以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いて画像を形成する、プロセスカートリッジ250が着脱可能なレーザプリンタである。
トナー像を担持する像担持体としての、回転可能なドラム型の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1は、駆動手段としての駆動モータ(図示せず)によって図中矢印W1方向(時計回り)に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。本実施例では、感光ドラム1は、負帯電性の有機感光体である。回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としての帯電ローラ2によって所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電ローラ2は、感光ドラム1に接触して配置されており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電バイアス電源(図示せず)から所定の帯電バイアスが印加される。
帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置21によって露光される。本実施例では、露光装置21は、半導体レーザスキャナであり、画像形成装置100と通信可能に接続された外部機器(パーソナルコンピュータなど)から送られてくる画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力する。露光装置21は、プロセスカートリッジ250の露光窓部9を介して感光ドラム1の表面を走査露光(像露光)する。そして、感光ドラム1の表面の露光部の電位の絶対値が、帯電ローラ2により形成された帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。
感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置5によって、現像剤としてのトナーを用いて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。本実施例では、現像方式として、ジャンピング現像方式、反転現像方式を採用している。つまり、現像バイアス電源(図示せず)から、現像部材としての現像ローラ7に、交流成分と直流成分とが重畳された現像バイアスが印加される。そして、現像剤層厚規制部材6と現像ローラ7との接触箇所で摩擦帯電により負極性に帯電したトナーが、感光ドラム1上の静電潜像の画像部(露光部)に付着する。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写手段としての転写ローラ22によって、被転写体である紙などの記録材(記録媒体、転写材、シート)Pに転写される。転写ローラ22は、感光ドラム1の回転中心方向に押圧バネ(図示せず)によって押圧され、感光ドラム1と転写ローラ22とが接触する転写部Nを形成する。転写工程時に、転写ローラ22には、転写バイアス電源(図示せず)から現像時のトナーの帯電極性(正規の帯電極性)とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である転写バイアスが印加される。記録材Pは、収納カセット60に積載されて収納されている。所定の制御タイミングで、ピックアップローラ61と給送ローラ62とが回転駆動されることによって、収納カセット60から記録材Pが1枚ずつ分離されて給送され、レジローラ63へと搬送される。そして、この記録材Pが、レジローラ63によって、感光ドラム1上のトナー像とタイミングが合わされて転写部Nに供給される。
トナー像が転写された記録材Pは、感光ドラム1から分離されて定着手段としての定着装置23へと搬送される。定着装置23は、記録材Pに転写されたトナー像を熱や圧力などによって記録材Pに定着(溶融固着)させる。トナー像が定着された記録材Pは、排出ローラ64によって画像形成装置100の装置本体150の外部に設けられた排出トレイ65に排出(出力)される。
一方、記録材Pにトナー像を転写した後の感光ドラム1の表面は、クリーニング手段としてのクリーニング装置4により清掃される。クリーニング装置4は、クリーニング部材としてのブレード3aと、ブレード3aを支持する板金で形成された支持部材3bと、を備えたクリーニング部3を有する。クリーニング装置4は、ブレード3aによって、転写工程時に感光ドラム1から記録材Pに転写し切れなかったトナー(転写残トナー)を回転する感光ドラム1の表面から除去して、回収容器10内に回収する。ブレード3aは、感光ドラム1の回転軸線方向と略平行な長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有する、所定の厚さの板状(ブレード状)の部材である。ブレード3aは、感光ドラム1の回転方向に対してカウンター方向(自由端が感光ドラム1の回転方向の上流側を向く方向)になるように、所定の角度をもって感光ドラム1に当接して配置されている。ブレード3aは、その短手方向の先端(自由端)のエッジを含む所定範囲が感光ドラム1に当接する。本実施例では、ブレード3aの長手方向の長さは340mmであり、感光ドラム1上の画像形成領域よりも長い(画像形成領域はブレード3aの長手方向の長さ範囲内に収まる。)。なお、画像形成領域とは、感光ドラム1の表面の移動方向と略直交する方向における、トナー像を形成することが可能な領域である。
本実施例では、感光ドラム1と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置5及びクリーニング装置4とは、一体的に装置本体150に対して着脱可能なユニットであるプロセスカートリッジ250を構成している。
