以下、本発明の実施形態について、図面(図1〜図16)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本発明の実施形態では、図中に、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示す。Z軸は鉛直線に平行であり、X軸及びY軸は水平面に平行である。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置1について説明する。図1は、インクジェット記録装置1の構成を示す。インクジェット記録装置1は、トレイ200、第1搬送ユニット205、ヘッド部3、制御部50、ワイパー部60、第2搬送ユニット212、排出ローラー216、及びキャップユニット290を備える。インクジェット記録装置1は、「記録装置」の一例に相当する。
トレイ200は、用紙Pを収納する。トレイ200は、第1搬送ユニット205よりも用紙Pの搬送方向D0の上流側(Y軸の負方向側)に設けられる。トレイ200は、給送ローラー201を有する。給送ローラー201は、トレイ200の搬送方向D0の下流端(Y軸の正方向端)に設けられる。給送ローラー201は、トレイ200に収容された用紙Pを一枚ずつ第1搬送ユニット205へ給送する。用紙Pは、「記録媒体」の一例に相当する。
第1搬送ユニット205は、第1駆動ローラー206と、第1従動ローラー207と、第1搬送ベルト208とを含む。第1搬送ベルト208は、第1駆動ローラー206と第1従動ローラー207とに掛け渡される。第1駆動ローラー206が図略のモーターによって反時計回りに回転駆動されることによって、第1搬送ベルト208が回動する。第1従動ローラー207は、第1搬送ベルト208に従動する。第1搬送ベルト208が回動することによって、第1搬送ベルト208上に載置された用紙Pが搬送方向D0(Y軸の正方向)に搬送される。
ヘッド部3は、第1搬送ベルト208上の載置面SPに対向して配置される。載置面SPは、第1搬送ベルト208の外周面であって、用紙Pが載置される。ヘッド部3は、ヘッドハウジング18、ラインヘッド10Y、ラインヘッド10M、ラインヘッド10C及びラインヘッド10Kを含む。ヘッドハウジング18は、ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kを支持する。ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kは、それぞれ、イエロー色のインク、マゼンダ色のインク、シアン色のインク、及び、ブラック色のインクを吐出する。ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kは、用紙Pの搬送方向D0に沿って配置される。ヘッド部3によって画像が形成された用紙Pは、第2搬送ユニット212へ送出される。
第2搬送ユニット212は、第1搬送ユニット205よりも搬送方向D0の下流側に配置されている。第2搬送ユニット212は、第2駆動ローラー213と、第2従動ローラー214と、第2搬送ベルト215とを含む。第2搬送ベルト215は、第2駆動ローラー213と第2従動ローラー214とに掛け渡される。第2駆動ローラー213が図略のモーターによって反時計回りに回転駆動されることによって、第2搬送ベルト215が回動する。第2従動ローラー214は、第2搬送ベルト215に従動する。第2搬送ベルト215が回動することによって、第2搬送ベルト215上に載置された用紙Pが搬送方向D0に搬送される。
排出ローラー216は、第2搬送ユニット212よりも搬送方向D0の下流側に配置される。排出ローラー216は、画像が形成された用紙Pをインクジェット記録装置1の外部に排出する。
第2搬送ユニット212の下方にはワイパー部60及びキャップユニット290が配置されている。ワイパー部60は、ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kに付着したインクを拭き取る。キャップユニット290は、ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kのインク吐出面に装着される。具体的には、キャップユニット290は、ヘッドハウジング18、ラインヘッド10Y、ラインヘッド10M、ラインヘッド10C及びラインヘッド10Kに対応して、キャップCPY、キャップCPM、キャップCPC及びキャップCPKを含む。キャップCPY、CPM、CPC、CPKは、それぞれ、ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kのインク吐出面に装着される。以下、キャップCPY、CPM、CPC、CPKを区別して説明する必要のないときは、「キャップCP」と記載する。
制御部50は、プロセッサー51及び記憶部52を備える。プロセッサー51は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備える。記憶部52は、半導体メモリーのようなメモリーを備え、HDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。記憶部52は、制御プログラムを記憶している。
制御部50は、インクジェット記録装置1の動作を制御する。制御部50は、例えば、ワイパー部60にラインヘッド10Y、10M、10C、10Kのインク吐出面に付着したインクを拭き取らせる前に、以下の処理を行う。すなわち、制御部50は、第1搬送ユニット205を下降させ、第2搬送ユニット212の下方に(Z軸の負方向に)配置されたワイパー部60を水平移動させて、待機位置であるヘッド部3の下方に配置する。その結果、ワイパー部60は、ヘッド部3と第1搬送ユニット205との間に位置される。
制御部50は、また例えば、ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kのインク吐出面をキャッピングする前に、以下の処理を行う。すなわち、制御部50は、第1搬送ユニット205を下降させ、ワイパー部60の下方に(Z軸の負方向に)配置されたキャップユニット290を水平移動させて、ヘッド部3の下方に位置させる。さらに、制御部50は、キャップユニット290を上方に(Z軸の正方向に)移動させる。その結果、キャップユニット290のキャップCPY、CPM、CPC、CPKが、それぞれ、ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kのインク吐出面に装着される。
