JP6900742B2 - トウプリプレグの製造方法および繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
強化繊維で補強された圧力容器は、主にタッチロールを用いて強化繊維束に熱硬化性樹脂を付着させ、ライナーの外側に巻き付けた後、加熱硬化させるフィラメントワインディング法(FW法)により作製されている。タッチロールによる強化繊維への樹脂の塗工では、タッチロール上の強化繊維のトウ幅の変動や、温度変化による樹脂の粘度変化などにより、強化繊維束に定量の樹脂を塗布することが難しい。また、タッチロールでは樹脂を強化繊維束に完全に含浸させることは難しい。
以上のように、FW法、引き抜き成型法、および従来のトウプリプレグの製造方法では、強化繊維束に樹脂を塗布し含浸させる機構の課題により、樹脂を高精度に塗布し、かつ含浸させることが難しかったため、高い生産性でFW成型体、引き抜き成型体およびトウプリプレグを得ることが難しい。
[1]長尺の複数の強化繊維が束ねられた1本もしくは2本以上の強化繊維束に樹脂組成物を含浸させる樹脂含浸装置であって、
内部に前記樹脂組成物が収容される収容部が形成された樹脂含浸部を備え、
前記樹脂含浸部に、前記樹脂組成物を供給する樹脂供給部と、前記樹脂組成物を排出する樹脂排出部とが設けられ、
前記樹脂含浸部には、前記強化繊維束が導入される導入側開口部と、前記強化繊維束が導出される導出側開口部とが形成され、
前記導入側開口部の開口面積(mm2)をSA、前記導出側開口部の開口面積(mm2)をSBとしたとき、SB/SAが0.5〜1.2であり、
前記導入側開口部から前記収容部に導入された前記強化繊維束に前記樹脂組成物が含浸され、前記樹脂組成物が含浸された前記強化繊維束が前記導出側開口部から導出される、樹脂含浸装置。
[2]前記樹脂含浸部に、前記樹脂組成物を供給する樹脂供給部と、前記樹脂組成物を排出する樹脂排出部とが設けられ、
前記樹脂供給部および前記樹脂排出部と連通し、前記樹脂含浸部内の収容部に前記樹脂組成物を循環させる樹脂循環部を備える、[1]に記載の樹脂含浸装置。
[3][1]または[2]に記載の樹脂含浸装置を用い、長尺の複数の強化繊維が束ねられた1本もしくは2本以上の強化繊維束を前記導入側開口部から前記樹脂含浸部内の前記収容部に導入し、前記導出側開口部から導出して、前記収容部を通過させながら前記収容部に収容された樹脂組成物を含浸させてトウプリプレグを得るトウプリプレグの製造方法であって、
前記導入側開口部から前記収容部に導入される前の前記強化繊維束の長さ方向に垂直な断面積(mm2)をSFとしたとき、SF/SAが0.2〜1.0であり、
前記収容部から前記樹脂排出部を通じて排出される前記樹脂組成物の量(g/分)をW1、前記樹脂供給部を通じて前記収容部に供給される前記樹脂組成物の量(g/分)をW2としたとき(W1+W2)/W2が1.03〜2.00であり、
前記樹脂組成物を包含した前記強化繊維束の前記導出側開口部直前の幅および厚みを含んだ全長をLF(mm)、導出側開口部のもっとも狭い部分の幅および厚みを含んだ全長をLsb(mm)としたとき、0.9≦LF/Lsb≦3.0を満たす、トウプリプレグの製造方法。
[4][1]または[2]に記載の樹脂含浸装置を用い、長尺の複数の強化繊維が束ねられた1本もしくは2本以上の強化繊維束に樹脂組成物を前記導入側開口部から前記樹脂含浸部内の前記収容部に導入し、前記導出側開口部から導出して、前記収容部を通過させながら前記収容部に収容された含浸させ、フィラメントワインディング法もしくは引き抜き成型法により繊維強化複合材料を得る、繊維強化複合材料の製造方法であって、
前記導入側開口部から前記収容部に導入される前の前記強化繊維束の長さ方向に垂直な断面積(mm2)をSFとしたとき、SF/SAが0.2〜1.0であり、
前記収容部から前記樹脂排出部を通じて排出される前記樹脂組成物の量(g/分)をW1、前記樹脂供給部を通じて前記収容部に供給される前記樹脂組成物の量(g/分)をW2としたとき、(W1+W2)/W2が1.03〜2.00であり、
前記樹脂組成物を包含した前記強化繊維束の前記導出側開口部直前の幅および厚みを含んだ全長をLF(mm)、導出側開口部のもっとも狭い部分の幅および厚みを含んだ全長をLsb(mm)としたとき、0.9≦LF/Lsb≦3.0を満たす、繊維強化複合材料の製造方法。
