記憶装置(ハードディスク)等を備えている。現用系HA3は、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS,アプリケーション等)が主記憶にロードされCPUにより実行されることによって、受信部7,パケット種別識別部8,BC記憶部9,BC検索部10,カプセル化処理部11,ルーティングテーブル記憶部12,出方路決定部13,送信部14,及びメッセージ処理部19等を含む装置として機能する。
受信部7は、通信制御装置などを用いて構成される。受信部7は、移動端末2や他の装置等からパケットを受信する。受信部7は、受信されたパケットをパケット種別識別部8へ渡す。
パケット種別識別部8は、CPUやRAM等を用いて構成される。パケット種別識別部8は、受信されたパケットの種別を識別する。このとき、パケット種別識別部8は、受信されたパケットが制御メッセージを含むか否かを識別する。パケット種別識別部8は、受信されたパケットが制御メッセージを含まない場合、受信されたパケットをBC検索部10へ渡す。一方、受信されたパケットが制御メッセージを含む場合、パケット種別識別部8は、受信されたパケットをメッセージ処理部19へ渡す。
BC記憶部9は、RAM等の記憶装置を用いて構成される。BC記憶部9は、BCテーブル9Aを記憶する。図3は、BCテーブル9Aの例を示す図である。図3を用いてBCテーブル9Aについて説明する。
BCテーブル9Aは、BCエントリを記憶する。BCエントリは、ホームアドレス,気付アドレス,ライフタイム(Life time),プリフィクス(Prefix)長を対応付けて持つ。
ホームアドレスは、ある移動端末2がホームリンク4に位置する際に使用するアドレスであり、IPv6アドレスである。気付アドレスは、ある移動端末2が外部リンク5に位置する際に使用するアドレスであり、IPv6アドレスである。ライフタイムは、BUメッセージに含まれる値であり、移動端末2から通知される。ライフタイムは、BCエントリの有効時間を示す。即ち、ライフタイムの経過したBCエントリは、BCテーブル9Aから破棄される。このとき、冗長制御部18は、このライフタイムに対応するホームアドレスを持つ移動端末2に対し、バインディングリクエストメッセージを送信し、気付アドレスの再登録を要求する。バインディングリクエストメッセージ(位置情報登録要求:Binding Requestメッセージ)は、ホームエージェントが移動端末2へ送信するメッセージであり、このメッセージを受信した移動端末2はホームエージェントに対してBUメッセージを送信する。プリフィクス長は、気付アドレスのIPv6アドレスにおけるプリフィクス長を示す。
BC検索部10は、CPUやRAM等を用いて構成される。BC検索部10は、BC記憶部9が記憶するBCテーブル9Aを検索する。このとき、BC検索部10は、受信されたパケットの送信先アドレスを検索キーとしてBCテーブル9Aを検索し、対応するBCエントリを取得する。BC検索部10は、受信されたパケットをカプセル化処理部11に渡す。また、取得したBCエントリをカプセル化処理部11に通知する。また、該当するBCエントリがBCテーブル9Aに無い場合、このことをカプセル化処理部11へ通知する。
カプセル化処理部11は、CPUやRAM等を用いて構成される。カプセル化処理部11は、受信されたパケットについて、通知されたBCエントリに含まれる気付アドレスに基づいてカプセル化を実行する。カプセル化処理部11は、カプセル化されたパケットを出方路決定部13へ渡す。また、カプセル化処理部11は、該当するBCエントリがBCテーブル9Aに無いことを通知された場合、受信されたパケットをそのまま出方路決定部13へ渡す。
ルーティングテーブル記憶部12は、RAM等の記憶装置を用いて構成される。ルーティングテーブル記憶部12は、ルーティングテーブルを記憶する。このルーティングテーブルは従来から使用される技術であるため、説明を省く。
出方路決定部13は、CPUやRAM等を用いて構成される。出方路決定部13は、カプセル化処理部11,ルーティングメッセージ処理部17,冗長制御部18のいずれかからパケットを受け取る。出方路決定部13は、ルーティングテーブル記憶部12が記憶するルーティングテーブルを参照することにより、受け取ったパケットの出方路を決定する。出方路決定部13は、決定した出方路を送信部14へ通知する。また、出方路決定部13は、渡されたパケットを送信部14へ渡す。
送信部14は、通信制御装置を用いて構成される。送信部14は、出方路決定部13から渡されたパケットを、通知された出方路へ対し送出する。
メッセージ処理部19は、CPUやRAMやタイマ等を用いて構成される。メッセージ処理部19は、メッセージ種別判定部15,モバイルメッセージ処理部16,ルーティングメッセージ処理部17,及び冗長制御部18を含む。
メッセージ種別判定部15は、CPUやRAM等を用いて構成される。メッセージ種別判定部15は、パケット種別識別部8から、制御メッセージを含むパケットを受け取る。メッセージ種別判定部15は、この制御メッセージがMobileIPv6制御メッセージ(MIP6制御メッセージ),BUメッセージ,その他の制御メッセージのいずれであるかを判定する。また、メッセージ種別判定部15は、制御メッセージがMIP6制御メッセージであった場合、さらにこの制御メッセージがICMP(インターネット・コントロール・メッセージ・プロトコル:Internet Control Message
Protocol) Echo Requestメッセージ(エコーリクエストメッセージ)であるか否かを判定する。
メッセージ種別判定部15は、制御メッセージがBUメッセージを含むと判定した場合、この制御メッセージを含むパケットをモバイルメッセージ処理部16へ渡す。一方、メッセージ種別判定部15、制御メッセージがBUメッセージ以外の制御メッセージを含むと判定した場合、この制御メッセージを含むパケットをルーティングメッセージ処理部17へ渡す。
モバイルメッセージ処理部16は、CPUやRAM等を用いて構成される。モバイルメッセージ処理部16は、メッセージ種別判定部15からパケットを受け取る。モバイルメッセージ処理部16は、受け取ったパケットが含むBUメッセージから、ホームアドレス及び気付アドレスを読み出す。モバイルメッセージ処理部16は、読み出したホームアドレス及び気付アドレスを、BCエントリとして、BCテーブル9Aに登録する。このとき、読み出したホームアドレスが既にBCテーブル9Aに登録されている場合、モバイルメッセージ処理部16は、このホームアドレスに対応する気付アドレス,ライフタイム,及びプリフィクス長を書き換える。そして、モバイルメッセージ処理部16は、受け取ったパケットを冗長制御部18へ渡す。
ルーティングメッセージ処理部17は、CPUやRAM等を用いて構成される。ルーティングメッセージ処理部17は、メッセージ種別判定部15から制御メッセージを含むパケットを受け取る。
ルーティングメッセージ処理部17は、受け取ったパケットがエコーリクエストメッセージであった場合、これに対するICMP EchoReplyメッセージ(エコーリプライメッセージ)を含むパケットを生成する。そして、ルーティングメッセージ処理部17は、生成したパケットを出方路決定部13へ渡す。
ルーティングメッセージ処理部17は、受け取ったパケットがエコーリクエストメッセージ以外のMIP6制御メッセージであった場合、このMIP6制御メッセージに基づいて処理を行う。このような処理の例として、ルーティングテーブル更新処理,ルーティングメッセージ生成処理,ルーティングメッセージ送信処理などがある。
ルーティングメッセージ処理部17は、受け取ったパケットがその他のメッセージであった場合、このメッセージに基づいて処理を行う。このような処理の例として、例外処理などがある。
冗長制御部18は、CPUやRAMやタイマ等を用いて構成される。冗長制御部18は、モバイルメッセージ処理部16からパケットを受け取る。冗長制御部18は、自身が備えるRAMに状態フラグの値と冗長制御フラグの値と自装置に対応するスタンバイ系HA6のアドレスとを記憶する。
状態フラグは、自装置がスタンバイ系HAと現用系HAとのいずれであるかを示す。状態フラグは、"0"を持つ場合、自装置がスタンバイ系HAであることを示す。一方、状態フラグは、"1"を持つ場合、自装置が現用系HAであることを示す。
冗長制御フラグは、自装置が現用系HAである場合にのみ設定される。冗長制御フラグは、自装置が冗長制御を行うか否かを示す。冗長制御フラグは、"0"を持つ場合、自装置が冗長制御を行わないことを示す。一方、冗長フラグは、"1"を持つ場合、自装置が冗長制御を行うことを示す。
また、冗長制御部18は、BUメッセージを含むパケットを受け取った場合、自装置が冗長制御を行うか否かを判断する。冗長制御部18は、自装置が冗長制御を行う装置である場合、受け取ったパケットを、スタンバイ系HA6宛に編集して転送する。このとき、冗長制御部18は、このパケットを、スタンバイ系HA6宛にカプセル化することにより、スタンバイ系HA6へ転送する。
また、冗長制御部18は、BUメッセージを含むパケットを受け取った場合、自装置がスタンバイ系HAか現用系HAかを判断する。冗長制御部18は、自装置が現用系HAである場合、受け取ったパケットが含むBUメッセージに対するBAメッセージを含むパケットを生成する。そして、冗長制御部18は、生成したパケットを出方路決定部13へ渡す。
〈ホームリンク/外部リンク/ネットワーク〉
ホームリンク4と外部リンク5とネットワーク26とは、MobileIPv6に基づいたネットワークを用いて構成される。ホームリンク4は、少なくとも現用系HA3及びスタンバイ系HA6を含む。
〈スタンバイ系HA〉
図4は第一実施形態によるスタンバイ系HA6のブロック図である。スタンバイ系HA6は、現用系HA3とほぼ同じ構成を持つ。以下、スタンバイ系HA6について、現用系HA3と異なる構成についてのみ説明する。また、本文において、スタンバイ系HA6が備える各構成の符号は、数字の前に"R"を付すことにより、現用系HA3の構成と区別する。
冗長制御部R18は、以下の点のみが現用系HA3の冗長制御部18と異なる。
冗長制御部R18は、不図示の現用系監視タイマとエコーリプライ待ちタイマとを備える。現用系監視タイマは、冗長制御部R18によって起動され、一定時間が経過すると現用系監視トリガを発生する。現用系監視タイマは、スタンバイ系HA6が現用系HA3の状態を調査する周期を計時する。このため、冗長制御部R18は、現用系監視タイマが現用系監視トリガを発生すると、現用系HA3に対してエコーリクエストメッセージを生成し送信する。
