JP6905355B2 - 研磨材とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基体粒子表面が微細粒子によって覆われた無機酸化物粒子からなる研磨材であって、研磨速度が速く、研磨面のスクラッチが少ない研磨材とその製造方法に関する。
半導体集積回路の製造に用いられるシリコンウェハーの表面は、段差や凹凸および傷の無い平滑な鏡面であることが求められる。従来、表面研磨の研磨材としてシリカゾルやヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどが知られている(特開2001−150334号公報)。しかし、シリカゾルなどの球状粒子は研磨速度が遅いなどの欠点があり、球状シリカ粒子の表面に多数の疣状突起を有する金平糖状シリカ粒子などからなる研磨材が提案されている(特開2013−47180号公報)。
金平糖状シリカ粒子からなる研磨材は、表面が平滑な球状粒子よりも研磨速度が速い利点を有するが、粒子表面の凹凸によって研磨面にスクラッチが生じ、また研磨面の平滑性に欠ける傾向があった。
このような従来の研磨材に代えて、基体粒子表面が微細粒子によって覆われた無機酸化物粒子が提案されている(特開2015−63451号公報)。この無機酸化物粒子は、基体粒子の表面が微細粒子によって被覆されたヒマワリ状の断面を有する粒子であり、ヒマワリ状粒子とも云われる。具体的には、例えば、平均粒子径が40〜600nmの基体粒子表面の10〜100%が、これより平均粒子径が1/10程度の微細粒子によって覆われているシリカやアルミナなどの無機酸化物粒子である。このヒマワリ状粒子は従来のシリカゾルやヒュームドシリカなどよりも研磨用粒子として優れた利点を有している。
特開2001−150334号公報 特開2013−47180号公報 特開2015−63451号公報
特許文献3のヒマワリ状粒子は、従来のシリカゾルやヒュームドシリカなどの研磨材よりも優れた研磨特性を有しており、金平糖状シリカ粒子の研磨材よりも研磨面のスクラッチが少ない利点を有しているが、研磨面のさらなる品質向上の要求に応じて、研磨速度がより速く、スクラッチがさらに少ない研磨材が求められている。
特許文献3のヒマワリ状粒子は、微細粒子が基体粒子表面に未焼成アルミナまたは焼成アルミナによって固着されている。しかし、微細粒子が未焼成アルミナによって固着されているものは(実施例4)、研磨面のスクラッチは少ないが、微細粒子が脱離しやすく、研磨速度がやや遅い傾向がある。一方、微細粒子が焼成アルミナによって固着されているものは(実施例5〜14)、微細粒子が離脱し難く研磨速度が速いが、研磨面のスクラッチがやや多い傾向がある。
本発明は、特許文献3のヒマワリ状粒子からなる研磨材について、研磨速度とスクラッチの発生がこのようなトレードオフの関係にある問題を解決し、研磨速度がより速くてスクラッチがさらに少ない研磨材を提供する。
本発明の研磨材は、以下の構成によって従来の前記課題を解決した研磨材である。
〔1〕基体粒子の表面が微細粒子によって覆われ、該微細粒子による凹凸が表面に形成されているヒマワリ状断面を有する無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子とも云う)からなり、該微細粒子下部は凹部の樹脂接着部によって基体粒子表面に固着されており、該微細粒子上部は樹脂接着部に覆われない凸部を形成しており、基体粒子の平均粒子径(D P1 )が20〜500nmであり、微細粒子の平均粒子径(D P2 )が1〜50nmであって、基体粒子の平均粒子径(D P1 )に対する微細粒子の平均粒子径(D P2 )の比(D P2 /D P1 )が0.007〜0.5の範囲であることを特徴とする研磨材。
本発明の研磨材は以下の態様を含む。
〔2〕樹脂接着部から露出した該微細粒子上部によって形成される凹凸の凸部平均高さ(TFF)が0.5〜10nmの範囲であり、該凸部間の平均距離(ビッチ幅:WFF)が1〜30nmの範囲である上記[1]に記載する研磨材。
〔3〕上記[1]または上記[2]に記載するヒマワリ状粒子からなる研磨材が極性溶媒に分散されてなる研磨材スラリー。
本発明は以下の製造方法を含む。
〔4〕基体粒子表面に微細粒子が付着したヒマワリ状粒子を調製する工程、ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を入り込ませる工程、ヒマワリ状粒子表面凹部の樹脂エマルジョン粒子懸濁液を乾燥して樹脂接着部を形成する工程を有することを特徴とするヒマワリ状粒子からなる研磨材の製造方法。
本発明の製造方法は以下の態様を含む。
〔5〕無機酸化物からなる基体粒子の分散液を調製し、該基体粒子より小さく該基体粒子と正反対の表面電位を有する無機酸化物からなる微細粒子を該基体粒子分散液に混合して、基体粒子表面に微細粒子が付着したヒマワリ状粒子を形成する上記[4]に記載する研磨材の製造方法。
〔6〕ヒマワリ状粒子分散液に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加して該ヒマワリ状粒子を樹脂エマルジョン粒子懸濁液に分散させる工程、ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン懸濁液が入り込んだ状態でヒマワリ状粒子を回収する工程、回収したヒマワリ状粒子を乾燥して凹部の樹脂エマルジョン懸濁液を樹脂接着部にする工程を有する上記[4]または上記[5]に記載する研磨材の製造方法。
