JP6902438B2 - スプールバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の機器に使用され、流体回路における制御流体の圧力や流量を制御するスプールバルブに関する。
スプールバルブは、例えば、エア、油圧、モータ、ソレノイド等を用いた駆動部により軸方向に移動可能なスプールを用いて、流体回路における制御流体の圧力や流量を制御するものである。従来のスプールバルブとして、スリーブに収納されたスプールと、スプールの一端側に配置されソレノイドにより軸方向に動作する駆動部とを具備し、ポンプやアキュムレータ等の圧力源と負荷側との間に配置され、スプールの移動により圧力や流量が調整された制御流体を負荷側に供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなスプールバルブは、スプールの外周側における制御流体の漏れを極力無くすために、スリーブの内壁とスプールとの間の隙間が微小となっている。また、スプールの他端側には、スプールを駆動部側に付勢するスプリングが配置されており、駆動部によりスプールをスプリングの付勢力に抗して軸方向に移動させ、スリーブに対するスプールの相対位置を所定位置とすることにより、流路を所定の開度に調整できるようになっている。
特開2009‐63022号公報(第3頁、第9図)
しかしながら、特許文献1のようなスプールバルブにあっては、スプリングによりスプールが駆動部側に付勢されているため、スプールバルブが搭載される機器の振動や制御流体の脈動等に起因する外乱によってスプール自体に振動が発生すると、特に共振が生じたりスプリングのセット荷重を超える力が作用すると、スプールがスプリング側に過剰ストロークする虞があり、駆動部によりスプールを軸方向に移動させたときのスリーブに対するスプールの相対位置がずれることにより、流路の開度に誤差が生じてしまい、制御流体の制御の精度が低下するという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、制御流体の制御における外乱による精度の低下を低減することができるスプールバルブを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のスプールバルブは、
スプールと、内部に前記スプールが軸方向に移動可能に配置されるスリーブと、
前記スプールの一端側に配置され、前記スプールを軸方向に移動させる駆動部と、
前記スプールの他端側に配置され、前記駆動部側に前記スプールを付勢するスプリングと、を備えるスプールバルブであって、
前記スプールの前記スプリング側への過剰な移動を規制する規制部を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、外乱によりスプールに振動が発生した場合、規制部によりスプールのスプリング側への移動が規制され、スプールのスプリング側への過剰ストロークを防止することができるため、制御流体の制御における外乱による精度の低下を低減することができる。さらに、スプールバルブに対する予期しない衝撃によってスプールが駆動部の駆動力を受けずに軸方向に移動した場合にも、規制部によりスプールのスプリング側への過剰ストロークを防止することができるため、予期しない衝撃によるスプールの移動への影響を小さくすることができる。
前記スプールの過剰に移動したときに、前記スプールの他端が前記規制部に当接することを特徴としている。
この特徴によれば、駆動部と軸方向反対側の位置にあるスプールの他端が規制部に当接するため、スプールの傾動が防止される。
前記スプリングを保持するリテーナが前記規制部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、スリーブの他端側にスプリングを保持するリテーナを取付けると同時に、スプールの他端に当接する規制部が設置されるため、規制部を容易に設置することができる。
前記規制部の周囲に前記スプリングが外嵌配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、規制部にスプリングを外嵌して一体に保持した状態のリテーナをスリーブの他端側に取付けることができるため、スプールの他端側にスプリングと規制部を容易に設置することができる。
前記リテーナは、プレス加工により前記規制部が突出するハット形状に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、リテーナは、プレス加工により規制部が突出したハット形状に形成されるため、スプールの他端が当接する規制部の強度が高く、かつリテーナを軽量化することができる。
