以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。以下の実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
図1から図10に関連してレンズ系の実施例が開示されている。各実施例で開示されているように、一実施形態のレンズ系は、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群とを備える。第1レンズ群は、物体側から順に、最も物体側に配置された物体側に凸面を向けた負レンズと、負レンズに連続して配置された物体側に凸面を向けた負レンズと、物体側から順に負レンズと、正レンズと、負レンズとからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズとを備える。3枚接合レンズは、正の屈折力を有する。Lを最も物体側のレンズ面から結像位置までの光軸上の距離、Yを最大像高として、条件式
3.6<L/Y<5.5 ・・・(1)
を満足する。
上記構成により小型、高解像度で、倍率色収差が良好に補正された撮像光学系を実現することができる。条件式(1)は最も物体側のレンズ面から結像位置までの光軸上の距離と最大像高に関する条件である。条件式(1)の下限値以下にならないようにすることで、球面収差や像面湾曲の補正に有利となる。条件式(1)の上限値以上にならないようにすることで、小型化が容易となる。
最も物体側に物体側に凸面を向けた負レンズを配置することで、広角化が容易となるとともに、広画角化の際に発生しやすい非点収差の補正に有利となる。また第1レンズ群の径や重量が大きくなることを抑制することができる。さらに当該負レンズに連続して物体側に凸面を向けた負レンズを配置することで、強い負の屈折力をそれぞれの負レンズで分担することができ、周辺の入射光線角を緩やかに屈折させ、第1レンズ群で発生するコマ収差や非点収差の発生が抑えられるので、レンズ系全系における収差補正に有利となる。
3枚接合レンズは物体から順に負レンズと、正レンズと、負レンズを含む。このように構成することで、広角化が容易になるとともに、色収差の補正に有利となり、また高次の球面収差を抑制することができる。さらにレンズ間のゴーストの発生を抑制し、偏芯等の製造誤差による光学性能の劣化を抑制することができる。3枚接合レンズに含まれる正レンズを両凸形状にした場合は、球面収差をより良好に補正できる。3枚接合レンズが正の屈折力を有することで第1レンズ群に含まれる負レンズで発生するコマ収差や非点収差や倍率色収差を良好に補正することが容易となる。
更に、下記条件式(1−1)を満足することが望ましい。下記条件式(1−1)を満足することで、上述の効果がより顕著となる。
4.0<L/Y<5.2 ・・・(1‐1)
第2レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と、無限遠物体から近距離物体への合焦時に光軸方向に沿って移動する正の屈折力を有する第2Bレンズ群と、第2Cレンズ群とを備える。
第2Aレンズ群は、正の屈折力を有することで、第1レンズ群の負のレンズで発生した諸収差の補正が容易となる。第2Bレンズ群は、フォーカシングレンズ群であり、第1レンズ群で発散した光束を第2レンズ群で収束させることで、フォーカシングによる性能変化を小さくすることが可能となる。また、いわゆるインナーフォーカスタイプの構成とされることでフォーカシングレンズ群の軽量化を図ることが可能になり、フォーカシング動作の高速化と静音化、動画撮影時など連続的合焦精度の確保に有利となる。フォーカシング時に移動するレンズ群を一つのみとすることで枠構成をより簡略化でき、軽量化・小型化・低コスト化に有利となる。
fを無限遠合焦時におけるレンズ系の全系の焦点距離、fTCを3枚接合レンズの焦点距離として、条件式
1.5<fTC/f<5.0 ・・・(2)
を満足する。
条件式(2)は、結像光学系全系と3枚接合レンズとの屈折力のバランスに関する条件である。条件式(2)を満足することにより、小型で大画角を有しつつも高い結像性能を有する広角レンズを達成することができる。条件式(2)の下限値以下にならないようにすることで、小型化が容易となる。条件式(2)の上限値以上にならないようにすることで、相対的に、接合レンズ中の負レンズの屈折力を適切に設定でき、倍率色収差やコマ収差、非点収差の補正を容易となる。
更に、下記条件式(2−1)を満足することが望ましい。下記条件式(2−1)を満足することで上述の効果がより顕著となる。
2.1<fTC/f<4.3 ・・・(2‐1)
NCL1を3枚接合レンズ内の最も物体側の負レンズのd線に対する屈折率、NCL2を3枚接合レンズ内の正レンズのd線に対する屈折率として、条件式
−0.15<NCL1−NCL2<0.05 ・・・(3)
を満足する。
条件式(3)は、3枚接合レンズ内の最も物体側の負レンズの屈折率と3枚接合レンズの正レンズの屈折率の差を規定するものである。条件式(3)の下限値以下にならないようにすることで、ペッツバール和を0に近づけることが可能となり、像面湾曲の発生を抑えることができる。条件式(3)の上限値以上にならないようにすることで、球面収差の補正に有利となる。
θCL1を3枚接合レンズ内の最も物体側の負レンズのg線とF線間の部分分散比、θCL2を3枚接合レンズ内の正レンズのg線とF線間の部分分散比として、条件式
0.02<θCL1−θCL2<0.05 ・・・(4)
を満足する。
条件式(4)は、3枚接合レンズ内の最も物体側の負レンズの材質と3枚接合レンズの正レンズの材質とのg線とF線間の部分分散比との差を規定するものである。条件式(4)を満足することによって、2次色収差の発生を抑制することができる。
νCL2を3枚接合レンズ内の正レンズのd線基準のアッベ数、νCL3を3枚接合レンズ内の最も像側の負レンズのd線基準のアッベ数として、条件式
−68<νCL2−νCL3<−50 ・・・(5)
を満足する。