〔7〕ヒマワリ状粒子の分散液に珪酸液を添加し、さらに樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加する上記[4]上記[6]の何れかに記載する研磨材の製造方法。
本発明の研磨材は、基体粒子の表面が微細粒子によって覆われ、該微細粒子による凹凸が表面に形成されているヒマワリ状粒子からなり、微細粒子が樹脂接着部によって基体粒子表面に固着されているので微細粒子が離脱し難く、表面の凸部が樹脂に覆われていないので研磨速度が速い。また、不均一な研磨圧力が樹脂接着部によって緩和されるので、研磨面にスクラッチが発生し難い。
本発明の研磨材は、微細粒子下部の樹脂に覆われている範囲が、該微細粒子の平均粒子径の概ね1/3〜2/3の高さの範囲であり、従って、該平均粒子径の概ね1/3〜2/3の高さが樹脂から露出しており、基体粒子の平均粒子径(D P1 )が20〜500nmであり、微細粒子の平均粒子径(D P2 )が1〜50nmであって、基体粒子の平均粒子径(D P1 )に対する微細粒子の平均粒子径(D P2 )の比(D P2 /D P1 )が0.007〜0.5の範囲である。
さらに、本発明の研磨材は、例えば、凸部平均高さ(T FF )が0.5〜10nmであって該凸部間の平均距離(ビッチ幅:W FF )が1〜30nmである微細な凹凸が、樹脂から露出している微細粒子によってヒマワリ状粒子表面に形成されている。このため研磨速度が早く、研磨面の平滑性に優れるなどの研磨特性を有する。

本発明の研磨材は、ヒマワリ状粒子を形成する工程、ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を入り込ませる工程、ヒマワリ状粒子表面凹部の樹脂エマルジョン粒子懸濁液を乾燥して樹脂接着部を形成する工程を有する製造方法によって、微細粒子下部が基体粒子表面に固着されると共に、粒子表面の凸部が樹脂に覆われずに露出したヒマワリ状粒子からなる研磨材を製造することができる。
ヒマワリ状粒子を調製する工程では、例えば、無機酸化物からなる基体粒子の分散液を調製し、該基体粒子より小さく該基体粒子と正反対の表面電位を有する無機酸化物からなる微細粒子を前記基体粒子分散液に混合して、基体粒子表面に微細粒子が電気的に付着したヒマワリ状粒子を形成することができる。
ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を入り込ませる工程は、例えば、ヒマワリ状粒子分散液に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加して該ヒマワリ状粒子を樹脂エマルジョン粒子懸濁液に分散させ、ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン懸濁液が入り込んだ状態でヒマワリ状粒子を固液分離して回収すればよい。回収したヒマワリ状粒子を乾燥し、表面凹部の樹脂エマルジョン粒子懸濁液を乾燥させて樹脂接着部を形成することができる。
ヒマワリ状粒子を樹脂エマルジョン粒子懸濁液に分散させる工程では、ヒマワリ状粒子の分散液に珪酸液を添加して樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加することによって、ヒマワリ状粒子が該懸濁液中に均一に分散し、分散状態を高めることができる。
本発明の研磨材は研磨速度が速く、かつ研磨面にスクラッチが生じ難いので、シリコンウェハーの製造などにおいて、高品質の研磨面を効率よく製造することができる。
本発明の研磨材の模式断面図。 該研磨材の樹脂接着部の模式断面図。 本発明の研磨材の製造工程図。
〔ヒマワリ状粒子〕
本発明の研磨材は、基体粒子の表面が微細粒子によって覆われ、該微細粒子による凹凸が表面に形成されているヒマワリ状断面を有する無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子とも云う)からなり、微細粒子下部は凹部の樹脂接着部によって基体粒子表面に固着されており、該微細粒子上部は樹脂接着部に覆われない凸部を形成していることを特徴とする研磨材である。
本発明の研磨材の一例を図1および図2に示す。本発明の研磨材はヒマワリ状断面を有する無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子)からなる。図示するように、ヒマワリ状粒子10は基体粒子1の表面が微細粒子2によって覆われ、該微細粒子による凹凸が表面に形成されている。該微細粒子2の下部は凹部4の樹脂接着部3によって基体粒子1の表面に固着されており、該微細粒子2の上部は露出して樹脂接着部3に覆われない凸部5を形成している
微細粒子下部の樹脂接着部3に覆われている範囲(被覆範囲H)は、該微細粒子の平均粒子径の1/3〜2/3の高さの範囲が好ましい。被覆範囲Hが該平均粒子径の1/3より少ないと固着強度が低下するので微細粒子2が基体粒子1の表面から剥がれやすくなる。一方、被覆範囲Hが該平均粒子径の2/3より多いと、微細粒子上部の樹脂接着部3に覆われない範囲が少なくなるので研磨速度が遅くなりやすい。