エコーリプライ待ちタイマは、冗長制御部R18によって起動され、一定時間が経過するとタイムアウトトリガを発生する。エコーリプライ待ちタイマは、冗長制御部R18が現用系HA3に対して送信したエコーリクエストについてのタイムアウトを計時する。このため、冗長制御部R18は、現用系HA3からエコーリプライが受信されると、エコーリプライ待ちタイマを停止し、現用系監視タイマを起動する。また、冗長制御部R18は、エコーリプライ待ちタイマがタイムアウトトリガを発生すると、現用系HA3に異常が発生したと判断する。この場合、冗長制御部R18は、現用系HAの処理の引き継ぎを実行する。具体的には、冗長制御部R18は、自装置の状態をスタンバイ系から現用系に変更し、冗長制御を無しに設定する。即ち、冗長制御部R18は、状態フラグとして"1"を設定し、冗長制御フラグとして"0"を設定する。また、冗長制御部R18は、現用系HA3のMACアドレス及びIPアドレスを、自装置の値として設定する。
また、冗長制御部R18は、受信されたBUメッセージを含むパケットが自装置宛にカプセル化されたパケットであった場合、このパケットのBUメッセージが転送されたものであると判断する。この場合、冗長制御部R18は、このBUメッセージに対するBAメッセージを生成しない。
〔〔動作例〕〕
〈現用系HA〉
図5は第一実施形態における現用系HA3の動作例を示すフローチャートである。図5を用いて現用系HA3の動作例について説明する。
受信部7がパケットを受信すると(S01)、パケット種別識別部8は受信されたパケットの種別を識別する(S02)。受信されたパケットが制御メッセージを含まない場合(S03−No)、BC検索部10はBC記憶部9を検索する(S04)。このとき、BC検索部10は、受信されたパケットのヘッダに含まれる送信先アドレス(DA:Destination Address)を検索キーとして、BCエントリを取得する。
該当するBCエントリがBC記憶部9に含まれる場合(S05−Yes)、BC検索部10は、該当するBCエントリの気付アドレスを読み出す。BC検索部10は、読み出した気付アドレスを、カプセル化処理部11へ通知する。そして、カプセル化処理部11は、通知された気付アドレスを用いて、受信されたパケットのIPカプセル化を実行する(S06)。
この後、又は該当するBCエントリがBC記憶部9に含まれない場合(S05−No)、出方路決定部13は、パケットのヘッダに含まれる送信先アドレスとルーティングテーブル記憶部12の内容とに基づいて、パケットの出方路を決定する(S07)。そして、送信部14は、決定された出方路に対してパケットを送信し(S08)、処理が終了する(S09)。
受信されたパケットが制御メッセージを含む場合(S03−Yes)、メッセージ種別判定部15は、受信されたパケットがMIP6制御メッセージを含むか否かを判定する(S10)。
受信されたパケットがMIP6制御メッセージを含まない場合(S10−No)、メッセージ種別判定部15は受信されたパケットがエコーリクエストメッセージを含むか否かを判定する(S11)。
受信されたパケットがエコーリクエストメッセージを含む場合(S11−Yes)、ルーティングメッセージ処理部17は、エコーリプライメッセージを生成する(S12)。この後、生成されたエコーリプライメッセージについて、S07〜S09の処理が実行される。
受信されたパケットがエコーリクエストメッセージを含まない場合(S11−No)、ルーティングメッセージ処理部17は、ルーティングメッセージ処理を実行する(S13)。そして、処理が終了する(S09)。
受信されたパケットがMIP6制御メッセージを含む場合(S10−Yes)、メッセージ種別判定部15は、受信されたパケットがBUメッセージを含むか否かを判定する(S14)。
受信されたパケットがBUメッセージを含まない場合(S14−No)、ルーティングメッセージ処理部17は、そのパケットに含まれるメッセージ(その他のメッセージ)についての処理を実行する(S15)。そして、処理が終了する(S09)。
受信されたパケットがBUメッセージを含む場合(S14−Yes)、モバイルメッセージ処理部16はBC記憶部9にBCエントリの登録を行う。このとき、モバイルメッセージ処理部16は、受信されたBUメッセージに含まれるホームアドレス及び気付アドレスの組を含むBCエントリとして登録する(S16)。
次に、冗長制御部18は、自装置が冗長制御を実行するように設定されているか否かを判断する(S17)。冗長制御が設定されている場合(S17−Yes)、冗長制御部18は、受信されたBUメッセージを含むパケットを、スタンバイ系HA6宛に編集し転送する(S18)。その後、又は冗長制御が設定されていない場合(S17−No)、冗長制御部18は、BAメッセージを含むパケット生成する(S19)。この後、生成されたパケットについて、S07〜S09の処理が実行される。
〈スタンバイ系HA〉
図6,7は第一実施形態におけるスタンバイ系HA6の動作例を示すフローチャートである。図6,7を用いてスタンバイ系HA6の動作例について説明する。ただし、スタンバイ系HA6の動作例について、現用系HA3の動作例と異なる処理についてのみ説明する。
スタンバイ系HA6の処理S21〜S36は、現用系HA3の処理S01〜S16と同様
の処理である(図6参照)。モバイルメッセージ処理部R16がBC記憶部R9にBCエントリの登録を行った後(S36)、BAメッセージの送信処理が実行されることなく処理は終了する(S29)。
また、現用系監視タイマが現用系監視トリガを発生すると、即ち一定時間が経過すると(S41:図7参照)、冗長制御部R18は現用系HA3に対してエコーリクエストメッセージを生成し送信する(S42)。冗長制御部R18は、エコーリプライ待ちタイマを起動し(S43)、処理を終了する(S44)。
また、S42におけるエコーリクエストに対するエコーリプライが受信されると(S45)、冗長制御部R18は、エコーリプライ待ちタイマを停止する(S46)。そして、冗長制御部R18は、現用系監視タイマを起動し(S48)、処理を終了する(S49)。
エコーリプライ待ちタイマがタイムアウトトリガを発生すると(S49)、冗長制御部R18は、現用系HA3に異常が発生したと判断する(S50)。この場合、冗長制御部R18は、自装置の状態をスタンバイ系から現用系に変更し、冗長制御を無しに設定する(S51)。即ち、冗長制御部R18は、状態フラグとして"1"を設定し、冗長制御フラグとして"0"を設定する。また、冗長制御部R18は、現用系HA3のMACアドレス及びIPアドレスを、自装置の値として設定し(S52)、処理を終了する(S53)。
〔〔作用・効果〕〕
本発明の第一実施形態によれば、現用系HA3のモバイルメッセージ処理部16は、移動端末2から受信されたBUメッセージを、自装置と同じホームリンク4に属するスタンバイ系HA6に対して転送する。そして、スタンバイ系HA6のモバイルメッセージ処理部R16は、転送されたBUメッセージに基づいて、BCテーブルR9Aを生成する。
このため、現用系HA3とスタンバイ系HA6とにおいて、バースト的にBCテーブル9Aを送受信する必要がなくなり、通信量が削減される。従って、障害発生時の処理の引き継ぎが、従来の技術に比べて素早く簡便に行うことが可能となり、サービス中断時間の短縮を図ることができる。
また、スタンバイ系HA6の冗長制御部R18は、現用系HAに対して定期的にエコーリクエストを送信し、定期的に現用系HA6の可用性を確認する。このため、移動端末2がBUメッセージを送信するタイミングと独立して現用系HA3の障害が確認され、スタンバイ系HA6が引き継ぎ処理を行う。従って、移動端末2がBUメッセージを送信する周期よりもスタンバイ系HA6がエコーリクエストを送信する周期を短く設定することにより、従来の技術に比べて、サービス中断時間の短縮を図ることができる。このとき、現用系HA3において、エコーリクエストに対応する処理はBUメッセージに対応する処理に比べて負荷が低いため、上記作用が実現される。
また、スタンバイ系HA6の冗長制御部R18は、現用系HA3から転送されたBUメッセージについて、BAメッセージを移動端末2へ送信しない。このため、移動端末2は、BAメッセージを重複して受信することがなくなる。従って、移動端末2は、パケット中継システム1に使用される場合、重複したBAメッセージに対応する必要が無く、従来の構成に機能などを追加することなく利用されることが可能となる。
〔〔変形例〕〕
スタンバイ系HA6の冗長制御部R18は、現用系の正常性を確認する手段として、ICMP Echo request/replyを用いたが、他の手段を用いて正常性を確認するように構成されても良い。例えば、IPよりもさらに上位のプロトコルについての
処理動作の正常性を検証する手段を用いるように構成されても良い。
また、現用系HA3の冗長制御部18は、S18の処理において、転送されるパケットのフローラベルの値を設定することにより、このパケットのBUメッセージが転送されたものであることを示すように構成されても良い。
〔第二実施形態〕
〔〔システム構成〕〕
次に、本発明の第二実施形態によるパケット中継システム1aについて説明する(図1参照)。パケット中継システム1aは、第一実施形態によるパケット中継システム1とほぼ同様の構成を含む。具体的には、パケット中継システム1aは、移動端末2,現用系HA3a,ホームリンク4,外部リンク5,スタンバイ系HA6,及びホームリンク4と外部リンク5とを通信可能に接続するネットワーク26を含む。
パケット中継システム1aでは、現用系HA3aは、BUメッセージに対して優先フラグを設けることにより、この優先フラグに基づいて、移動端末2から受信したBUメッセージを転送するか否かを判断する。以下では、パケット中継システム1aについて、パケット中継システム1と異なる構成についてのみ説明する。
〈現用系HA〉
現用系HA3aは、現用系HA3のBC記憶部9,メッセージ処理部19,及び冗長制御部18の代わりに、BC記憶部9a,メッセージ処理部19a,及び冗長制御部18aを備える(図2参照)。
BC記憶部9aは、BCテーブル9Aの代わりにBCテーブル9Bを記憶する。図8は、BCテーブル9Bの例を示す図である。図8を用いてBCテーブル9Bについて説明する。
BCテーブル9Bは、BCエントリとして、ホームアドレス,気付アドレス,ライフタイム(Life time),プリフィクス(Prefix)長,及び優先フラグを対応付けて持つ。以下、BCテーブル9Aが持たない値である優先フラグについて説明する。
優先フラグは、対応するBCエントリについて冗長処理を実行するか否かを示す値であり、"0"又は"1"の値を持つ。優先フラグの値が"0"である場合、冗長制御部18aは、このBCエントリに対応するBUメッセージを含むパケットの転送を実行しない。一方、優先フラグの値が"1"である場合、冗長制御部18aは、このBCエントリに対応するBUメッセージを含むパケットの転送を実行する。
メッセージ処理部19aは、冗長制御部18に代わって冗長制御部18aを備える点で、第一実施形態のメッセージ処理部19と異なる。
