JPH07178828A - 引抜成形品の製造方法 - Google Patents

引抜成形品の製造方法

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JPH07178828A
JPH07178828A JP5322889A JP32288993A JPH07178828A JP H07178828 A JPH07178828 A JP H07178828A JP 5322889 A JP5322889 A JP 5322889A JP 32288993 A JP32288993 A JP 32288993A JP H07178828 A JPH07178828 A JP H07178828A
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JP
Japan
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resin
thermosetting resin
fiber bundle
uncured thermosetting
reinforcing fiber
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Pending
Application number
JP5322889A
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English (en)
Inventor
Michihiko Watanabe
充彦 渡辺
Hajime Naito
一 内藤
Masahiro Ishii
正裕 石居
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】気泡の残存が殆どなく、且つ、強度に優れた引
抜成形品の製造方法を提供する。 【構成】樹脂浸入槽21内に複数のガイドバー212を
配置する。強化繊維束1を緊張状態にて複数のガイドバ
ー212間を連れ回す。強化繊維束1中の気泡を除去し
つつ強化繊維束1のフィラメント間に未硬化熱硬化性樹
脂6を浸入させて未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維3を
得る。これを引抜成形用金型内を通過しつつ加熱・硬化
して連続的に引き抜く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気泡の残存が殆どな
く、且つ、強度に優れた引抜成形品の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、引抜成形品を製造する場合、強化
繊維束に未硬化熱硬化性樹脂を浸入させるには、浅い樹
脂浸入槽内に強化繊維束が浸かる程度の深さに未硬化熱
硬化性樹脂を注入し、その未硬化熱硬化性樹脂中に強化
繊維束を浸漬させることにより行っていた。この場合、
未硬化熱硬化性樹脂が注入された樹脂浸入槽は開放系で
あり、未硬化熱硬化性樹脂の減少に応じて樹脂浸入槽内
に未硬化熱硬化性樹脂を注入することによって絶えず強
化繊維束を未硬化熱硬化性樹脂に浸漬させるようにして
いる。又、引抜成形用金型に達するまでの間で、強化繊
維束には、引抜成形用金型に達するまでの摩擦抵抗等に
よる張力がかかっているだけである(例えば、特開昭6
3─31741号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の強化繊
維束に未硬化熱硬化性樹脂を浸入させる方法では、強化
繊維束を樹脂浸入槽内に注入された未硬化熱硬化性樹脂
を浸漬させるだけであり、又、強化繊維束にはそれほど
大きな張力がかかっているわけではないので、強化繊維
束は気泡を包含しており、強化繊維束のフィラメント間
全体に未硬化熱硬化性樹脂を浸入させることができず、
その残存する気泡に基づいて、得られる引抜成形品中に
はボイドが発生し、引抜成形品の強度を低下させ、特に
厚肉の引抜成形品では、内部の気泡の逃げ場がないた
め、それが顕著であるという問題点がある。
【0004】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、強化繊維束に未硬化熱硬化性樹脂を浸入させる際、
強化繊維束中の気泡を除去しつつ、強化繊維束のフィラ
メント間に未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて、気泡の残
存が殆どなく、且つ、強度に優れた引抜成形品を製造す
る方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明は、連続繊維からなる強化繊維束に樹脂浸入槽内に
て未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて未硬化熱硬化性樹脂
浸入強化繊維を得て、その未硬化熱硬化性樹脂浸入強化
繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ加熱・硬化させ