条件式(5)は、3枚接合レンズ内の正レンズのアッベ数と3枚接合レンズ内の最も像側の負レンズのアッベ数との差を規定するものである。条件式(5)を満足することにより、軸上色収差と倍率色収差を同時に良好に補正することができる。条件式(5)の下限値以下にならないようにすることで、軸上色収差及び倍率色収差の補正過剰を防ぐ。このため、収差補正に要するレンズ枚数が減少し、良好な結像性能を維持しつつ、当該光学系の小型化を図ることが容易となる。条件式(5)の上限値以上にならないようにすることで、軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正することができる。このため、少ないレンズ枚数で結像性能の良好な光学系を得ることができる。
θCL2を3枚接合レンズ内の正レンズのg線とF線間の部分分散比、θCL3を3枚接合レンズ内の最も像側の負レンズのg線とF線間の部分分散比として、条件式
−0.05<θCL2−θCL3<−0.02 ・・・(6)
を満足する。
条件式(6)は、3枚接合レンズ内の正レンズの材質と3枚接合レンズ内の最も像側の負レンズの材質とのg線とF線間の部分分散比との差を規定するものである。条件式(6)を満足することによって、2次色収差の発生を抑制することができる。
fL11を最も物体側に配置された物体側に凸面を向けた負レンズの焦点距離として、条件式
−3.2<fL11/f<−1.4 ・・・(7)
を満足する。
条件式(7)は最も物体側に配置された物体側に凸面を向けた負レンズの焦点距離と撮像光学系全系の焦点距離の関係に関する条件である。条件式(7)の下限値以下にならないようにして、負レンズの負の屈折力を十分に確保することで、広い画角の確保に有利になる。また、ペッツバール像面がプラスに強まる傾向を低減し、非点収差の低減に有利となる。条件式(7)の上限値以上にならないようにすることで、負レンズの屈折力を制限し、バックフォーカスを短くしやすくなり、光学系の全長の短縮化に有利となる。
f2Bを第2Bレンズ群の焦点距離として、条件式
3<f2B/f<8 ・・・(8)
を満足する。
条件式(8)はフォーカシングを行う第3レンズ群と全系のパワー関係を規定する。条件式(8)の下限値以下にならないようにすることで、第2Bレンズ群の屈折力を適切に設定でき、フォーカシングストロークを短くできるので、レンズ系の小型化に有利となる。条件式(8)の上限値以上にならないようにすることで、無限遠から至近距離へ変化した時の像面湾曲と球面収差の変動を抑制することができる。
ωをレンズ系の最大半画角として、条件式
−0.25<(Y−f・tanω)/(f・tanω)<−0.05 ・・・(9)
を満足する。
本レンズ系の構成においては、負の歪曲収差を発生させることで、小型化と高性能化に有利となる。光学的に発生させた歪曲収差を活用することで広い画角を得ることができる。一方、撮像素子の撮像面上に形成された光学的に発生した歪曲収差を含む像の信号を電気的な画像処理により補正し、記録、表示等を行うことも可能である。これにより光学系は負の歪曲収差を積極的に発生させて小型化と高性能化を達成し撮影した画像の歪みを低減することで小型化と高性能化の双方のメリットをいっそう活かすことが可能となる。
条件式(9)は、結像光学系の小型化のために上記基本構成の特性を十分に引き出すために好ましい条件である。条件式(9)の下限値以下にならないようにすることで、負の歪曲収差を意図的に発生させることで、広画角化と小型化の両立に有利となる。条件式(9)の上限値以上にならないようにすることで、像面湾曲を低減しやすくなり、像面湾曲の補正のための前側レンズ群の構成枚数の増加を抑え小型化につながる。また、撮像面中の最大像高へ入射する光線の入射角度の増大を抑えやすくなる。
更に、下記条件式(9−1)を満足することが望ましい。下記条件式(9−1)を満足することで上述の効果がより顕著となる。
−0.22<(Y−f・tanω)/(f・tanω)<−0.08・・・(9−1)
以上説明したように、上記のレンズ系の構成によれば、広い画角を確保しながらも大口径で小型であり、良好な結像性能を持つレンズ系を実現することができる。例えば、上記のレンズ系の構成によれば、100度以上の画角を確保しながら良好な結像性能を持つレンズ系を実現できる。レンズ系は、単焦点レンズ系として構成されてよい。
なお、本明細書等において「〜から構成され」、「〜からなり」、「〜からなる」という用語が用いられる場合、列挙された構成要素に加えて、実質的に屈折力を有さないレンズ、絞り、フィルタ及びカバーガラス等の、実質的に屈折力を有するレンズ以外の光学要素、及び/又は、レンズフランジ、撮像素子及び振れ補正機構等の機構要素を含み得る。例えば、「Xから構成され」、「Xからなり」、「Xからなる」という用語が用いられる場合、Xに加えて、実質的に屈折力を有するレンズ以外の光学要素、及び/又は、機構要素を含み得る。
次に、レンズ系の具体的な実施形態に具体的な数値を適用した実施例を説明する。まず、レンズ系の各実施例の説明で用いられる記号等の意味を説明する。
レンズデータとして面番号、曲率半径、面間隔、屈折率及びアッベ数を示す表が開示される。レンズデータの表において、面番号の欄には、最も物体側の面を第1面とし像側に向かうに従い1つずつ番号を増加させたときの面番号が示される。Rの欄には、各面の曲率半径が示される。Dの欄には、各面とその像側に隣接する面との光軸上の面間隔が示される。また、Ndの欄には、各光学要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))に対する屈折率が示され、νdの欄には、各光学要素のd線基準のアッベ数が示される。ここで、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正とし、像面側に凸の場合を負とする。曲率半径における「∞」は、当該面が平面であることを示す。
レンズデータには、開口絞りSTも含めて示す。開口絞りSTに相当する面の面番号の欄には面番号とともに「(STO)」という語句を示す。フォーカシング時等に変化する面間隔を有するレンズ系のレンズデータについては、間隔が変化する面間隔の欄に「D[面番号]」と記載し、変化する面間隔データの表を付す。
