JP6899317B2 - 電磁式アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、車両に適用される電磁式アクチュエータに関する。詳細には、一対の回転部材の動力伝達を断続する断続部を作動させる電磁石を有する電磁式アクチュエータに関する。
従来、電磁式アクチュエータとしては、相対回転可能な一対の回転部材と、この一対の回転部材の間の動力伝達を断続する断続部としてのカップリング装置と、このカップリング装置を作動させる電磁石と、この電磁石への通電を制御する制御手段としてのECUとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電磁式アクチュエータでは、カップリング装置の起動時に、ECUが、電磁石に流す指令電流値が所定電流値以下であるか否かを判定し、所定電流値以下である場合に、指令電流値を所定電流値より大きくなるように補正する。
このような電磁式アクチュエータでは、電磁石に初めに流す指令電流値を、所定電流値より大きくなるように補正することにより、カップリング装置の起動時における応答性を向上することができる。
特開2009−14134号公報
しかしながら、上記特許文献1のような電磁式アクチュエータでは、どのような断続部の接続状態であっても、所定電流値が、所定の応答速度以上で断続部が接続可能な電流値に設定されており、この所定電流値に基づいてECUが指令電流値を補正していた。
このため、断続部で必要なリクエストトルクが小さい場合であっても、電磁石が必要以上の大きな付加電流を流してしまい、断続部におけるトルクが大きくなり過ぎて、電磁石への通電を下げる制御が必要となるなど、断続部の応答性が低下する恐れがあった。
そこで、この発明は、断続部の応答性を向上することができる電磁式アクチュエータの提供を目的としている。
本発明は、相対回転可能な一対の回転部材と、この一対の回転部材の間の動力伝達を断続する断続部と、この断続部を作動させる電磁石と、この電磁石への通電を制御する制御手段とを備えた電磁式アクチュエータであって、前記制御手段は、前記断続部に付与されるリクエストトルクに応じて決定された電流値に、前記リクエストトルクと、前記一対の回転部材の差回転と前記断続部の温度とのうち少なくともいずれか一方とから決定される応答係数を考慮した付加電流を与え、前記制御手段は、前記リクエストトルクが入力されたときに、入力された前記リクエストトルクがこれまでの前記リクエストトルクより大きいか小さいかを判断し、前記応答係数が決定されることを特徴とする。
この電磁式アクチュエータでは、制御手段が、断続部に応じたリクエストトルクと、一対の回転部材の差回転と断続部の温度とのうち少なくともいずれか一方とから決定される応答係数を考慮した電流を、断続部の状態に合わせて最適化することができる。
従って、このような電磁式アクチュエータの断続部の応答性を向上することができる。
本発明によれば、断続部の応答性を向上することができる電磁式アクチュエータを提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータが適用された車両の動力系を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータの制御手段の制御の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータの制御手段の制御の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータの制御手段の制御によって得られた断続部のトルクの変化を示す図である。 比較例としての本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータの制御手段と異なる制御によって得られた断続部のトルクの変化を示す図である。
図1〜図5を用いて本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータについて説明する。
本実施の形態に係る電磁式アクチュエータ1は、相対回転可能な一対の回転部材としての前輪3側と後輪5側と、この前輪3側と後輪5側との間の動力伝達を断続する断続部7と、この断続部7を作動させる電磁石9と、この電磁石9への通電を制御する制御手段11とを備えている。
