以下、本発明に係るハイブリッド車両の表示装置の実施形態について、図1〜図6を参照して説明を行う。なお、ここでは、ハイブリッド車両を例示して説明を行うが、外部からの商用電源で駆動用のバッテリを充電可能なプラグインハイブリッド車両であっても良い。
[実施例1]
図1は、ハイブリッド車両を説明するブロック図である。また、図2は、本実施例のハイブリッド車両の表示装置を示す図である。
本実施例において、ハイブリッド車両(以降、車両)10は、走行用の駆動力源として、モータ11(電動機)とエンジン12(内燃機関)とを有している。モータ11は、前輪又は後輪を駆動する構成としても良いし、モータ11を複数設けて、前輪及び後輪を各々駆動する構成としても良い。また、エンジン12も、前輪又は後輪を駆動する構成としても良いし、前輪及び後輪を駆動する構成としても良い。また、車両10は、エンジン12により駆動されて発電を行うジェネレータ(図示省略)を有していても良い。
この車両10は、その走行モードとして、エンジン12を停止させて、モータ11を用いて駆動輪を駆動する第1モードと、エンジン12を作動させて、例えば、モータ11及びエンジン12で駆動輪を駆動する第2モードとを有している。
また、車両10は、ECU(Electronics Control Unit)20を有しており、ECU20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力回路などからなる。
そして、モータ11からの信号値(モータ回転数、モータ出力など)やエンジン12からの信号値(オン/オフ、エンジン回転数、エンジン出力など)がECU20に入力される。また、モータ11に電力を供給する駆動用のバッテリ13からの信号値(SOC(State of Charge)や電池出力など)、車速を検出する車速センサ14の信号値、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15の信号値などもECU20に入力される。このECU20は、入力された信号値に基づいて演算処理を行い、演算処理された演算値が表示装置30Aに入力される。
表示装置30Aは、上述した第1モード及び第2モードにおける車両10の走行に関する出力(以降、走行出力)を表示する指針式の計器であり、所謂、メータである。表示装置30Aとしては、機械式のアナログメータや液晶パネルなどからなるデジタルメータなどを使用可能である。
図2に示すように、表示装置30Aは、第1領域31A(第4領域33Aを含む)及び第2領域32Aが配置されると共に第3領域34Aが配置された円形状の計器板35(表示領域)と、計器板35上に回動可能に設けられた1本の指針36とを有している。この指針36は、ECU20から入力された演算値に対応する位置を指し示すものであり、この針1本で、第1モード及び第2モードにおける車両10の走行出力を表示している。
第1領域31Aは、エンジン12を停止させてモータ11を用いて走行するとき、つまり、第1モードのときの指針36の作動領域であり、第1モードでの走行出力を示す目盛領域である。この第1領域31Aは、計器板35上の外周部分において、12時位置(計器板35の最上位置T)を0°=360°とすると、約270°から約30°(9時から1時)の位置の間に扇状又は円弧状に配置されており、第4領域33Aを除いた領域は、約270°から0°(9時から12時)の位置の間に扇状又は円弧状に配置されている。また、0°(12時)の位置には、区分線L1が配置されており、この区分線L1は、第1モードにおいて、エンジン12が始動する可能性のない限界の位置を示している。なお、以降においては、方位の表現として、時計の時刻か、又は、12時位置を0°(=360°)とする角度のいずれか一方又は両方を用いる。
第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域の目盛は、第1モードでの走行出力を示す目盛であり、指針36は、9時から12時の位置の間において、上記走行出力に対応する位置を指し示している。この「第1モードでの走行出力」としては、例えば、バッテリ13の電池出力、車速センサ14で検出した車速、アクセル開度センサ15で検出したアクセル開度、モータ11のモータ回転数、モータ出力などが使用可能である。
上述した第1モードでの走行出力は、運転者が選択可能な構成にしても良い。例えば、表示装置30Aに選択スイッチ(図示省略)を設け、この選択スイッチを操作することにより、上述した走行出力の中から1つの走行出力を選択するようにすれば良い。