て連続的に引き抜く引抜成形品の製造方法であって、未
硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得る際に、樹脂浸入槽
内に複数のガイドバーを配置し、強化繊維束を緊張状態
にて複数のガイドバー間を連れ回し、強化繊維束中の気
泡を除去しつつ強化繊維束のフィラメント間に未硬化熱
硬化性樹脂を浸入させる引抜成形品の製造方法である。
【0006】本発明において、強化繊維束としては、通
常、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊
維(好ましくはガラス繊維)等のロービングを主体と
し、場合により、チョップドストランドマット、コンテ
ィニアスマット、ロービングクロス等が併用される。
【0007】本発明において、熱硬化性樹脂としては、
例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニ
ルエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂
等が使用される。
【0008】熱硬化性樹脂中には、熱硬化触媒や硬化促
進剤等が添加される。熱硬化触媒としては、ビス─(4
─t─ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、t─ブチルパーオクト
エイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチ
ルパーベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブ
チルクミルパーオキサイド等の一般に知られている有機
過酸化物や、アゾイソブチロニトリル、アゾビスバレロ
ニトリル等の一般に知られているアゾ化合物等が使用さ
れる。
【0009】硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸
コバルト、オクテン酸コバルト、酢酸コバルト、酢酸マ
ンガン等の一般に知られている金属の有機酸塩が使用さ
れる。
【0010】本願の請求項1に記載の発明において、樹
脂浸入槽内に設けられるガイドバーの素材としては、未
硬化熱硬化性樹脂に侵されることなく、又、曲げに対す
る剛性がある程度必要であるため、例えば、鉄、アルミ
ニウム等の金属製からなるものが好ましい。
【0011】ガイドバーの形状としては、強化繊維束が
ガイドバーとの摩擦によって張力がかかり過ぎないよう
にするために、円柱状が好ましい。又、円柱状にするこ
とにより、円柱の直径を変えることにより強化繊維束と
ガイドバーとの摩擦力を変化させ、強化繊維束の張力を
変化させることができる。即ち、ガイドバーの直径を大
きくすれば強化繊維束の張力を小さくさせることがで
き、ガイドバーの直径を小さくすれば強化繊維束の張力
を大きくすることができる。それにより、強化繊維束に
実際の条件に適した張力を与えることができる。
【0012】ガイドバーの位置と数量を変えることによ
っても、強化繊維束の張力を調節することができる。即
ち、強化繊維束のガイドバーに対する折り返し角度を大
きくすれば強化繊維束の張力が大きくさせることがで
き、折り返し角度を小さくすれば強化繊維束を張力を小
さくすることができる。又、ガイドバーはフリー回転し
ないように固定して使用する。
【0013】本願の請求項2に記載の発明は、連続繊維
からなる強化繊維束に樹脂浸入槽内にて未硬化熱硬化性
樹脂を浸入させて未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得
て、その未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を引抜成形用
金型内を通過させつつ加熱・硬化させて連続的に引き抜
く引抜成形品の製造方法であって、未硬化熱硬化性樹脂
浸入強化繊維を得る際に、樹脂浸入槽内にピンチローラ
ーを配設し、強化繊維束をピンチローラーに挟み込んで
圧縮するようにして強化繊維束中の気泡を除去しつつ強
化繊維束のフィラメント間に未硬化熱硬化性樹脂を浸入
させる引抜成形品の製造方法である。
【0014】本願の請求項2に記載の発明において、ピ
ンチローラーの軸は、樹脂浸入槽内に固定できるように
し、ピンチローラの幅は強化繊維束の幅よりもかなり大
きくしておく方が好ましい。ピンチローラー間の間隔は
強化繊維束の量や形態により変化させなければならない
が、ピンチローラー間を通す強化繊維束を自然な状態で
重ねた厚さのおよそ1/2〜2/3程度が適当である。
【0015】ピンチローラーのローラーの形状は、円柱
形であり、その直径は樹脂浸入槽内に治まる程度のもの
であればよい。ピンチローラーの材質は、未硬化熱硬化
性樹脂に侵されることなく、未硬化熱硬化性樹脂の凝着
もないことが望ましく、鉄又はアルミニウム等の金属製
のものからなり、その表面が未硬化熱硬化性樹脂の付着
を防ぐためにもある程度滑らかとされているものが好ま
しい。
【0016】本願の請求項3に記載の発明は、連続繊維
からなる強化繊維束に樹脂浸入槽内にて未硬化熱硬化性
