JP6908616B2 - 網膜疾患の治療のためのミラベグロン - Google Patents

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Description

本発明は、加齢黄斑変性症などの網膜疾患の治療に関する。特に本発明は、網膜疾患の治療、特に加齢黄斑変性症の治療のためのミラベグロンまたはその類似体、塩もしくは溶媒和物のうちの1つの使用に関する。
加齢黄斑変性症(AMD)は先進国における失明(法的意味において)の主な原因であり、かつ高齢者における最も一般的な眼疾患である。AMDは眼の黄斑部における感覚上皮の変性を特徴とする。進行期のAMDは、血管新生型AMDおよび委縮型AMDの2つの主要な形態に区別することができる。
ウェット型または滲出型ともいう血管新生型AMDでは網膜下に新しい異常な血管の増殖が現れる。この現象は「脈絡膜血管新生」または「CNV」と呼ばれる。これらの脆弱な新しい血管により血清が拡散し、網膜出血の発症を誘発する網膜の隆起および/または血液の増加が生じる。血管新生型AMDは先進工業国における高齢者の失明の主な原因である。患者の臨床状態を改善するために、特に血管新生および血管透過性の強力な刺激物質であるVEGFAを標的化する治療法による多くの治療が開発されている。
地図状萎縮型もしくはドライ型AMDとしても知られている委縮型AMDでは、網膜色素上皮(RPE)細胞が次第に消滅し、次いで黄斑レベルに位置する光受容体が次第に消滅する。このプロセスにより、単なる網膜検査(眼底検査)により黄斑において目で確認することができる大きな穴が形成される。
血管新生型AMDおよび委縮型AMDの発生率は同程度であるが、萎縮性病変および関連する視力障害の拡大は一般に委縮型AMDの場合の方が遅い。一般に5〜10年が経過すると患者は中心視を失う。現在のところ、本質的に標的分子の同定が不十分であるために委縮型AMDを予防または治療するために認可されている治療法は存在しない。いくつかの研究により、ビタミンEおよびC、β−カロテノイドおよび亜鉛の摂取により委縮型AMDの発生を遅らせることができることが実証されている。しかし、当該疾患の進行は止まらない。
いくつかの研究から、分子デブリからなる細胞色素であるリポフスチンのRPE細胞における蓄積が萎縮型AMDに関連するマーカーであることが実証されている(Nandakumarら,Seminars in ophthalmology.2012,27(5−6):197−201;Schmitz−Valckenbergら,Survey of ophthalmology.2009,54(1):96−117)。RPEによる光受容体外節の消化不良はこの蓄積の原因であり、リソソーム酵素活性の減少と関係があると思われる(Mahonら,Curr Eye Res.2004,28:277−284)。実際に、リソソーム酵素活性は強酸性のpH範囲においてピークとなる。故に、RPE細胞のリソソームpHの上昇により適切な網膜機能にとって必須であるこの消化プロセスは減少する。
国際特許出願の国際公開第2008/042399号は、酸性のリソソームpHを回復させることによりAMDを治療するための方法について記載している。この特許出願は、アデノシンまたはβ−アドレナリン受容体刺激によりリソソームpHを低下させることができることについても記載している。
しかし、本出願人は、β−アドレナリン受容体を活性化させることが知られているいくつかの分子がRPE細胞のリソソームpHの低下にも関わらず光受容体外節の消化を誘導せず(実施例を参照)、従ってAMDを治療するのに適していないことを実証した。
さらに現在のところ、どの分子も臨床的に確証されていない。
従って、RPE細胞における光受容体外節の分解を可能にする最適なリソソーム活性を提供し、それによりAMDを予防および/または治療することを可能にする分子の同定がなお必要とされている。
本出願人は驚くべきことに、ミラベグロンなどのいくつかのアドレナリン受容体作動薬がRPE細胞におけるリポフスチンの蓄積を有意に減少させることを実証した。
従って本発明は、加齢黄斑変性症などの網膜疾患の治療のためのミラベグロンまたはその類似体、塩もしくは溶媒和物の使用に関する。
本発明は、対象における網膜疾患の治療で使用するための(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
一実施形態では、前記(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドは、ミラベグロン、その類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
一実施形態では、前記網膜疾患は黄斑を冒す疾患である。特定の一実施形態では、前記網膜疾患は加齢黄斑変性症、好ましくは萎縮型加齢黄斑変性症である。
本発明は、本明細書の上に記載されているように使用するための(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、少なくとも1種の薬学的に許容される媒体とを含む医薬組成物にも関する。
本発明はさらに、本明細書の上に記載されているように使用するための(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む薬に関する。
一実施形態では、本発明に係る前記医薬組成物または前記薬は、それを必要とする対象に経口または局所投与することを目的としている。
本発明は、本明細書の上に記載されている化合物、医薬組成物または薬を含むキットにも関する。
一実施形態では、前記キットは、それを必要とする対象に前記化合物、前記医薬組成物または前記薬を投与するための装置と、任意に前記対象に前記化合物、前記医薬組成物または前記薬を投与するための説明書とをさらに含むことを特徴とする。
さらに、本発明はAMDの治療で使用するためのミラベグロンに関する。
本発明は、それを必要とする対象における網膜疾患を治療するための方法であって、治療的有効量の(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の対象への投与を含む方法にも関する。