樹脂接着部3から露出した微細粒子上部によって形成される凹凸の凸部平均高さ(TFF)は0.5〜10nmの範囲が好ましい。また、該凸部間の平均距離(ビッチ幅:WFF)は1〜30nmの範囲が好ましい。凸部平均高さ(TFF)が前記範囲よりも小さいと十分な微細凹凸が形成され難く、前記範囲を超えると微細凹部が深過ぎるので、研磨速度が向上し難い。また、凸部間の平均距離(ピッチ幅)(WFF)が前記範囲よりも小さいと十分な微細凹凸が得られ難く、前記範囲を超えるものは微細粒子2の粒子径が大きいので、基体粒子1の表面を覆う微細粒子2の数が限られるようになり、基体粒子表面に十分な凹凸が形成され難くなる。
基体粒子1の平均粒子径(DP1)は20〜500nmの範囲が好ましく、50〜400nmの範囲がさらに好ましい。この平均粒子径(DP1)が前記範囲より小さいと、微細すぎるので研磨速度が遅くなる。一方、該平均粒子径(DP1)が前記範囲より大きいと、研磨面が粗くなりやすい。
微細粒子2の平均粒子径(DP2)は1〜50nmの範囲が好ましく、5〜40nmの範囲がさらに好ましい。該平均粒子径(DP2)が前記範囲より小さいと、十分な高さの凹凸が形成され難い。一方、該平均粒子径(DP2)が前記範囲より大きいと、粒子表面の凹凸が大きくなるので研磨面が粗くなる。
基体粒子1の平均粒子径(DP1)、および微細粒子2の平均粒子径(DP2)は下記式(1)で表される等価球換算式で求められる平均粒子径である。なお、Dは平均粒子径(nm)、SAはBET法で測定された比表面積(m/g)、dは粒子の密度(g/cm)、6000は換算係数である。平均粒子径は動的光散乱法(日機装(株)製:マイクロトラックUPA)を用いて測定することができる。通常の比表面積の実測値はBET法で測定される。
D=6000/SA×d・・・・(1)
基体粒子1の平均粒子径(DP1)と微細粒子2の平均粒子径(DP2)との比(DP2)/(DP1)は0.007〜0.5の範囲が好ましく、0.008〜0.4の範囲がさらに好ましい。該比(DP2)/(DP1)が前記範囲よりも小さいと粒子表面の凹凸が小さすぎ、一方、該比(DP2)/(DP1)が前記範囲より大きいと粒子表面の凹凸が大きすぎ、何れの場合も十分な研磨特性を得るのが難しい。
基体粒子1の微細粒子2による被覆率は30〜100%の範囲が好ましく、50〜100%の範囲がさらに好ましい。該被覆率が小さいと、粒子表面の凹凸が不均一になる。被覆率は、透過電子顕微鏡での被覆状態(被覆している部分、被覆していない微細粒子の存在の有無など)を確認し、被覆していない微細粒子が存在していない場合に下記式(2)によって表される。
被覆率(%)={[ヒマワリ状粒子の実測比表面積(SC1)−基体粒子の実測比表面積(S)]/[100%被覆したとした場合のヒマワリ状粒子の計算上の比表面積(S)−基体粒子の実測比表面積(S)]}×100・・・・・・・(2)
(S)=ヒマワリ状粒子1個当たりの表面積×単位重量(1g)当たりの粒子数。
ヒマワリ状粒子1個当たりの表面積=4π・[(DC1)/2+(DC2)/2]
単位重量(1g)当たりの基体粒子の個数=1/[4/3・π[(DC1)/2]・d]
dは基体粒子の粒子密度(g/ml)。一般にシリカの粒子密度は2.2g/mlである。
基体粒子1および微細粒子2は、SiO、Al、Sb、ZrO、TiO、Fe、CeO、AgO、CuO、CuO、およびこれらの複合酸化物または混合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。基体粒子1および微細粒子2の成分は同一であっても異なっていてもよい。これらの粒子は粒子径が前記範囲の球状粒子を容易に得ることができ、化学的にも安定であるので好適に用いることができる。なかでも、SiO2、AgO,Ce2Oからなる粒子が好ましい。SiO粒子は、粒子径の大小に拘わらず均一な粒子径を有する球状粒子が得られ、化学的に安定である。AgO,Ce2Oは研磨スラリーの添加剤やpHによって、酸化還元による化学的研磨が促進され研磨レートの高い粒子が得られる場合がある。
本発明のヒマワリ状粒子からなる研磨材は、前記ヒマワリ状粒子が極性溶媒に分散した研磨材スラリーとして使用することができる。
〔製造方法〕
本発明のヒマワリ状粒子からなる研磨材は、基体粒子表面に微細粒子が付着したヒマワリ状粒子を調製する工程、ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を入り込ませる工程、ヒマワリ状粒子表面凹部の樹脂エマルジョン粒子懸濁液を乾燥して樹脂接着部を形成する工程を有する製造方法によって製造することができる。
本発明に係るヒマワリ状粒子からなる研磨材の製造工程の一例を図3に示す。
ヒマワリ状粒子の調製
本発明のヒマワリ状粒子は、無機酸化物からなる基体粒子の分散液を調製し、該基体粒子より小さく該基体粒子と正反対の表面電位を有する無機酸化物からなる微細粒子を該基体粒子分散液に混合して、基体粒子表面に微細粒子が電気的に付着したヒマワリ状粒子を形成することができる。
具体的には、例えば、平均粒子径20〜500nmのシリカゾルなどの基体粒子をイオン交換処理して精製した後に、純水やアルコールなどの極性溶媒に加え、撹拌して基体粒子分散液を調製する。この基体粒子分散液に、平均粒子径1〜50nmのシリカゾルなどの微細粒子を混合して撹拌し、基体粒子と微細粒子の混合分散液を調製する。混合分散液のpHは2〜6が好ましく、3〜5がより好ましい。混合分散液のpHが前記範囲を外れると、基体粒子と微細粒子の表面電位差が小さくなり、または表面電位の正負が同じになることがあり、基体粒子表面に微細粒子が付着し難くなる。
