JP6902404B2 - 現像処理装置、現像処理方法及び記憶媒体 - Google Patents

現像処理装置、現像処理方法及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本開示は、現像処理装置、現像処理方法及び記憶媒体に関する。
特許文献1には、基板を第一回転数で回転させ、ノズルの吐出口の周囲に形成された接液面を基板の表面に対向させた状態で、吐出口から基板の表面に現像液を供給し、現像液に接液面を接触させながらノズルを移動させることで、基板の表面上に現像液の液膜を形成することを含む現像処理方法が開示されている。
特開2017−73522号公報
本開示は、現像処理の進行の程度(以下、「進行度」という。)が基板上の位置によってばらつくことを抑制するのに有効な現像処理装置、現像処理方法及び記憶媒体を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る現像処理装置は、第一現像液及び第一現像液よりも溶解性が高い第二現像液を基板の表面に供給するように構成された液供給部と、第一現像液を基板の表面の中心側から外周側に順次供給するように液供給部を制御することと、基板の表面に第一現像液が供給された後に、第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように液供給部を制御することと、を実行するように構成された制御部と、を備える。
現像液を基板の表面の中心側から外周側に順次供給する処理(以下、「第一現像処理」という。)によれば、中心側から外周側に向かうにつれて現像液との接触時間が短くなるので、中心側から外周側に向かうにつれて現像処理の進行度が小さくなる傾向がある。一方、現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給する処理(以下、「第二現像処理」という。)によれば、中心側から外周側に向かうにつれて現像液との接触時間が長くなるので、中心側から外周側に向かうにつれて現像処理の進行度が大きくなる傾向がある。すなわち、第一現像処理と、第二現像処理とでは、基板の中心側から外周側における現像処理の進行度の分布が逆になる。このため、第一現像処理の後に、更に第二現像処理を実行することにより、現像処理の進行度のばらつきを低減することができる。
ここで、現像処理においては、処理時間が長くなるにつれて、処理の進行速度が低くなる傾向がある。仮に、第一現像処理において処理の進行速度が低下した後に第二現像処理を実行すると、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを第二現像処理において十分に低減させられない可能性がある。これに対し、本現像処理装置によれば、第二現像処理において、第一現像処理の第一現像液に比較して溶解性が高い第二現像液が用いられる。これにより、第二現像処理の初期における処理の進行速度が高められるので、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを効果的に低減することができる。従って、本現像処理装置は、現像処理の進行度のばらつきを抑制するのに有効である。
制御部は、基板の中心側と外周側とにおける第一現像液による処理の進行度の差異が縮小するまで、基板の表面への第一現像液の供給を継続した後に、第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように液供給部を制御してもよい。この場合、基板の中心側と外周側とにおける第一現像処理の進行度の差異が小さくなった状態で第二現像処理が開始されるので、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを第二現像処理においてより確実に低減することができる。
液供給部は、基板の表面に対向する接液面及び接液面に開口した吐出口を含む第一ノズルと、基板を保持して回転させる回転保持部とを有してもよく、制御部は、第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように液供給部を制御する際に、回転保持部により基板を回転させ、第一ノズルの吐出口から第二現像液を吐出させ、基板の表面の第二現像液に接液面を接触させながら、第一ノズルを基板の外周側から中心側に移動させるように液供給部を制御してもよい。この場合、第二現像処理において、第二現像液を高い均一性で基板の表面に塗布することができる。このため、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを第二現像処理においてより確実に低減することができる。
液供給部は、基板の表面側に開口した吐出口を含む第二ノズルを更に有してもよく、制御部は、第一現像液を基板の表面の中心側から外周側に順次供給する際に、回転保持部による基板の回転中心に第二ノズルを配置し、第二ノズルの吐出口から第一現像液を吐出させながら、基板の表面の第一現像液が基板の外周側に広がる回転速度にて回転保持部により基板を回転させるように液供給部を制御してもよい。この場合、第一現像処理においては、遠心力を利用して第一現像液を迅速かつ高い均一性で基板の表面に塗布することができる。このため、第一現像処理の時間短縮を図ることができる。
液供給部は、第二現像液を供給する第一液源と、第二現像液を希釈して第一現像液を生成するための希釈液を供給する第二液源とを更に有してもよく、制御部は、第一液源からの第二現像液を第一ノズルに供給し、第一液源からの第二現像液と第二液源からの希釈液とを第二ノズルに供給するように液供給部を制御してもよい。この場合、第一現像液及び第二現像液の溶解性の差異を細やかに調節することができる。
液供給部は、第二現像液を供給する第一液源と、現像用の成分が第二現像液と異なる第一現像液を供給する第二液源とを更に有してもよく、制御部は、第一液源からの第二現像液を第一ノズルに供給し、第二液源からの第一現像液を第二ノズルに供給するように液供給部を制御してもよい。この場合、現像用の成分を相違させることによって、第一現像液と第二現像液との溶解性の差異をより幅広く調節することができる。
液供給部は、基板の表面側に開口した吐出口を含むノズルと、第二現像液を供給する第一液源と、第二現像液を希釈して第一現像液を生成するための希釈液を供給する第二液源とを有してもよく、制御部は、第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように液供給部を制御する際に、第一液源からの第二現像液をノズルに供給するように液供給部を制御し、第一現像液を基板の表面の中心側から外周側に順次供給するように液供給部を制御する際に、第一液源からの第二現像液と第二液源からの希釈液とをノズルに供給するように液供給部を制御してもよい。この場合、第一現像処理と第二現像処理とでノズルを共用し、装置構成の簡素化を図ることができる。
本開示の他の側面に係る現像処理方法は、第一現像液を基板の表面の中心側から外周側に順次供給することと、基板に第一現像液が供給された後に、第一現像液よりも溶解性が高い第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給することと、を含む。
基板の中心側と外周側とにおける第一現像液による処理の進行度の差異が縮小するまで、基板の表面への第一現像液の供給を継続した後に、第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給してもよい。