そして、制御手段11は、断続部7に付与されるリクエストトルクaに応じて決定される電流値I0に、リクエストトルクaと、前輪3側と後輪5側との差回転bと断続部7の温度cとのうち少なくともいずれか一方とから決定される応答係数K0を考慮した付加電流I1を与える。
また、制御手段11は、リクエストトルクaと、差回転bと、温度cとから付加電流I1を決定する。
さらに、制御手段11は、リクエストトルクaが入力されたときに、入力されたリクエストトルクaがこれまでのリクエストトルクaより大きいか小さいかを判断し、応答係数K0を決定する。
また、制御手段11は、応答係数K0と減衰係数K1を考慮し、付加電流I1を与える。
さらに、制御手段11は、応答係数K0を考慮して付加電流I1が決定された後に、この付加電流I1に減衰係数K1を考慮して、最終的な付加電流I1’を与える。
まず、図1を用いて本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータが適用される車両の動力系の一例について説明する。
図1に示すように、車両の動力系は、駆動源としてのエンジン13とモータジェネレータ15と、変速機構としてのトランスミッション17と、前輪側の左右輪の差動を許容するフロントデフ19と、前車軸21,21と、前輪3,3と、前輪側から後輪側へ動力を伝達するトランスファ23と、プロペラシャフト25と、後輪側に伝達される駆動力を断続する断続部7を有する動力伝達装置27と、後輪側の左右輪の差動を許容するリヤデフ29と、後車軸31,31と、後輪5,5などから構成されている。
このように構成された車両の動力系では、エンジン13、或いはモータジェネレータ15の駆動力がトランスミッション17を介してフロントデフ19に伝達される。
このフロントデフ19に伝達された駆動力は、前車軸21,21を介して前輪3,3に配分されると共に、フロントデフ19に連結されたトランスファ23に伝達される。
このトランスファ23に伝達された駆動力は、プロペラシャフト25から断続部7を介して動力伝達装置27に伝達される。
この動力伝達装置27に伝達された駆動力は、断続部7が接続状態であると、リヤデフ29に伝達され、後車軸31,31を介して後輪5,5に配分され、車両は前後輪駆動の四輪駆動状態になる。
一方、車両が前輪駆動の二輪駆動状態になる場合には、動力伝達装置27の断続部7が接続解除状態となり、プロペラシャフト25と動力伝達装置27との間の動力伝達が遮断され、後輪側への駆動力の伝達が遮断される。
このように動力伝達装置27における断続部7は、前輪3側と後輪5側との間に配置され、後輪5側に伝達される駆動力を断続する断続部となっており、この断続部7は、電磁式アクチュエータ1によって作動される。
以下、図1〜図4を用いて本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータの詳細について説明する。
図1に示すように、断続部7は、前輪3側に一体回転可能に連結された回転部材(不図示)と後輪5側に一体回転可能に連結された回転部材(不図示)との間に配置され、滑り摩擦を伴う中間制御可能な多板クラッチからなる。
この断続部7は、所要の伝達トルクが得られるように、制御電流を付加して断続部7の締結状態を制御するアクチュエータである電磁式アクチュエータ1によって断続操作され、接続状態となると、前輪3側から後輪5側へ駆動力の伝達を可能とする。
電磁式アクチュエータ1は、例えば、電磁石9と、アーマチャ(不図示)と、パイロットクラッチ(不図示)と、変換機構としてのカム機構(不図示)と、断続部材(不図示)と、制御手段11とを備えている。
この電磁式アクチュエータ1は、電磁石9へ電流を付加した通電により、アーマチャが移動され、パイロットクラッチを押圧締結させる。
このパイロットクラッチが締結されると、カム機構で差回転が生じ、断続部材を移動させる移動力に変換される。
この断続部材の移動により、断続部7が接続され、前輪3側から後輪5側への動力伝達が可能となる。
このような断続部7の接続において、電磁石9への通電を制御することにより、断続部7で的確な締結トルクを得ることができ、車両の走行状態を安定して保持することができる。
そこで、電磁石9は、車両の各種情報が入力される制御手段11に接続されており、電磁石9への通電が制御されている。
制御手段11は、車両に搭載された各機構の作動を制御するメイン制御手段33にCAN通信を介して接続され、メイン制御手段33との間で情報伝達が可能となっている。