また、本実施例では、画像形成装置100の各部の動作は、装置本体150に設けられた制御部としてのCPU103(図7)によって制御される。CPU103は、ROMなどの記憶媒体を有して構成される本体記憶部101に記憶されたプログラムに従って、画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。
ここで、画像形成装置100は、一の開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作(ジョブ、プリント動作)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写を行う期間であり、画像形成時とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写を行う位置で、画像形成時のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の記録材Pに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程時などが含まれる。後述する感光ドラム1とブレード3aとの当接部にトナーを供給する供給動作は、非画像形成時に実行される。
2.ブレードの製造方法
次に、図2を参照して、本実施例におけるブレード3aの製造方法について説明する。図2は、本実施例におけるブレード3aの概略断面図である。
本実施例では、ブレード3aは、その厚さ方向に、感光ドラム1に当接するエッジを含むエッジ層3a(1)と、エッジ層3a(1)に対し感光ドラム1とは反対側に配置されるベース層3a(2)と、を備えた2層構造とされている。エッジ層3a(1)及びベース層3a(2)はいずれも、ポリイソシアネート化合物と多官能性の活性水素化合物とを用いて製造されるポリウレタン樹脂で形成される。
ポリウレタン樹脂で形成されるブレード3aの成形方法としては、次のような方法を用いることができる。高分子ポリオール、ポリイソシアネート、架橋剤及び触媒などを一度に混合して、金型に注型して成形する。その際に、支持部材3bに直接ポリウレタン樹脂からなるブレード3aを成形する。そして、感光ドラム1との当接部を精度よく作製するために、ポリウレタン樹脂で形成したブレード3aの先端部を切断する。なお、ブレード3aを支持部材3aに接着などにより固定することもできる。
また、エッジ層3a(1)とベース層3a(2)とを形成する方法としては、概略、外周に溝を形成した回転成型ドラムを利用して連続成型する方法(特開2007−30385号公報)を利用することができる。
本実施例では、ブレード3aの全体の厚さは2mmである。このときのエッジ層3a(1)の厚さtは、100〜300μmが望ましい。また、本実施例では、エッジ層3a(1)の硬度(JISA)は77°、反発弾性率は10%、ベース層3a(2)の硬度(JISA)は77°、反発弾性率は45%である。
エッジ層3a(1)に低反発弾性率の材料を用いることで、繰り返し使用における感光ドラム1上の付着物の除去効果が向上する。感光ドラム1の表面には、トナーに含まれる外添剤などのフィルミングや、トナーの溶融による融着などにより、付着物が付着する。エッジ層3a(1)に低反発弾性率の材料を用いることで、上記付着物に接触したときにブレード3aのエッジが変形し難いことで、付着物の除去効果が向上する。一方、ベース層3a(2)に高反発弾性率の材料を用いることで、ブレード3aの本来の弾性効果を発揮することができる。つまり、繰り返し使用による感光ドラム1の表面の摩擦力の上昇などの当接状態の変化に対しても、安定した当接状態を保つことができ、ブレード3aのビビり、鳴きなどの異音の発生を低減することができる。
3.ブレードの欠け
次に、ブレード3aの感光ドラム1に対する当接圧(以下、「ブレード圧」ともいう。)と、ブレード3aのエッジの欠けの発生程度との関係について説明する。なお、画像形成装置100及びその要素について、図1の紙面手前側を「手前側」、紙面奥側を「奥側」とする。この「手前側」と「奥側」とを結ぶ奥行方向は、感光ドラム1の回転軸線方向と略平行であるものとする。
なお、ブレード3aと感光ドラム1との当接部(ブレードニップ)Qにおける感光ドラム1とブレード3aとの間の摩擦力が過大になることによる不具合は、ブレード3aの欠けに限定されるものではなく、捲れや、異音の発生なども含まれる。ただし、ここでは特にクリーニング不良の発生の原因となり、ブレード3aを含むユニットの交換につながるブレード3aの欠けに注目して説明する。ブレード3aの欠け以外の不具合の発生程度も、感光ドラム1とブレード3aとの間の摩擦力と相関するため、ブレード3aの欠けの発生程度と相関する。
ブレード3aの欠けの発生程度を調べるために、本実施例の構成を有する代表の画像形成装置100を用いて、繰り返し画像を出力する耐久試験を行った。この試験は、ブレード3aの欠けを促進するために、30℃、80%の高温高湿環境に画像形成装置100を設置して行った。出力する画像には印字率0%の、所謂、ベタ白画像を用い、トナーがブレードニップQに到達し難い条件とした。画像の出力枚数は10万枚とし、該枚数の画像を出力した後のブレード3aのエッジを光学顕微鏡を用いて観察して、ブレード3aの欠けの発生程度を数値化した。ブレード圧は、ブレード3aの長手方向における3点、すなわち、ブレード3aの長手方向における、中央よりも手前側の端部から中央側に50mmの位置(「F」)、奥側の端部から中央側に50mmの位置(「R」)、及び中央(「C」)で測定した。また、ブレード3aの欠けのブレード圧に対する依存性を確認するために、ブレード3aを感光ドラム1に当接する方向に押圧するバネ(図示せず)の荷重を変えることでブレード圧の総圧を2水準に変えて試験を行った。バネとしては、バネ定数が50gf/cmのバネAと、バネ定数が75gf/cmのバネBとを用いた。表1は、バネA、バネBのそれぞれを用いた場合のブレード圧を示す。
