JP6901778B2 - クッション材 - Google Patents

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Description

本発明は、椅子、車椅子、乗り物用シート及びマットレス等に用いて好適な、体圧分散効果を有するクッション材に関する。
特定の表面構造を有するウレタンフォームの表面に、比較的低反発のウレタンフォームを積層した構造により、体圧分散性を向上させたクッション材は、従来から、広く用いられている。
本出願人は、特許文献1及び2において、ウレタンフォーム等の軟質の合成樹脂発泡体から成るクッション基材の表面に溝で区画されたブロック要素を多数形成し、このクッション基材の上面に低反発のウレタンフォーム等のシート材を積層したクッション材を提案している。
特許文献1においては、クッション基材における溝を、使用者(着座者)の体のラインに合わせて深さが相違し、クッション材に当接する体の当接方向の凸部が突き出た部分に対応する個所ほど深くなるように形成している。特許文献2においては、クッション基材の溝に対し、溝を埋めるように軟質の合成樹脂から成る挿入物を挿入し、ブロック要素の座屈を防止するとともに、クッション基材の体圧が集中する周辺の硬度を硬く変更させている。この挿入物を挿入するにあたっては、クッション基材における荷重の強くかかる個所の複数のブロック要素を囲むように挿入配設している。
これら特許文献1及び2に記載されているクッション材は、体圧分散性能が顕著に優れるという特徴を有し、医療機関や介護・福祉施設等で、皮膚の引きつれにより生じる阻血や、これによって進行する褥瘡を防止するクッション材として、車椅子やマットレス等に使用されている。
一方、このようなクッション材を車椅子やマットレスに使用した場合、着座者の座骨位置が徐々に前にずれるという、いわゆる「前ずれ」が発生することがある。前ずれが発生すると、着座者がクッション材から滑り落ちたり、比較的長期間の使用により、この前ずれで生じる、座部と着座者の臀部との間で作用する剪断力によって、着座者に床ずれが発生したり、さらには、着座者の臀部がクッション材と当接する位置である座部からの着座者の臀部に対する圧力によって、着座者の内臓や呼吸器が圧迫され体調のバランスを崩したりするという問題が発生し易い。
このような問題を解消するために、例えば、特許文献3では、体圧を受け止める着座部と体圧を分散させる座圧力追従部との間に、臀部後方において少なくとも仙骨、尾骨及び座骨結節部を除く両大殿筋部を支持する臀部支持部として、額縁状の穴を設けた部材を配置した構造により、身体の動揺に対する支持性を向上させ、かつ体圧分散性を図ったクッション材が提案されている。
また、例えば、特許文献4では、底側クッション材と上側クッション材とを表皮材で被覆した構造を備え、着座者の臀部を受け止めるクッション材であって、底側クッション材を上側クッション材より硬くすると共に、底側クッション材に対し、着座時に臀部の座骨結節部分及びその周辺部が位置する部分に、長尺形状のスリットを並列に複数形成し、上側クッション材と同質又は上側クッション材より硬く底側クッション材より柔らかい長尺形状の嵌入クッション材を底面クッション材のスリットに嵌入固着させたクッション材が提案されている。このクッション材によれば、着座時間が長くなり、着座者が臀部の坐骨結節部分の周辺部に圧迫による痛みを感じた際には、着座位置を前又は後に移動させて、痛みを感じる部分を嵌入クッション材の上方に移動させることにより、圧迫による痛みを軽減させることができる。
さらに、例えば、特許文献5では、クッション材の反発力を前後方向に連続的に変化させることにより、着座者の荷重による体圧分布を連続的に変化させて着座者の荷重による体圧分散性を良好とし、その結果、着座者の座り心地の向上と前ずれの防止とを図るようにしたクッション材が提案されている。
さらにまた、例えば、特許文献6では、高分子ゲル状物からなる上層部と、この上層部の下側前部に配置される高硬度低反発性ポリウレタンフォームからなる前中間層部と、上層部の下側後部に配置される低硬度低反発性ポリウレタンフォームからなる後中間層部と、前中間層部及び後中間層部の下側に配置される通常ポリウレタンフォームからなる下中間層部とからなるクッション芯材により、体圧分散性に優れ、かつ臀部の前ずれの防止を図るようにしたクッション材が提案されている。
特許第4221251号公報 特許第4221280号公報 特許第4686678号公報 特許第5695265号公報 特許第5657305号公報 特許第4104436号公報
上述のごとき従来のクッション材によれば、着座者の体圧分散性については、ある程度の改善効果が得られるものの、体圧分散と同時に着座者の前ずれ防止を図ろうとすると、問題が生じていた。これはクッション材における着座者の体圧分散性能と前ずれ抑制効果との間には、互いに相反する二律背反の関係があるためである。即ち、クッション材の着座者の体圧分散性能を向上させると、クッション材の座位安定性能が低下し、その結果、着座者の前ずれを抑制する効果が低下してしまうのである。特に、特許文献3のように座面部に硬度段差を設けて硬度が大きい部分で堰のような構造(アンカーポイントと称す)とすることによって前ずれを抑止する場合、アンカーポイントの硬度が大きいと前ずれ防止効果に優れるがアンカーポイントでの体圧分散効果が低下し、アンカーポイントの硬度が小さいと体圧分散効果は優れるが前ずれ防止効果は低下してしまう。なお、アンカーポイントは、このような硬度段差のみならず、高低段差等の前ずれ防止の段差をも含む構造を表わしている。
本発明は、従来技術のこのような問題を解消するものであり、その目的は、所定の体圧分散性能を維持しつつ、座位安定性と前ずれの抑制効果とを同時に向上させることのできるクッション材を提供することにある。
本発明によれば、第1の樹脂層上に第2の樹脂層を積層した構造を備えるクッション材が提供される。この第1の樹脂層は有底又は無底の少なくとも1つの穴部を備え、第2の樹脂層は少なくとも上述の穴部に対向する領域において第2の樹脂層の厚み方向に貫通し所定の交差部で互いに交差する少なくとも3つの線状貫通切り込み溝から各々が構成される少なくとも1つの切り込みパターンを備えている。この切り込みパターンの隣接する線状貫通切り込み溝間の領域からなる片持ち梁状の突片及びこの突片の根元と連続する突片領域周辺部が弾性変形可能に構成されている。突片及び/又は突片領域周辺部は切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形するように構成されている。
このように、本発明のクッション材においては、第1の樹脂層は穴部を備え、その上に積層した第2の樹脂層は厚み方向に貫通し互いに交差する少なくとも3つの切り込み溝から各々が構成される切り込みパターンを備えている。この切り込みパターンに対して鉛直方向の荷重が作用すると、切り込みパターンの隣接する切り込み溝間の領域である片持ち梁状の突片及びこの突片の根元と連続する突片領域周辺部は、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形する。これにより、突片及び突片領域周辺部が下方に湾曲して穴部の開口縁部及び開口縁部周辺を覆うため、座骨の周辺部は下方に湾曲した突片及び突片領域周辺部によって支持され、さらに突片部の湾曲変形に伴い隣接する突片間(切り込み部の幅)が拡がって突片間の空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上する。しかも、前ずれの水平方向の荷重が作用した場合には、上述の体圧分散性や座位安定性を維持しつつ、前方の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部(アンカーポイント)を覆う湾曲した突片及び突片領域周辺部が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。このように、本発明のクッション材によれば、所定の体圧分散性能を維持することができ、しかも、座位安定性と前ずれの抑制効果とを共に向上させることができる。
線状貫通切り込み溝は貫通スリットで構成されていることが好ましい。貫通スリットで構成することにより、荷重が作用した際に突片及び突片領域周辺部が穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように下方に容易に湾曲しやすくなるため、上述の作用効果を効率よく発現することができる。
2つの切り込みパターンが穴部に対向する領域内の互いに異なる位置に配置されていることも好ましい。これにより、使用者の臀部形状への追従性が向上するので、クッション材の体圧分散性及び座位安定性をより良好に向上させることができる。
この場合、2つの切り込みパターンにおける線状貫通切り込み溝の交差部間の距離が110〜140mmであることがより好ましい。これにより、統計データベース等に基づく人体の座骨位置を第2の樹脂層に設ける所定の線状貫通切り込み溝の交差部の位置に的確に反映させることができるので、着座者の前ずれの抑制効果をより的確に向上させることができる。
第2の樹脂層は2つの切り込みパターンにおける線状貫通切り込み溝の交差部間を結ぶ直線に平行であると共に交差部から所定距離離隔した位置に形成されておりかつ第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝又は第2の樹脂層を貫通しない直線状非貫通切り込み溝を備えていることも好ましい。これにより、突片及び突片領域周辺部が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆いやすく、開口縁部及び/又は内壁に荷重が作用した場合にも体圧が低い状態で支持できるため、前ずれ抑制効果と体圧分散性を同時に一層向上させることができる。さらに、第2の樹脂層に形成する切り込みパターンの線状貫通切り込み溝の交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、各個人の人体の座骨位置データに合わせて、より適切かつ精密に対向させることが可能となるので、各個人の体型にマッチしたオーダーメードのクッション材を作製することができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を各個人の体型に対応させてより一層向上させることができる。なお、第2の樹脂層がこれを貫通する複数の直線状貫通切り込み溝を有している場合、切り込みパターンは、一部の片持ち梁状の突片が脱落しないような何等かの構成を備えている。
3つの切り込みパターンが穴部に対向する領域内の互いに異なる位置に配置されていることも好ましい。これにより、第2の樹脂層に設ける切り込みパターンの数が増加して、これら切り込みパターンの交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、より的確に適合させることができるようになるので、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に精密に対応させてより一層向上させることができる。
切り込みパターンは、穴部が1つの場合に、穴部の中心部に対向する位置に設けられた1つの切り込みパターン、穴部を2分割した2つの領域のそれぞれの着座者の座骨と対向する位置に設けられた2つの切り込みパターン、又は穴部を3分割した3つの領域に対向する位置に設けられた3つの切り込みパターンであり、そのうち2つの切り込みパターンは着座者の座骨と対向する位置に設けられていることが好ましい。また、切り込みパターンは、穴部が2つの場合に、2つの穴部のそれぞれの着座者の座骨と対向する位置に設けられた2つの切り込みパターンであることが好ましい。さらに、切り込みパターンは、穴部が3つの場合に、3つの穴部のそれぞれに対向する位置に設けられた3つの切り込みパターンであり、そのうち2つの切り込みパターンは着座者の座骨と対向する位置に設けられていることも好ましい。これにより、切り込みパターンの形態のバリエーションを増やすことができ、着座者の座骨の位置の個人差に応じて、切り込みパターンの線状貫通切り込み溝の交差部の位置を、より的確かつ精密に適合させることができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、一段と向上させることができる。
線状貫通切り込み溝の長さが20mm以上であることも好ましい。これにより、切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用すると、突片及び突片領域周辺部が穴部に向けて弾性変形して、この変形に伴い隣接する突片間(切り込み部の幅)が拡がって突片間の空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上しやすくなる。さらに穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁方向に前ずれによる荷重(応力)が作用すると、前方の開口縁部及び/又は内壁を覆う湾曲した突片及び突片領域周辺部が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される作用が得られやすくなる。
