JP6908417B2 - 車載レーダ装置による物体の検知方法、及び車載レーダシステム - Google Patents

車載レーダ装置による物体の検知方法、及び車載レーダシステム Download PDF

Info

Publication number
JP6908417B2
JP6908417B2 JP2017078235A JP2017078235A JP6908417B2 JP 6908417 B2 JP6908417 B2 JP 6908417B2 JP 2017078235 A JP2017078235 A JP 2017078235A JP 2017078235 A JP2017078235 A JP 2017078235A JP 6908417 B2 JP6908417 B2 JP 6908417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
vehicle
frequency selection
radar
selection plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017078235A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018179706A (ja
Inventor
青木 豊
豊 青木
榊原 久二男
久二男 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Nagoya Institute of Technology NUC
Original Assignee
Denso Corp
Nagoya Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nagoya Institute of Technology NUC filed Critical Denso Corp
Priority to JP2017078235A priority Critical patent/JP6908417B2/ja
Publication of JP2018179706A publication Critical patent/JP2018179706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6908417B2 publication Critical patent/JP6908417B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本開示は、車載レーダ装置により物体を検知する技術に関する。
車両近傍を広角に検知するために、車載レーダ装置をバンパカバー内に搭載することが提案されている。しかしながら、バンパカバーはレーダ波の透過性が低いため、バンパカバー内に車載レーダ装置を搭載すると、バンパカバーで反射された強いレーダ波が車載レーダの受信回路に戻ってくる。その結果、増幅器やAD変換器を飽和させてしまい、反射強度の弱い物体から返ってくるレーダ波の検出を妨げることになる。
そこで、特許文献1に記載のレーダ装置搭載構造は、バンパカバーとアンテナ部を覆うレドムとで、所定周波数帯のレーダ波を選択的に通過させる周波数選択板を挟むことによって、バンパカバーによるレーダ波の反射を抑制している。
特開2016−145777号公報
ところで、FMCW方式では、DCノイズの影響により、レーダ装置の近傍に検知不能エリアが発生することが知られている。よって、FMCW方式の車載レーダをバンパカバー内に搭載した場合、車両のバンパカバーの外側近傍に検知不能エリアが発生する。
そこで、車載レーダを、車両の先端よりも引っ込んでいるウィンドシールドの内側に搭載して、検知不能エリアを車両の体格内に収めることが考えられる。しかしながら、ウィンドシールドの透過率はバンパカバーと異なるため、上記レーダ装置搭載構造を適用しても、レーダ波の反射を十分に抑制できない可能性があるとの知見を得た。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ウィンドシールドを介してレーダ波の送受信を行う場合でも、ウィンドシールドによる反射を抑制して物体を検知可能な、車載レーダによる物体を検知する方法、及び車載レーダシステムを提供することを目的とする。
本開示は、車載レーダ装置による物体を検知する方法であって、車両のウィンドシールド(10)であって、車室外側のガラスである第1ガラスと車室内側のガラスである第2ガラスとで誘電体である中間層(13)を挟んで形成されたウィンドシールドよりも内側に搭載された車載レーダ装置(50)から、少なくとも、ウィンドシールドの第2ガラスよりも車室外側に設置され、予め設定された周波数帯域のレーダ波を選択的に通過させる周波数選択板(30)を介してレーダ波を送受信し、ウィンドシールドの外側に存在する物体を検知する。