なお、ブレード圧は、測定用冶具を用いて測定した。この測定用治具には、感光ドラム1に相当する円柱状の仮想ドラムが所定の間隔を空けてブレード3aの長手方向に3個配置されている。各仮想ドラムには、加えられた加重を測定するためのロードセルが接続されている。そして、支持体に支持されたプロセスカートリッジ250の組立体におけるブレード3aを仮想ドラムに押し当てて、ブレード3aによって加圧される加重をロードセルで検知する。これにより、それぞれの仮想ドラムに対するブレード3aの当接圧、すなわち、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの手前側、中央、奥側の3個の領域のそれぞれのブレード圧を測定することができる。本実施例では、ブレード圧としては、ロードセルで測定された荷重(gf)の値をブレード3aの単位長さ当たりの圧力で表した線圧(gf/cm)を用いる。ただし、ロードセルで測定された荷重の値をそのまま用いてもよい。また、ブレード3aの欠けの発生程度は、発生した欠けの大きさ(長軸方向の長さ)の合計を欠け量(μm)として数値化した。
表1から、バネAを用いた場合よりもバネBを用いた場合の方が、ブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布のバラツキが大きい傾向になることが分かる。これは、バネ圧が大きくなることで、ブレード3aに撓みが発生し、この撓みがブレード3aを保持する容器に応力をかけるために、ブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布のムラが発生しやすくなるためである。なお、ここではブレード3aの欠けのブレード圧に対する依存性を調べるためにバネAとバネBとを用いて耐久試験を行ったが、本実施例の画像形成装置100ではバネBが用いられている。
図3は、上記耐久試験によって得られたブレード圧とブレード3aの欠け量との関係を示す。同図から、ブレード圧とブレード3aの欠け量とに比例関係があることが分かる。これは、ブレード圧が高いほど、感光ドラム1とブレード3aとの間の摩擦力が増加するため、ブレード3aのエッジの変形量が大きくなることで、ブレード3aへの応力が大きくなるからである。
次に、感光ドラム1とブレード3aとの間の摩擦力を低減するためにブレードニップQにトナーを供給する供給動作を行う場合における、供給するトナー量とブレード3aの欠け量との関係について説明する。
前述のように、ブレードニップQにおける感光ドラム1とブレード3aとの摩擦力を低減するために、ブレードニップQにトナーを供給する方法が知られている。具体的には、非画像形成時に、感光ドラム1上にブレード3aの長手方向に長い帯状のトナー像(トナー帯)を形成する。そして、このトナー帯のトナーを記録材Pに転写させずにブレードニップQへと供給する。これにより、トナー帯のトナーやその外添剤が感光ドラム1とブレード3aとの間に介在して滑材として作用し、感光ドラム1とブレード3aとの間の摩擦力を下げることで、ブレード3aにかかる応力を緩和することができる。
トナー帯を形成した場合のブレード3aの欠けの発生程度を調べるために、本実施例の構成を有する代表の画像形成装置100を用いて、繰り返し画像を出力すると共に所定の頻度でトナー帯を形成する耐久試験を行った。ここでは、画像出力100枚ごとに1回、ブレード3aの長手方向の長さが340mm(ブレード3aの長手方向の長さ範囲の全域にわたる長さ)のトナー帯を形成し、このトナー帯のトナーをブレードニップQへと供給した。トナー帯の幅(感光ラム1の回転方向の長さ)は、10mm、20mmの2水準とした。また、トナー帯が転写部Nを通過する際には転写ローラ22に印加する転写バイアスをOFFにした。これにより、トナー帯のトナーが転写ローラ22に転写されることを抑制して、ブレードニップQに到達するトナー量を増やすことができる。バネA及びバネBの設定、画像出力枚数、出力画像、試験環境などは、図3の結果を得た耐久試験と同じである。また、この代表の画像形成装置100においてバネA、バネBを用いた場合のブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布は、表1に示したものと同じであった。
図4は、上記トナー帯の形成を行う耐久試験によって得られた、トナー帯の幅ごとのブレード圧とブレード3aの欠け量との関係を示す。同図から、トナー帯の幅が大きいほど、ブレード3aの欠け量が減少することが分かる。
図5は、図4の結果に基づいて、バネBを用いた場合(本実施例の構成)のブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布とブレード3aの欠け量との関係を、トナー帯の幅ごとにプロットしたものである。なお、本実施例では、ブレード3aを十分に長期にわたり使用できるようにするためには、上記耐久試験におけるブレード3aの欠け量は8μm以下であることが望まれる。
図5から、ブレード3aを十分に長期にわたり使用できるようにするためには、幅が20mmのトナー帯を画像出力100枚ごとに1回の頻度で形成することが望ましいことがわかる。ブレード圧が相対的に高いブレード3aの長手方向の手前側及び中央でのブレード3aの欠け量を8μm以下にするためである。しかし、例えば、ブレード3aの長手方向の奥側では、ブレード圧が相対的に低いため、幅20mmのトナー帯を画像出力100枚ごとに1回形成する必要はないことが分かる。
4.トナー帯の制御