基板の表面に対向する接液面及び接液面に開口した吐出口を含む第一ノズルを用い、第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給する際に、基板を回転させ、第一ノズルの吐出口から第二現像液を吐出させ、基板の表面の第二現像液に接液面を接触させながら、第一ノズルを基板の外周側から中心側に移動させてもよい。
基板の表面側に開口した吐出口を含む第二ノズルを更に用い、第一現像液を基板の表面の中心側から外周側に順次供給する際に、基板の回転中心に第二ノズルを配置し、第二ノズルの吐出口から第一現像液を吐出させながら、基板の表面の第一現像液が基板の外周側に広がる回転速度にて基板を回転させてもよい。
第二現像液と、第二現像液を希釈するための希釈液とを第二ノズルに供給してもよい。
現像用の成分が第二現像液と異なる第一現像液を第二ノズルに供給してもよい。
基板の表面側に開口した吐出口を含むノズルを用い、第二現像液を基板の表面の外周側から中心側に順次供給する際に、第二現像液をノズルに供給し、第一現像液を基板の表面の中心側から外周側に順次供給する際に、第二現像液と、第二現像液を希釈して第一現像液を生成するための希釈液とをノズルに供給してもよい。
本開示の更に他の側面に係る記憶媒体は、上記現像処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
本開示によれば、現像処理の進行の程度(以下、「進行度」という。)が基板上の位置によってばらつくことを抑制するのに有効な現像処理装置、現像処理方法及び記憶媒体を提供することができる。
基板液処理システムの概略構成を示す斜視図である。 現像処理装置の概略構成を示す断面図である。 現像ユニットの概略構成を示す模式図である。 制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。 現像処理手順を示すフローチャートである。 第一現像制御手順を示すフローチャートである。 第一現像制御の実行中におけるウェハの状態を示す模式図である。 第一現像制御の実行時間と、現像処理の進行度との関係を模式的に示すグラフである。 第二現像制御手順を示すフローチャートである。 第二現像制御の実行中におけるウェハの状態を示す模式図である。 リンス制御手順を示すフローチャートである。 リンス制御の実行中におけるウェハの状態を示す模式図である。 第一現像制御における現像処理の進行度と、第二現像処理における現像処理の進行度との関係を模式的に示すグラフである。 現像ユニットの変形例を示す模式図である。 現像ユニットの他の変形例を示す模式図である。
〔基板処理システム〕
基板処理システム1は、基板に対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象の基板は、例えば半導体のウェハWである。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。基板処理システム1は、塗布・現像装置2と露光装置3とを備える。露光装置3は、ウェハW(基板)上に形成されたレジスト膜(感光性被膜)の露光処理を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウェハW(基板)の表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
〔現像処理装置〕
以下、現像処理装置の一例として、塗布・現像装置2の構成を説明する。図1及び図2に示すように、塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、制御部100とを備える。
キャリアブロック4は、塗布・現像装置2内へのウェハWの導入及び塗布・現像装置2内からのウェハWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ウェハW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームA1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のウェハWを収容する。受け渡しアームA1は、キャリアCからウェハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウェハWを受け取ってキャリアC内に戻す。
処理ブロック5は、複数の処理モジュール11,12,13,14を有する。処理モジュール11,12,13は、塗布ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。
処理モジュール11は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウェハWの表面上に下層膜を形成する。処理モジュール11の塗布ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をウェハW上に塗布する。処理モジュール11の熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール12は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。処理モジュール12の塗布ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液を下層膜の上に塗布する。処理モジュール12の熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール13は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。処理モジュール13の塗布ユニットU1は、上層膜形成用の液体をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール13の熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール14は、現像ユニットU3と、熱処理ユニットU4と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。
処理モジュール14は、現像ユニットU3及び熱処理ユニットU4により、露光後のレジスト膜の現像処理を行う。現像ユニットU3は、露光済みのウェハWの表面上に現像液を塗布した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU4は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウェハWを昇降させる。
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でウェハWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11に配置されたウェハWを露光装置3に渡し、露光装置3からウェハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