冗長制御部18aは、優先フラグの値を決定する点及び優先フラグの値に応じて処理を行う点で、第一実施形態における冗長制御部18と異なる。以下、この二つの点について説明する。
まず、優先フラグの値に応じた処理について説明する。冗長制御部18aは、処理中のパケットが含むBUメッセージに対応するBCエントリの優先フラグをBCテーブル9Bから取得する。冗長制御部18aは、取得した優先フラグの値に応じて、このBUメッセージを含むパケットを、スタンバイ系HA6に転送すべきか否かを判断する。このとき、優先フラグの値が"0"である場合、冗長制御部18aは、このBCエントリに対応するBU
メッセージを含むパケットの転送を実行しない。一方、優先フラグの値が"1"である場合、冗長制御部18aは、このBCエントリに対応するBUメッセージを含むパケットの転送を実行する。
次に、優先フラグの値の決定について説明する。冗長制御部18aは、BUメッセージに含まれるToS(Type of Service),気付アドレスのNP(NP:Network Prefix),ライフタイム,ホームアドレス等の値に基づいて優先フラグの値を決定する。例えば、冗長制御部18aは、気付アドレスのNPに基づいて、ホームリンクから遠距離に位置する移動端末2を判断し、この移動端末2に対応したBCエントリについて、優先フラグの値を"1"に設定する。また、各移動端末2のホームアドレスについて、あらかじめ優先フラグの値を定めておいても良い。
〔〔動作例〕〕
図9は、第二実施形態における現用系HA3aの動作例を示すフローチャートである。図9を用いて現用系HA3aの動作例について説明する。ただし、現用系HA3aの動作例について、第一実施形態における現用系HA3の動作例と異なる処理についてのみ説明する。
モバイルメッセージ処理部16がBCエントリを登録した後(S16)、冗長制御部18aは、登録されたBCエントリについて、優先フラグの値を判断する。冗長制御部18aは、判断した優先フラグの値を、このBCエントリに含めて、BCテーブル9Bに登録する。次に、冗長制御部18aは、登録された優先フラグの値が"1"か否かを判断する(S54)。
優先フラグの値が"1"である場合(S54−Yes)、冗長制御部18aは、自装置が冗長制御を実行するように設定されているか否かを判断する(S17)。以下、S17以降の処理は、現用系HA3の動作と同じである。
一方、優先フラグの値が"0"である場合(S54−No)、冗長制御部18aは、BAメッセージを含むパケット生成する(S19)。この後、生成されたパケットについて、S07〜S09の処理が実行される。
〔〔作用・効果〕〕
本発明の第二実施形態によれば、冗長制御部18aは、BUメッセージを含むパケットをスタンバイ系HA6へ転送する際に、このBUメッセージに対応する優先フラグの値に応じて転送するか否かを判断する。このため、スタンバイ系HA6へ転送されるパケットの量は減少し、ホームリンク4におけるトラフィック負荷を軽減することが可能となる。あわせて、現用系HA3aについて、BUメッセージの転送処理による負荷を削減し、他のサービスの処理能力を向上させることが可能となる。
〔〔変形例〕〕
優先フラグは、例えば"0"〜"2"のように、複数の値を持つように構成されても良い。この場合、冗長制御部18aは、各優先フラグの値に応じて異なる処理を実行する。例えば、以下のように構成される。優先フラグの値が"0"の場合、冗長制御部18aは、対応するBUメッセージの転送を実行しない。優先フラグの値が"1"の場合、冗長制御部18aは、対応するBUメッセージの転送を、BUメッセージの受信毎に行う。優先フラグの値が"2"の場合、冗長制御部18aは、対応するBUメッセージの転送を2回に1回の割合で実行する。
このように構成されることにより、サービスの中断時間の保証についてサービスの差別化
を図ることが可能となる。従って、ユーザは、ニーズに応じたサービスを、より多くの選択肢から選択することが可能となる。
また、ライフタイムについて、現用系HA3及び/又はスタンバイ系HA6は、移動端末2から通知された値を無視し、自装置の運用ポリシに従って設定しても良い。
〔第三実施形態〕
〔〔システム構成〕〕
次に、本発明の第三実施形態によるパケット中継システム1bについて説明する(図1参照)。パケット中継システム1bは、第一実施形態によるパケット中継システム1とほぼ同様の構成を含む。具体的には、パケット中継システム1bは、移動端末2,現用系HA3b,ホームリンク4,外部リンク5,スタンバイ系HA6,及びホームリンク4と外部リンク5とを通信可能に接続するネットワーク26を含む。
パケット中継システム1bでは、現用系HA3bは、BUメッセージに対応する統計情報を設定し、この統計情報に応じて、移動端末P2から受信するBUメッセージを転送するか否かを判断する。以下では、パケット中継システム1bについて、第一実施形態のパケット中継システム1と異なる構成についてのみ説明する。
〈現用系HA〉
図10は、現用系HA3bのブロック図である。現用系HA3bは、第一実施形態による現用系HA3の構成に加えて、さらに統計情報収集部20を備える。また、現用系HA3bは、現用系HA3のBC記憶部9,メッセージ処理部19,及び冗長制御部18の代わりに、BC記憶部9b,メッセージ処理部19b,及び冗長制御部18bを備える。
BC記憶部9bは、BCテーブル9Aの代わりにBCテーブル9Cを記憶する。図11は、BCテーブル9Cの例を示す図である。図11を用いてBCテーブル9Cについて説明する。
BCテーブル9Cは、BCエントリとして、ホームアドレス,気付アドレス,ライフタイム(Life time),プリフィクス(Prefix)長,及び統計情報を対応付けて持つ。以下、BCテーブル9Aが持たない値である統計情報について説明する。
統計情報は、対応するホームアドレスを有する移動端末2に対し、一定時間(例:数分,数時間)内に転送されたパケットの量やバイト数、即ちこの移動端末2と自装置との間の一定時間内の通信量を持つ。
統計情報収集部20は、CPUやRAM等を用いて構成される。統計情報収集部20は、カプセル化処理部11から、カプセル化に用いられるBCエントリを取得する。統計情報収集部20は、取得したBCエントリをもとに、統計情報を生成する。そして、統計情報収集部20は、生成した統計情報をBCテーブル9Cに登録する。
メッセージ処理部19bは、冗長制御部18に代わって冗長制御部18bを備える点で、第一実施形態のメッセージ処理部19と異なる。
冗長制御部18bは、統計情報の値に応じて処理を行う点で、第一実施形態における冗長制御部18と異なる。以下、この点について説明する。
冗長制御部18bは、処理中のパケットが含むBUメッセージに対応するBCエントリの統計情報をBCテーブル9Cから取得する。冗長制御部18bは、取得した統計情報の値
に応じて、このBUメッセージを含むパケットを、スタンバイ系HA6に転送すべきか否かを判断する。このとき、統計情報の値が、あらかじめ設定された閾値(例:パケット数50,100kB)よりも小さい場合、冗長制御部18bは、このBCエントリに対応するBUメッセージを含むパケットの転送を実行しない。一方、統計情報の値が閾値以上である場合、冗長制御部18bは、このBCエントリに対応するBUメッセージを含むパケットの転送を実行する。
〔〔動作例〕〕
図12は、第三実施形態における現用系HA3bの動作例を示すフローチャートである。図12を用いて現用系HA3bの動作例について説明する。ただし、現用系HA3bの動作例について、第一実施形態における現用系HA3の動作例と異なる処理についてのみ説明する。
カプセル化処理部11が受信されたパケットのIPカプセル化を実行すると(S06)、統計情報収集部20は、カプセル化処理部11が用いたBCエントリを取得する。そして、統計情報収集部20は、このバインディングキャッッシュエントリの値をもとに統計情報を生成し、BCテーブル9Cに生成した統計情報を登録する(S55)。
また、モバイルメッセージ処理部16がBCエントリを登録した後(S16)、冗長制御部18bは、処理対象のBUメッセージのホームアドレスに対応する統計情報の値が閾値を超えるか否かを判断する(S56)。
統計情報の値が閾値を超える場合(S56−Yes)、冗長制御部18bは、自装置が冗長制御を実行するように設定されているか否かを判断する(S17)。以下、S17以降の処理は、現用系HA3の動作と同じである。
一方、統計情報の値が閾値を超えない場合(S56−No)、冗長制御部18bは、BAメッセージを含むパケット生成する(S19)。この後、生成されたパケットについて、S07〜S09の処理が実行される。
〔〔作用・効果〕〕
本発明の第三実施形態によれば、冗長制御部18bは、BUメッセージを含むパケットをスタンバイ系HA6へ転送する際に、このBUメッセージに対応する統計情報の値に応じて転送するか否かを判断する。このため、スタンバイ系HA6へ転送されるパケットの量は減少し、ホームリンク4におけるトラフィック負荷を軽減することが可能となる。あわせて、現用系HA3bについて、BUメッセージの転送処理による負荷を削減し、他のサービスの処理能力を向上させることが可能となる。
また、各移動端末2における通信量の実績に応じて、冗長処理のサービスの差別化を図ることが可能となる。
〔〔変形例〕〕
BCテーブル9Cは、統計情報として、対応するホームアドレスを有する移動端末2に対して最後にパケットが転送されてからの時間など、他の情報を持つように構成されても良い。例えば、この場合、冗長制御部18bは、統計情報の値が閾値(数秒,数分など)よりも短い時間であるBCエントリに対応するBUメッセージのみについて、スタンバイ系HA6への転送を実行する。
〔第四実施形態〕
〔〔システム構成〕〕
次に、本発明の第四実施形態によるパケット中継システム1cについて説明する(図1参照)。パケット中継システム1cは、第三実施形態によるパケット中継システム1bとほぼ同様の構成を含む。具体的には、パケット中継システム1cは、移動端末2,現用系HA3c,ホームリンク4,外部リンク5,スタンバイ系HA6,及びホームリンク4と外部リンク5とを通信可能に接続するネットワーク26を含む。
パケット中継システム1cでは、現用系HA3cは、負荷モニタ部21を新たに設け、負荷モニタ部21が記憶する自装置の負荷状態に応じて、BUメッセージを転送するか否かを判断する。以下では、パケット中継システム1cについて、第三実施形態のパケット中継システム1bと異なる構成についてのみ説明する。
〈現用系HA〉
図13は、現用系HA3cのブロック図である。現用系HA3cは、第三実施形態による現用系HA3bの構成に加えて、さらに負荷モニタ部21を備える。また、現用系HA3cは、現用系HA3bのメッセージ処理部19b及び冗長制御部18bの代わりに、メッセージ処理部19c及び冗長制御部18cを備える。