このメイン制御手段33は、エンジン13の回転を検出する回転センサ35、モータジェネレータ15の回転を検出する回転センサ37、前後左右車輪の回転を検出する回転センサ39、アクセル開度センサ41、加速度センサ43、ヨーモーメントセンサ45、断続部7の温度を検出する温度センサ47などの各種センサの情報が受信可能となっており、車両に搭載された各機能に制御情報を出力して各機構の作動を制御する。
なお、メイン制御手段33は、上記の各種センサ情報の他に、断続部7の状況を検出するセンサ、車速センサ、操舵角センサ、車両の傾斜状況を検知するグラビティセンサ、ブレーキセンサ、外気温センサなどの各種センサの情報が受信可能となっており、車両に搭載された各機能に制御情報を出力して各機構の作動を制御する。
また、前輪3側に一体回転可能に連結された回転部材(不図示)と後輪5側に一体回転可能に連結された回転部材(不図示)との間、すなわち、一対の回転部材間の差回転cは、上述した図1の実施例においては、前後左右車輪の回転を検出する回転センサ39による演算から算出される値であるが、他の方法としては、一対の回転部材にそれぞれ回転センサを配置して、直接的に検出した回転数から差回転cを算出することもでき、或いは回転センサ39を含む、それらの回転センサの組み合わせから差回転cを演算・算出することもできる。
さらに、断続部7の温度bを検出するための上述した温度センサ47は、断続部7の近傍の非回転部材の温度を検出して、断続部7の温度bを推定するものであるが、温度センサ47は断続部又は近傍の回転部材の温度を直接計測するものや、エンジン13やトランスミッション17に配置された他の温度センサの温度から断続部7の温度bを推定演算したものであってもよい。
このようなメイン制御手段33から制御手段11には、断続部7の状態に応じたリクエストトルクaが入力され、このリクエストトルクaに応じて電磁石9に流れる電流値I0が決定され通電を制御する。
ここで、電磁石9に流す電流は、例えば、断続部7を接続解除状態から接続状態に移行させるとき、断続部7の応答性を向上させるために、電磁石9に初めに付与される電流値I0を、断続部7の状態を保持する保持電流よりも大きくすることが好ましい。
しかしながら、電磁石9に初めに付与される電流値I0を一定、或いはリクエストトルクaに応じて決定される電流値I0の補正の割合を一定にしてしまうと、例えば、断続部7で必要なリクエストトルクaが小さい場合、電磁石9が必要以上の大きな電流を流してしまい、断続部7におけるトルクが大きくなり過ぎて、断続部7の応答性が低下する恐れがあった。
そこで、制御手段11は、電磁石9に初めに流すリクエストトルクaに応じて決定された電流値I0に、このリクエストトルクaと、回転センサ39から入力される前後左右車輪の回転から検出される差回転cと温度センサ47から入力される断続部7の温度bとのうち少なくともいずれか一方とから決定される応答係数K0を考慮した付加電流I1を与えている。
なお、「考慮した」とは、一例として、リクエストトルクa,温度b,差回転cから予め用意されたマップに基づく応答係数K0を、リクエストトルクaに応じて決定された電流値I0に掛け合わせることを意味するが、断続部7の特性や車両の走行特性によって狙いの付加電流I1を与えるために、a〜cの値を制御電流にどのように考慮するかは、適宜決定されるものとする。一例に示すような掛け合わせによって得られた電流が、「付加電流I1」として断続部7の制御用の電磁石9に与えられることになる。
なお、前輪3側と後輪5側との差回転cは、回転センサ39から前輪3,3と後輪5,5との回転を検出し、(左前輪+右前輪)/2−(左後輪+右後輪)/2の式によって算出される。
この前輪3側と後輪5側との差回転cの算出は、メイン制御手段33が行い、算出された差回転cを制御手段11に入力するようにしてもよい。
また、断続部7の温度bは、断続部7に近接して配置された温度センサ47によって直接的に温度を検出して断続部7の温度bを推定しているが、断続部7のトルクと差回転cの積の積分によって断続部7の温度bを推定してもよい。
このようなメイン制御手段33や各種センサから情報が入力される制御手段11は、リクエストトルクaと差回転cとに対する応答係数K0の特性を示すマップと、リクエストトルクaと温度bとに対する応答係数K0の特性を示すマップとのうち少なくともいずれか一方のマップを有している。