制御部100は、例えば以下の手順で塗布・現像処理を実行するように塗布・現像装置2を制御する。まず制御部100は、キャリアC内のウェハWを棚ユニットU10に搬送するように受け渡しアームA1を制御し、このウェハWを処理モジュール11用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次に制御部100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール11内の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWの表面上に下層膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御部100は、下層膜が形成されたウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWを処理モジュール12用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次に制御部100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール12内の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWの下層膜上にレジスト膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御部100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWを処理モジュール13用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次に制御部100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール13内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWのレジスト膜上に上層膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御部100は、ウェハWを棚ユニットU11に搬送するように搬送アームA3を制御する。
次に制御部100は、棚ユニットU11のウェハWを露光装置3に送り出すように受け渡しアームA8を制御する。その後制御部100は、露光処理が施されたウェハWを露光装置3から受け入れて、棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように受け渡しアームA8を制御する。
次に制御部100は、棚ユニットU11のウェハWを処理モジュール14内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWのレジスト膜に現像処理を施すように現像ユニットU3及び熱処理ユニットU4を制御する。その後制御部100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWをキャリアC内に戻すように昇降アームA7及び受け渡しアームA1を制御する。以上で塗布・現像処理が完了する。
なお、現像処理装置の具体的な構成は、以上に例示した塗布・現像装置2の構成に限られない。現像処理装置は、現像ユニットU3と、これを制御可能な制御部100とを備えていればどのようなものであってもよい。
〔現像ユニット〕
続いて、上記現像ユニットU3の構成を詳細に説明する。図3に示すように、現像ユニットU3は、第一現像液及び第一現像液よりも溶解性が高い第二現像液をウェハWの表面Waに供給するように構成された液供給部20を備える。
第一現像液及び第二現像液はネガ型のレジスト膜用の現像液である。ネガ型のレジスト膜は、露光装置3により露光されなかった部分(以下「未露光部分」という。)が可溶となるレジスト膜である。ネガ型のレジスト膜用の現像液は、ネガ型のレジスト膜の未露光部分を溶解させる。なお、第一現像液及び第二現像液はポジ型のレジスト膜用の現像液であってもよい。ポジ型のレジスト膜は、露光装置3により露光された部分(以下「露光部分」という。)が可溶となるレジスト膜である。ポジ型のレジスト膜用の現像液は、ポジ型のレジスト膜の露光部分を溶解させる。
現像液の溶解性とは、レジスト膜の可溶部分(露光装置3により露光されなかった部分)を溶解させる性能を意味しており、溶解性が高いとは、レジスト膜の可溶部分を溶解させ易いことを意味する。すなわち、第二現像液による可溶部分の溶解速度(単位時間あたりの溶解量)は、第一現像液による可溶部分の溶解速度よりも高い。
液供給部20は、第二現像液と希釈液との混合液を第一現像液として供給するように構成されていてもよいし、現像用の成分が第二現像液と異なる第一現像液を供給するように構成されていてもよい。現像用の成分とは、レジスト膜の可溶部分を溶解させる成分である。以下においては、第二現像液と希釈液との混合液を第一現像液として供給する構成を例示する。
液供給部20は、回転保持部30と、ノズル41,42,43と、ノズル搬送部51,52,53と、液源61,62,63と、送液部71,72,73とを有する。
回転保持部30は、ウェハWを保持して回転させる。例えば回転保持部30は、保持部31と回転駆動部32とを有する。保持部31は、表面Waを上にして水平に配置されたウェハWの中心部を支持し、当該ウェハWを例えば真空吸着等により保持する。回転駆動部32は、例えば電動モータ等を動力源としたアクチュエータであり、鉛直な回転中心CL1まわりに保持部31を回転させる。これによりウェハWも回転する。
ノズル41(第一ノズル)は、下方に面してウェハWの表面Waに対向する接液面41aと、接液面41aに開口した吐出口41bとを含み、吐出口41bから下方に第二現像液を吐出する。接液面41aは例えば円形である。ノズル41は、複数の吐出口41bを含んでいてもよい。接液面41aのうち、吐出口41bの開口(全吐出口41bの開口)を除いた部分の面積は、吐出口41bの開口面積(全吐出口41bの開口面積の和)よりも大きい。
ノズル42(第二ノズル)は、ウェハWの表面Wa側(下方)に開口した吐出口42aを含み、吐出口42aから下方に第一現像液を吐出する。
ノズル43(第三ノズル)は、ウェハWの表面Wa側(下方)に開口した吐出口43aを含み、吐出口43aから下方にリンス液を吐出する。
ノズル搬送部51は、電動モータ等を動力源としてノズル41を搬送する。ノズル搬送部51は、ノズル41を水平方向に搬送する水平搬送部54と、ノズル41を昇降させる昇降部55とを含む。
ノズル搬送部52,53は、電動モータ等を動力源としてノズル42,43をそれぞれ水平方向に搬送する。
液源61は、第二現像液を収容しており、当該第二現像液を供給する第一液源として機能する。第二現像液の具体例としては、酢酸ブチル(nBA)、酢酸イソアミル(IAA)、トルエン、キシレン、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、メチルアミルケトン(MAK)、又はこれらのうち二種以上の混合等が挙げられる。
液源62は、第二現像液を希釈して第一現像液を生成するための希釈液を収容しており、当該希釈液を供給する第二液源として機能する。希釈液は、レジスト膜の上記可溶部分の溶解性を有しないか、第二現像液に比較して溶解性の低い液体である。希釈液の具体例としては、ヘキサン、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、イソプロピルアルコール(IPA)、イソブチルアルコール(IBA)又はこれらのうち二種以上の混合等が挙げられる。
液源63は、リンス液を収容しており、当該リンス液を供給する第三液源として機能する。リンス液の具体例としては、純水が挙げられる。
送液部71は、液源61からノズル42に第二現像液を送り、液源62からノズル42に希釈液を送る。送液部71によりノズル42に送られた第二現像液及び希釈液は、ノズル42への到達前又はノズル42への到達後に混ざり合い、第一現像液としてノズル42の吐出口42aから下方に吐出される。例えば送液部71は、送液ラインL1,L2と、バルブV1,V2とを含む。送液ラインL1は液源61と吐出口42aとを接続し、バルブV1は送液ラインL1内の流路を開閉する。送液ラインL2は液源62と吐出口42aとを接続し、バルブV2は送液ラインL2内の流路を開閉する。
