JP6903284B2 - コイル部品およびコイル装置 - Google Patents
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Description
リアクトルとしては、送電系統用の大容量のものから、通信器部品にいたるまで、使用目的に応じて種々のタイプのものが知られている。このようなリアクトルは、一般に脚部を取り付けられた状態で、金属等のケースに収容される。
特許文献1においては、平角線材をエッジワイズ巻きにより円形状に成形しながら巻回された、第1のコイル要素と第2のコイル要素が並列形成される。これらの2つのコイル要素間で渡される平角線材は、これら2つのコイル要素間で180度捩じられて、一方から
他方に引き渡される。
すなわち、並列形成された第1のコイル要素と第2のコイル要素に対し、各コイル要素の中空部分にコイル要素軸方向前後から、1対のU型コアの両脚部を挿入し先端を突き合わせてコイル装置本体が形成されるが、一般にはこのコイル装置本体の、コイル要素軸方向前後に、各々本体脚部を取り付けて、このコイル装置本体を、基板や筐体の取り付け面から離間させて固定する構成とされる。この場合に、1対の脚部をコイル装置本体に固定
するためにいくつかの手法をとり得るが、シンプルな構成とするために、コイル要素軸方向前後に設けられた上記本体脚部を、コイル要素の上部および下部の少なくとも一方側で、前側から後側に延びる長ねじを用い、コイル装置本体を挟むようにして連結する手法をとることが望まれることも多い。
本発明に係る第1のコイル部品は、
1本の平角線材をエッジワイズ巻きで角部がRを有する矩形状に積層形成してなるコイル巻回体が、所定の位置で2つに分割して折り返されてなり、対向する側面同士が互いに平行に沿うように配された第1のコイル要素および第2のコイル要素と、これら両コイル要素を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記対向する側面間に配される要素間連結部を備えるとともに、該要素間連結部と、前記第1のコイル要素の巻き終わり部および前記第2のコイル要素の巻き始め部の少なくとも一方との間に介在し、対応する該コイル要素側の前記対向する側面に隣接する側面に沿って形成されるループ連結部を備え、
前記要素間連結部は、平角線材の捩じり形状を有さず、前記第1のコイル要素の巻き終わり側端部および前記第2のコイル要素の巻き始め側端部において、該平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分と、これら2つの要素間フラットワイズ曲げ部分間に延びる中間部とを備えてなり、
前記ループ連結部は、前記要素間連結部のいずれかの要素間フラットワイズ曲げ部分から延びる延在部と、エッジワイズ巻きにより折り曲げられたループ部エッジワイズ巻き部分と、フラットワイズ曲げにより折り曲げられて前記第1のコイル要素の巻き終わり側の平角線材および前記第2のコイル要素の巻き始め側の平角線材の少なくとも一方と接続されるループ部フラットワイズ曲げ部分とを、前記要素間連結部側からこの順に備えてなり、
さらに、前記中間部がエッジワイズ巻きにより折り曲げられた要素間エッジワイズ巻き部分を有していることを特徴とするものである。
1本の平角線材をエッジワイズ巻きで角部がRを有する矩形状に積層形成してなるコイル巻回体が、所定の位置で2つに分割して折り返されてなり、対向する側面同士が互いに平行に沿うように配された第1のコイル要素および第2のコイル要素と、これら両コイル要素を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記対向する側面間に配される要素間連結部を備えるとともに、該要素間連結部と、前記第1のコイル要素の巻き終わり部および前記第2のコイル要素の巻き始め部の少なくとも一方との間に介在し、対応する該コイル要素側の前記対向する側面に隣接する側面に沿って形成されるループ連結部を備え、
前記要素間連結部は、平角線材の捩じり形状を有さず、前記第1のコイル要素の巻き終わり側端部および前記第2のコイル要素の巻き始め側端部において、該平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分と、これら2つの要素間フラットワイズ曲げ部分間に延びる中間部とを備えてなり、