本開示によれば、第2ガラスを透過したレーダ波を更に周波数選択板に透過させて送信することで、第2ガラスを透過したレーダ波を周波数選択板に透過させることなく送信する場合よりも、ウィンドシールドでのレーダ波の透過率を向上させ、反射率を低下させることができる。すなわち、ウィンドシールドで反射されて車載レーダへ戻るレーダ波の強度を抑制することができる。ひいては、人などの反射強度の弱い物体から返ってきたレーダ波でも検出することができ、反射強度の弱い物体も含む車両周辺の物体を検知することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
ウィンドシールドよりも内側にレーダ装置を搭載した様子を示す図である。 ウィンドシールドの断面図である。 FSSの一部分を示す正面図である。 第1〜5実施例に係るFSS1素子の設置位置及びFSSを設置していない従来例を示す概略図である。 入射角及びウィンドシールドの取り付け角を説明する図である。 第1〜5実施例及び従来例において、電磁波をウィンドシールドへ垂直入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第1〜5実施例及び従来例において、TE波をウィンドシールドへ入射角30°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第1〜5実施例及び従来例において、TE波をウィンドシールドへ入射角60°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第1〜5実施例及び従来例において、TM波をウィンドシールドへ入射角30°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第1〜5実施例及び従来例において、TM波をウィンドシールドへ入射角60°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第1実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角30°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第1実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角60°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第2実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角30°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第2実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角60°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第3実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角30°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第3実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角60°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第4実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角30°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第4実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角60°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第5実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角30°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。 第5実施例において、TE波及びTM波をウィンドシールドへ入射角60°で入射させた場合における、両ポートでの透過率及び反射率を示す図である。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
[1.車載レーダシステムの構成]
まず、本実施形態に係る車載レーダシステム80の構成について、図1を参照して説明する。車載レーダシステム80は、少なくとも車載レーダ装置50と、ウィンドシールド10と、周波数選択板(以下、FSS)30と、を備える。FSSは、Frequency Selective Surfaceの略称である。
車載レーダ装置50は、レドム53と、アンテナ部52と、レーダ本体51と、を備えたミリ波レーダである。車載レーダ装置50の変調方式は、FMCW方式でもよいし、2周波CW方式でもよいし、他の方式でもよい。車載レーダ装置50の変調方式は、特に限定されるものではない。