切り込みパターンが線状貫通切り込み溝の交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状非貫通切り込み溝を備えていることも好ましい。これにより、切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に、突片が、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形し易くなるので、前ずれ抑制効果の信頼性を向上させることができ、また、切り込みパターンの体圧分散性をより一層向上させることができる。
切り込みパターンが線状貫通切り込み溝の交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状非貫通切り込み溝を備えていることも好ましい。これにより、切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形し易くなるので、前ずれ抑制効果の信頼性を向上させることができ、また、切り込みパターンの体圧分散性をより一層向上させることができる。
切り込みパターンの隣接する線状貫通切り込み溝間の領域に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔、又は第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ第2の樹脂層を貫通しない非貫通孔を備えていることも好ましい。これにより、弁は、見かけの硬度が小さくなり、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形し易くなるとともに、体圧分散性の大きさのバリエーションを増やすことができるので、アンカーポイントでの体圧が低い状態で前ずれ抑制効果を一層向上させることができ、また、クッション材に対する体圧分散性能のニーズの範囲を拡大することができる。
本発明によれば、さらに、第1の樹脂層上に第2の樹脂層を積層した構造を備えるクッション材が提供される。この第1の樹脂層は有底又は無底の少なくとも1つの穴部を備え、第2の樹脂層は少なくとも穴部に対向する領域において第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ第2の樹脂層を貫通せず所定の交差部で互いに交差する少なくとも3つの線状非貫通切り込み溝から各々が構成される少なくとも1つの非貫通切り込みパターンを備えている。非貫通切り込みパターンの隣接する線状非貫通切り込み溝間の溝間領域及び溝間領域と連続する溝間領域周辺部が弾性変形可能に構成されている。溝間領域及び/又は溝間領域周辺部は非貫通切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形するように構成されている。
本発明のクッション材においては、第1の樹脂層は穴部を備え、その上に積層した第2の樹脂層は厚み方向に貫通せず互いに交差する少なくとも3つの切り込み溝から各々が構成される非貫通切り込みパターンを備えている。この非貫通切り込みパターンに対して鉛直方向の荷重が作用すると、非貫通切り込みパターンの隣接する溝間領域及び溝間領域周辺部は、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形する。これにより、溝間領域及び溝間領域周辺部が下方に湾曲して穴部の開口縁部及び開口縁部周辺を覆うため、座骨の周辺部は下方に湾曲した溝間領域及び溝間領域周辺部によって支持され、さらに溝間領域の湾曲変形に伴い隣接する溝間領域の幅が拡がって空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上する。しかも、前ずれの水平方向の荷重が作用した場合には、上述の体圧分散性や座位安定性を維持しつつ、前方の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部(アンカーポイント)を覆う湾曲した溝間領域及び溝間領域周辺部が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。このように、本発明のクッション材によれば、所定の体圧分散性能を維持することができ、しかも、座位安定性と前ずれの抑制効果とを共に向上させることができる。
第1の樹脂層の穴部が第1の樹脂層を貫通する無底の穴で構成されていることが好ましい。これにより、座位安定性をより一層向上させることができる。
第2の樹脂層の第1の樹脂層とは反対側の面に積層される第3の樹脂層をさらに備え、この第3の樹脂層は第2の樹脂層と対向する面とは反対側の面に開口部を有する非貫通溝で区画される多数のブロック要素を有し、非貫通溝は第3の樹脂層に作用する鉛直方向の荷重がより大きな部分ほど深く形成されていることも好ましい。これにより、体圧分散性を一段と向上させることができる。
第1の樹脂層の第2の樹脂層とは反対側の面に積層され樹脂からなるベース層をさらに備えていることも好ましい。これにより、クッション材の機械的強度を高め、厚み方向の底付きリスクを低減することができる。
この場合、第1の樹脂層、第2の樹脂層及びベース層の少なくとも1つはこのクッション材の前後方向の両側端部に各層を構成する樹脂に比べてより硬質の樹脂発泡体から構成される硬質部を備えていることも好ましい。これにより、クッション材の両側端部の機械的強度をより一層高め、使用者の座位姿勢における左右方向の安定性を向上させることによって、一層安定した座位姿勢を維持できる。
少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層との間に接着層を介在させたことも好ましい。これにより、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間が固定されるので両層間のずれを確実に抑えることができる。第2の樹脂層と第3の樹脂層との間、及び/又はベース層と第1の樹脂層との間に接着層を介在させても良い。
第1の樹脂層、第2の樹脂層及びベース層の少なくとも1つが樹脂発泡体又は三次元網状構造体で構成されていることも好ましい。これにより、クッション材の体圧分散性能へのニーズのバリエーションを拡大させることができる。第3の樹脂層が樹脂発泡体又は三次元網状構造体で構成されていても良い。
クッション材が、車椅子用の座面のクッション材であること、マットレスのクッション材であること、又は乗り物用シートの座面のクッション材であることも好ましい。クッション材をマットレスに適用すれば、マットレスに横臥した際又は座った際の所定の体圧分散性を維持して座位安定性及び前ずれ抑制の向上が図られ、もってマットレスに横臥した際又は座った際の所定の横臥態勢又は座位態勢の崩れを抑制でき、特に背上げ機能を有するマットレスの背上げ時の前ずれを抑制できる。
本発明によれば、突片及び突片領域周辺部が下方に湾曲して穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うため、座骨の周辺部は下方に湾曲した突片及び突片領域周辺部によって支持され、さらに突片部の湾曲変形に伴い隣接する突片間(切り込み部の幅)が拡がって突片間の空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上する。しかも、前ずれの水平方向の荷重が作用した場合には、上述の体圧分散性や座位安定性を維持しつつ、前方の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部(アンカーポイント)を覆う湾曲した突片及び突片領域周辺部が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。このように、本発明のクッション材によれば、所定の体圧分散性能を維持することができ、しかも、座位安定性と前ずれの抑制効果とを共に向上させることができる。
さらに、本発明によれば、溝間領域及び溝間領域周辺部が下方に湾曲して穴部の開口縁部及び開口縁部周辺を覆うため、座骨の周辺部は下方に湾曲した溝間領域及び溝間領域周辺部によって支持され、さらに溝間領域の湾曲変形に伴い隣接する溝間領域の幅が拡がって空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上する。しかも、前ずれの水平方向の荷重が作用した場合には、上述の体圧分散性や座位安定性を維持しつつ、前方の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部(アンカーポイント)を覆う湾曲した溝間領域及び溝間領域周辺部が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。このように、本発明のクッション材によれば、所定の体圧分散性能を維持することができ、しかも、座位安定性と前ずれの抑制効果とを共に向上させることができる。
本発明の一実施形態におけるクッション材の構成を概略的に示す分解斜視図である。 図1の実施形態のクッション材の主要な構成である第1の樹脂層及び第2の樹脂層の構成を概略的に示す分解斜視図である。 図1の実施形態のクッション材の主要な構成である第1の樹脂層及び第2の樹脂層の構成を概略的に示す斜視図である。 図5のA−A線断面図である。 図1の実施形態のクッション材の第2の樹脂層の非変形時及び変形時の構成を概略的に示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における穴部と切り込みパターンとの組み合わせの変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材における穴部の変更例を示す平面図である。 図1の実施形態のクッション材の作用効果を説明するための図である。 図1の実施形態のクッション材の作用効果を説明するための図である。 図1の実施形態の変更態様の作用効果を説明するための図である。 図1の実施形態のクッション材及びその変更態様の構成を示す平面図及び断面図である。 図1の実施形態のクッション材を車椅子の座面に適用した例を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態におけるクッション材の構成を概略的に示す分解斜視図である。 本発明のクッション材の実施例1における第1の樹脂層の形状及び寸法を示す平面図及び側面図である。 本発明のクッション材の実施例1における第2の樹脂層の形状及び寸法を示す平面図及び側面図である。 本発明のクッション材の実施例1における第3の樹脂層の形状及び寸法を示す平面図、正面図及び側面図である。 本発明のクッション材の実施例1、比較例1及び比較例2における第1の比較試験用測定装置の構成を説明する模式図である。 本発明クッション材の実施例1、比較例1及び比較例2における前ずれ力の測定結果を示す特性図である。 本発明クッション材の実施例1、比較例1及び比較例2における体圧分散性を示す圧力特性図である。 本発明クッション材の実施例1及び比較例2におけるアンカーポイントの体圧分散性を示す圧力特性図である。
以下、本発明のクッション材について、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態におけるクッション材の構成を概略的に示しており、図2及び図3は本実施形態のクッション材の基本構成である第1の樹脂層及び第2の樹脂層の構成を概略的に示しており、図4は図5のA−A線断面を示しており、図5は本実施形態のクッション材の第2の樹脂層の非変形時及び変形時の構成を概略的に示している。
これらの図に示すように、本実施形態に係るクッション材10は、例えばポリウレタン樹脂等の樹脂発泡体で構成されるベース層11の上に必要に応じて接着層を介して第1の樹脂層(座骨部収納層)12が積層され、第1の樹脂層12の上に必ず接着層を介して第2の樹脂層(座骨支持層)13が積層され、第2の樹脂層13の上に必要に応じて接着層を介して第3の樹脂層(体圧分散付与層)14が積層された構成を備えている。
ベース層11は、例えばポリウレタン樹脂等の樹脂発泡体を平板状に成形して構成されており、クッション材の機械的強度を高めて着座者の底付きを防止するために設けられている。ベース層11として、ポリウレタン樹脂発泡体の他に、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリオレフィン樹脂発泡体又はシリコーン樹脂発泡体等を用いることができる。また、ベース層11を、樹脂発泡体に代えて、三次元網状構造体、樹脂製の硬綿又は軟質樹脂等を用いて構成しても良い。