送液部72は、液源61からノズル41に第二現像液を送る。送液部72によりノズル41に送られた第二現像液は、ノズル41の吐出口41bから下方に吐出される。例えば送液部72は、送液ラインL3とバルブV3とを含む。送液ラインL3は液源61と吐出口41bとを接続し、バルブV3は送液ラインL3内の流路を開閉する。
送液部73は、液源63からノズル43にリンス液を送る。送液部73によりノズル43に送られたリンス液は、ノズル43の吐出口43aから下方に吐出される。例えば送液部73は、送液ラインL4とバルブV4とを含む。送液ラインL4は液源63と吐出口43aとを接続し、バルブV4は送液ラインL4内の流路を開閉する。
以上のように構成された現像ユニットU3は、制御部100により制御される。制御部100は、第一現像液をウェハWの表面Waの中心Wc(回転中心CL1)側から外周Wb側に順次供給するように液供給部20を制御することと、ウェハWの表面Waに第一現像液が供給された後に、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御することと、を実行するように構成されている。
制御部100は、ウェハWの中心Wc側と外周Wb側とにおける第一現像液による処理(溶解)の進行度の差異が縮小するまで、ウェハWの表面Waへの第一現像液の供給を継続した後に、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御してもよい。
例えば制御部100は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、第一現像制御部111と、第二現像制御部112と、リンス制御部113と、保持制御部114とを有する。
第一現像制御部111は、第一現像液をウェハWの表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給するように液供給部20を制御する。例えば第一現像制御部111は、回転保持部30によるウェハWの回転中心CL1にノズル42を配置し、ノズル42の吐出口42aから第一現像液を吐出させながら、ウェハWの表面Waの第一現像液がウェハWの外周Wb側に広がる回転速度にて回転保持部30によりウェハWを回転させるように液供給部20を制御する。ノズル42の吐出口42aから第一現像液を吐出させる際に、第一現像制御部111は、バルブV1,V2を開き、液源61からの第二現像液と液源62からの希釈液とをノズル42に供給する。
第二現像制御部112は、ウェハWの表面Waに第一現像液が供給された後に、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御する。例えば第二現像制御部112は、回転保持部30によりウェハWを回転させ、ノズル41の吐出口41bから第二現像液を吐出させ、ウェハWの表面Waの第二現像液に接液面41aを接触させながら、ノズル41をノズル搬送部51によりウェハWの外周Wb側から中心Wc側に移動させるように液供給部20を制御する。ノズル41の吐出口41bから第二現像液を吐出させる際に、第二現像制御部112は、バルブV3を開き、液源61からの第二現像液をノズル41に供給するように液供給部20を制御する。
リンス制御部113は、ウェハWの表面Waに第二現像液が供給された後に、リンス液をウェハWの表面Waに供給するように液供給部20を制御する。例えばリンス制御部113は、回転保持部30によるウェハWの回転中心CL1にノズル43を配置し、ノズル43の吐出口43aからリンス液を吐出させながら、ウェハWの表面Waのリンス液及び第二現像液がウェハWの外周Wb側に広がる回転速度にて回転保持部30によりウェハWを回転させるように液供給部20を制御する。ノズル43の吐出口43aからリンス液を吐出させる際に、リンス制御部113は、バルブV4を開き、液源63からのリンス液をノズル43に供給するように液供給部20を制御する。
保持制御部114は、搬送アームA3により現像ユニットU3にウェハWが搬入された後に保持部31により当該ウェハWを保持するように液供給部20を制御し、搬送アームA3により現像ユニットU3からウェハWが搬出される前に保持部31による当該ウェハWの保持を解除するように液供給部20を制御する。
制御部100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。例えば制御部100は、図4に示す回路120を有する。回路120は、一つ又は複数のプロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力ポート124と、タイマー125とを有する。
ストレージ123は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。記憶媒体は、後述の基板処理手順を処理ブロック5に実行させるためのプログラムを記憶している。記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。メモリ122は、ストレージ123の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ121による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ121は、メモリ122と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。入出力ポート124は、プロセッサ121からの指令に従って、回転保持部30、送液部71,72,73、及びノズル搬送部51,52,53との間で電気信号の入出力を行う。タイマー125は、例えば一定周期の基準パルスをカウントすることで経過時間を計測する。
なお、制御部100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御部100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
〔現像処理手順〕
続いて、現像処理方法の一例として、現像ユニットU3において実行される現像処理手順を説明する。図5に示すように、まず、制御部100がステップS01を実行する。ステップS01では、保持制御部114が、搬送アームA3により現像ユニットU3に搬入されたウェハWを保持部31により保持するように液供給部20を制御する。
次に、制御部100はステップS02を実行する。ステップS02では、第一現像制御部111が第一現像制御を実行する。第一現像制御は、第一現像液をウェハWの表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給するように液供給部20を制御することを含む。第一現像制御のより詳細な内容については後述する。
次に、制御部100はステップS03を実行する。ステップS03では、第二現像制御部112が第二現像制御を実行する。第二現像制御は、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御することを含む。第二現像制御のより詳細な内容については後述する。
次に、制御部100はステップS04を実行する。ステップS04では、リンス制御部113がリンス制御を実行する。リンス制御は、リンス液をウェハWの表面Waに供給するように液供給部20を制御することを含む。リンス制御のより詳細な内容については後述する。
