図1(A)は、本実施形態による電子部品接合基板の構成例を示す斜視図である。電子部品接合基板は、プリント配線基板100と、電子部品110と、端子部114と、端子部124とを有する。導電部101及び102は、ランドパターンであり、プリント配線基板100の表面に形成されている。電子部品110は、プリント配線基板100の上に搭載されている。
電子部品110は、例えば、はんだ131及び132によるリフロー搭載可能な表面実装デバイス(SMD:Surface Mount Device)形状を有する。例えば、電子部品110は、ネットワーク機器向けの電源用コイル等を有し、30mm×30mmのサイズ(電流値20A〜30Aクラス)を有する。
図1(B)は、端子部114の拡大図である。端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113とを有する。第1の端子111は、電子部品110から外に延びる。第2の端子112は、第1の端子111から外に延びる。第3の端子113は、第2の端子112から外に延びる。第2の端子112は、第1の端子111の部材と第3の端子113の部材よりも熱伝導率が低い部材である。第3の端子113の一部又は全部は、プリント配線基板100の導電部101に対してはんだ131により接合されている。なお、はんだ131の代わりに、導電性接着剤を用いてもよい。また、はんだ131は、ソルダペーストでもよい。
端子部124は、第4の端子121と、第5の端子122と、第6の端子123とを有する。第4の端子121は、電子部品110から外に延びる。第5の端子122は、第4の端子121から外に延びる。第6の端子123は、第5の端子122から外に延びる。第5の端子122は、第4の端子121の部材と第6の端子123の部材よりも熱伝導率が低い部材である。第6の端子123の一部又は全部は、プリント配線基板100の導電部102に対してはんだ132により接合されている。なお、はんだ132の代わりに、導電性接着剤を用いてもよい。また、はんだ132は、ソルダペーストでもよい。
第1の端子111及び第4の端子121は、電子部品110から引き出される端子部であり、熱伝導率及び電気伝導率が高い導電部材である。第3の端子113及び第6の端子123は、はんだ131及び132により接合される端子部であり、熱伝導率及び電気伝導率が高い導電部材である。第2の端子112及び第5の端子122は、熱伝導率が低い導電部材であり、通電性を有する。
例えば、第1の端子111及び第3の端子113は銅であり、第2の端子112は導電性接着剤である。第2の端子112の材料は、第1の端子111と第3の端子113の材料とは異なる。第2の端子112の一端部は第1の端子111に接着され、第2の端子112の他端部は第3の端子113に接着される。プリント配線基板100の導電部101は、例えば銅である。
同様に、第4の端子121及び第6の端子123は銅であり、第5の端子122は導電性接着剤である。第5の端子122の材料は、第4の端子121と第6の端子123の材料とは異なる。第5の端子122の一端部は第4の端子121に接着され、第5の端子122の他端部は第6の端子123に接着される。プリント配線基板100の導電部102は、例えば銅である。
なお、第1の端子111、第3の端子113、第4の端子121及び第6の端子123は、銅に限定されず、銅合金等の他の材料でもよい。また、第2の端子112及び第5の端子122は、導電性接着剤に限定されず、金属系(Fe−Ni合金等)、導電性高分子
、導電性シート、導電性樹脂等でもよい。また、第2の端子112の第1の端子111及び第3の端子113に対する接合方法は、圧接、圧入、溶接、熱可塑性、光硬化等でもよい。第5の端子122の第4の端子121及び第6の端子123に対する接合方法も、それと同様である。
図2は、比較例による電子部品接合基板の構成例を示す斜視図である。図2の端子201及び202は、それぞれ、図1(A)の端子部114及び124の代わりに設けられる。端子201及び端子202は、銅である。