例えば、電池出力を選択した場合には、エンジン12を始動する可能性がない限界の電池出力が区分線L1の位置となり、指針36は現在の電池出力の位置を指し示すことになる。また、車速を選択した場合には、エンジン12を始動する可能性がない限界の車速が区分線L1の位置となり、指針36は現在の車速の位置を指し示すことになる。また、アクセル開度を選択した場合には、エンジン12を始動する可能性がない限界のアクセル開度が区分線L1の位置となり、指針36は現在のアクセル開度の位置を指し示すことになる。また、統合的な走行出力として、後述の実施例2で説明するバッテリ13の出力の余裕度を選択した場合には、エンジン12を始動する可能性がない限界の余裕度が区分線L1の位置となり、指針36は現在の余裕度の位置を指し示すことになる。
第4領域33Aは、エンジン12を始動させる複数の条件が成立して、エンジン12が始動する可能性が高まったとき、つまり、第1モードから第2モードへ移行する可能性があるときの指針36の作動領域であり、エンジン12が始動する可能性がある走行出力を示す目盛領域である。この第4領域33Aは、計器板35上の外周部分において、0°から約30°の位置(12時位置、即ち、最上位置Tから1時位置)の間に扇状又は円弧状に配置されている。約30°の位置(1時位置)には、区分線L2が配置されており、この区分線L2は、当該区分線L2を越えると、エンジン12が始動することになる位置を示している。この第4領域33Aは、第1領域31A内において、第3領域34Aに対して反時計方向に隣接する箇所に配置されている。
第4領域33Aの目盛も、第1モードでの走行出力を示す目盛であるが、第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域の範囲内の走行出力を超えた走行出力、つまり、区分線L1を超えた走行出力を示す目盛であり、指針36は、12時から1時の位置の間において、上記走行出力に対応する位置を指し示している。
第4領域33Aにおいては、上述したように、エンジン12が始動する可能性があるが、始動する際の走行出力は、状況に応じて様々であり、ある程度の範囲がある。例えば、指針36の動きは、駆動用のバッテリ13の最大出力に左右され、この最大出力は、回生などにより充電が行われたら増加し、また、放電状態が続いていれば、その経過時間に伴って低下する。このような最大出力の変化により、エンジン12が始動する際の指針36の位置が変動し得る。第4領域33Aは、エンジン12が始動する可能性がある走行出力の範囲を吸収するため、周方向において、所定の幅(ここでは、角度30°の幅)を持って設けられており、この所定の幅は、始動する可能性がある走行出力の範囲に対応している。
上述したような第4領域33Aを設けることにより、エンジン12が始動する可能性があるモードを第4領域33Aで示すことができる。つまり、エンジン12は、電池の最大出力などの所定条件に関わらず、第4領域33A内の任意の箇所で始動することになる。この結果、車両10の走行状態が分かり易くなり、走行出力を運転者が正しく把握することができ、意図する運転が実現し易くなる。また、第4領域33Aを含む第1領域31Aは、予め定められた所定の範囲に配置されており、特許文献1に示された弓形領域6のように変動することはなく、このことも、車両10の走行状態の分かり易さに寄与している。
また、第4領域33Aの周方向における幅は、第2領域32Aの主目盛の一区間の周方向における幅とは異なり、この幅よりも広く、30°以上の範囲としている。ここで、第2領域32Aにおいて、主目盛の一区間の周方向における幅とは、太く長めの線で示した主目盛の隣接するもの同士の間の幅のことである。ここでは、目盛用の数字(以降、目盛数字)が表記してあるので、目盛数字を用いて説明すると、例えば、目盛数字「0」の主目盛と目盛数字「2」の主目盛との間の幅のことである。これにより、エンジン12が始動する可能性のある範囲を適切に確保することができると共に、当該領域での指針36の動きについて、運転者に違和感を与えることはない。
また、第4領域33Aは、その始点が12時の位置(計器板35の最上位置T)であり、そこから右側に配置されている。即ち、第4領域33Aは、12時を境界として、第2モードを示す第2領域32Aと同じ側に設けている。そのため、12時から右側は、エンジン12が始動する又は作動しているという感覚を運転者に与えることができ、車両状態を把握することが容易となり、操作性も向上する。
第2領域32Aは、エンジン12を作動させて走行するとき、つまり、第2モードのときの指針36の作動領域であり、第2モードでの走行出力を示す目盛領域である。この第2領域32Aは、計器板35上の外周部分において、約45°から約130°の位置の間に扇状又は円弧状に配置されている。このように、第2領域32Aも、予め定められた所定の範囲に配置されている。また、第2領域32Aは、複数の主目盛(太く長めの線)と、主目盛間に配置した複数の副目盛(細く短めの線)とを有している。
