JP6903274B2 - 配管組立体 - Google Patents

Description

本発明は、尿素配管として実現される少なくとも１つの第１の配管と、液体媒体または気体媒体用の第２の配管とを有する配管組立体に関する。

第１の配管および第２の配管を有する配管組立体が、種々の用途での従来技術において開示されている。たとえば、液体媒体を案内する冷却剤配管が、熱の放散に使用されている。一方、高温の排気ガスがそこを通ってエンジンから除去される、比較的容積が大きい配管が、特に排気ガス・システムにおいて使用されている。

システムは、特にディーゼル・エンジンの排出削減のために、排気ガスの処理に使用されることが多く、その際、尿素、すなわち尿素水が噴射される。しかし、法的規制により、尿素が通常凍結する低温であっても、排気ガスの処理を実施する必要がある。その結果、電熱線の形で尿素配管の外側で周りに巻き付けられるかまたは、尿素配管の内部に延在する電気加熱素子を用いて、尿素配管を加熱することが通例である。

こうした設計は、たとえば特許文献１または特許文献２に開示されており、１つまたは複数の電熱線が、液体媒体または気体媒体を有する配管の周りに巻き付けられる。加熱の目的で線に電圧が印加され、その結果、加熱線が加熱される。前記組立体は、単に流体の加熱のみを可能にするので、追加のエネルギーの供給を必要とする。したがって、流体を加熱するには、常に電源が必要である。

米国特許出願公開第２００８／２０２６１６Ａ１号明細書 米国特許出願公開第２０１１／２６２３１０Ａ１号明細書

本発明の目的は、追加の電源がない場合であっても、モータ車両中の第１の配管の尿素の確実な加熱を実現する配管組立体を提供することである。

本発明の主な特徴は、請求項１の特徴部分に提示される。有利な設計が、請求項２から１１の目的である。

本発明によれば、上記の目的は、第１の配管と第２の配管が互いに熱的に結合される結果、尿素配管として実現される少なくとも１つの第１の配管と、液体媒体または気体媒体用の第２の配管とを有する配管組立体によって達成され、第１の配管は第２の配管の周りに巻き付けられ、または第２の配管が第１の配管の周りに巻き付けられる。

配管組立体を用いると、追加の電気エネルギーなしで、第２の配管内の媒体を介して尿素配管を加熱することができる。この場合、一方の配管を他方の配管に巻き付ける結果として、より長い部分にわたって、したがってより長い期間にわたって各配管に流れる媒体間の温度交換を行うことができる。

第２の配管は、第１の配管よりも大きな直径を有していることが好ましく、第２の配管の直径は、具体的には第１の配管の直径の４倍超、具体的には８倍超または１０倍超に相当する。したがって、第２の配管内の媒体は、第１の配管内の尿素と比較して非常に大きい体積を占めることができ、したがってより多くの熱エネルギーを運ぶことができる。その結果、尿素を加熱するのに十分な熱エネルギーが利用可能になり、したがって素早い加熱が保証される。

第２の配管の断面積が第１の配管の断面積に比べて比較的大きい場合、内燃機関からの高温の排気ガスが第２の配管に導かれ、したがって第１の配管内の尿素が加熱される。特に、第２の配管の直径がそれほど大きくない場合、モータ車両の冷却水などの液体媒体が第２の配管に流される。内燃機関の動作中、冷却水は比較的急速に加熱され、次いで、第１の配管に案内される尿素に十分な熱エネルギーを供給することができる。この場合、第１の配管内の尿素をさらに加熱することは、原則として必要とされない。

たとえば、第１の配管は、第２の配管の周りに渦巻き状または螺旋状に巻き付けられる。規則的な巻きにより、尿素は、第１の配管内で均一に加熱または冷却される。加えて、第１の配管の長さ、したがって温度交換の継続時間は、渦巻き配管または螺旋配管の勾配（ｇｒａｄｉｅｎｔ）の結果として定義することができる。

オプションとして、第２の配管の上に第１の配管を保持する織布が設けられてもよい。したがって、織布は、所望の位置において第２の配管に第１の配管を固定する。加えて、織布は、機械的応力などの環境的影響から、少なくとも第１の配管を保護することができる。

また、このように第２の配管に第１の配管を直接固定できるように、第１の配管を織布に織り合わせてもよい。

具体的には、織布は、十分な安定性を提供する、加工が容易なガラス繊維織物である。加えて、ガラス繊維織物は温度の影響を受けにくく、したがって広い温度範囲にわたって使用することができる。

