JP6899727B2 - 不正開封防止キャップ - Google Patents
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Description
このような不正開封防止キャップでは、外キャップを内キャップに対して緩み方向に回転させると、破断片が破断されて封止リングが外キャップから分離するので、容器本体が開封されたことを容易に視認することができ、ひいては容器本体が不正に開封されることを抑制できる。
一方、頂部を押し込まない状態では、上述のように、係止部の被係止部に対する上記緩み方向への回転が規制されていないので、外キャップは、内キャップに対して上記緩み方向で空転する。
このように、単に外キャップを内キャップに対して上記緩み方向に回転させただけで開封されることを防止したので、対象者による開封を許容した上で、非対象者による意図しない開封をより防止できる。
さらに、頂部を押し込んで弾性変形部を径方向の外側に向けて曲げ変形させると、弾性変形部間の間隔が広がる。そのため、指を曲げ変形させた弾性変形部間に位置させることにより、外キャップを上記緩み方向に回転させやすくなる。これにより、不正開封防止キャップの操作性がより向上する。
この発明では、頂部を押し込まなくても、係止部の被係止部に対する締め込み方向への回転が規制されるので、外キャップを締め込み方向に回転させる力は、内キャップに伝達される。そのため、頂部を押し込まなくても口部を閉塞する操作が可能となる。これにより、不正開封防止キャップの操作性がより向上する。
この発明では、頂部を押し込んだ状態で外キャップを周方向に回転させたときに、外キャップを周方向に回転させる力が複数の係止部及び被係止部に分散される。これにより、内キャップを周方向に回転させやすくなり、不正開封防止キャップの操作性がさらに向上する。
本実施形態にかかる不正開封防止キャップ1は、図1に示すように、内部に内容物が収容された有底円筒状の容器本体2の口部3に螺着される。不正開封防止キャップ1は、口部3に螺着される有頂円筒状の内キャップ4と、内キャップ4に取り外し可能に取り付けられて内キャップ4を外側から囲む有頂円筒状の外キャップ5と、を備える。
口部3の外周面には、雄ネジ部が形成されている。この雄ネジ部は、口部3に対して内キャップ4を第1回転方向A1に回転させた際に、内キャップ4が締め込まれるように螺旋状に形成されている。そのため、周方向のうち第1回転方向A1は、内キャップ4の口部3に対する締め込み側となり、第2回転方向A2は、内キャップ4の口部3に対する緩み側となる。
肩部6の内径及び外径は、下方に向かうにしたがって漸次拡径している。
胴部7の内径及び外径は、上下方向の全長にわたってほぼ一定となっている。
天壁部11の上面には、複数の被係止突部(被係止部)11Aが上方に向けて突設されている。被係止突部11Aは、図3に示すように、平面視で頂角が約30°である二等辺三角形状をなしており、頂点がキャップ軸Oを向いている。また、被係止突部11Aは、周方向に間隔をあけて配設されている。ここで、周方向で隣り合う2つの被係止突部11A間の周方向の角度は、約30°となっている。また、天壁部11の下面には、図1及び図2に示すように、口部3の上端との間に介装される円板状のパッキン13が配設されている。
頂板部21の外径は、天壁部11の外径よりも小さくなっている。また、頂板部21は、天壁部11から上方に離間して配設されている。頂板部21の下面には、複数の係止突部(係止部)21Aが下方に向けて突設されている。係止突部21Aは、図5に示すように、下面視で頂角が約30°のほぼ二等辺三角形状をなしており、頂点がキャップ軸Oを向いている。ここで、周方向で隣り合う2つの係止突部21A間の周方向の角度は、約30°となっている。また、係止突部21Aは、天壁部11に形成された被係止突部11Aのうち周方向で隣り合う2つの被係止突部11A間の隙間に配設可能となっている。なお、係止突部21Aの径方向の長さは、被係止突部11Aの径方向の長さよりも短くなっている。
下筒部24のうち径方向で係止突部21Aが形成されている位置に対応する周方向位置には、径方向の内側に向けて突出する被掛止突部14と第1回転方向A1で係止可能な掛止突部36が形成されている。掛止突部36の内面は、第1回転方向A1に向かうにしたがって径方向の内側に向かうように傾斜する第2傾斜面36Aと、第2傾斜面36Aの第1回転方向A1側の端部からほぼ径方向の外側に向けて延在する第2係止面36Bと、第2係止面36Bの径方向の外側の端部からほぼ周方向に沿って延在する周方向面36Cと、を有する。第2係止面36Bは、図7に示すように、第1係止面14Aに対して第1回転方向A1で当接している。なお、第2係止面36Bは、第1係止面14Aに対して第1回転方向A1で係止可能であればよく、第1係止面14Aから離間していてもよい。