次に、図2を参照して、ヘッド部3の構成について説明する。図2は、ヘッド部3の構成を示す斜視図である。図2に示すように、ラインヘッド10Y、10M、10C、10Kは、それぞれ、3個の記録ヘッド10を含む。3個の記録ヘッド10は、搬送方向D0に直交する方向(ここでは、X軸方向)に沿って千鳥状に配置される。ヘッド部3は、12個の記録ヘッド10を含む。
次に、図3を参照して、記録ヘッド10について説明する。図3は、記録ヘッド10の構成を示す側面図である。図3に示すように、記録ヘッド10は、流入口13及び流出口15を有する。
流入口13は、インクが記録ヘッド10に流入する開口部である。流出口15は、インクが記録ヘッド10から流出する開口部である。画像形成処理時、又はパージ処理時に、図略のインクタンクから流入口13に流入したインクは、記録ヘッド10の内部に流入し、流出口15から流出する。
次に、図1〜図4を参照して、制御部50の構成、記録ヘッド10及びワイパー部60について説明する。図4は、制御部50の構成、記録ヘッド10及びワイパー部60を示す図である。図4に示すように、ワイパー部60は、ワイパー20及び移動機構30を含む。
記録ヘッド10はインク吐出面17を有する。記録ヘッド10は、インク吐出面17からインクNfを吐出する。具体的には、記録ヘッド10は複数のノズル11をさらに有する。インク吐出面17の中央部には、複数のノズル11が開口している。ノズル11は、インクNfを吐出する。ノズル11は、パージ処理(パージステップ)において、記録ヘッド10内の不要物と共にインクNfを排出する。「パージ処理」は、インク吐出面17にインクNfを供給するパージ動作を実行する処理を示す。また、記録ヘッド10の内部に流入したインクNfは、画像形成処理時にはノズル11から吐出され、パージ処理時にはノズル11から排出される。
また、インクジェット記録装置1は、液吐出部40を更に含む。液吐出部40は、クリーニング液Cを吐出する。液吐出部40は、液吐出部材41と傾斜部材42とを備える。液吐出部材41は、液吐出面411を有する。液吐出面411は、インク吐出面17に接続される。液吐出面411は、インク吐出面17と面一に形成される。液吐出面411には、クリーニング液Cが貯留される。
傾斜部材42は、載置面SP(図1参照)から離間する側(Z軸の正方向側)に傾斜する。傾斜部材42は、傾斜面421を有する。傾斜面421は、「液吐出面」の一部に相当する。液吐出部40については、図9及び図10を参照して詳細に説明する。
インク吐出面17は、一方端171と他方端172とを有する。一方端171は、インク吐出面17の長手方向の両端のうちの一方の端を示す。一方端171は、液吐出面411と近接する側に位置する。他方端172は、インク吐出面17の長手方向の両端のうちの他方の端を示す。他方端172は、液吐出面411から離間する側に位置する。液吐出部40は、記録ヘッド10の一方端171より外側に配置される。
また、インクジェット記録装置1は、液供給機構7を更に含む。液供給機構7は、液吐出部40にクリーニング液Cを供給する。そして、液吐出部40がクリーニング液Cを吐出する。つまり、液供給機構7は、液吐出部40を介して、液吐出面411にクリーニング液Cを供給する。
インクNfは密閉空間(図略のインクタンク)に収容されている。よって、インクNfに含有される揮発成分の蒸発が防止される。インクNfに含有される揮発成分は、外気に触れると蒸発する。その結果、ノズル11から排出されるインクNfは、空気に触れていた残留インクと比較して粘度が低い。
ワイパー20は、移動機構30によってインク吐出面17に押し当てられ、インクNfを拭き取る。また、ワイパー20は、インク吐出面17に付着した不要物(例えば、ゴミ、埃)も拭き取る。ワイパー20は、弾性を有し、平板状に形成されている。ワイパー20の2つの主面は、Y−Z平面に平行に移動機構30に配置される。ワイパー20は、例えば、EPDM(ethylene−propylene−diene terpolymer)を含む合成ゴム、又は、合成樹脂によって形成される。ワイパー20の先端(上端)は、平坦(フラット)である。
移動機構30は、制御部50の指示に従ってワイパー20を移動する。具体的には、移動機構30は、方向D1、方向D2、方向D3及び方向D4にワイパー20を移動する。方向D1及び方向D2は、Z軸に沿った方向であり、インク吐出面17に直交している。また、方向D3及び方向D4は、X軸及びインク吐出面17に沿った方向である。移動機構30の構造については、図5及び図6を参照して詳細に説明する。
クリーニング液CはインクNfと異なる。クリーニング液Cは、例えば、インクNfのうち色材を除く成分を有する溶液、又は、インクNfのうち色材を除く成分に類似する成分を有する溶液であることが好ましい。クリーニング液CがインクNfに混入した場合に、インクNfの特性に及ぼす影響が小さいからである。クリーニング液Cは、例えば、溶媒と水とを含む。クリーニング液Cは、例えば、インクNfの溶媒が好適に用いられる。クリーニング液CがインクNfに混入した場合に、インクNfの特性に及ぼす影響が小さいからである。
具体的には、クリーニング液Cは、イオン交換水とアルコール類とを含有することが好ましい。クリーニング液Cがアルコール類を含有すれば、クリーニング液Cの浸透性を高めることができる。より好ましくは、クリーニング液Cは、グリコールエーテル類を更に含有する。クリーニング液Cがグリコールエーテル類を含有すれば、クリーニング液Cの浸透性を高めることができる。クリーニング液Cは、グリセリン及び/又はグリコールを更に含有してもよい。クリーニング液Cがグリセリン及び/又はグリコールを含有すれば、クリーニング液Cの蒸発を抑制できる。また、クリーニング液Cには、界面活性剤、防腐剤、及び防かび剤のうちの全部又は一部が添加されていてもよい。
引き続き図1〜図4を参照して、第1クリーニング処理(第1クリーニングステップ)及び第2クリーニング処理(第2クリーニングステップ)について説明する。インクジェット記録装置1は、第1クリーニング処理及び第2クリーニング処理を実行する。例えば、第1クリーニング処理は定期的に実行される。例えば、第2クリーニング処理は、第1クリーニング処理の実行後であって、次の第1クリーニング処理の実行前に実行される。
「第1クリーニング処理」は、記録ヘッド10のインク吐出面17に、インクNfとクリーニング液Cとを供給して、インク吐出面17をクリーニングする処理を示す。第1クリーニング処理では、記録ヘッド10がインク吐出面17にインクNfを供給するとともに、液供給機構7が液吐出面411にクリーニング液Cを供給する。