アンテナ部52は、アンテナ基板と、アンテナ基板の一方の面に形成された送信アンテナ及び受信アンテナと、を備える。送信アンテナは、レーダ波である送信波を送信する。受信アンテナは、送信波が物体で反射して戻ってきたレーダ波である受信波を受信する。
レーダ本体51は、所定の送信タイミングで、アンテナ部52の送信アンテナから送信波を送信させたり、アンテナ部52の受信アンテナにて受信された受信波を処理して、ウィンドシールド10の外側に存在する物標を検知したりする。
車載レーダ装置50は、ウィンドシールド10の内側すなわち車室内に、レドム53の透過面53aをウィンドシールド10の側に向けて搭載される。車載レーダ装置50は、車室内の上部、例えばルームミラー付近に搭載される。車載レーダ装置50を車室内に搭載することにより、車載レーダ装置50がFMCW方式のレーダ装置の場合に、検知不能エリアを、ウィンドシールド10の外側から車両の先端までの間に収めることができる。
また、車載レーダ装置50を車載カメラと組み合わせて用いる場合に、車載レーダ装置50を車両の先端に設置し、車載カメラを車室内に設置すると、車載レーダ装置50と車載カメラとが別ユニットとなり、各ユニットで、それぞれマイコンや電源が必要になる。これに対して、車載レーダ装置50及び車載カメラの両方を車室内に設置すると、車載レーダ装置50と車載カメラとを一体のユニットにして、マイコンや電源を共用させることができる。ひいては、コストを低減することができる。
ウィンドシールド10は、図2に示すように、2枚のガラス11及びガラス12と、ガラス11とガラス12とで挟まれた中間層13と、を備える3層構造になっている。中間層13は、樹脂などの誘電体で形成されている。
車載レーダ装置50から放射された送信波は、レドム53の透過面53a及びウィンドシールド10を介して、車両の前方へ放射される。このとき、ウィンドシールド10での反射率が高いと、強度の高い反射波が車載レーダ装置50へ戻ってきて、車載レーダ装置50の増幅器やAD変換器を飽和させてしまう。その結果、遠方の物体で反射して戻ってきた受信波や、反射強度の弱い人などで反射して戻ってきた受信波を検出できなくなることがある。よって、ウィンドシールド10でのレーダ波の反射率を抑制し、透過率を上げることが望ましい。そこで、車載レーダシステム80はFSS30を備える。
FSS30は、予め設定された周波数帯域の電磁波を選択的に通過させ、その周波数帯域以外の他の周波数の電磁波の通過を抑止する板状部材である。つまり、FSS30は、いわゆるバンドパスフィルタに類する機能を有する。FSS30は、車載レーダ装置50にて送受信されるレーダ波の周波数帯域が通過帯域となるように構成されている。
本実施形態では、FSS30は、図3に示すように、正方形状の複数の周波数選択素子31が、平面状に一体的に配列された構成となっている。ただし、周波数選択素子31の形状は正方形でなくてもよい。複数の周波数選択素子31は、それぞれ物理的に分離されてはいない。FSS30を構成する周波数選択素子31の数は適宜決めることができる。本実施形態では、レドム53の透過面53aの大きさに合わせて、FSS30を構成する周波数選択素子31の数を決めている。
本実施形態で一例として開示する周波数選択素子31のそれぞれは、全体として正方形状であり、図3に示すように、正方形ループ状の外部ループ導体31aと、内部導体31bと、を有する。内部導体31bは、外部ループ導体31aにおける内部の中空領域に配置される正方形状の導体である。そして、内部導体31bは、外部ループ導体31aの中空領域において、内部導体31bの中心と、外部ループ導体31aの中心とが一致するように配置されている。つまり、周波数選択素子31は、方形ループスロット型の導体素子として構成されている。
[2.FSSの設置位置]
次に、FSS30の設置位置について、図4を参照して説明する。図4では説明のため図3に示した複数のFSS30の周波数選択素子31のうち任意の1つを抜き出して、FSS30が設置されるウィンドシールド10の2枚のガラス11,12とともにその断面を示している。ここでは、FSS30の設置位置として、第1実施例〜第5実施例の5つの実施例について説明する。図4に示すA〜Eは、第1実施例〜第5実施例に対応している。また、図4に示すFは、車載レーダシステムがFSSを備えていない従来例である。図4では、ガラス11の側がポートP1、ガラス12の側がポートP2となっている。
第1実施例では、車載レーダシステム80は2枚のFSS30を備える。以下では、2枚のFSS30を、FSS30AとFSS30Bとする。FSS30Aは、ガラス11の空気層L側の面に設置されており、一方の面がガラス11に接し、他方の面が空気層Lに接している。FSS30Bは、ガラス12の空気層L側の面に設置されており、一方の面がガラス12に接し、他方の面が空気層Lに接している。今回の実施例ではFSS30AとFSS30Bは空気層Lに接しているとしたが、樹脂等に予めパタニングを施してFSS30A,FSS30Bを形成し、樹脂ごとFSS30A,FSS30Bをガラス11,ガラス12に貼付してもよい。この際、FSS30Aは当該樹脂とガラス11との間に挟まれる構造となる。またFSS30Bは当該樹脂とガラス12との間に挟まれる構造となる。