前記リテーナが設置される前記スリーブの他端には、該スリーブの他端側の端面との間で前記リテーナの外径側のフランジ部を軸方向に保持するカシメ部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、リテーナが設置されるスリーブの他端側の端面とカシメ部との間でリテーナのフランジ部が軸方向に保持されることにより、フランジ部に径方向に応力が作用することがなく、リテーナの変形が防止されるため、スプールのストローク量を一定にすることができる。
前記スリーブの外周には、該スリーブの他端側の端面の外径よりも内径側に径方向深さを有する溝部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、溝部とカシメ部とを押さえてカシメることができるため、スリーブの溝部よりも駆動部側に応力が作用することがなく、スプールのストロークへの影響を小さくすることができる。
前記溝部には、前記スリーブの内部と連通する貫通孔が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、スプールの他端に規制部が当接するときにも、貫通孔を介してスリーブの内部に形成されるスプリングの保持空間の流体を外部と呼吸させることができるため、スプールを迅速に移動させることができる。
本発明の実施例におけるスプールバルブのオフ状態を示す断面図である。 本発明の実施例におけるスリーブに対するリテーナおよびスプリングの取付方法を示す斜視図である。 (a)および(b)は、本発明の実施例におけるスリーブに対するリテーナおよびスプリングの取付方法を示す拡大断面図である。 本発明の実施例におけるスプールバルブのオン状態を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施例におけるスプールバルブのオン状態でのスプールの最大限移動位置を示す拡大断面図であり、(b)は、規制部によるスプールの移動規制位置を示す拡大断面図である。
本発明に係るスプールバルブを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係るスプールバルブにつき、図1から図5を参照して説明する。以下、スプールバルブを構成するバルブ部から見てソレノイド部側を左側、ソレノイド部から見てバルブ部側を右側として説明する。
スプールバルブ1は、例えば車両の自動変速機等の油圧により制御される機器に用いられ、流体回路における作動油等の制御流体の圧力や流量を制御するものである。
図1に示されるように、スプールバルブ1は、バルブとして流体の流量を調整するバルブ部2がソレノイドを用いた駆動部としてのソレノイド部3に一体に取り付けられて構成されている。尚、図1は、ソレノイド成形体31のコイル33に通電されていないスプールバルブ1のオフ状態を示すものである。
バルブ部2は、外周に図示しないバルブハウジング内に設けられた流路と接続される図示しない複数のポートの開口が設けられたスリーブ21と、スリーブ21の貫通孔21cに液密に収容され軸方向に移動可能なスプール22と、スプール22の軸方向右端部(後述する凹部22c)に一端が当接しスプール22を軸方向左方に付勢するコイル状のスプリング23と、スリーブ21の軸方向右端部にカシメ固定されスプリング23を保持するハット形状のリテーナ24と、から主に構成されている。尚、スリーブ21、スプール22、リテーナ24は、アルミ、鉄、ステンレス、樹脂等の材料により形成されている。バルブ部2の構造については、後段にて詳述する。
ソレノイド部3は、鉄等の磁性を有する金属材料から形成されるカップ形状のソレノイドケース30と、ソレノイドケース30に収容されるソレノイド成形体31と、ソレノイド成形体31の内側に配置されるセンタポスト32と、から主に構成されている。
ソレノイド成形体31は、コイル33を樹脂34によってモールド成形することにより形成され、ソレノイドケース30の径方向下方側に設けられる開口部30bから外部に延び出ているコネクタ部34aのコネクタから制御電圧がコイル33へ供給されるようになっている。
センタポスト32は、フランジ付き円筒状に形成され、円筒部32aと、円筒部32aの軸方向右端部において径方向に延びるフランジ部32bと、円筒部32aの径方向の中心にプランジャ4およびロッド5を収容可能な貫通孔32cと、から主に構成されている。
センタポスト32のフランジ部32bには、軸方向右側の端面に軸方向左方に凹む環状凹部32dが設けられ、スリーブ21の軸方向左端部が挿嵌された状態で取付け固定されている。また、フランジ部32bには、ソレノイドケース30の円筒部30aの軸方向右端部がカシメられることにより、センタポスト32とソレノイド成形体31はソレノイドケース30に軸方向に固定される。