樹脂を浸入させて未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得
て、その未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を引抜成形用
金型内を通過させつつ加熱・硬化させて連続的に引き抜
く引抜成形品の製造方法であって、未硬化熱硬化性樹脂
浸入強化繊維を得る際に、樹脂浸入槽に強化繊維束の通
過口を設け、強化繊維束をこの通過口を通すようにして
樹脂浸入槽内を通過させるとともに樹脂浸入槽内を密閉
状態となし、樹脂浸入槽内の未硬化熱硬化性樹脂を槽外
に設けた樹脂流路を経て強制循環することにより、樹脂
浸入槽内にて強化繊維束中の気泡を除去しつつ強化繊維
束のフィラメント間に未硬化熱硬化性樹脂を浸入させる
引抜成形品の製造方法である。
【0017】本願の請求項3に記載の発明において、樹
脂浸入槽に設ける強化繊維束の通過口は、少なくとも樹
脂浸入槽の片方の側壁に設けられた入口用通過口と、反
対側の側壁に出口用通過口との一対を設ける必要があ
る。入口用通過口と出口用通過口は通過する強化繊維束
に大きな抵抗を負荷しないよう強化繊維束が一直線に通
過するように設けるのが好ましい。
【0018】それらの通過口の大きさは、小さ過ぎると
強化繊維束に負荷する抵抗が大きくなり、大き過ぎると
強化繊維束との間隙から未硬化熱硬化性樹脂が漏れる原
因となるので、通過させる強化繊維束の断面の形状と略
同程度、もしくはそれよりやごく僅かに大きい程度が好
ましい。
【0019】又、樹脂浸入槽内で未硬化熱硬化性樹脂の
強制流動により強化繊維束内の気泡を除去する効果を増
すためには、樹脂浸入槽に複数対の入口用通過口と出口
用通過口を設け、できるだけ強化繊維束を分散させるよ
うにして入口用通過口と出口用通過口を通過させるよう
にするのが望ましい。
【0020】密閉状態の樹脂浸入槽内に未硬化熱硬化性
樹脂を槽外に設けた樹脂流路を経て強制循環可能にする
には、例えば、樹脂浸入槽に樹脂注入孔と樹脂排出孔を
設け、槽外に設けたポンプ及び連結管を介して未硬化熱
可塑性樹脂を樹脂注入口から樹脂浸入槽内に圧入すると
ともに、樹脂排出口から排出するようにして循環するよ
うにする。
【0021】樹脂注入口は、樹脂浸入槽を閉鎖系とする
ために未硬化熱硬化性樹脂を注入する間だけ開栓でき、
それ以外のときは密閉できるような構造のものを樹脂浸
入槽の上部に設けるのが好ましい。樹脂排出口は、樹脂
浸入槽を閉鎖系とするために未硬化熱硬化性樹脂を排出
する間だけ開栓でき、それ以外のときは密閉できるよう
な構造のものを樹脂浸入槽の下部に設けるのが好まし
い。
【0022】樹脂浸入槽内に未硬化熱硬化性樹脂を注入
する機構は、手動による方法を用いてもよいし、又、樹
脂浸入槽内の樹脂量をセンサー等で検知し、自動的に未
硬化熱硬化性樹脂を注入する自動機構を用いてもよい。
樹脂を循環させる機構としては、ポンプが最適である。
【0023】以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1は、本発明引抜成形品の製造方法の全体の工程を説
明する正面図である。連続繊維からなる強化繊維束1
を、未硬化熱硬化性樹脂が充填された樹脂浸入槽2を通
過させて、未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維3を得る。
樹脂浸入槽2の導入部及び導出部には、強化繊維束1及
び未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維3を所定幅にて導入
し又導出する櫛7が設けられている。
【0024】未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維束3を、
所定断面を有する引抜成形用金型4内を通過させつつ加
熱・硬化させることにより賦形して、引取り機5により
引き抜き、図示しない切断機により適宜中さに切断して
引抜成形品を得る。
【0025】図2は、本願の請求項1に記載の発明引抜
成形品の製造方法に使用する樹脂浸入槽の一例を示す正
面図である。樹脂浸入槽21の上部には、ガイドバー2
11,211が設けられている。樹脂浸入槽21内に
は、未硬化熱硬化性樹脂6が充填されている。樹脂浸入
槽21内の未硬化熱硬化性樹脂6が充填された部分には
複数のガイドバー212・・・が千鳥状に固定状態にて
配設されている。
【0026】樹脂浸入槽2内に導入された強化繊維束1
を、緊張状態にてガイドバー212・・・間にじぐざく
状に連れ回すようにかけることができ、これにより、強
化繊維束1がガイドバー212・・・上を通過する際に
強化繊維束1の厚み方向に圧縮力が作用し、強化繊維束
1中の気泡が除去されるとともに、ガイドバー212・
・・間にて気泡が除去された強化繊維束1のモノフィラ
メント間に熱硬化性樹脂6を浸入させることができるよ
うになっている。
【0027】図3は、本願の請求項2に記載の発明引抜
成形品の製造方法に使用する樹脂浸入槽の一例を示す正
面図である。
【0028】樹脂浸入槽22内には、未硬化熱硬化性樹