第1実施例では、ポートP1とポートP2のどちら側に車載レーダ装置を設置してもよい。ポートP2側に車載レーダ装置50を設置し、ポートP1側を車室外側にすると、ガラス11が特許請求の範囲の第1ガラスに相当し、ガラス12が特許請求の範囲の第2ガラスに相当する。また、FSS30Aが特許請求の範囲の第1周波数選択板、FSS30Bが特許請求の範囲の第2周波数選択板に相当する。
第2実施例では、車載レーダシステム80は1枚のFSS30を備える。FSS30は、ガラス11の空気層L側の面に設置されており、一方の面がガラス11に接し、他方の面が空気層Lに接している。ここで、図6に、棒グラフBで、第2実施例での第1反射率S11、第2反射率S22、第1透過率S21、第2透過率S12を示す。第1反射率S11は、ポートP1から入射したレーダ波が反射してポートP1へ戻ってくる率を示す反射率である。第2反射率S22は、ポートP2から入射したレーダ波が反射してポートP2へ戻ってくる率を示す反射率である。第1透過率S21は、ポートP1から入射したレーダ波がポートP2を透過する率を示す透過率である。第2透過率S12は、ポートP2から入射したレーダ波がポートP1を透過する率を示す透過率である。
図6に示すように、第2実施例では、第1反射率S11よりも第2反射率S22の方が低くなっている。よって、第2実施例では、反射率が低い側のポートP2側に車載レーダ装置50を設置し、ポートP1側を車室外側にする。第2実施例では、ガラス11が特許請求の範囲の第1ガラスに相当し、ガラス12が特許請求の範囲の第2ガラスに相当する。
今回の実施例ではFSS30は空気層Lに接しているとしたが、第1実施例と同様に、樹脂等に予めパタニングを施してFSS30を形成し、樹脂ごとFSS30をガラス11に貼付してもよい。この際、FSS30は当該樹脂とガラス11との間に挟まれる構造となる。
第1実施例及び第2実施例では、FSS30を液晶ポリマーなどの基板にパタニングし、FSS30をパタニングした基板ごと、ガラス11又はガラス12の表面に貼り付けるとよい。一般に、曲面を持つウィンドシールドに金属のパタニングは困難である。FSS30をパタニングした基板ごと、ガラス11又はガラス12の表面に貼り付けることで、FSS30の製造を容易にすることができるとともに、FSS30の耐環境性を保持することができる。
第3実施例では、車載レーダシステム80は、ガラス11とガラス12との間に2枚のFSS30を備える。具体的には、FSS30Aは、ガラス11と中間層13との界面の位置に設置されており、FSS30Bは、ガラス12と中間層13との界面の位置に設置されている。第3実施例では、ポートP1とポートP2のどちら側に車載レーダ装置50を設置してもよい。ポートP1側に車載レーダ装置50を設置し、ポートP2側を車室外にすると、ガラス12が特許請求の範囲の第1ガラスに相当し、ガラス11が特許請求の範囲の第2ガラスに相当する。また、FSS30Bが特許請求の範囲の第1周波数選択板に相当し、FSS30Aが特許請求の範囲の第2周波数選択板に相当する。
第4実施例では、車載レーダシステム80は、ガラス11とガラス12との間に1枚のFSS30を備える。具体的には、ガラス11と中間層13との界面の位置に設置されている。ここで、図6において、棒グラフDで示した第1反射率S11と第2反射率S22とを比較すると、第1反射率S22よりも第1反射率S11の方が低い。よって、第4実施例では、反射率が低い側のポートP1側に車載レーダ装置50を設置し、ポートP2側を車室側にする。つまり、第4実施例では、ガラス12が特許請求の範囲の第1ガラスに相当し、ガラス11が特許請求の範囲の第2ガラスに相当する。
第5実施例では、車載レーダシステム80は、中間層13内に1枚のFSS30を備える。詳しくは、FSS30は、ガラス11と中間層13との界面と、ガラス12と中間層13との界面との中間の位置に設置されている。つまり、FSS30は、中間層の中央に設置されている。
ここで、ガラス12と中間層との界面からFSS30までの距離をdとする。第5実施例では、ポートP2からポートP1へレーダ波を送信した際に、ガラス12、FSS30及びガラス11にてレーダ波が反射される。ガラス12にて反射されたレーダ波と、FSS30で反射されたレーダ波との伝搬距離の差ΔR1は2dとなる。また、ガラス12にて反射されたレーダ波と、ガラス11にて反射されたレーダ波との伝搬距離の差ΔR2は4dとなる。つまり、伝搬距離の差ΔR2は、伝搬距離の差ΔR1の2倍となる。よって、FSS30が中間層中央に設置されることによって、ガラス12にて反射されたレーダ波と、FSS30にて反射されたレーダ波と、ガラス11にて反射されたレーダ波とが、互いに打消し合う状態にすることができる。
第5実施例では、ポートP1とポートP2のどちら側に車載レーダ装置を設置してもよい。ポートP2側に車載レーダ装置50を設置し、ポートP1側を車室外側にすると、ガラス11が特許請求の範囲の第1ガラス、ガラス12が特許請求の範囲の第2ガラスに相当する。