第1の樹脂層12は、少なくとも1つの(本実施形態では1つの)有底(非貫通)又は無底(貫通)の穴部12aを備え、例えばポリウレタン樹脂等の樹脂の発泡体を平板状に成形したものに穴部12aを打ち抜き等によって切り抜いて構成されており、着座者の座骨部を安定して支持すると共に前ずれ抑止のためのアンカーポイントを形成するために設けられている。穴部12aは、無底の穴である場合は平板状の樹脂発泡体を打ち抜きすることによって形成され、有底の穴である場合は、第1の樹脂層12を金型内で発泡成形する方法や、平板状の樹脂発泡体上に貫通する無底穴を設けた平板状の樹脂発泡体を積層固着する方法などで形成される。穴部12aの平面形状は、本実施形態では、図示のように一部が重なった2つの円形状(真円又は長円)形状に構成されている。しかしながら、この平面形状は、着座者の座骨部を支持できれば、この形状に限定されることなく後述するように種々の形状が適用可能である。また、穴部12aの内壁12cの形状は、第1の樹脂層12の平面視における穴部形状が厚み方向に一定になるように形成されてもよいし、厚み方向に穴形状が相似的または非相似的な形状に変化するように形成されてもよい。第1の樹脂層12として、ポリウレタン樹脂発泡体の他に、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリオレフィン樹脂発泡体又はシリコーン樹脂発泡体等を用いることができる。また、第1の樹脂層12を、樹脂発泡体に代えて、三次元網状構造体、樹脂製の硬綿又は軟質樹脂等を用いて構成しても良い。
第2の樹脂層13は、第1の樹脂層12の穴部12aに対向する領域に、少なくとも1つの(本実施形態では2つの)切り込みパターン13aを備え、例えばポリウレタン樹脂等の樹脂の発泡体を平板状に成形したものにこの切り込みパターン13aを打ち抜き等で切り抜いて構成されており、着座者の座骨部を支持すると共にアンカーポイントの圧分散を行うために設けられている。第2の樹脂層13として、ポリウレタン樹脂発泡体の他に、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリオレフィン樹脂発泡体又はシリコーン樹脂発泡体等を用いることができる。また、第2の樹脂層13を、樹脂発泡体に代えて、三次元網状構造体を用いて構成しても良い。
各切り込みパターン13aは、この第2の樹脂層13の厚み方向に貫通し所定の交差部で互いに集中して交差する少なくとも3つの(本実施形態では8つの)線状貫通切り込み溝13bから構成されている。即ち、切り込みパターン13aの線状貫通切り込み溝13bは、その交差部を起点として放射状に伸長し、終端が第1の樹脂層の穴部12a内の領域に存在している。これら線状貫通切り込み溝13bは、本実施形態においては、貫通スリットで構成されている。このように、貫通スリットで構成することにより、荷重が作用した際に突片及び突片領域周辺部が穴部12aの開口縁部12b及び/又は穴部12aの内壁12cを覆うように下方に容易に湾曲しやすくなるため、本発明の効果を効率よく発現させることができる。また、線状貫通切り込み溝13bを効率良く安定して作製することができる。また、線状貫通切り込み溝13bは、互いに隣接する線状貫通切り込み溝13bによって片持ち梁状の片持ち梁状の突片を形成できる形態であればよく、線形状や線幅などは限定されず、直線状、波状や円弧状などの曲線状のものや、線幅が一定又は長さ方向に変化した形態などが包含される。
なお、本実施形態においては、2つの切り込みパターン13aが図示しない中央線に関して線対称の形状となっている。また、各切り込みパターン13aが8つの線状貫通切り込み溝13bを有すると説明したが、本発明はこの数に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限りにおいて、後述するように、各切り込みパターンが3〜7つ又は9つ以上の互いに集中して交差する線状貫通切り込み溝を有するように構成することができる。さらに、2つの切り込みパターンのうちの一方をその中心に関して回転させた形状とすることにより、図示しない中央線に関して非線対称の形状となるように構成しても良い。
本実施形態における2つの切り込みパターン13aは、第1の樹脂層12の穴部12aに対向する領域内の互いに異なる位置に配置されている。これにより、使用者の臀部形状への追従性が向上するので、クッション材の体圧分散性及び座位安定性をより良好に向上させることができる。この場合、2つの切り込みパターン13aにおける線状貫通切り込み溝13bの交差部間の距離は、110〜140mmであることが望ましい。これにより、統計データベース等に基づく人体の座骨位置を、第2の樹脂層13の線状貫通切り込み溝13aの交差部の位置に的確に反映させることができるので、着座者の前ずれの抑制効果を、より的確に向上させることができる。
図5(A)により明瞭に示すように、第2の樹脂層13は、各切り込みパターン13aの互いに隣接する線状貫通切り込み溝13b間の領域からなる片持ち梁状の突片13c及びこの突片13cの根元と連続する突片領域周辺部13dが弾性変形可能に構成されている(以下、片持ち梁状の突片13cを弁13cと、突片領域周辺部13dを弁周辺部13dと略称する)。本実施形態では、8つの線状貫通切り込み溝13bによって8つの弁13c及び弁周辺部13dが形成されている。これにより、弁13c及び弁周辺部13dは切り込みパターン13aに対し鉛直方向の荷重が作用した際(使用者が鉛直方向から着座した状態、以降同様)に、第1の樹脂層12の穴部12aの開口縁部12b及び/又は穴部12aの内壁12cを覆うように穴部12aに向けて弾性変形し、さらに穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重(応力)が作用すると、弁13c及び/又は弁周辺部13dが穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に押圧変形され、特に前方の開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部から構成されるアンカーポイント12dを覆いながら荷重を支持するように構成されている。
線状貫通切り込み溝13bの長さは望ましくは20mm以上に設定されている。このように設定することにより、切り込みパターン13aに対し鉛直方向の荷重が作用すると、弁13c及び弁周辺部13dが穴部12aに向けて弾性変形する。図5(B)に示すように、この変形に伴い隣接する弁間(切り込み部の幅)が拡がって弁間の空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上しやすくなる。さらに穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重(応力)が作用すると、前方の開口縁部及び/又は穴部12aの内壁の少なくとも一部(アンカーポイント)を覆う湾曲した弁及び弁周辺部が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される作用が得られやすくなる。
第3の樹脂層14は、例えばポリウレタン樹脂等の樹脂発泡体の上面に第2の樹脂層13と対向する面とは反対側の面に開口部を有する多数の非貫通溝14aで区画された多数のブロック要素14bを形成して構成されており、着座者の体圧を良好に分散させるために設けられている。第3の樹脂層14のこのような構造は、例えば特許文献1及び2等で公知である。第3の樹脂層14として、ポリウレタン樹脂発泡体の他に、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリオレフィン樹脂発泡体又はシリコーン樹脂発泡体等を用いることができる。また、第3の樹脂層14を、樹脂発泡体に代えて、三次元網状構造体、樹脂製の硬綿又は軟質樹脂等を用いて構成しても良い。
ベース層11及び第1の樹脂層12は互いに固着する必要が必ずしも無い。固着する場合は、両者の間の前面又は一部のみに接着層が接着剤の塗布又は接着フィルムの貼り付けによって設けられて固着される。第1の樹脂層12及び第2の樹脂層13は互いに固着されている。両者の間の前面又は一部のみに接着層が、接着剤の塗布又は接着フィルムの貼り付けによって設けられて固着される。第2の樹脂層13及び第3の樹脂層14は互いに固着する必要が必ずしも無い。固着する場合は、両者の間の前面又は一部のみに接着層が、接着剤の塗布又は接着フィルムの貼り付けによって設けられて固着される。ベース層11及び第1の樹脂層12間、第1の樹脂層12及び第2の樹脂層13間、第2の樹脂層13及び第3の樹脂層14間を接着層で固着することにより、各層間のずれを確実に抑えることができる。
本実施形態においては、切り込みパターン13aは線状切り込み溝が貫通溝であるが、後述するように、線状切り込み溝が非貫通溝であっても良い(図17参照)。線状切り込み溝が貫通溝である場合は切り込みパターン13aは平板状の樹脂発泡体を打ち抜きすることによって形成され、線状切り込み溝が非貫通溝である場合は、切り込みパターンは抜き刃で非貫通な状態に押切るハーフカット加工や、平板状の樹脂発泡体上に貫通溝を設けた平板状の樹脂発泡体を積層固着して形成される。
なお、本実施形態では、クッション材10がベース層11、第1の樹脂層12、第2の樹脂層13及び第3の樹脂層14を互いに積層した4層構造を有しているとしているが、本発明のクッション材は、第1の樹脂層(座骨部収納層)12及び第2の樹脂層(座骨支持層)13を接着層を介して互いに積層した基本構成を備えていれば良い。また、ベース層11、第1の樹脂層12、第2の樹脂層13及び第3の樹脂層14は厚みが一定の平板状としているが、本発明の作用効果を阻害しない範囲で、部分的に厚みが異なる形態としても良い。
図6は本実施形態のクッション材における穴部と切り込みパターンとの組み合わせの変更例を示しており、図7は本実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示している。
図6(A)に示すように、第1の樹脂層の1つの穴部22a(この例では略矩形形状)に対向する領域内の互いに異なる位置に、図示しない中央線に関して線対称の形状である2つの切り込みパターン23aを設けても良い。この場合、穴部22aを2分割した2つの領域のそれぞれの着座者の座骨と対向する位置に設けられた2つの切り込みパターン23aが設けられる。なお、図示されていないが、1つの穴部を3分割した3つの領域に対向する位置に3つの切り込みパターンを設けても良い(ただし、そのうち2つの切り込みパターンは着座者の座骨と対向する位置に設けられる)。これにより、第2の樹脂層に設ける切り込みパターンの数が増加して、これら切り込みパターンの交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、より的確に適合させることができるようになるので、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に精密に対応させてより一層向上させることができる。また、図6(B)に示すように、第1の樹脂層の2つの穴部32a(この例では略矩形形状)にそれぞれ対向する領域内に、図示しない中央線に関して線対称の形状である2つの切り込みパターン33aをそれぞれ設けても良い。この場合、2つの穴部32aに対向する領域内の互いに異なる位置(着座者の座骨と対向する位置)に2つの切り込みパターン33aがそれぞれ設けられる。さらに、図6(C)に示すように、第1の樹脂層の1つの穴部42a(この例では略矩形形状)に対向する領域内に1つの切り込みパターン43aを設けても良い。この場合、穴部42aの中心部に対向する位置に設けられた1つの切り込みパターン43aが設けられる。さらにまた、図6(D)に示すように、第1の樹脂層の1つの穴部52a(この例では帯形状)に対向する領域に一部がかかるように1つの切り込みパターン53aを設けても良い。さらに、図6(E)に示すように、第1の樹脂層の3つの穴部62a(この例では略矩形形状)にそれぞれ対向する領域内に3つの切り込みパターン63aをそれぞれ設けても良い。この場合、3つの穴部62aに対向する領域内の互いに異なる位置に3つの切り込みパターン63aがそれぞれ設けられる。ただし、そのうちの2つの切り込みパターンは図示しない中央線に関して線対称の形状であり、着座者の座骨と対向する位置に設けられる。これにより、切り込みパターンの形態のバリエーションを増やすことができ、着座者の座骨及び尾骨の位置の個人差に応じて、切り込みパターンの線状貫通切り込み溝の交差部の位置を、より的確かつ精密に適合させることができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、一段と向上させることができる。