センタポスト32の貫通孔32cは、軸方向左側にプランジャ4が配置される第1収容部32eと、第1収容部32eの軸方向右側において径方向の中心に小径に形成されロッド5が配置される第2収容部32fと、から構成される段付き円筒状に構成されている。尚、第1収容部32eの軸方向右側には径方向に延びる環状面部32gが形成されており、この環状面部32gは内径側において第2収容部32fの内面に直交して連なっている。環状面部32gには、第1収容部32e内を軸方向移動するプランジャ4の軸方向右端面の接触時の衝撃からプランジャ4を保護するための環状の保護部材35が取付けられている。
プランジャ4は、円柱状に形成され、その外周面が第1収容部32eの内周面に案内されて軸方向移動可能となっている。尚、プランジャ4の外周面と第1収容部32eの内周面との間には、径方向に僅かなクリアランスが設けられており、プランジャ4は軸方向に円滑に移動できるようになっている。
ロッド5は、プランジャ4と略同軸すなわち径方向の中心の延長線上に配置され、第2収容部32fの内部を軸方向移動可能となっている。尚、ロッド5の外周面と第2収容部32fの内周面との間には、径方向に僅かなクリアランスが設けられており、ロッド5は軸方向に円滑に移動できるようになっている。
また、プランジャ4とロッド5とは、一体的に移動可能になっており、ロッド5の軸方向右側(バルブ部2側)の端面はスプール22の軸方向左側(ソレノイド部3側)の端面部22aに当接している。
次いで、バルブ部2の構造について説明する。尚、バルブ部2は、スプールバルブとして良く知られた構成であるため、流路の開度調整等に関する詳細な説明を省略する。スリーブ21は、軸方向両端が開放する円筒状に形成され、図示しない入力ポートや出力ポート等の複数の開口が形成される円筒部21aと、スリーブ21の軸方向右端部において円筒部21aの外径よりも小径の円筒状に構成されるリテーナ固定部21bと、から主に構成され、スリーブ21の円筒部21aおよびリテーナ固定部21bを軸方向に貫通する貫通孔21cには、円筒部21aの位置にスプール22が収容可能となっている。
スリーブ21のリテーナ固定部21bには、軸方向右側の端面の外周から軸方向右方へ環状に突出するカシメ部21dが設けられることにより、リテーナ固定部21bの外径よりも小径に構成され、軸方向右側の端面に軸方向左方に凹む環状凹部21e(スリーブの他端側の端面)が形成されている。
スリーブ21の外周面には、円筒部21aとリテーナ固定部21bとの間に環状凹部21eの外径よりも内径側に径方向深さを有する環状溝部21f(溝部)が設けられている。環状溝部21fには、径方向に貫通して外部とスリーブ21の内部のスプリング23の保持空間とを連通する貫通孔21gが設けられている。
スプール22には、軸方向右端部を構成するランド部22bの軸方向右側の端面の径方向の中心から軸方向左方に凹む凹部22cが設けられている。尚、スプール22の外周面とスリーブ21の貫通孔21cの内周面との間には、径方向に僅かなクリアランスが設けられており、スプール22は軸方向に円滑に移動できるようになっているとともに、各ポートを介してスリーブ21とスプール22との間に流出入する制御流体の軸方向の漏れが抑えられている。
スプール22の凹部22cには、スプール22の軸方向右端部に取付けられスプール22を軸方向左方に付勢するコイル状のスプリング23の軸方向左端部が挿入されている。スプリング23は、スプール22の凹部22cに挿入された状態で、凹部22cの軸方向右側の端面(底面)とスリーブ21の軸方向右端部のリテーナ固定部21bにカシメ固定されるリテーナ24の後述する支持部24bの軸方向左側の端面との間で圧縮保持されている。尚、スプリング23は、スプール22の凹部22cに軸方向左端部が挿入されることにより、凹部22cの内周面により軸方向左端部の径方向への移動を規制して撓みを抑えることができるため、スプール22に対する付勢力を安定させることができる。また、スプール22の凹部22cがガイドとなるため、スプール22とスプリング23の中心軸を合わせやすい。
リテーナ24は、プレス加工によりハット形状に形成され、軸方向にテーパする円筒部24aと、円筒部24aの軸方向右端部を構成する環状の支持部24bと、円筒部24aの軸方向左端部において径方向に延びるフランジ部24cと、支持部24bの径方向の中心から軸方向左方に突出するように形成される有底円筒状の規制部24dと、から構成されている。