微細粒子と基体粒子は正反対の表面電位を有するものが用いられる。基体粒子と微細粒子の表面電位が何れかも同じであるときは、例えば、何れもマイナス電位であるときは、基体粒子分散液にあらかじめ、ポリ塩化アルミニウムなどの電位転換剤を入れて基体粒子表面をプラス電位にすればよい。このポリ塩化アルミニウムは、ヒマワリ状粒子の形成後に、イオン交換処理などによって除去すればよい。
基体粒子と微細粒子とは正反対の表面電位を有するので、微細粒子が基体粒子表面に引き寄せられて、基体粒子表面に微細粒子が付着し、基体粒子表面が微細粒子によって覆われ、この微細粒子によって表面に凹凸が形成されたヒマワリ状粒子が形成される。このように基体粒子と微細粒子の混合分散液はひまわり状粒子の分散液になる。
樹脂エマルジョン懸濁液の導入
ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を入り込ませる。例えば、ヒマワリ状粒子分散液に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加して、該ヒマワリ状粒子を樹脂エマルジョン粒子懸濁液に分散させた後に、ヒマワリ状粒子を該懸濁液から引き上げれば、あるいは濾過などの固液分離を行ってヒマワリ状粒子を回収すれば、ヒマワリ状粒子表面の残留している前記懸濁液は、メニスカス効果によって粒子表面の凹部に入り込んだ状態になる。このように粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン懸濁液を含むヒマワリ状粒子を回収して乾燥する。
樹脂をエマルジョンの状態で用いることによって、ヒマワリ状粒子表面の凹部に入り込んだ樹脂エマルジョンを乾燥して崩壊させると、該凹部を維持した状態で樹脂接着部を形成することができる。なお、エマルジョンにしない樹脂液を用いると、粒子表面の凹部全体に樹脂液が入り込み、乾燥して樹脂接着部を形成したときに、該樹脂接着部によって凹部の大部分が埋められた状態になるので好ましくない。
樹脂エマルジョン粒子懸濁液は樹脂エマルジョン粒子を極性溶媒に懸濁させて調製することができる。エマルジョン用樹脂としては、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、またはスチレン系樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂が好ましい。
前記樹脂を極性溶媒に加え、ミキサー等で撹拌すれば極性溶媒中で樹脂エマルジョン粒子が形成され、樹脂エマルジョン粒子懸濁液を得ることができる。極性溶媒はヒマワリ状粒子分散液と同様のものを使用することができる。界面活性剤やpH調整剤を添加して高速撹拌することによって、樹脂エマルジョン粒子の粒子径を調整することができる。界面活性剤やpH調整剤の添加量、撹拌速度は樹脂および極性溶媒の種類、分散液中の樹脂量などによって樹脂エマルジョン粒子が目的の粒子径になるように調整すればよい。なお、樹脂エマルジョン粒子懸濁液は市販品を用いることができる。
懸濁液の樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)はヒマワリ状粒子表面の凹部の平均ピッチ幅(WFF)よりも小さい(WFF<D)ことが好ましい。樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)がヒマワリ状粒子表面凹部の平均ピッチ幅(WFF)よりも大きいと、樹脂エマルジョン粒子がヒマワリ状粒子表面の凹部に入り込むことができず、樹脂接着部を形成することができない。なお、後述したように、ヒマワリ状粒子分散液に珪酸液を加えて加熱熟成する場合には、添加された樹脂エマルジョン粒子が加熱熟成の熱によって融解ないし変形すると、樹脂エマルジョン粒子の粒子径(De)がヒマワリ状粒子表面の凹部の平均ピッチ幅(WFF)より大きくても、融解ないし変形した樹脂エマルジョン粒子が粒子表面の凹部に入り込むことができるので、必ずしも前記関係(WFF<D)を満たさなくても良い。
懸濁液中の樹脂エマルジョンの濃度は0.1〜10重量%の範囲が好ましく、0.5〜8重量%の範囲がさらに好ましい。樹脂エマルジョンの濃度が前記範囲より低いと、十分な強度の樹脂接着部を形成することができない懸念がある。一方、樹脂エマルジョン濃度が前記範囲より高いと、懸濁液の粘性が大きくなり、ヒマワリ状粒子表面の凹部に懸濁液が入り込めなくなる懸念がある。
ヒマワリ状粒子の量(G)と樹脂エマルジョン粒子の量(M)との量比(G/[G+M])は0.5以上(ヒマワリ状粒子量Gが50重量%以上)の範囲が好ましく、0.5〜0.98の範囲がさらに好ましい。該量比(G/[G+M])が前記範囲よりも小さいと、ヒマワリ状粒子量に対して樹脂エマルジョン粒子量が過剰であり、樹脂エマルジョン粒子が無駄になる。一方、該量比(G/[G+M])が前記範囲よりも大きいとヒマワリ状粒子量に対して樹脂量が少なく、樹脂接着部を十分に形成できなくなる。