[5]前記強化繊維束が、引張強度が4GPa以上、引張弾性率が200GPa以上の炭素繊維束である、[4]に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
本発明の樹脂含浸装置は、長尺の複数の強化繊維が束ねられた1本もしくは2本以上の強化繊維束に樹脂組成物を含浸させる樹脂含浸装置である。本発明の樹脂含浸装置は、強化繊維束に樹脂組成物が含浸されたトウプリプレグの製造の他、該トウプリプレグを樹脂製のライナーの外側にFW法により巻き付けて硬化させる圧力容器の製造、該トウプリプレグを引き抜き成型金型に通して硬化させる引き抜き成型体の製造等に利用することができる。
本発明の樹脂含浸装置では、導入側開口部から導入された強化繊維束に樹脂組成物が含浸され、樹脂組成物が含浸された強化繊維束が前記導出側開口部から導出されるようになっている。
本実施形態の樹脂含浸装置1は、図1に示すように、樹脂含浸部10と、樹脂循環部12と、開繊部14とを備えている。
樹脂含浸部10の大きさは、特に限定されず、樹脂含浸部10の形状や、樹脂組成物Xの粘度や強化繊維束Fの本数等に応じて適宜設定すればよい。
樹脂含浸部10においては、長尺の強化繊維束Fが導入側開口部16から樹脂含浸部10内の収容部11へと連続的に導入され、その強化繊維束Fが導出側開口部18を通じて樹脂含浸部10の外側に連続的に導出されるようになっている。そして、導入側開口部16から収容部11に導入された強化繊維束Fには樹脂組成物Xが塗布および含浸され、樹脂組成物Xが含浸された状態の強化繊維束Fが導出側開口部18から導出される。
導入側開口部16から導入される強化繊維束Fは1本でも2本以上の複数本でも構わない。
樹脂含浸部10における導入側開口部16と導出側開口部18の数は、使用する強化繊維束の必要本数に応じ適宜設定できる。
導入側開口部16および導出側開口部18の断面形状は、同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
本発明ではこのように、樹脂含浸部が、導出側開口部により、収容部を通過する強化繊維束への樹脂組成物の付着量を調整する機能を備えている。
樹脂含浸装置で形成されたトウプリプレグをそのままFW法に使用する場合、SB/SAは、0.6〜1.1がより好ましく、0.65〜1.05がさらに好ましい。
樹脂含浸装置で形成されたトウプリプレグをそのまま引き抜き成型に使用する場合、SB/SAは、0.5〜1.05がより好ましい。
また、SB/SAは、同一の強化繊維束の導入および導出に関わる対応する導入側開口部と導出側開口部との間の開口面積の比率である。対応する導入側開口部および導出側開口部が複数ある場合、それら各々の導入側開口部および導出側開口部について、SB/SAが前記範囲を満たす。複数の導入側開口部から導入した強化繊維束をまとめて1つの導出側開口部から導出している場合のSB/SAは、複数の導入側開口部の開口面積の合計に対する導出側開口部の開口面積の比とする。また、一つの導入側開口部に複数の強化繊維束Fを導入し、複数の導出側開口部から強化繊維束を導出する場合は、SBとして複数の導出側開口部の開口面積の合計を用いる。
樹脂供給部20および樹脂排出部22における流路の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形状、矩形状、三角形状等が挙げられるが、市販の液状体輸送用のパイプもしくはチューブが適用できるため円形状が好ましい。
樹脂貯留槽26としては、樹脂組成物を貯留できる貯留槽であればよく、公知のタンク等を使用することができる。樹脂貯留槽26としては、樹脂組成物に混入している空気が排出されやすい開放系の貯留槽であることが好ましい。また、樹脂組成物に混入した空気を積極的に排出するため、樹脂貯留槽26が撹拌翼と減圧装置を具備することがさらに好ましい。また樹脂貯留槽26は、樹脂組成物を送液や循環しやすくするために、加温する設備を具備しても構わない。
第1経路28、第2経路30および第3経路32としては、特に限定されず、例えば、公知の配管やパイプ、チューブを使用することができる。
本発明の樹脂含浸装置は、このように、樹脂含浸部に、樹脂組成物を供給する樹脂供給部と、樹脂組成物を排出する樹脂排出部とが設けられ、さらに樹脂供給部および樹脂排出部と連通し、樹脂含浸部内の収容部に樹脂組成物を循環させる樹脂循環部を備えていることが好ましい。