図3は、電子部品接合基板をリフロー炉に通したときの電子部品端子の温度変化の実験結果を示すグラフである。リフロー炉は、電子部品接合基板の温度を徐々に上げ、その後、電子部品接合基板の温度を徐々に下げることにより、電子部品110の端子をプリント配線基板100にはんだ付けする。リフロー温度プロファイル301は、図1(A)の電子部品接合基板の第3の端子113の先端部の温度を示す。リフロー温度プロファイル302は、図2の電子部品接合基板の端子201の先端部の温度を示す。図1(A)の電子部品接合基板のリフロー温度プロファイル301の最高温度T1は、図2の電子部品接合基板のリフロー温度プロファイル302の最高温度T2より高い。温度T3は、はんだ131及び132の融点である。
まず、図2の電子部品接合基板のリフロー温度プロファイル302について説明する。図2の端子201及び202は、銅であり、熱伝導率が高い。電子部品110のサイズが大きくなると、電子部品110の熱容量が大きくなる。リフロー炉により端子201及び202が加熱されると、端子201及び202の熱は、端子201及び202に留まらず、電子部品110に吸収される。その結果、端子201及び202の最高温度T2は、高温にならない。最高温度T2は温度T3より低いため、はんだ131及び132が溶融せず、電子部品110の端子201及び202をプリント配線基板100に良好にはんだ付けすることができない。
次に、図1(A)の電子部品接合基板のリフロー温度プロファイル301について説明する。図1(A)の第2の端子112及び第5の端子122は、導電性接着剤であり、熱伝導率が低い。リフロー炉により第3の端子113及び第6の端子123が加熱されると、第3の端子113及び第6の端子123の熱は、第3の端子113及び第6の端子123に留まる。その結果、第3の端子113及び第6の端子123の最高温度T1は、高温になる。最高温度T1は温度T3より高いため、はんだ131及び132が溶融し、電子部品110の第3の端子113及び第6の端子123をプリント配線基板100に良好にはんだ付けすることができる。
図4(A)は、他の実施形態による電子部品接合基板の端子部114の構成例を示す斜視図である。以下、図4(A)が図1(B)と異なる点を説明する。端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113とを有する。第3の端子113は、網目状になっている。例えば、第3の端子113は、表面が網目状でもよいし、全体が銅線で網目状に編み込まれたものでもよい。なお、第3の端子113の先端部が網目状であればよい。第3の端子113は、表面が網目状であるので、はんだ吸取線の機能と同様に、毛細管現象により、はんだ131を吸い取り易くなり、はんだ付けが容易になる。第6の端子123も、第3の端子113と同様に、網目状になっている。
図4(B)は、さらに他の実施形態による電子部品接合基板の端子部114の構成例を示す斜視図である。以下、図4(B)が図1(B)と異なる点を説明する。端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113とを有する。第3の端子113は、パンチングメタル形状である。例えば、第3の端子113は、複数のパンチングメタルの貫通孔を有する。なお、第3の端子113は、複数のパンチングメタルの有底孔を有していてもよい。なお、第3の端子113の先端部がパンチングメタル形状であればよい。第3の端子113は、表面がパンチングメタル形状であるので、はんだ吸取線の機能と同様に、毛細管現象により、はんだ131を吸い取り易くなり、はんだ付けが容易になる。第6の端子123も、第3の端子113と同様に、パンチングメタル形状である。
図4(C)は、さらに他の実施形態による電子部品接合基板の端子部114の構成例を示す斜視図である。以下、図4(C)が図1(B)と異なる点を説明する。端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113とを有する。端子部114は、ブリッジ形状を有する。第1の端子111の上面は、第2の端子112の右端部の下面に接合される。第3の端子113の上面は、第2の端子112の左端部の下面に接合される。すなわち、第2の端子112の同じ側の面の一端部と他端部が、それぞれ、第1の端子111と第3の端子113に接合される。これにより、第1の端子111と第2の端子112の接合面積が広くなり、第2の端子112と第3の端子113の接合面積が広くなるので、接合強度が向上する。
