JP6905899B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

この発明は電気掃除機に関し、より詳細には一端が本体に接続される吸引ホースの他端側に接続されてスイッチング駆動される負荷と、前記他端側に配置される状態検出素子と、前記状態検出素子のオンとオフとに応じた電圧レベルを生成する状態検出回路とを備えた電気掃除機に関する。
吸引用の電動送風機と集塵室とを有する本体に吸引ホースの一端が接続され、その吸引ホースをユーザが引っ張って本体を移動させるキャニスター型の掃除機が広く用いられている。
キャニスター型の掃除機では一般に、ユーザが掃除機を操作し易いようにユーザが手で持つ吸引ホースの他端部に電動送風機をオンオフさせる操作スイッチ等が配置される。
また、吸引ホースの他端側には、延長パイプを介して床面の塵埃を吸引する吸込口体が接続され、その吸込口体に回転ブラシが配置されたものが多い。回転ブラシは、回転して床面上の塵埃を掻き上げる。吸引の気流で回転するものもあれば、モータの駆動力で回転するものもある。床に敷かれたカーペットやラグの塵埃を掻き出す能力は、モータ駆動型の回転ブラシが気流で回転するものよりも優れている。近年はモータ駆動型回転ブラシを有する電気掃除機が多い。
これら操作スイッチやモータは本体から電源の供給を受けて動作する。吸引ホースの一端側から他端側へ電源を供給する導線は、屈曲あるいは本体を引っ張る荷重に耐えて断線や短絡が生じないようにしなければならない。そのため、弾性を有しつつ剛性に富む硬鋼線を弦巻バネ状に形成して円筒状の吸引ホース表面に複数本配置し、それぞれの硬鋼線を絶縁被覆して、導線として用いるのが一般的である。
硬鋼線は、銅線よりも高い剛性を有しているので断線や短絡が生じにくく、また銅線に比べて軽量で安価である。
しかし、硬鋼線は銅線に比べると抵抗率が大きい。また、吸引ホースは全長が1メートルを越え、表面に巻かれる硬鋼線の全長はそれよりもずっと長いのでノイズの影響を受けやすい。
これに関連して、吸引ホースに配置される運転スイッチからの信号を受けて電源(バッテリー)をオンオフするラッチスイッチ回路のノイズによる誤動作を防止できる構成、さらに前記信号をマイクロコンピュータへの操作入力手段に用いる構成が提案されている。
特開2015−97455号公報
上述のように、吸引ホースは導線として複数の弦巻バネ状の硬鋼線を用いるが、重量や屈曲性の関係から使用できる本数には限りがある。その観点から、回転ブラシ用のモータ等、負荷への電力供給とスイッチ等の状態検出用の電源供給に共通の導線を用いて、できるだけ導線の本数を少なくすることが好ましい。
一方で、硬鋼線は抵抗率が大きく全長が長いので負荷電流の多少による電圧降下の影響を受け易く、電圧の変動はスイッチの状態検出に関してノイズの要素になる。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、吸引ホースの導線の本数を減らすために負荷への電力供給と状態検出用の電源供給に共通の導線を用いた場合でも、ノイズの影響を受けにくい構成を実現するものである。
この発明は、電圧源を有する本体と、前記本体に一端が接続され前記電圧源からの電圧を他端へ導く導線を有する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端側に配置される負荷と、他端側へ導かれた前記電圧をスイッチングして負荷を駆動するスイッチング素子と、前記吸引ホースの他端側に配置される状態検出素子と、前記状態検出素子が検出する状態に応じた電圧レベルを前記吸引ホースの他端側へ導かれた電圧から生成する状態検出回路と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御し、かつ、前記状態検出素子が検出した状態に応じて制御を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記負荷の駆動中は前記スイッチング素子がオフの期間にのみ前記状態検出素子による状態の検出を行う電気掃除機を提供する。