SfR/SBは、2〜1であることが好ましく、1.5〜1であることがより好ましく、1.3〜1.0であることがさらに好ましい。この範囲の上限を超えると、樹脂を包含した強化繊維束Fに、導出側開口部を通過する際に強い摩擦力が生じ、強化繊維束Fに毛羽や強度発現に影響する傷が生じる可能性がある。この範囲の下限未満であると、強化繊維束Fに付与する樹脂含有量を制御することが難しくなる可能性がある。
これに対して、本発明の樹脂含浸装置においては、樹脂含浸部に導入側開口部と導出側開口部とが形成され、導出側開口部の開口面積SBに対する導入側開口部の開口面積SAの比(SB/SA)が特定の範囲に制御されている。そのため、導出側開口部を通じて強化繊維束が導出される際に、余分に付着した樹脂組成物が導出側開口部で削ぎ落とされることで、得られるトウプリプレグの樹脂含浸率を高精度に制御することができる。
本発明のトウプリプレグの製造方法は、長尺の複数の強化繊維が束ねられた強化繊維束に樹脂組成物を含浸させてトウプリプレグを製造する方法である。本発明のトウプリプレグの製造方法では、本発明の樹脂含浸装置を用い、1本もしくは2本以上の強化繊維束を導入側開口部から樹脂含浸部内の収容部に導入し、導出側開口部から導出して、収容部を通過させながら収容部内に収容された樹脂組成物を強化繊維束に含浸させてトウプリプレグを得る。
以下、本発明のトウプリプレグの製造方法の一例として、前記した樹脂含浸装置1を用いてトウプリプレグを製造する方法について説明する。
製造装置100は、長尺の強化繊維束Fが巻き回されたボビン110と、樹脂含浸装置1と、複数のガイドロール112と、製造されたトウプリプレグPを巻き取る巻取り機114とを備えている。
(1)導入側開口部16から収容部11に導入される前の強化繊維束Fの長さ方向に垂直な断面積SF(mm2)に対する、導入側開口部16の開口面積SA(mm2)の比(SA/SF)が0.2〜1.0である。
(2)収容部11から樹脂排出部22を通じて排出される前記樹脂組成物の量(g/分)をW1、樹脂供給部20を通じて収容部11に供給される前記樹脂組成物の量(g/分)をW2としたとき、(W1+W2)/W2が1.03〜2.00である。
(3)樹脂組成物Xを包含した強化繊維束Fの導出側開口部18直前の幅および厚みを含んだ全長をLF(mm)、導出側開口部のもっとも狭い部分の幅および厚みを含んだ全長をLsb(mm)としたとき、0.9≦LF/Lsb≦3.0を満たす。
炭素繊維としては、高い弾性率が得られやすい点ではピッチ系炭素繊維が好ましく、高い強度が得られやすい点ではPAN系炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
強化繊維束の目付は限定されない。強化繊維束の目付およびフィラメント数に応じて導入側開口部および導出側開口部の面積、形状を設定することができる。
強化繊維束には、通常、収束性を高める目的でサイズ剤が付与されている。サイズ剤としては、特に限定されず、公知のサイズ剤を使用することができる。
なお、強化繊維束の引張弾性率は、JIS R 7601:1986に準拠して測定される値である。
なお、樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂を含む組成物であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、BTレジン、尿素性樹脂、メラミン樹脂、イミド系樹脂等が挙げられる。なかでも、機械的特性や取り扱い性から、エポキシ樹脂が好適に使用できるがこれに限定されるのもではない。熱硬化性樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、それぞれの樹脂に適した硬化剤を1種類以上用いることができる。さらに、耐衝撃性や樹脂フローを制御する目的で熱可塑性樹脂を適宜添加、併用しても構わない。
なお、樹脂組成物の40℃における粘度は、B型粘度計により測定される。
本発明のトウプリプレグの製造方法においては、樹脂含浸装置における樹脂含浸部の下流側にトウプリプレグを加熱しながら搬送する加熱ロールを備えるトウプリプレグの製造装置を用いる方法であってもよい。加熱ロールを用いることにより、樹脂組成物がより効率的に強化繊維束の内部まで充分に含浸されやすくなる。樹脂含浸装置における樹脂含浸部の下流側に加熱ロールを設ける場合、加熱ロールの数は、特に限定されず、1個であってもよく、2個以上であってもよい。加熱ロールの数は、2個以上が好ましい。