なお、第4の端子121〜第6の端子123も、第1の端子111〜第3の端子113と同様である。すなわち、第5の端子122の同じ側の面の一端部と他端部が、それぞれ、第4の端子121と第6の端子123に接合される。
図4(D)は、さらに他の実施形態による電子部品接合基板の端子部114の構成例を示す斜視図である。以下、図4(D)が図1(B)と異なる点を説明する。端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113とを有する。端子部114は、重ね合わせ形状を有する。第1の端子111の下面は、第2の端子112の右端部の上面に接合される。第3の端子113の上面は、第2の端子112の左端部の下面に接合される。すなわち、第2の端子112の第1の面が第1の端子111に接合され、第2の端子112の第1の面とは反対側の第2の面が第3の端子113に接合される。これにより、第1の端子111と第2の端子112の接合面積が広くなり、第2の端子112と第3の端子113の接合面積が広くなるので、接合強度が向上する。
なお、第4の端子121〜第6の端子123も、第1の端子111〜第3の端子113と同様である。すなわち、第5の端子122の第1の面が第4の端子121に接合され、第5の端子122の第1の面とは反対側の第2の面が第6の端子123に接合される。
上記の複数の実施形態によれば、第2の端子112は、第1の端子111の部材と第3の端子113の部材よりも熱伝導率が低い部材である。また、第5の端子122は、第4の端子121の部材と第6の端子123の部材よりも熱伝導率が低い部材である。これにより、第3の端子113及び第6の端子123の放熱を低減し、第3の端子113及び第6の端子123をプリント配線基板100に良好に接合することができる。
図5(A)及び(B)は、さらに他の実施形態による電子部品接合基板の端子部114の構成例を示す斜視図である。図5(C)は、図5(B)の端子部114を垂直方向に切断した断面図である。以下、図5(B)が図1(B)と異なる点を説明する。端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113の他、心棒500を有する。心棒500は、端子部114の強度を向上させるために設けられる補強部材である。心棒500の材質は、例えば、エポキシ樹脂等のモールド材質、又はカーボン等である。第2の端子112の厚さ502は、例えば、約1mmである。
次に、図5(A)及び(B)を参照しながら、端子部114の製造方法を説明する。まず、図5(A)に示すように、薬剤又は腐食剤を用いて、エッチング処理により、第1の端子111及び第3の端子113にそれぞれ穴501を形成する。次に、第1の端子111の穴501に心棒500の右端部を挿入する。次に、心棒500の中央部を覆うように、第1の端子111に対して第2の端子112を接合する。次に、心棒500の左端部を第3の端子113の穴501に挿入し、図5(B)に示すように、第3の端子113に対して第2の端子112を接合する。なお、穴501は、エッチング処理の特性により、深いほど直径が短くなる。心棒500の右端部及び左端部は、穴501の形状に合わせ、先端が細いことが好ましい。
なお、上記の製造工程の順序は、限定されない。以下、他の製造方法の例を説明する。まず、第1の端子111及び第3の端子113にそれぞれ穴501を形成する。次に、第3の端子113の穴501に心棒500の左端部を挿入する。次に、第1の端子111に第2の端子112を接合する。次に、心棒500の右端部を、第2の端子112を貫通させ、第1の端子111の穴501に挿入し、第2の端子112に対して第3の端子113を接合する。
図5(B)に示すように、端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113と、心棒500とを有する。第1の端子111は、第2の端子112に対向する面に設けられる穴501を有する。第3の端子113は、第2の端子112に対向する面に設けられる穴501を有する。心棒500は、第2の端子112を貫通し、第1の端子111の穴501及び第3の端子113の穴501の中に設けられる。