負荷モニタ部21は、CPUやRAM等を用いて構成される。負荷モニタ部21は、自装置(現用系HA3c)の現在の負荷状態(例:CPU使用率,単位時間当たりのBUメッセージ転送数)を調べる。負荷モニタ部21は、自装置の負荷状態を定期的に調べ、自身が備える記憶装置に記憶する。
メッセージ処理部19cは、冗長制御部18bに代わって冗長制御部18cを備える点で、第三実施形態のメッセージ処理部19bと異なる。
冗長制御部18cは、負荷モニタ部21が記憶する負荷状態の値に応じて、統計情報を判断する際に用いる閾値を決定する点で、第三実施形態における冗長制御部18bと異なる。以下、この点について説明する。
冗長制御部18cは、負荷モニタ部21から現在の自装置の負荷状態を示す値を取得する。冗長制御部18cは、取得した負荷状態の値をもとに、統計情報の値を判断する際に用いる閾値を決定する。
〔〔動作例〕〕
図14は、第四実施形態における現用系HA3cの動作例を示すフローチャートである。図14を用いて現用系HA3cの動作例について説明する。ただし、現用系HA3cの動作例について、第三実施形態における現用系HA3bの動作例と異なる処理についてのみ説明する。
モバイルメッセージ処理部16がBCエントリを登録した後(S16)、冗長制御部18cは、負荷モニタ部21から現在の自装置の負荷状態を示す値を取得する。冗長制御部18cは、取得した負荷状態の値をもとに、統計情報の値を判断する際に用いる閾値を決定する(S57)。そして、冗長制御部18cは、処理対象のBUメッセージのホームアドレスに対応する統計情報の値が閾値を超えるか否かを判断する(S56)。以下、S56以降の処理は、現用系HA3bの動作と同じである。
〔〔作用・効果〕〕
本発明の第四実施形態によれば、冗長制御部18cは、負荷モニタ部21が記憶する負荷状態の値、即ち現在の自装置の負荷状態値に応じて閾値を決定する。具体的には、自装置の負荷に応じてあらかじめ設定された複数の閾値から、現在の自装置の負荷に対応する閾
値が決定される。このとき、自装置の負荷が高くなるにつれて閾値が高くなるように設定されるとよい。そして、冗長制御部18cは、BUメッセージを含むパケットをスタンバイ系HA6へ転送する際に、このBUメッセージに対応する統計情報の値と決定した閾値とに応じて転送するか否かを判断する。
このため、自装置の負荷が高い場合、閾値が高く決定され、転送されるBUメッセージを含むパケットの数が減少する。従って、現用系HA3cとしての本来の処理、即ち移動端末2へのパケットの転送処理の効率を劣化させることなく、冗長処理を実行することが可能となる。
〔〔変形例〕〕
第四実施形態における負荷モニタ部21及び冗長制御部18cは、第二実施形態における現用系HA3aに適用されても良い。この場合、例えば優先フラグは複数の値を持つように構成される。そして、冗長制御部18cは、負荷状態の値に応じて優先フラグの値についての閾値を決定し、BUメッセージの転送処理を実行するか否かを判断するように構成される。
〔第五実施形態〕
〔〔システム構成〕〕
図15は、本発明の第五実施形態によるパケット中継システム1dの概要を示す図である。次に、図15を用いて本発明の第五実施形態によるパケット中継システム1dについて説明する。
パケット中継システム1dは、第一実施形態によるパケット中継システム1とほぼ同様の構成を含む。具体的には、パケット中継システム1dは、移動端末2,現用系HA3d,ホームリンク4,外部リンク5,スタンバイ系HA6d,及びホームリンク4と外部リンクとを通信可能に接続するネットワーク26を含む。
パケット中継システム1dでは、現用系HA3dは、BUメッセージを転送せずに、BCテーブル9Aから気付アドレスのみを抽出してこの情報をスタンバイ系HA6dへ転送する。スタンバイ系HA6dは、受信する気付アドレスに対してBUメッセージの送信を要求することにより、ホームアドレスと気付アドレスとの対応を取得する。以下では、パケット中継システム1dについて、パケット中継システム1と異なる構成についてのみ説明する。
〈現用系HA〉
図16は、現用系HA3dのブロック図である。現用系HA3dは、第一実施形態による現用系HA3のメッセージ処理部19及び冗長制御部18の代わりに、メッセージ処理部19d及び冗長制御部18dを備える。
メッセージ処理部19dは、冗長制御部18に代わって冗長制御部18dを備える点で、第一実施形態のメッセージ処理部19と異なる。
冗長制御部18dは、BUメッセージの転送の代わりに気付アドレスリストの送信を行う点及び冗長周期制御タイマを備える点で、第一実施形態における冗長制御部18と異なる。以下、この二つの点について説明する。
まず、冗長周期制御タイマについて説明する。冗長制御部18dは、不図示の冗長周期制御タイマを備える。冗長周期制御タイマは、冗長処理を行うべき周期、即ち気付アドレスリストをスタンバイ系HA6dへ送信すべき周期を計時する。冗長周期制御タイマは、冗
長処理を行うべき周期を計時すると、冗長周期制御トリガを発生する。
次に、気付アドレスリストの送信について説明する。冗長制御部18dは、冗長制御部18と異なり、BUメッセージの転送を実行しない。代わりに、冗長制御部18dは、冗長周期制御タイマが冗長周期制御トリガを発生すると、BCテーブル9Aから気付アドレスのみを抽出し、気付アドレスリストを生成する。そして、冗長制御部18dは、生成した気付アドレスリストをスタンバイ系HA6dへ送信する。このとき、冗長制御部18dは、スタンバイ系HA6dと自装置との間にあらかじめ確立されたコネクションを用いて、気付アドレスリストを送信する。
〈スタンバイ系HA〉
図17は、スタンバイ系HA6dのブロック図である。スタンバイ系HA6dは、第一実施形態によるスタンバイ系HA6のBC記憶部R9,メッセージ処理部R19,メッセージ種別判定部R15,及び冗長制御部R18の代わりに、BC記憶部R9d,メッセージ処理部R19d,メッセージ種別判定部R15d,及び冗長制御部R18dを備える。
BC記憶部R9dは、BCテーブルR9Aの代わりにBCテーブルR9Dを記憶する点で異なる。図18は、BCテーブルR9Dの例を示す図である。図18を用いてBCテーブルR9Dについて説明する。
BC記憶部R9Dは、ホームアドレス,気付アドレス,ライフタイム(Life time),プリフィクス(Prefix)長,冗長フラグを対応付けて持つ。冗長フラグは"
0"又は"1"のいずれかの値を持つ。冗長フラグが"0"である場合、この冗長フラグに対
応する気付きアドレスは、現用系HA3dから気付アドレスリストとして通知された気付アドレスではないことを示す。即ち、この気付アドレスは、例えば、BUメッセージにより設定された気付アドレスやあらかじめ設定されている気付アドレスであることを示す。一方、冗長フラグが"1"である場合、この冗長フラグに対応する気付きアドレスは、現用系HA3dから気付アドレスリストとして通知された気付アドレスであることを示す。
メッセージ処理部R19dは、メッセージ種別判定部R15と冗長制御部R18とに代わって、メッセージ種別判定部R15dと冗長制御部R18dとを備える点で、第一実施形態のメッセージ処理部R19と異なる。
メッセージ種別判定部R15dは、受け取った制御メッセージが、MIP6制御メッセージ,BUメッセージ,その他の制御メッセージ,気付アドレスリストのいずれであるかを判定する点で、メッセージ種別判定部R15と異なる。さらに、メッセージ種別判定部R15dは、受け取った制御メッセージが気付アドレスリストであった場合、この制御メッセージを含むパケットを、モバイルメッセージ処理部R16を介して冗長制御部R18dへ渡す点で、メッセージ種別判定部R15と異なる。
冗長制御部R18dは、受け取った気付アドレスリストをBCテーブルR9Dに登録する点、及び現用系HAの処理の引き継ぎ処理が、第一実施形態の冗長制御部R18と異なる。以下、この二つの差異について説明する。
まず、受け取った気付アドレスリストをBCテーブルR9Dに登録する点について説明する。冗長制御部R18dは、気付アドレスリストと受け取ると、この気付アドレスリストに含まれる気付アドレスをBCテーブルR9Dに登録する。このとき、冗長制御部R18dは、登録した気付アドレスに対応する冗長フラグの値を"1"に設定する。
次に、現用系HAの処理の引き継ぎ処理における差異について説明する。引き継ぎ処理に
おいて、冗長制御部R18dは、冗長制御部R18が実行する処理に加えてさらに、以下の処理を実行する。冗長制御部R18dは、BCテーブルR9Dを走査し、冗長フラグが"1"であるBCエントリを検索する。冗長制御部R18dは、検索したBCエントリが含む気付アドレスに対応する移動端末2に対し、BRメッセージを生成する。そして、冗長制御部R18dは、生成したBRメッセージを送信する。このとき、冗長制御部R18dは、検索した全てのBCエントリについて、この処理を実行する。この後、BRメッセージの送信先である移動端末2からBUメッセージを受信することにより、冗長制御部R18dは、この移動端末2についてのBCエントリをBCテーブルR9Dに登録する。
〔〔動作例〕〕
〈現用系HA〉
図19は、第五実施形態における現用系HA3dの動作例を示すフローチャートである。図19を用いて現用系HA3dの動作例について説明する。ただし、現用系HA3dの動作例について、第一実施形態における現用系HA3の動作例と異なる処理についてのみ説明する。
モバイルメッセージ処理部16がBCエントリを登録した後(S16)、冗長制御部18aは、S17及びS18の処理を実行せず、BAメッセージを含むパケット生成する(S19)。この後、生成されたパケットについて、S07〜S09の処理が実行される。
また、冗長周期制御タイマが冗長周期制御トリガを発生すると(S59)、冗長制御部18dは、BCテーブル9Aから気付アドレスのみを抽出し、気付アドレスリストを生成する(S60)。そして、冗長制御部18dは、生成した気付アドレスリストをスタンバイ系HA6dへ送信し(S61)、処理を終了する(S62)。
〈スタンバイ系HA〉
図20,21は、第五実施形態におけるスタンバイ系HA6dの動作例を示すフローチャートである。図20,21を用いてスタンバイ系HA6dの動作例について説明する。ただし、スタンバイ系HA6dの動作例について、第一実施形態におけるスタンバイ系HA6の動作例と異なる処理についてのみ説明する。
パケット種別識別部R8が受信されたパケットは制御メッセージを含むと識別した場合(S23−Yes:図20参照)、メッセージ種別判定部R15dは、この制御メッセージが気付アドレスリストであるか否かを判断する(S63)。この制御メッセージが気付アドレスリストでない場合(S63−No)、S30以降の処理が実行される。一方、この制御メッセージが気付アドレスリストである場合(S63−Yes)、冗長制御部R18dは、この気付アドレスリストに含まれる気付アドレスをBCテーブルR9Dに登録する。このとき、冗長制御部R18dは、登録した気付アドレスに対応する冗長フラグの値を"1"に設定し(S64)、処理を終了する(S65)。