一実施形態によれば、前記(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドは、ミラベグロン、その類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
一実施形態によれば、前記網膜疾患は黄斑を冒す疾患である。一実施形態によれば、前記網膜疾患は加齢黄斑変性症、好ましくは萎縮型加齢黄斑変性症である。
定義
本発明では、以下の用語は以下のように定義される。
本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」としては、前記化合物の酸付加塩または塩基付加塩が挙げられる。好適な酸付加塩は非毒性塩を形成する酸を用いて形成される。酸付加塩の例としては、限定されるものではないが、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩(naphthylate)、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素/リン酸二水素、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシノホ酸塩が挙げられる。好適な塩基付加塩は非毒性塩を形成する塩基を用いて形成される。塩基付加塩の例としては、限定されるものではないが、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、2−(ジエチルアミノ)エタノール、エタノールアミン、モルホリン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリンおよび亜鉛の塩が挙げられる。好ましくは、薬学的に許容される塩としては、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、重硫酸塩/硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩および酢酸塩が挙げられる。
「溶媒和物」という用語は、化学量論量もしくは半化学量論量または1種もしくは2種以上のエタノールなどの薬学的に許容される分子を含む本発明の化合物を記述するために本発明で使用される。
「対象」という用語は哺乳類、好ましくはヒトを指す。一実施形態では、当該対象は医療的ケアを受けるのを待っているか受けている、医療処置を受けたことがある、あるいは網膜疾患の発生について監視される「患者」、すなわち温血動物、好ましくはヒトであってもよい。一実施形態では、当該対象は成人、例えば18歳以上の年齢の対象である。別の実施形態では、当該対象は小児、例えば18歳未満の年齢の対象である。一実施形態では、当該対象は男性である。別の実施形態では、当該対象は女性である。
「治療」または「治療する」という用語は、網膜疾患の進行を予防するか遅らせることを目的とした治療処置および予防処置の両方を指す。治療を必要とする対象としては、網膜疾患に既に罹患しているもの、網膜疾患に罹患しやすいものおよび網膜疾患が予防されるべきものが挙げられる。対象は、治療的有効量の本発明の化合物が投与された後に、その患者が、病原性細胞数の減少、総細胞数に対する病原性細胞数の割合の減少および/または網膜疾患に関連する症状の1つ以上の減少、視力または生活の質の改善のうちの少なくとも1つの観察可能または測定可能な減少または不存在を示す場合に網膜疾患の治療が成功となる。上記パラメータは、医師が精通している通常の手順を用いて容易に測定可能である。
「媒体」という用語は組成物中の目的の生成物を運ぶ物質を指し、特にこれはその生成物を溶解するのに適した物質であってもよい。この媒体は例えば水であってもよい。
「薬学的に許容される媒体」は、対象に投与した際に副作用、アレルギー反応または望ましくない反応を生じさせない媒体を指す。これは、全ての溶媒、分散媒、被覆剤、抗菌薬、抗真菌薬、等張剤、吸収遅延剤およびさらなる同様の物質を含む。ヒトへの投与のために、製剤はFDAまたはEMAなどの規制当局によって要求される無菌性、発熱性に関する基準ならびに一般的な安全性および純度基準を満たすものでなければならない。
「治療的有効量」とは、有意な悪影響または望ましくない効果を引き起こすことなく、(1)網膜疾患の発症を遅らせるか予防する、(2)網膜疾患の1つ以上の症状の進行、悪化または増悪を減少または停止する、(3)網膜疾患の症状を軽減または改善する、(4)網膜疾患の重症度または発生率を低下させる、および/または(5)網膜疾患を治癒させるのに必要かつ十分な量の治療薬を指す。予防処置のために網膜疾患の発症前に治療的有効量を投与してもよい。代わりまたは追加として、治療処置のために網膜疾患の発症後に治療的有効量を投与してもよい。
数字の前の「約」は、この数字の名目値の±10%を意味する。
本発明は、それを必要とする対象における網膜疾患の治療のための化合物の使用であって、前記化合物はアドレナリン受容体作動薬である使用に関する。
好ましくは、一実施形態では、本発明の化合物はβ1、β2もしくはβ3−アドレナリン受容体作動薬、好ましくはβ3−アドレナリン受容体作動薬である。
一実施形態では、本発明の化合物は、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
本明細書では、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドはミラベグロンという用語でも言及される。従って、一実施形態では、本発明の化合物はミラベグロンである。
本出願人は、特にミラベグロンが低濃度(1pM、実施例および図1を参照)でリソソームpHを低下させることを実証した。さらに、本出願人は、ミラベグロンがその活性のために酸性のpHを必要とするリソソームタンパク分解酵素であるカテプシンDの活性を有意に回復させることを実証した(実施例および図2を参照)。これらの結果は細胞のリポフスチン蓄積モデルにおいて確認された。実際に、本出願人はミラベグロンが治療の2週目からリポフスチンの蓄積を減少させることを実証した(実施例および図3を参照)。従って、本出願人はAMDの治療のためのこの分子の治療可能性を実証した。