なお、図1(A)の端子部124は、上記の端子部114と同様の構成を有する。端子部124は、第4の端子121と、第5の端子122と、第6の端子123と、心棒500とを有する。第4の端子121は、第5の端子122に対向する面に設けられる穴501を有する。第6の端子123は、第5の端子122に対向する面に設けられる穴501を有する。心棒500は、第5の端子122を貫通し、第4の端子121の穴501及び第6の端子123の穴501の中に設けられる。
次に、図6(A)〜(C)を参照しながら、心棒500を設けることによる効果を説明する。図6(A)は、心棒500がない場合の電子部品接合基板の製造工程を示す斜視図であり、端子部114及び124が接続された電子部品110をプリント配線基板100にはんだ付けする前の状態を示す。部品吸引ノズル601は、電子部品110の上面を吸引し、端子部114及び124が接続された電子部品110をプリント配線基板100の上に移動させる。第2の端子112は、第1の端子111及び第3の端子113よりも軟らかく、第5の端子122は、第4の端子121及び第6の端子123よりも軟らかい場合がある。心棒500がない場合、第3の端子113の重さにより、第2の端子112が伸びて変形したり、第2の端子112が第1の端子111又は第3の端子113との接合面で破断することがある。同様に、第6の端子123の重さにより、第5の端子122が伸びて変形したり、第5の端子122が第4の端子121又は第6の端子123との接合面で破断することがある。第2の端子112が変形すると、図1(A)の導電部101に対する第3の端子113の位置がずれ、第3の端子113を導電部101に良好にはんだ付けできない場合がある。第5の端子122の変形も同様である。
また、図6(B)に示すように、第2の端子112は、第1の端子111の接合面に対して、下方向にずれ、その接合面の導電性が低くなってしまうことがある。また、図6(C)に示すように、第3の端子113は、第2の端子112の接合面に対して、下方向にずれ、その接合面の導電性が低くなってしまうことがある。第5の端子122のずれも同様である。
心棒500は、第3の端子113の重さに耐えられる材質であり、端子部114の通電性及び第2の端子112の機能を害さない材質が好ましい。心棒500を設けることにより、第2の端子112の変形、破断及びずれを防止することができる。また、第2の端子112が固い場合、心棒500を設けることにより、第1の端子111と第2の端子112との接合面にかかる力及び第2の端子112と第3の端子113との接合面にかかる力が小さくなり、第2の端子112の破断を防止できる。心棒500は、第3の端子113の重さによる応力に対する端子部114の強度を向上させることができる。端子部124も、端子部114と同様である。
図7(A)及び(B)は、さらに他の実施形態による電子部品接合基板の端子部114の構成例を示す斜視図である。図7(C)は、図7(B)の端子部114を垂直方向に切断した断面図である。以下、図7(B)が図5(B)と異なる点を説明する。端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113の他、2本の心棒500を有する。なお、心棒500は、3本以上でもよい。心棒500は、端子部114の強度を向上させるために設けられる補強部材であり、例えば、エポキシ樹脂等のモールド材質、又はカーボン等である。
次に、図7(A)及び(B)を参照しながら、端子部114の製造方法を説明する。まず、図7(A)に示すように、エッチング処理により、第1の端子111及び第3の端子113にそれぞれ2個の穴501を形成する。次に、第1の端子111の2個の穴501に2本の心棒500の右端部をそれぞれ挿入する。次に、2本の心棒500の中央部を覆うように、第1の端子111に対して第2の端子112を接合する。次に、2本の心棒500の左端部を第3の端子113の2個の穴501にそれぞれ挿入し、図7(B)に示すように、第3の端子113に対して第2の端子112を接合する。なお、心棒500は、円柱形状でもよいし、先端が細い形状でもよい。
なお、上記の製造工程の順序は、限定されない。以下、他の製造方法の例を説明する。まず、第1の端子111及び第3の端子113にそれぞれ2個の穴501を形成する。次に、第3の端子113の2個の穴501に2本の心棒500の左端部をそれぞれ挿入する。次に、第1の端子111に第2の端子112を接合する。次に、2本の心棒500の右端部を、第2の端子112を貫通させ、第1の端子111の2個の穴501にそれぞれ挿入し、第2の端子112に対して第3の端子113を接合する。