第2領域32Aの目盛は、第2モードでの走行出力を示す目盛であり、指針36は、約45°から約130°の位置の間において、上記走行出力に対応する位置を指し示している。この「第2モードでの走行出力」としては、例えば、エンジン12のエンジン回転数やエンジン出力などが使用可能である。更には、モータ11に関する走行出力を含んでも良く、その場合、モータ出力とエンジン出力の合計出力や車両10の駆動軸の軸出力などを使用可能である。
上述した第2モードでの走行出力も、運転者が選択可能な構成にしても良い。例えば、表示装置30Aに別の選択スイッチ(図示省略)を設け、この選択スイッチを操作することにより、上述した走行出力の中から1つの走行出力を選択するようにすれば良い。
例えば、エンジン回転数を選択した場合には、指針36は現在のエンジン回転数の位置を指し示すことになる。また、エンジン出力を選択した場合には、指針36は現在のエンジン出力の位置を指し示すことになる。また、合計出力を選択した場合には、指針36は現在の合計出力の位置を指し示すことになる。また、軸出力を選択した場合には、指針36は現在の軸出力の位置を指し示すことになる。
第2領域32Aの目盛には、目盛数字が表記してあり、約45°の位置を「0」とし、時計回りに目盛数字を大きくして、約130°の位置を「10」としている。一方、第4領域33Aを含む第1領域31Aには目盛数字は表記していない。ここでは、第1領域31Aに目盛数字の表記がないので、それらの目盛の表記もなくて良く、例えば、円弧だけでも良い。
このように、第1領域31Aと第2領域32Aとのうちのいずれか一方に目盛数字が表記されているので、第1領域31Aと第2領域32Aとが異なる走行出力を示すメータであることを、運転者が容易に理解することができる。この結果、車両10の走行状態を容易に把握することができる。また、第2領域32Aに目盛数字を表記しているので、第2モードでの走行出力、つまり、エンジン出力に関する走行出力を数字で確認でき、これにより、運転者に対するエコドライブの意識付けを促進することができる。
また、第2領域32Aの始点(「0」の目盛数字に位置)を12時の位置よりも右側に配置しており、第2モードを示す第2領域32Aの周方向における幅を、第4領域33Aを含む第1領域31Aの周方向における幅より、狭く見せることで、運転者に対するエコドライブの意識付けを促進するようにしている。
第3領域34Aは、第1領域31A及び第2領域32Aとは異なる表示形態を有する。ここでは、第3領域34Aは、第1領域31A及び第2領域32Aのように領域内に目盛りは表示されておらず、空白領域とされている。この第3領域34Aは、第1領域31Aと第2領域32Aとを周方向において明確に区分けするために設けられた領域であり、第1領域31A内の第4領域33Aと第2領域32Aとの間に設けられ、12時の位置(最上位置T)から45°以内の範囲である約30°から約45°の位置の間に配置されている。
本実施例のように、第3領域34Aを空白とすることで、第1領域31Aと第2領域32Aとを周方向においてより明確に区分けすることが可能となり、運転者にとって現在の走行状態を認識させることがより容易になる。ひいては、運転者に対するエコドライブの意識付けも促進させることが可能となる。なお、第3領域34Aは、他の領域31A、32Aと異なる表示形態を有していれば良い。即ち、例えば、第3領域34Aのみ色付けが施されていてもよく、また、特有の模様が付されていても良い。
このように第3領域34Aを配置することにより、第3領域34Aが区切りになり、この第3領域34Aを境界として、左右の領域(第1領域31Aと第2領域32A)が異なる走行出力を示すメータであることを、運転者が容易に理解することができる。この結果、車両10の走行状態を容易に把握することができる。更に、第3領域34Aを12時の位置(最上位置T)から45°以内の範囲に配置することで、第1領域31Aと第2領域32Aの各々の表示範囲を適切に確保することが可能になる。即ち、例えば、第2領域32Aが他の領域(第1領域31A)に対して極端に狭くなったり広くなったりすることが抑制される。
また、第3領域34Aの周方向における幅は、第2領域32Aの主目盛の一区間の周方向における幅とは異なり、また、第4領域33Aの周方向における幅とも異なり、これらの幅よりも狭くしている。これにより、計器板35のスペースを有効活用すると共に、第3領域34Aを、第2領域32Aや第4領域33Aの一部と誤認識されることを防止することができる。