従って本発明は、網膜疾患の治療で使用するためのミラベグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
ミラベグロンは以下の一般式:
Figure 0006908616
を有する。
ミラベグロンは、ベットミガ(Betmiga)(商標)、ベタニス(Betanis)(商標)またはミラベトリック(Myrbetriq)(商標)としても知られている。
ミラベグロンの類似体の例としては、限定されるものではないが、米国特許第6346532号に記載されている化合物が挙げられる。
従って、本発明の一実施形態では、ミラベグロンの類似体は以下の一般式(I):
Figure 0006908616
(式中、
環Bは、任意に置換されたか任意にベンゼン環に縮合されたヘテロアリール基を表し、
Xは、結合、ヒドロキシ基もしくは低級アルキル基で任意に置換された低級アルキレンまたは低級アルケニレン、カルボニルまたは−NH−によって表される基を表し(ここで、Xは低級アルキル基で任意に置換された低級アルキレン基であり、環Bを形成する炭素と結合する水素原子が低級アルキル基と共に低級アルキレン基を形成し、それにより環を形成していてもよい)、
Aは、低級アルキレンまたは−低級アルキレン−O−によって表される基を表し、
R1aおよびR1bは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが水素原子または低級アルキル基を表し、
R2は、水素原子またはハロゲン原子を表し、かつ
Zは、窒素原子または=CH−によって表される基を表す)
を有する。
本明細書では、「低級」という用語は、特に指定がない限り1〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状炭化水素鎖を意味する。
「低級アルキル基」の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、直鎖状もしくは分岐鎖状プロピル、直鎖状もしくは分岐鎖状ブチル、直鎖状もしくは分岐鎖状ペンチルおよび直鎖状もしくは分岐鎖状ヘキシルが挙げられ、好ましくは低級アルキル基は1〜4個の炭素原子を有するアルキル、特にメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルである。
「低級アルキレン基」の非限定的な例は、本明細書の上に定義されている「低級アルキル基」から任意の数の水素原子を取り去ることによって得られる二価の基であり、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、特にメチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンである。
「低級アルケニレン基」の例としては、限定されるものではないが、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレンおよびヘキセニレン基が挙げられる。
本明細書では、「任意に置換されたか任意にベンゼン環に縮合されたヘテロアリール基」における「任意にベンゼン環に縮合されたヘテロアリール基」は、ベンゼン環が本明細書の下に記載されているヘテロアリール基に縮合されている環式基または非縮合ヘテロアリール基を意味する。
「ベンゼン環がヘテロアリール基に縮合されている環式基」の例としては、限定されるものではないが、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノリジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾピリジル、ベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾロピリジル、イソチアゾロピリジルおよびベンゾチアゾリルならびにオキソベンゾフラニルなどの酸素が付加された環が挙げられる。
「非縮合ヘテロアリール基」の例としては、限定されるものではないが、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、チアジアゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルなどの単環式ヘテロアリール基ならびにナフチリジニルおよびピリドピリミジニルなどの二環式ヘテロアリール基が挙げられる。
「任意に置換されたか任意にベンゼン環に縮合されたヘテロアリール基」における置換基は、この環式基上で通常置換される任意の基であってもよい。例としては、限定されるものではないが、ハロゲン原子、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、スルファニル、ハロゲン−低級アルキル、低級アルキル−O−、低級アルキル−S−、低級アルキル−O−CO−、カルボキシ、スルホニル、スルフィニル、低級アルキル−SO−、低級アルキル−SO−、低級アルキル−CO−、低級アルキル−CO−O−、カルバモイル、低級アルキル−NH−CO−、ジ低級アルキル−N−CO−、ニトロ、シアノ、アミノ、グアニジノ、低級アルキル−CO−NH−、低級アルキル−SO−NH−、低級アルキル−NH−、ジ低級アルキル−N−、O−低級アルキレン−O−基およびさらなる同様の基が挙げられる。
これらの置換基も、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ、スルファニル、ハロゲン−低級アルキル、低級アルキル−O−、低級アルキル−S−、低級アルキル−O−CO−、カルボキシ、スルホニル、スルフィニル、低級アルキル−SO−、低級アルキル−SO−、低級アルキル−CO−、低級アルキル−CO−O−、カルバモイル、低級アルキル−NH−CO−、ジ低級アルキル−N−CO−、ニトロ、シアノ、アミノ、グアニジノ、低級アルキル−CO−NH−、低級アルキル−SO−NH、低級アルキル−NH−、ジ低級アルキル−N−基およびさらなる同様の基などの置換基で置換されていてもよい。アリール基、ヘテロアリールまたは他の基などのこれらの置換基はハロゲン原子などで置換されていてもよい。