前記ループ連結部は、前記要素間連結部のいずれかの要素間フラットワイズ曲げ部分から延びる延在部と、エッジワイズ巻きにより折り曲げられたループ部エッジワイズ巻き部分と、フラットワイズ曲げにより折り曲げられて前記第1のコイル要素の巻き終わり側の平角線材および前記第2のコイル要素の巻き始め側の平角線材の少なくとも一方と接続されるループ部フラットワイズ曲げ部分とを、前記要素間連結部側からこの順に備えてなり、
さらに、前記中間部が、前記第1のコイル要素の巻き終わり側に位置する第1の要素間フラットワイズ曲げ部分から前記第2のコイル要素の巻き始め側に位置する第2の要素間フラットワイズ曲げ部分に向かうにしたがって、前記第2のコイル要素に近づくように傾斜して配されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明に係る第3のコイル部品は、
1本の平角線材をエッジワイズ巻きで角部がRを有する矩形状に積層形成してなるコイル巻回体が、所定の位置で2つに分割して折り返されてなり、対向する側面同士が互いに平行に沿うように配された第1のコイル要素および第2のコイル要素と、これら両コイル要素を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記対向する側面間に配される要素間連結部を備えるとともに、該要素間連結部と、前記第1のコイル要素の巻き終わり部および前記第2のコイル要素の巻き始め部の少なくとも一方との間に介在し、対応する該コイル要素側の前記対向する側面に隣接する側面に沿って形成されるループ連結部を備え、
前記要素間連結部は、平角線材の捩じり形状を有さず、前記第1のコイル要素の巻き終わり側端部および前記第2のコイル要素の巻き始め側端部において、該平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分と、これら2つの要素間フラットワイズ曲げ部分間に延びる中間部とを備えてなり、
前記ループ連結部は、前記要素間連結部のいずれかの要素間フラットワイズ曲げ部分から延びる延在部と、エッジワイズ巻きにより折り曲げられたループ部エッジワイズ巻き部分と、フラットワイズ曲げにより折り曲げられて前記第1のコイル要素の巻き終わり側の平角線材および前記第2のコイル要素の巻き始め側の平角線材の少なくとも一方と接続されるループ部フラットワイズ曲げ部分とを、前記要素間連結部側からこの順に備えてなり、
さらに、前記平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた前記第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分のうちの、前記ループ連結部に接続される要素間フラットワイズ曲げ部分の曲率半径が、該フラットワイズ曲げ部分に沿った前記コイル要素の前記角部の曲率半径以上に形成されていることを特徴とするものである。
また、前記中間部が、前記第1のコイル要素の巻き終わり側に位置する第1の要素間フラットワイズ曲げ部分から前記第2のコイル要素の巻き始め側に位置する第2の要素間フラットワイズ曲げ部分に向かうにしたがって、前記第2のコイル要素に近づくように傾斜させることも可能である。
また、前記平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた前記第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分のうち少なくとも一方の曲率半径が、該フラットワイズ曲げ部分に沿った前記コイル要素の側面角部の曲率半径以上に形成されていることが好ましい。
この場合において、前記コイル部品と前記磁性体コア部を組み合わせたコイル装置本体を所定位置に保持する装置脚部を備えることもできる。
また、上述した「フラットワイズ曲げ」とは、平角線材の矩形断面における長辺側の一方の面を内径面とし他方の面を外径面として、平角線材を長辺側方向に曲げることをいうものとする。
すなわち、本発明のコイル部品によれば、2つのコイル要素の間の隙間にはまり込む要素間連結部が捩じり形状を有していないため、特許文献1に記載したように、2つのコイル要素間に連結部の捩じり形状部分が嵌り込んで、2つのコイル要素の間隔が大きくなることを回避することができ、コアの小型化を図ることができるとともに磁気特性の劣化を回避することができる。
また、特許文献1のように、平角線材が180度に亘って捩られたり曲げられたりするよ
うな部分が生じないため、電線皮膜のはがれ等の問題が生じない。
また、連結部によって折り返された2つのコイル要素の端面を向い合せるようにすれば、エッジワイズ巻きの製造工程を、平角線材を同一方向に曲げて巻回していくことにより行うことができるので、工数の低減および巻線機の機構の簡素化を図ることができる。