また、上述した区分線L1は、第1領域31A内において、第4領域33Aを除いた領域と第4領域33Aとの間を区分けしており、また、上述した区分線L2及び第3領域34Aは、第1領域31Aと第2領域32Aとの間を区分けすると共に第4領域33Aと第2領域32Aとの間を区分けしている。このようにして、第1領域31Aと第2領域32Aとを互いに独立して表示している。なお、区分けがより明確になるように、第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域、第4領域33A及び第2領域32Aを表示する色を各々異なるようにしても良い。例えば、第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域を緑色、第4領域33Aを黄色、第2領域32Aを赤色とすれば、運転者に対するエコドライブの意識付けを促進することができる。
また、上述した第1領域31A及び第2領域32Aは、各々、所定の範囲において扇状又は円弧状に配置されており、つまり、相似する扇形状又は円弧形状で所定の範囲に独立して配置されており、全体としても、扇状又は円弧状に配置されている。
上述した構成を有する表示装置30Aについて、車両10の運転操作に伴う指針36の動きを説明する。
車両10を運転者が発進させると、車両10は、まず、第1モードで走行を始める。そして、エンジン12が始動することがない走行出力である間は、指針36は、第1モードでの走行出力に応じて、第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域の範囲内を推移する。
そして、第1モードでの走行出力が区分線L1を超える走行出力になると、エンジン12が始動するまで、指針36は、第1モードでの走行出力に応じて、第4領域33Aの範囲内を推移する。そして、第1モードでの走行出力が、例えば、バッテリ13の最大出力を超えると、エンジン12は始動することになる。
そして、エンジン12が始動すると、指針36は、第4領域33Aから第2領域32Aへ飛ぶように移動し、第2モードでの走行出力に応じて、第2領域32Aの範囲内を推移する。この際、指針36は、第2領域32Aの始点である「0」の目盛数字の位置に移動して、一旦停止した後、それから、第2モードでの走行出力に応じた位置に移動するようにしても良い。これにより、第1モードから第2モードへ移行したことを、つまり、エンジン12が始動したことを運転者に示すことができる。その後は、エンジン12が停止するまで、指針36は、第2領域32Aの範囲内を推移する。
以上説明したように、表示装置30Aは、第1モードを示す第1領域31Aと第2モードを示す第2領域32Aとの間に第3領域34A(空白領域)を設けたので、第3領域34Aが第1領域31Aと第2領域32Aとの区切りになり、この第3領域34Aを境界として、第1領域31Aと第2領域32Aとが異なる走行出力を示すメータであることを、運転者が容易に理解することができる。
また、表示装置30Aは、エンジン12が始動することがないときの第1モードを、第1領域31A(特に、第4領域33Aを除いた領域)で示すことができ、運転者に第1モードで走行できることを明確に示すことができ、これにより、運転者は安心して第1モードでの走行を継続することができる。
そして、エンジン12が始動する可能性があるときの要求出力を第4領域33Aで示しているので、運転者にエンジン12が始動する可能性がある範囲を明確に示すことができる。従来は、エンジンが始動するタイミングの表示がピンポイントであり、しかも、変動していたので、運転者が意図しなくても、エンジンが始動する場合があった。一方、本実施例では、エンジン12が始動する可能性がある範囲として、第4領域33Aを示しているので、運転者は、この第4領域33Aと指針36との位置関係を把握して、車両10の操作を行うことができ、例えば、エンジン12を始動させたくなければ、アクセル開度などを操作して、指針36が第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域の範囲内へ戻るように操作すれば良い。
そして、エンジン12が始動した場合には、指針36が第4領域33Aから第2領域32Aへ移動するので、運転者はエンジン12が作動していることを認識することができる。
このような構成の表示装置30Aにより、車両10の走行状態が分かり易くなり、走行状態を運転者が正しく把握することができ、意図する運転がし易くなる。
[実施例2]
図3は、本実施例のハイブリッド車両の表示装置を示す図である。
本実施例の表示装置30Bも、第1モード及び第2モードにおけるハイブリッド車両の走行出力を表示する計器(メータ)であり、実施例1に示した表示装置30Aに代えて、図1に示した車両10に適用可能なものである。車両10の構成については、実施例1で説明した通りであるので、ここでは、その説明は省略する。