上述のように、ブレード圧によってブレード3aの欠けの発生程度は異なる(図3)。また、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの領域ごとのブレード圧に応じて、各領域においてブレード3aの欠けを低減するために供給することが必要なトナー帯のトナー量は異なる(図4、図5)。
そこで、本実施例では、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの複数の領域におけるブレード圧に関する情報を含む「圧分布情報」に基づいて、供給動作により上記複数の領域のそれぞれに供給するトナー量を変更する。本実施例では、供給動作において上記複数の領域のそれぞれに到達させる所定のトナー像(トナー帯、供給用トナー像)のサイズを変更することで、供給動作により上記複数の領域のそれぞれに供給するトナー量を変更する。特に、本実施例では、上記所定のトナー像のサイズとして、該トナー像の感光ドラム1の回転方向の長さ(幅)を変更する。これにより、トナーの無駄な消費を抑えることができると共に、ブレード3aの長寿命化を達成することが可能になる。以下、更に詳しく説明する。
ブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布は、プロセスカートリッジ250を工場で組み立てる際に測定することができる。そのため、その組み立て工程時にブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布に関する情報である圧分布情報をプロセスカートリッジ250にマーキングするのが適している。本実施例では、プロセスカートリッジ250の組み立て工程において、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQを均等に3分割した手前側、中央、奥側の各領域におけるブレード圧が測定される。そして、測定されたブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域のブレード圧の情報を含む圧分布情報が記載されたシール11(図1)が、プロセスカートリッジ250に貼り付けられる。特に、本実施例では、圧分布情報として、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの領域(手前側、中央、奥側)と、ブレード圧の値(範囲)を示す符号とが対応付けられた情報が、シール11に記載される。この圧分布情報が記載されたシール11は、プロセスカートリッジ250の出荷前に(例えば組み立て工程におけるブレード圧の測定に続いて)プロセスカートリッジ250に貼り付けられる。ここで、シール11は、プロセスカートリッジ250が有する圧分布情報が記載された記載部の一例である。また、この記載部は、プロセスカートリッジ250が有する圧分布情報を保持した情報保持手段(情報保持部)の一例である。
ブレード圧は、前述のようにして、プロセスカートリッジ250に感光ドラム1が組み込まれていない状態(ブレード3aは組み込まれている。)で測定することができる。前述のように、ブレード圧は、ブレード3aの長手方向の位置によってバラツキが発生することがある。このバラツキは、ブレード3aの材料や寸法などのブレード3a単体でのバラツキや、ブレード3aの取付位置や取付条件などの製造時のバラツキなどによって発生することがある。また、ブレード圧は、上記同様の理由で、例えば個々のプロセスカートリッジ250(ブレード3a)ごと、あるいはプロセスカートリッジ250(ブレード3a)の製造ロットごとにバラつきが発生することがある。したがって、ブレード圧の測定は、ブレード3aの欠けの発生程度に影響するブレード圧のバラツキが生じる可能性のある単位ごとに行うことができる。例えば、個々のプロセスカートリッジ250(ブレード3a)ごと、プロセスカートリッジ250(ブレード3a)の製造ロットごとなどである。製造ロットごとに測定する場合、プロセスカートリッジ250の代表の構成部品を用いてブレード圧の測定を行うことができる。代表の構成部品を用いる場合、1組の構成部品で測定したブレード圧を用いてもよいし、複数組の構成部品で測定したブレード圧の平均値を用いてもよい。本実施例では、プロセスカートリッジ250(ブレード3a)ごとにブレード圧の測定を行う。また、本実施例では、ブレードニップQをブレード3aの長手方向において3分割し、各領域における所定箇所で測定したブレード圧を各領域のブレード圧としたが、これに限定されるものではない。本実施例よりも分割数を増やしてもよいし減らしてもよい。この分割数は、多い方がより無駄なトナーの消費を抑制しつつブレード3aの長寿命化を図ることの精度を上げることができるが、多すぎても操作の煩雑化や制御の複雑化をもたらす可能性がある。典型的には、分割数は3〜10個程度が好適である。なお、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域内の複数箇所で測定したブレード圧の平均値、代表値(最大値など)、総和などを各領域のブレード圧としてもよい。
図6は、プロセスカートリッジ250に貼り付けられるシール11の一例を示す模式図である。シール11に記載された「Adress(アドレス)」の欄の「A」、「B」、「C」は、それぞれブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの手前側F、中央C、奥側Rの各領域に対応する。また、シール11に記載された「Value(値)」の欄の「1」、「2」、「3」は、それぞれ次のブレード圧の範囲に対応する。つまり、「1」は、20gf/cm以上、25gf/cm未満の範囲のブレード圧に対応する。また、「2」は、25gf/cm以上、30gf/cm未満の範囲のブレード圧に対応する。また、「3」は、30gf/cm以上、35gf/cm未満の範囲のブレード圧に対応する。