の角部が向かい合う谷間部分に長ねじを通すスペースを確保することが可能であるから、コイル装置本体に取り付ける両脚部をこのような長ねじを用いて簡易に締結する場合にも、コイル部品、コイル装置の大型化を容易に抑制することができる。
<第1の実施形態>
この巻回積層されたコイルの上記所定位置に、連結部113に使用するための平角線材101の余裕分が生じるように巻回される。
平角線材101は断面矩形とされ、例えば銅線の表面に絶縁被覆が施されてなる。
また、連結部113は、上記2つのコイル要素111、112の間の対向する側面間に配される要素間連結部113Aと、要素間連結部113Aおよび第2のコイル要素112の巻き始め部112Cの間に介在し、コイル要素112の側面112A(本実施形態では上面)に沿って形成されるループ連結部113Bとを備えている。
また、従来技術のように、平角線材が捩じられたり90度より大きな角度で曲げられたりするような部分が生じないため、電線皮膜のはがれ等の問題が生じ難い。
また、連結部113の位置において折り返された2つのコイル要素の端面を向い合せるようにして製造すれば、エッジワイズ巻きの製造工程を、平角線材を同一方向に巻回していくことにより形成することができるので、工数の低減および巻線機の機構の簡素化を図ることができる。
挿入し、この中空部の内部で、互いに突き合わせることによりリアクトル本体を構成する。
これら脚部161A、161Bの筐体等への取付け部分161C、161Dに対してコイル部品100を上方に持ち上げた位置に配設するようにしたコイル装置を示すものである。
なお、脚部161A、161Bは、図示しないねじが、ねじ孔161E、161F、161G、161Hを通して筐体等に螺入されることによりねじどめされる。
1対の脚部161A、161Bはコア151、152の周囲を締め付ける金属バンド1
62とコア151、152の間に挟持され固定される。金属バンド162はコア151、152の周囲に略沿った、一部が途切れたループ形状に成型されており、ループの途切れた端部部分には、円柱形状の留め具163A、163Bが設けられており、この留め具163A、163Bの軸と直交する方向にねじ孔165Aと透孔165Bが設けられており、コア151、152の周面と、この周面に沿わせた金属バンド162との間に1対の脚部161A、161Bの背板を挟みつつ、留め具163A、163Bのねじ孔165A、透孔165B部分に、ねじ164を挿入させて、金属バンド162を締め付けるようになっている。
、161Dの筐体等の取り付け位置から、所定距離だけ上方に配置して、絶縁性を保持することができる。
なお、金属バンド162の両端部付近には、ねじ164を外側から差し込んで、内側の留め具163B、留め具163Aに順次挿入し、ねじ164を締めるほど、金属バンド162のコア151、152の周面への締め付けが強くなり、両脚部161A、161Bの保持力が増大する。
このように本実施形態においては、2つのコイル要素111、112の間で、コイル要素配列方向の要素間連結部113Aの厚みが最小となるようにしている(この方向に平角線材101の厚み方向が一致するようにしている)ので、コイル要素111、112間の距離Dを最小とすることができる。
しかし、この取付け構造は、コイル要素111、112の間隔を小さくできるという利点は有するものの、構造がやや複雑で製造工数が増加するため、より簡単な取付け構造が要望されている。
簡単な取付け構造としては、図5に示すように、コイル要素711、712間の上方谷間(両コイル要素711、712間のRを付けた角部間の谷間)において、その前後の全長に亘って渡された長ねじ762Aおよびナット762Bによって、両脚部761A、761Bを締結するような構造としたものが知られている。このようなリアクトルにおいて、用途や目的によっては図1に示すような締結構造とすることが望ましい場合もあるが、図5に示すような簡単な締結構造とすることが望まれる場合も多く、図1に示す締結構造と図5に示す締結構造の何れも取りうるコイル部品の構造とされていることが肝要である。
られ、この後、一方のコイル要素の前方に引き出されるような構造とされているので、平角線材をコイル要素の角部のR形状に沿わせることが難しく、コイル要素の間の上方谷間部分に長ねじを通すようなスペースを確保することが困難である。