リテーナ24の規制部24dは、その外径がコイル状のスプリング23の内径よりも小径の筒状に構成されており、スプリング23は、規制部24dに対して外嵌された状態でスプール22の凹部22cの軸方向右側の端面とリテーナ24の支持部24bの軸方向左側の端面との間で圧縮保持されている。尚、スプリング23は、規制部24dに対して外嵌されることにより、規制部24dの外周面により撓みを抑えることができるため、スプール22に対する付勢力を安定させることができる。
次いで、スリーブ21に対するスプリング23およびリテーナ24の取付方法について説明する。先ず、図2に示されるように、リテーナ24の筒状の規制部24dに対してスプリング23を外嵌した状態で、スリーブ21の軸方向右側(リテーナ固定部21b側)から貫通孔21c内にスプリング23およびリテーナ24の規制部24dをまとめて挿入する。尚、先にスプリング23のみを貫通孔21c内に挿入し、スプール22とスプリング23の中心軸を合わせた状態でスプリング23の内径側にリテーナ24の規制部24dを挿入してもよい。
次に、図3(a)に示されるように、リテーナ24のフランジ部24cの軸方向左側の端面をスリーブ21の環状凹部21eの軸方向右側の端面(底面)に当接させるように軸方向左方へ押し込む。そして、スリーブ21のリテーナ固定部21bの軸方向右側の端面の外周に設けられるカシメ部21dを図示しないカシメ用治具により内径側にカシメることにより、リテーナ24のフランジ部24cをスリーブ21の環状凹部21eの軸方向右側の端面とリテーナ24のカシメ部21dとの間に軸方向に挟持した状態で固定する(図3(b)参照)。これにより、リテーナ24の軸方向への移動が規制されるとともに、スプリング23は、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面(底面)とリテーナ24の支持部24bの軸方向左側の端面との間で圧縮保持され、スプール22に対して軸方向左方に所定の付勢力を作用させることができる。
これによれば、スリーブ21の環状凹部21eの軸方向右側の端面は、軸方向と直交する面であるため、カシメ部21dによりリテーナ24のフランジ部24cをカシメ固定する際に、径方向に応力が作用することがなく、リテーナ24(円筒部24a、支持部24bおよび規制部24d)の変形が防止される。また、軸方向に応力が作用するため、スリーブ21の環状凹部21eの軸方向右側の端面に対してリテーナ24の固定位置がずれ難い。
また、スリーブ21の外周面には、円筒部21aとリテーナ固定部21bとの間に環状凹部21eの外径よりも内径側に径方向深さを有する環状溝部21fが設けられているため、カシメ部21dによりフランジ部24cをカシメ固定する際に、図示しないカシメ用治具によりカシメ部21dの外周面と環状溝部21fの軸方向右側の端面とを軸方向に挟み込んで挟圧力を作用させることができ、スプール22が収容されるスリーブ21の円筒部21aの変形が防止される。
次いで、スプールバルブ1の動作について説明する。図1に示されるように、先ず、スプールバルブ1のオフ状態においては、プランジャ4、ロッド5およびスプール22は、スプール22の軸方向右端部に配置されるスプリング23の付勢力によって軸方向左方に移動した状態となっている。このとき、センタポスト32の軸方向右側の環状凹部32dの内径側にスプール22の軸方向左側の端面部22aの外径側が当接することにより、スプール22の軸方向左方への移動が規制されている。
次に、図4に示されるように、スプールバルブ1のオン状態においては、コイル33への通電によりソレノイドケース30、センタポスト32、プランジャ4により磁気回路が形成され、センタポスト32の環状面部32gとプランジャ4との間に磁力を発生させることにより、プランジャ4を軸方向右方へ移動させることができる。このとき、プランジャ4の駆動力を利用してロッド5を一体的に軸方向右方へ移動させることにより、ロッド5の軸方向右側の端面がスプール22の軸方向左側の端面部22aを押し、スプール22をスプリング23の付勢力に抗して軸方向右方に移動させる。さらに、このとき、スプール22は、リテーナ24の支持部24bとの間に圧縮保持されるスプリング23の付勢力と駆動力とが均衡する位置に移動する。また、プランジャ4が保護部材35に当接する位置まで移動し、最大の駆動力がロッド5を介してスプール22に作用すると、この駆動力はスプリング23のセット荷重と釣り合い、スプール22は最大限軸方向右側の位置(図5(a)参照)まで移動する。尚、スプール22は、その軸方向右端をスプリング23により支持されているのみであるから、振動等の過大な外力が作用するとセット荷重を超えて軸方向右側に移動できるようになっている。
このように、スプールバルブ1の動作によりスプール22を軸方向に移動させ、スリーブ21に対するスプール22の相対位置を変化させて各種ポートの開閉を行うと同時に、流路を所定の開度に調整することにより、流路における制御流体の制御を行うことができるようになっている。