ユーザーやサービス担当者などの操作者が装置本体150に対しプロセスカートリッジ250を交換する際に、操作者が新たに装置本体150に装着するプロセスカートリッジ250に貼り付けられたシール11に記載されている圧分布情報を読み取る。また、操作者は、読み取った圧分布情報を、装置本体150(入力部)に対して入力する。例えば、サービス担当者は、ユーザー先においてプロセスカートリッジ250が寿命に到達した場合、通報を受けてユーザー先に出向き、プロセスカートリッジ250を交換する。その際に、サービス担当者はシール11に記載されている圧分布情報を読み取り、装置本体150に対して入力する。そして、装置本体150側で、入力された圧分布情報に応じて、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯のサイズ(本実施例では幅)を制御するための処理が行われる。
図7は、本実施例の画像形成装置100の概略制御態様を示すブロック図である。上述のように、装置本体150には、制御部としてのCPU103、CPU103に接続された本体記憶部101が設けられている。また、CPU101には、露光装置21の制御回路である露光制御部102、装置本体150の内部又は外部の少なくとも一方の温度又は湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段としての環境センサ104が接続されている。本実施例では、環境センサ104は、画像形成装置100が設置された環境(装置本体150の外部の環境)の温度及び湿度を検知し、その情報をCPU103に送信する。また、CPU103には、感光ドラム1の駆動モータなどの制御回路である駆動制御部105、帯電電源や転写電源などの高圧電源106が接続されている。また、CPU103には、CPU103に情報を入力する入力手段、及びCPU103の制御により情報を表示する表示手段の機能を有する、タッチパネルなどとされる操作表示部107が接続されている。
プロセスカートリッジ150に貼りつけられたシール11に記載された圧分布情報は、操作表示部107から入力される。CPU103は、入力された圧分布情報を本体記憶部101に記憶させる。
そして、本実施例では、CPU103(実行部)は、所定のタイミングとして、画像出力枚数100枚ごとの非画像形成時に、感光ドラム1にトナー帯を形成してそのトナーをブレードニップQに供給する供給動作を実行させる。つまり、本実施例では、CPU103は、計数手段として機能して、画像を出力するごとに画像出力数を積算して本体記憶部101に記憶させる。CPU103は、積算された画像出力枚数が閾値である100枚に達することで、供給動作の実行タイミングが到来したことを認識する。また、本実施例では、CPU103は、ブレード3aの欠けが発生しやすい高温高湿環境の場合に、供給動作を実行させる。そして、CPU103は、操作表示部107から入力され本体記憶部101に記憶されている圧分布情報に基づいて、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯の幅を制御する。なお、CPU103は、トナー帯が転写部Nを通過する際には、転写ローラ22に印加する転写バイアスをOFFにする。このとき転写ローラ22にトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を印加するようにしてもよい。
図8は、本実施例における供給動作を実行させる制御の概略フローチャート図である。ここでは、ジョブの紙間工程時に供給動作を実行するものとする。CPU103は、画像を1枚出力するごとに本体記憶部101に積算されて記憶されている画像出力枚数を読み込み(S101)、該画像出力枚数が100枚に達したか否かを判断する(S102)。S102で100枚に達したと判断した場合、CPU103は、環境センサ104が検知した環境の温湿度情報を読み込み(S103)、高温(25℃以上)・高湿環境(60%以上)であるか否かを判断する(S104)。S104で高温高湿環境であると判断した場合、CPU103は、本体記憶部101に記憶されている圧分布情報を読み込む(S105)。そして、CPU103は、予め設定された表2に示すようなブレード圧とトナー帯の幅との関係を示す情報に基づいて、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯の幅を決定する(S106)。本実施例では、表2に示すような関係を示す情報は、予め本体記憶部101に記憶されている。
表2に示すように、本実施例では、ブレード圧(シール11に記載された「Value」)が「1」の場合はトナー帯を形成しない(トナー帯の幅は0mm)。また、ブレード圧が「2」の場合はトナー帯の幅の幅を10mmとする。また、ブレード圧が「3」の場合はトナー帯の幅を20mmとする。なお、本実施例では、ブレード圧の値に拘わらず、トナー帯の濃度(単位面積当たりのトナーの重量)は所定の濃度(所定のハーフトーン、あるいはベタ濃度(最大濃度レベル))で一定とされている。
そして、CPU103は、露光制御部102、高圧電源106及び駆動制御部105を制御して感光ドラム1上にトナー帯を形成し、そのトナーをブレードニップQに供給する(S107)。このトナー帯は、図9に示すように、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に供給する部分がそれぞれS106で決定した幅を有する。図9は、シール11に記載された圧分布情報が図6に示す例の場合のトナー帯を模式的に示している。その後、CPU103は、本体記憶部101に記憶された画像出力枚数を0にリセットする(S108)。