また、切り込みパターンは、図7(A)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝73bが集中して交差する交差部73eに第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けて構成しても良い。また、図7(B)に示すように、幅広の貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝83bが集中して交差する交差部83eに第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けて構成しても良い。この貫通孔を設けることによって、切り込みパターン領域の空隙の割合が増すため、着座時の体圧分散性能を一層向上させることができる。
図8は本実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示している。同図に示した切り込みパターンは、いずれも、弁の数が3つの場合である。
切り込みパターンは、図8(A)に示すように、貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン93aであっても良い。また、図8(B)に示すように、貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン103aであっても良い。さらに、図8(C)及び(D)にそれぞれ示すように、貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン113a及び123aであっても良い。またさらに、図8(E)に示すように、幅広の貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン133aであっても良い。さらに、図8(F)に示すように、貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、隣接する線状貫通切り込み溝間の領域に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔又は第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ第2の樹脂層を貫通しない非貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン143aであっても良い。このような切り込みパターン143aを設けることにより、弁は見かけの硬度が小さくなり、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形し易くなるとともに、体圧分散性の大きさのバリエーションを増やすことができるので、アンカーポイントでの体圧が低い状態で前ずれ抑制効果を一層向上させることができ、また、クッション材に対する体圧分散性能のニーズの範囲を拡大することができる。
また、切り込みパターンは、図8(G)に示すように、貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝153bが交差部で集中して交差すると共に、線状貫通切り込み溝153bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状(本実施形態では同心三角形状)の非貫通切り込み溝153fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン153aであっても良い。さらに、図8(H)に示すように、貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝163bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝163bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状(本実施形態では同心三角形状)の非貫通切り込み溝163fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン163aであっても良い。さらにまた、図8(I)に示すように、貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝173bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝173bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状の非貫通切り込み溝173fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン173aであっても良い。上述したような切り込みパターン153a、163a又は173aを設けることにより、切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に、弁が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、さらに穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重(応力)が作用したときに体圧が低い状態で支持できるので、前ずれ抑制効果の信頼性を向上させることができ、また、切り込みパターンの見かけの硬度を小さくできるのでアンカーポイントにおける体圧分散性をより一層向上させることができる。
さらに、切り込みパターンは、図8(J)に示すように、幅広の貫通スリットによる3つの線状貫通切り込み溝183bが交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン183aと、これら2つの切り込みパターン183aにおける交差部間を結ぶ直線に平行であると共に交差部から所定距離離隔した位置に形成されておりかつ第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝又は第2の樹脂層を貫通しない直線状非貫通切り込み溝183gとを備えている形態であっても良い。このような切り込みパターン183aと直線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝183gとを設けることにより、弁及び弁周辺部が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に荷重が作用した場合にも体圧が低い状態で支持できるため、前ずれ抑制効果と体圧分散性を同時に一層向上させることができる。さらに、線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝183bの交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、各個人の人体の座骨位置データに合わせて、より適切かつ精密に対向させることが可能となるので、各個人の体型にマッチしたオーダーメードのクッション材を作製することができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に対応させてより一層向上させることができる。なお、第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝183gを設けた場合、切り込みパターン183aの一部の弁が脱落しないような構成を備えていることが望ましい。また、図8(G)〜図8(J)に形成される直線状非貫通切り込み溝153f、163f、173f及び183gは、第2の樹脂層の表面側に形成してもよいし、穴部12aに対面する側に形成してもよい。また、これらの直線状非貫通切り込み溝153f、163f、173f及び183gに代えて、波型や円弧状などの曲線状非貫通切り込み溝としてもよい。
図9は本実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示している。同図に示した切り込みパターンは、いずれも、弁の数が4つの場合である。
切り込みパターンは、図9(A)及び(B)に示すように、幅広の貫通スリットによる4つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン193a及び203aであっても良い。また、図9(C)及び(D)に示すように、幅広の貫通スリットによる4つの線状貫通切り込み溝213b及び223bが交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン213a及び223aと、これら2つの切り込みパターン213a及び223aにおける交差部間を結ぶ直線に平行であると共に交差部から所定距離離隔した位置に形成されておりかつ第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝又は第2の樹脂層を貫通しない直線状非貫通切り込み溝213g及び223gとを備えている形態であっても良い。このような切り込みパターン213a及び223aと直線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝213g及び223gとを設けることにより、弁及び弁周辺部が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に荷重が作用した場合にも体圧が低い状態で支持できるため、前ずれ抑制効果と体圧分散性を同時に一層向上させることができる。さらに、線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝213g及び223gの交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、各個人の人体の座骨位置データに合わせて、より適切かつ精密に対向させることが可能となるので、各個人の体型にマッチしたオーダーメードのクッション材を作製することができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に対応させてより一層向上させることができる。なお、第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝213g及び223gを設けた場合、切り込みパターン213a及び223aの一部の弁が脱落しないような構成を備えていることが望ましい。また、図9(C)及び図9(J)に形成される直線状非貫通切り込み溝213g及び223gは、第2の樹脂層の表面側に形成してもよいし、穴部12aに対面する側に形成してもよい。また、これらの直線状非貫通切り込み溝213g及び223gに代えて、波型や円弧状などの曲線状非貫通切り込み溝としてもよい。
図10は本実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示している。同図に示した切り込みパターンは、いずれも、弁の数が6つの場合である。
切り込みパターンは、図10(A)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン233aであっても良い。また、図10(B)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン243aであっても良い。さらに、図10(C)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン253aであっても良い。さらに、図10(D)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに非線対称の形状の2つの切り込みパターン263aであっても良い。即ち、2つの切り込みパターンのうちの一方をその中心に関して回転させた形状とすることにより、図示しない中央線に関して非線対称の形状となるように構成しても良い。またさらに、図10(E)に示すように、幅広の貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン273aであっても良い。さらに、図10(F)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、隣接する線状貫通切り込み溝間の領域に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔又は第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ第2の樹脂層を貫通しない非貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン283aであっても良い。このような切り込みパターン283aを設けることにより、弁は見かけの硬度が小さくなり、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形し易くなるとともに、体圧分散性の大きさのバリエーションを増やすことができるので、アンカーポイントでの体圧が低い状態で前ずれ抑制効果を一層向上させることができ、また、クッション材に対する体圧分散性能のニーズの範囲を拡大することができる。