また、図5(a)に示されるように、ロッド5を介してスプール22に作用する最大の駆動力がスプリング23のセット荷重と釣り合い、スプール22が最大限軸方向右側の位置まで移動した状態においては、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面とリテーナ24の規制部24dの軸方向左側の先端面とが軸方向に所定間隔離間している。尚、スプール22が最大限軸方向右側の位置まで移動したときのスプール22(ランド部22b)の軸方向右側の先端面の位置をスプールバルブ1のオン状態におけるスプール22の最大限移動位置Aとする。
ここで、スプールバルブ1が搭載される機器の振動や制御流体の脈動等に起因する外乱によってスプール22をスプリング23のセット荷重を超えて最大限移動位置Aよりも軸方向右側に移動させる過大な外力が作用した場合、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面がリテーナ24の規制部24dの軸方向左側の先端面に当接するようになっている(図5(b)参照)。尚、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面がリテーナ24の規制部24dの軸方向左側の先端面に当接したときのスプール22の軸方向右側の先端面の位置をスプール22の移動規制位置Bとする。
これによれば、本実施例のスプールバルブ1が搭載される機器の振動や制御流体の脈動等に起因する外乱によってスプール22をスプリング23のセット荷重を超えて軸方向右方へ過剰に移動させる振動が発生した場合、リテーナ24の規制部24dによりスプール22の移動規制位置Bを越える軸方向右方への過剰ストロークを防止することができるため、制御流体の制御における外乱による精度の低下を低減することができる。さらに、スプールバルブ1に対する予期しない衝撃によってスプール22がソレノイド部3(ロッド5)の駆動力を受けずに軸方向右方に移動した場合にも、リテーナ24の規制部24dによりスプール22の移動規制位置Bを越える軸方向右方への過剰ストロークを防止することができるため、スプール22をスプリング23の付勢力によりロッド5の軸方向右側の端面とスプール22の軸方向左側(ソレノイド部3側)の端面部22aとが当接する所定位置に早く戻すことができ、予期しない衝撃によるスプール22の移動への影響を小さくすることができる。
また、外乱によりスプール22自体に振動が発生した場合、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面(スプールの他端)がソレノイド部3と軸方向反対側の位置にあるリテーナ24の規制部24dの軸方向左側の先端面に当接することにより、スプール22の傾動が防止され、スプール22の外周面とスリーブ21の貫通孔21cの内周面との間に設けられる径方向の僅かなクリアランスを高い精度で維持することができる。
また、スリーブ21の軸方向右端部においてスプリング23を保持するリテーナ24が規制部24dを有するため、スリーブ21の軸方向右端部にリテーナ24を取付けると同時に、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面に当接する規制部24dが設置されるため、規制部24dを容易に設置することができる。さらに、図2に示されるように、規制部24dにスプリング23を外嵌して一体に保持した状態でスリーブ21の軸方向右端部にリテーナ24を取付けることができるため、スプリング23および規制部24dを容易に設置することができる。
また、リテーナ24の規制部24dにスプリング23を外嵌することができるため、かつスプリング23の外径および内径を大きく確保することができるため、スプール22に対する付勢力を十分に確保することができる。さらに、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面が当接するリテーナ24の規制部24dの軸方向左側の先端面の面積を大きく確保することができる。
また、リテーナ24は、プレス加工により規制部24dが突出するハット形状に形成されるため、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面が当接する規制部24dの強度が高く、かつリテーナ24を軽量化することができる。
また、スリーブ21の環状凹部21eの軸方向右側の端面は、軸方向と直交する面であるため、カシメ部21dによりリテーナ24のフランジ部24cをカシメ固定する際に、径方向に応力が作用することがなく、リテーナ24の変形、特に規制部24dの傾動が防止されるため、規制部24dの軸方向左側の先端面をスプール22の移動規制位置Bに高い精度で配置することができ、スプール22のストローク量を略一定にすることができる。