また、自装置の状態をスタンバイ系から現用系に変更する場合(S49〜S52:図7,21参照)、冗長制御部R18dはBCテーブルR9Dを走査し、冗長フラグが"1"であるBCエントリを検索する(S66)。冗長制御部R18dは、検索したBCエントリが含む気付アドレスに対するBRメッセージを生成し、生成したBRメッセージを送信する(S67)。冗長制御部R18dは、検索した全てのBCエントリについてBRメッセージを送信すると(S68−Yes)、処理を終了する(S53)。
〔〔作用・効果〕〕
本発明の第五実施形態によれば、現用系HA3dの冗長制御部18dは、BUメッセージをスタンバイ系HA6dに対して転送しない。冗長制御部18dは、BCテーブル9Aか
ら気付アドレスのみを抽出し、気付アドレスリストを生成する。そして、冗長制御部18dは、生成した気付アドレスリストをスタンバイ系HA6dへ送信する。スタンバイ系HA6dの冗長制御部R18dは、スタンバイ系から現用系への引き継ぎを行う際に、即ち現用系HA3dに障害が発生した際に、気付アドレスリストが含む気付アドレスに対してBRメッセージを送信する。そして、スタンバイ系HA6dは、移動端末2からBUメッセージを受信することで、各移動端末2のホームアドレス等の情報を得る。
このため、従来のクラスタリング手法では、BCテーブルそのものが、現用系HA3dからスタンバイ系HA6dへ送信されたのに対し、第五実施形態では、気付アドレスのみを含む気付アドレスリストが送信される。従って、従来のクラスタリング手法と異なり、現用系HA3dとスタンバイ系HA6dとの間における通信量が削減される。よって、スタンバイ系から現用系への引き継ぎに要する時間を短縮することが可能となる。
また、第五実施形態では、冗長制御部18dにおける気付アドレスリストの作成/送信と、BRメッセージの作成/送信との処理を除くと、従来のクラスタリング手法を流用することが可能である。このため、パケット中継システム1dの構築に要する時間や費用を削減することが可能である。
〔〔変形例〕〕
冗長制御部R18dは、自装置の状態をスタンバイ系から現用系に変更する際にBRメッセージの送信を実行するのではなく、現用系HA3dから気付アドレスリストを受信した際にBRメッセージの送信を実行するように構成されても良い。この場合、冗長制御部R18dは、BRメッセージに対するBUメッセージに基づいたBCエントリをBCテーブルR9Dに登録する際に、このBCエントリの冗長フラグを"0"に設定する。
このように構成されることにより、自装置の状態をスタンバイ系から現用系に変更する際に送信すべきBRメッセージの数を削減することが可能となる。従って、スタンバイ系HA6dが現用系HA3dの処理を引き継ぐ際の処理を削減し、高速に実行することが可能となる。
また、第二実施形態から第四実施形態の構成を、第五実施形態に適用しても良い。即ち、冗長制御部18dは、気付アドレスリストを生成する際に、優先フラグ,統計情報,閾値などに基づいて、気付アドレスリストに含める気付アドレスを選択する(絞り込む)ように構成されても良い。
また、第五実施形態における現用系HA3dは、第二実施形態又は第三実施形態における優先フラグ又は統計情報を含むBCテーブルを備え、冗長制御部18dは、気付アドレスリストを生成する際に、気付アドレスに対応する優先フラグ又は統計情報を気付アドレスリストに含めるように構成されても良い。この場合、スタンバイ系HA6dの冗長制御部R18dは、気付アドレスリストに含まれる気付アドレスに対してBRメッセージを送信する際に、気付アドレスリストにおいてこの気付アドレスに対応する優先フラグ又は統計情報に基づいてBRメッセージを送信するか否かを判断するように構成される。
さらに、上記構成において、スタンバイ系HA6dは第四実施形態における負荷モニタをさらに備え、冗長制御部R18dは、負荷モニタによる負荷情報及び気付アドレスに対応する優先フラグ又は統計情報に基づいてBRメッセージを送信するか否かを判断するように構成されても良い。
また、上記構成において、冗長制御部R18dは、BRメッセージを送信するか否か及び/又はBRメッセージの送信順序を判断するように構成されても良い。
このように構成されることにより、現用系HA3dとスタンバイ系HA6dとの間における通信量は増大するが、現用系HA3dにおける気付アドレスリストの生成処理が簡易となり、この処理による負荷を軽減することが可能となる。従って、他のサービスの処理能力を向上させることが可能となる。また、スタンバイ系HA6dにおいて、サービス品質の差別化を図ることが可能となる。
〔第六実施形態〕
第六実施形態におけるパケット中継システム1eは、HA負荷分散装置22を含む。まず、HA負荷分散装置の概要について説明する。
図22は、HA負荷分散装置P7の概要を示す図である。HA負荷分散装置P7は、複数のホームエージェントP3を従える。HA負荷分散装置P7は、移動端末P2のホームアドレスと、この移動端末P2宛のパケットの処理を担当するホームエージェントP3の実アドレスとを対応付けたテーブルを持つ。処理を担当するホームエージェントP3とは即ち、この移動端末P2についてのBCエントリを有するホームエージェントである。
HA負荷分散装置P7は、移動端末2宛のパケットを受信すると(データ通信フェイズ)、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスを検索キーとしてテーブルを検索し、振り分け先となるホームエージェントP3を決定する。そして、HA負荷分散装置P7は、このパケットを、決定したホームエージェントP3へ転送する。
また、HA負荷分散装置P7は、代表アドレス宛のパケットを受信すると(BUフェイズ)、このパケットがBUメッセージを含むと判断する。代表アドレスとは、仮想的なアドレスであり、BUメッセージの送信先アドレスやBAメッセージの送信元アドレスとして使用される。HA負荷分散装置P7は、BUメッセージに含まれるオプションヘッダから、このパケットの送信元である移動端末のホームアドレスを抽出する。HA負荷分散装置P7は、抽出したホームアドレスを検索キーとしてテーブルを検索し、BUメッセージの転送先となるホームエージェントP3を決定する。そして、HA負荷分散装置P7は、決定したホームエージェントP3へ、BUメッセージを含むパケットを転送する。
〔〔システム構成〕〕
図23は、本発明の第六実施形態によるパケット中継システム1eの概要を示す図である。次に、図23を用いて本発明の第六実施形態によるパケット中継システム1eについて説明する。
パケット中継システム1eは、移動端末2,現用系HA3f,スタンバイ系HA6f,ホームリンク4,外部リンク5,ホームリンク4と外部リンク5とを通信可能に接続するネットワーク26,及びHA負荷分散装置(HA負荷分散装置)22を含む。
パケット中継システム1eでは、HA負荷分散装置22は、移動端末2から受信したBUメッセージを、現用系HA3fとスタンバイ系HA6fとにそれぞれ転送する。このような動作により、現用系HA3fとスタンバイ系HA6fとのBCテーブルの同期を図る。
パケット中継システム1eにおいて、ホームリンク4,外部リンク5,及びネットワーク26は、第一実施形態によるパケット中継システム1の各構成と同じ構成である。このため、ホームリンク4,外部リンク5,及びネットワーク26についての説明を省略する。
また、パケット中継システム1eにおいて、現用系HA3fとスタンバイ系HA6fとは、従来の技術におけるホームエージェントP3を用いて構成される。このため、現用系H
A3fとスタンバイ系HA6fとの説明を省略する。
〈HA負荷分散装置〉
図24は、HA負荷分散装置22のブロック図である。HA負荷分散装置22は、ハードウェア的には、バスを介して接続されたCPU,主記憶(RAM),補助記憶装置(ハードディスク)等を備えている。HA負荷分散装置22は、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS,アプリケーション等)が主記憶にロードされCPUにより実行されることによって、受信部LB7,パケット種別識別部LB8,ルーティングテーブル記憶部LB12,出方路決定部LB13,送信部LB14,メッセージ処理部LB19,HA振分テーブル記憶部LB23,HA振分テーブル検索部LB24,及びパケット情報書換処理部LB25等を含む装置として機能する。
受信部LB7は、通信制御装置などを用いて構成される。受信部LB7は、移動端末2や他の装置等からパケットを受信する。受信部LB7は、受信されたパケットをパケット種別識別部LB8へ渡す。
パケット種別識別部LB8は、CPUやRAM等を用いて構成される。パケット種別識別部LB8は、受信されたパケットのパケット情報を抽出し、その種別を識別する。パケット情報とは、例えばパケットのヘッダ情報(送信先アドレス(DA),送信元アドレス(SA)など)である。このとき、パケット種別識別部LB8は、受信されたパケットの送信先アドレスがホームエージェントの代表アドレスか否かを判断する。パケット種別識別部LB8は、受信されたパケットの送信先アドレスがホームエージェントの代表アドレスである場合、受信されたパケットをメッセージ種別判定部LB15へ渡す。
一方、受信されたパケットの送信先アドレスがホームエージェントの代表アドレスでない場合、パケット種別識別部LB8は、以下の処理を行う。
まず、パケット種別識別部LB8は、この送信先アドレスのNPと、自装置がサポートする移動端末2のホームアドレスのNPと同じであるか否かを判断する。このとき、パケット種別識別部LB8は、HA振分テーブルLB23Aに登録されたホームアドレスを、自装置がサポートする移動端末2のホームアドレスであると判断する。即ち、パケット種別識別部LB8は、この送信先アドレスのNPがHA振分テーブルLB23Aに登録されているホームアドレスのNPと一致するか否かを判断する。
送信先アドレスのNPがサポートの対象外である場合、即ちこの送信先アドレスのNPがHA振分テーブルLB23Aに登録されているホームアドレスのNPと一致しない場合、パケット種別識別部LB8は、自装置が冗長制御を行うように設定されているか否かを判断する。
自装置が冗長制御を行うように設定されていない場合、パケット種別識別部LB8は、受信されたパケットを出方路決定部LB13へ渡す。一方、自装置が冗長制御を行うように設定されている場合、パケット種別識別部LB8は、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスを検索キーとしてHA振分テーブルLB23Aを検索し、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスがスタンバイ系HA6fのアドレスとして登録されているか否かを判断する。そして、受信されたパケットのヘッダに含まれる送信元アドレスがスタンバイ系HA6fのアドレスである場合、即ちこのパケットがスタンバイ系HA6fから移動端末2へ送信されたBAメッセージを含むパケットである場合、パケット種別識別部LB8は、このパケットを廃棄する。