「低級アルケニル基」は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状アルケニル基である。例としては、限定されるものではないが、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルが挙げられる。
「低級アルキニル基」は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状アルキニル基である。例としては、限定されるものではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルが挙げられる。
「ハロゲン原子」という用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。「ハロゲン−低級アルキル基」という用語は、任意に選択される本明細書の上に記載されているアルキル基の1つ(または2つ以上)の水素原子が1つ(または2つ以上)のハロゲン原子で置換されている基を意味する。
Xが結合である場合は、−CO−基の炭素原子が環Bに直接結合されていることを意味する。
本発明に係る化合物、好ましくはミラベグロンまたは類似体は、少なくとも1つの非対称炭素原子を含む。従って、(R)または(S)体の化合物、ラセミ体、ジアステレオマーなどの光学異性体が存在する。本発明は、異性体、別個の異性体のそれぞれおよびそれらの混合物を含む。本発明は、本発明の化合物、ミラベグロンまたはその類似体のうちの1つの水和物、溶媒和物(エタノール溶媒和物など)および多形物質も含む。
好ましくは、一実施形態では、ミラベグロンの類似体は以下の一般式(Ia):
Figure 0006908616
(式中、
環Bは、ヘテロアリール基を表し、
Xは、結合または低級アルキレン基を表し、
Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキレン基、窒素含有基、低級アルキルアリール基またはハロゲン−低級アルキルアリール基またはそれらの塩を表す)
を有する。
好ましくは一実施形態では、ミラベグロンの類似体は、(R)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]−2−ピリジンカルボキシアニリド、(R)−2−[1−(4−クロロベンジル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]−アセトアニリド、(R)−2−[1−(3,4−ジクロロベンジル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]アセトアニリド、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]アセトアニリド、(R)−2−(2−ベンジル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−アミノ]エチル]アセトアニリド、(R)−2−(2−アミノピリジン−6−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]アセトアニリド、(R)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]−2−(2−ピリジル)アセトアニリド、(R)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)−アミノ]エチル)−2−(2−ピラジニル)アセトアニリドおよび(R)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル)−2−(2−ピリミジニル)−アセトアニリドまたはそれらの塩のうちの1つを含む群から選択される。
一実施形態では、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は重形態または重水素化形態ではない。特定の一実施形態では、ミラベグロンは重水素化されていない。
一実施形態では、ミラベグロンは結晶形である。特定の一実施形態では、ミラベグロンはα結晶形である。別の特定の実施形態では、ミラベグロンはβ結晶形である。ミラベグロンのαおよびβ結晶形は遊離塩基を有し、かつ特定の物理化学的特性を有する。ミラベグロンのαおよびβ結晶形は米国特許第7342117号に記載されている。
本明細書では、「網膜疾患」という用語は、眼底を覆う神経細胞の層である網膜を冒す傾向がある各種疾患を含む。
網膜を冒す疾患の例としては、限定されるものではないが、加齢黄斑変性症(AMD)、シュタルガルト病、糖尿病性網膜症および色素性網膜炎が挙げられる。
一実施形態では、本発明に係る網膜疾患は黄斑すなわち網膜の中央部を冒す疾患である。黄斑を冒す疾患の例としては、限定されるものではないが、加齢黄斑変性症およびシュタルガルト病が挙げられる。
一実施形態では、本発明に係る網膜疾患は加齢黄斑変性症またはシュタルガルト病である。
一実施形態では、本発明に係る網膜疾患は加齢黄斑変性症である。
一実施形態では、本発明に係る加齢黄斑変性症は、加齢黄斑症としても知られている初期段階にある。初期段階の加齢黄斑変性症は、色素斑(色素上皮の変性)を伴う、黄斑の中または周りへの光受容体機能のデブリの蓄積(「ドルーゼン」として知られている)を特徴とする。
別の実施形態では、本発明に係る加齢黄斑変性症は後期段階にある。後期段階は片側もしくは両側の合併症を特徴とする。次いで、滲出型または萎縮型の2つの型に区別される。
一実施形態では、加齢黄斑変性症はドライ型AMDとしても知られている萎縮型である。
別の実施形態では、本発明の網膜疾患はシュタルガルト病である。シュタルガルト病は一般に7〜12歳の年齢の小児に現れる遺伝性黄斑ジストロフィーである。
一実施形態では、当該対象は網膜疾患、好ましくはAMDまたはシュタルガルト病に罹患している。一実施形態では、当該対象は初期段階のAMDに罹患している。別の実施形態では、当該対象は後期段階のAMDに罹患している。