このように、本実施形態のコイル部品によれば、第2の要素間フラットワイズ曲げ部分723Dの曲率半径を容易に調節することができ、この調節により、コイル要素711、712間の上方谷間に長ねじ762Aを通すスペースを確保することができるとともに、コイル要素711、712の間隔Dは平角線材701の厚みに近い程度まで低減させることができ、これによって、コイル部品およびリアクトル装置の全体サイズを小さくできるとともに、磁気特性の劣化を回避することができる。
なお、以下の実施形態については、本実施形態に係るコイル部品を組み込んだコイル装置と作用効果が同様であり、その形状についても、図5とほぼ同様に表示されることから、各実施形態における図5に対応する図面は省略し、図面を必要とする説明においては、図5を代替図面として使用する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態のものと共通する部材も多いので、そのような共通する部材については、第1の実施形態における部材の付番に100を加えた付番を本実施形態の部材の付番とし、その詳しい説明は省略する。
すなわち、本実施形態のコイル部品200は、図6に示すように、1本の平角線材201を用い、接続端子となる一端部201Aと他端部201Bの間で、エッジワイズ巻きで巻回積層し、巻回積層されたコイルの所定位置(通常は略中間位置)で2つに折り曲げることによって、それぞれ角筒形状に並列形成された第1のコイル要素211と第2のコイル要素212を設けるとともに、両コイル要素211、212を連結する連結部213を設けて構成される、という点において上記第1の実施形態のコイル部品100と同様である。
この巻回積層されたコイルの上記所定位置に、連結部213に使用するための平角線材201の余裕分が生じるように巻回される、という点においても上記第1の実施形態のコイル部品100と同様である。
また、連結部213は、上記2つのコイル要素211、212の間の対向する側面211D、212D間に配される要素間連結部213Aと、第1のコイル要素211の巻き終わり側の平角線材211Cおよび要素間連結部213Aの間に介在し、コイル要素211の下側面212A(本実施形態では下面)に沿って形成されるループ連結部213Bとを備えている。
の間に、エッジワイズ巻きにより折り曲げられた要素間エッジワイズ巻き部分223Fを備えている。
また、従来技術のように、平角線材が捩じられたり90度より大きな角度で曲げられたりするような部分が生じないため、電線皮膜のはがれ等の問題が生じ難い。
また、連結部213の位置において折り返された2つのコイル要素211、212の端面を向い合せるようにして製造すれば、エッジワイズ巻きの製造工程を、平角線材201を同一方向に巻回していくことにより形成することができるので、工数の低減および巻線機の機構の簡素化を図ることができる。
この第3の実施形態は、上述した第1の実施形態のものと共通する部材も多いので、そのような共通する部材については、第1の実施形態における部材の付番に200を加えた付番を本実施形態の部材の付番とし、その詳しい説明は省略する。
すなわち、本実施形態のコイル部品300は、図7に示すように、1本の平角線材301を用い、接続端子となる一端部301Aと他端部301Bの間で、エッジワイズ巻きで巻回積層し、巻回積層されたコイルの所定位置(通常は略中間位置)で2つに折り曲げることによって、それぞれ角筒形状に並列形成された第1のコイル要素311と第2のコイル要素312を設けるとともに、両コイル要素311、312を連結する連結部313を設けて構成される、という点において上記第1の実施形態のコイル部品100と同様である。
この巻回積層されたコイルの上記所定位置に、連結部313に使用するための平角線材301の余裕分が生じるように巻回される、という点においても上記第1の実施形態のコイル部品100と同様である。
また、連結部313は、上記2つのコイル要素311、312の間の対向する側面311D、312Dの間に配される要素間連結部313Aと、第1のコイル要素311の巻き終わり側の平角線材311Cおよび要素間連結部313Aの間に介在し、コイル要素31
1の下側面311Aに沿って形成される第1ループ連結部313B1と、要素間連結部313Aと第2のコイル要素312の巻き始め側の平角線材312Cの間に介在し、コイル要素312の上側面312Aに沿って形成される第2ループ連結部313B2とを備えている。すなわち、連結部313は、要素間連結部313Aの前後にループ連結部313B1、313B2を設けた構造とされている。