この発明による電気掃除機において、制御部は、負荷の駆動中はスイッチング素子がオフの期間にのみ状態検出回路の状態を検出するので、吸引ホースの導線の本数を減らすために負荷への電力供給と状態検出用の電源供給に共通の導線を用いた場合でも負荷の駆動に伴うノイズの影響を受けにくい構成を実現できる。
この実施の形態による電気掃除機の外観斜視図である。 図1に示す電気掃除機の電気的な概略構成を示すブロック図である。(実施の形態1) 図2に示す電気掃除機において、トランジスタQ1のコレクタ電圧Vcと、アナログ入力端子の電圧レベルVinの波形を示すグラフである。 図2と異なる態様の構成を示すブロック図である。(実施の形態2) 図4と異なる態様の構成を示すブロック図である。(実施の形態3) 図2とさらに異なる態様の構成を示すブロック図である。(実施の形態4)
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態による電気掃除機の外観斜視図である。図1に示すように、電気掃除機10は、本体11、吸引ホース21、手元ハンドル22、手元ハンドルに敷設された手元操作部23、延長パイプ24および吸込口体25を備える。
吸引ホース21は一端が本体11の前方に離脱可能に接続され、ユーザは手元ハンドル22を手で保持しながら延長パイプ24の先端の吸込口体25を床面に接触させながら移動させることができる。
本体11は、両側面に一対のリング状車輪を、前方下部に自在車輪をそれぞれ備え、使用者が手元ハンドル22を手で保持して移動するとき、本体11はその移動に追随する。
本体11は、床面の塵挨を空気と共に吸込口体25から延長パイプ24と吸引ホース21を介して吸引する。
図2は、図1に示す電気掃除機の電気的な概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、本体は電圧源13、制御用のマイクロコンピュータであるMPU15、トランジスタ駆動回路16、吸引モータ駆動回路17および吸引モータ18を備える。さらに、状態検出回路の要素である接地抵抗R0、スイッチング素子であるトランジスタQ1およびフリーホイリングダイオードFDを備える。フリーホイリングダイオードFDは、インダクタンス成分を有する負荷であるブラシモータ27の電流をトランジスタQ1がオフする際に、急激な電流の変化に対してトランジスタQ1の耐圧を超える高電圧がエミッタ−コレクタ間に瞬時的にかかるのを防ぐためのものである。
手元操作部23は、操作スイッチSW1と、状態検出回路の要素である抵抗R1を備える。
吸込口体25の下面には、回転ブラシが配置されている(図1および図2に不図示)。さらに、吸込口体25は、回転ブラシを回転させるブラシモータ27を備える。吸込口体25のブラシモータ27は延長パイプ24を介して手元操作部23と電気的に接続されている。接続のために延長パイプ24は、2本の導線を有するが、屈曲する吸引ホース21と異なり延長パイプ24の導線は直線状に形成される。
電圧源13は、図示しない電源コードを介して外部の商用交流電源から電力の供給を受け直流電圧を生成する。電圧源13が生成する直流電圧の値は、一例で18ボルトである。あるいは、電圧源13は、充電池であってもよい。その場合、電圧源13としての充電地の出力電圧は満充電からの使用に伴い変動するが一例で21V〜15Vである。本体11のMPU15、トランジスタ駆動回路16、吸引モータ駆動回路17の各回路は、電圧源13で生成された直流電圧の供給を受けて動作する。また、吸引モータ18を駆動する電源となる。なお、変形例として吸引モータ18は商用交流電源で回転する交流モータであってもよい。その場合でもMPU15が制御する吸引モータ駆動回路17は電圧源13から直流電圧の供給を受けて動作する。
トランジスタ駆動回路16は、MPU15から出力されるパルス信号出力を受けてトランジスタQ1をドライブする。
ブラシモータ27の一方の端子は、吸引ホース、延長パイプ24を介して本体11の電圧源13に接続されている。他方の端子は、トランジスタQ1のコレクタおよびエミッタを経て接地されている。ブラシモータ27を回転させる際に、トランジスタQ1は前記パルス信号に同期してオンおよびオフを繰り返す。一例で、トランジスタQ1がオンおよびオフを繰り返すスイッチングの周期は20ミリ秒である。