「第2クリーニング処理」は、インク吐出面17に、インクNfを供給することなくクリーニング液Cを供給して、インク吐出面17をクリーニングする処理を示す。第2クリーニング処理では、記録ヘッド10がインク吐出面17にインクNfを供給することなく、液供給機構7が液吐出面411にクリーニング液Cを供給する。
具体的には、制御部50が第1クリーニング処理及び第2クリーニング処理を実行する。制御部50の構成について説明する。制御部50のプロセッサー51は、制御プログラムを実行することによって、第1指示部501、及び第2指示部502として機能する。
第1指示部501は、第1クリーニング処理を実行する。第1クリーニング処理は、パージ処理(パージステップ)と、第1液供給処理(第1液供給ステップ)と、第1ワイピング処理(第1ワイピングステップ)とを含む。「第1液供給処理」は、液吐出面411にクリーニング液Cを供給する処理を示す。「第1ワイピング処理」は、ワイパー20を、液吐出面411から、インク吐出面17の一方端171を経由して、インク吐出面17の他方端172まで移動させる処理を示す。「第1ワイピング処理」は、ワイパー20を、傾斜面421から、液吐出面411及びインク吐出面17の一方端171を経由して、インク吐出面17の他方端172まで移動させる処理であることが好ましい。
第2指示部502は、第2クリーニング処理を実行する。第2クリーニング処理は、第2液供給処理(第2液供給ステップ)と、第2ワイピング処理(第2ワイピングステップ)とを含む。「第2液供給処理」は、液吐出面411にクリーニング液Cを供給する処理を示す。「第2ワイピング処理」は、ワイパー20を、液吐出面411から、インク吐出面17の一方端171を経由して、インク吐出面17の他方端172まで移動させる処理を示す。「第2ワイピング処理」は、ワイパー20を、傾斜面421から、液吐出面411及びインク吐出面17の一方端171を経由して、インク吐出面17の他方端172まで移動させる処理であることが好ましい。
具体的には、第1ワイピング処理及び第2ワイピング処理の各々では、ワイパー20を傾斜面421に配置し、ワイパー20を液吐出面411に押し当てた状態で、傾斜面421から液吐出面411を経由してインク吐出面17の一方端171までワイパー20を移動させる。その後、ワイパー20をインク吐出面17に押し当てた状態で、インク吐出面17の他方端172まで移動させる。
すなわち、第1ワイピング処理及び第2ワイピング処理の各々では、移動機構30は、液吐出面411から、インク吐出面17の一方端171を経由して、インク吐出面17の他方端172までワイパー20移動させる。特に、移動機構30は、ワイパー20を、傾斜面421から、液吐出面411及びインク吐出面17の一方端171を経由して、インク吐出面17の他方端172まで移動させることが好ましい。
以上、図1〜図4を参照して説明したように、本発明の実施形態では、第1クリーニング処理において、インク吐出面17にインクNfを供給し、液吐出面411にクリーニング液Cを供給する。そして、ワイパー20を液吐出面411又はインク吐出面17に押し当てた状態で、傾斜面421から液吐出面411及びインク吐出面17の一方端171を順次経由してインク吐出面17の他方端172まで移動させる。したがって、第1クリーニング処理では、クリーニング液C及びインクNfでインク吐出面17を拭き取ることができるため、インク吐出面17の付着物を効果的に除去できる。付着物は、例えば、インク吐出面17に固着したインク、インク吐出面17に付着したインクのミスト、又は、紙粉である。インクのミストは、例えば、連続印字時に発生する可能性がある。特に、第1クリーニング処理では、インクNfでインク吐出面17を拭き取るため、インク吐出面17に固着したインクであっても比較的容易に除去できる。
第1クリーニング処理によって、インク吐出面17の付着物を除去できるため、複数のノズル11のうち、インクNfを良好に吐出できないノズル11(以下、「不吐出ノズル」と記載する。)の発生を抑制できる。その結果、用紙Pに形成する画像の品質が低下することを抑制できる。
また、第2クリーニング処理において、液吐出面411にクリーニング液Cを供給する。そして、ワイパー20を液吐出面411又はインク吐出面17に押し当てた状態で、傾斜面421から液吐出面411及びインク吐出面17の一方端171を順次経由してインク吐出面17の他方端172まで移動させる。したがって、第2クリーニング処理では、クリーニング液Cでインク吐出面17を拭き取ることができるため、インク吐出面17の付着物を除去できる。付着物は、例えば、インク吐出面17に付着したインクのミスト、又は、紙粉である。
第2クリーニング処理によって、インク吐出面17の付着物を除去できるため、不吐出ノズルの発生を更に抑制できる。その結果、用紙Pに形成する画像の品質が低下することを更に抑制できる。
さらに、第2クリーニング処理では、インクNfを供給することなく、クリーニング液Cだけでインク吐出面17を拭き取る。従って、インクNfを消費することなく、インク吐出面17をクリーニングできる。その結果、ユーザーのコスト上昇を抑制しつつ、インク吐出面17の付着物を除去して、画像の品質が低下することを抑制できる。
さらに、液吐出面411はインク吐出面17の一方端171より外側に配置されるため、クリーニング液Cを供給する流路は記録ヘッド10内に形成されない。従って、記録ヘッド10の構造を簡略化できる。その結果、クリーニング液Cを使用しつつ、簡素な構成でインク吐出面17をクリーニングすることができる。
次に、図1、図4、図5及び図6を参照して、移動機構30について詳細に説明する。図5は、移動機構30がワイパー20を下降させた状態を示す図である。図6は、移動機構30がワイパー20を上昇させた状態を示す図である。なお、図5及び図6では、図面の簡略化のため、液吐出部40の記載を省略している。また、図5及び図6では、便宜上、ラインヘッド10Kが備える3個の記録ヘッド10に対応する3個のワイパー20のみを記載している。
図5及び図6に示すように、移動機構30は、キャリッジ31、支持フレーム35、コロ36、ギャップコロ37、昇降部材38及び底部39を備える。
底部39は、昇降部材38を介して支持フレーム35を支持する。昇降部材38は、底部39上に配置され、支持フレーム35を支持し昇降する。昇降部材38は、第1昇降部材381と第2昇降部材382とを有する。第1昇降部材381は、第1リフト部材381a及び第1シャフト381bを含む。第2昇降部材382は、第2リフト部材382a及び第2シャフト382bを含む。