次に、制御部100はステップS05を実行する。ステップS05では、保持制御部114が、保持部31によるウェハWの保持を解除するように液供給部20を制御する。その後、ウェハWは搬送アームA3により現像ユニットU3から搬出される。以上で現像処理手順が完了する。
(第一現像制御)
続いて、ステップS02における第一現像制御の内容を詳細に説明する。図6に示すように、第一現像制御部111は、まずステップS11を実行する。ステップS11は、回転駆動部32によりウェハWを第一回転速度ω1(図7の(a)参照)で回転させることを開始するように液供給部20を制御することを含む。
第一回転速度ω1は、ウェハWの表面Waの中心Wcに供給された第一現像液が、ウェハWの表面Waの外周Wb側に広がるように設定されている。例えば第一回転速度ω1は、500〜2000rpmであり、1000〜1500rpmであってもよい。
次に、第一現像制御部111はステップS12を実行する。ステップS12は、ノズル搬送部52によりノズル42をウェハWの回転中心CL1(ウェハWの中心Wc上)に配置するように液供給部20を制御することを含む。
次に、第一現像制御部111はステップS13を実行する。ステップS13は、バルブV1,V2を開き、ノズル42の吐出口42aから下方への第一現像液DL1(液源61からの第二現像液及び液源62からの希釈液の混合液)の吐出を開始するように液供給部20を制御することを含む。吐出口42aから吐出された第一現像液DL1は、ウェハWの表面Waの中心Wcに到達した後、第一回転速度ω1の遠心力によって外周Wb側に広がり(図7の(a)参照)、外周Wbに到達した第一現像液DL1はウェハWの周囲に振り切られる(図7の(b)参照)。
次に、第一現像制御部111はステップS14を実行する。ステップS14は、所定時間の経過を待機することを含む。所定時間は、当該時間の経過まで第一現像液の供給を継続することにより、ウェハWの中心Wc側と外周Wb側とにおける第一現像液による処理(溶解)の進行度の差異が縮小する長さに設定されている。
図8は、レジスト膜に第一現像液が接する時間と、それにより形成されるレジストパターンの線幅との関係を示すグラフである。横軸は、第一現像液に接する時間の長さを示しており、縦軸はレジストパターンの線幅を示している。第一現像液とレジスト膜との接触時間が長くなるに従って、レジストパターンの線幅は小さくなるが、線幅の縮小速度は低下する傾向がある。図8の例においては、時刻T1以前に比較して、時刻T1以降のグラフの傾斜が緩やかになっている。
上述したように、第一現像液は表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給されるので、表面Waの中心Wc側における上記接触時間は、表面Waの外周Wb側における上記接触時間に比較して長い。このため、表面Waの中心Wc側における線幅(以下、「中心線幅」という。)と、表面Waの外周Wb側における線幅(以下、「外周線幅」という。)との間に差異が生じる。この差異は、線幅の縮小速度の低下に伴って小さくなる。例えば図8において、時刻T1の経過前(表面Waの中心Wc側における接触時間が時刻T1に達する前)において中心線幅と外周線幅との間に生じる差G1が、時刻T1の経過後(表面Waの外周Wb側における接触時間が時刻T1に達した後)には差G2まで小さくなる。この例において、上記所定時間は、例えば表面Waの外周Wb側における接触時間が時刻T1に達するまでの時間以上に設定される。
図6に戻り、第一現像制御部111は、次にステップS15を実行する。ステップS15は、バルブV1,V2を閉じ、ノズル42の吐出口42aから下方への第一現像液DL1の吐出を停止するように液供給部20を制御することを含む。以上で上記ステップS02の第一現像制御が完了する。
(第二現像制御)
続いて、ステップS03における第二現像制御の内容を詳細に説明する。図9に示すように、第二現像制御部112は、まずステップS21を実行する。ステップS21は、回転駆動部32によるウェハWの回転速度を第一回転速度ω1から第二回転速度ω2(図10の(a)参照)に変更するように液供給部20を制御することを含む。
第二回転速度ω2は第一回転速度ω1より小さい値であって、ウェハWの表面Waの中心Wcの第二現像液が外周Wbまで広がることのない値に設定されている。例えば第二回転速度ω2は、10〜110rpmであり、40〜80rpmであってもよい。
次に、第二現像制御部112はステップS22を実行する。ステップS22は、ノズル搬送部51によりノズル41の中心をウェハWの外周部(外周Wbの近傍部分)上に配置するように液供給部20を制御することを含む。より具体的に、ステップS22は、水平搬送部54によりノズル41の中心をウェハWの外周部上に配置した後に、昇降部55によりノズル41を下降させて接液面41aを表面Waに近付けるように液供給部20を制御することを含む。
次に、第二現像制御部112はステップS23を実行する。ステップS23は、バルブV3を開き、ノズル41の吐出口41bから下方への第二現像液DL2の吐出を開始するように液供給部20を制御することを含む。吐出口41bから吐出された第二現像液DL2は、ウェハWの表面Waの外周部に到達した後、外周Wbに沿うように塗布される(図10の(a)参照)。ノズル41の接液面41aは、表面Waに塗布された第二現像液DL2に接する。
なお、以上においては、吐出口41bからの第二現像液DL2の吐出を開始する前に、昇降部55によりノズル41を下降させる例を示したが、これに限られない。第二現像制御部112は、吐出口41bからの第二現像液DL2の吐出を開始した後に、昇降部55によりノズル41を下降させて接液面41aを第二現像液DL2に接触させてもよい。
次に、第二現像制御部112はステップS24を実行する。ステップS24は、ウェハWの表面Waの第二現像液DL2に接液面41aを接触させながら、ノズル41を水平搬送部54によりウェハWの外周Wb側から中心Wc側に移動させるように液供給部20を制御することを含む(図10の(b)参照)。
次に、第二現像制御部112はステップS25を実行する。ステップS25は、ノズル41の中心が中心Wc上に到達するのを待機することを含む。ノズル41がウェハWの外周Wb側から中心Wc側に移動することにより、第二現像液DL2は表面Waの外周Wb側から中心Wc側に螺旋状に塗布される。
次に、第二現像制御部112はステップS26を実行する。ステップS26は、水平搬送部54によるノズル41の移動を停止させるように液供給部20を制御することを含む。
なお、以上においては、ノズル41の中心がウェハWの中心Wc上に到達した時点で水平搬送部54によるノズル41の移動を停止させる例を示したが、これに限られない。例えば第二現像制御部112は、ノズル41の中心がウェハWの中心Wcを通過した後に、水平搬送部54によるノズル41の移動を停止させるように液供給部20を制御してもよい。
次に、第二現像制御部112はステップS27を実行する。ステップS27は、昇降部55によりノズル41を上昇させて接液面41aを表面Waから遠ざけるように液供給部20を制御することを含む。
次に、第二現像制御部112はステップS28を実行する。ステップS28は、バルブV3を閉じ、吐出口41bから下方への第二現像液DL2の吐出を停止するように液供給部20を制御することを含む(図10の(c)参照)。