また、切り込みパターンは、図10(G)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝293bが交差部で集中して交差すると共に、線状貫通切り込み溝293bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状(本実施形態では同心六角形状)の非貫通切り込み溝293fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン293aであっても良い。さらに、図10(H)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝303bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝303bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状(本実施形態では同心六角形状)の非貫通切り込み溝303fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン303aであっても良い。さらにまた、図10(I)に示すように、貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝313bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝313bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状の非貫通切り込み溝313fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン313aであっても良い。上述したような切り込みパターン293a、303a又は313aを設けることにより、切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に、弁が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、さらに穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重(応力)が作用したときに体圧が低い状態で支持できるので、前ずれ抑制効果の信頼性を向上させることができ、また、切り込みパターンの見かけの硬度を小さくできるのでアンカーポイントにおける体圧分散性をより一層向上させることができる。
さらに、切り込みパターンは、図10(J)に示すように、幅広の貫通スリットによる6つの線状貫通切り込み溝323bが交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン323aと、これら2つの切り込みパターン323aにおける交差部間を結ぶ直線に平行であると共に交差部から所定距離離隔した位置に形成されておりかつ第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝又は第2の樹脂層を貫通しない直線状非貫通切り込み溝323gとを備えている形態であっても良い。このような切り込みパターン323aと直線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝323gとを設けることにより、弁及び弁周辺部が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重が作用した場合にも体圧が低い状態で支持できるため、前ずれ抑制効果と体圧分散性を同時に一層向上させることができる。さらに、線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝323bの交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、各個人の人体の座骨位置データに合わせて、より適切かつ精密に対向させることが可能となるので、各個人の体型にマッチしたオーダーメードのクッション材を作製することができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に対応させてより一層向上させることができる。なお、第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝323gを設けた場合、切り込みパターン323aの一部の弁が脱落しないような構成を備えていることが望ましい。また、図10(G)〜図10(J)に形成される直線状非貫通切り込み溝293f、303f、313f及び323gは、第2の樹脂層の表面側に形成してもよいし、穴部12aに対面する側に形成してもよい。また、これらの直線状非貫通切り込み溝293f、303f、313f及び323gに代えて、波型や円弧状などの曲線状非貫通切り込み溝としてもよい。
図11は本実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示している。同図に示した切り込みパターンは、いずれも、弁の数が8つの場合である。
切り込みパターンは、図11(A)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン333aであっても良い。また、図11(B)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン343aであっても良い。さらに、図11(C)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン353aであっても良い。さらに、図11(D)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに非線対称の形状の2つの切り込みパターン353aであっても良い。即ち、2つの切り込みパターンのうちの一方をその中心に関して回転させた形状とすることにより、図示しない中央線に関して非線対称の形状となるように構成しても良い。またさらに、図11(E)に示すように、幅広の貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン373aであっても良い。さらに、図11(F)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、隣接する線状貫通切り込み溝間の領域に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔又は第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ第2の樹脂層を貫通しない非貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン383aであっても良い。このような切り込みパターン383aを設けることにより、弁は見かけの硬度が小さくなり、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形し易くなるとともに、体圧分散性の大きさのバリエーションを増やすことができるので、アンカーポイントでの体圧が低い状態で前ずれ抑制効果を一層向上させることができ、また、クッション材に対する体圧分散性能のニーズの範囲を拡大することができる。
また、切り込みパターンは、図11(G)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝393bが交差部で集中して交差すると共に、線状貫通切り込み溝393bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状(本実施形態では同心八角形状)の非貫通切り込み溝393fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン393aであっても良い。さらに、図11(H)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝403bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝403bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状(本実施形態では同心八角形状)の非貫通切り込み溝403fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン403aであっても良い。さらにまた、図11(I)に示すように、貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝413bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝413bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状の非貫通切り込み溝413fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン413aであっても良い。上述したような切り込みパターン393a、403a又は413aを設けることにより、切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に、弁が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、さらに穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重(応力)が作用したときに体圧が低い状態で支持できるので、前ずれ抑制効果の信頼性を向上させることができ、また、切り込みパターンの見かけの硬度を小さくできるのでアンカーポイントにおける体圧分散性をより一層向上させることができる。
さらに、切り込みパターンは、図11(J)に示すように、幅広の貫通スリットによる8つの線状貫通切り込み溝423bが交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン423aと、これら2つの切り込みパターン423aにおける交差部間を結ぶ直線に平行であると共に交差部から所定距離離隔した位置に形成されておりかつ第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝又は第2の樹脂層を貫通しない直線状非貫通切り込み溝423gとを備えている形態であっても良い。このような切り込みパターン423aと直線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝423gとを設けることにより、弁及び弁周辺部が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重が作用した場合にも体圧が低い状態で支持できるため、前ずれ抑制効果と体圧分散性を同時に一層向上させることができる。さらに、線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝423bの交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、各個人の人体の座骨位置データに合わせて、より適切かつ精密に対向させることが可能となるので、各個人の体型にマッチしたオーダーメードのクッション材を作製することができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に対応させてより一層向上させることができる。なお、第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝423gを設けた場合、切り込みパターン423aの一部の弁が脱落しないような構成を備えていることが望ましい。また、図11(G)〜図11(J)に形成される直線状非貫通切り込み溝393f、403f、413f及び423gは、第2の樹脂層の表面側に形成してもよいし、穴部12aに対面する側に形成してもよい。また、これらの直線状非貫通切り込み溝393f、403f、413f及び423gに代えて、波型や円弧状などの曲線状非貫通切り込み溝としてもよい。
図12は本実施形態のクッション材における切り込みパターンの変更例を示している。同図に示した切り込みパターンは、いずれも、弁の数が12個の場合である。