第2ループ連結部313B2は、要素間連結部313Aの第2の要素間フラットワイズ曲げ部分323Fから延びる延在部323Gと、エッジワイズ巻きにより折り曲げられた第2ループ部エッジワイズ巻き部分323Hと、フラットワイズ曲げにより折り曲げられて第2のコイル要素の巻き始め部の平角線材312Cと接続される第2ループ部フラットワイズ曲げ部分323Iをこの順に備えている。
また、従来技術のように、平角線材が捩じられたり90度より大きな角度で曲げられたりするような部分が生じないため、電線皮膜のはがれ等の問題が生じ難い。
また、連結部313の位置において折り返された2つのコイル要素311、312の端面を向い合せるようにして製造すれば、エッジワイズ巻きの製造工程を、平角線材301を同一方向に巻回していくことにより形成することができるので、工数の低減および巻線機の機構の簡素化を図ることができる。
この第4の実施形態は、上述した第1の実施形態のものと共通する部材も多いので、そのような共通する部材については、第1の実施形態における部材の付番に300を加えた付番を本実施形態の部材の付番とし、その詳しい説明は省略する。
すなわち、本実施形態のコイル部品400は、図8に示すように、1本の平角線材401を用い、接続端子となる一端部401Aと他端部401Bの間で、エッジワイズ巻きで巻回積層し、巻回積層されたコイルの所定位置(通常は略中間位置)で2つに折り曲げることによって、それぞれ角筒形状に並列形成された第1のコイル要素411と第2のコイル要素412を設けるとともに、両コイル要素411、412を連結する連結部413を設けて構成される、という点において上記第1の実施形態のコイル部品400と同様である。
すなわち、この第4の実施形態は、上記第1の実施形態と同様に形成されたものであるが、要素間連結部413Aの中間部423Dが、立ち上がるにつれて第2のコイル要素412に近づくように傾斜した構成とされている。これにより、両コイル要素411、412の間隔Dが、上記第1の実施形態に比べて広くなるが、その他の作用効果は第1の実施形態と同様である。
この第5の実施形態は、上述した第3の実施形態のものと共通する部材も多いので、そのような共通する部材については、第3の実施形態における部材の付番に200を加えた付番を本実施形態の部材の付番とし、その詳しい説明は省略する。
すなわち、本実施形態のコイル部品500は、図9に示すように、1本の平角線材501を用い、接続端子となる一端部501Aと他端部501Bとの間で、エッジワイズ巻きで巻回積層し、巻回積層されたコイルの所定位置(通常は略中間位置)で2つに折り曲げることによって、それぞれ角筒形状に並列形成された第1のコイル要素511と第2のコイル要素512を設けるとともに、両コイル要素511、512を連結する連結部513を設けて構成される、という点において上記第3の実施形態のコイル部品300と同様である。
すなわち、この第5の実施形態は、上記第3の実施形態と同様に形成されたものであるが、要素間連結部513Aの中間部523Eが、立ち上がるにつれて第2のコイル要素512に近づくように傾斜した構成とされている。これにより、両コイル要素511、512の間隔Dが、上記第3の実施形態に比べて広くなるが、その他の作用効果は第3の実施形態と同様である。
この第6の実施形態は、上述した第3の実施形態のものと共通する部材も多いので、そのような共通する部材については、第3の実施形態における部材の付番に300を加えた付番を本実施形態の部材の付番とし、その詳しい説明は省略する。
すなわち、本実施形態のコイル部品600は、図10に示すように、1本の平角線材601を用い、接続端子となる一端部601Aと他端部601Bの間で、エッジワイズ巻きで巻回積層し、巻回積層されたコイルの所定位置(通常は略中間位置)で2つに折り曲げ
ることによって、それぞれ角筒形状に並列形成された第1のコイル要素611と第2のコイル要素612を設けるとともに、両コイル要素611、612を連結する連結部613を設けて構成される、という点において上記第3の実施形態のコイル部品300と同様である。
すなわち、この第6の実施形態は、第1ループ連結部613B1と、要素間連結部613Aと、第2ループ連結部613B2とが、全体としてS字カーブを描くように構成されている。言い換えれば、第1の要素間フラットワイズ曲げ部分623Dと、第2の要素間フラットワイズ曲げ部分623Fの曲率半径が、両コイル要素611、612の角部の曲率半径よりもある程度大きく形成されており、要素間連結部613Aは、中間部623Eにおいて両コイル要素611、612間で直立し、かつ前後のループ連結部613B1、613B2との間では、緩やかな曲線を描くように連結される。
作用効果については、第3の実施形態および第5の実施形態とほぼ同様である。