第1リフト部材381aは、第1シャフト381bと一体に構成される。第1シャフト381bが回転駆動されることによって、第1リフト部材381aは、第1シャフト381bと一体に回転する。また、第2リフト部材382aは、第2シャフト382bと一体に構成される。第2シャフト382bが回転駆動されることによって、第2リフト部材382aは、第2シャフト382bと一体に回転する。
第1シャフト381bは、図略のモーターによって回転駆動され、第1リフト部材381aを昇降する。第2シャフト382bは、図略のモーターによって回転駆動され、第2リフト部材382aを昇降する。第1リフト部材381a及び第2リフト部材382aの昇降に伴って、支持フレーム35が昇降される。
更に具体的には、第1シャフト381bが、図略のモーターによって回転駆動され、起立される。また、第2シャフト382bが、図略のモーターによって回転駆動され、起立される。第1シャフト381b及び第2シャフト382bが起立されることによって、第1シャフト381b及び第2シャフト382bが支持フレーム35を上昇させる。
また、第1シャフト381bが、図略のモーターによって回転駆動され、倒伏される。また、第2シャフト382bが、図略のモーターによって回転駆動され、倒伏される。第1シャフト381b及び第2シャフト382bが倒伏されることによって、第1シャフト381b及び第2シャフト382bが支持フレーム35を下降させる。
支持フレーム35は、昇降部材38によって支持される。また、支持フレーム35は、コロ36を介して、キャリッジ31をX軸方向(方向D3及び方向D4)に移動可能に支持する。コロ36は、支持フレーム35によって支持され、支持フレーム35上を回動することによって、キャリッジ31をX軸方向(方向D3及び方向D4)に移動させる。
キャリッジ31には、ギャップコロ37及びワイパー20が設けられている。ギャップコロ37は、昇降部材38によって支持フレーム35が上昇されたときに、ヘッドハウジング18に当接することで、インク吐出面17に押し当てられたワイパー20の上下方向の位置(上限位置)を一定に保持する。
次に、ワイパー20を上昇させる場合の移動機構30の動作を説明する。まず、制御部50が、図略のモーターを駆動させて、第1シャフト381bを時計回りに回転させ、第2シャフト382bを反時計回りに回転させる。そして、倒伏状態の第1リフト部材381aと第2リフト部材382aとが起立状態に変化される。その結果、図6に示すように、支持フレーム35と共にキャリッジ31、コロ36、ギャップコロ37及びワイパー20が上昇する。
図6は、図4に示す移動機構30がワイパー20を上昇させた状態を示す図である。図6に示すように、ギャップコロ37は、ヘッドハウジング18に当接することで、上昇してインク吐出面17に押し当てられたワイパー20の上下方向の位置を一定に保持する。キャリッジ31が方向D3又は方向D4に移動することによって、ワイパー20も方向D3又は方向D4に移動する。
なお、ラインヘッド10Y、10M、10Cの各々に対応する3個のワイパー20は、移動機構30によって、ラインヘッド10Kに対応する3個のワイパー20と同様の動作をする。
以上、図1、図4、図5及び図6を参照して説明したように、移動機構30によってワイパー20を昇降させ、ワイパー20を方向D3及び方向D4に移動させることができる。すなわち、移動機構30によって、ワイパー20を方向D1、方向D2、方向D3及び方向D4に移動させることができる。
次に、図1〜図4及び図7を参照して、液供給機構7の構成について説明する。図7は、液供給機構7の構成を示す図である。図7に示すように、液供給機構7は、タンク71、シリンジポンプ72、配管73、バルブ75及び送液管43を備える。液供給機構7は、液吐出部40にクリーニング液Cを供給する。配管73は、第1配管731と第2配管732とを含む。バルブ75は、第1バルブ751と第2バルブ752とを含む。液供給機構7は、制御部50の指示に従って動作する。
タンク71は、クリーニング液Cを貯留する。クリーニング液Cは、第1配管731によって、タンク71からシリンジポンプ72に供給される。液面C1は、タンク71に貯留されたクリーニング液Cの液面を示す。
第1配管731は、タンク71に貯留されたクリーニング液Cをシリンジポンプ72に供給する。第1配管731には、第1バルブ751が配置される。第2配管732は、送液管43とタンク71との間を、クリーニング液Cが流動可能となるように接続する。
シリンジポンプ72は、タンク71に貯留されたクリーニング液Cを送液管43に吐出する。シリンジポンプ72は、シリンダー721と、ピストン722とを有する。
シリンダー721は、円筒状に形成される。シリンダー721の底部には、流入口と流出口とが形成されている。
ピストン722は、円柱状又は円筒状に形成される。ピストン722の一部は、シリンダー721に挿入される。ピストン722は、制御部50の指示に従って駆動装置によって、シリンダー721の長手方向(方向D5又は方向D6)に移動される。
ピストン722が方向D5に移動すると、第1配管731と流入口とを介して、クリーニング液Cがタンク71からシリンダー721に流入する。方向D5は、シリンダー721がピストン722の底面から離間する方向を示す。ピストン722が方向D6に移動すると、流出口と送液管43とを介して、クリーニング液Cがシリンダー721から液吐出部40に供給される。方向D6は、シリンダー721がピストン722の底面に近接する方向を示す。
第1バルブ751は、第1配管731に配置される。第1バルブ751は、制御部50の指示に従って開閉される。具体的には、第1バルブ751は、ピストン722の方向D5への移動を開始する直前に開状態にされ、ピストン722の方向D5への移動が終了した直後に閉状態にされる。すなわち、ピストン722が方向D5に移動している期間中は、第1バルブ751は、開状態にされ、その他の期間では、第1バルブ751は、閉状態にされる。
第2バルブ752は、送液管43に配置される。第2バルブ752は、制御部50の指示に従って開閉される。具体的には、第2バルブ752は、ピストン722の方向D6への移動を開始する直前に開状態にされ、ピストン722の方向D6への移動が終了した直後に閉状態にされる。すなわち、ピストン722が方向D6に移動している期間中は、第2バルブ752は、開状態にされ、その他の期間では、第2バルブ752は、閉状態にされる。
以上、図1〜図4及び図7を参照して説明したように、本発明の実施形態では、シリンジポンプ72によって、液吐出部40にクリーニング液Cが供給されるため、液吐出部40に適正な液量のクリーニング液Cを供給できる。