表示装置30Bも、第1領域31B(第4領域33Bを含む)及び第2領域32B配置されると共に第3領域34Bが配置された計器板35と、1本の指針36とを有している。計器板35及び指針36については、実施例1で説明したもので良いので、ここでは、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
そして、本実施例において、表示装置30Bにおける第1領域31B、第2領域32B、第4領域33B及び第3領域34Bは、目盛数字の配置位置の違いを除いて、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第1領域31A、第2領域32A、第4領域33A及び第3領域34Aと同等の構成である。
そのため、本実施例では、特に記載がない限り、表示装置30Bにおける第1領域31B、第2領域32B、第4領域33B及び第3領域34Bについては、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第1領域31A、第2領域32A、第4領域33A及び第3領域34Aと同じ機能を果たし、同じ効果を奏すると解釈する。従って、以降においては、重複する説明は省略し、実施例1との相違点について説明を行う。
本実施例において、第4領域33Bを含む第1領域31Bの目盛には、目盛数字が表記してあり、9時(約270°)の位置を「100」とし、時計回りに目盛数字を小さくして、1時(約30°)の位置を「0」としている。本実施例では、「第1モードでの走行出力」として、バッテリ13の出力の余裕度を用いており、上述した目盛数字の単位は%となる。このような余裕度は、バッテリ13のSOC、車速センサ14で検出した車速、アクセル開度センサ15で検出したアクセル開度、モータ11のモータ回転数、モータ出力などに基づいて、ECU20で演算すれば良い。ここでは、区分線L2は、エンジン12を必ず始動することになる余裕度0%の位置を示しており、区分線L1は、エンジン12を始動する可能性がない限界の余裕度(例えば、25%)の位置を示している。
本実施例では、上述したように、第1領域31Bの目盛には目盛数字が表記してあるが、第2領域32Bの目盛には目盛数字は表記していない。ここでは、第2領域32Bに目盛数字の表記がないので、その目盛の表記もなくて良く、例えば、円弧としても良い。
このように、第1領域31Bと第2領域32Bとのうちのいずれか一方に目盛数字が表記されているので、第1領域31Bと第2領域32Bとが異なる走行出力を示すメータであることを、運転者が容易に理解することができる。
[実施例3]
図4は、本実施例のハイブリッド車両の表示装置を示す図である。
本実施例の表示装置30Cも、第1モード及び第2モードにおけるハイブリッド車両の走行出力を表示する計器(メータ)であり、実施例1に示した表示装置30Aに代えて、図1に示した車両10に適用可能なものである。車両10の構成については、実施例1で説明した通りであるので、ここでも、その説明は省略する。
表示装置30Cも、第1領域31C(第4領域33Cを含む)及び第2領域32Cが配置されると共に第3領域34Cが配置された計器板35と、1本の指針36とを有している。計器板35及び指針36については、実施例1で説明したもので良いので、ここでも、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
そして、本実施例において、表示装置30Cにおける第1領域31C、第2領域32C、第4領域33C及び第3領域34Cは、配置範囲の違いを除いて、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第1領域31A、第2領域32A、第4領域33A及び第3領域34Aと同等の構成である。
そのため、本実施例では、特に記載がない限り、表示装置30Cにおける第1領域31C、第2領域32C、第4領域33C及び第3領域34Cについては、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第1領域31A、第2領域32A、第4領域33A及び第3領域34Aと同じ機能を果たし、同じ効果を奏すると解釈する。従って、以降においては、重複する説明は省略し、実施例1との相違点について説明を行う。
第1領域31Cは、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第1領域31Aと同等の構成である。ここでは、第1領域31Cは、計器板35上の外周部分において、約240°から0°(8時から12時)の位置の間に配置されており、第4領域33Cを除いた領域は、約240°から約330°の位置の間に配置されている。また、約330°(11時)の位置には、区分線L1が配置されている。