別の実施形態では、当該対象は網膜疾患、好ましくはAMDに罹患しやすい。一実施形態では、当該対象は本発明に係る網膜疾患を発症するリスクのある対象である。リスクの例としては、限定されるものではないが、遺伝(当該対象の家族における網膜疾患、好ましくはAMDの他の症例の現在または過去の存在)、喫煙、年齢、日光曝露、バランスの悪い食事(例えば、青野菜およびオメガ3脂肪酸の低摂取)、高血中コレステロール濃度、高血圧および同様の因子が挙げられる。
一実施形態では、当該対象は本発明に係る網膜疾患のための別の治療で以前に治療されたことがない。別の実施形態では、当該対象は本発明に係る網膜疾患のための別の治療で以前に治療されたことがある。
一実施形態では、当該対象は45歳以上の年齢のヒトである。別の実施形態では、当該対象は18歳未満の年齢のヒトである。
本発明は、本発明に係る化合物を含む組成物にも関する。
一実施形態では、本発明に係る組成物は、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸のアニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンを含む。
一実施形態では、本発明の組成物は網膜疾患、好ましくは加齢黄斑変性症の治療のために使用される。
本発明はさらに、本発明の化合物と少なくとも1種の薬学的に許容される媒体とを含む医薬組成物に関する。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンと、少なくとも1種の薬学的に許容される媒体とを含む。
一実施形態では、本発明に係る医薬組成物は、網膜疾患、好ましくは加齢黄斑変性症の治療のために使用される。
本発明は、本発明に係る化合物を含む薬にも関する。
一実施形態では、本発明に係る薬は、本発明に係る(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロン、本発明に係る組成物または医薬組成物を含む。
一実施形態では、本発明に係る薬は、網膜疾患、好ましくは加齢黄斑変性症の治療のために使用される。
好ましくは、本発明の組成物、医薬組成物または薬は、治療的有効量の本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンを含む。
一実施形態では、本発明に係る(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンは、網膜疾患、好ましくは加齢黄斑変性症を治療するための少なくとも1種の他の治療薬と組み合わせて使用される。
加齢黄斑変性症を治療するための他の治療薬の例としては、限定されるものではないが、ラニビズマブ(ルセンティス)またはベバシズマブ(アバスチン)などの血管増殖阻害剤、VEGF trap(regeneron社)またはベバシラニブなどの血管新生阻害剤あるいはチロシンキナーゼ阻害剤が挙げられる。
一実施形態では、治療的有効量は、約1〜10000mg/mLの本発明の組成物、医薬組成物または薬、好ましくは約5〜約5000mg/mL、好ましくは約10〜約2000mg/mL、好ましくは約20〜約100mg/mLの本発明に係る組成物、医薬組成物または薬の範囲である。
一実施形態では、治療的有効量は、約1〜10000mg/gの本発明に係る組成物、医薬組成物または薬、好ましくは約5〜約5000mg/g、好ましくは約10〜約2000mg/g、好ましくは約20〜約100mg/gの本発明に係る組成物、医薬組成物または薬の範囲である。
当然ながら、本発明の組成物、医薬組成物または薬の(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸またはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンの総1日使用量は、担当医によって自身の医学的所見の枠組みの範囲内で調整される。各患者に固有の治療的有効用量は、治療される疾患およびその重症度、使用される化合物の活性、使用される具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事、投与の持続期間および様式、治療の持続期間、使用される化合物と組み合わせるか同時に使用される薬、および医療分野で公知の他の同様の因子を含む様々な因子によって決まる。例えば、この分野では所望の治療効果を達成するために推奨される用量よりも低い化合物用量で開始し、その効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させるのが通常である。但し、化合物の1日投与量は、成人1人当たり1日約1〜約10000mg、好ましくは約5〜約5000、好ましくは約10〜約2000mg、より優先的には成人1人当たり1日約20〜約100mgの広範囲にわたって異なってもよい。好ましくは、本組成物は、治療される患者に投与される投与量の対症調整のために1、10、20、50、100、250、500、1000および2000mgの有効成分を含む。薬は典型的に約1〜約10000mgの有効成分、好ましくは5〜5000、好ましくは10〜2000mgの有効成分を含む。本薬の有効量は、1日約0.01mg/kg体重〜約100mg/kg体重、好ましくは約0.05mg/kg体重〜約40mg/kg体重、好ましくは1日約0.1mg/kg体重〜20mg/kg体重、より優先的には1日約0.2〜約1mg/kg体重の範囲の用量で通常提供される。
一実施形態では、本発明の化合物、好ましくはミラベグロン、本発明の組成物、医薬組成物または薬の1日用量は、当該対象の可能性のある腎臓および/または肝臓疾患に従って調整される。
一実施形態では、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンの総1日用量は、約1mg〜約100mg、好ましくは約10mg〜約80mg、好ましくは約20mg〜約60mgの範囲である。