次に、図1〜図4、図7及び図8を参照して、送液管43の構成について説明する。図8は、送液管43の構成を示す斜視図である。図8に示すように、送液管43は、第1送液管431、第2送液管432、第3送液管433及び第4送液管434を含む。また、送液管43は、分岐部44を有する。分岐部44は、第1分岐部441、第2分岐部442及び第3分岐部443を有する。液吐出部40は、12個の液吐出部(液吐出部401、液吐出部402、液吐出部403、液吐出部404、液吐出部405、液吐出部406、液吐出部407、液吐出部408、液吐出部409、液吐出部4010、液吐出部4011及び液吐出部4012)を含む。
第1送液管431は、シリンジポンプ72から供給されたクリーニング液Cを、第1分岐部441に向けて送出する。第1分岐部441は、第1送液管431と第2送液管432とを分岐する。第1送液管431には、4箇所の第1分岐部441が配置され、4本の第2送液管432が接続されている。また、第1送液管431は、シリンジポンプ72から供給されたクリーニング液Cを、4箇所の第1分岐部441を経由して、液吐出部401に送出する。
また、第1送液管431には、3箇所の第2分岐部442が配置され、3本の第3送液管433が接続されている。第2分岐部442は、第1送液管431と第3送液管433とを分岐する。第3送液管433は、クリーニング液Cを第1送液管431から、液吐出部402、液吐出部403及び液吐出部404に送出する。
第2送液管432は、クリーニング液Cを第1送液管431から液吐出部409、液吐出部4010、液吐出部4011及び液吐出部4012に送出する。また、第2送液管432には、4箇所の第3分岐部443が配置され、4本の第4送液管434が接続されている。第3分岐部443は、第2送液管432と第4送液管434とを分岐する。第4送液管434は、クリーニング液Cを第2送液管432から液吐出部405、液吐出部406、液吐出部407及び液吐出部408に送出する。
以上、図1〜図4、図7及び図8を参照して説明したように、本発明の実施形態では、送液管43が分岐部44(第1分岐部441、第2分岐部442及び第3分岐部443)を有するため、簡素な構成でクリーニング液Cを12個の液吐出部(液吐出部401〜液吐出部4012)に送出できる。
次に、図1〜図4及び図7〜図10を参照して、液吐出部40の構成について詳細に説明する。図9は、液吐出部40の構成を示す斜視図である。図9に示すように、液吐出部40は、液吐出部材41と傾斜部材42とを備える。また、液吐出部材41は、複数の吐出孔412を有する。
複数の吐出孔412は、記録ヘッド10の長手方向と直交する方向(Y軸方向)に配列される。また、複数の吐出孔412は、記録ヘッド10の長手方向に2列に配置されている。
吐出孔412は、送液管43によって液吐出部40に供給されたクリーニング液Cを液吐出面411に送出する。液吐出面411に送出されたクリーニング液Cは、液吐出面411の表面に付着した状態で保持される。
図10は、液吐出部40のX−X断面を示す断面図である。図10に示すように、液吐出部40は、液貯留部45、接続部46及び絞り部47を更に備える。
液貯留部45は、送液管43によって供給されたクリーニング液Cを貯留する。液貯留部45に貯留されたクリーニング液Cには、負圧が印加される。具体的には、液面C1(図7参照)は、液面C2より所定高さだけ低い。液面C2は、液貯留部45に貯留されたクリーニング液Cの液面を示す。所定高さは、例えば、20mm〜80mmである。
接続部46は、略円筒状に形成され、送液管43と液貯留部45との間をクリーニング液Cが流動可能に接続する。
絞り部47は、接続部46と液貯留部45との間に配置される。絞り部47のクリーニング液Cの流路は、送液管43のクリーニング液Cの流路、及び接続部46のクリーニング液Cの流路と比較して狭い。絞り部47におけるクリーニング液Cの流路は、例えば、送液管43の流路及び接続部46の流路の1/10〜1/50の断面積を有する。
以上、図1〜図4及び図7〜図10を参照して説明したように、本発明の実施形態では、送液管43(分岐部44)と液貯留部45との間に配置され、クリーニング液Cの流路が送液管43と比較して狭い絞り部47が配置されている。よって、12個の記録ヘッド10の各々に配置された液貯留部45と分岐部44との間の送液管43内のクリーニング液Cの圧力を互いに同一値にできる。したがって、複数の記録ヘッド10の各々に配置された液貯留部45にクリーニング液Cを均等に供給できる。
更に、液貯留部45に貯留されたクリーニング液Cには負圧が印加されるため、クリーニング液Cが自然に滴下することを抑制できる。
また、液面C1は、液面C2より所定高さだけ低いため、液貯留部45に貯留されたクリーニング液Cに簡素な構成で負圧を印加できる。また、所定高さを調整することによって、負圧の強さを簡素な構成で調整できる。
なお、本発明の実施形態では、絞り部47が接続部46と液貯留部45との間に配置されるが、本発明はこれに限定されない。絞り部47が分岐部44と液貯留部45との間に配置されればよい。例えば、接続部46の長手方向(Z軸方向)の中央部に絞り部47が配置されてもよい。
次に、図4、図11、及び図12を参照して、第1クリーニング処理でのワイパー20の動作について説明する。図11(a)〜図11(d)、図12(a)、及び図12(b)は、第1クリーニング処理でのワイパー20の動作を示す図である。第1クリーニング処理では、第1指示部501が、パージ処理、第1液供給処理、及び第1ワイピング処理を実行する。制御部50(第1指示部501)の指示に応じて移動機構30が動作することによって、ワイパー20は、以下に説明するように動作する。また、記録ヘッド10及び液供給機構7も制御部50(第1指示部501)の指示に応じて、以下に説明するように動作する。
図11(a)に示すように、初期状態では、ワイパー20は、下限位置にある。また、ワイパー20は、傾斜面421の下方に位置する。具体的には、ワイパー20は、X座標がXAである第2位置PT2に配置される。そして、第2位置PT2からワイパー20を方向D1に移動する(上昇する)。第2位置PT2のX座標を示すXAの値は、傾斜面421の一方端(X軸の正方向端)のX座標の値より小さく、傾斜面421の他方端(X軸の負方向端)のX座標の値より大きい。
記録ヘッド10は、インク吐出面17にインクNfを供給するパージ動作を実行する。そして、インク吐出面17にインクNfが溜まる。また、液供給機構7は、液吐出部40にクリーニング液Cを供給する。そして、液吐出面411の第1位置PT1にクリーニング液Cが溜まる。第1位置PT1は、液吐出面411上の位置を示す。具体的には、第1位置PT1は、液吐出面411にクリーニング液Cが溜まる位置を示す。