レンズデータにおいて、非球面の面番号には*印を付すとともに、曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を示す。また、非球面を有するレンズ系の実施例については、非球面の面番号と、各非球面に関する非球面係数、及び、円錐定数を含む非球面データの表を付す。非球面データの表において、非球面係数の数値の「E±n」(n:自然数)は10を底とする指数表現である。すなわち、「E±n」は、「×10±n」を意味している。例えば、「0.12345E−05」は、「0.12345×10−5」を意味している。非球面形状は、「zd」をレンズ面の頂点からの光軸方向における距離(サグ量)、「h」を光軸方向に垂直な方向における距離(高さ)、「c」をレンズの頂点における近軸曲率(曲率半径の逆数)、「κ」を円錐定数(コーニック定数)、「Am」をm次の非球面係数とすると、次の式によって定義される。
zd=ch2/(1+(1−(1+κ)c2h2)1/2)+ΣAm*hm
なお、Σはmについての和を示す。
また、各実施例のレンズ系の諸元データの表を付す。諸元データの表において、「f」は焦点距離を示す。「Fno」はFナンバーを示す。「ω」は半画角(最大半画角)を示す。「Y」は最大像高を示す。また、「INF」は無限遠合焦状態を示す。「MOD」は、最至近合焦状態を示す。
レンズデータ、変化する面間隔データ、及びレンズ系の諸元データの表において、角度の単位としては「度」を用い、長さの単位としては「mm」を用いる。しかし、レンズ系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため、他の任意の単位を用いることもできる。
なお、レンズ系が撮像レンズとして撮像装置に搭載される際には、撮像装置の仕様に応じたローパスフィルタ等の各種フィルタ及び保護用のカバーガラスを備えることが好ましい。レンズ系の各実施例では、これらを想定した平行平面板状の光学部材PP1及びPP2をレンズ系と像面IMとの間に配置した例が示されている。しかし、光学部材PP1及びPP2の位置は各実施例に示すものに限定されない。また、光学部材PP1及びPP2の両方又は一方を省略した構成も採用できる。なお、レンズデータの表には、光学部材PP1及びPP2を含める。
「Gi」はレンズ群を示す。「Gi」において文字Gに続くiは、各実施例においてレンズ系が備えるレンズ群を識別することを目的とした自然数である。レンズ群は、1つ以上のレンズを備えて構成される。「Lj」は単レンズを示す。「Lj」において文字Lに続くjは、各実施例においてレンズ系が備えるレンズを識別することを目的とした自然数である。各実施例の説明において、記号Ljが割り当てられたレンズと、他の実施例における同じ記号Ljが割り当てられたレンズとが同じレンズであることを意味するものではない。「TC」は、接合レンズを示す。記号TCが割り当てられた接合レンズと、他の実施例における同じ記号TCが割り当てられたレンズとが同じレンズであることを意味するものではない。「CLk」は接合レンズTCを構成するレンズを示す。CLに続くkは、接合レンズを構成するレンズを識別することを目的とした自然数である。また、記号CLkが割り当てられたレンズと、他の実施例における同じ記号CLkが割り当てられたレンズとが同じレンズであることを意味するものではない。同様に、ある実施例で特定の記号が割り当てられたレンズ又はレンズ群と、他の実施例において同じ記号が割り当てられたレンズ又はレンズ群とが同じレンズ又はレンズ群であることを意味するものではない。
図1は、第1実施例におけるレンズ系100のレンズ構成を、光学部材PP1及びPP2並びに像面IMとともに示す。
第1実施例のレンズ系100は、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2とからなる2群構成のレンズ系である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズL11と、物体側に凸面を向けた負レンズL12と、物体側から順に負レンズCL1と正レンズCL2と負レンズCL3とからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズTCからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと無限遠物体から近距離物体への合焦時に光軸方向に沿って移動する正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、第2Cレンズ群G2Cとからなる。
表1は、第1実施例のレンズ系100のレンズデータを示す。表2は、レンズ系100の非球面データを示す表である。表3は、レンズ系100において変化する面間隔データを示す表である。
表4は、第1実施例のレンズ系100の無限遠合焦状態及び至近合焦状態における全系の焦点距離f、FナンバーFno、半画角ω及び最大像高Yを示す諸元データの表である。
図2は、第1実施例のレンズ系100の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、及び倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、歪曲収差及び倍率色収差の各収差図は、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはC線(波長656.3nm)、d線(波長587.6nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差を、それぞれ長破線、実線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。
非点収差図にはサジタル方向(S)及びタンジェンシャル方向(T)の収差をそれぞれ実線及び短破線で示す。歪曲収差において実線はd線の値を示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差をそれぞれ長破線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。なお、球面収差図の「Fno」はFナンバーを意味する。球面収差図を除く収差図の「Y」は最大像高を意味する。各収差図から、第1実施例のレンズ系100は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図3は、第2実施例におけるレンズ系200のレンズ構成を、光学部材PP1及びPP2並びに像面IMとともに示す。