また、上記実施形態においては、コイル装置本体を支持する装置脚部を備えた場合の態様を示しているが、本発明のコイル装置としては、装置脚部を設けない態様として使用することも勿論可能である。
また、上記実施形態に係るリアクトル(コイル部品)では、車載用のリアクトルに適用したものを示しているが、本発明に係るコイル部品およびコイル装置は車載用に限られず種々のものに適用が可能であり、例えば、太陽光発電パネルにおいて使用されるリアクトル等にも適用することが可能である。
101、201、301、401、501、601、701 平角線材
101A、B、201A、B、301A、B、401A、B、501A、B、601A、B、701A、B 端部
111、211、311、411、511、611、711 第1のコイル要素
111D、211D、311D、411D、511D、611D、112D、212D、312D、412D、512D、612D 側面
112、212、312、412、512、612、712 第2のコイル要素
113、213、313、413、513、613、713 連結部
113A、213A、313A、413A、513A、613A、713A
要素間連結部
113B、213B、313B1、313B2、413B、513B1、513B2、613B1、613B2、713B
ループ連結部
123A、D、G、223A、D、G、323A、D、F、I、423A、D、G、523A、D、F、I、623A、D、F、I、723D、G フラットワイズ曲げ部
分
123B、F、223B、F、323B、H、423B、F、523B、H、623B、H、723F エッジワイズ巻き部分
123C、223E、323E、423C、523E、623E 中間部
123E、223C、323C、G、423E、523C、G、623C、G
延在部
151、152、751、752 コア
161A、B、761A、B 脚部
164、762A ねじ
Claims (8)
- 1本の平角線材をエッジワイズ巻きで角部がRを有する矩形状に積層形成してなるコイル巻回体が、所定の位置で2つに分割して折り返されてなり、対向する側面同士が互いに平行に沿うように配された第1のコイル要素および第2のコイル要素と、これら両コイル要素を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記対向する側面間に配される要素間連結部を備えるとともに、該要素間連結部と、前記第1のコイル要素の巻き終わり部および前記第2のコイル要素の巻き始め部の少なくとも一方との間に介在し、対応する該コイル要素側の前記対向する側面に隣接する側面に沿って形成されるループ連結部を備え、
前記要素間連結部は、平角線材の捩じり形状を有さず、前記第1のコイル要素の巻き終わり側端部および前記第2のコイル要素の巻き始め側端部において、該平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分と、これら2つの要素間フラットワイズ曲げ部分間に延びる中間部とを備えてなり、
前記ループ連結部は、前記要素間連結部のいずれかの要素間フラットワイズ曲げ部分から延びる延在部と、エッジワイズ巻きにより折り曲げられたループ部エッジワイズ巻き部分と、フラットワイズ曲げにより折り曲げられて前記第1のコイル要素の巻き終わり側の平角線材および前記第2のコイル要素の巻き始め側の平角線材の少なくとも一方と接続されるループ部フラットワイズ曲げ部分とを、前記要素間連結部側からこの順に備えてなり、
さらに、前記中間部がエッジワイズ巻きにより折り曲げられた要素間エッジワイズ巻き部分を有していることを特徴とするコイル部品。 - 1本の平角線材をエッジワイズ巻きで角部がRを有する矩形状に積層形成してなるコイル巻回体が、所定の位置で2つに分割して折り返されてなり、対向する側面同士が互いに平行に沿うように配された第1のコイル要素および第2のコイル要素と、これら両コイル要素を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記対向する側面間に配される要素間連結部を備えるとともに、該要素間連結部と、前記第1のコイル要素の巻き終わり部および前記第2のコイル要素の巻き始め部の少なくとも一方との間に介在し、対応する該コイル要素側の前記対向する側面に隣接する側面に沿って形成されるループ連結部を備え、
前記要素間連結部は、平角線材の捩じり形状を有さず、前記第1のコイル要素の巻き終わり側端部および前記第2のコイル要素の巻き始め側端部において、該平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分と、これら2つの要素間フラットワイズ曲げ部分間に延びる中間部とを備えてなり、