ヒマワリ状粒子を樹脂エマルジョン粒子懸濁液に分散させる工程では、ヒマワリ状粒子の分散液に最初に珪酸液を添加し、加熱熟成させた後に、樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加すると良い。珪酸液を添加することによって、ヒマワリ状粒子が該懸濁液中に均一に分散し、分散状態を高めることができる。
樹脂接着部の形成
ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン粒子懸濁液が入り込んだ状態のヒマワリ状粒子を乾燥する。粒子表面の凹部に入り込んだ懸濁液中の樹脂エマルジョンはこの乾燥処理によって崩壊し、凹部の空間を保った状態で、該凹部の底に樹脂接着部が形成される。この樹脂接着部は、図2に示すように、微細粒子下部と基体粒子表面との間に形成されるので、該樹脂接着部によって微細粒子下部が基体粒子表面に強固に固着される。
以上の製造方法によって、微細粒子下部は凹部の樹脂接着部によって基体粒子表面に固着されると共に該微細粒子上部は樹脂接着部に覆われない凸部を形成しているヒマワリ状粒子からなる研磨材が得られる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されない。ヒマワリ状粒子の平均粒子径(D)、およびヒマワリ状粒子の被覆率は以下のようにして測定した。
ヒマワリ状粒子の平均粒子径(D)は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、10個の長径を測定し、その平均値とした。ヒマワリ状粒子の被覆率は、ヒマワリ状粒子分散液を120℃に加熱して乾燥し、該ヒマワリ状粒子の比表面積をBET法で測定し、被覆率を求めた。被覆率は前記式(2)に従って求めた。
実施例および比較例の結果を表1に示す。
〔実施例1〕
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂量標準、アクリル−スチレン〕
ヒマワリ状粒子分散液[A1]の調製
(基体粒子の調製)
シリカゾル(日揮触媒化成社製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、表面電位−60mV、SiO濃度20重量%、pH10.2)750gに、陽イオン交換樹脂(ROHMHARS社製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌した後に該陰イオン交換樹脂を分離して、SiO濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。
(基体粒子分散液の調製)
この精製シリカゾル750gに、ポリ塩化アルミニウム(多木化学社製:タキバイン#1000、Al濃度23.55重量%)5.1gを添加して常温で0.5時間撹拌し、精製シリカゾルの表面電位をプラスに転換した。ついで、純水2903gを添加し希釈してSiO濃度4.1重量%のシリカからなる基体粒子分散液3658gを調製した。該基体粒子分散液のpHは3.7であった。
(微細粒子の添加)
前記基体粒子分散液(SiO濃度4.1重量%)3658gに、被覆用の微細粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成社製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO濃度16.6重量%、pH3.7)294gを混合した。この混合分散液のSiO濃度は5.0重量%、pHは3.5であった。基体粒子分散液に微細粒子を混合することによって、混合分散液中で基体粒子表面に微細粒子が付着してヒマワリ状粒子が形成され、混合分散液はヒマワリ状粒子の分散液になった。
(ヒマワリ状粒子分散液の精製)
このヒマワリ状粒子分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌した後に、該陰イオン交換樹脂を分離し、先に添加したポリ塩化アルミニウムや陰イオンの不純物を除去した。ついで、ロータリーエバポレーターによってSiO濃度を10重量%に高めたシリカからなるヒマワリ状粒子分散液[A1]を得た。該分散液のpHは7.0であった。透過電子顕微鏡(TEM)で確認したところ、微細粒子によって被覆されていない基体粒子は存在せず、ヒマワリ状粒子の分散液であることを確認した。
ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B1]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液(DIC社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を2g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調整し、ビーズミル(ガラスメジアφ2mm、充填率75%)で、室温下、1時間分散して、ヒマワリ状粒子が分散した樹脂懸濁液[B1]を得た。該ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B1]のpHは7.5であった。また、該分散懸濁液のヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径(D)、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