このように、本実施例では、CPU103は、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域のブレード圧に応じて、該各領域に到達させるトナー帯のサイズを変更することで、該各領域に供給するトナー帯のトナー量を変更する。このとき、CPU103は、ブレード圧が第1の当接圧である領域のトナー量よりも、ブレード圧が第1の当接圧より小さい第2の当接圧である領域のトナー量の方を少なくする。つまり、本実施例では、ブレード圧が第1の当接圧である領域に到達させるトナー像のサイズよりも、ブレード圧が第1の当接圧より小さい第2の当接圧である領域に到達させるトナー像のサイズの方を小さくする。なお、本実施例では、トナー帯のサイズとしてトナー帯の幅(感光ドラム1の回転方向の長さ)を変更したが、これに限定されるものではない。トナー帯のトナーは、ブレード3aによって掻き取られるときにブレード3aの長手方向にもある程度移動する(広がる)ので、トナー帯のブレード3aの長手方向の長さを変更してもよい。また、トナー帯の幅及びブレード3aの長手方向の長さの両方を変更してもよい。また、トナー帯を幅方向又はブレード3aの長手方向の少なくとも一方で複数に分割し、該分割した方向におけるトナー帯の長さの総和を変更するようにしてもよい。
なお、本体記憶部101に記憶された圧分布情報は、プロセスカートリッジ250が交換されるごとにリセットされる。また、何らかの理由で圧分布情報が本体記憶部101に記憶されていない場合、CPU103は、例えばブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの全てのでブレード圧が「3」であるものとしてトナー帯の幅を制御することができる。
以上のように、本実施例によれば、ブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布に応じてトナー帯の幅を調整することで、ブレード3aの欠け量をブレード3aの長手方向で略均一に抑えることができるとともに、トナーの消費量を抑えることが可能になる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯のサイズを変更することで、各領域に供給するトナー帯のトナー量を変更した。これに対し、本実施例では、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯の濃度(単位面積当たりのトナーの重量)を変更することで、各領域に供給するトナー帯のトナー量を変更する。
本実施例では、図8のS106において、CPU103は、予め設定された表3に示すようなブレード圧とトナー帯の濃度との関係を示す情報に基づいて、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯の濃度を決定する。本実施例では、表3に示すような関係を示す情報は、予め本体記憶部101に記憶されている。
表3に示すように、本実施例では、ブレード圧(シール11に記載された「Value」)が「1」の場合はトナー帯を形成しない(トナー帯の濃度は0mg/cm2)。また、ブレード圧が「2」の場合はトナー帯の濃度を所定のX(>0)mg/cm2(例えば、0.3mg/cm2)とする。また、ブレード圧が「3」の場合はトナー帯の濃度を所定のY(>X)mg/cm2(例えば、0.5mg/cm2)とする。なお、トナー帯の濃度は、露光装置3による露光量を制御することで制御することができる。ここでは、トナー帯の濃度は、トナー載り量で表しているが、露光装置3の露光量を指定する濃度レベルの情報であってよい。
このように、本実施例では、CPU103は、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域のブレード圧に応じて、該各領域に到達させるトナー帯の濃度を変更することで、該各領域に供給するトナー帯のトナー量を変更する。このとき、CPU103は、ブレード圧が第1の当接圧である領域の濃度よりも、ブレード圧が第1の当接圧より小さい第2の当接圧である領域の濃度の方を小さくする。
以上のように、本実施例によれば、長手方向におけるブレード圧分布に応じてトナー帯の濃度を調整することで、ブレード3aの欠け量をブレード3aの長手方向で略均一に抑えることができるとともに、トナーの消費量を抑えることが可能になる。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1、2では、所定の実行頻度で供給動作を実行すると共に、各供給動作でブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯の幅や濃度を調整した。これに対し、本実施例では、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯を形成する頻度を変更することで、各領域に供給するトナー量を変更する。
つまり、ブレードニップQに介在するトナーやその外添剤は、感光ドラム1の走行距離(回転回数)の増加とともに減っていき、ブレード3aの欠けが発生しやすくなる。そのため、ブレード圧が相対的に高く、ブレード3aの欠けが相対的に発生しやすい場合には、より高い頻度でブレードニップQにトナーを供給することが望まれる。一方、ブレード圧が相対的に低く、ブレード3aの欠けが相対的に発生しにくい場合には、ブレードニップQにトナーを供給する頻度を相対的に低くすることでトナーの消費量を低減することができる。
本実施例では、CPU103は、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯ごとに、その形成タイミングを判断するための画像出力枚数を計数して本体記憶部101に記憶させる。また、CPU103は、該各領域に対し積算した画像出力枚数を、それぞれの領域のブレード圧に応じて設定された閾値と比較して、トナー帯を形成するタイミングが到来したか否かを判断する。そして、トナー帯を形成した場合には、その領域に対し積算した画像出力枚数を0にリセットする。