トランジスタQ1がオンの期間、電圧源13の直流電圧がブラシモータ27の両端子間に印加される。トランジスタQ1がオフの期間、両端子間に電圧がかからない。このスイッチングにより、ブラシモータ27の端子には、平均すると電圧源13に直結された場合よりも低い電圧が印加された状態になる。従って、電圧源13に直結された場合よりも低い回転速度で回転する。
手元操作部23には、操作スイッチSW1が配置されている。この実施形態で操作スイッチSW1は押されている間だけ接点が閉じるタクトスイッチである。
操作スイッチSW1が押されると、電圧源13から吸引ホース21を介して供給される直流電圧が抵抗R1および接地抵抗R0を介して流れる。抵抗R1と接地抵抗R0とが接続される箇所がMPU15のアナログ入力端子に導かれ、MPU15は、その箇所の電圧レベルVinを検出する。一例で、接地抵抗R0の電気抵抗は120kΩ、抵抗R1の電気抵抗は220kΩである。
操作スイッチSW1の接点が開いた状態で、前述のアナログ入力端子は接地抵抗R0を介して接地され、電圧レベルVinはゼロである。操作スイッチSW1が押されて接点が閉じると、抵抗R1の一端が吸引ホース21を介して電圧源13に接続される。電圧レベルVinは、電圧源13の電圧が抵抗R1とR0とで分圧されたものになる。MPU15は、電圧レベルVinの値を読み取って操作スイッチSW1が押された状態か否かを判断する。
なお、電圧源13が充電池の場合、電圧源13の電圧が使用に伴い変動することから図2に図示しない検出回路で充電池の出力電圧を検出する。あるいは、充電池が出力電圧レベルをMPU15に提供する。MPU15は、検出された電圧源13の出力電圧と電圧レベルVinとの比に基づいて操作スイッチSW1が押された状態か否かを判断する。
この実施形態で、吸引モータ18が停止の状態で操作スイッチSW1が一度押されると、操作スイッチSW1のオンを検出したMPU15は、吸引モータ駆動回路17を制御して吸引モータ18を予め定められた第1速度で回転させる。
吸引モータ18が第1速度で回転している状態で操作スイッチSW1が押されると、その操作を検出したMPU15は、吸引モータ18を前記第1速度と異なる第2速度で回転させる。第2速度は、例えば、第1速度よりも低い速度である。
吸引モータ18が第2速度で回転している状態で操作スイッチSW1が押されると、その操作を検出したMPU15は、吸引モータ18を停止させる。
以上のように、MPU15は、吸引モータ18の停止状態から操作スイッチSW1が押される度に、吸引モータ18を第1速度(強運転)、第2速度(弱運転)、停止の順に回転させあるいは停止させる。
この実施形態で、吸引モータ18は直流モータであって、一方の端子は電圧源13に接続されている。MPU15は吸引モータ駆動回路17に対して第1速度および第2速度に対応したデューティー比のパルス信号を出力する。吸引モータ駆動回路17は、前記パルス信号のオンオフのタイミングに同期して吸引モータ18の他方の端子を接地電位と接続したりその接続を遮断したりする。それによって、平均すると吸引モータ18の端子間に電圧源13の直流電圧よりも低い電圧が印加された状態になる。MPU15は、前記パルス信号のデューティー比を変えて吸引モータ18の回転速度を第1速度と第2速度とに切換える。なお、図2に不図示であるが、ブラシモータ27と同様に吸引モータ18にもフリーホイリングダイオードが接続されている。
MPU15は、吸引モータ18を回転させる運転期間中、ブラシモータ27も併せて回転させる。
吸引モータ18と同様に、この実施形態でブラシモータ27は直流モータである。MPU15は、トランジスタ駆動回路16に対して予め定められたデューティー比のパルス信号を出力する。トランジスタ駆動回路16は、そのパルス信号のオンオフのタイミングに同期してブラシモータ27の端子間に印加される電圧源13からの直流電圧をスイッチングする。