樹脂接着部の形成
ヒマワリ状粒子が分散した樹脂懸濁液[B1]を固液分離し、粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン懸濁液を含むヒマワリ状粒子を回収した。該ヒマワリ状粒子を150℃で乾燥して、樹脂エマルジョンを崩壊させ、粒子表面凹部の底に樹脂接着部を形成した。
研磨スラリー[C1]の製造
樹脂接着部を形成したヒマワリ状粒子を3.0質量%含むヒマワリ状粒子分散水に、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175ppm 、アンモニアを225ppm含むように添加して研磨スラリー[C1]を調製した。
〔研磨試験〕
調製した研磨スラリー[C1]を用いて研磨試験を行った。
研磨用基板として結晶構造が1.0.0である単結晶シリコンウェハーを用いた。
研磨用基板を研磨装置(ナノファクター社製NF300)にセットし、研磨パッドSUBA600を用い、基板加重15kPa、テーブル回転速度50rpm、スピンドル速度60rpmで、該研磨スラリー[C1]を250ml/分の速度で研磨用基板を10分間研磨した。研磨後、純水にて洗浄し風乾した後、研磨用基板の重量減を測定して研磨速度を算出した。
研磨後の研磨基板表面のスクラッチの発生状況については、超微細欠陥・可視化マクロ装置(VISION PSYTEC社製、製品名:Micro-MAX VMX-3100)を使用して研磨面を全面観察し、65.97cmに相当する研磨処理された基板表面に存在する100μm以上の長さのスクラッチの個数を合計し、その個数で評価した。結果を表1に示した。
評価基準は、スクラッチ3個以下はスクラッチが殆ど認められないとして◎印、スクラッチ4〜10個は小さいスクラッチが僅かに存在するとして○印、スクラッチ11〜15個は小さいスクラッチが広範囲に存在するとして△印、スクラッチ16〜20個は大きなスクラッチが点在するとして×印、スクラッチ21個以上は大きなスクラッチが広範囲に存在するとして××印の記号で示した。
〔総合判定〕
研磨試験の結果に基づいて研磨材としての性能を判断した。結果を表1に示した。判定結果の区分は、研磨材として、好適なものは◎印、適するものは○印、使用可能なものは△印、不適ものは×印、著しく不適なものは××印の記号で示した。


〔実施例2〕
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂少量、アクリル−スチレン〕
ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B2]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液(DIC株式会社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を0.2g添加した以外は実施例1と同様にしてヒマワリ状粒子が分散した樹脂懸濁液[B2]を得た。
該ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B2]を用い、実施例1と同様にして粒子表面凹部の底に樹脂接着部を形成した。樹脂接着部を形成したヒマワリ状粒子を用い、実施例1と同様にして研磨スラリー[C2]を調製した。該研磨スラリー[C2]を用い、実施例1と同様の研磨試験を行った。この結果を表1に示す。
〔実施例3〕
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂多量、アクリル−スチレン〕
ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B3]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を5g添加した以外は実施例1と同様にしてヒマワリ状粒子が分散した樹脂懸濁液[B3]を得た。
該ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B3]を用い、実施例1と同様にして粒子表面凹部の底に樹脂接着部を形成した。樹脂接着部を形成したヒマワリ状粒子を用い、実施例1と同様にして研磨スラリー[C3]を調製した。該研磨スラリー[C3]を用い、実施例1と同様の研磨試験を行った。この結果を表1に示す。
〔実施例4〕
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂量標準、エマルシ゛ョン粒子径小、アクリル−スチレン〕
エマルション樹脂粒子懸濁液[E4]の調製
樹脂エマルジョン粒子懸濁液(DIC社製CG8370:粒子サイズ30nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)100gに1%塩酸と純水を添加してpH4.5の20%希釈液250gを調製した。その後、ホモミキサーを用いて1500rpmで15分撹拌して、エマルション樹脂粒子懸濁液[E4]を調製した。この樹脂エマルション懸濁液[E4]について、TEMを用いて観察したところ、平均粒子径30nmの樹脂エマルションであった。
ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B4]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[E4]を5g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調整し、ビーズミル(ガラスメジアφ2mm、充填率75%)で、室温下、1時間分散してヒマワリ状粒子が分散した樹脂懸濁液[B4]を得た。該ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B4]を用い、実施例1と同様にして粒子表面凹部の底に樹脂接着部を形成した。樹脂接着部を形成したヒマワリ状粒子を用い、実施例1と同様にして研磨スラリー[C4]を調整した。該研磨スラリー[C4]を用い、実施例1と同様の研磨試験を行った。この結果を表1に示す。
〔実施例5〕
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂過剰量〕
ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B5]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC株式会社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を72g添加した以外は実施例1と同様にしてヒマワリ状粒子が分散した樹脂懸濁液[B5]を得た。
該ヒマワリ状粒子分散樹脂懸濁液[B5]を用い、実施例1と同様にして粒子表面凹部の底に樹脂接着部を形成した。樹脂接着部を形成したヒマワリ状粒子を用い、実施例1と同様にして研磨スラリー[C5]を調製した。該研磨スラリー[C5]を用い、実施例1と同様の研磨試験を行った。この結果を表1に示す。
〔比較例1〕
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、無機オリゴマー(非エマルジョン)〕
無機オリゴマー[RIB1]の調製
変性アルコール(日本アルコール販売社製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)72.5gに水10.0gと濃度61重量%の硝酸0.1gを添加し、25℃で10分撹拌した。ついで、テトラエトキシシラン(多摩化学工業社製:正珪酸エチル‐A、SiO濃度28.8重量%)17.4gを添加し、30℃で30分撹拌してテトラエトキシシラン加水分解物(固形分濃度5.0重量%、分子量1000)のシリカからなる無機オリゴマー[RIB1]を調製した。
ヒマワリ状粒子分散オリゴマー液[RB1]の調製
実施例1の(基体粒子の調製)、(基体粒子分散液の調製)、(微細粒子の添加)および(ヒマワリ状粒子分散液の精製)の工程と同様にして調製したヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、無機オリゴマー[RIB1]を20g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌してヒマワリ状粒子が分散したオリゴマー液[RB1]を得た。該液のpHは3.8であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、ヒマワリ状粒子と無機バインダーの量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+無機バインダー〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
研磨スラリー[RC1]の調製
ヒマワリ状粒子を3.0質量%含むオリゴマー液[RB1]に、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175ppm、アンモニアを225ppm含むように添加して研磨スラリー[RC1]を調製した。
研磨試験
研磨スラリー[RC1]を使用した以外は実施例1と同様にして研磨試験を行った。この結果を表1に示す。
〔比較例2〕
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂無添加 珪酸液補強〕
ヒマワリ状粒子分散液[RB2]の調製
実施例1の(基体粒子の調製)、(基体粒子分散液の調製)、(微細粒子の添加)および(ヒマワリ状粒子分散液の精製)の工程と同様にして調製したヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、エタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、ビーズミル(ガラスメジアφ2mm、充填率75%)で、室温下、1時間分散してヒマワリ状粒子分散液[RB2]を得た。該液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、エマルジョン粒子の粒子径(D)、D/D比、樹脂量、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
研磨スラリー[RC2]の製造
ヒマワリ状粒子を3.0質量%含むヒマワリ状粒子分散液[RB2]に、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175ppm、アンモニアを225ppm含むように添加して研磨スラリー[RC2]を調製した。