一方、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスがスタンバイ系HA6fのアドレ
スでない場合、パケット種別識別部LB8は、受信されたパケットを出方路決定部LB13へ渡す。
HA振分テーブル記憶部LB23は、RAM等の記憶装置を用いて構成される。HA振分テーブル記憶部LB23は、HA振分テーブルLB23Aを記憶する。図25は、HA振分テーブルLB23Aの例を示す図である。図25を用いてHA振分テーブルLB23Aについて説明する。
HA振分テーブルLB23Aは、移動端末のホームアドレス,転送先HAアドレス,冗長制御有無,スタンバイ系HAアドレスを対応付けて持つ。
移動端末のホームアドレスは、自装置がサポートする移動端末2のホームアドレスを示す。
転送先HAアドレスは、移動端末2宛のパケットの転送を担当するホームエージェントの実アドレスを示す。即ち、移動端末2宛のパケットの転送先となる現用系HA3fの実アドレスを示す。また、転送先HAアドレスは、移動端末2から送信されたBUメッセージの転送先となる現用系HA3fの実アドレスを示す。
冗長制御有無は、"0"又は"1"の値を持ち、対応する転送先HAアドレスを持つ現用系HAについて冗長処理を行うか否かを示す。即ち、対応する転送先HAアドレスを持つ現用系HA3fに転送されるBUメッセージをスタンバイ系HA6fへコピー及び転送すべきか否かを示す。冗長制御有無は、"0"である場合、対応する転送先HAアドレスを持つ現用系HAについて冗長処理を行わないことを示す。一方、冗長制御有無は、"1"である場合、対応する転送先HAアドレスを持つ現用系HAについて冗長処理を行うことを示す。
スタンバイ系HAアドレスは、対応する転送先HAアドレスを持つ現用系HA3fについて冗長処理を実行するスタンバイ系HA6fの実アドレスを示す。また、対応する転送先HAアドレスを持つ現用系HA3fへ転送されるBUメッセージのコピーの送信先となるスタンバイ系HA6fの実アドレスを示す。
HA振分テーブル検索部LB24は、CPUやRAM等を用いて構成される。HA振分テーブル検索部LB24は、HA振分テーブル記憶部LB23が記憶するHA振分テーブルLB23Aを検索する。このとき、HA振分テーブル検索部LB24は、パケット種別識別部LB8から受け取ったパケットのヘッダに含まれる送信先アドレス、即ち移動端末2のホームアドレスを検索キーとして、HA振分テーブルLB23Aを検索する。そして、HA振分テーブル検索部LB24は、このパケットの転送先となるホームエージェントを決定し、このホームエージェントの実アドレスを取得する。HA振分テーブル検索部LB24は、受け取ったパケットと取得した実アドレスとをパケット情報書換処理部LB25へ渡す。
パケット情報書換処理部LB25は、CPUやRAM等を用いて構成される。パケット情報書換処理部LB25は、受け取ったパケットのヘッダを、通知された実アドレス宛に書き換える。そして、パケット情報書換処理部LB25は、このパケットを出方路決定部LB13へ渡す。
ルーティングテーブル記憶部LB12は、RAM等の記憶装置を用いて構成される。ルーティングテーブル記憶部LB12は、ルーティングテーブルを記憶する。このルーティングテーブルは従来から使用される技術であるため、説明を省く。
出方路決定部LB13は、CPUやRAM等を用いて構成される。出方路決定部LB13は、ルーティングメッセージ処理部LB17,冗長制御部LB18,パケット情報書換処理部LB25のいずれかからパケットを受け取る。出方路決定部LB13は、ルーティングテーブル記憶部LB12が記憶するルーティングテーブルを参照することにより、受け取ったパケットの出方路を決定する。出方路決定部LB13は、決定した出方路を送信部LB14へ通知する。また、出方路決定部LB13は、受け取ったパケットを送信部LB14へ渡す。
送信部LB14は、通信制御装置を用いて構成される。送信部LB14は、出方路決定部LB13から渡されたパケットを、通知された出方路へ対し送出する。
メッセージ処理部LB19は、CPUやRAMやタイマ等を用いて構成される。メッセージ処理部LB19は、メッセージ種別判定部LB15,モバイルメッセージ処理部LB16,ルーティングメッセージ処理部LB17,及び冗長制御部LB18を含む。
メッセージ種別判定部LB15は、CPUやRAM等を用いて構成される。メッセージ種別判定部LB15は、受信されたパケットがBUメッセージか否かを判断する。メッセージ種別判定部LB15は、受信されたパケットがBUメッセージを含む場合、このパケットをモバイルメッセージ処理部LB16へ渡す。一方、受信されたパケットがBUメッセージを含まない場合、メッセージ種別判定部LB15は、このパケットをルーティングメッセージ処理部LB17へ渡す。
モバイルメッセージ処理部LB16は、CPUやRAM等を用いて構成される。モバイルメッセージ処理部LB16は、BUメッセージを含むパケットに対する処理を実行する。具体的には、モバイルメッセージ処理部LB16は、BUメッセージのオプションヘッダから、このパケットの送信元である移動端末のホームアドレスを抽出する。モバイルメッセージ処理部LB16は、抽出したホームアドレスを検索キーとしてHA振分テーブルLB23Aを検索し、このBUメッセージを含むパケットの転送先となる現用系HA3fを決定する。
また、モバイルメッセージ処理部LB16は、決定した転送先となる現用系HA3fについて冗長制御を行うか否かを判断する。モバイルメッセージ処理部LB16は、抽出したホームアドレスを検索キーとしてHA振分テーブルLB23Aを検索し、対応する冗長制御有無の値を読み出し、冗長制御を行うか否かを判断する。モバイルメッセージ処理部LB16は、決定した転送先となる現用系HA3fについて冗長制御を行う場合、抽出したホームアドレスを検索キーとしてHA振分テーブルLB23Aを検索し、対応するスタンバイ系HAアドレスを読み出す。そして、モバイルメッセージ処理部LB16は、このBUメッセージを含むパケットを、読み出したスタンバイ系HA6f宛にコピーし送信する。
また、モバイルメッセージ処理部LB16は、このBUメッセージを含むパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスを、決定した転送先となる現用系HA3fの実アドレスに書き換え送信する。
ルーティングメッセージ処理部LB17は、CPUやRAM等を用いて構成される。ルーティングメッセージ処理部LB17は、メッセージ種別判定部LB15から、BUメッセージを含まないパケットを受け取る。そして、ルーティングメッセージ処理部LB17は、このパケットに含まれるメッセージ(その他のメッセージ)についての処理を実行する。
冗長制御部LB18は、CPUやRAMやタイマ等を用いて構成される。冗長制御部LB18は、モバイルメッセージ処理部LB16からパケットを受け取る。また、冗長制御部R18は、不図示の現用系監視タイマとエコーリプライ待ちタイマとを備える。
現用系監視タイマは、冗長制御部LB18によって起動され、一定時間が経過すると現用系監視トリガを発生する。現用系監視タイマは、HA負荷分散装置22が現用系HA3fの状態を調査する周期を計時する。このため、冗長制御部LB18は、現用系監視タイマが現用系監視トリガを発生すると、現用系HA3fに対してエコーリクエストメッセージを生成し送信する。
エコーリプライ待ちタイマは、冗長制御部LB18によって起動され、一定時間が経過するとタイムアウトトリガを発生する。エコーリプライ待ちタイマは、冗長制御部LB18が現用系HA3fに対して送信したエコーリクエストについてのタイムアウトを計時する。このため、冗長制御部LB18は、現用系HA3fからエコーリプライが受信されると、エコーリプライ待ちタイマを停止し、現用系監視タイマを起動する。また、冗長制御部LB18は、エコーリプライ待ちタイマがタイムアウトトリガを発生すると、現用系HA3fに異常が発生したと判断する。この場合、冗長制御部LB18は、HA振分テーブルLB23Aにおいて、転送先HAアドレスの値が現用系HA3fのアドレスであるエントリを検索する。そして、冗長制御LB18は、検索された各エントリにおいて、設定されているスタンバイ系HA6fのアドレスを、転送先HAアドレスの値として設定する。このとき、冗長制御LB18は、検索された各エントリの冗長制御有無の値を"0"に書き換える。
〔〔動作例〕〕
〈HA負荷分散装置〉
図26,27は、第六実施形態におけるHA負荷分散装置22の動作例を示すフローチャートである。図26,27を用いてHA負荷分散装置22の動作例について説明する。
受信部LB7がパケットパケットを受信すると(S71:図26参照)、パケット種別識別部LB8は受信されたパケットのパケット情報を抽出し参照する(S72)。パケット種別識別部LB8は、パケット情報に含まれる送信先アドレスがホームエージェントの代表アドレスか否かを判断する(S73)。
送信先アドレスがホームエージェントの代表アドレスではない場合(S73−No)、パケット種別識別部LB8は、この送信先アドレスのNPが、自装置(HA負荷分散装置22)がサポートする移動端末2のホームアドレスのNPと同じであるか否かを判断する(S74)。
送信先アドレスのNPが、サポートする移動端末2のホームアドレスのNPと異なる場合(S74−No)、パケット種別識別部LB8は、自装置が冗長制御を行うように設定されているか否かを判断する(S75)。
自装置が冗長制御を行うように設定されていない場合(S75−No)、出方路決定部LB13は、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスとルーティングテーブル記憶部LB12の内容とに基づいて、パケットの出方路を決定する(S76)。そして、送信部LB14は、決定された出方路に対してパケットを送出し(S77)、処理が終了する(S78)。
自装置が冗長制御を行うように設定されている場合(S75−Yes)、パケット種別識別部LB8は、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスがスタンバイ系HA6f
のアドレスであるか否かを判断する(S79)。
このパケットのヘッダに含まれる送信元アドレスがスタンバイ系HA6fのアドレスである場合(S79−Yes)、パケット種別識別部LB8は、このパケットを廃棄し(S80)、処理を終了する(S81)。
一方、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレスがスタンバイ系HA6fのアドレスでない場合(S79−No)、このパケットについてS76〜S78の処理が実行される。