脂6が充填されている。樹脂浸入槽22内の、未硬化熱
硬化性樹脂6が充填された部分にピンチローラー222
が配設されている。ピンチローラー222の前後にも強
化繊維束1の櫛221,221が設けられている。
【0029】そして、強化繊維束1をピンチローラー2
22に挟み込んで圧縮するようにして強化繊維束1中の
気泡を除去することができ、ピンチローラー222を通
過後の強化繊維束1の気泡が除去されたフィラメント間
に未硬化熱硬化性樹脂6を浸入させることができるよう
になっている。
【0030】図4は、本願の請求項3に記載の発明引抜
成形品の製造方法に使用する樹脂浸入槽の一例を示す正
面図である。
【0031】樹脂浸入槽23内には、相対する側壁の相
対する部位に、それぞれ、複数対の強化繊維束1を通過
させる複数対の通過口231,231・・・が設けられ
ている。強化繊維束1をこの複数対の通過口231,2
31・・・を通すようにして樹脂浸入槽23内を通過さ
せるとともに樹脂浸入槽23内を密閉状態となすことが
できるようになっている。挿入槽23内には未硬化熱硬
化性樹脂6が充填されている。
【0032】樹脂浸入槽23の上壁部には槽内に未硬化
熱硬化性樹脂の注入口232と圧入口233が設けられ
ている。又、樹脂浸入槽23の底壁部には、槽内の未硬
化熱硬化性樹脂の排出口234が設けられている。注入
口232と排出口234間には槽外に流量調節弁235
を介して樹脂流路236が配管されており、樹脂流路2
36の中途にはポンプ237が配設されており、ポンプ
237を作動させることにより、未硬化熱硬化性樹脂6
を樹脂流路236を経て注入口232(圧入口233)
より樹脂浸入槽23内に圧入し、排出口234より排出
するようにして強制循環することができるようになって
いる。これにより、樹脂浸入槽23内にて強化繊維束1
中の気泡を除去しつつ強化繊維束1のフィラメント間に
未硬化熱硬化性樹脂6を浸入させることができるように
なっている。
【0033】
【作用】本願の請求項1に記載の発明引抜成形品の製造
方法は、連続繊維からなる強化繊維束に樹脂浸入槽内に
て未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて未硬化熱硬化性樹脂
浸入強化繊維を得て、その未硬化熱硬化性樹脂浸入強化
繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ加熱・硬化させ
て連続的に引き抜く引抜成形品の製造方法であって、未
硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得る際に、樹脂浸入槽
内に複数のガイドバーを配置し、強化繊維束を緊張状態
にて複数のガイドバー間を連れ回すことにより、強化繊
維束の厚み方向に作用する圧縮力により、強化繊維束中
の気泡を除去しつつ強化繊維束のフィラメント間に未硬
化熱硬化性樹脂を浸入させることができるので、気泡の
残存が殆どなく、且つ、強度に優れた引抜成形品を製造
することができる。
【0034】本願の請求項2に記載の発明引抜成形品の
製造方法は、連続繊維からなる強化繊維束に樹脂浸入槽
内にて未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて未硬化熱硬化性
樹脂浸入強化繊維を得て、その未硬化熱硬化性樹脂浸入
強化繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ加熱・硬化
させて連続的に引き抜く引抜成形品の製造方法であっ
て、未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得る際に、樹脂
浸入槽内にピンチローラーを配設し、強化繊維束をピン
チローラーに挟み込んで圧縮することにより、強化繊維
束中の気泡を除去しつつ強化繊維束のフィラメント間に
未硬化熱硬化性樹脂を浸入させることができるので、気
泡の残存が殆どなく、且つ、強度に優れた引抜成形品を
製造することができる。
【0035】本願の請求項3に記載の発明引抜成形品の
製造方法は、連続繊維からなる強化繊維束に樹脂浸入槽
内にて未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて未硬化熱硬化性
樹脂浸入強化繊維を得て、その未硬化熱硬化性樹脂浸入
強化繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ加熱・硬化
させて連続的に引き抜く引抜成形品の製造方法であっ
て、未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得る際に、樹脂
浸入槽に強化繊維束の通過口を設け、強化繊維束をこの
通過口を通すようにして樹脂浸入槽内を通過させるとと
もに樹脂浸入槽内を密閉状態となし、樹脂浸入槽内の未
硬化熱硬化性樹脂を槽外に設けた樹脂流路を経て強制循
環することにより、樹脂浸入槽内にて強化繊維束中の気
泡を除去しつつ強化繊維束のフィラメント間に未硬化熱
硬化性樹脂を浸入させることができるので、気泡の残存