第4領域33Cも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第4領域33Aと同等の構成である。ここでは、第4領域33Cは、計器板35上の外周部分において、約330°から0°(11時から12時)の位置の間に配置されている。また、0°(12時)の位置には、区分線L2が配置されている。
第2領域32Cも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第2領域32Aと同等の構成である。ここでは、第2領域32Cは、計器板35上の外周部分において、約30°から約130°の位置の間に配置されている。
このように、第4領域33Cは、12時の位置から左側へ配置しており、第1モードを示す第1領域31Cは、第4領域33Cを含めて、12時の位置から左側に配置している。一方で、第2モードを示す第2領域32Cは、12時の位置よりも右側に配置しており、そのため、12時の位置から右側は、エンジン12が完全に作動しているという感覚を運転者に与えることができる。
第3領域34Cも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第3領域34Aと同等の構成である。ここでは、第3領域34Cは、0°から約30°(12時から1時)の位置の間に配置されている。
本実施例において、第3領域34Cの周方向における幅は、第4領域33Cの周方向における幅と同じであるが、第2領域32Cの主目盛の一区間の周方向における幅とは異なり、この幅よりも広くしている。これにより、第3領域34Cを、第2領域32Cの一部と誤認識されることを防止することができ、且つ、第1領域31C及び第4領域33Cと、第2領域32Cとの区分けも更に明確になる。
なお、本実施例においても、実施例2と同様に(図3に示した表示装置30B参照)、第2領域32Cの目盛数字に代えて、第4領域33Cを含む第1領域31Cに目盛数字を表記しても良い。例えば、表示装置30Bと同様に、余裕度(%)を表記する場合には、区分線L2の位置に「0」を、第1領域31Cの始点の位置(約240°の位置)に「100」を表記する。また、目盛数字の表記がない領域の目盛の表記はなくても良く、例えば、円弧としても良い。
[実施例4]
図5は、本実施例のハイブリッド車両の表示装置を示す図である。
本実施例の表示装置30Dも、第1モード及び第2モードにおけるハイブリッド車両の走行出力を表示する計器(メータ)であり、実施例1に示した表示装置30Aに代えて、図1に示した車両10に適用可能なものである。車両10の構成については、実施例1で説明した通りであるので、ここでも、その説明は省略する。
表示装置30Dも、第1領域31D(第4領域33Dを含む)及び第2領域32Dが配置されると共に第3領域34Dが配置された計器板35と、1本の指針36とを有している。計器板35及び指針36については、実施例1で説明したもので良いので、ここでも、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
そして、本実施例において、表示装置30Dにおける第1領域31D、第2領域32D、第4領域33D及び第3領域34Dは、配置範囲の違いを除いて、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第1領域31A、第2領域32A、第4領域33A及び第3領域34Aと同等の構成である。
そのため、本実施例では、特に記載がない限り、表示装置30Dにおける第1領域31D、第2領域32D、第4領域33D及び第3領域34Dについては、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第1領域31A、第2領域32A、第4領域33A及び第3領域34Aと同じ機能を果たし、同じ効果を奏すると解釈する。従って、以降においては、重複する説明は省略し、実施例1との相違点について説明を行う。
第1領域31Dは、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第1領域31Aと同等の構成である。ここでは、第1領域31Dは、計器板35上の外周部分において、約240°から330°(8時から11時)の位置の間に配置されており、第4領域33Dを除いた領域は、約240°から約300°の位置の間に配置されている。また、約300°(10時)の位置には、区分線L1が配置されている。