本発明の樹脂含浸装置を用い、条件(1)〜(3)を満たした状態で製造したトウプリプレグは、巻取り機等に巻き取らずにそのままFW法や引き抜き成型法による繊維強化複合材料の製造方法に利用してもよい。
例えば、本発明の樹脂含浸装置を用い、条件(1)〜(3)を満たした状態で製造したトウプリプレグをそのままFW法を利用した圧力容器(繊維強化複合材料)の製造方法に利用してもよい。該圧力容器の製造方法の具体例としては、例えば、図3に例示した圧力容器の製造装置200を用いる方法が挙げられる。図3における図2と同じ部分は同符合を付して説明を省略する。
本実施形態の引き抜き成型体の製造装置300(以下、単に「製造装置300」ともいう。)は、長尺の強化繊維束Fが巻き回されたボビン110と、樹脂含浸装置1と、複数のガイドロール112と、引き抜き成型金型122と、引取り機124とを備えている。
引き抜き成型金型122および引取り機124としては、公知の装置を使用することができる。
[略号]
本実施例で使用した原料の略号は以下のとおりである。
37−800:炭素繊維束(製品名「37−800」、三菱レイヨン カーボンファイバー アンド コンポジッツ社製、引張強度:5500MPa、引張弾性率:255GPa、目付:1675Tex)
TR50S 15K:炭素繊維束(製品名「TR50S 15K」、三菱レイヨン社製、引張強度:4900MPa、引張弾性率:240GPa、目付:1000tex)
TR30S 3K:炭素繊維束(製品名「TR30S 3K」、三菱レイヨン社製、目付:200tex)
各例で得られたトウプリプレグをメチルエチルケトンに浸漬し、発生する気泡量で含浸状態を判定した。未含浸部がある際に見られる気泡の発生が確認されない場合を「良好」、該気泡の発生が確認される場合を「不良」とした。
各例のトウプリプレグの製造状況を目視にて確認し工程通過性を評価した。製造過程で強化繊維束から毛羽の発生は認められず、強化繊維束を連続的に安定して走行させることができる場合を「良好」、製造過程で強化繊維束から毛羽の発生は認めるか、強化繊維束を連続的に安定して走行させることができない場合を「不良」とした。
製造装置100を用いて、樹脂循環部12により収容部11に樹脂組成物を循環させつつ強化繊維束Fに該樹脂組成物を塗布し、含浸させてトウプリプレグを製造した。強化繊維束Fとしては37−800の炭素繊維束を用いた。また、製造装置100が備える樹脂含浸装置1においては、導入側開口部16の断面形状を矩形状、開口面積SAを2mm2とし、導出側開口部18の断面形状を矩形状、開口面積SBを2mm2とし、樹脂含浸部10の収容部11内の樹脂容量を100cm3とした。樹脂組成物としては三菱化学社製エポキシ樹脂「jER828」に日立化学社製酸無水物(硬化剤)NH3500を1:1で混合したエポキシ樹脂組成物を用いた。樹脂循環部12および樹脂含浸部10を40℃に加温し、強化繊維束Fの走行速度を75m/分とした。各パラメーターは、SB/SA=1.0、SF/SA=0.51、導入側開口部における強化繊維束Fの接触長さLSAは強化繊維束Fの外周長さLfに対して96%、LF/Lsbは1.3、樹脂の吐出量比(W1+W2)/W2=1.67であった。
製造条件を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法でトウプリプレグを製造した。実施例7、8においては、1本の37−800と1本のTR50S 15Kの合計2本の炭素繊維束を同一の導入側開口部16に導入し、導出側開口部18から導出した。
製造条件を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法でトウプリプレグを製造した。実施例1では、37−800の炭素繊維束2本を矩形型の同一の導入側開口部16に導入し、同一の導出側開口部18から導出した。
一方、SF/SAが1.00を超える比較例1では、導出側開口部に炭素繊維束がつまり、炭素繊維束を走行させることができなかった。SF/SAが0.20未満である比較例2では、導入側開口部もしくは導出側開口部から樹脂組成物が漏れると共に、得られるトウプリプレグの樹脂含有率が安定しなかった。SB/SAが0.5未満の比較例3では、強化繊維束が導出側開口部につまり、連続的に走行させることが不可能であった。SB/SAが1.2を超える比較例4では、導出側開口部から樹脂組成物が漏れ、得られるトウプリプレグの樹脂含有率が不安定であった。(W1+W2)/W2が1.03未満の比較例5では、炭素繊維束に必要な樹脂量を連続的に付着できず、トウプリプレグには未含浸部があった。LF/Lsbが0.9未満の比較例6では、炭素繊維束に必要な樹脂量を連続的に付着できず、トウプリプレグには未含浸部があった。