特定の一実施形態では、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンの最初の総1日用量は、約10mg〜約50mg、好ましくは約20mg〜約30mgの範囲であり、好ましくは約25mgである。別の特定の実施形態では、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンの総1日維持用量は、約20mg〜約80mg、好ましくは約40mg〜約60mgの範囲であり、好ましくは約50mgである。
特定の一実施形態では、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロン、本発明の組成物、医薬組成物または薬を約25mgの用量で投与する。別の特定の実施形態では、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロン、本発明に係る組成物、医薬組成物または薬を約50mgの用量で投与する。
一実施形態では、本発明の薬は、約25mgの本発明の化合物、組成物または医薬組成物を含む。別の実施形態では、本発明の薬は、約50mgの本発明の化合物、組成物または医薬組成物を含む。
一実施形態では、本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロン、本発明に係る組成物、医薬組成物または薬を単独または別の治療薬との組み合わせて、動物およびヒトへの従来の医薬基質との混合物として単位剤形で投与してもよい。好適な単位投与形態は、錠剤、硬カプセル、粉末、顆粒および経口懸濁液または溶液などの経口投与形態、舌下または口腔内投与形態、スプレー、埋込物、皮下、経皮、局所、腹膜内、静脈内、クモ膜下腔内、眼内および鼻腔内投与形態および直腸内投与形態などを含む。
一実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物または薬は、経口投与に適した製剤のための1種以上の薬学的に許容される媒体を含む。
経口投与に適した形態の例としては、限定されるものではないが、錠剤(持続放出性錠剤を含む)、硬カプセル、粉末、丸剤(糖衣丸剤を含む)、カプセル(軟ゼラチンカプセルを含む)、経口懸濁液、経口溶液および他の同様の形態が挙げられる。
一実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物または薬は、局所投与に適した製剤のための1種以上の薬学的に許容される媒体を含む。特定の一実施形態では、本発明に係る組成物、医薬組成物または薬は、眼への局所投与に適した製剤のための1種以上の薬学的に許容される媒体を含む。
局所投与に適した形態の例としては、限定されるものではないが、液体、ペーストまたは固体の形態、より詳細には、水溶液、洗眼液、点眼液、分散液、スプレーまたは制御放出を可能にするマイクロカプセル、ミクロもしくはナノ粒子またはポリマーまたはゲルパッチの形態の組成物が挙げられる。
一実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物または薬は、注射に適した製剤のための1種以上の薬学的に許容される媒体を含む。特定の一実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物または薬は、好ましくは硝子体内注射のための眼内注射に適した形態を有する。
注射による投与に適した形態の例としては、限定されるものではないが、無菌の水溶液、分散液、乳濁液、懸濁液、使用前に液体を添加して溶液または懸濁液を調製するのに適した例えば粉末などの固体形態が挙げられる。
一実施形態では、本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロン、本発明の組成物、医薬組成物または薬を当該対象に少なくとも1日1回投与する。例えば、本発明に係る化合物、組成物、医薬組成物または薬を1日1回、1日2回または3回投与してもよい。好ましくは、本発明の化合物、組成物、医薬組成物または薬を1日1回投与する。
別の実施形態では、本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロン、本発明の組成物、医薬組成物または薬を当該対象に少なくとも1週間に1回投与する。例えば、本発明の化合物、組成物、医薬組成物または薬を1週間に1回、1週間に2回、3回、4回または最大7回投与してもよい。
別の実施形態では、本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロン、本発明に係る組成物、医薬組成物または薬を当該対象に最大で1ヶ月に1回投与する。例えば、本発明に係る化合物、組成物、医薬組成物または薬を1ヶ月に1回、2ヵ月に1回、3ヶ月に1回、1年に2回または1年に1回投与してもよい。
本発明は、それを必要とする対象における網膜疾患、好ましくは加齢黄斑変性症を治療するための方法であって、本明細書の上に記載されている治療的有効量の本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンの当該対象への投与を含む方法にも関する。
一実施形態では、本発明に係る組成物、医薬組成物または薬を当該対象に投与する。
本発明は、網膜色素上皮細胞におけるリソソームpHを低下させるための方法であって、本明細書の上に記載されている本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンを含む組成物の投与を含む方法にも関する。
本発明はさらに、網膜色素上皮の光受容体外節の消化を増加させるための方法であって、本明細書の上に記載されている本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンを含む組成物の投与を含む方法に関する。
本発明は、網膜色素上皮細胞におけるリポフスチン蓄積を減少させる方法であって、本明細書の上に記載されている本発明に係る化合物、好ましくは(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドまたはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくはミラベグロンを含む組成物の投与を含む方法にも関する。