第2実施例のレンズ系200は、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2とからなる2群構成のレンズ系である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズL11と、物体側に凸面を向けた負レンズL12と、物体側から順に負レンズCL1と正レンズCL2と負レンズCL3とからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズTCからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、無限遠物体から近距離物体への合焦時に光軸方向に沿って移動する正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、第2Cレンズ群G2Cとからなる。
表5は、第2実施例のレンズ系200のレンズデータを示す。表6は、レンズ系200の非球面データを示す表である。表7は、レンズ系200において変化する面間隔データを示す表である。
表8は、第2実施例のレンズ系200の無限遠合焦状態及び最至近合焦状態における全系の焦点距離f、FナンバーFno、半画角ω及び最大像高Yを示す諸元データの表である。
図4は、第2施例のレンズ系200の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、及び倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、歪曲収差及び倍率色収差の各収差図は、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはC線(波長656.3nm)、d線(波長587.6nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差を、それぞれ長破線、実線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。
非点収差図にはサジタル方向(S)及びタンジェンシャル方向(T)の収差をそれぞれ実線及び短破線で示す。歪曲収差において実線はd線の値を示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差をそれぞれ長破線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。なお、球面収差図の「Fno」はFナンバーを意味する。球面収差図を除く収差図の「Y」は最大像高を意味する。各収差図から、第2実施例のレンズ系200は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図5は、第3実施例におけるレンズ系300のレンズ構成を、光学部材PP1及びPP2並びに像面IMとともに示す。
第3実施例のレンズ系300は、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2とからなる2群構成のレンズ系である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズL11と、物体側に凸面を向けた負レンズL12と、物体側から順に負レンズCL1と正レンズCL2と負レンズCL3とからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズTCからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、無限遠物体から近距離物体への合焦時に光軸方向に沿って移動する正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、第2Cレンズ群G2Cとからなる。
表9は、第3実施例のレンズ系300のレンズデータを示す。表10は、レンズ系300の非球面データを示す表である。表11は、レンズ系300において変化する面間隔データを示す表である。
表12は、第3実施例のレンズ系300の無限遠合焦状態及び最至近合焦状態における全系の焦点距離f、FナンバーFno、半画角ω及び最大像高Yを示す諸元データの表である。
図6は、第3施例のレンズ系300の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、及び倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、歪曲収差及び倍率色収差の各収差図は、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはC線(波長656.3nm)、d線(波長587.6nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差を、それぞれ長破線、実線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。
非点収差図にはサジタル方向(S)及びタンジェンシャル方向(T)の収差をそれぞれ実線及び短破線で示す。歪曲収差において実線はd線の値を示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差をそれぞれ長破線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。なお、球面収差図の「Fno」はFナンバーを意味する。球面収差図を除く収差図の「Y」は最大像高を意味する。各収差図から、第3実施例のレンズ系300は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図7は、第4実施例におけるレンズ系400のレンズ構成を、光学部材PP1及びPP2並びに像面IMとともに示す。