が殆どなく、且つ、強度に優れた引抜成形品を製造する
ことができる。
【0036】又、本願の請求項1〜3に記載の発明引抜
成形品の製造方法を通じて、特に厚肉引抜成形品を製造
する場合に特に有効な方法であって、従来の方法の如
く、強化繊維束中への未硬化熱硬化樹脂の浸入不良のた
めに、得られる引抜成形品内に気泡が残り、引抜成形品
の強度が低下するという問題点が解消されて、やはり気
泡の残存が殆どなく、且つ、強度に優れた引抜成形品を
製造することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により図面を参照して
説明する。実施例1 図1及び図2に示す装置を用いて、引抜成形品の製造を
行った。強化繊維束1として、ガラスロービング(旭フ
ァイバー社製、4450番)と、コンティニアスマット
(旭ファイバー社製、450番)と、ロービングクロス
(旭ファイバー社製、600番)を用いた。
【0038】未硬化熱硬化性樹脂6として、未硬化ビニ
ルエステル樹脂100重量部に、t─ブチルパーオキシ
ベンゾエート1.2重量部と、炭酸カルシウム30重量
部と、正燐酸系内部離型剤1重量部とを添加したものを
用いた。樹脂浸入槽21内のガイドバー212として、
鉄からなり、直径30mm、長さ60cmの丸棒状のも
のを用いた。
【0039】強化繊維束1を、櫛7、樹脂浸入槽21の
上方に設けた一方のガイドバー211を経て、未硬化熱
硬化性樹脂6を充填した樹脂浸入槽21に導入し、緊張
状態にて、千鳥状に配列した複数のガイドバー212・
・・間にじくざく状に連れ回すようにかけた。これによ
り、強化繊維束1にガイドバー212・・・上を通過す
る際に厚み方向に圧縮力を作用させて、強化繊維束1中
の気泡を除去した。そして、ガイドバー212・・・間
にて強化繊維束1の気泡を除去したモノフィラメント間
に熱硬化性樹脂6を浸入させ、これを樹脂浸入槽21の
上方に設けた他方のガイドバー211、櫛7を経て樹脂
浸入槽21より導出して未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊
維3を得た。
【0040】未硬化熱硬化性樹脂含浸強化繊維3を、長
さ1m、幅9cm、厚さ4cmの成形型面を有し、金型
温度110〜180℃に設定された引抜成形用金型4内
を通過させつつ賦形・硬化し、引取り機5により引取速
度10cm/分にて引き抜き、切断機により適宜長さに
切断して、幅9cm、厚さ4cmの引抜成形品を得た。
【0041】実施例2 強化繊維束1及び未硬化熱硬化性樹脂6として実施例1
と同様のものを用い、図3に示す樹脂浸入槽22を用
い、ピンチローラーとして直径80mm、間隔30mm
のものを用いた。
【0042】強化繊維束1を、櫛7を経て、未硬化熱硬
化性樹脂6を充填した樹脂浸入槽22に導入し、樹脂浸
入槽22内に設けた一方の櫛221を経て、1.0×1
4N/m2 のピンチ圧に設定したピンチローラー22
2の間を通過させて、強化繊維束1中の気泡を除去し
た。そしてピンチローラー222を通過後の強化繊維束
1の気泡を除去したモノフィラメント間に熱硬化性樹脂
6を浸入させつつ、それを樹脂浸入槽22に設けた他方
の櫛223、櫛71を経て、樹脂浸入槽22より導出し
て、未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維3を得て、以下、
実施例1と同様にして引抜成形品を得た。
【0043】実施例3 強化繊維束1及び未硬化熱硬化性樹脂6として実施例1
と同様のものを用い、図4に示す樹脂浸入槽23を用い
た。強化繊維束1をこの複数対の通過孔231,231
・・・を通すようにして樹脂浸入槽23内を連続的に通
過させた。そして、注入口232より挿入槽23内に未
硬化熱硬化性樹脂6を充填した。
【0044】ポンプを作動させ、流量調節弁235を調
節することにより、樹脂浸入槽23内に圧入口233よ
り未硬化熱硬化性樹脂を、2リットル/分にて圧入する
ともに、排出口234より未硬化熱硬化性樹脂を排出す
るようにして強制循環した。これにより、樹脂浸入槽2
3内にて強化繊維束1中の気泡を除去しつつ強化繊維束
1のフィラメント間に未硬化熱硬化性樹脂6を浸入させ
未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維3を得て、以下、実施
例1と同様にして引抜成形品を得た。
【0045】比較例 未硬化熱硬化性樹脂を充填しただけの樹脂浸入槽内に強
化繊維束1を浸漬することにより未硬化熱硬化性樹脂浸
入強化繊維3を得たこと、以外は実施例1と同様にして
引抜成形品を得た。
【0046】実施例1〜3及び比較例により得られた引
抜成形品について、圧縮強度及び樹脂含有率を測定する
とともに、引抜成形品の断面を目視して気泡の残存の程
度を観察することにより評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0047】尚、圧縮強度は、JIS K7056に準
じて測定した。又、樹脂含有率は、JIS K─705