研磨試験
研磨スラリー[RC2]を使用した以外は実施例1と同様にして研磨試験を行った。この結果を表1に示す。
〔比較例3〕
〔ヒマワリ状粒子未焼成〕
研磨スラリー[RC3]の製造
実施例1の(基体粒子の調製)、(基体粒子分散液の調製)、(微細粒子の添加)および(ヒマワリ状粒子分散液の精製)の工程と同様にして調製したヒマワリ状粒子分散液[A1]を用い、樹脂接着部を形成しないヒマワリ状粒子を3.0質量%含むヒマワリ状粒子分散液[A1]に、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175ppm、アンモニアを225ppm含むように添加して研磨スラリー[RC3]を調製した。
研磨試験
研磨スラリー[RC3]を使用した以外は実施例1と同様にして研磨試験を行った。この結果を表1に示す。
〔比較例4〕
〔焼成アルミナ接合〕
ヒマワリ状粒子分散液[RB4]の調製
実施例1の(基体粒子の調製)、(基体粒子分散液の調製)、および(微細粒子の添加)の工程と同様にして調製したヒマワリ状粒子分散液[A1]を用い、ポリ塩化アルミニウムが溶存した状態のヒマワリ状粒子の分散液を1000℃で2時間焼成し、微細粒子が焼成アルミナによって基体粒子に接合されたヒマワリ状のシリカ粒子からなる金属酸化物粒子(RB4-1)を調製した。
ついで、金属酸化物粒子(RB4-1)を純水に分散させ、SiO濃度10重量%の分散液とし、サンドミル(シンマルエンタープライゼス(株)製:ガラスビーズ0.5mmφ1100g)にて2160rpmで180分間解砕して金属酸化物粒子(RB4−2)分散液を調製した。ついで、金属酸化物粒子(RB4−2)分散液からビーズを分離した分散液について、遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)を用いて、2000rpmで3分間分離してSiO濃度10重量%の金属酸化物粒子(RB4)分散液を製造した。透過電子顕微鏡(TEM)で確認したところ、微細粒子で被覆されていない基体粒子は存在せず、ヒマワリ状粒子であることを確認した。
研磨スラリー[RC4]の製造
ヒマワリ状粒子を3.0質量%含む金属酸化物粒子(RB4−2)分散液に、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175ppm、アンモニアを225ppm含むように添加して研磨スラリー[RC4]を調製した。
研磨試験
研磨スラリー[RB4]を使用した以外は実施例1と同様にして、研磨試験を実施した。この結果を表1に示す。
Figure 0006905355

Claims (7)

  1. 基体粒子の表面が微細粒子によって覆われ、該微細粒子による凹凸が表面に形成されているヒマワリ状断面を有する無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子とも云う)からなり、該微細粒子下部は凹部の樹脂接着部によって基体粒子表面に固着されており、該微細粒子上部は樹脂接着部に覆われない凸部を形成しており、基体粒子の平均粒子径(D P1 )が20〜500nmであり、微細粒子の平均粒子径(D P2 )が1〜50nmであって、基体粒子の平均粒子径(D P1 )に対する微細粒子の平均粒子径(D P2 )の比(D P2 /D P1 )が0.007〜0.5の範囲であることを特徴とする研磨材。
  2. 樹脂接着部から露出した該微細粒子上部によって形成される凹凸の凸部平均高さ(TFF)が0.5〜10nmの範囲であり、該凸部間の平均距離(ビッチ幅:WFF)が1〜30nmの範囲である請求項1に記載する研磨材。
  3. 請求項1または請求項2に記載するヒマワリ状粒子からなる研磨材が極性溶媒に分散されてなる研磨材スラリー。
  4. 基体粒子表面に微細粒子が付着したヒマワリ状粒子を調製する工程、ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を入り込ませる工程、ヒマワリ状粒子表面凹部の樹脂エマルジョン粒子懸濁液を乾燥して樹脂接着部を形成する工程を有することを特徴とするヒマワリ状粒子からなる研磨材の製造方法。
  5. 無機酸化物からなる基体粒子の分散液を調製し、該基体粒子より小さく該基体粒子と正反対の表面電位を有する無機酸化物からなる微細粒子を該基体粒子分散液に混合して、基体粒子表面に微細粒子が付着したヒマワリ状粒子を形成する請求項4に記載する研磨材の製造方法。
  6. ヒマワリ状粒子分散液に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加して該ヒマワリ状粒子を樹脂エマルジョン粒子懸濁液に分散させる工程、ヒマワリ状粒子表面の凹部に樹脂エマルジョン懸濁液が入り込んだ状態でヒマワリ状粒子を回収する工程、回収したヒマワリ状粒子を乾燥して凹部の樹脂エマルジョン懸濁液を樹脂接着部にする工程を有する請求項4または請求項5に記載する研磨材の製造方法。
  7. ヒマワリ状粒子の分散液に珪酸液を添加し、さらに樹脂エマルジョン粒子懸濁液を添加する請求項4請求項6の何れかに記載する研磨材の製造方法。
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