そして、図11(b)に示すように、ワイパー20は、上限位置に到達して停止する。ワイパー20が上限位置に到達した状態では、ワイパー20の先端(上端)は、傾斜面421には当接していない。
次に、ワイパー20は、方向D3に移動する。そして、ワイパー20の先端が、傾斜面421に当接する。ワイパー20は、更に方向D3に移動する。その結果、図11(c)に示すように、ワイパー20の先端が曲げられる。ワイパー20は、先端が曲げられた状態で、液吐出面411に押圧される。ワイパー20は、液吐出面411に押圧された状態で、更に方向D3に移動する。
そして、ワイパー20の先端は、液吐出面411に押圧された状態で、液吐出面411を摺動する。その結果、図11(d)に示すように、液吐出面411に溜まっていたクリーニング液Cがワイパー20によって拭き取られる。ワイパー20の先端にクリーニング液Cを保持した状態で、ワイパー20は更に方向D3に移動する。そして、ワイパー20の先端がインク吐出面17に押し当てられた状態で、ワイパー20は、インク吐出面17の一方端171から、他方端172まで方向D3に移動する。その結果、インク吐出面17に溜まっていたインクNfは、ワイパー20によって拭き取られる。
そして、図12(a)に示すように、ワイパー20は、他方端172に押し当てられた状態にある。次に、ワイパー20は、方向D2に下限位置まで移動される。
その結果、図12(b)に示すように、ワイパー20は、他方端172の下方に位置する。
以上、図4、図11、及び図12を参照して説明したように、本発明の実施形態では、ワイパー20の先端にクリーニング液Cを保持し、ワイパー20の先端がインク吐出面17に押し当てられた状態で、ワイパー20は、インク吐出面17の一方端171から、他方端172まで方向D3に移動する。したがって、第1クリーニング処理では、ノズル11は、インクNfとクリーニング液Cとが混合した液体で拭き取られるため、ノズル11に付着した汚れを効果的に除去できる。
また、傾斜面421は、液吐出面411に連接され、載置面SPから離間する側に傾斜する。よって、傾斜面421に側方からワイパー20を方向D3に移動し、ワイパー20の先端を傾斜部材42に当接して、ワイパー20の先端をスムーズに曲げることができる。したがって、ワイパー20の先端の座屈を抑制できる。
次に、図4、図12、及び図13を参照して、第2クリーニング処理でのワイパー20の動作について説明する。図13(a)〜図13(d)は、第2クリーニング処理でのワイパー20の動作を示す図である。第2クリーニング処理では、第2指示部502が、第2液供給処理及び第2ワイピング処理を実行する。制御部50(第2指示部502)の指示に応じて移動機構30が動作することによって、ワイパー20は、以下に説明するように動作する。また、液供給機構7も制御部50(第2指示部502)の指示に応じて、以下に説明するように動作する。
図13(a)に示すように、初期状態では、ワイパー20は、下限位置にある。また、ワイパー20は、傾斜面421の下方に位置する。具体的には、ワイパー20は第2位置PT2に配置される。そして、第2位置PT2からワイパー20を方向D1に移動する(上昇する)。
液供給機構7は、液吐出部40にクリーニング液Cを供給する。そして、液吐出面411の第1位置PT1にクリーニング液Cが溜まる。ワイパー20を方向D1に移動する(上昇する)。
そして、図13(b)に示すように、ワイパー20は、上限位置に到達して停止する。ワイパー20が上限位置に到達した状態では、ワイパー20の先端(上端)は、傾斜面421には当接していない。
次に、ワイパー20は、方向D3に移動する。そして、ワイパー20の先端が、傾斜面421に当接する。ワイパー20は、更に方向D3に移動する。その結果、図13(c)に示すように、ワイパー20の先端が曲げられる。ワイパー20は、先端が曲げられた状態で、液吐出面411に押圧される。ワイパー20は、液吐出面411に押圧された状態で、更に方向D3に移動する。
そして、ワイパー20の先端は、液吐出面411に押圧された状態で、液吐出面411を摺動する。その結果、図11(d)に示すように、液吐出面411に溜まっていたクリーニング液Cがワイパー20によって拭き取られる。ワイパー20の先端にクリーニング液Cを保持した状態で、ワイパー20は更に方向D3に移動する。そして、ワイパー20の先端がインク吐出面17に押し当てられた状態で、ワイパー20は、インク吐出面17の一方端171から、他方端172まで方向D3に移動する。その結果、インク吐出面17は、ワイパー20によって拭き取られる。
そして、図12(a)に示すように、ワイパー20は、他方端172に押し当てられた状態にある。次に、ワイパー20は、方向D2に下限位置まで移動される。
その結果、図12(b)に示すように、ワイパー20は、他方端172の下方に位置する。
以上、図4、図12、及び図13を参照して説明したように、本発明の実施形態では、ワイパー20の先端にクリーニング液Cを保持し、ワイパー20の先端がインク吐出面17に押し当てられた状態で、ワイパー20は、インク吐出面17の一方端171から、他方端172まで方向D3に移動する。したがって、第2クリーニング処理では、ノズル11は、クリーニング液Cで拭き取られるため、インクNfを消費することなく、ノズル11に付着した汚れを除去できる。また、第1クリーニング処理と同様に、第2クリーニング処理では、ワイパー20の先端の座屈を抑制できる。
次に、図4及び図14を参照して、制御部50が実行する「記録ヘッド10のクリーニング方法」を説明する。図14は、記録ヘッド10のクリーニング方法を示すフローチャートである。図14に示すように、クリーニング方法は、ステップS1〜ステップS25を含む。
まず、ステップS1において、第1指示部501は、記録ヘッド10のインク吐出面17へのキャップCPの未装着時間T1(以下、「第1未装着時間T1」と記載する。)に「ゼロ」を代入する。第1未装着時間T1は、第1クリーニング処理の実行タイミングを決定するために使用され、第1クリーニング処理の実行タイミングを決定するための変数を示す。具体的には、第1未装着時間T1は、インク吐出面17にキャップCPが装着されていない時間の累積時間を示す。また、第1未装着時間T1は、用紙Pに画像を形成するジョブが実行されている時間とみなすことができる。第1未装着時間T1は、インク吐出面17にキャップCPが装着されていない時間だからである。
次に、ステップS3において、第1指示部501は、第1未装着時間T1の計測を開始する。
次に、ステップS5において、第1指示部501は、第1未装着時間T1が第1所定時間TH1以上になったか否かを判定する。