オプションとして、第１の配管および第２の配管、ならびに該当する場合は織布を取り囲む保護ジャケットが設けられてもよい。保護ジャケットにより、特に機械的応力などの環境的影響に対する保護が提供される。加えて、締結要素、たとえばクリップが、保護ジャケットと協働してもよい。この場合、たとえばクリップに張力がかかったとき、保護ジャケットにより、配管組立体が挟まれることを防止することができる。加えて、保護ジャケットは、外部に断熱材を形成して、熱損失または低温損失（ｃｏｌｄ ｌｏｓｓ）を軽減することができる。

保護ジャケットは、たとえば収縮管として実現され、かつ／または収縮布を備える。こうした管、またはこうした布から生産される保護ジャケットは、最初は、第１の配管が周りに巻き付けられた状態の第２の配管よりも大きい直径を有している。その結果、保護ジャケットを、配管組立体の上に容易に摺動させることができる。次いで、たとえば熱の影響で管または布が収縮することにより、保護ジャケットの直径が小さくされる。次いで、保護ジャケットは、第１の配管および第２の配管の上で平らになり、互いに対して固定される。

あるいは、代替策として、保護ジャケットは、具体的には第１の配管に対して変位可能なコルゲート管としても実現することができる。その結果、配管組立体の高いレベルの柔軟性またはフレキシブルさを実現することができる。

好ましい一設計では、第１の配管および第２の配管は保護ジャケットとともに鋳造され、したがって、これらは保護ジャケットとの間でポジティブ・ロッキングおよび／または物質対物質の接合を形成することができる。その結果、非常に頑強な連結が実現され、該当する場合、保護ジャケットは、第２の配管に対して第１の配管も同時に固定する。

加えて、前記第１の配管（１２）には、第１の配管を通って長手方向に延在する少なくとも１つの加熱素子が配置されてもよい。加熱線により、加熱媒体または冷却媒体が十分な温度になる前であっても加熱を行うことができるので、媒体を加熱できる可能性が向上する。

本発明の別の特徴、詳細、および利点は、特許請求の範囲に記載の文言から、また図面を用いて例示的な実施形態の以下の説明から提示される。

配管組立体の斜視図である。 図１の配管組立体を通る断面図である。 第１の配管の実施形態を示す図である。 第１の配管の実施形態を示す図である。 第１の配管の実施形態を示す図である。 配管組立体の別の実施形態を示す図である。

図１は、配管組立体１０を示す。配管組立体１０は、尿素または尿素水のための尿素配管として実現される第１の配管１２と、気体または液体のための第２の配管１４とを備える。第１の配管１２は、第２の配管１４の周りに周方向Ｕに巻き付けられ、熱的に結合されている。その結果、第１の配管１２に流れる尿素と第２の配管１４に流れる媒体との間で温度交換を行うことができ、したがって、尿素は、他方の媒体によって適切に調節される。

配管組立体１０は、たとえば、排気ガスを処理するための尿素を加熱するために、内燃機関を備える車両において使用される。尿素は、特にディーゼルで運転される内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物を削減するために使用される尿素溶液である。媒体は、たとえば内燃機関の高温の排気ガスによって形成されてもよい。あるいは、たとえば、一般にエンジン廃熱用に車両において任意の形で利用されている冷却水などの、異なる媒体を使用することとしてもよい。

特に図３ａ〜図３ｃから分かるように、第１の配管１２は、渦巻き状または螺旋状に案内され、いずれの場合にも、第１の配管１２の巻線１６は、一定の勾配を有する。この場合、配管１２は、これに対応して渦巻き状または螺旋状で予備形成されてもよく、または第２の配管１６の周りに巻き付けられる工程まで、対応する渦巻き形状にならなくてもよい。

特に図２から分かるように、第２の配管１４は、第１の配管１２と比較して比較的大きい断面積を有しているため、大量の媒体が第２の配管１４を通って流れることができる。その結果、媒体は、比較的多量の熱エネルギーを第２の配管に蓄えることができるので、第１の配管１２に案内される尿素を素早く加熱することができる。

さらに、第１の配管１２が第２の配管に熱的に結合される部分が比較的長いので、温度交換を比較的長い部分にわたって行うことができる。その結果、第２の配管１４の断面積が大きいこととあいまって、第２の配管１４の媒体と第１の配管１２の尿素との間で非常に良好な熱交換を行うことができる。