切り込みパターンは、図12(A)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン433aであっても良い。また、図12(B)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン443aであっても良い。さらに、図12(C)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン453aであっても良い。さらに、図12(D)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設けた、互いに非線対称の形状の2つの切り込みパターン463aであっても良い。即ち、2つの切り込みパターンのうちの一方をその中心に関して回転させた形状とすることにより、図示しない中央線に関して非線対称の形状となるように構成しても良い。またさらに、図12(E)に示すように、幅広の貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝が交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン473aであっても良い。さらに、図12(F)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝が交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、隣接する線状貫通切り込み溝間の領域に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔又は第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ第2の樹脂層を貫通しない非貫通孔を設けた、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン483aであっても良い。このような切り込みパターン483aを設けることにより、弁は見かけの硬度が小さくなり、第1の樹脂層の穴部の開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように穴部に向けて弾性変形し易くなるとともに、体圧分散性の大きさのバリエーションを増やすことができるので、アンカーポイントでの体圧が低い状態で前ずれ抑制効果を一層向上させることができ、また、クッション材に対する体圧分散性能のニーズの範囲を拡大することができる。
また、切り込みパターンは、図12(G)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝493bが交差部で集中して交差すると共に、線状貫通切り込み溝493bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状の非貫通切り込み溝493fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン493aであっても良い。さらに、図12(H)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝503bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝503bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状の非貫通切り込み溝503fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン503aであっても良い。さらにまた、図12(I)に示すように、貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝513bが交差部で幅広に拡がって交差すると共にこの交差部に第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔を設け、さらに、線状貫通切り込み溝513bの交差部を中心とする第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状の非貫通切り込み溝513fを備えている、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン513aであっても良い。上述したような切り込みパターン493a、503a又は513aを設けることにより、切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に、弁が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすくさらに穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重(応力)が作用したときに体圧が低い状態で支持できるので、前ずれ抑制効果の信頼性を向上させることができ、また、切り込みパターンの見かけの硬度を小さくできるのでアンカーポイントにおける体圧分散性をより一層向上させることができる。
さらに、切り込みパターンは、図12(J)に示すように、幅広の貫通スリットによる12個の線状貫通切り込み溝523bが交差部で集中して交差する、互いに線対称の形状の2つの切り込みパターン523aと、これら2つの切り込みパターン523aにおける交差部間を結ぶ直線に平行であると共に交差部から所定距離離隔した位置に形成されておりかつ第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝又は第2の樹脂層を貫通しない直線状非貫通切り込み溝523gとを備えている形態であっても良い。このような切り込みパターン523aと直線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝523gとを設けることにより、弁及び弁周辺部が湾曲変形し易くなるとともに、見かけの硬度も低くなるため、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12cの少なくとも一部を覆いやすく、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に荷重が作用した場合にも体圧が低い状態で支持できるため、前ずれ抑制効果と体圧分散性を同時に一層向上させることができる。さらに、線状貫通切り込み溝又は直線状非貫通切り込み溝523bの交差部の位置と着座者の座骨の位置とを、各個人の人体の座骨位置データに合わせて、より適切かつ精密に対向させることが可能となるので、各個人の体型にマッチしたオーダーメードのクッション材を作製することができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に対応させてより一層向上させることができる。なお、第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝523gを設けた場合、切り込みパターン523aの一部の弁が脱落しないような構成を備えていることが望ましい。また、図12(G)〜図12(J)に形成される直線状非貫通切り込み溝493f、503f、513f及び523gは、第2の樹脂層の表面側に形成してもよいし、穴部12aに対面する側に形成してもよい。また、これらの直線状非貫通切り込み溝493f、503f、513f及び523gに代えて、波型や円弧状などの曲線状非貫通切り込み溝としてもよい。
図13は本実施形態のクッション材における第1の樹脂層に設けられた穴部の変更例を示している。なお、同図は、クッション材の前方が図にて上側となるように表されている。
穴部は、図13(A)に示すように、着座者の座骨に対応する位置25及び尾骨に対応する位置26が穴部内に含まれる長円形状の平面形状を有する有底(非貫通)又は無底(貫通)の1つの穴部22aであっても良い。この穴部22aの前方の開口縁部及び又は内壁の少なくとも一部がアンカーポイント22dを構成している。また、図13(B)に示すように、着座者の座骨に対応する位置35が穴部内に含まれ、尾骨に対応する位置36が穴部外となる中央部が凹んだ長円形状の平面形状を有する有底(非貫通)又は無底(貫通)の1つの穴部32aであっても良い。この穴部32aの前方の開口縁部及び又は内壁の少なくとも一部がアンカーポイント32dを構成している。さらに、図13(C)に示すように、着座者の座骨に対応する位置45が2つの穴部内にそれぞれ含まれ、尾骨に対応する位置46が穴部外となる真円形状の平面形状を有する有底(非貫通)又は無底(貫通)の2つの穴部42aであっても良い。これら穴部42aの前方の開口縁部及び又は内壁の少なくとも一部がアンカーポイント42dを構成している。さらにまた、図13(D)に示すように、着座者の座骨に対応する位置55が穴部内に含まれ、尾骨に対応する位置56が穴部外となる矩形形状の平面形状を有する有底(非貫通)又は無底(貫通)の1つの穴部52aであっても良い。この穴部52aの前方の開口縁部及び又は内壁の少なくとも一部がアンカーポイント52dを構成している。さらに、図13(E)に示すように、着座者の座骨に対応する位置65及び尾骨に対応する位置66が穴部内に含まれる半円形状の平面形状を有する有底(非貫通)又は無底(貫通)の1つの穴部62aであっても良い。この穴部62aの前方の開口縁部及び又は内壁の少なくとも一部がアンカーポイント62dを構成している。さらに、図13(F)に示すように、着座者の座骨に対応する位置75が2つの穴部内にそれぞれ含まれ、尾骨に対応する位置76が残りの穴部内に含まれる真円又は長円形状の平面形状を有する有底(非貫通)又は無底(貫通)の3つの穴部72aであっても良い。2つの穴部72aの前方の開口縁部及び又は内壁の少なくとも一部がアンカーポイント72dを構成している。座骨間の距離等の設計値は、各個人の人体の座骨位置データに合わせて、より適切かつ精密に対向させることが可能となるので、各個人の体型にマッチしたオーダーメードのクッション材を作製することができ、着座者の体圧分散性能の向上及び着座者の前ずれの抑制の効果を、各個人の体型に対応させてより一層向上させることができる。また、図13(A)〜図13(F)の各穴部の内壁形状は、第1の樹脂層12の平面視における穴形状が、厚み方向に一定となるように形成されてもよいし、厚み方向に穴形状が相似的または非相似的な形状に変化するように形成されてもよい。また、図13(C)及び図13(F)のように複数の穴部が形成されている場合には、各穴部毎に内壁形状を異ならせてもよい。
図14及び図15は本実施形態のクッション材の作用効果を説明するための図である。ただし、図15(B)〜図15(E)は図15(A)のB−B線断面を表している。このクッション材は、第2の樹脂層13の切り込みパターン13aの線状貫通切り込み溝13bが交差部を起点として放射状に伸長し、終端が第1の樹脂層の穴部12a内の領域にある場合である。
図14に示すように、着座者17が本実施形態のクッション材10の穴部12aの部分に着座すると、その鉛直荷重により、第2の樹脂層13の切り込みパターン13aにおける弁13c及び弁周辺部13dが第1の樹脂層12の穴部12aの開口縁部及び/又は穴部の内壁の少なくとも一部を覆うよう穴部12aに向けて弾性変形する。図15(B)〜図15(E)は、鉛直荷重とそれに続く水平方向の荷重によるこの弁13c及び弁周辺部13dの段階的な弾性変形の様子を示している。このように、弁13c及び弁周辺部13dが下方に湾曲して穴部12aの開口縁部12bを覆うため、その部分で着座者の体圧が良好に分散されると共に、弁13cの湾曲変形に伴い隣接する弁13c間(切り込み部の幅)が拡がって弁13c間の空隙の割合が増加する(図示なし)ため、さらに体圧分散性能が向上しつつ座骨の周辺部17aが安定して支持され、座位安定性が向上する。また、前方の開口縁部及び又は内壁の少なくとも一部で構成されるアンカーポイント12dを覆う湾曲した弁13c及び弁周辺部13dが着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイント12dとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。また、穴部12aと弁13c及び弁周辺部13dとの形状や大きさの組合せ条件や荷重条件に応じて、図15(D)のように、弁13c及び弁周辺部13dが穴部12aの開口縁部12bに当接するが内壁12cに当接しないケースや、図15(E)のように開口縁部12bに当接するとともに内壁12cに部分的又は全面的に当接するケースなどの形態となる。弁13c及び弁周辺部13dが内壁12c全面に当接しない場合には、図15(D)及び図15(E)のように、内壁12cと弁13c及び弁周辺部13dとの間に空隙が形成され、この空隙は体圧分散性能を向上させるように機能する。このように、本実施形態のクッション材10によれば、所定の体圧分散性能を維持することができ、しかも、座位安定性と前ずれの抑制効果とを共に向上させることが可能となる。なお、弁周辺部13dの硬度が高い場合は、図15(D)に示すように、湾曲した弁周辺部13dの上端部がアンカーポイント12eとしても機能する。