一例で、ブラシモータ27に流れる平均電流は、床面がフローリングや畳の場合0.5アンペア程度であるが、絨毯やラグのような回転負荷の大きい床面を掃除する場合は2アンペア程度まで増大する。その電流の大きさは、操作スイッチSW1がオンした場合に抵抗R1および接地抵抗R0を介して流れる電流よりもずっと大きい。
図3は、トランジスタQ1のコレクタ電圧Vcと、アナログ入力端子の電圧レベルVinの波形を示すグラフである。図3の電圧レベルVinの波形は、操作スイッチSW1が押された状態のものである。操作スイッチSW1がオフの状態で、電圧レベルVinはゼロである。
図3に示すグラフの横軸はいずれも時間tの経過を示している。縦軸は上側のグラフがコレクタ電圧Vcを示し、下側のグラフがアナログ入力端子への入力電圧レベルVinを示す。
図3に示すように、トランジスタQ1がオンすると、コレクタ電圧Vcは接地電位に近くなる。トランジスタQ1がオフすると、ブラシモータ27のインダクタンス成分によりフリーホイリングダイオードFDにモータ電流が還流する。そのときのコレクタ電圧Vcは、電圧源13が出力する電圧から還流によるフリーホイリングダイオードFDの順電圧降下を差し引いた電圧になる。
ところが、吸引ホース21の導線に幾分かの電気抵抗がある。一例で、吸引ホース21の全長は1.2メートルであり、管径は45ミリメートルである。吸引ホース21の表面に螺旋状に巻かれた硬鋼線は、直径0.8ミリメートルであり、硬鋼線の1本あたりのピッチは約25ミリメートル、従って硬鋼線の全長は約6.7メートルであり、直流抵抗は約2Ωである。吸引ホース21を介して本体11から手元操作部23へ供給される電圧源13からの直流電圧は、ブラシモータ27に流れる電流にほぼ比例して降下する。即ち、降下電圧の大きさはブラシモータ27に流れる電流にほぼ比例する。
トランジスタQ1がオンの期間は、吸引ホース21の導線にブラシモータ27への電流が流れて電圧降下が生じる。手元操作部23における電圧源13からの直流電圧は本体11における直流電圧よりも低くなる。
トランジスタQ1がオフ期間は、ブラシモータ27の電流はフリーホイリングダイオードFDを還流するようになり、電圧源13から吸引ホース21を介してブラシモータ27に流れる電流は短期間のうちに減少する。
操作スイッチSW1がオンしても、抵抗R1およびR0に流れる電流の大きさはトランジスタQ1のオン時にブラシモータ27の電流に流れる電流に比べて非常に小さい。即ち、降下電圧は吸引ホース21を介してブラシモータ27へ流れる電流の大きさでほぼ決まるので、トランジスタQ1のオンおよびオフに同期して変動する。図3に示す波形のように電圧レベルVinは、トランジスタQ1がオンの期間は前記降下電圧の影響を大きく受け、トランジスタQ1がオフの期間は前記降下電圧の影響が小さい。
この実施形態においてMPU15は、トランジスタQ1のオフ期間に同期してアナログ入力端子の電圧レベルVinを読み取る。即ち、降下電圧の影響が少ないオフ期間にのみアナログ入力端子を読み取って、操作スイッチSW1がオンかオフかの状態を判断する。
図3の波形に付記したように、トランジスタQ1のオフ期間に同期して、MPU15はアナログ入力端子の電圧Vinを読み取る。
MPU15は、トランジスタQ1のスイッチングを制御しているので、そのオフ期間と同期してアナログ入力端子の電圧を読み取ることができる。
図3の波形に示すように、トランジスタQ1がオフすると、吸引ホース21からブラシモータ27への電流が次第に小さくなり、それに対応して降下電圧が減少する。降下電圧が伝承すると、アナログ入力端子への電圧レベルVinが大きくなる。
MPU15は、トランジスタQ1のオフ期間の終わりかあるいはオフ期間の終わりから所定の期間だけ前のタイミングである時刻t1、t2、t3…において電圧レベルVinを読み取る。
このようなタイミングでアナログ入力端子の電圧を読み取ることで、共通の導線に接続されるブラシモータ27の電流による降下電圧の影響を低減し、電圧レベルVinを精度よく読み取ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1で、アナログ入力端子の電圧Vinは、唯一つの操作スイッチSW1のオンおよびオフの状態を検出したが、この実施形態では、複数の操作スイッチの状態を1つの電圧レベルVinで読み取る態様について述べる。