2に準じて、下記式により算出した。 樹脂含有率(%)=〔(Ws−Wf)/Ws〕×100 ここに、Wfは試験片中のガラス繊維の重量(g)を示
し、Wsは試験片の重量(g)を示す。試験片中のガラ
ス繊維の重量は、試験片を600〜650℃で1時間、
ルツボにて燃焼した後、残った固形分を計測した。
【0048】
【表1】
【0049】表1からも明らかな如く、実施例1〜3の
場合には、いずれも、引抜成形品の樹脂含有率が高く、
気泡の残存が殆どなく、且つ、圧縮強度が高いのに対し
て、が殆どないのに対して、比較例の場合には、樹脂含
有率が低く、気泡の残存がかなり多く、且つ、圧縮強度
が低い。
【0050】
【発明の効果】本願の請求項1〜3に記載の発明引抜成
形品の製造方法は、それぞれ、上記の如き構成とされて
いるので、気泡の残存が殆どなく、且つ、強度に優れた
引抜成形品を製造することができる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体の工程を説明する正面図である。
【図2】本願の請求項1に記載の発明に使用する樹脂浸
入槽の一例を説明する断面図である。
【図3】本願の請求項2に記載の発明に使用する樹脂浸
入槽の一例を説明する断面図である。
【図4】本願の請求項3に記載の発明に使用する樹脂浸
入槽の一例を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 強化繊維束 2,21,22,23 含浸槽 3 未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維 4 引抜成形用金型 5 引取り機 6 未硬化熱硬化性樹脂 7,221 櫛 211,212 ガイドバー 222 ピンチローラー 231 通過口 232 注入口 233 圧入口 234 排出口 235 流量調節弁 236 樹脂流路 237 ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維からなる強化繊維束に樹脂浸入
    槽内にて未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて未硬化熱硬化
    性樹脂浸入強化繊維を得て、その未硬化熱硬化性樹脂浸
    入強化繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ加熱・硬
    化させて連続的に引き抜く引抜成形品の製造方法であっ
    て、未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得る際に、樹脂
    浸入槽内に複数のガイドバーを配置し、強化繊維束を緊
    張状態にて複数のガイドバー間を連れ回し、強化繊維束
    中の気泡を除去しつつ強化繊維束のフィラメント間に未
    硬化熱硬化性樹脂を浸入させることを特徴とする引抜成
    形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 連続繊維からなる強化繊維束に樹脂浸入
    槽内にて未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて未硬化熱硬化
    性樹脂浸入強化繊維を得て、その未硬化熱硬化性樹脂浸
    入強化繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ加熱・硬
    化させて連続的に引き抜く引抜成形品の製造方法であっ
    て、未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得る際に、樹脂
    浸入槽内にピンチローラーを配設し、強化繊維束をピン
    チローラーに挟み込んで圧縮するようにして強化繊維束
    中の気泡を除去しつつ強化繊維束のフィラメント間に未
    硬化熱硬化性樹脂を浸入させることを特徴とする引抜成
    形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 連続繊維からなる強化繊維束に樹脂浸入
    槽内にて未硬化熱硬化性樹脂を浸入させて未硬化熱硬化
    性樹脂浸入強化繊維を得て、その未硬化熱硬化性樹脂浸
    入強化繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ加熱・硬
    化させて連続的に引き抜く引抜成形品の製造方法であっ
    て、未硬化熱硬化性樹脂浸入強化繊維を得る際に、樹脂
    浸入槽に強化繊維束の通過口を設け、強化繊維束をこの
    通過口を通すようにして樹脂浸入槽内を通過させるとと
    もに樹脂浸入槽内を密閉状態となし、樹脂浸入槽内の未
    硬化熱硬化性樹脂を槽外に設けた樹脂流路を経て強制循
    環することにより、樹脂浸入槽内にて強化繊維束中の気
    泡を除去しつつ強化繊維束のフィラメント間に未硬化熱
    硬化性樹脂を浸入させることを特徴とする引抜成形品の
    製造方法。
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