また、スリーブ21の外周面には、円筒部21aとリテーナ固定部21bとの間に環状凹部21eの外径よりも内径側に径方向深さを有する環状溝部21fが設けられることにより、スプール22が収容されるスリーブ21の円筒部21aの変形が防止されるため、スプール22の外周面とスリーブ21の貫通孔21cの内周面との間に設けられる径方向の僅かなクリアランスを高い精度で維持することができ、スプール22の移動への影響を小さくすることができる。
また、スリーブ21の環状溝部21fには、径方向に貫通して外部とスリーブ21の内部の空間とを連通する貫通孔21gが設けられており、スプール22の凹部22cの軸方向右側の端面がリテーナ24の規制部24dの軸方向左側の先端面に当接した状態においても、貫通孔21gがスプール22の軸方向右端部やリテーナ24の規制部24dにより塞がれることがなく、貫通孔21gを介してスリーブ21の内部の軸方向右側においてリテーナ24との間に形成されるスプリング23の保持空間に収容される流体を外部と呼吸させることができるため、該空間の流体による抵抗を減衰させて、スプール22を迅速に移動させることができる。さらに、リテーナ24に呼吸用の貫通孔を設けたものに比べて、リテーナ24の強度を高めることができる。
また、スプール22は中実に形成されているため、スプール22の強度を高めることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、スプールバルブ1の駆動部としてのソレノイドを用いたものについて説明したが、これに限らず、スプールバルブの駆動部は、エア、油圧、モータ等が選択されてもよい。
1 スプールバルブ
2 バルブ部
3 ソレノイド部(駆動部)
4 プランジャ
5 ロッド
21 スリーブ
21a 円筒部
21b 開口部
21c 貫通孔
21d カシメ部
21e 環状凹部(スリーブの他端側の端面)
21f 環状溝部(溝部)
21g 貫通孔
22 スプール
22a 端面部
22b ランド部
22c 凹部
23 スプリング
24 リテーナ
24a 円筒部
24b 支持部
24c フランジ部
24d 規制部
30 ソレノイドケース
31 ソレノイド成形体
32 センタポスト
33 コイル
A 最大限移動位置
B 移動規制位置

Claims (6)

  1. スプールと、内部に前記スプールが軸方向に移動可能に配置されるスリーブと、
    前記スプールの一端側に配置され、前記スプールを軸方向に移動させる駆動部と、
    前記スプールの他端側に配置され、前記駆動部側に前記スプールを付勢するスプリングと、を備えるスプールバルブであって、
    前記スプールの前記スプリング側への過剰な移動を規制する規制部を備え
    前記スプリングを保持するリテーナが前記規制部を有し、
    前記リテーナは、プレス加工により前記規制部が突出するハット形状に形成されていることを特徴とするスプールバルブ。
  2. スプールと、内部に前記スプールが軸方向に移動可能に配置されるスリーブと、
    前記スプールの一端側に配置され、前記スプールを軸方向に移動させる駆動部と、
    前記スプールの他端側に配置され、前記駆動部側に前記スプールを付勢するスプリングと、を備えるスプールバルブであって、
    前記スプールの前記スプリング側への過剰な移動を規制する規制部を備え、
    前記スプリングを保持するリテーナが前記規制部を有し、
    前記リテーナが設置される前記スリーブの他端には、該スリーブの他端側の端面との間で前記リテーナの外径側のフランジ部を軸方向に保持するカシメ部が設けられていることを特徴とするスプールバルブ。
  3. 前記スプールの過剰に移動したときに、前記スプールの他端が前記規制部に当接することを特徴とする請求項1または2に記載のスプールバルブ。
  4. 前記規制部の周囲に前記スプリングが外嵌配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスプールバルブ。
  5. 前記スリーブの外周には、該スリーブの他端側の端面の外径よりも内径側に径方向深さを有する溝部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のスプールバルブ。
  6. 前記溝部には、前記スリーブの内部と連通する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項に記載のスプールバルブ。
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