第4実施例のレンズ系400は、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2とからなる2群構成のレンズ系である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズL11と、物体側に凸面を向けた負レンズL12と、物体側から順に負レンズCL1と正レンズCL2と負レンズCL3とからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズTCとからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、無限遠物体から近距離物体への合焦時に光軸方向に沿って移動する正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、第2Cレンズ群G2Cとからなる。
表13は、第4実施例のレンズ系400のレンズデータを示す。表14は、レンズ系400の非球面データを示す表である。表15は、レンズ系400において変化する面間隔データを示す表である。
表16は、第4実施例のレンズ系400の無限遠合焦状態及び最至近合焦状態における全系の焦点距離f、FナンバーFno、半画角ω及び最大像高Yを示す諸元データの表である。
図8は、第4施例のレンズ系400の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、及び倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、歪曲収差及び倍率色収差の各収差図は、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはC線(波長656.3nm)、d線(波長587.6nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差を、それぞれ長破線、実線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。
非点収差図にはサジタル方向(S)及びタンジェンシャル方向(T)の収差をそれぞれ実線及び短破線で示す。歪曲収差において実線はd線の値を示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差をそれぞれ長破線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。なお、球面収差図の「Fno」はFナンバーを意味する。球面収差図を除く収差図の「Y」は最大像高を意味する。各収差図から、第4実施例のレンズ系400は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図9は、第5実施例におけるレンズ系500のレンズ構成を、光学部材PP1及びPP2並びに像面IMとともに示す。
第5実施例のレンズ系500は、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2とからなる2群構成のレンズ系である。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負レンズL11と、物体側に凸面を向けた負レンズL12と、物体側から順に負レンズCL1と正レンズCL2と負レンズCL3とからなる3枚のレンズを接合してなる3枚接合レンズTCとからなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、無限遠物体から近距離物体への合焦時に光軸方向に沿って移動する正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、第2Cレンズ群G2Cとからなる。
表17は、第5実施例のレンズ系500のレンズデータを示す。表18は、レンズ系500の非球面データを示す表である。表19は、レンズ系500において変化する面間隔データを示す表である。
表20は、第5実施例のレンズ系500の無限遠合焦状態及び最至近合焦状態における全系の焦点距離f、FナンバーFno、半画角ω及び最大像高Yを示す諸元データの表である。
図10は、第5施例のレンズ系500の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、及び倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、歪曲収差及び倍率色収差の各収差図は、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはC線(波長656.3nm)、d線(波長587.6nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差を、それぞれ長破線、実線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。
非点収差図にはサジタル方向(S)及びタンジェンシャル方向(T)の収差をそれぞれ実線及び短破線で示す。歪曲収差において実線はd線の値を示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)、及びh線(波長404.7nm)についての収差をそれぞれ長破線、一点鎖線、短破線、及び二点鎖線で示す。なお、球面収差図の「Fno」はFナンバーを意味する。球面収差図を除く収差図の「Y」は最大像高を意味する。各収差図から、第5実施例のレンズ系500は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
表21は、第1実施例から第5実施例のレンズ系における条件式(1)〜(9)の対応値を示す。また、表22、表23及び表24は、条件式(1)〜(9)に関連する各数値を示す。第1実施例から第5実施例はd線を基準波長としており、表21、表22、表23及び表24に示す値はこの基準波長に関するものである。