なお、第1実施例〜第5実施例のいずれにおいても、FSS30は、ウィンドシールド10の全面に対して設置されているわけではなく、レドム53の透過面53aと対向するウィンドシールド10の部分を含んで設けられている。つまり、FSS30は、ウィンドシールド10の上部の一部分に対して設置されており、運転上必要なドライバの視界を遮るようなことはなく、安全上問題がない。
[3.シミュレーション]
次に、第1実施例〜第5実施例において、ウィンドシールド10に対するレーダ波の入射角を変化させた電磁界シミュレーション結果について、図5〜図11を参照して説明する。図5は、入射角、及び取り付け角の関係を示す図である。取り付け角は、ウィンドシールド10と路面とがなす角である。入射角は、ウィンドシールド10に垂直な垂直面と路面とがなす角である。
図6は、電磁波を入射角0°でウィンドシールド10へ入射させた場合の電磁界シミュレーション結果を示し、図7は、TE波を入射角30°でウィンドシールド10へ入射させた場合の電磁界シミュレーション結果を示す。また、図8は、TE波を入射角60°でウィンドシールド10へ入射させた場合の電磁界シミュレーション結果を示す。TE波は、電界ベクトルが入射面に垂直な、すなわち地表に対して水平な直線偏波である。つまり、TE波は、水平偏波であり、Transverse Electric Waveの略称である。
いずれの入射角においても、第5実施例の第1透過率S21及び第2透過率S12は、すべての実施例の中で最も高く、FSSを備えていない場合よりも、十分に高くなっている。また、第5実施例の第1反射率S11及び第2反射率S22は、FSSを備えていない場合よりも十分に低くなっている。第5実施例は、すべての実施例の中で最も高い効果が見られる。
第1実施例の第1透過率S21及び第2透過率S12は、すべての実施例の中で2番目に高く、FSSを備えていない場合よりも、十分に高くなっている。また、第1実施例の第1反射率S11及び第2反射率S22は、FSSを備えていない場合よりも十分に低くなっている。第1実施例は、すべての実施例の中で2番目に高い効果が見られる。
第2実施例の第1透過率S21及び第2透過率S12は、すべての実施例の中で3番目に高く、FSSを備えていない場合よりも高くなっている。特に、第2実施例の第1透過率S21及び第2透過率S22は、入射角0°及び60°において、FSSを備えていない場合よりも十分に高くなっている。また、第2実施例の第1反射率S11及び第2反射率S22は、FSSを備えていない場合よりも十分に低く、特に、入射角0°及び60°において、FSSを備えていない場合よりも十分に低くなっている。第2実施例は、すべての実施例の中で3番目に高い効果が見られる。
第3実施例の第1透過率S21及び第2透過率S12と、第1反射率S11及び第2反射率S22とは、入射角60°において、FSSを備えていない場合よりも大きな改善が見られる。また、第4実施例の第1透過率S21及び第2透過率S12と、第1反射率S11及び第2反射率S22とは、入射角60°において、FSSを備えていない場合よりも多少の改善が見られる。
また、図9は、TM波を入射角30°でウィンドシールド10へ入射させた場合の電磁界シミュレーション結果を示す。また、図10は、TM波を入射角60°でウィンドシールド10へ入射させた場合の電磁界シミュレーション結果を示す。TM波は、電界ベクトルが入射面に平行な、すなわち地表に対して垂直な直線偏波である。つまり、TM波は、垂直偏波であり、Transverse Magnetic Waveの略称である。
TM波の場合でも、TE波と同様に、第5実施例は、すべての実施例の中で最も高い効果が見られ、第1実施例では2番目に高い効果が見られ、第2実施例では3番目に高い効果が見られる。
次に、第1実施例〜第5実施例において、TE波とTM波の効果を比較した結果について、図11〜図20を参照して説明する。図11及び図12は、第1実施例において、TE波及びTM波のそれぞれを、入射角30°及び入射角60°のそれぞれでウィンドシールド10へ入射させた場合の実験結果を示す。入射角30°及び入射角60°のいずれの場合でも、TE波の効果よりもTM波の効果の方が高くなっている。
図13及び図14は、第2実施例についての図11及び図12に対応する図である。第2実施例では、入射角30°及び入射角60°のいずれの場合でも、TE波の効果よりもTM波の効果の方が高くなっている。図15及び図16は、第3実施例についての図11及び図12に対応する図である。第3実施例では、概ね、TE波の効果よりもTM波の効果の方が高くなっている。
図17及び図18は、第4実施例についての図11及び図12に対応する図である。第4実施例では、入射角30°及び入射角60°のいずれの場合でも、TE波の効果よりもTM波の効果の方が高くなっている。図19及び図20は、第5実施例についての図11及び図12に対応する図である。第4実施例では、入射角30°及び入射角60°のいずれの場合でも、TE波の効果よりもTM波の効果の方が高くなっている。以上より、いずれの実施例においても、TE波よりもTM波の方が高い効果が得られることがわかる。よって、車載レーダ装置50からTM波のレーダ波を送受信して、物体を検知するとよい。