送信先アドレスのNPが、サポートする移動端末2のホームアドレスのNPと同じである場合(S74−Yes)、HA振分テーブル検索部LB24は、このパケットのヘッダに含まれる送信先アドレス、即ち移動端末2のホームアドレスを検索キーとして、HA振分テーブルLB23Aを検索する。そして、HA振分テーブル検索部LB24は、このパケットの転送先となるホームエージェントを決定する(S82)。パケット情報書換処理部LB25は、検索結果に基づいて転送処理を行う(S83)。即ち、パケット情報書換処理部LB25は、検索結果に基づいて、このパケットのヘッダを書き換えるそして、このパケットについてS76〜S78の処理が実行される。
送信先アドレスがホームエージェントの代表アドレスである場合(S73−Yes)、メッセージ種別判定部LB15は、受信されたパケットがMIP6制御メッセージか否かを判定する(S84)。
受信されたパケットがMIP6制御メッセージを含まない場合(S84−No)、ルーティングメッセージ処理部LB17は、そのパケットに含まれるメッセージ(その他のメッセージ)についての処理を実行する(S85)。そして、処理が終了する(S78)。
受信されたパケットがMIP6制御メッセージを含む場合(S84−Yes)、メッセージ種別判定部LB15は、このパケットがBUメッセージを含むか否かを判断する(S86)。
受信されたパケットがBUメッセージを含まない場合(S86−No)、ルーティングメッセージ処理部LB17は、そのパケットに含まれるメッセージ(その他のメッセージ)についての処理を実行する(S85)。そして、処理が終了する(S78)。
受信されたパケットがBUメッセージを含む場合(S86−Yes)、モバイルメッセージ処理部LB16は、BUメッセージのオプションヘッダから、ホームアドレスを抽出する(S87)。モバイルメッセージ処理部LB16は、抽出したホームアドレスを検索キーとしてHA振分テーブルLB23Aを検索し、このパケットの転送先となる現用系HA3fを決定する(S88)。ここで、モバイルメッセージ処理部LB16は、決定した転送先となる現用系HA3fについて冗長制御を行うか否かを判断する(S89)。
決定した転送先となる現用系HA3fについて冗長制御を行う場合(S89)、モバイルメッセージ処理部LB16は、このパケット(BUメッセージを含む)を、この現用系HA3fに対応するスタンバイ系HA6f宛にコピーし送信する(S90)。
一方、決定した転送先となる現用系HA3fについて冗長制御を行わない場合(S89−No)、及びS90の処理の後、モバイルメッセージ処理部LB16は、受信されたパケット(BUメッセージを含む)のヘッダに含まれる送信先アドレスを、決定した転送先となる現用系HA3fの実アドレスに書き換え送信する(S91)。
また、現用系監視タイマが現用系監視トリガを発生すると、即ち一定時間が経過すると(S92:図27参照)、冗長制御部LB18は現用系HA3fに対してエコーリクエストメッセージを生成し送信する(S93)。冗長制御部LB18は、エコーリプライ待ちタイマを起動し(S94)、処理を終了する(S95)。
また、S93におけるエコーリクエストに対するエコーリプライが受信されると(S96)、冗長制御部LB18は、エコーリプライ待ちタイマを停止する(S97)。そして、冗長制御部LB18は、現用系監視タイマを起動し(S98)、処理を終了する(S99)。
エコーリプライ待ちタイマがタイムアウトトリガを発生すると(S100)、冗長制御部LB18は、現用系HA3fに異常が発生したと判断する(S101)。この場合、冗長制御部LB18は、HA振分テーブルLB23Aにおいて、転送先HAアドレスの値が現用系HA3fのアドレスであるエントリを検索する。そして、冗長制御LB18は、検索された各エントリにおいて、設定されているスタンバイ系HA6fのアドレスを、転送先HAアドレスに設定する。このとき、冗長制御LB18は、検索された各エントリの冗長制御有無の値を"0"に書き換える(S102)。そして、処理が終了する(S103)。
〔〔作用・効果〕〕
本発明の第六実施形態によれば、HA負荷分散装置22のモバイルメッセージ処理部LB16は、BUメッセージを含むパケットを受け取ると、BUメッセージのオプションヘッダに含まれる移動端末P2のホームアドレスを検索キーとして、HA振分テーブルLB23Aを検索する。この検索によって、モバイルメッセージ処理部LB16は、このBUメッセージを送信すべき現用系HA3fとスタンバイ系HA6fとの実アドレスを取得する。そして、モバイルメッセージ処理部LB16は、取得した現用系HA3fとスタンバイ系HA6fに対し、BUメッセージを含むパケットを転送する。
このため、BCテーブルを、現用系HA3fとスタンバイ系HA6fとの間でバースト的に通信する必要が無い。従って、BCテーブルの同期を容易に図ることが可能となる。同時に、スタンバイ系HA6fにおいて、現用系への引き継ぎを従来の技術に比べて素早く簡便に行うことが可能となり、サービス中断時間の短縮を図ることができる。
また、パケット種別識別部LB8は、受信されたパケットがスタンバイ系HA6fから移動端末2へ送信されたBAメッセージを含むパケットである場合、このパケットを廃棄する。
このため、移動端末2は、自身が送信したBUメッセージに対するBAメッセージを、現用系HA3fとスタンバイ系HA6fとから重複して受信することが回避される。また、スタンバイ系HA6fは、現用系HA3fと同様にBAメッセージを送信したとしても、このBAメッセージはHA負荷分散装置22で廃棄されるため、自身がスタンバイ系HA6fであることを意識する必要がない。従って、従来のホームエージェントをそのままパケット中継システム1eに用いることができ、パケット中継システム1eの構築に要する時間や費用を削減することが可能である。
〔〔変形例〕〕
第二実施形態から第四実施形態の構成を、第六実施形態に適用しても良い。即ち、モバイルメッセージ処理部LB16は、BUメッセージをコピーしスタンバイ系HA6fへ転送する際に、優先フラグ,統計情報,閾値などに基づいて、転送すべきか否かを選択する(絞り込む)ように構成されても良い。
また、移動端末2毎に優先度を設け、同時に優先度に対応した現用系HA3fを複数台備えるように構成されても良い。この場合、現用系HA3fは、優先度に応じて、スタンバイ系HA6fを1対1で備えたり、複対1で備えたり、スタンバイ系HA6fを備えないように構成される。そして、HA負荷分散装置22は、移動端末2から送信されたBUメッセージや移動端末2宛のパケットを転送する現用系HA3fを、優先度に応じて選択する。
また、この優先度に応じて、性能の異なるホームエージェントを割り当てるように構成されても良い。
また、優先度に応じて移動端末2へ提供されるサービスのリソースを制限するように構成されても良い。
〔その他〕
本発明は、以下のように特定することができる。
(付記1)第一のアドレスと第二のアドレスとを有する移動端末から送信される第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けた登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段と、前記登録要求を予備系中継装置に転送する登録要求転送手段とを備える現用系中継装置と、
前記現用系中継装置が備える記憶手段及び一般データ転送手段に加え、前記現用系中継装置の状態を監視する監視手段と、前記監視手段が前記現用系中継装置に障害が発生したと判断した場合に自装置を現用系に切り替える切り替え手段とを備える予備系中継装置と
を備える中継システム。
(付記2)前記現用系中継装置は、前記登録要求に対する登録応答を移動端末に対し送信する登録応答送信手段をさらに備え、
前記予備系中継装置は、前記登録要求に対する登録応答の送信をしない応答中止手段をさらに備える
付記1に記載の中継システム。
(付記3)前記監視手段は、ICMPを用いて前記現用系中継装置の状態を監視する付記1又は2に記載の中継システム。
(付記4)前記登録要求転送手段は、現用系中継装置で受信される登録要求の一部を予備系中継装置に転送する付記1〜3のいずれかに記載の中継システム。
(付記5)前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた優先値をさらに記憶し、
前記登録要求転送手段は、前記登録要求が含む第一のアドレス及び/又は第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する優先値の値に応じて登録要求の転送処理を制御する付記1〜3のいずれかに記載の中継システム。
(付記6)前記登録要求転送手段は、前記優先値の値に応じて、登録要求を転送するか否かを制御する付記5に記載の中継システム。
(付記7)前記登録要求転送手段は、前記優先値の値に応じて、登録要求を受信する度に転送するか、又は複数回の受信に対して1回の転送を行うかを制御する付記5又は6に記載の中継システム。
(付記8)前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた統計情報をさらに記憶し、
前記現用系中継装置は、前記移動端末と自装置との間で行われる通信についての統計情報を収集し前記記憶手段に記憶させる統計情報収集手段をさらに備え、前記登録要求転送手段は、前記登録要求が含む第一のアドレス及び/又は第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する統計情報の値に応じて登録要求の転送処理を制御する付記1〜3のいず
れかに記載の中継システム。
(付記9)前記登録要求転送手段は、前記統計情報の値に応じて、登録要求を転送するか否かを制御する付記8に記載の中継システム。
(付記10)前記登録要求転送手段は、前記統計情報の値に応じて、登録要求を受信する度に転送するか、又は複数回の受信に対して1回の転送を行うかを制御する付記8又は9に記載の中継システム。
(付記11)前記現用系中継装置は、自装置の負荷情報を取得する負荷情報取得手段をさらに備え、
前記登録要求転送手段は、さらに負荷情報取得手段が取得する負荷情報に基づいて登録要求の転送処理を制御する付記5〜10のいずれかに記載の中継システム。
(付記12)第一のアドレスと第二のアドレスとを有する移動端末から送信される第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けた登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段と、前記記憶手段が記憶する第二のアドレスのみを予備系中継装置に送信するアドレス送信手段とを備える現用系中継装置と、