Claims (5)
- 樹脂含浸装置を用い、長尺の複数の強化繊維が束ねられた1本もしくは2本以上の強化繊維束に樹脂組成物を含浸させてトウプリプレグを得るトウプリプレグの製造方法であって、
前記樹脂含浸装置は、内部に樹脂組成物が収容される収容部が形成された樹脂含浸部を備え、
前記樹脂含浸部に、前記樹脂組成物を供給する樹脂供給部と、前記樹脂組成物を排出する樹脂排出部とが設けられ、
前記樹脂含浸部には、前記強化繊維束が導入される導入側開口部と、前記強化繊維束が導出される導出側開口部とが形成され、
前記導入側開口部の開口面積(mm 2 )をS A 、前記導出側開口部の開口面積(mm 2 )をS B としたとき、S B /S A が0.5〜1.2であり、
1本もしくは2本以上の前記強化繊維束を前記導入側開口部から前記樹脂含浸部内の前記収容部に導入し、前記導出側開口部から導出して、前記収容部を通過させながら前記収容部に収容された樹脂組成物を含浸させ、
前記導入側開口部から前記収容部に導入される前の前記強化繊維束の長さ方向に垂直な断面積(mm2)をSFとしたとき、SF/SAが0.2〜1.0であり、
前記収容部から前記樹脂排出部を通じて排出される前記樹脂組成物の量(g/分)をW1、前記樹脂供給部を通じて前記収容部に供給される前記樹脂組成物の量(g/分)をW2としたとき、(W1+W2)/W2が1.03〜2.00であり、
前記樹脂組成物を包含した前記強化繊維束の前記導出側開口部直前の幅および厚みを含んだ全長をLF(mm)、導出側開口部のもっとも狭い部分の幅および厚みを含んだ全長をLsb(mm)としたとき、0.9≦LF/Lsb≦3.0を満たす、トウプリプレグの製造方法。 - 前記樹脂含浸装置が、前記樹脂供給部および前記樹脂排出部と連通し、前記樹脂含浸部内の収容部に前記樹脂組成物を循環させる樹脂循環部を備える、請求項1に記載の製造方法。
- 樹脂含浸装置を用い、長尺の複数の強化繊維が束ねられた1本もしくは2本以上の強化繊維束に樹脂組成物を含浸させ、フィラメントワインディング法もしくは引き抜き成型法により繊維強化複合材料を得る繊維強化複合材料の製造方法であって、
前記樹脂含浸装置は、内部に前記樹脂組成物が収容される収容部が形成された樹脂含浸部を備え、
前記樹脂含浸部に、前記樹脂組成物を供給する樹脂供給部と、前記樹脂組成物を排出する樹脂排出部とが設けられ、
前記樹脂含浸部には、前記強化繊維束が導入される導入側開口部と、前記強化繊維束が導出される導出側開口部とが形成され、
前記導入側開口部の開口面積(mm 2 )をS A 、前記導出側開口部の開口面積(mm 2 )をS B としたとき、S B /S A が0.5〜1.2であり、
1本もしくは2本以上の前記強化繊維束に樹脂組成物を前記導入側開口部から前記樹脂含浸部内の前記収容部に導入し、前記導出側開口部から導出して、前記収容部を通過させながら前記収容部に収容された含浸させ、
前記導入側開口部から前記収容部に導入される前の前記強化繊維束の長さ方向に垂直な断面積(mm2)をSFとしたとき、SF/SAが0.2〜1.0であり、
前記収容部から前記樹脂排出部を通じて排出される前記樹脂組成物の量(g/分)をW1、前記樹脂供給部を通じて前記収容部に供給される前記樹脂組成物の量(g/分)をW2としたとき、(W1+W2)/W2が1.03〜2.00であり、
前記樹脂組成物を包含した前記強化繊維束の前記導出側開口部直前の幅および厚みを含んだ全長をLF(mm)、導出側開口部のもっとも狭い部分の幅および厚みを含んだ全長をLsb(mm)としたとき、0.9≦LF/Lsb≦3.0を満たす、繊維強化複合材料の製造方法。 - 前記樹脂含浸装置が、前記樹脂供給部および前記樹脂排出部と連通し、前記樹脂含浸部内の収容部に前記樹脂組成物を循環させる樹脂循環部を備える、請求項3に記載の製造方法。
- 前記強化繊維束が、引張強度が4GPa以上、引張弾性率が200GPa以上の炭素繊維束である、請求項3または4に記載の製造方法。
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