なお、以上においては、ノズル41を上昇させた後に吐出口41bからの第二現像液DL2の吐出を停止する例を示したが、これに限られない。第二現像制御部112は、バルブV3を閉じて吐出口41bからの第二現像液DL2の吐出を停止させた後に、昇降部55によりノズル41を上昇させるように液供給部20を制御してもよい。
次に、第二現像制御部112はステップS29を実行する。ステップS29は、回転駆動部32によるウェハWの回転を停止させるように液供給部20を制御することを含む。
次に、第二現像制御部112はステップS30を実行する。ステップS30は、所定時間の経過を待機することを含む。当該所定時間の経過中には、表面Wa上において静止した第二現像液DL2による現像処理が進行する。当該所定時間は、事前の条件出し等により設定されている。以上で上記ステップS03における第二現像制御が完了する。
(リンス制御)
続いて、ステップS04におけるリンス制御の内容を詳細に説明する。図11に示すように、リンス制御部113は、まずステップS41を実行する。ステップS41は、ノズル搬送部53によりノズル43をウェハWの中心Wc上に配置するように液供給部20を制御することを含む。
次に、リンス制御部113はステップS42を実行する。ステップS42は、回転駆動部32によりウェハWを第三回転速度ω3(図12の(a)参照)で回転させることを開始するように液供給部20を制御することを含む。
第三回転速度ω3は、ウェハWの表面Waのリンス液及び第二現像液がウェハWの外周Wb側に広がるように設定されている。例えば第三回転速度ω3は、1000〜3000rpmであり、1500〜2500rpmであってもよい。
次に、リンス制御部113はステップS43を実行する。ステップS43は、バルブV4を開き、ノズル43の吐出口43aから下方へのリンス液DL3の吐出を開始するように液供給部20を制御することを含む。吐出口43aから吐出されたリンス液DL3は、ウェハWの表面Waの中心Wcに到達した後、第三回転速度ω3の遠心力によって外周Wb側に広がって第二現像液DL2を洗い流し、ウェハWの周囲に振り切られる(図12の(a)参照)。
次に、リンス制御部113はステップS44を実行する。ステップS44は、所定時間の経過を待機することを含む。当該所定時間は、事前の条件出し等により設定されている。
次に、リンス制御部113はステップS45を実行する。ステップS45は、バルブV4を閉じ、吐出口43aからのリンス液DL3の吐出を停止するように液供給部20を制御することを含む。
次に、リンス制御部113はステップS46を実行する。ステップS46は、所定時間の経過を待機することを含む。当該所定時間の経過までは、第三回転速度ω3でのウェハWの回転が継続され、表面Waに残存していたリンス液DL3がウェハWの周囲に振り切られる(図12の(b)参照)。これによりウェハWの表面Waが乾燥する。当該所定時間は、事前の条件出し等により設定されている。
次に、リンス制御部113はステップS47を実行する。ステップS47は、回転駆動部32によるウェハWの回転を停止させるように液供給部20を制御することを含む。以上で上記ステップS04におけるリンス制御が完了する。
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、塗布・現像装置2は、第一現像液及び第一現像液よりも溶解性が高い第二現像液をウェハWの表面Waに供給するように構成された液供給部20と、第一現像液をウェハWの表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給するように液供給部20を制御することと、ウェハWの表面Waに第一現像液が供給された後に、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御することと、を実行するように構成された制御部100と、を備える。
現像液をウェハWの表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給する処理(以下、「第一現像処理」という。)によれば、中心Wc側から外周Wb側に向かうにつれて現像液との接触時間が短くなるので、中心Wc側から外周Wb側に向かうにつれて現像処理の進行度が小さくなる傾向がある。一方、現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給する処理(以下、「第二現像処理」という。)によれば、中心Wc側から外周Wb側に向かうにつれて現像液との接触時間が長くなるので、中心Wc側から外周Wb側に向かうにつれて現像処理の進行度が大きくなる傾向がある。すなわち、第一現像処理と、第二現像処理とでは、中心Wc側から外周Wb側における現像処理の進行度の分布が逆になる。このため、第一現像処理の後に、更に第二現像処理を実行することにより、現像処理の進行度のばらつきを低減することができる。
ここで、現像処理においては、処理時間が長くなるにつれて、処理の進行速度が低くなる傾向がある。仮に、第一現像処理において処理の進行速度が低下した後に第二現像処理を実行すると、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを第二現像処理において十分に低減させられない可能性がある。これに対し、本現像処理装置によれば、第二現像処理において、第一現像処理の第一現像液に比較して溶解性が高い第二現像液が用いられるので、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを効果的に低減することができる。従って、本現像処理装置は、現像処理の進行度のばらつきを抑制するのに有効である。
図13は、図8と同様に、レジスト膜に現像液が接する時間と、それにより形成されるレジストパターンの線幅との関係を示すグラフである。破線は、第一現像処理における線幅の推移を示し、実線は第二現像処理における線幅の推移を示している。図13に例示されるように、第一現像液よりも溶解性が高い第二現像液を用いて第二現像処理を行うことで、第二現像処理の初期における処理の進行速度が高められる。このため、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを効果的に低減することができる。
制御部100は、ウェハWの中心Wc側と外周Wb側とにおける第一現像液による処理の進行度の差異が縮小するまで、ウェハWの表面Waへの第一現像液の供給を継続した後に、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御してもよい。この場合、ウェハWの中心Wc側と外周Wb側とにおける第一現像処理の進行度の差異が小さくなった状態で第二現像処理が開始されるので(図13の(b)参照)、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを第二現像処理においてより確実に低減することができる。
液供給部20は、ウェハWの表面Waに対向する接液面41a及び接液面41aに開口した吐出口41bを含むノズル41と、ウェハWを保持して回転させる回転保持部30とを有してもよく、制御部100は、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御する際に、回転保持部30によりウェハWを回転させ、吐出口41bから第二現像液を吐出させ、ウェハWの表面Waの第二現像液に接液面41aを接触させながら、ノズル41をウェハWの外周Wb側から中心Wc側に移動させるように液供給部20を制御してもよい。この場合、第二現像処理において、第二現像液を高い均一性でウェハWの表面Waに塗布することができる。このため、第一現像処理において生じた進行度のばらつきを第二現像処理においてより確実に低減することができる。