前記ループ連結部は、前記要素間連結部のいずれかの要素間フラットワイズ曲げ部分から延びる延在部と、エッジワイズ巻きにより折り曲げられたループ部エッジワイズ巻き部分と、フラットワイズ曲げにより折り曲げられて前記第1のコイル要素の巻き終わり側の平角線材および前記第2のコイル要素の巻き始め側の平角線材の少なくとも一方と接続されるループ部フラットワイズ曲げ部分とを、前記要素間連結部側からこの順に備えてなり、
さらに、前記中間部が、前記第1のコイル要素の巻き終わり側に位置する第1の要素間フラットワイズ曲げ部分から前記第2のコイル要素の巻き始め側に位置する第2の要素間フラットワイズ曲げ部分に向かうにしたがって、前記第2のコイル要素に近づくように傾斜して配されていることを特徴とするコイル部品。 - 1本の平角線材をエッジワイズ巻きで角部がRを有する矩形状に積層形成してなるコイル巻回体が、所定の位置で2つに分割して折り返されてなり、対向する側面同士が互いに平行に沿うように配された第1のコイル要素および第2のコイル要素と、これら両コイル要素を連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記対向する側面間に配される要素間連結部を備えるとともに、該要素間連結部と、前記第1のコイル要素の巻き終わり部および前記第2のコイル要素の巻き始め部の少なくとも一方との間に介在し、対応する該コイル要素側の前記対向する側面に隣接する側面に沿って形成されるループ連結部を備え、
前記要素間連結部は、平角線材の捩じり形状を有さず、前記第1のコイル要素の巻き終わり側端部および前記第2のコイル要素の巻き始め側端部において、該平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分と、これら2つの要素間フラットワイズ曲げ部分間に延びる中間部とを備えてなり、
前記ループ連結部は、前記要素間連結部のいずれかの要素間フラットワイズ曲げ部分から延びる延在部と、エッジワイズ巻きにより折り曲げられたループ部エッジワイズ巻き部分と、フラットワイズ曲げにより折り曲げられて前記第1のコイル要素の巻き終わり側の平角線材および前記第2のコイル要素の巻き始め側の平角線材の少なくとも一方と接続されるループ部フラットワイズ曲げ部分とを、前記要素間連結部側からこの順に備えてなり、
さらに、前記平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた前記第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分のうちの、前記ループ連結部に接続される要素間フラットワイズ曲げ部分の曲率半径が、該フラットワイズ曲げ部分に沿った前記コイル要素の前記角部の曲率半径以上に形成されていることを特徴とするコイル部品。 - 前記中間部が、前記2つのコイル要素の間の対向する側面間において、これら対向する側面と平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
- 前記中間部が、前記第1のコイル要素の巻き終わり側に位置する第1の要素間フラットワイズ曲げ部分から前記第2のコイル要素の巻き始め側に位置する第2の要素間フラットワイズ曲げ部分に向かうにしたがって、前記第2のコイル要素に近づくように傾斜して配されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
- 前記平角線材がフラットワイズ曲げにより折り曲げられた前記第1および第2の要素間フラットワイズ曲げ部分のうちの、前記ループ連結部に接続される要素間フラットワイズ曲げ部分の曲率半径が、該フラットワイズ曲げ部分に沿った前記コイル要素の前記角部の曲率半径以上に形成されていることを特徴とする請求項1、2、4および5のうちいずれか1項記載のコイル部品。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載のコイル部品と、該コイル部品の中空部に各々脚部を挿入して閉磁路を形成する磁性体コア部とを備えたことを特徴とするコイル装置。
- 前記コイル部品と前記磁性体コア部を組み合わせたコイル装置本体を所定位置に保持する装置脚部を備えたことを特徴とする請求項7に記載のコイル装置。
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