以上のデータからわかるように、第1実施例〜第5実施例のレンズ系は、大口径小型、小型、広角な単焦点レンズでありながら倍率色収差が良好に補正されて高い光学性能を有する。これにより、半画角が50度以上と広角であり、Fナンバーが2.9未満と大口径であり、かつ、十分に小型で倍率色収差が良好に補正された広角レンズを提供することができる。第1実施例〜第5実施例のレンズ系によれば、レンズ系の全長を短縮することができるので、撮像装置の小型化、特に光軸方向の厚みの薄型化に対応することができる。また、近年、撮像素子の高画素化とともに倍率色収差の補正の要求レベルが高くなっている。第1実施例〜第5実施例のレンズ系によれば、倍率色収差を良好に補正することができるため、撮像素子の高画素化にも対応することができる。
なお、上述したレンズ系が備える構成は任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用され得る。例えば、本実施例によるレンズ系は条件式(1)〜(9)、(1−1)、(2−1)及び(9‐1)を満足するものとしているが、条件式(1)〜(9)、(1−1)、(2−1)及び(9‐1)のいずれか1つを満足するものであってもよく、これらの条件式の任意の組合せを満足するものであってもよい。
以上、実施形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、及びアッベ数は、上記各実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
本実施形態に係るレンズ系は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置用のレンズ系に適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、ズーム機構を有しないレンズ系に適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、空撮用カメラ、監視用カメラ等のレンズ系に適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、レンズ非交換式の撮像装置が備える撮像レンズに適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換式カメラの交換レンズに適用できる。
次に、本実施形態に係るレンズ系を備えるシステムの一例としての移動体システムを説明する。
図11は、無人航空機(UAV)40及びコントローラ50を備える移動体システム10の一例を概略的に示す。UAV40は、UAV本体1101、ジンバル1110、複数の撮像装置1230、及び撮像装置1220を備える。撮像装置1220は、レンズ装置1160及び撮像部1140を備える。レンズ装置1160は、上述したレンズ系を備える。UAV40は、上述したレンズ系を有する撮像装置を備えて移動する移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
UAV本体1101は、複数の回転翼を備える。UAV本体1101は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV40を飛行させる。UAV本体1101は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV40を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。UAV40は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
撮像装置1230は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。複数の撮像装置1230は、UAV40の飛行を制御するためにUAV40の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。撮像装置1230は、UAV本体1101に固定されていてよい。
2つの撮像装置1230が、UAV40の機首である正面に設けられてよい。さらに他の2つの撮像装置1230が、UAV40の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置1230はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置1230もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置1230により撮像された画像に基づいて、UAV40の周囲の3次元空間データが生成されてよい。複数の撮像装置1230により撮像された被写体までの距離は、複数の撮像装置1230によるステレオカメラにより特定され得る。
UAV40が備える撮像装置1230の数は4つには限定されない。UAV40は、少なくとも1つの撮像装置1230を備えていればよい。UAV40は、UAV40の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置1230を備えてもよい。撮像装置1230は、単焦点レンズ又は魚眼レンズを有してもよい。UAV40に係る説明において、複数の撮像装置1230を、単に撮像装置1230と総称する場合がある。
コントローラ50は、表示部54と操作部52を備える。操作部52は、UAV40の姿勢を制御するための入力操作をユーザから受け付ける。コントローラ50は、操作部52が受け付けたユーザの操作に基づいて、UAV40を制御するための信号を送信する。
コントローラ50は、撮像装置1230及び撮像装置1220の少なくとも一方が撮像した画像を受信する。表示部54は、コントローラ50が受信した画像を表示する。表示部54はタッチ式のパネルであってよい。コントローラ50は、表示部54を通じて、ユーザから入力操作を受け付けてよい。表示部54は、撮像装置1220に撮像させるべき被写体の位置をユーザが指定するユーザ操作等を受け付けてよい。
撮像部1140は、レンズ装置1160により結像された光学像の画像データを生成して記録する。レンズ装置1160は、撮像部1140と一体的に設けられてよい。レンズ装置1160は、いわゆる交換レンズであってよい。レンズ装置1160は、撮像部1140に対して着脱可能に設けられてよい。