このようなマップを有する制御手段11は、入力されたリクエストトルクaと差回転c、或いはリクエストトルクaと温度bから決定される応答係数K0を考慮して、断続部7の状態に応じて電磁石9に初めに流れる的確な付加電流I1を与える。
このため、電磁石9が必要以上の大きな電流を流したり、或いは電磁石9が断続部7の応答性が向上しないような小さな電流を流したりすることがなく、電磁石9が断続部7の状態に応じて的確な付加電流I1を流すことができ、断続部7の応答性を向上することができる。
なお、制御手段11は、リクエストトルクaと差回転c、或いはリクエストトルクaと温度bのような二次元のマップを有しているが、制御手段11がリクエストトルクaと差回転cと温度bの全てに応じて決定される応答係数K0を考慮した三次元のマップを用いて付加電流I1を決定してもよい。
このように制御手段11がリクエストトルクaと差回転cと温度bに対する付加電流I1の特性を示すマップを有することにより、さらに断続部7の状態に応じて電磁石9に的確な付加電流I1を与えることができ、さらに断続部7の応答性を向上することができる。
ここで、断続部7の状態としては、接続解除状態から接続状態になるときのようにトルクを大きくする他に、接続状態から接続解除状態になるときのようにトルクを小さくすることもある。
断続部7がトルクを小さくする場合には、電磁石9に初めに流れる付加電流I1を、断続部7の状態を保持する保持電流よりも小さくすれば、断続部7の応答性を向上することができる。
しかしながら、電磁石9に初めに流れる付加電流I1を一定、或いはリクエストトルクaに対する付加電流I1の補正の割合を一定にしている場合には、付加電流I1を大きくする電流制御と同様に、電磁石9が断続部7の応答性が向上しないような保持電流からの下げ幅の小さい付加電流I1を流したり、電磁石9が保持電流から必要以上に下げ幅の大きい付加電流I1を流したりする恐れがある。
そこで、制御手段11は、入力されたリクエストトルクaが、前回(これまで)のリクエストトルクaより大きいか小さいかを判断し、この判断に基づき電磁石9に初めに流れる付加電流I1を決定する。
詳細には、制御手段11は、リクエストトルクaと差回転cのマップ、リクエストトルクaと温度bのマップ、或いはリクエストトルクaと差回転cと温度bのマップにおいて、リクエストトルクaが大きくなる側に変化したときのマップと、リクエストトルクaが小さくなる側に変化したときのマップとを有している。
このようなマップを有する制御手段11は、入力されたリクエストトルクaが、前回(これまで)のリクエストトルクaより大きいか小さいかを判断した後、この判断に整合するマップからリクエストトルクaに応じた電磁石9に初めに流れる付加電流I1を決定する。
図2のマップ49は、伝達トルクを大きくする上り側のマップを示すものであり、マップ51は、伝達トルクを小さくする下り側のマップを示すものである。
上り側と下り側のそれぞれのマップ49,51を備えることで、付加電流I1の状態を適切に設定することができる。
なお、制御手段11が、複数のマップを持つ場合には、それぞれに対応して応答係数K0は、K0,K0’のように、複数の係数が設定されてもよい。
応答係数K0が区分けして設定されることで、付加電流I0も変化するので、対応して断続部7の伝達トルクの応答性をさらに向上させることができる。
このため、断続部7の伝達トルクが大きくなる側の変化と、断続部7の伝達トルクが小さくなる側の変化との両方の変化に対して、電磁石9に初めに流す付加電流I1を的確に決定することができ、どのような断続部7の状態変化であっても、断続部7の応答性を向上することができる。
さらに、制御手段11は、リクエストトルクaと、差回転cと温度bの少なくともいずれか一方とから決定される減衰係数K1を備えており、上述した応答係数K0と減衰係数K1とを考慮した付加電流I1を電磁石9に与えるものである。
なお、制御手段11は、上述した応答係数K0と同様に、複数のマップを持つ場合には、それぞれに対応して減衰係数K1は、K1,K1’のように、複数の係数が設定されてもよい。
減衰係数K1が区分けして設定されることで、付加電流I1も変化するので、対応して断続部7の伝達トルクの応答性をさらに向上させることができる。
ここでまた、図2及び図3を用いて、このような制御手段11による電磁石9に与える付加電流I1の制御方法について説明する。
上述したように、制御手段11は、上り側と下り側のそれぞれのマップ49,51を備えることで、付加電流I1を適切に設定し、断続部7の状態の応答性を向上させることができる。