第1未装着時間T1が第1所定時間TH1以上になっていないと第1指示部501が判定した場合(ステップS5でNO)には、処理がステップS5に戻る。第1未装着時間T1が第1所定時間TH1以上になったと第1指示部501が判定した場合(ステップS5でYES)には、処理がステップS7に進む。
次に、ステップS7において、第1指示部501は、液供給機構7、記録ヘッド10、及び移動機構30を制御して、インクNf及びクリーニング液Cによる第1クリーニング処理を実行する。ステップS7が「第1クリーニングステップ」の一例に相当する。
次に、ステップS9において、第1指示部501は、第1未装着時間T1に「ゼロ」を代入する。
次に、ステップS11において、第1指示部501は、第1未装着時間T1の計測を開始する。
次に、ステップS13において、第2指示部502は、記録ヘッド10のインク吐出面17へのキャップCPの未装着時間T2(以下、「第2未装着時間T2」と記載する。)に「ゼロ」を代入する。第2未装着時間T2は、第2クリーニング処理の実行タイミングを決定するために使用され、第2クリーニング処理の実行タイミングを決定するための変数を示す。具体的には、第2未装着時間T2は、インク吐出面17にキャップCPが装着されていない時間の累積時間を示す。また、第2未装着時間T2は、用紙Pに画像を形成するジョブが実行されている時間とみなすことができる。第2未装着時間T2は、インク吐出面17にキャップCPが装着されていない時間だからである。
次に、ステップS15において、第2指示部502は、第2未装着時間T2の計測を開始する。
次に、ステップS17において、第2指示部502は、第2未装着時間T2が第2所定時間TH2以上になったか否かを判定する。第2所定時間TH2は、第1所定時間TH1よりも短い。例えば、第2所定時間TH2は15分であり、第1所定時間TH1は60分である。
第2未装着時間T2が第2所定時間TH2以上になっていないと第2指示部502が判定した場合(ステップS17でNO)には、処理がステップS17に戻る。第2未装着時間T2が第2所定時間TH2以上になったと第2指示部502が判定した場合(ステップS17でYES)には、処理がステップS19に進む。
次に、ステップS19において、第2指示部502は、液供給機構7及び移動機構30を制御して、クリーニング液Cによる第2クリーニング処理を実行する。ステップS19が「第2クリーニングステップ」の一例に相当する。
次に、ステップS21において、第2指示部502は、第2未装着時間T2に「ゼロ」を代入する。
次に、ステップS23において、第2指示部502は、第2未装着時間T2の計測を開始する。
次に、ステップS25において、第1指示部501は、第1未装着時間T1が第1所定時間TH1以上になったか否かを判定する。
第1未装着時間T1が第1所定時間TH1以上になっていないと第1指示部501が判定した場合(ステップS25でNO)には、処理がステップS17に戻る。第1未装着時間T1が第1所定時間TH1以上になったと第1指示部501が判定した場合(ステップS25でYES)には、処理がステップS7に戻る。
以上、図4及び図14を参照して説明したように、本発明の実施形態によれば、第1クリーニング処理では、インクNfとクリーニング液Cとを使用するため、ノズル11への付着物を効果的に除去できる(ステップS7)。また、第2クリーニング処理では、クリーニング液Cだけを使用するため、インクNfを消費することなく、ノズル11への付着物を除去できる(ステップS19)。
また、クリーニング方法では、複数回Kの第1クリーニング処理を実行する。加えて、クリーニング方法は、複数回Kの第1クリーニング処理のうち、第k回目の第1クリーニング処理の実行後であって、第(k+1)回目の第1クリーニング処理の実行前に、第2クリーニング処理を実行する(ステップS19)。従って、複数回Kの第1クリーニング処理だけを実行する場合と比較して、インクNfの消費量を増加させることなく、ノズル11への付着物を更に除去できる。「K」は、2以上の整数を示す。「k」は、「K」よりも小さい1以上の整数を示す。
さらに、第k回目の第1クリーニング処理の実行後であって、第(k+1)回目の第1クリーニング処理の実行前に、複数回Mの第2クリーニング処理を実行する(ステップS19)。従って、1回だけ第2クリーニング処理を実行する場合と比較して、ノズル11への付着物を更に除去できる。「M」は、2以上の整数を示す。
さらに、インク吐出面17へのキャップCPの未装着時間(具体的には第1未装着時間T1)が第1所定時間TH1以上になった場合に(ステップS5又はステップS25でYES)、第1クリーニング処理を実行する(ステップS7)。加えて、第1クリーニング処理の実行後において、キャップCPの未装着時間(具体的には第2未装着時間T2)が第2所定時間TH2以上になった場合に(ステップS15の直後のステップS17でYES)、第2クリーニング処理を実行する(ステップS19)。従って、キャップCPの未装着時間に応じて、つまり、用紙Pに画像を形成するジョブを実行した時間に応じて、第1クリーニング処理及び第2クリーニング処理を実行できる。特に、第1所定時間TH1が第2所定時間TH2よりも長いため、第1所定時間TH1が第2所定時間TH2よりも短い場合と比較して、インクNfの消費量を抑制できる。
さらに、第2クリーニング処理の実行後において、キャップCPの未装着時間(具体的には第1未装着時間T1)が第2所定時間TH2以上になった場合に(ステップS25でNOの後のステップS17でYES)、第2クリーニング処理を再び実行する(ステップS19)。従って、インクNfを消費することなしに、1回だけ第2クリーニング処理を実行する場合と比較して、ノズル11への付着物を更に除去できる。
次に、図4、図14、及び図15を参照して、第1クリーニング処理を説明する。図15は、図14のステップS7の第1クリーニング処理を示すフローチャートである。第1クリーニング処理の初期状態では、ワイパー20は、下限位置にある。また、ワイパー20は、第2位置PT2に位置する。
図15に示すように、まず、ステップS101において、記録ヘッド10は、インク吐出面17にインクNfを供給するパージ動作を実行する。ステップS101が「パージステップ」の一例に相当する。
次に、ステップS103において、液供給機構7が液吐出面411にクリーニング液Cを供給する。ステップS103が「第1液供給ステップ」の一例に相当する。
次に、ステップS105において、移動機構30がワイパー20を方向D1に上限位置まで移動する(上昇する)。
次に、ステップS107において、移動機構30がワイパー20を方向D3に移動する。