[4.効果]
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)ガラス11及びガラス12のうち車室内側のガラスよりも車室外側にFSS30を設置したことにより、ウィンドシールド10でのレーダ波の反射率を低下させることができる。すなわち、ウィンドシールド10で反射されて車載レーダ装置50へ戻るレーダ波の強度を抑制することができる。ひいては、人などの反射強度の弱い物体から返ってきたレーダ波でも検出することができ、反射強度の弱い物体を含む車両周辺の物体を検知することができる。
(2)第3実施例〜第5実施例では、ガラス11とガラス12との間にFSS30が設置されているため、ガラス11及びガラス12のうちの車室内側のガラスの次に、FSS30を透過してレーダ波が送信される。これにより、ウィンドシールド10で反射されて車載レーダ装置50へ戻るレーダ波の強度を抑止することができる。
(3)第5実施例では、中間層13の中央にFSS30が設置されている。これにより、ポートP1側に車載レーダ装置50を設置した場合、ガラス12にて反射されたレーダ波、FSS30にて反射されたレーダ波、及びガラス11にて反射されたレーダ波を、互いに打消し合わせることができる。よって、ウィンドシールド10で反射されて車載レーダ装置50へ戻るレーダ波の強度をより抑制することができる。
(4)第1実施例及び第2実施例では、ガラス12及びガラス11を透過したレーダ波が、FSS30を透過して送信される。よって、ウィンドシールド10で反射されて車載レーダ装置50へ戻るレーダ波の強度を抑制することができる。
(5)第1実施例では、ポートP1側に車載レーダ装置50を設置した場合、ガラス12の車室内側の表面とガラス11の車室外側の表面にFSSが設置される。これにより、ガラス12にて反射されたレーダ波、及びガラス11にて反射されたレーダ波が互いに打ち消し合う状態に近づくように、2つの反射されたレーダ波の位相をそれぞれFSSで制御することができる。よって、ウィンドシールド10で反射されて車載レーダ装置50へ戻るレーダ波の強度をより抑制することができる。
(6)車載レーダ装置50からTM波であるレーダ波を送受信することにより、TE波であるレーダ波を送受する場合よりも、ウィンドシールド10で反射されて車載レーダ装置50へ戻るレーダ波の強度をより抑制することができる。
[他の実施形態]
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(a)上記実施形態では、車載レーダ装置50はミリ波レーダであるが、これに限定されるものではない。例えば、車載レーダ装置50はマイクロ波レーダであってもよい。
(b)上記実施形態では、FSS30の周波数選択素子31は、方形ループスロット型の形状となっているが、これは一例であり、周波数選択素子31の形状は、所望の機能を発揮できる限りにおいて種々の形状を採用することができる。
(c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
10…ウィンドシールド、11,12…ガラス、13…中間層、30,30A,30B…周波数選択板、50…車載レーダ装置、80…車載レーダシステム。

Claims (14)

  1. 車両のウィンドシールド(10)であって、車室外側のガラスである第1ガラスと車室内側のガラスである第2ガラスとで誘電体である中間層(13)を挟んで形成されたウィンドシールドよりも内側に搭載された車載レーダ装置(50)から、少なくとも、前記ウィンドシールドの前記第2ガラスよりも車室外側に設置され、予め設定された周波数帯域のレーダ波を選択的に通過させる周波数選択板(30)を介してレーダ波を送受信し、
    前記ウィンドシールドの外側に存在する物体を検知し、
    前記周波数選択板は、前記中間層内に設置されている、車載レーダによる物体を検知する方法。
  2. 前記周波数選択板は、前記第2ガラス(12)と前記中間層との界面と前記第1ガラス(11)と前記中間層との界面との中間の位置に設置されている、請求項に記載の車載レーダによる物体を検知する方法。
  3. 車両のウィンドシールド(10)であって、車室外側のガラスである第1ガラスと車室内側のガラスである第2ガラスとで誘電体である中間層(13)を挟んで形成されたウィンドシールドよりも内側に搭載された車載レーダ装置(50)から、少なくとも、前記ウィンドシールドの前記第2ガラスよりも車室外側に設置され、予め設定された周波数帯域のレーダ波を選択的に通過させる周波数選択板(30)を介してレーダ波を送受信し、
    前記ウィンドシールドの外側に存在する物体を検知し、
    前記周波数選択板は、前記第1ガラス(11)の車室外側に設置されている、車載レーダによる物体を検知する方法。