液供給部20は、ウェハWの表面Wa側に開口した吐出口42aを含むノズル42を更に有してもよく、制御部100は、第一現像液をウェハWの表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給する際に、回転保持部30によるウェハWの回転中心CL1にノズル42を配置し、吐出口42aから第一現像液を吐出させながら、ウェハWの表面Waの第一現像液がウェハWの外周Wb側に広がる回転速度にて回転保持部30によりウェハWを回転させるように液供給部20を制御してもよい。この場合、第一現像処理においては、遠心力を利用して第一現像液を迅速かつ高い均一性でウェハWの表面Waに塗布することができる。このため、第一現像処理の時間短縮を図ることができる。
液供給部20は、第二現像液を供給する液源61と、第二現像液を希釈して第一現像液を生成するための希釈液を供給する液源62とを更に有してもよく、制御部100は、液源61からの第二現像液をノズル41に供給し、液源61からの第二現像液と液源62からの希釈液とをノズル42に供給するように液供給部20を制御してもよい。この場合、第一現像液及び第二現像液の溶解性の差異を細やかに調節することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば液源61は、希釈液との混合により第二現像液となる薬液(以下、「濃縮液」という。)を収容し、送液部71は、液源61からノズル42に濃縮液を送り、液源62からノズル42に希釈液を送るように構成され、送液部72は、液源61からノズル41に濃縮液を送り、液源62からノズル41に希釈液を送るように構成されていてもよい。この場合、濃縮液と希釈液との混合比率によって、第一現像液の溶解性と第二現像液との溶解性とを相違させることが可能である。なお、この構成においては、液源61,62が、第二現像液を供給する第一液源として機能する。
ノズル41は必ずしも接液面41aを有しなくてもよく、制御部100は、接液面41aが第二現像液に接していない状態でノズル41をウェハWの外周Wb側から中心Wc側に移動させるように液供給部20を制御してもよい。
制御部100は、第一現像液をウェハWの表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給する際に、回転保持部30によりウェハWを回転させ、ノズル42の吐出口42aから第一現像液を吐出させ、ノズル42をウェハWの中心Wc側から外周Wb側に移動させるように液供給部20を制御してもよい。この場合、ノズル42は接液面41aと同様の接液面を有していてもよく、制御部100は当該接液面が第一現像液に接した状態でノズル42をウェハWの中心Wc側から外周Wb側に移動させるように液供給部20を制御してもよい。
液供給部20は、第二現像液を供給する第一液源と、現像用の成分が第二現像液と異なる第一現像液を供給する第二液源とを有してもよく、制御部100は、第一液源からの第二現像液を第一ノズルに供給し、第二液源からの第一現像液を第二ノズルに供給するように液供給部20を制御してもよい。この場合、現像用の成分を相違させることによって、第一現像液と第二現像液との溶解性の差異をより幅広く調節することができる。
一例として、図14に示す液供給部20は、図3における液源62に代えて液源64を有し、送液部71に代えて送液部74を有する。液源64は、現像用の成分が第二現像液と異なる第一現像液を収容し、当該第一現像液を供給する第二液源として機能する。現像用の成分が互いに異なる第一現像液及び第二現像液の組み合わせとしては、酢酸イソアミル(IAA)及び酢酸ブチル(nBA)が挙げられる。送液部74は、液源64からノズル42に第一現像液を送る。例えば送液部74は、送液ラインL5とバルブV5とを含む。送液ラインL5は液源64と吐出口42aとを接続し、バルブV5は送液ラインL5内の流路を開閉する。制御部100は、第一現像処理において、バルブV5を開き、液源64からの第一現像液をノズル42に供給するように液供給部20を制御する。
液供給部20は、ウェハWの表面Wa側に開口した吐出口を含むノズルと、第二現像液を供給する第一液源と、第二現像液を希釈して第一現像液を生成するための希釈液を供給する第二液源とを有してもよく、制御部100は、第二現像液をウェハWの表面Waの外周Wb側から中心Wc側に順次供給するように液供給部20を制御する際に、第一液源からの第二現像液を上記ノズルに供給するように液供給部を制御し、第一現像液をウェハWの表面Waの中心Wc側から外周Wb側に順次供給するように液供給部20を制御する際に、第一液源からの第二現像液と第二液源からの希釈液とを上記ノズルに供給するように液供給部20を制御してもよい。この場合、第一現像処理と第二現像処理とでノズルを共用し、装置構成の簡素化を図ることができる。
一例として、図15に示す液供給部20は、図3におけるノズル42及びノズル搬送部52を有しておらず、送液部71,72に代えて送液部75を有する。送液部75は、液源61からノズル41に第二現像液を送り、液源62からノズル41に希釈液を送る。例えば送液部75は、送液ラインL6,L7とバルブV6,V7とを含む。送液ラインL6は液源61と吐出口41bとを接続し、バルブV6は送液ラインL6内の流路を開閉する。送液ラインL7は液源62と吐出口41bとを接続し、バルブV7は送液ラインL7内の流路を開閉する。制御部100は、第一現像処理及び第二現像処理の両方においてノズル41を用い、第一現像処理において、バルブV6,V7を開き、液源61からの第二現像液及び液源62からの希釈液の両方をノズル41に供給するように液供給部20を制御し、第二現像処理において、バルブV7を閉じてバルブV6を開き、液源61からの第二現像液をノズル41に供給するように液供給部20を制御する。なお、図15では、第一現像処理及び第二現像処理にノズル41を共用する例を示したが、第一現像処理及び第二現像処理にノズル42を共用してもよい。
処理対象の基板は、半導体ウェハに限られず、例えばガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)等であってもよい。
2…塗布・現像装置(現像処理装置)、100…制御部、20…液供給部、30…回転保持部、41…ノズル(第一ノズル)、42…ノズル(第二ノズル)、61…液源(第一液源)、62,64…液源(第二液源)、41a…接液面、41b,42a…吐出口、W…ウェハ(基板)、Wa…表面、Wc…中心、Wb…外周。

Claims (14)

  1. 基板の表面に形成され、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理を行う装置であって、
    第一現像液、及び前記第一現像液よりも前記レジスト膜の可溶部の溶解性が高い第二現像液を前記基板の表面に供給するように構成された液供給部と、
    前記第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給するように前記液供給部を制御することと、前記基板の表面に前記第一現像液が供給された後に、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように前記液供給部を制御することと、を実行するように構成された制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記基板の中心側と外周側とにおける前記第一現像液による処理の進行度の差異が縮小するまで、前記基板の表面への前記第一現像液の供給を継続した後に、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように前記液供給部を制御する現像処理装置。