図7(B)に示すように、端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113と、複数の心棒500とを有する。第1の端子111は、第2の端子112に対向する面に設けられる複数の穴501を有する。第3の端子113は、第2の端子112に対向する面に設けられる複数の穴501を有する。複数の心棒500は、各々が、第2の端子112を貫通し、第1の端子111の複数の穴501及び第3の端子113の複数の穴501の中にそれぞれ設けられる。
なお、図1(A)の端子部124は、上記の端子部114と同様の構成を有する。端子部124は、第4の端子121と、第5の端子122と、第6の端子123と、複数の心棒500とを有する。第4の端子121は、第5の端子122に対向する面に設けられる複数の穴501を有する。第6の端子123は、第5の端子122に対向する面に設けられる複数の穴501を有する。複数の心棒500は、各々が、第5の端子122を貫通し、第4の端子121の複数の穴501及び第6の端子123の複数の穴501の中にそれぞれ設けられる。
図8(A)〜(E)は、図5(B)の端子部114の他の製造方法を示す図である。まず、図8(A)に示すように、銅の端子板801を準備する。次に、薬剤又は腐食剤を用いたエッチング処理により、端子板801の上面に複数の穴501を形成する。なお、穴501は、ガス分子をイオン化し、イオン化したガス分子を端子板801の上面の穴部に衝突させることにより、複数の穴501を形成してもよい。次に、ダイシングソー802により、端子板801の点線部805を切断することにより、穴501を有する第1の端子111と、穴501を有する第3の端子113を形成する。なお、ダイシングソー802の代わりに、カッターを用いてもよい。
次に、図8(B)に示すように、第3の端子113の向きを変え、第3の端子113の穴501に心棒500の左端部を挿入する。なお、心棒500は、エポキシ樹脂等のモールド材質、又はカーボン等を金型製造又は圧接等することにより形成する。次に、図8(C)に示すように、心棒500の右端部を第1の端子111の穴501に挿入する。
次に、図8(D)に示すように、型枠803の中に、心棒500が挿入された第1の端子111及び第3の端子113を設置する。次に、第1の端子111と第3の端子113の間の空間に、導電性接着剤等の第2の端子112の材料804を流し込む。図8(E)に示すように、第2の端子112は、第1の端子111と第3の端子113の間で固化する。その後、図8(E)の型枠803から、端子部114を取り出す。
なお、図8(A)のダイシングソー802による切断は、図8(A)の工程で行う代わりに、図8(E)の工程の後に行ってもよい。また、端子部124も、端子部114と同様に製造することができる。
図9(A)〜(C)は、図5(B)の端子部114のさらに他の製造方法を示す図である。心棒500は、インジェクション成形により形成される。まず、図9(A)に示すように、穴501を有する第1の端子111と、穴501を有する第3の端子113と、金型901を準備する。第1の端子111及び第3の端子113に穴501を形成する方法は、上記と同じである。金型901は、心棒500の中央部を形成するための貫通孔902と、貫通孔902に心棒500の材料を注入するための微細な注入口903とを有する。
次に、図9(B)に示すように、第1の端子111と第3の端子113の間に、金型901を設置する。2個の穴501及び貫通孔902は、心棒500の形状に対応する金型である。次に、注入口903から貫通孔902及び2個の穴501の中に、樹脂等の心棒500の材料を高圧で注入する。その後、貫通孔902及び2個の穴501の中の心棒500が固化する。次に、図9(B)の金型901を、図9(C)の2個の金型901a及び901bに分割し、心棒500を露出させる。これにより、心棒500により接続された第1の端子111及び第3の端子113が形成される。その後、上記の図8(D)及び(E)の工程により、第2の端子112を形成し、端子部114を完成させる。なお、端子部124も、端子部114と同様に製造することができる。