さらに、制御手段11は、付加電流I1の減衰係数K1を決定するためにマップ53も備えている。
このマップ53は、一例として、リクエストトルクa、差回転c及び温度bの各状態が入力されたとき、加えてリクエストトルクaが上り側か下り側かを識別し、付加電流I1を目標トルクに迅速に収束させるべく、付加電流I1にどのような減衰特性を付与すればよいか、マップ53から減衰係数K1を選定するものである。
従って、リクエストトルクaと、差回転c又は温度bのいずれか一方との組み合わせの状態が入力されれば、或いはリクエストトルクaと、差回転c及び温度bの組み合わせの状態が入力されれば、応答係数K0と減衰係数K1がそれぞれ並行して決定され、制御手段11は、電磁石9に対してこれらの係数K0,K1を考慮して、電磁石9に付加電流I1を与えることができる。
そして、図3のように、制御手段11は、リクエストトルクaに応じて決定される電流値I0と、各マップ49,51,53のうち必要なマップから得られる応答係数K0と減衰係数K1とから、これらの係数K0,K1を含めて電流値を演算することで、付加電流I1を決定して電磁石9に与える。
または、図3の実施例の一部変形例として、制御手段11は、リクエストトルクaと、差回転cと温度bとのうち少なくともいずれか一方とから決定される減衰係数K1を備えている。
この制御手段11では、まず初めに、電流値I0に対し応答係数K0を考慮し、演算により付加電流I1が決定される。
その後に、マップ53によって選定されている減衰係数K1を既に決定されている付加電流I1に演算することで、付加電流I1’を決定する。
この付加電流I1’は、電磁石9に通電され、断続部7の締結状態を応答性よく制御することができる。
このような制御手段11の電流制御によって得られた時間経過に対する断続部7の伝達トルクの変化を図4に示す。
なお、比較として、付加電流を一定とし、付加電流を流す時間を一定として電流制御したときの時間経過に対する断続部7の伝達トルクの変化を図5に示す。
また、図4,図5における仮想線は、断続部7におけるリクエストトルクaの変化を示すものであり、この仮想線に近くなるほど、様々なリクエストトルクaに応じた的確な電流制御を行っていることになる。
図4,図5から明らかなように、本発明の制御手段11の電流制御に従って得られた断続部7の伝達トルクは、仮想線に非常に近似しており、様々なリクエストトルクaに応じた的確な電流制御が行われていることがわかる。
一方、本発明の制御手段11と異なる電流制御に従って得られた断続部7の伝達トルクは、仮想線とのずれが大きく、様々なリクエストトルクaに応じた電流制御を行うことができないことがわかる。
このような電磁式アクチュエータ1では、制御手段11が、断続部7に応じたリクエストトルクと、前輪3側と後輪5側の差回転と断続部7の温度とのうち少なくともいずれか一方とから電磁石9で初めに流れる付加電流を決定するので、電磁石9で初めに流れる付加電流を、断続部7の状態に合わせて最適化することができる。
従って、このような電磁式アクチュエータ1では、電磁石9で初めに流れる付加電流が必要以上に大きくなったり、或いは小さくなったりすることがなく、断続部7の応答性を向上することができる。
また、制御手段11は、リクエストトルクと、差回転と、温度とから付加電流I1を決定するので、さらに断続部7の状態に応じた的確な電磁石9の付加電流を決定することができ、さらに断続部7の応答性を向上することができる。
さらに、制御手段11は、リクエストトルクが入力されたときに、入力されたリクエストトルクがこれまでのリクエストトルクより大きいか小さいかを判断し、付加電流を決定するので、断続部7のトルクが大きくなる側の変化と、断続部7のトルクが小さくなる側の変化との両方の変化に対して、電磁石9に初めに流す付加電流を的確に決定することができ、どのような断続部7の状態変化であっても、断続部7の応答性を向上することができる。
また、制御手段11は、断続部7に付与されるリクエストトルクaに応じて決定された電流値I0に、断続部7に応じたリクエストトルクaと、一対の回転部材の差回転cと断続部7の温度bとのうち少なくともいずれか一方とから決定される応答係数K0を考慮した付加電流11を与えるので、断続部7の状態に応じて、電磁石9に与えられる付加電流I0を的確に決定することができ、さらに断続部7の応答性を向上することができる。