図16は本実施形態の変更態様の作用効果を説明するための図である。ただし、図16(B)〜図16(E)は図16(A)のC−C線断面を表している。
この変更態様は、第2の樹脂層の切り込みパターン13a′における線状貫通切り込み溝13b′の長さが長く、その一部が第1の樹脂層の穴部12aの外側の領域まではみ出している場合である。即ち、切り込みパターン13a′の線状貫通切り込み溝13b′が交差部を起点として放射状に伸長し、終端が第1の樹脂層の穴部12a外側の領域にある場合である。鉛直荷重とそれに続く水平方向の荷重による、切り込みパターン13a′の弁13c′の段階的な弾性変形の様子を示す図16(B)〜図16(E)から分かるように、この変更態様においても、弁13c′が下方に湾曲して穴部12aの開口縁部を覆うため、その部分で着座者の体圧が良好に分散されると共に、弁13c′の湾曲変形に伴い隣接する弁13c′間(切り込み部の幅)が拡がって弁13c′間の空隙の割合が増加する(図示なし)ため、さらに体圧分散性能が向上しつつ、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上する。また、前方の開口縁部及び/又は内壁の少なくとも一部で構成されるアンカーポイント12dを覆う湾曲した弁13c′が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイント12dとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。また、穴部12aと弁13c′との形状や大きさの組合せ条件や荷重条件に応じて、図16(D)のように、弁13c′が穴部12aの開口縁部12bに当接するが内壁12cに当接しないケースや、図16(E)のように開口縁部12bに当接するとともに内壁12cに部分的又は全面的に当接するケースなどの形態となる。弁13c′が内壁12c全面に当接しない場合には、図16(D)及び図16(E)のように、内壁12cと弁13c′との間に空隙が形成され、この空隙は体圧分散性能を向上させるように機能する。このように、この変更態様のクッション材によっても、所定の体圧分散性能を維持することができ、しかも、座位安定性と前ずれの抑制効果とを共に向上させることが可能となる。なお、弁13c′の硬度が高い場合は、図16(D)に示すように、湾曲した弁13c′の上端部がアンカーポイント12e′となる。
図17は本実施形態のクッション材及びその変更態様の構成を比較して示しており、同図(A)は本実施形態における第1の樹脂層12及び第2の樹脂層13の平面及びそのD−D線断面を表しており、同図(B)は変更態様における第1の樹脂層12″及び第2の樹脂層13″の平面及びそのE−E線断面を表している。
本実施形態のクッション材では、図17(A)に示すように、第2の樹脂層13が、第1の樹脂層12の穴部12aに対向する領域に、切り込みパターン13aを備えており、この切り込みパターン13aは貫通スリットである複数の線状貫通切り込み溝13bから構成されている。このように構成することによって、切り込みパターン13aの隣接する線状貫通切り込み溝13b間の領域である弁13c及び弁周辺部13dが第1の樹脂層12の穴部12aの開口縁部12b及び/又は穴部12aの内壁12cの少なくとも一部を覆うように穴部12aに向けて湾曲して弾性変形し、この穴部12aの開口縁部及び開口縁部周辺を覆うため、座骨の周辺部は下方に湾曲した弁13c及び弁周辺部13dによって支持され、さらに弁13cの湾曲変形に伴い隣接する弁13c間(切り込み部の幅)が拡がって弁13c間の空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上する。また、穴部12aの開口縁部12b及び/又は内壁12c方向に前ずれによる荷重(応力)が作用すると、前方の開口縁部及び/又は内壁の少なくとも一部(アンカーポイント)を覆う湾曲した弁13c及び弁周辺部13dが着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。
これに対して、変更態様のクッション材では、図17(B)に示すように、第2の樹脂層13″が、第1の樹脂層12″の穴部12a″に対向する領域に、非貫通切り込みパターン13a″を備えており、この非貫通切り込みパターン13a″は穴部12a″側が開口した非貫通スリットである複数の線状非貫通切り込み溝13b″から構成されている。このように構成することによって、非貫通切り込みパターン13a″の溝間領域13c″及びこの溝間領域13c″と連続する溝間領域周辺部13d″が第1の樹脂層12″の穴部12a″の開口縁部12b″及び/又は穴部a″の内壁12c″の少なくとも一部を覆うように穴部12a″に向けて湾曲して弾性変形し、この穴部12a″の開口縁部及び/又は内壁の少なくとも一部を覆うため、座骨の周辺部は下方に湾曲した溝間領域及び溝間領域周辺部によって支持され、さらに溝間領域の湾曲変形に伴い隣接する溝間領域の幅が拡がって空隙の割合が増加することによって、着座者の体圧が良好に分散されると共に、座骨の周辺部が安定して支持され、座位安定性が向上する。また、穴部12a″の開口縁部12b″及び/又は内壁12c″方向に前ずれによる荷重(応力)が作用すると、前方の開口縁部及び/又は内壁の少なくとも一部(アンカーポイント)を覆う湾曲した溝間領域13c″及び溝間領域周辺部13d″が着座者の座骨の前縁部に柔軟に当接して支持するため、座骨の前方への移動が緩やかに抑制され、アンカーポイントとの接触圧が急上昇して血流が局部的に阻止されるような不都合が発生することなく、前ずれが効果的に抑制される。本発明のクッション材における、前述した全ての変更例及び変更態様における切り込みパターンを、このような非貫通スリットによる線状非貫通切り込み溝を有する非貫通切り込みパターンで構成することが可能である。なお、線状非貫通切り込み溝13b″は、この実施形態では直線状としているが、互いに隣接する線状非貫通切り込み溝によって溝間領域13c″が形成される形態であればよく、直線状、波状や円弧状などの曲線状のものや、線幅が一定又は長さ方向に変化したものとすることができる。
図18は本実施形態のクッション材を車椅子の座面に適用した例を示している。
同図に示すように、車椅子18の座面18a上に、穴部12aを有する第1の樹脂層(座骨部収納層)12と切り込みパターン13aを有する第2の樹脂層(座骨支持層)13とを備えた基本構成のクッション材を載置することにより、本実施形態のクッション材を車椅子用に適用し、所定の体圧分散性能を維持する共に座位安定性と前ずれの抑制効果とを向上させることができる。また、本実施形態のクッション材をマットレスのクッション材又は乗り物用シートの座面のクッション材に適用することができる。このクッション材をマットレスに適用すれば、マットレスに横臥した際又は座った際の所定の体圧分散性を維持して座位安定性及び前ずれ抑制の向上が図られ、マットレスに横臥した際又は座った際の所定の横臥態勢又は座位態勢の崩れを抑制でき、特に背上げ機能を有するマットレスの背上げ時の前ずれを抑制できる。乗り物用シートの座面のクッション材に適用した場合も、所定の体圧分散性能を維持する共に座位安定性と前ずれの抑制効果とを向上させることができる。
図19は本発明の他の実施形態におけるクッション材の構成を概略的に示している。
同図に示すように、本実施形態に係るクッション材は、例えばポリウレタン樹脂等の樹脂発泡体で構成されるベース層21の上に必要に応じて接着層を介して第1の樹脂層(座骨部収納層)12が積層され、第1の樹脂層12の上に必ず接着層を介して第2の樹脂層(座骨支持層)13が積層され、第2の樹脂層13の上に必要に応じて接着層を介して第3の樹脂層(体圧分散付与層)14が積層された構成を備えている。
ベース層21は、例えばポリウレタン樹脂等の樹脂発泡体を平板状に成形して構成されており、クッション材の機械的強度を高めて着座者の底付きを防止するために設けられている。このベース層21の前後方向の両側端部にこの層を構成する合成樹脂発泡体に比べ硬質の合成樹脂発泡体から構成される硬質部21aを備えている。これにより、クッション材の両側端部の機械的強度をより一層高め、使用者の座位姿勢における左右方向の安定性を向上させることによって、車椅子以外の適用時にも安定した座位姿勢を維持できる。なお、本実施形態の変更態様においては、第1の樹脂層12及び/又は第2の樹脂層13に、このベース層21と同様の硬質部を設けても良い。
本実施形態におけるその他の第1の樹脂層12、第2の樹脂層13及び第3の樹脂層14の構成及び作用効果並びに変更態様は、上述した実施形態の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以下、本発明のクッション材の実施例1、比較例1及び比較例2の比較試験について説明する。
(実施例1)
図2〜図5に示した第1の樹脂層(座骨部収納層)12及び第2の樹脂層(座骨支持層)13を接着層を介して積層してなる基本構成の積層体(クッション材)を作製し、その積層体の第1の樹脂層(座骨部収納層)12の下にベース層11を接着剤を介し積層するとともに、第2の樹脂層13の上に第3の樹脂層14(体圧分散層)を接着しないで積層した図1の構造のクッション材を作製した。構成材料としては、ポリウレタン樹脂発泡体(東洋クオリティワン社製 型式ラバーライク33H、JIS K6400−2 A法準拠の硬度190N)を用いた。ベース層11としては400mm×400mm×20mmの寸法の矩形形状のものを用いた。第1の樹脂層12としては図20に示した形状及び寸法のものを用いた。第2の樹脂層13としては図21に示した形状及び寸法のものを用いた。第3の樹脂層14としては図22に示した形状及び寸法のものを用いた。全体の厚さは75mmであった。なお、図20〜図22における寸法の単位はmmである。
(比較例1)
本出願人による従来のクッション材であるアルファプラクッション(型番KC−WP4040)を使用した。このクッション材は、特許文献2に記載のクッション材であり、多数の非貫通溝で区画された多数のブロック要素を上面に有するポリウレタン樹脂発泡体製の体圧分散付与層(図1に記載の第3の樹脂層14に相当)上に低反発ポリウレタン層を積層して構成されたクッション材である。全体の厚さは60mmであった。
(比較例2)
実施例1のクッション材における第2の樹脂層が切り込みパターンを有しておらず、凹凸や穴の存在しない平坦な表面を有していること以外は実施例1のクッション材の構成と同様なクッション材を作成した。構成材料としては、ポリウレタン樹脂発泡体(東洋クオリティワン社製 型式ラバーライク33H、JIS K6400−2 A法準拠の硬度190N)を用いた。全体の厚さは75mmであった。
(第1の比較試験)
クッション材の前ずれ抑制効果を検証するため、実施例、比較例1及び比較例2について、図23に示す比較試験用測定装置を用いて引っ張り力の測定を行った。同図に示すように、検証すべきクッション材C(10)を水平方向に移動自在の台車T上に載置し、クッション材C(10)の上面に着座姿勢における臀部から太股裏を模した座面当て板Pをセットし、この座面当て板P上に、支持架台Fによって鉛直方向に移動自在に支持されたシャフトSを介して種々の重さ(10、15、20、25、30kg)の錘Wを載せて鉛直荷重を印加し、デジタルフォースゲージGを介して台車Tを一定速度(50mm/秒)で水平方向に引っ張ることにより、デジタルフォースゲージGの示す引っ張り力のピーク値を測定することによって行った。この引っ張り力のピーク値が大きいほど、アンカーポイントで荷重を受け止める能力が高く、前ずれ抑制効果が優れるものと判定した。ピーク値の測定は各錘について5回測定し、その平均値を算出した。測定結果が表1に示されている。引っ張り力のピーク値の単位はkgfである。なお、座面当て板Pは、JIS S1203に規定されている形状の当て板を70%の寸法に縮小したものを使用した。これは、平均的な日本人の寸法に合わせるためである。
Figure 0006901778
図24は表1に示した第1の比較試験の測定結果における錘の重さ(kg)と測定した引っ張り力の平均値(kgf)との関係を示している。同図より、第1の樹脂層(座骨部収納層)及び第2の樹脂層(座骨支持層)の積層体を備えた実施例1は、これら第1の樹脂層(座骨部収納層)及び第2の樹脂層(座骨支持層)の積層体を有していない比較例1、及びこの積層体の第2の樹脂層に切り込みパターンを有していない比較例2と比較して、種々の鉛直加重において引っ張り力が大きく、前ずれ抑制効果が優れていることが分かる。
(第2の比較試験)