  2. 基板の表面に形成され、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理を行う装置であって、
    第一現像液、及び前記第一現像液よりも前記レジスト膜の可溶部の溶解性が高い第二現像液を前記基板の表面に供給するように構成された液供給部と、
    前記第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給するように前記液供給部を制御することと、前記基板の表面に前記第一現像液が供給された後に、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように前記液供給部を制御することと、を実行するように構成された制御部と、を備え、
    前記液供給部は、前記基板の表面に対向する接液面及び前記接液面に開口した吐出口を含む第一ノズルと、前記基板を保持して回転させる回転保持部とを有し、
    前記制御部は、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように前記液供給部を制御する際に、前記回転保持部により前記基板を回転させ、前記第一ノズルの前記吐出口から前記第二現像液を吐出させ、前記基板の表面の前記第二現像液に前記接液面を接触させながら、前記第一ノズルを前記基板の外周側から中心側に移動させるように前記液供給部を制御する現像処理装置。
  3. 前記液供給部は、前記基板の表面側に開口した吐出口を含む第二ノズルを更に有し、
    前記制御部は、
    前記第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給する際に、前記回転保持部による前記基板の回転中心に前記第二ノズルを配置し、前記第二ノズルの前記吐出口から前記第一現像液を吐出させながら、前記基板の表面の前記第一現像液が前記基板の外周側に広がる回転速度にて前記回転保持部により前記基板を回転させるように前記液供給部を制御する、請求項記載の現像処理装置。
  4. 前記液供給部は、前記第二現像液を供給する第一液源と、前記第二現像液を希釈して前記第一現像液を生成するための希釈液を供給する第二液源とを更に有し、
    前記制御部は、前記第一液源からの前記第二現像液を前記第一ノズルに供給し、前記第一液源からの前記第二現像液と前記第二液源からの前記希釈液とを前記第二ノズルに供給するように前記液供給部を制御する、請求項記載の現像処理装置。
  5. 前記液供給部は、前記第二現像液を供給する第一液源と、現像用の成分が前記第二現像液と異なる第一現像液を供給する第二液源とを更に有し、
    前記制御部は、前記第一液源からの前記第二現像液を前記第一ノズルに供給し、前記第二液源からの前記第一現像液を前記第二ノズルに供給するように前記液供給部を制御する、請求項記載の現像処理装置。
  6. 前記液供給部は、前記基板の表面側に開口した吐出口を含むノズルと、前記第二現像液を供給する第一液源と、前記第二現像液を希釈して前記第一現像液を生成するための希釈液を供給する第二液源とを有し、
    前記制御部は、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給するように前記液供給部を制御する際に、前記第一液源からの前記第二現像液を前記ノズルに供給するように前記液供給部を制御し、前記第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給するように前記液供給部を制御する際に、前記第一液源からの前記第二現像液と前記第二液源からの前記希釈液とを前記ノズルに供給するように前記液供給部を制御する、請求項記載の現像処理装置。
  7. 基板の表面に形成され、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理を行う方法であって、
    第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給することと、
    前記基板に前記第一現像液が供給された後に、前記第一現像液よりも前記レジスト膜の可溶部の溶解性が高い第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給することと、を含み、
    前記基板の中心側と外周側とにおける前記第一現像液による処理の進行度の差異が縮小するまで、前記基板の表面への前記第一現像液の供給を継続した後に、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給する現像処理方法。
  8. 基板の表面に形成され、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理を行う方法であって、
    第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給することと、
    前記基板に前記第一現像液が供給された後に、前記第一現像液よりも前記レジスト膜の可溶部の溶解性が高い第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給することと、を含み、
    前記基板の表面に対向する接液面及び前記接液面に開口した吐出口を含む第一ノズルを用い、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給する際に、前記基板を回転させ、前記第一ノズルの前記吐出口から前記第二現像液を吐出させ、前記基板の表面の前記第二現像液に前記接液面を接触させながら、前記第一ノズルを前記基板の外周側から中心側に移動させる現像処理方法。
  9. 前記基板の表面側に開口した吐出口を含む第二ノズルを更に用い、前記第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給する際に、前記基板の回転中心に前記第二ノズルを配置し、前記第二ノズルの前記吐出口から前記第一現像液を吐出させながら、前記基板の表面の前記第一現像液が前記基板の外周側に広がる回転速度にて前記基板を回転させる、請求項記載の現像処理方法。
  10. 前記第二現像液と、前記第二現像液を希釈して前記第一現像液を生成するための希釈液とを前記第二ノズルに供給する、請求項記載の現像処理方法。
  11. 現像用の成分が前記第二現像液と異なる前記第一現像液を前記第二ノズルに供給する、請求項記載の現像処理方法。
  12. 前記基板の表面側に開口した吐出口を含むノズルを用い、前記第二現像液を前記基板の表面の外周側から中心側に順次供給する際に、前記第二現像液を前記ノズルに供給し、前記第一現像液を前記基板の表面の中心側から外周側に順次供給する際に、前記第二現像液と、前記第二現像液を希釈して前記第一現像液を生成するための希釈液とを前記ノズルに供給する、請求項記載の現像処理方法。
  13. 前記レジスト膜はネガ型であり、前記レジスト膜のうち露光処理において露光されなかった部分を溶解させる前記第一現像液及び前記第二現像液を用いる、請求項12のいずれか一項記載の現像処理方法。
  14. 請求項13のいずれか一項記載の現像処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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