図1に示すように、外キャップ5の頂板部21を内キャップ4の天壁部11に向けて押し下げない状態では、係止突部21Aの被係止突部11Aに対する周方向の回転が規制されていないので、外キャップ5を第2回転方向A2に回転させても、外キャップ5を第2回転方向A2に回転させる力を内キャップ4に伝達させることができない。そのため、外キャップ5は、内キャップ4に対して第2回転方向A2で空転する。したがって、内キャップ4を第2回転方向A2に回転させることができない。
なお、外キャップ5を内キャップ4に対して第2回転方向A2に回転させていくと、掛止突部(掛止部)36の第2傾斜面36Aは、被掛止突部14の第1傾斜面14Bに第1回転方向A1から接近、当接する。そして、掛止突部36は、被掛止突部14を乗り越える。そのため、掛止突部36の被掛止突部14に対する第2回転方向A2での回転は、規制されず、外キャップ5は、内キャップ4に対して空転し続ける。
これにより、非対象者による意図しない開封が防止される。
また、外キャップ5の頂板部21を内キャップ4の天壁部11に向けて押し下げると、外キャップ5の係止突部21Aが内キャップ4の被係止突部11A間に配設される。なお、係止突部21Aが被係止突部11A間に配設されない場合には、外キャップ5を内キャップ4に対して第2回転方向A2に回転させて平面視で係止突部21Aが被係止突部11A間に位置するように周方向の位置を調整すればよい。
ここで、外キャップ5の頂板部21の押し込みを解除すると、弾性変形部23は、復元変形し、係止突部21Aは、被係止突部11Aに対して上昇してしまう。したがって、係止突部21Aを被係止突部11A間に配設されている状態を維持するためには、外キャップ5の頂板部21を押し込み続ける必要がある。
なお、弾性変形部23が径方向の外側に向けて折曲変形すると、周方向で隣り合う2つの弾性変形部23間の周方向の隙間は、大きくなる。そのため、操作者の指を拡大した隙間に配置し、指を折曲変形した弾性変形部23に掛けることにより、外キャップ5を第2回転方向A2に回転させやすくなっている。
ここで、外キャップ5を押し込んだ状態で外キャップ5を内キャップ4と共に第1回転方向A1に回転させることによって不正開封防止キャップ1を容器本体2の口部3に装着してもよいが、外キャップ5押し込みを解除しても、外キャップ5を内キャップ4と共に第1回転方向A1に回転させることができる。すなわち、頂板部21を天壁部11に向けて押し込まなくても、掛止突部36の第2係止面36Bは、被掛止突部14の第1傾斜面14Bに対して第1回転方向A1で当接する。この状態で外キャップ5を内キャップ4に対して第1回転方向A1に回転させると、掛止突部36は、被掛止突部14を第1回転方向A1に乗り越えることができず、被掛止突部14に対して第1回転方向A1で当接したままとなり、外キャップ5は、内キャップ4と共に第1回転方向A1に回転する。
以上のようにして、不正開封防止キャップ1を使用する。
ここで、開封するためには頂板部21の押し込み状態を維持しつつ外キャップ5を内キャップ4に対して第2回転方向A2に回転させる必要があるので、非対象者による意図しない開封をより防止できる。また、頂板部21の押し込み状態を解除するだけで弾性変形部23が復元変形し、頂板部21を押し込む前の位置に復帰させる。これにより、不正開封防止キャップ1の操作性が向上する。
内キャップ51は、平面視で円状の天壁部61と、円筒状の周壁部62と、を有する。
天壁部61の下面には、口部3の内周面に当接する円筒状のシール筒部61Aが下方に向けて突設されている。
周壁部62の上端外周縁部には、下方に向けて陥没する被係止凹部(被係止部)62Aが形成されている。被係止凹部62Aは、周方向に間隔を開けて複数形成されていてもよく、1つのみ形成されていてもよい。
頂板部71は、天壁部61から上方に離間して配設されている。
周筒部72は、頂板部71の外周縁から下方に向けて連設された円筒状の上筒部73と、上筒部73の下端から下方に向けて周方向に間隔を開けて複数連設された弾性変形部74と、を有する。
弾性変形部74の径方向の厚さは、上筒部73の径方向の厚さよりも薄くされており、弾性変形部74は、容器本体2の肩部6に当接または近接している。