ジンバル1110は、撮像装置1220を可動に支持する支持機構を有する。撮像装置1220は、ジンバル1110を介してUAV本体1101に取り付けられる。ジンバル1110は、撮像装置1220を、ピッチ軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル1110は、撮像装置1220を、ロール軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル1110は、撮像装置1220を、ヨー軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル1110は、ピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸の少なくとも1つの軸を中心に、撮像装置1220を回転可能に支持してよい。ジンバル1110は、ピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸のそれぞれを中心に、撮像装置1220を回転可能に支持してよい。ジンバル1110は、撮像部1140を保持してもよい。ジンバル1110は、レンズ装置1160を保持してもよい。ジンバル1110は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させることで、撮像装置1220の撮像方向を変更してよい。
図12は、UAV40の機能ブロックの一例を示す。UAV40は、インタフェース1102、制御部1104、メモリ1106、ジンバル1110、撮像部1140、及びレンズ装置1160を備える。
インタフェース1102は、コントローラ50と通信する。インタフェース1102は、コントローラ50から各種の命令を受信する。制御部1104は、コントローラ50から受信した命令に従って、UAV40の飛行を制御する。制御部1104は、ジンバル1110、撮像部1140、及びレンズ装置1160を制御する。制御部1104は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。メモリ1106は、制御部1104がジンバル1110、撮像部1140、及びレンズ装置1160を制御するのに必要なプログラムなどを格納する。
メモリ1106は、コンピュータが可読な記録媒体でよい。メモリ1106は、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ1106は、UAV40の筐体に設けられてよい。UAV40の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
ジンバル1110は、制御部1112、ドライバ1114、ドライバ1116、ドライバ1118、駆動部1124、駆動部1126、駆動部1128、及び支持機構1130を有する。駆動部1124、駆動部1126及び駆動部1128は、モータであってよい。
支持機構1130は、撮像装置1220を支持する。支持機構1130は、撮像装置1220の撮像方向を可動に支持する。支持機構1130は、撮像部1140及びレンズ装置1160をヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸を中心に回転可能に支持する。支持機構1130は、回転機構1134、回転機構1136、及び回転機構1138を含む。回転機構1134は、駆動部1124を用いてヨー軸を中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させる。回転機構1136は、駆動部1126を用いてピッチ軸を中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させる。回転機構1138は、駆動部1128を用いてロール軸を中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させる。
制御部1112は、制御部1104からのジンバル1110の動作命令に応じて、ドライバ1114、ドライバ1116、及びドライバ1118に対して、それぞれの回転角度を示す動作命令を出力する。ドライバ1114、ドライバ1116、及びドライバ1118は、回転角度を示す動作命令に従って駆動部1124、駆動部1126、及び駆動部1128を駆動させる。回転機構1134、回転機構1136、及び回転機構1138は、駆動部1124、駆動部1126、及び駆動部1128によりそれぞれ駆動されて回転し、撮像部1140及びレンズ装置1160の姿勢を変更する。
撮像部1140は、レンズ系1168を通過した光により撮像する。撮像部1140は、制御部1222、撮像素子1221及びメモリ1223を備える。制御部1222は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部1222は、レンズ系1168の合焦制御を行う。制御部1222は、制御部1104からの撮像部1140及びレンズ装置1160に対する動作命令に応じて、撮像部1140及びレンズ装置1160を制御する。制御部1222は、コントローラ50から受信した信号に基づいて、レンズ装置1160に対する制御命令をレンズ装置1160に出力する。制御命令は、フォーカシングを担うレンズ群を移動させる命令の他、レンズ系1168を振動させる命令、レンズ系1168の温度を検出する命令等を含んでよい。
メモリ1223は、コンピュータが可読な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ1223は、撮像部1140の筐体の内部に設けられてよい。撮像部1140の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
撮像素子1221は、撮像部1140の筐体の内部に保持され、レンズ装置1160を介して結像された光学像の画像データを生成して、制御部1222に出力する。撮像素子1221は、レンズ系1168により形成される光学像を電気信号に変換する。撮像素子1221は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等であってよい。撮像素子1221は、その撮像面がレンズ系1168の像面に一致するように配置される。レンズ系1168により撮像された像は撮像素子1221の撮像面上に結像し、撮像素子1221から画像データとして出力される。制御部1222は、撮像素子1221から出力された画像データに信号処理を施してメモリ1223に格納する。制御部1222は、画像データを、制御部1104を介してメモリ1106に出力して格納してもよい。