図10(A)〜(D)は、さらに他の実施形態による電子部品接合基板の端子部114の製造方法を示す図である。図10(A)〜(D)の工程の前に、図8(A)の工程により、端子板801の上面に複数の穴501を形成する。次に、ダイシングソー802により、複数の穴501の中心を通る線803で、端子板801を垂直方向に切断することにより、図10(A)に示すように、複数の凹部1002を有する端子板1001が形成される。端子板1001は、図8(A)の端子板801の半分である。凹部1002は、図8(A)の穴501の半分である。次に、ダイシングソー802により、端子板1001の点線部を切断することにより、凹部1002を有する第1の端子111と、凹部1002を有する第3の端子113を形成する。
次に、図10(B)に示すように、凹部1002を有する第1の端子111と、凹部1002を有する第3の端子113を所定の間隔で設置する。次に、心棒500を、第1の端子111の凹部1002と第3の端子113の凹部1002の中に接着する。心棒500の右端部は、第1の端子111の凹部1002の中に設けられ、心棒500の左端部は、第3の端子113の凹部1002の中に設けられる。次に、図8(D)及び(E)の工程と同様に、第1の端子111と第3の端子113の間に第2の端子112を形成する。なお、この工程では、第1の端子111及び第3の端子113の凹部1002が設けられている面を下にして、第2の端子112の材料を流し込むことが好ましい。心棒500は、第2の端子112の貫通孔又は凹部に設けられる。
なお、図10(B)の工程の代わりに、図10(C)の工程を行ってもよい。図10(C)のように、凹部1002を有する第1の端子111と凹部1002を有する第3の端子113との間に、第2の端子112を形成する。次に、心棒500を、第1の端子111の凹部1002と、第2の端子112の凹部と、第3の端子113の凹部1002の中に接着する。
次に、図10(D)に示すように、図10(B)又は(C)の第1の端子111及び第3の端子113の凹部1002が設けられている面を下にして、端子部114をプリント配線基板100の上に配置する。心棒500は、端子部114の下面からはみ出さない。
なお、端子部114は、心棒500が設けられている面を上面にし、心棒500が設けられていない面をプリント配線基板100に接触させることも可能である。しかし、図10(D)に示すように、端子部114の心棒500が設けられている面をその下のプリント配線基板100に接触させることが好ましい。この場合、心棒500は、第1の端子111と第2の端子112と第3の端子113の重力を下から支えることができるので、第2の端子112の変形、破断及びずれを効果的に防止することができる。
以上のように、端子部114は、第1の端子111と、第2の端子112と、第3の端子113と、心棒500を有する。第1の端子111は、プリント配線基板100に対向する面に設けられる凹部1002を有する。第3の端子113は、プリント配線基板100に対向する面に設けられる凹部1002を有する。心棒500は、第2の端子112を介して、第1の端子111の凹部1002及び第3の端子113の凹部1002の中に設けられる。心棒500は、第2の端子112の貫通孔又は凹部に設けられる。
同様に、端子部124は、第4の端子121と、第5の端子122と、第6の端子123と、心棒500を有する。第4の端子121は、プリント配線基板100に対向する面に設けられる凹部1002を有する。第6の端子123は、プリント配線基板100に対向する面に設けられる凹部1002を有する。心棒500は、第5の端子122を介して、第4の端子121の凹部1002及び第6の端子123の凹部1002の中に設けられる。心棒500は、第5の端子122の貫通孔又は凹部に設けられる。
図5(A)〜図10(D)のように、心棒500は、第1の端子111と第2の端子112と第3の端子113を接続し、端子部114の強度を向上させることができる。同様に、他の心棒500は、第4の端子121と第5の端子122と第6の端子123を接続し、端子部124の強度を向上させることができる。心棒500を設けることにより、第2の端子112及び第5の端子122の変形、破断及びずれを防止することができ、高精度の端子部114及び124を形成し、はんだ付けの品質を向上させることができる。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。