本発明は、本明細書の上に記載されている(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸またはその類似体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、組成物、医薬組成物または薬を含むキットにも関する。
一実施形態では、当該キットは、対象に本化合物、組成物、医薬組成物または薬を投与するために使用される装置も含む。
一実施形態では、当該キットは、前記対象に本化合物、組成物、医薬組成物または薬を投与するための説明書をさらに含む。
一実施形態では、当該キットはさらなる治療薬を含む。一実施形態では、さらなる治療薬は本発明に係る網膜疾患の治療のための別の薬剤である。
一実施形態では、さらなる治療薬は本発明の化合物、組成物、医薬組成物または薬と同じ投与経路に適した形態を有する。別の実施形態では、さらなる治療薬は、本発明に係る化合物、組成物、医薬組成物または薬の投与経路とは異なる投与経路に適した形態を有する。
タモキシフェンで処置した細胞のリソソームpHに対するアドレナリン受容体作動薬イソプロテレノール、ミラベグロン、アミベグロンおよびCL−316,243の効果を示すヒストグラムである。その結果をANOVAおよびダネット検定により統計学的に比較した。****p<0.0001、**p<0.01。 コンカナマイシンで処置した細胞のカテプシンD活性に対するアドレナリン受容体作動薬ミラベグロン、イソプロテレノール、アミベグロンおよびCL−316,243の効果を示すヒストグラムである。 酸化された外節ならびにアドレナリン受容体作動薬アミベグロン、ミラベグロン、CL−316,243およびイソプロテレノールによる2週間のRPE細胞の併用処置後のリポフスチンの自家蛍光強度を示すグラフである。酸化された外節およびDMSOで併用処置した細胞は対照として機能する。
本発明を非限定的に例示する以下の実施例を読めば、本発明がより明らかに理解されるであろう。
実施例1
材料および方法
初代ブタRPE培養物
ブタの眼が冷たい培地に入れられて地元の屠殺場からInstitut de la Visionに届けられた。この眼を切開して前眼部、硝子体および神経網膜を除去する。次いで、眼球をPBSで2回洗浄し、トリプシン(PBS中に0.25%)で満たし、37℃で1時間15分インキュベートする。次いで、繰り返しのピペット操作によりRPE細胞を回収し、遠心分離してトリプシンを除去し、20%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地(DMEM20%FCS)に再懸濁させた。次いで、各眼の細胞を直径6cmのペトリ皿に播種し、5%COを含む雰囲気中37℃で培養し、この培地を生体外で24時間および4日後に交換する。1週間後にこれらの細胞はコンフルエントに達し、次いで継代し得る。
RPEのアルカリ化およびリソソームpH(pH)の測定
1週間の培養後、これらの細胞をトリプシンで処理し、DMEM2%FCS中に1.5×10細胞/cmの細胞密度で黒色の背景を有する96ウェルプレートに移す。24時間後、これらの細胞をβ−アドレナリン作動薬(1pMのミラベグロン、アミベグロン、クレンブテロールまたはイソプロテレノールあるいは20nMのCL−316,243)で処置し、5分後にタモキシフェン(15μM)で処置し、さらに20分後にpHを測定する。この測定は、329および384nmで励起を示し、かつ色素濃度とは無関係に酸性の細胞小器官におけるpH変化を測定するのに適した色指示薬(Lysosensor Yellow/BlueDND−160)を用いて行う。pHを測定するために、これらの細胞を色素と共に37℃で5分間インキュベートし、色素から放出された蛍光をプレートリーダーで測定する。次いで、329/384nmで励起された光の比をKCl緩衝液中であって10μMのモネンシンおよび20μMのナイジェリシンの2種類のイオノフォアの存在下で行われる較正シリーズ(calibration series)(pH4〜pH6)を用いてpHに変換する。
カテプシンD活性の測定
1週間の培養後、これらの細胞をトリプシンで処理し、DMEM2%FCS中に1.5×10細胞/cmの細胞密度で直径3.5cmのペトリ皿の中に移す。24時間後、これらの細胞をカテプシンDの活性を示すように20nMのコンカナマイシンで処置すると共にβ−アドレナリン作動薬でも処置する。24時間の処置後、これらの細胞をPBSで洗浄し、次いで氷上の抽出緩衝液の中に移す。細胞抽出物を2000rpmおよび4℃で10分間遠心分離し、細胞質部分に相当する上澄みを酵素活性の測定まで−80℃で凍結させる。カテプシンDの活性は本発明者らが自身の実験スケジュールに適応させたAnson法(J Gen Physiol.1938,22(1):79−89)を用いて測定する。簡単に言うと、細胞質抽出物をヘモグロビン溶液(pH2.8の400mMのクエン酸緩衝液中に2.5%)中37℃で10分間インキュベートする。5%トリクロロ酢酸を添加してこの反応を停止し、この混合物を遠心分離する。ヘモグロビンの分解生成物を含有する上澄みの光学濃度を280nmで測定する。対照の吸光度を差し引いてこの吸光度を補正し、酵素反応の停止後にヘモグロビンを添加すること以外は上記の通り調製する。次いで、1単位のカテプシンDを、本明細書の上に記載されている実験条件を用いた60分間のインキュベーションで1〜280nmの吸光度の変化を誘発するのに必要な酵素の量として定める。これらの結果を正規化するために、この細胞溶解物のタンパク質濃度をブラッドフォード法に従って測定する。
ブタの光受容体外節(POS)の調製
暗室の赤色光下でブタ網膜を採取する。本明細書の下に記載されているようにスクロース勾配によりPOSを網膜から分離する。簡単に言うと、ブタ網膜を20%スクロース、20mMのTris−酢酸(pH7.2)、2mMのMgCl、10mMのグルコースおよび5mMのタウリンを含む溶液中で均質化する。次いで、これらの試料を20mMのTris−酢酸(pH7.2)、10mMのグルコースおよび5mMのタウリンを含む連続スクロース勾配(25〜60%)により沈殿させ、25000rpmおよび4℃で2時間遠心分離する。得られた桃色のバンドはPOSに一致し、次いでこれを採取し、使用まで−80℃で凍結させる。