  4. 前記第1ガラス(11)の車室外側に設置されている前記周波数選択板を第1周波数選択板(30A)とし、
    前記第2ガラス(12)の車室内側に設置されている前記周波数選択板である第2周波数選択板(30B)、前記ウィンドシールド、及び前記第1周波数選択板を介して、前記レーダ波を送受信する、請求項に記載の車載レーダによる物体を検知する方法。
  5. 車両のウィンドシールド(10)であって、車室外側のガラスである第1ガラスと車室内側のガラスである第2ガラスとで誘電体である中間層(13)を挟んで形成されたウィンドシールドよりも内側に搭載された車載レーダ装置(50)から、少なくとも、前記ウィンドシールドの前記第2ガラスよりも車室外側に設置され、予め設定された周波数帯域のレーダ波を選択的に通過させる周波数選択板(30)を介してレーダ波を送受信し、
    前記ウィンドシールドの外側に存在する物体を検知し、
    前記周波数選択板は、前記第2ガラス(11)と前記中間層との界面の位置に設置されている、車載レーダによる物体を検知する方法。
  6. 前記第2ガラス(11)と前記中間層との界面の位置に設置されている前記周波数選択板を第2周波数選択板(30A)とし、
    前記第2ガラス、前記第2周波数選択板(30A)、前記第1ガラス(12)と前記中間層との界面の位置に設置されている前記周波数選択板である第1周波数選択板(30B)、及び前記第1ガラスを介して、前記レーダ波を送受信する、請求項に記載の車載レーダによる物体を検知する方法。
  7. 電界ベクトルが入射面に平行な直線偏波の前記レーダ波を送受信する、請求項1〜のいずれか1項に記載の物体を検知する方法。
  8. 車両のウィンドシールド(10)よりも内側に搭載された車載レーダ装置(50)と、
    車室外側のガラスである第1ガラスと車室内側のガラスである第2ガラスとで誘電体である中間層(13)を挟んで形成されたウィンドシールドと、
    予め設定された周波数帯域の電磁波を選択的に透過させる少なくとも1枚の周波数選択板(30)と、を備え
    前記周波数選択板は、前記中間層内に設置されている、車載レーダシステム。
  9. 前記周波数選択板は、前記第2ガラス(12)と前記中間層との界面と前記第1ガラス(11)と前記中間層との界面との中間の位置に設置されている、請求項に記載の車載レーダシステム。
  10. 車両のウィンドシールド(10)よりも内側に搭載された車載レーダ装置(50)と、
    車室外側のガラスである第1ガラスと車室内側のガラスである第2ガラスとで誘電体である中間層(13)を挟んで形成されたウィンドシールドと、
    予め設定された周波数帯域の電磁波を選択的に透過させる少なくとも1枚の周波数選択板(30)と、を備え、
    前記周波数選択板は、前記第1ガラス(11)の車室外側の表面に設置されている、車載レーダシステム。
  11. 前記第1ガラス(11)の車室外側の表面に設定されている前記周波数選択板を第1周波数選択板(30A)とし、
    前記第2ガラス(12)の車室内側の表面に設置された前記周波数選択板である第2周波数選択板(30B)を備える、請求項10に記載の車載レーダシステム。
  12. 車両のウィンドシールド(10)よりも内側に搭載された車載レーダ装置(50)と、
    車室外側のガラスである第1ガラスと車室内側のガラスである第2ガラスとで誘電体である中間層(13)を挟んで形成されたウィンドシールドと、
    予め設定された周波数帯域の電磁波を選択的に透過させる少なくとも1枚の周波数選択板(30)と、を備え、
    前記周波数選択板は、前記第2ガラス(11)と前記中間層との界面の位置に設置されている、車載レーダシステム。
  13. 前記第2ガラス(11)と前記中間層との界面の位置に設置されている前記周波数選択板を第2周波数選択板(30A)とし、
    前記第1ガラス(12)と前記中間層との界面の位置に設置された前記周波数選択板である第1周波数選択板(30B)を備える、請求項12に記載の車載レーダシステム。
  14. 電界ベクトルが入射面に平行な直線偏波の前記レーダ波を送受信する、請求項8〜13のいずれか1項に記載の車載レーダシステム。
JP2017078235A 2017-04-11 2017-04-11 車載レーダ装置による物体の検知方法、及び車載レーダシステム Active JP6908417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017078235A JP6908417B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 車載レーダ装置による物体の検知方法、及び車載レーダシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017078235A JP6908417B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 車載レーダ装置による物体の検知方法、及び車載レーダシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018179706A JP2018179706A (ja) 2018-11-15