CPU103は、予め設定された表4に示すようなブレード圧とトナー帯を形成する頻度との関係を示す情報に基づいて、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域に到達させるトナー帯の形成タイミングを判断する。本実施例では、表4に示すような関係を示す情報は、予め本体記憶部101に記憶されている。
表4に示すように、本実施例では、ブレード圧(シール11に記載された「Value」)が「1」の場合はトナー帯を形成しない。また、ブレード圧が「2」の場合はトナー帯を画像出力200枚ごとに形成する。また、ブレード圧が「3」の場合はトナー帯を画像出力枚数100枚ごとに形成する。なお、本実施例では、ブレード圧の値に拘わらず、トナー帯の幅は20mm、濃度は所定の濃度Ymg/cm2で一定とされている。
このように、本実施例では、CPU103は、ブレード3aの長手方向におけるブレードニップQの各領域のブレード圧に応じて、該各領域に到達させるトナー帯を形成する頻度を変更することで、該各領域に供給するトナー量を変更する。このとき、CPU103は、ブレード圧が第1の当接圧である領域の頻度よりも、ブレード圧が第1の当接圧より小さい第2の当接圧である領域の頻度の方を低くする。
以上のように、本実施例によれば、ブレード3aの長手方向におけるブレード圧分布に応じてトナー帯の形成頻度を調整することで、ブレード3aの欠け量をブレード3aの長手方向で略均一に抑えられるとともに、トナーの消費量を抑えることが可能になる。
[実施例4]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1〜3では、プロセスカートリッジ250に貼り付けられたシール11に圧分布情報が記載されていた。これに対して、本実施例では、プロセスカートリッジ250に取り付けられたICタグ109(図10)に圧分布情報を記憶させる。ここで、ICタグ109は、プロセスカートリッジ250が有する圧分布情報が記憶された記憶媒体の一例である。また、この記憶媒体は、プロセスカートリッジ250が有する圧分布情報を保持した情報保持手段の一例である。
実施例1〜3のようにシール11に圧分布情報を保持させた場合、プロセスカートリッジ250の交換時に操作者が手入力を行うため、入力を間違えてしまう場合が考えられる。そこで、本実施例では、圧分布情報をプロセスカートリッジ250の組み立て工程時などにICタグ109に入力し、記憶させる。
図10は、本実施例の画像形成装置100の概略制御態様を示すブロック図である。ICタグ109は、不揮発性メモリを有したメモリタグであり、プロセスカートリッジ250に付けられている。一方、装置本体150にはICタグ109に記憶された情報を読み取ってCPU103に入力するICタグ読み取り部108が設けられている。プロセスカートリッジ250が装置本体150に装着されると、ICタグ109がICタグ読み取り部108に接続される。これにより、ICタグ109に記憶された圧分布情報がICタグ読み取り部108によってCPU103(入力部)に入力される。そして、CPU103は、ICタグ読み取り部108によって入力された情報に基づいて、実施例1〜3と同様にしてトナー帯を形成する動作を制御することができる。なお、ICタグ109から読み込んだ圧分布情報を一旦本体記憶部101に記憶させて用いてもよい。
以上のように、本実施例によれば、実施例1〜3と同様の効果が得られると共に、圧分布情報を入力する際の間違えを防止して、トナー帯を形成する動作を適切に制御することを容易にすることができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3で説明したブレードの長手方向におけるブレードニップの各領域に供給するトナー量を変更する方法は、任意に組み合わせて用いることができる。つまり、トナー帯のサイズ、濃度、形成頻度のうち2つ以上を変更することで、該各領域に供給するトナー量を変更することができる。
実施例1〜3では、圧分布情報は、プロセスカートリッジに貼り付けられたシール(すなわち、プロセスカートリッジ自体に設けられた記載部)に記載されていたが、これに限定されるものではない。プロセスカートリッジの提供者は、個々のプロセスカートリッジ(ブレード)ごとや、その製造ロットごとなどに、圧分布情報を任意の手段で操作者に提示できる。例えば、プロセスカートリッジの梱包や説明書などのプロセスカートリッジと共に流通する物品において提示したり、ネットワーク上のプロセスカートリッジあるいは画像形成装置の提供者のホームページなどにおいて提示したりすることができる。
また、実施例1〜3では、操作者が圧分布情報を入力したが、操作者が入力するのは、当該プロセスカートリッジにおける圧分布情報を特定できる情報であれば、例えばプロセスカートリッジの個体識別番号やロット番号などであってもよい。例えば、ネットワーク接続部によって装置本体に設けられた制御部がネットワークに繋がっている場合がある。この場合、例えば、圧分布情報は、プロセスカートリッジの個体識別番号やロット番号と対応付けられて、プロセスカートリッジあるいは画像形成装置の提供者のサービス拠点などにおける外部の記憶部に記憶されていてよい。この外部の記憶部と装置本体に設けられた制御部とが、ネットワーク接続部を介してネットワークに繋がっている。操作者は、装置本体に装着するプロセスカートリッジの個体識別番号やロット番号を装置本体に設けられた操作部から制御部に入力する。プロセスカートリッジの個体識別番号やロット番号は、プロセスカートリッジ自体、又はプロセスカートリッジの梱包や説明書などのプロセスカートリッジと共に流通する物品において提示することができる。そして、制御部は、入力されたプロセスカートリッジの個体識別番号やロット番号に対応する圧分布情報を外部の記憶部から入手することができる。