酸化されたPOS(POS−ox)を得るために、これらのPOSを紫外線(λ=312nm)に3時間曝露する。次いで、それらをPBSで洗浄し、5000rpmで遠心分離し、2.5%スクロースを含むDMEM20%FCSに再懸濁させる。
RPEにおけるリポフスチン蓄積の生体外モデル
1週間の培養後、これらの細胞をトリプシンで処理し、DMEM2%FCS中に1.5×10細胞/cmの細胞密度で明るい背景を有する96ウェルプレートの中に移す。
RPE細胞におけるリポフスチン型物質の蓄積を誘導するために、この細胞を2週間にわたって2.5%のスクロースを含むDMEM20%FCS中に5×10のPOS−oxで1週間に3回処置する。同時に、これらの細胞をβ−アドレナリン拮抗薬で処置するか処置しない。リポフスチンの蓄積によって誘発される自家蛍光をプレートリーダーを用いて測定する(480nmで励起し、かつリポフスチンの発光スペクトルに対応する500〜700nmで発光する)。
結果
リソソームpHに対する作動薬の効果
この実験で試験される分子は、3種類の特定のβ−3アドレナリン受容体作動薬(ミラベグロン、アミベグロン、CL−316,243)および非特異的作動薬(イソプロテレノール)からなる。
これらの分子は、これらの細胞を15μMのタモキシフェンで処置し、かつ20分で1pH単位のオーダーのpH上昇を誘導することにより誘発されるRPEの細胞リソソームpHアルカリ化モデルにおいて試験した。
試験した全ての分子により、20nMから有効なCL−316,243を除いて1pMまでにpHの再酸性化に対してほぼ50%の最大効果を得ることができた(図1)。
カテプシンD活性に対する作動薬の効果
カテプシンDは、光受容体外節の消化に関与する網膜色素上皮中に主に存在するリソソームタンパク分解酵素である。その活性は、どちらも酸性環境を必要とするその活性部位のアミノ酸アスパラギン酸のプロトン化およびその立体構造によって決まる。従って、カテプシンDの活性に対する試験分子の効果に関する研究により、リソソーム酵素活性に対するこれらの分子の効果を決定することができる。
アミベグロンを除いて、全ての試験分子によるRPE細胞の処置によりカテプシンD活性の部分的回復が可能になる(図2)。特に、ミラベグロンによる処置によりコンカナマイシンによる処置によって示される陰性対照(0.013単位/1mLの酵素/分/1μgのタンパク質)と比較した場合に酵素の活性が3倍増加する(0.040単位/1mLの酵素/分/1μgのタンパク質)。
RPEにおけるリポフスチン蓄積に対する作動薬の効果
異なるβ−アドレナリン作動薬がリポフスチン蓄積にも作用することができるか否かを確認するために、本発明者らは、RPE細胞を2日ごとのUV曝露によって酸化されたOSで処置することによってこの蓄積が誘発される細胞モデルでもそれらを試験した。OS処置時にこれらの作動薬を10μMで培地に添加した。これらの細胞の自家蛍光を測定して、リポフスチン蓄積を2週間の併用処置後に測定した。
これらの結果から、2週間でミラベグロンのみがほぼ20%でRPE細胞によるリポフスチンの蓄積を減少させることができることが実証される(図3)。

Claims (12)

  1. 対象における網膜疾患の治療で使用するための、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリド、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物であって、前記(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドはミラベグロンであり、前記網膜疾患は黄斑を冒す疾患である、医薬組成物
  2. 前記網膜疾患は加齢黄斑変性症である、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記網膜疾患は萎縮型加齢黄斑変性症である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記網膜疾患はシュタルガルト病である、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. なくとも1種の薬学的に許容される媒体をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 対象における網膜疾患の治療で使用するための、(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリド、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む薬であって、前記(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドはミラベグロンであり、前記網膜疾患は黄斑を冒す疾患である、薬
  7. 前記網膜疾患は加齢黄斑変性症である、請求項6に記載の薬。
  8. 前記網膜疾患は萎縮型加齢黄斑変性症である、請求項6または7に記載の薬。
  9. 前記網膜疾患はシュタルガルト病である、請求項6に記載の薬。
  10. それを必要とする対象に経口または局所投与することを目的としていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物または薬。
  11. 求項1〜5および10のいずれか1項に記載の医薬組成物または請求項6〜10のいずれか1項に記載の薬を含むキット。
  12. それを必要とする対象に前記医薬組成物または薬を投与するための装置と、任意に前記対象に前記医薬組成物または薬を投与するための説明書とをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のキット。
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