さらに、制御手段11は、付加電流I1が決定される際に、断続部7に応じたリクエストトルクaと、一対の回転部材の差回転cと断続部7の温度bとのうち少なくともいずれか一方とから決定される減衰係数K1を合わせて考慮して付加電流I1を決定するので、電磁石9がより的確な付加電流I1を流すことができ、さらに断続部7の応答性を向上することができる。
なお、付加電流I1は、応答係数K0を考慮して決定された後に、減衰係数K1を考慮してこの付加電流I1を再度付加電流I1’として決定してもよく、電磁石9がより的確な付加電流I1,I1’を流すことで、断続7の応答性を向上することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る電磁式アクチュエータでは、一対の回転部材としての前輪側と後輪側との間の動力伝達を断続部が断続しているが、これに限らず、例えば、一対の回転部材としての一方のサイドギヤとデフケースとの間の動力伝達を断続する断続部を備えた差動制限機能を有するデファレンシャル装置、一対の回転部材としてのインナケースとアウタケースとの間の動力伝達を断続する断続部を備えたフリーラングデフのようなデファレンシャル装置、一方の出力軸上で一対の回転部材としての入力部材と出力部材との間の動力伝達を断続する断続部を備えたアクスルディスコネクトを有する動力伝達装置など、一対の回転部材の動力伝達を断続する断続部を作動させる電磁石を有する装置であれば、どのような形態の装置にも適用することができる。
また、応答係数K0や減衰係数K1は、予め設定されたマップ49,51,53から選定される所定係数でなくともよく、それぞれが所定の単一定数であるのが本発明の最低限の実施形態に成り得る。
逆に、マップを用いるのではなく、リクエストトルクaと、一対の回転部材の差回転c及び又は断続部7の温度bを所定の計算式に導入して応答係数K0又は減衰係数K1を得れば、的確な応答性を得るうえで最大の実施形態に成り得る。
また、本実施の形態では、制御手段の特徴的な役割を明確にするために、制御手段11が、車両に搭載された各機構の作動を制御するメイン制御手段33にCAN通信を介して接続され、メイン制御手段33との間で情報伝達が可能に区分けされた制御手段として説明されたが、メイン制御手段33とは区分けされることなく、メイン制御手段33での制御内容と共に一つの制御手段11として搭載され、制御が実行されてもよい。
1…電磁式アクチュエータ
3…前輪(回転部材)
5…後輪(回転部材)
7…断続部
9…電磁石
11…制御手段

Claims (5)

  1. 相対回転可能な一対の回転部材と、この一対の回転部材の間の動力伝達を断続する断続部と、この断続部を作動させる電磁石と、この電磁石への通電を制御する制御手段とを備えた電磁式アクチュエータであって、
    前記制御手段は、前記断続部に付与されるリクエストトルクに応じて決定された電流値に、前記リクエストトルクと、前記一対の回転部材の差回転と前記断続部の温度とのうち少なくともいずれか一方とから決定される応答係数を考慮した付加電流を与え
    前記制御手段は、前記リクエストトルクが入力されたときに、入力された前記リクエストトルクがこれまでの前記リクエストトルクより大きいか小さいかを判断し、前記応答係数が決定されることを特徴とする電磁式アクチュエータ。
  2. 請求項1記載の電磁式アクチュエータであって、
    前記応答係数は、前記リクエストトルクと、前記差回転と、前記温度とから決定される
    ことを特徴とする電磁式アクチュエータ。
  3. 請求項1又は2記載の電磁式アクチュエータであって、
    前記制御手段は、前記リクエストトルクと、前記差回転と前記温度とのうち少なくともいずれか一方とから決定される減衰係数を有し、前記応答係数と前記減衰係数とを考慮した前記付加電流を与えることを特徴とする電磁式アクチュエータ。
  4. 請求項1又は2記載の電磁式アクチュエータであって、
    前記制御手段は、前記リクエストトルクと、前記差回転と前記温度とのうち少なくともいずれか一方とから決定される減衰係数を有し、前記付加電流が決定された後に、前記付加電流に前記減衰係数を考慮することを特徴とする電磁式アクチュエータ。
  5. 請求項3又は4記載の電磁式アクチュエータであって、
    前記減衰係数は、前記リクエストトルクと、前記差回転と、前記温度とから決定されることを特徴とする電磁式アクチュエータ。
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