通常座位における体圧分散性を検証するため、実施例1、比較例1及び比較例2について体圧分散性能の測定を行った。この測定は、車椅子(株式会社ミキ社製の車椅子ミューフォーMYU4−22)の座面上にXSENSOR Technology Corporation製の面圧センサXSENSOR PX100.36.36.02を装着し、その上に身長170cm、体重65kg、BMI(肥満度指数)22.5の被験者を着座させ、着座5分後の面圧分布を測定することによって行った。その面圧(体圧)分布の測定結果が図25に示されている。同図(A)は実施例1のクッション材、同図(B)は比較例1のクッション材、同図(C)は比較例2のクッション材の測定結果である。
図25より、第1の樹脂層(座骨部収納層)及び第2の樹脂層(座骨支持層)の積層体を備えた実施例1は、これら第1の樹脂層(座骨部収納層)及び第2の樹脂層(座骨支持層)の積層体を有していない比較例1、及びこの積層体の第2の樹脂層に切り込みパターンを有していない比較例2と比較して、座面全体にわたって体圧が低いと共にその変化が小さく、体圧分散性が著しく優れていることが分かる。
(第3の比較試験)
座骨を前方にずらした座位姿勢(前ずれ状態の座位姿勢)時におけるアンカーポイント(領域)における体圧分散性(体圧上昇抑制効果)を検証するため、実施例1及び比較例2のクッション材について、前ずれ状態の座位姿勢における体圧分散性能の測定を行った。この測定は、車椅子(株式会社ミキ社製の車椅子ミューフォーMYU4−22)の座面上にXSENSOR Technology Corporation製の面圧センサXSENSOR PX100.36.36.02を装着し、その上に身長170cm、体重65kg、BMI(肥満度指数)22.5の被験者を着座させ、着座5分後の面圧分布を測定することによって行った。その面圧(体圧)分布の測定結果が図26に示されている。同図(A)は実施例1のクッション材、同図(B)は比較例2のクッション材の測定結果である。
図26より、第1の樹脂層(座骨部収納層)及び第2の樹脂層(座骨支持層)の積層体を備えた実施例1は、これら第1の樹脂層(座骨部収納層)及び第2の樹脂層(座骨支持層)の積層体における第2の樹脂層に切り込みパターンを有していない比較例2と比較して、アンカー領域における最大圧は同等であるが、その最大圧の範囲は狭くなっており、アンカーポイントにおける体圧上昇抑制効果が非常に優れていることが分かる。
上述した第1〜第3の比較試験から、実施例1のクッション材によれば、比較例1及び比較例2のクッション材に比して、前ずれ抑制効果と着座時の体圧分散性能が共に優れ、しかも、座位安定性と前ずれの抑制時のアンカーポイント領域での体圧上昇を抑制する効果が優れていることが分かる。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10、C クッション材
11、21 ベース層1
12、12″ 第1の樹脂層
12a、12a″、22a、32a、42a、52a、62a、72a 穴部
12b、12b″ 開口縁部
12c、12c″ 内壁
12d、12e、12e′、22d、32d、42d、52d、62d、72d アンカーポイント
13、13″ 第2の樹脂層
13a、13a′、23a、33a、43a、53a、63a、93a、103a、113a、123a、133a、143a、153a、163a、173a、173a、193a、203a、213a、223a、233a、243a、253a、263a、273a、283a、293a、303a、313a、323a、333a、343a、353a、363a、373a、383a、393a、403a、413a、423a、433a、443a、453a、463a、473a、483a、493a、503a、513a、523a 切り込みパターン
13a″ 非貫通切り込みパターン
13b、13b′、73b、83b、153b、163b、173b、183b、213b、223b、293b、303b、313b、323b、393b、403b、413b、423b、493b、503b、513b、523b 線状貫通切り込み溝
13b″ 線状非貫通切り込み溝
13c、13c′ 突片(弁)
13c″ 溝間領域
13d 突片領域周辺部(弁周辺部)
13d″ 溝間領域周辺部
14 第3の樹脂層
14a 非貫通溝
14b ブロック要素
17 着座者
17a 座骨の周辺部
18 車椅子
18a 座面
21a 硬質部
25、35、45、55、65、75 座骨に対応する位置
26、36、46、56、66、76 尾骨に対応する位置
73e、83e 交差部
153f、163f、173f、293f、303f、313f、393f、403f、413f、493f、503f、513f 非貫通切り込み溝
183g、213g、223g、323g、423g、523g 直線状非貫通切り込み溝
F 支持架台
G デジタルフォースゲージ
P 座面当て板
S シャフト
T 台車
W 錘

Claims (21)

  1. 第1の樹脂層上に第2の樹脂層を積層した構造を備えるクッション材であって、
    前記第1の樹脂層は有底又は無底の少なくとも1つの穴部を備え、
    前記第2の樹脂層は少なくとも前記穴部に対向する領域において前記第2の樹脂層の厚み方向に貫通し所定の交差部で互いに交差する少なくとも3つの線状貫通切り込み溝から各々が構成される少なくとも1つの切り込みパターンを備え、
    前記切り込みパターンの隣接する前記線状貫通切り込み溝間の領域からなる片持ち梁状の突片及び前記突片の根元と連続する突片領域周辺部が弾性変形可能に構成されており、
    前記突片及び/又は前記突片領域周辺部は前記切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に前記穴部の開口縁部及び/又は前記穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように前記穴部に向けて弾性変形するように構成されていることを特徴とするクッション材。
  2. 前記線状貫通切り込み溝は貫通スリットで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクッション材。
  3. 2つの前記切り込みパターンが前記穴部に対向する領域内の互いに異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクッション材。
  4. 2つの前記切り込みパターンにおける前記線状貫通切り込み溝の前記交差部間の距離が110〜140mmであることを特徴とする請求項3に記載のクッション材。
  5. 前記第2の樹脂層は2つの前記切り込みパターンにおける前記線状貫通切り込み溝の交差部間を結ぶ直線に平行であると共に前記交差部から所定距離離隔した位置に形成されておりかつ前記第2の樹脂層を貫通する複数の直線状貫通切り込み溝又は前記第2の樹脂層を貫通しない直線状非貫通切り込み溝を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載のクッション材。
  6. 3つの前記切り込みパターンが前記穴部に対向する領域内の互いに異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクッション材。
  7. 前記切り込みパターンは、
    前記穴部が1つの場合に、前記穴部の中心部に対向する位置に設けられた1つの切り込みパターン、前記穴部を2分割した2つの領域のそれぞれの着座者の座骨と対向する位置に設けられた2つの切り込みパターン、又は前記穴部を3分割した3つの領域に対向する位置に設けられた3つの切り込みパターンであり、そのうち2つの切り込みパターンは着座者の座骨と対向する位置に設けられており、
    前記穴部が2つの場合に、2つの前記穴部のそれぞれの着座者の座骨と対向する位置に設けられた2つの切り込みパターンであり、
    前記穴部が3つの場合に、3つの前記穴部のそれぞれに対向する位置に設けられた3つの切り込みパターンであり、そのうち2つの切り込みパターンは着座者の座骨と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のクッション材。
  8. 前記線状貫通切り込み溝の長さが20mm以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のクッション材。
  9. 前記切り込みパターンが前記線状貫通切り込み溝の前記交差部を中心とする前記第2の樹脂層を貫通しない複数の同心円形状非貫通切り込み溝を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のクッション材。
  10. 前記切り込みパターンが前記線状貫通切り込み溝の前記交差部を中心とする前記第2の樹脂層を貫通しない複数の同心多角形状非貫通切り込み溝を備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のクッション材。
  11. 前記切り込みパターンの隣接する前記線状貫通切り込み溝間の領域に前記第2の樹脂層の厚み方向に貫通する貫通孔、又は前記第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ前記第2の樹脂層を貫通しない非貫通孔を備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のクッション材。
  12. 第1の樹脂層上に第2の樹脂層を積層した構造を備えるクッション材であって、
    前記第1の樹脂層は有底又は無底の少なくとも1つの穴部を備え、
    前記第2の樹脂層は少なくとも前記穴部に対向する領域において前記第1の樹脂層と対向する側が開口しかつ前記第2の樹脂層を貫通せず所定の交差部で互いに交差する少なくとも3つの線状非貫通切り込み溝から各々が構成される少なくとも1つの非貫通切り込みパターンを備え、
    前記非貫通切り込みパターンの隣接する前記線状非貫通切り込み溝間の溝間領域及び前記溝間領域と連続する溝間領域周辺部が弾性変形可能に構成されており、
    前記溝間領域及び/又は溝間領域周辺部は前記非貫通切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に前記穴部の開口縁部及び/又は前記穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように前記穴部に向けて弾性変形するように構成されていることを特徴とするクッション材。
  13. 前記第1の樹脂層の前記穴部が前記第1の樹脂層を貫通する無底の穴で構成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のクッション材。
  14. 前記第2の樹脂層の前記第1の樹脂層とは反対側の面に積層される第3の樹脂層をさらに備え、
    前記第3の樹脂層は前記第2の樹脂層と対向する面とは反対側の面に開口部を有する非貫通溝で区画される多数のブロック要素を有し、前記非貫通溝は前記第3の樹脂層に作用する鉛直方向の荷重がより大きな部分ほど深く形成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のクッション材。
  15. 前記第1の樹脂層の前記第2の樹脂層とは反対側の面に積層され樹脂からなるベース層をさらに備えていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のクッション材。
  16. 前記第1の樹脂層、前記第2の樹脂層及び前記ベース層の少なくとも1つは当該クッション材の前後方向の両側端部に各層を構成する樹脂に比べてより硬質の樹脂発泡体から構成される硬質部を備えていることを特徴とする請求項15に記載のクッション材。
  17. 少なくとも前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との間に接着層を介在させたことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のクッション材。
  18. 前記第1の樹脂層、前記第2の樹脂層及び前記ベース層の少なくとも1つが樹脂発泡体又は三次元網状構造体で構成されていることを特徴とする請求項15又は16に記載のクッション材。
  19. 車椅子用の座面のクッション材であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載のクッション材。
  20. マットレスのクッション材であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載のクッション材。
  21. 乗り物用シートの座面のクッション材であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載のクッション材。
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