第4領域33Dも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第4領域33Aと同等の構成である。ここでは、第4領域33Dは、計器板35上の外周部分において、約300°から約330°(10時から11時)の位置の間に配置されている。また、約330°(11時)の位置には、区分線L2が配置されている。
第2領域32Dも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第2領域32Aと同等の構成である。ここでは、第2領域32Dは、計器板35上の外周部分において、0°から約130°の位置の間に配置されている。なお、ここでは、第2領域32Dの始点となる「0」の目盛数字は、12時の位置(最上位置T)に表記しており、第2領域32Dの周方向における幅は、第4領域33Dを含む第1領域31Dの周方向における幅より広くなっている。
このように、第4領域33Dは、12時の位置よりも左側に配置しており、第1モードを示す第1領域31Dは、第4領域33Dを含めて、12時の位置よりも左側に配置している。一方で、第2モードを示す第2領域32Dは、12時の位置から右側へ配置しており、そのため、12時の位置から右側は、エンジン12が作動しているという感覚を運転者に与えることができる。
第3領域34Dも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第3領域34Aと同等の構成である。ここでは、第3領域34Dは、約330°から0°(11時から12時)の位置の間に配置されている。
本実施例において、第3領域34Dの周方向における幅は、第4領域33Dの周方向における幅と同じであるが、第2領域32Dの主目盛の一区間の周方向における幅とは異なり、この幅よりも狭くしている。これにより、第3領域34Dを、第2領域32Dの一部と誤認識されることを防止することができ、且つ、第1領域31Dと第2領域32Dとの区分けも更に明確になる。
なお、本実施例においても、実施例2と同様に(図3に示した表示装置30B参照)、第2領域32Dの目盛数字に代えて、第4領域33Dを含む第1領域31Dに目盛数字を表記しても良い。例えば、表示装置30Bと同様に、余裕度(%)を表記する場合には、区分線L2の位置に「0」を、第1領域31Dの始点の位置(約240°の位置)に「100」を表記する。また、目盛数字の表記がない領域の目盛の表記はなくても良く、例えば、円弧としても良い。
[実施例5]
図6は、本実施例のハイブリッド車両の表示装置を示す図である。
本実施例の表示装置30Eも、第1モード及び第2モードにおけるハイブリッド車両の走行出力を表示する計器(メータ)であり、実施例1に示した表示装置30Aに代えて、図1に示した車両10に適用可能なものである。車両10の構成については、実施例1で説明した通りであるので、ここでも、その説明は省略する。
表示装置30Eは、第1領域31E及び第2領域32Eが配置されると共に第3領域34Eが配置された計器板35と、1本の指針36とを有している。計器板35及び指針36については、実施例1で説明したもので良いので、ここでも、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
そして、本実施例において、表示装置30Eにおける第2領域32E及び第3領域34Eは、配置範囲の違いを除いて、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第2領域32A及び第3領域34Aと同等の構成である。一方、本実施例においては、実施例1の表示装置30Aにおける第4領域33Aに該当するものを設けていない。
そのため、本実施例では、特に記載がない限り、表示装置30Eにおける第2領域32E及び第3領域34Eについては、各々、実施例1の表示装置30Aにおける第2領域32A及び第3領域34Aと同じ機能を果たし、同じ効果を奏すると解釈する。従って、以降においては、重複する説明は省略し、実施例1との相違点について説明を行う。
第1領域31Eは、実施例1に示した第1領域31A内において、第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域に該当し、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第1領域31A内の第4領域33Aを除いた領域と同等の構成である。ここでは、第1領域31Eは、計器板35上の外周部分において、約270°から約340°の位置の間に配置されている。また、約340°の位置には、区分線L1が配置されている。