JP6908417B2 true JP6908417B2 (ja) 2021-07-28

Family

ID=64275043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017078235A Active JP6908417B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 車載レーダ装置による物体の検知方法、及び車載レーダシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6908417B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022030394A1 (ja) * 2020-08-03 2022-02-10 Agc株式会社 周波数選択表面装荷部材

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003152418A (ja) * 2001-11-19 2003-05-23 Yokohama Rubber Co Ltd:The レドーム及びそれに使用する周波数選択層
US6891517B2 (en) * 2003-04-08 2005-05-10 Ppg Industries Ohio, Inc. Conductive frequency selective surface utilizing arc and line elements
JP4784115B2 (ja) * 2005-03-15 2011-10-05 横浜ゴム株式会社 レドーム
JP6665424B2 (ja) * 2014-09-30 2020-03-13 日本電産株式会社 車載用レーダ装置および車両
JP6363528B2 (ja) * 2015-02-09 2018-07-25 株式会社デンソー レーダ装置搭載構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018179706A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6363528B2 (ja) レーダ装置搭載構造
CN107042799B (zh) 车辆
US10333205B2 (en) On-vehicle radar device and vehicle
JP6007449B2 (ja) 自動車用レーダシステムおよびその使用方法
CN107181041B (zh) 车辆
JP6297568B2 (ja) トリム部品とレーダセンサとを有する装置、自動車、および装置の製造方法
EP3107151B1 (en) Low reflection radar bracket
CN107026308B (zh) 车辆
EP2708915B1 (en) Partial covering radome for a radar unit
EP2808698B1 (en) Radar device for installation behind a windshield
EP3540851B1 (en) Antenna device
US20030052810A1 (en) Device to conceal a radar representing a pattern in relief, equipping especially a vehicle, and detection system comprising such a device
US9761933B2 (en) Millimeter wave antenna and radar apparatus for vehicle
JP2004312696A (ja) ミリ波レーダおよびその製造方法
US20170274832A1 (en) Windshield including vehicle-mounted radar
JP2001201557A (ja) ミリ波レーダ
JP2017181480A (ja) 車載レーダを備えたウィンドシールド
JP6665424B2 (ja) 車載用レーダ装置および車両
JP2007074662A (ja) ミリ波レーダ装置
JP2002330014A (ja) アンテナ装置
JP6908417B2 (ja) 車載レーダ装置による物体の検知方法、及び車載レーダシステム
JP2003243920A (ja) レドーム
JP2016070825A (ja) 車載用レーダ装置
WO2016203730A1 (ja) 曇り止め熱線付き窓用透明板
JP4098788B2 (ja) 電波減衰体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6908417

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150