次に、ステップS109において、第1指示部501が、ワイパー20が記録ヘッド10の他方端172に到達したか否かを判定する。
ワイパー20が記録ヘッド10の他方端172に到達していないと第1指示部501が判定した場合(ステップS109でNO)には、処理がステップS107に戻る。ワイパー20が記録ヘッド10の他方端172に到達したと第1指示部501が判定した場合(ステップS109でYES)には、処理がステップS111に進む。
そして、ステップS111において、移動機構30がワイパー20の移動を停止する。ステップS107〜ステップS111が「第1ワイピングステップ」の一例に相当する。
次に、ステップS113において、移動機構30がワイパー20を方向D2に下限位置まで移動する(下降する)。
次に、ステップS115において、移動機構30が、ワイパー20を方向D4に移動し、ワイパー20を第2位置PT2で停止させる。
以上、図4、図14、及び図15を参照して説明したように、本発明の実施形態では、クリーニング液Cは、記録ヘッド10のインク吐出面17接続される液吐出面411に供給される(ステップS103)。つまり、クリーニング液Cは、記録ヘッド10の外部に形成された液吐出面411に供給される。従って、クリーニング液Cを供給する流路が記録ヘッド10内に形成されず、記録ヘッド10の構造を簡略化できる。その結果、第1クリーニング処理では、クリーニング液Cを使用しつつ、簡素な構成でインク吐出面17をクリーニングすることができる。
また、第1クリーニング処理では、インクNfとクリーニング液Cとを使用して(ステップS101及びステップS103)、ワイパー20がインク吐出面17をワイピングする(ステップS107〜ステップS111)。したがって、インク吐出面17の付着物を効果的に除去できる。
次に、図4、図14、及び図16を参照して、第2クリーニング処理を説明する。図16は、図14のステップS19の第2クリーニング処理を示すフローチャートである。第2クリーニング処理の初期状態では、ワイパー20は、下限位置にある。また、ワイパー20は、第2位置PT2に位置する。
図16に示すように、まず、ステップS201において、液供給機構7が液吐出面411にクリーニング液Cを供給する。ステップS201が「第2液供給ステップ」の一例に相当する。
次に、ステップS203において、移動機構30がワイパー20を方向D1に上限位置まで移動する(上昇する)。
次に、ステップS205において、移動機構30がワイパー20を方向D3に移動する。
次に、ステップS207において、第2指示部502が、ワイパー20が記録ヘッド10の他方端172に到達したか否かを判定する。
ワイパー20が記録ヘッド10の他方端172に到達していないと第2指示部502が判定した場合(ステップS207でNO)には、処理がステップS205に戻る。ワイパー20が記録ヘッド10の他方端172に到達したと第2指示部502が判定した場合(ステップS207でYES)には、処理がステップS209に進む。
そして、ステップS209において、移動機構30がワイパー20の移動を停止する。ステップS205〜ステップS209が「第2ワイピングステップ」の一例に相当する。
次に、ステップS211において、移動機構30がワイパー20を方向D2に下限位置まで移動する(下降する)。
次に、ステップS213において、移動機構30が、ワイパー20を方向D4に移動し、ワイパー20を第2位置PT2で停止させる。
以上、図4、図14、及び図16を参照して説明したように、本発明の実施形態では、クリーニング液Cは液吐出面411に供給される(ステップS201)。従って、第1クリーニング処理と同様に、第2クリーニング処理では、クリーニング液Cを使用しつつ、簡素な構成でインク吐出面17をクリーニングすることができる。
また、第2クリーニング処理では、クリーニング液Cを使用して(ステップS201)、ワイパー20がインク吐出面17をワイピングする(ステップS205〜ステップS209)。したがって、インクNfを消費することなく、インク吐出面17の付着物を除去できる。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(6))。図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上、実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、記録装置がインクジェット記録装置1であるが、本発明はこれに限定されない。記録装置が、インクを吐出して記録媒体に画像を形成すればよい。
(2)図2を参照して説明したように、本発明の実施形態では、インクジェット記録装置1が備える記録ヘッド10の個数が12個であるが、本発明はこれに限定されない。インクジェット記録装置1が備える記録ヘッド10の個数は、1個以上であればよい。例えば、インクジェット記録装置1が備える記録ヘッド10の個数が、2個でもよい。
(3)図4を参照して説明したように、本発明の実施形態では、液吐出部40が配置される位置が記録ヘッド10の一方端であるが、本発明はこれに限定されない。液吐出部40が配置される位置は、記録ヘッド10の長手方向の端部であればよい。例えば、液吐出部40が配置される位置が、記録ヘッド10の長手方向の両端部でもよい。
(4)図9を参照して説明したように、本発明の実施形態では、液供給機構7が液吐出面411にクリーニング液Cを送出する出口は複数の吐出孔412であるが、本発明はこれに限定されない。液供給機構7が液吐出面411にクリーニング液Cを送出する出口があればよい。例えば、液供給機構7が液吐出面411にクリーニング液Cを送出する出口が、液吐出部材41に形成されたスリットでもよい。
(5)図11を参照して説明したように、本発明の実施形態では、移動機構30が傾斜面421を経由してワイパー20を液吐出面411に押し当てるが、本発明はこれに限定されない。例えば、移動機構30が傾斜面421を経由せずにワイパー20を液吐出面411に押し当ててもよい。
(6)図14を参照して説明したように、本発明の実施形態では、第1未装着時間T1及び第2未装着時間T2に基づいて第1クリーニング処理及び第2クリーニング処理の実行タイミングを決定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1クリーニング処理を第1所定時間間隔で繰り返し実行し、第1クリーニング処理の実行後であって、次の第1クリーニング処理の実行前に、第2クリーニング処理を第2所定時間間隔で繰り返し実行してもよい。例えば、第1所定時間間隔は第2所定時間間隔よりも長い。