図4は、この実施形態に係るブロック図であり、図2と異なる態様の構成を示す。図4で、手元操作部23に2つの操作スイッチが配置されている。操作スイッチSW1は、実施の形態1と同じであり、並列に操作スイッチSW2が抵抗R2を介して接地抵抗R0に接続されている。
前述のように、抵抗R0が120kΩ、抵抗R1が220kΩであるのに対して、抵抗R2は360kΩに設定されている。即ち、抵抗R1より大きな抵抗値に設定されている。このようにR1と異なるようにR2の抵抗値を選択することで、操作スイッチSW1がオンでSW2がオフの場合と、SW1がオフでSW2がオンの場合とで接地抵抗R0との分圧で決まる電圧レベルVinの値が異なる。よって、MPU15は、アナログ入力端子の電圧Vinを読み取ることで何れの操作スイッチがオンで何れのスイッチがオフかを判断できる。
操作スイッチSW1とSW2が同時にオンした場合にも、操作スイッチSW1とSW2が何れか一方あるいは両方の操作スイッチがオフの場合と異なる電圧レベルVinが読み取られる。よって、吸引ホース21の導線の本数を増やすことなく複数の操作スイッチの状態を判別できる。
図4は、操作スイッチが2つの場合を示しているが、更にその数が増えた場合も他と異なる大きさの抵抗を介して接地抵抗R0に並列接続する構成で導線の本数を増やすことなく複数のスイッチの状態を判別できる。並列接続されるスイッチの数が増えるに従って、各スイッチのオンオフ状態で決まる電圧レベルVinの他の状態との差が小さくなるが、前述のようにMPU15は、トランジスタQ1のオフ期間に同期したタイミングでアナログ入力端子への電圧レベルVinを読み取ることで降下電圧の影響を低減し高い精度の読み取りを実現できる。
(実施の形態3)
実施の形態2では、複数の操作スイッチの状態を1つの電圧レベルVinを読み取ることで判別する構成を述べたが、検出の対象は操作スイッチに限らない。この実施形態では、操作スイッチ以外の状態を検出する例を述べる。
図5は、この実施形態に係るブロック図であり、図4と異なる態様の構成を示す。図5の回路は、図4の操作スイッチSW2に代わる床検知スイッチSW3と、図4の抵抗R2に代わる抵抗R3とで構成されている。図4と異なり、床検知スイッチSW3および抵抗R3は吸込口体25に配置されている。それに伴い、延長パイプ24の導線の本数が図4の構成よりも1本多く3本である。
吸引口が設けられた吸込口体25の下面が床面に接すると、床検知スイッチSW3がオンして接点が閉じ、床面から離れるとオフして接点が開くように構成されている。
この実施形態でMPU15は、運転中に床検知スイッチSW3がオンするとブラシモータ27を回転させるが、床検知スイッチSW3がオフするとブラシモータ27を停止させて、吸込口体25の下面が持ち上がった状態で回転ブラシに付いた塵埃が回転によって飛び散らないようにする。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3で、MPU15は、ブラシモータ27を予め定められたデューティー比でスイッチングして駆動したが、この実施の形態では、ブラシモータ27を駆動するデューティー比を変える態様について述べる。
図6は、この実施形態に係るブロック図であり、図2とさらに異なる態様の構成を示す。
図2と異なり、図6では、トランジスタQ1のエミッタと接地電位との間に電流検出抵抗Rmが挿入されている。MPU15は、電流検出抵抗Rmにブラシモータ27の電流が流れて生じる電位差Vmを読み取ることでブラシモータ27の電流の大きさを検出する。なお、電位差VmがトランジスタQ1の駆動に影響することにないように電流検出抵抗Rmの電気抵抗は十分小さな値が選択されている。
ブラシモータ27に流れる電流が大きい場合、回転ブラシを回転させるための機械的抵抗が大きいといえる。逆に、ブラシモータ27の電流が小さい場合、回転ブラシを回転させるための機械的抵抗が小さいといえる。