また、実施例4では、プロセスカートリッジに設けられた記憶媒体に圧分布情報を記憶させることを説明した。このようにプロセスカートリッジに記憶媒体が設けられる場合、実施例1〜3において説明した表2〜表4のような関係を示す情報も、プロセスカートリッジの記憶媒体に記憶させて保持させることができる。これにより、プロセスカートリッジの設計変更などがあった場合にも、装置本体側の変更を要することなく上述の実施例と同様の制御を行うことができる。なお、この場合にも、プロセスカートリッジの記憶媒体から読み込んだこれらの情報を一旦本体記憶部に記憶させて用いてもよい。
また、上述の実施例では、装置本体に入力手段、表示手段の機能を有する操作表示部が設けられていたが、これらの手段は例えば装置本体と通信可能に接続された機器(パーソナルコンピュータなど)に設けられたものを用いてもよい。
また、上述の実施例では、画像形成装置はプロセスカートリッジ着脱式とされていたが、これに限定されるものではなく、クリーニング部材や感光体が個別に交換可能とされていてもよい。なお、プロセスカートリッジは、一般に、感光体と、これに作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段及びクリーニング手段のうちの少なくとも一つと、を一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能としたものである。
また、上述の実施例では、クリーニング部材の感光体に対する当接圧が製造上のバラツキなどで異なる場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、装置の型式違いによる設定の変更、ユーザーによる装置の使用環境や使用状況による設定の変更などの任意の理由により、当接圧の設定を意図的に異ならせる場合でも本発明を適用することできる。
また、本発明はクリーニング部材がブレード状の部材である場合に特に好適に作用するものであるが、クリーニング部材はブレード状のものに限定されるものではない。例えばブロック状(パッド状)のものなど、感光体に対するその当接圧の違いが欠け、捲れ、異音の発生などの不具合の発生程度に影響するクリーニング部材を用いる場合には、本発明の適用により上記同様の効果が期待できる。
また、上述の実施例では、画像形成装置が設置された環境に応じて供給動作を実行するか否かを判断したが、環境によらずに供給動作を実行してもよい。
また、上述の実施例では、画像形成装置は、単色画像形成装置であったが、フルカラー画像の形成が可能なカラー画像形成装置などにも本発明を適用することができる。例えば、図11は、中間転写方式を採用したタンデム型のカラー画像形成装置の一例の概略断面図である。図11において、上述の実施例のものと同様又は対応する機能あるいは構成を有する要素には同一の符号を付している。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用に設けられた同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素の符号の末尾には、それぞれY、M、C、Kを付している。
図11の画像形成装置100は、それぞれが第1の像担持体としての感光ドラム1を備えた4個の画像形成部Sと、第2の像担持体としての中間転写ベルト301と、を有する。中間転写ベルト301は、感光ドラム1から一次転写されたトナー像を記録材Pに二次転写するために搬送する中間転写体の一例である。各画像形成部Sの感光ドラム1に形成されたトナー像は、各一次転写部N1において各一次転写ローラ22の作用により中間転写ベルト301に一次転写される。その後、中間転写ベルト301上のトナー像は、二次転写部N2において二次転写手段としての二次転写ローラ302により記録材Pに二次転写される。二次転写工程後に中間転写ベルト301上に残留したトナーは、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置303によって中間転写ベルト301上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置303は、中間転写ベルト301の移動方向に対しカウンター方向になるようにして中間転写ベルト301に当接される、クリーニング部材としてのブレード304を有する。
このような画像形成装置100において、各感光ドラム1をクリーニングするブレード3aに関して本発明を適用することができる。さらに、中間転写ベルト301をクリーニングするブレード304に関して本発明を適用することもできる。この場合、複数の感光ドラム1のうち少なくとも一つに形成したトナー帯を中間転写ベルト301に転写し、二次転写部N2を通過させることで、ブレード304と中間転写ベルト301との当接部にトナー帯のトナーを供給することができる。トナー帯が二次転写部N2を通過する際には、二次転写ローラ302に印加する電圧をOFF又はトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧とすること、あるいは二次転写ローラ302を中間転写ベルト301から離間させることができる。このような画像形成装置100では、例えば、中間転写ベルト301とベルトクリーニング装置303とを含むユニット(中間転写ベルトユニット)が装置本体150に対して着脱可能とされることがある。そのため、圧分布情報は、そのユニットに貼り付けられたシールやこのユニットに設けられた記憶媒体に保持させることができる。勿論、上述の圧分布情報のその他の提示方法も採用することができる。