上述した第1実施形態と同様に、外キャップ52の頂板部71を内キャップ51の天壁部61に向けて押し下げない状態では、係止突部73Aが被係止凹部62Aに対して第2回転方向A2に回転することが規制されていない。そのため、外キャップ52を内キャップ51に対して第2回転方向A2に回転させても、外キャップ52は、内キャップ51に対して空転する。
これにより、非対象者による意図しない開封が防止される。
この状態で外キャップ52を内キャップ51に対して第2回転方向A2に回転させると、係止突部73Aが被係止凹部62Aに対して第2回転方向A2に回転することが規制されているので、外キャップ52は、内キャップ51と一体となって第2回転方向A2に回転する。
以上のようにして、不正開封防止キャップ50を使用する。
例えば、容器本体は、単層のボトル型容器に限らず、例えば二重容器などの積層型容器であってもよく、パウチ容器であってもよい。
係止突部及び被係止突部は、少なくとも1つずつ形成されていればよく、必ずしも同数ずつ形成する必要はない。また、第1実施形態において、係止部及び被係止部の形状は、双方を突部とする形状に限らず、第2実施形態のように一方を凹部とし、他方を凹部に収容される突部とした形状など、他の形状であってもよい。第2実施形態についても同様である。さらに、第1実施形態において、係止突部及び被係止突部は、外キャップの頂板部及び内キャップの天壁部に各別に形成されているが、頂板部及び天壁部に限らず、周筒部及び周壁部など、外キャップ及び内キャップのうちの他の箇所に形成されてもよい。第2実施形態についても同様である。
弾性変形部は、周方向に間隔を開けて複数配設されているが、少なくとも1つ形成されていればよい。また、弾性変形部を1つのみ形成する場合には、弾性変形部の構成として、例えば蛇腹状に形成した構成などが挙げられる。さらに、第1実施形態において、弾性変形部は、径方向の外側に向けて折曲変形可能となっているが、折れ曲がる必要はなく、また、径方向の内側に向けて湾曲変形するように形成されてもよい。
第1実施形態において、弾性変形部は、頂板部を押し込む力を内キャップのフランジ部が受けることによって弾性変形しているが、第2実施形態のように容器本体の肩部など、容器本体が頂板部を押し込む力を受けることによって、弾性変形するように構成されてもよい。第2実施形態についても同様である。
第1実施形態において、外キャップ及び内キャップには、掛止突部及び被掛止突部が各別に形成されているが、掛止突部及び被掛止突部が形成されていなくてもよい。第2実施形態についても同様である。また、掛止突部及び被掛止突部の形状は、適宜変更してもよい。さらに、掛止突部は、頂板部を押し込んでいないときに被掛止突部に対して締め込み方向で係止可能であればよく、頂板部を押し込んでいる状態で被掛止突部に対して締め込み方向で係止可能でなくてもよい。
外キャップは、有頂円筒状をなしているが、有頂筒状ではなく、筒状であってもよい。
Claims (3)
- 内容物が収容される容器本体の口部に螺着される有頂筒状の内キャップと、
前記内キャップに対してキャップ軸回りの周方向に回転可能に取り付けられ、前記内キャップを外側から囲み、頂部が前記内キャップの天壁部に対して前記キャップ軸方向に離間している筒状の外キャップと、
を備え、
前記内キャップには、被係止部が設けられており、
前記外キャップには、前記頂部が前記天壁部に向かうように前記頂部を前記キャップ軸方向の内側に押し込んだときに弾性変形する弾性変形部と、前記被係止部から前記キャップ軸方向の外側に離間して配設された係止部と、が設けられており、
前記弾性変形部を弾性変形させつつ前記頂部を前記天壁部に向かわせたときに、前記係止部の前記被係止部に対する前記周方向の回転が規制されており、
前記弾性変形部が、前記周方向に間隔を開けて複数配設されており、平面視で前記キャップ軸に交差する径方向の外側に向けて曲げ変形可能であることを特徴とする不正開封防止キャップ。 - 前記外キャップには、前記頂部の押し込みを解除したときに、前記内キャップに設けられた被掛止部に対して、前記周方向のうち前記内キャップの前記口部に対する締め込み方向に回転することが規制される掛止部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の不正開封防止キャップ。
- 前記係止部及び前記被係止部が、前記周方向に沿って間隔を開けて複数形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の不正開封防止キャップ。
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