MPU15は、ブラシモータ27の電流の大きさを予め定められた閾値と比較することで、床面がフロアかカーペットやラグかを判断する。床面がカーペットやラグであると判断した場合、カーペットやラグの奥にある塵埃を掻き出すために床面よりも回転ブラシを速く回転させる。
具体的には、トランジスタ駆動回路16へ出力するパルス信号のデューティー比を変える。それに伴って、トランジスタQ1のデューティー比が変わり、ブラシモータ27の速度が変わる。
なお、MPU15は、トランジスタQ1のデューティー比に関わらず、トランジスタQ1のオン期間の終期に同期したタイミングで電圧レベルVinを読み取る。
以上に述べたように、
(i)この発明による電気掃除機は、電圧源を有する本体と、前記本体に一端が接続され前記電圧源からの電圧を他端へ導く導線を有する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端側に配置される負荷と、他端側へ導かれた前記電圧をスイッチングして負荷を駆動するスイッチング素子と、前記吸引ホースの他端側に配置される状態検出素子と、前記状態検出素子が検出する状態に応じた電圧レベルを前記吸引ホースの他端側へ導かれた電圧から生成する状態検出回路と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御し、かつ、前記状態検出素子が検出した状態に応じて制御を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記負荷の駆動中は前記スイッチング素子がオフの期間にのみ前記状態検出素子による状態の検出を行うことを特徴とする。
この発明において、電圧源は、本体にあって負荷に電力を供給し状態検出素子が検出する状態に応じた電圧レベルを状態検出回路が生成するために用いられる電圧を提供するものである。その具体的な態様は、例えば、前述の実施形態において安定化された直流電圧を出力する直流安定化電源回路である。しかし、これに限らず電圧源は交流電圧、時間と共に変動する電圧を供給するものであってもよい。
また、導線は、電圧源からの電圧を本体に一端側が接続された吸引ホースの他端へ導く導体である。その具体的な態様は、例えば、前述の実施形態における弦巻バネ状の硬鋼線である。しかし、これに限らず例えば導線にピアノ線、アルミニウム線など他の材質が用いられてもよい。また、形状は弦巻バネ状のものに限らない。
さらにまた、スイッチング素子は、電圧源から負荷に供給される電力をオンおよびオフするものである。この発明におけるスイッチング素子は、負荷への電力を遮断する場合は継続的なオフ状態をとるが、負荷に電力を供給する場合は、継続的なオン状態ではなくオンおよびオフを繰り返すスイッチング動作を行う。その具体的な態様は、例えば、前述の実施形態において電圧源からの直流電圧をオンおよびオフするトランジスタ素子である。しかし、これに限らず例えば交流電圧をスイッチングするサイリスタやトライアックであってもよい。スイッチングは、スイッチング素子がオンおよびオフを繰り返すことであり、スイッチングを行って負荷に電力を供給する。
負荷は、吸引ホースの他端側にあって本体の電圧源から吸引ホースを介して電力の供給を受けるものである。その具体的な態様は、例えば、前述の実施形態において回転ブラシを回転させるモータである。しかし、これに限らず例えば吸込口体を走行させるモータであってもよく、モータ以外のものであってもよい。
また、状態検出素子は、吸引ホースの他端側にあって状態を検出するものである。その具体的な態様は、例えば、前述の実施形態における操作スイッチである。しかし、これに限らず例えば吸込口体が床面に接しているか否かを検出するスイッチやスイッチ以外のセンサであってもよい。
さらにまた、状態検出回路は、電圧源から電圧の供給を受けて状態検出素子が検出する状態に応じた電圧レベルを生成する回路である。
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)前記吸引ホースの他端側の先に回転ブラシを有する吸込口体が装着され、前記負荷は前記回転ブラシを回転させるモータであり、前記状態検出素子はユーザからの指示に係る操作の状態を検出してもよい。