そして、本実施例においては、上述した第4領域33Aに該当するものを設けていない。そのため、区分線L2も設けていない。このように、本実施例では、第4領域33A及び区分線L2がないが、区分線L1が第4領域33A及び区分線L2に該当する機能を果たしている。
即ち、区分線L1は、第1モードにおいて、エンジン12が始動する可能性があるとき、つまり、第2モードへ移行する可能性があるときの作動位置を示すと共に、エンジン12が始動する可能性がある位置を示している。そのため、第1モードにおける走行出力が、第1領域31Eの範囲内の走行出力を超えた場合には、エンジン12が始動するまで、指針36は、区分線L1の位置に止まるようにしている。このようにすることにより、区分線L1が第4領域33A及び区分線L2に該当する機能を果たすようにしている。
第2領域32Eも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第2領域32Aと同等の構成である。ここでは、第2領域32Eは、計器板35上の外周部分において、0°から約130°の位置の間に配置されている。なお、ここでも、第2領域32Eの始点となる「0」の目盛数字は、12時の位置(最上位置T)に表記しており、第2領域32Eの周方向における幅は、第1領域31Eの周方向における幅より広くなっている。
このように、第1モードを示す第1領域31Eは、12時の位置(最上位置T)よりも左側に配置している。一方で、第2モードを示す第2領域32Eは、12時の位置(最上位置T)の右側に配置しており、そのため、12時の位置から右側は、エンジン12が作動しているという感覚を運転者に与えることができる。
第3領域34Eも、配置範囲の違いを除いて、実施例1に示した第3領域34Aと同等の構成である。ここでは、第3領域34Eは、12時の位置から45°以内の範囲である約340°から0°の位置の間に配置されている。
本実施例において、第3領域34Eの周方向における幅は、第2領域32Eの主目盛の一区間の周方向における幅とは異なり、この幅よりも狭くしている。これにより、計器板35のスペースを有効活用すると共に、第3領域34Eを、第1領域31Eや第2領域32Eの一部と誤認識されることを防止することができる。
ここで、上述した構成を有する表示装置30Eについて、車両10の運転操作に伴う指針36の動きを説明する。
車両10を運転者が発進させると、車両10は、まず、第1モードで走行を始める。そして、エンジン12が始動することがない走行出力である間は、指針36は、第1モードにおける走行出力に応じて、第1領域31Eの範囲内を推移する。
そして、第1モードにおける走行出力が区分線L1を超える走行出力になると、エンジン12が始動するまで、指針36は、区分線L1の位置に止まる。そして、第1モードにおける走行出力が、例えば、バッテリ13の最大出力を超えると、エンジン12は始動することになる。
そして、エンジン12が始動すると、指針36を、区分線L1の位置から第2領域32Eに飛ばし、第2モードにおける走行出力に応じて、第2領域32Eの範囲内を推移する。この際、指針36は、第2領域32Eの「0」の目盛数字の位置に移動し、一旦停止してから、第2モードにおける走行出力に応じた位置に移動するようにしても良い。これにより、第1モードから第2モードへ移行したことを、つまり、エンジン12が始動したことを運転者に示すことができる。その後は、エンジン12が停止するまで、指針36は、第2領域32Eの範囲内を推移する。
なお、本実施例においても、実施例2と同様に(図3に示した表示装置30B参照)、第2領域32Eの目盛数字に代えて、第1領域31Eに目盛数字を表記しても良い。例えば、表示装置30Bと同様に、余裕度(%)を表記する場合には、区分線L1の位置に「0」を、第1領域31Eの始点の位置(約270°の位置)に「100」を表記する。また、目盛数字の表記がない領域の目盛の表記はなくても良く、例えば、円弧としても良い。
[変形例]
上記実施例1〜実施例5においては、エンジン12を作動させて、例えば、モータ11及びエンジン12で駆動輪を駆動するモードを第2モードと定義したが、この第2モードはこれに限定されるものではない。すなわち、第2モードは、エンジン12を駆動してモータ11の電力供給源として用いる走行モードや、エンジン12のみの駆動力により車両10の各車輪を駆動させる走行モードのいずれかであってもよい。
また、上記実施例1〜実施例5においては、円形状の計器板35上に複数の領域を扇状
又は円弧状に配置したが、複数の領域を表記できれば、このような形状に限定する必要は
なく、例えば、矩形状の計器板上に複数の領域を矩形状に配置しても良い。
また、上記実施例1〜実施例5において、第1領域に隣接して回生表示を設けても良い
。