熱伝達の効率は、さらに、第１の配管１２の巻線１６の勾配に依存する。勾配がより大きい場合（図３ｃ）には、巻線１６の数、したがって第１の配管１２が第２の配管１４に熱的に結合される部分は、勾配が小さい場合（図３ａ）よりも短くなる。したがって、第１の配管１２の直径が同じであり、第１の配管１２の内部の流速が同じであれば、温度交換を行うことができる時間はより短くなる。したがって、第１の配管１２の巻線１６の勾配によって、熱交換の効率を調節することができる。

図４に示した配管組立体１０は、基本的に、図１および図２に示した実施形態に対応する。さらに、第１の配管１２に織り合わされてこれを保持または支持する織布１８が設けられる。織布１８は、たとえば、周方向Ｕにおいて第２の配管を完全に取り囲むガラス繊維織物である。ある程度までは、第１の配管１２は織布１８の糸を形成し、すなわち第２の配管１４に当接する長さ全体にわたって織布１８に織り合わされ、それにより、第２の配管１４に対する第１の配管１２の変位が確実に防止される。

さらに、配管組立体１０を完全に取り囲む保護ジャケット２０が設けられる。その結果、第１の配管１２および第２の配管１４は、機械的応力から保護される。ここに示した実施形態では、保護ジャケット２０は、コルゲート管によって形成される。第１の配管１２および第２の配管１４は、前記コルゲート管の内側で遊びを有しているので、それに対して動くことができ、その結果、配管組立体１０は比較的フレキシブルになり、また容易に変形、具体的には曲げることができる。

あるいは、保護ジャケット２０は、織布１８に直接当接し、織布１８および第１の配管１２を第２の配管１４に対して押圧する収縮管として実現されてもよい。さらなる代替案として、保護ジャケット２０は、第１の配管１２および第２の配管１４の上に直接挿入されてもよく、または両方の配管１２、１４が保護ジャケット２０の中に鋳造されてもよい。

本発明は、上記の実施形態のうちの１つに限定されず、様々な形で修正可能である。

たとえば、オプションとして、第２の配管１４の媒体の温度がまだ第１の配管内の尿素を十分に加熱するのに不十分である内燃機関の起動段階の間に、尿素をさらに加熱する加熱素子を、第１の配管１２に配置してもよい。

さらに、尿素用の複数の第１の配管１２を設けることができ、これは、第２の配管１４の外周部に均一に分散して配置されることが好ましい。この場合、たとえば、第１の配管１２は、いずれの場合にも第２の配管１４の周りに同じ勾配で巻かれる。

構造の詳細、空間的構成および方法ステップを含む、特許請求の範囲、説明および図面から出てくるあらゆる特徴および利点は、それ自体および最も多様な組み合わせにおいて、本発明にとって不可欠であり得る。

１０ 配管組立体
１２ 第１の配管
１４ 第２の配管
１６ 第１の配管の巻線
１８ 織布
２０ ジャケット
Ｕ 周方向

Claims (3)

1. 尿素配管として実現される少なくとも１つの第１の配管（１２）と、液体媒体または気体媒体用の第２の配管（１４）とを有する配管組立体（１０）であって、
   前記第１の配管（１２）と前記第２の配管（１４）が互いに熱交換可能に結合され、
   前記第２の配管（１４）が前記第１の配管（１２）の周りに巻き付けられ、
   前記第２の配管（１４）が、前記第１の配管（１２）よりも大きな直径を有し、
   前記第２の配管の直径は、前記第１の配管の直径の２倍から１０倍に相当し、
   前記第１の配管（１２）および前記第２の配管（１４）を取り囲む保護ジャケット（２０）が設けられ、該保護ジャケット（２０）は、収縮管として実現され、かつ／または収縮布を備え、かつ、コルゲート管を備え、
   前記第１の配管（１２）および前記第２の配管（１４）が、前記コルゲート管の内側で遊びを有し、それに対して相対的に動く、配管組立体（１０）。
2. 前記第１の配管（１２）および前記第２の配管（１４）が、前記保護ジャケット（２０）の中に鋳造される、請求項１に記載の配管組立体。
3. 前記第１の配管（１２）には、前記第１の配管（１２）を通って長手方向に延在する少なくとも１つの加熱素子が配置される、請求項１または２に記載の配管組立体。

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