このようにすれば、吸引ホースの導線の本数を減らすために回転ブラシを回転させるモータへの電力供給とユーザからの指示に係る操作の状態を検出する素子への電源供給に共通の導線を用いた場合でも前記モータの駆動に伴うノイズの影響を受けにくい操作の検出処理を実現できる。
(iii)前記吸引ホースは、他端側に複数の状態検出素子を有し、前記状態検出回路は、何れの状態検出素子が何れの状態を検出しているかに応じて異なる電圧レベルを前記制御部に入力してもよい。
このようにすれば、吸引ホースの他端側に複数の状態検出素子が設けられていても、制御部は、一つの導線を介して入力される前記状態検出回路の電圧レベルを検出することによって何れの前記状態検出素子が何れの状態を検出しているかを判断できる。
(iv)前記制御部は、前記負荷を駆動している場合、前記スイッチング素子のオフの終期またはその終期より所定の期間だけ前のタイミングで前記状態検出回路からの電圧レベルを検出してもよい。
このようにすれば、スイッチング素子がオンからオフになった後に状態が安定するまでの期間を経た、オフの終期に近い時点で状態検出回路からの電圧レベルを検出するので、オン期間中のノイズの影響を受けにくい状態検出処理が実現できる。
(v)前記制御部は、前記負荷をパルス幅変調方式のスイッチングにより駆動してもよい。
このようにすれば、パルス幅変調のデューティー比を選択することによって負荷に提供する実効電力をきめ細かく調整できる。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
10:電気掃除機、 11:本体、 13:電圧源、 15:MPU、 16:トランジスタ駆動回路、 17:吸引モータ駆動回路、 18:吸引モータ、 21:吸引ホース、 22:手元ハンドル、 23:手元操作部、 24:延長パイプ、 25:吸込口体、 27:ブラシモータ
Q1:トランジスタ、 R0:接地抵抗、 R1,R2,R3:抵抗、 Rm:電流検出抵抗、 SW1,SW2:操作スイッチ、 SW3:床検知スイッチ

Claims (4)

  1. 電圧源を有する本体と、
    前記本体に一端が接続され前記電圧源からの電圧を他端へ導く導線を有する吸引ホースと、
    前記吸引ホースの他端側に配置される負荷と、
    他端側へ導かれた前記電圧をスイッチングして負荷を駆動するスイッチング素子と、
    前記吸引ホースの他端側に配置される状態検出素子と、
    前記状態検出素子が検出する状態に応じた電圧レベルを前記吸引ホースの他端側へ導かれた電圧から生成する状態検出回路と、
    前記スイッチング素子のスイッチングを制御し、かつ、前記状態検出素子が検出した状態に応じて制御を実行する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記負荷の駆動中は前記スイッチング素子がオンからオフになった後に状態が安定するまでの期間を経た、オフの終期またはオフの終期に近い時点で前記状態検出素子による状態の検出を行う電気掃除機。
  2. 前記吸引ホースの他端側の先に回転ブラシを有する吸込口体が装着され、前記負荷は前記回転ブラシを回転させるモータであり、
    前記状態検出素子はユーザからの指示に係る操作の状態を検出し、
    前記状態検出回路は、前記操作の状態に応じた電圧レベルを生成する請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 前記吸引ホースは、他端側に複数の状態検出素子を有し、
    前記状態検出回路は、何れの状態検出素子が何れの状態を検出しているかに応じて異なる電圧レベルを生成する請求項1または2に記載の電気掃除機。
  4. 前記制御部は、前記負荷をパルス幅変調方式のスイッチングにより駆動する請求項1〜の何れか一つに記載の電気掃除機。
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