レンズ装置1160は、制御部1162、メモリ1163、駆動機構1161、及びレンズ系1168を備える。レンズ系1168として、上記の実施形態及び実施例に係るレンズ系を適用できる。
制御部1162は、制御部1222からの制御命令に従って、レンズ系1168を駆動してよい。駆動機構1161は、制御部1162からの制御命令に従って、レンズ系1168が備える1以上のレンズ群及び開口絞りを光軸方向に移動させることにより、レンズ系1168の焦点を調節してよい。駆動機構1161は、制御部1162からの制御命令に従って、レンズ系1168が備える開口絞りを制御してよい。駆動機構1161は、制御部1162からの制御命令に従って、レンズ系1168を振動させてよい。駆動機構1161は、例えばアクチュエータなどを備える。レンズ装置1160のレンズ系1168により結像された像は、撮像部1140により撮像される。
レンズ装置1160は、撮像部1140と一体的に設けられてよい。レンズ装置1160は、いわゆる交換レンズであってよい。レンズ装置1160は、撮像部1140に対して着脱可能に設けられてよい。
撮像装置1230は、制御部1232、制御部1234、撮像素子1231、メモリ1233、及びレンズ1235を備える。制御部1232は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部1232は、制御部1104からの撮像素子1231の動作命令に応じて、撮像素子1231を制御する。
制御部1234は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部1234は、レンズ1235に対する動作命令に応じて、レンズ1235の焦点を調節してよい。制御部1234は、レンズ1235に対する動作命令に応じて、レンズ1235が有する開口絞りを制御してよい。
メモリ1233は、コンピュータが可読な記録媒体であってよい。メモリ1233は、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。
撮像素子1231は、レンズ1235を介して結像された光学像の画像データを生成して、制御部1232に出力する。制御部1232は、撮像素子1231から出力された画像データをメモリ1233に格納する。
本実施形態では、UAV40が、制御部1104、制御部1112、制御部1222、制御部1232、制御部1234、及び制御部1162を備える。しかし、制御部1104、制御部1112、制御部1222、制御部1232、制御部1234、及び制御部1162のうちの複数で実行される処理をいずれか1つの制御部が実行してよい。制御部1104、制御部1112、制御部1222、制御部1232、制御部1234、及び制御部1162で実行される処理を1つの制御部で実行してもよい。本実施形態では、UAV40が、メモリ1106、メモリ1223、及びメモリ1233を備える。メモリ1106、メモリ1223、及びメモリ1233のうちの少なくとも1つに記憶される情報は、メモリ1106、メモリ1223、及びメモリ1233のうちの他の1つ又は複数のメモリに記憶してよい。
撮像装置1220が上記の実施形態及び実施例に係るレンズ系を有するレンズ装置1160を備えることで、小型でありながら高画質で広角撮影が可能な無人航空機を提供することができる。
次に、上記の実施形態及び実施例に係るレンズ系を備えるシステムの一例としてのスタビライザを説明する。
図13は、スタビライザ3000の一例を示す外観斜視図である。スタビライザ3000は、移動体の他の一例である。例えば、スタビライザ3000が備えるカメラユニット3013が、撮像装置1220と同様の構成の撮像装置を備えてよい。カメラユニット3013が、レンズ装置1160と同様の構成のレンズ装置を備えてよい。
スタビライザ3000は、カメラユニット3013、ジンバル3020、及び持ち手部3003を備える。ジンバル3020は、カメラユニット3013を回転可能に支持する。ジンバル3020は、パン軸3009、ロール軸3010、及びチルト軸3011を有する。ジンバル3020は、パン軸3009、ロール軸3010、及びチルト軸3011を中心に、カメラユニット3013を回転可能に支持する。ジンバル3020は、支持機構の一例である。
カメラユニット3013は、撮像装置の一例である。カメラユニット3013は、メモリを挿入するためのスロット3014を有する。ジンバル3020は、ホルダ3007を介して持ち手部3003に固定される。
持ち手部3003は、ジンバル3020、カメラユニット3013を操作するための各種ボタンを有する。持ち手部3003は、シャッターボタン3004、録画ボタン3005、及び操作ボタン3006を含む。シャッターボタン3004が押下されることで、カメラユニット3013により静止画を記録することができる。録画ボタン3005が押下されることで、カメラユニット3013により動画を記録することができる。
デバイスホルダ3001が持ち手部3003に固定されている。デバイスホルダ3001は、スマートフォンなどのモバイルデバイス3002を保持する。モバイルデバイス3002は、WiFiなどの無線ネットワークを介してスタビライザ3000と通信可能に接続される。これにより、カメラユニット3013により撮像された画像をモバイルデバイス3002の画面に表示させることができる。
スタビライザ3000においても、カメラユニット3013が上記の実施形態に係るレンズ系を備えることで、小型でありながら高画質で広角撮影が可能なスタビライザを提供することができる。
以上、移動体の一例としてUAV40及びスタビライザ3000を取り上げて説明した。撮像装置1220と同様の構成を有する撮像装置は、UAV40及びスタビライザ3000以外の移動体に取り付けられてよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。