前記現用系中継装置が備える記憶手段及び一般データ転送手段に加え、前記現用系中継装置から受信した第二のアドレスを前記記憶手段に登録する登録手段と、前記現用系中継装置の状態を監視する監視手段と、前記監視手段が前記現用系中継装置に障害が発生したと判断した場合に自装置を現用系に切り替える切り替え手段と、前記切り替え手段が切り替えを実行する際に前記記憶手段が記憶する第二のアドレスに対し登録要求の送信を要求する送信要求を送信する送信要求手段とを備える予備系中継装置と
を備える中継システム。
(付記13)前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた優先値をさらに記憶し、
前記アドレス送信手段は、前記第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する優先値の値に応じて送信処理を制御する付記12に記載の中継システム。
(付記14)前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた統計情報をさらに記憶し、
前記現用系中継装置は、前記移動端末と自装置との間で行われる通信についての統計情報を収集し前記記憶手段に記憶させる統計情報収集手段をさらに備え、前記アドレス送信手段は、前記第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する統計情報の値に応じて前記第二のアドレスの送信処理を制御する付記12に記載の中継システム。
(付記15)前記現用系中継装置は、自装置の負荷情報を取得する負荷情報取得手段をさらに備え、
前記アドレス送信手段は、さらに負荷情報取得手段が取得する負荷情報に基づいて制御する付記13又は14に記載の中継システム。
(付記16)前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた優先値をさらに記憶し、
前記アドレス送信手段は、前記第二のアドレスに加えてさらにこの第二のアドレスに対応付けて前記記憶手段が記憶する優先値の値を送信し、
前記登録手段は、前記第二のアドレスに対応付けて前記優先値の値を前記記憶手段にさらに登録し、
前記送信要求手段は、前記第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する優先値の値に応じて送信要求の送信処理を制御する付記12に記載の中継システム。
(付記17)前記記憶手段は、第一のアドレス及び第二のアドレスに対応付けた統計情報をさらに記憶し、
前記現用系中継装置は、前記移動端末と自装置との間で行われる通信についての統計情報を収集し前記記憶手段に記憶させる統計情報収集手段をさらに備え、前記アドレス送信手段は、前記第二のアドレスに加えてさらにこの第二のアドレスに対応付けて前記記憶手段
が記憶する統計情報を送信し、
前記登録手段は、前記第二のアドレスに対応付けて前記統計情報を前記記憶手段にさらに登録し、
前記送信要求手段は、前記第二のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する統計情報に応じて送信要求の送信処理を制御する付記12に記載の中継システム。
(付記18)第一のアドレスと第二のアドレスとを有する移動端末から送信される第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けた登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段とを備える現用系中継装置及び予備系中継装置と、
前記移動端末の第一のアドレスと前記現用系中継装置及び前記予備系中継装置のアドレスとを対応付けて記憶する振分記憶手段と、受信した登録要求が含む第一のアドレスと対応付けて前記記憶手段が記憶する前記現用系中継装置及び前記予備系中継装置へこの登録要求を転送する登録要求転送手段とを備える振分装置と
を備える中継システム。
(付記19)前記現用系中継装置及び前記予備系中継装置は、前記登録要求に対する登録応答を移動端末に対し送信する登録応答送信手段をさらに備え、
前記振分装置は前記予備系中継装置から送信された前記登録応答を廃棄する廃棄手段をさらに備える
付記18に記載の中継システム。
(付記20)前記振分記憶手段は前記第一のアドレスに対応付けた優先値をさらに記憶し、
前記登録要求転送手段は、前記登録要求が含む第一のアドレスと対応付けて前記振分記憶手段が記憶する優先値の値に応じて登録要求の転送処理を制御する付記18又は19に記載の中継システム。
(付記21)前記第一のアドレスは、前記現用系中継装置及び前記予備系中継装置が位置するネットワークにおいて前記移動端末により使用されるアドレスであり、前記第二のアドレスは、前記現用系中継装置及び前記予備系中継装置が位置するネットワークとは異なるネットワークにおいて前記移動端末により使用されるアドレスである付記1〜20のいずれかに記載の中継システム。
(付記22)第一のアドレスと第二のアドレスとを有する移動端末から送信される第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けた登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、
一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段と、
前記登録要求を予備系中継装置に転送する登録要求転送手段と、
を備える現用系中継装置
(付記23)移動端末が有する第一のアドレスと第二のアドレスとを含む登録要求を現用系中継装置から受信する受信手段と、
受信された登録要求に基づいて第一のアドレスと第二のアドレスとを対応付けて記憶する記憶手段と、
一般データを前記記憶手段が前記第一のアドレスに対応づけて記憶する第二のアドレスに対して転送する一般データ転送手段と、
現用系中継装置の状態を監視する監視手段と、
前記監視手段が前記現用系中継装置に障害が発生したと判断した場合に自装置を現用系に切り替える切り替え手段と、
を備える予備系中継装置。
(付記24)現用系HAは位置登録メッセージを受けると制御テーブルを更新すると共に、予備系HAへ位置登録メッセージを転送し、予備系HAは位置登録メッセージを受けてバックアップ用の制御テーブルを更新することを特徴とするネットワークシステム。
第一実施形態におけるパケット中継システムの概要を示す図である。 第一実施形態における現用系HAのブロック図である。 第一実施形態におけるBCテーブルの例を示す図である。 第一実施形態におけるスタンバイ系HAのブロック図である。 第一実施形態における現用系HAの動作例を示すフローチャートである。 第一実施形態におけるスタンバイ系HAの動作例を示すフローチャートである。 第一実施形態におけるスタンバイ系HAの動作例を示すフローチャートである。 第二実施形態におけるBCテーブルの例を示す図である 第二実施形態における現用系HAの動作例を示すフローチャートである。 第三実施形態における現用系HAのブロック図である。 第三実施形態におけるBCテーブルの例を示す図である。 第三実施形態における現用系HAの動作例を示すフローチャートである。 第四実施形態における現用系HAのブロック図である。 第四実施形態における現用系HAの動作例を示すフローチャートである。 第五実施形態におけるパケット中継システムの概要を示す図である。 第五実施形態における現用系HAのブロック図である。 第五実施形態におけるスタンバイ系HAのブロック図である。 第五実施形態におけるBCテーブルの例を示す図である。 第五実施形態における現用系HAの動作例を示すフローチャートである。 第五実施形態におけるスタンバイ系HAの動作例を示すフローチャートである。 第五実施形態におけるスタンバイ系HAの動作例を示すフローチャートである。 HA負荷分散装置の概要を示す図である。 第六実施形態におけるパケット中継システムの概要を示す図である。 第六実施形態におけるHA負荷分散装置のブロック図である。 第六実施形態におけるHA振分テーブルの例を示す図である。 第六実施形態におけるHA負荷分散装置の動作例を示すフローチャートである。 第六実施形態におけるHA負荷分散装置の動作例を示すフローチャートである。 従来技術によるMobileIPv6を用いたシステムの概要を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c,1d,P1 パケット中継システム
2,P2 移動端末
P3 ホームエージェント
3,3a,3b,3c,3d,3f 現用系HA
4,P4 ホームリンク
5,P5 外部リンク
P6 ネットワーク
6,6d,6f スタンバイ系HA
7,R7,LB7 受信部
8,R8,LB8 パケット種別識別部
9,9a,9b,R9,R9d バインディングキャッシュ
9A,9B,9C,R9A,R9D BCテーブル
10,R10 BC検索部
11,R11 カプセル化処理部
12,R12,LB12 ルーティングテーブル記憶部
13,R13,LB13 出方路決定部
14,R14,LB14 送信部
15,R15,R15d,LB15 メッセージ種別判定部
16,R16,LB16 モバイルメッセージ処理部
17,R17,LB17 ルーティングメッセージ処理部
18,18a,18b,18c,18d,R18,R18d,LB18 冗長制御部
19,19a,19b,19c,19d,R19,R19d,LB19 メッセージ処理部
20 統計情報収集部
21 負荷モニタ部
22 HA負荷分散装置
LB23 HA振分テーブル記憶部
LB23A HA振分テーブル
LB24 HA振分テーブル検索部
LB25 パケット情報書換処理部
26 ネットワーク

Claims (1)

  1. 第一のアドレス、第二のアドレスが割り当てられた移動端末から送信される該第一のアドレス及び該第二のアドレスを含む登録要求に応じて該第一のアドレスと該第二のアドレスの対応関係を記憶し、記憶した該対応関係に応じて、該移動端末に関する転送制御を行う第一の中継装置と第二の中継装置を備えた通信システムにおいて、
    前記第一の中継装置は、前記登録要求の受信により取得した前記第一のアドレスと前記第二のアドレスのうち該第二のアドレスを予備系の中継装置に対する送信が可能な送信部を備え、
    前記第二の中継装置は、
    前記第一の中継装置の障害の状態を監視する監視手段と、
    前記監視手段が前記第一の中継装置の障害を検出したとき、該第一の中継装置から受信した前記第二のアドレス宛に対して前記第一のアドレスの送信を要求する要求部と、
    前記要求に応じて前記移動端末から受信した前記第一のアドレスと、前記第二のアドレスを対応づけて記憶する記憶部と、
    を備えたことを特徴とする通信システム。
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