JP6898198B2 - 透過カバー - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されているように、アダプティブクルーズコントロールに用いられ、電波を透過可能な透過カバーとしてのエンブレムが知られている。このエンブレムでは、電波の方向を補正する補正具が用いられている。
透過カバーは、透明部材(20)、基材(40)、基材凸部(50、350)、係合部(60、260、360)、係合延長部(70)および取付部(80)を備える。
透明部材は、樹脂で形成されており、電波または光を透過可能である。
基材は、樹脂で形成されており、透明部材よりも車両の内側に形成されている。
係合部は、開口部を介して、基材凸部と係合可能である。
係合延長部は、係合部から基材凸部に沿って延びており、係合部とで基材凸部を挟むように形成されている。
取付部は、基材とは別体であり、係合延長部から車両の外側から内側に向かって延びており、車両に取り付け可能である。
車両1の前進方向を「前」とする。車両1の後退方向を「後」とする。前進方向から見て上側を「上」とする。前進方向から見て下側を「下」とする。上下方向は、車高方向と同一である。前進方向から見て右側を「右」とする。前進方向から見て左側を「左」とする。左右方向は、車幅方向と同一である。
フロントグリル2は、車両1の前部に設けられ、ヘッドライト4の間に設けられている。フロントグリル2は、外部から車両1のエンジンルームに空気を導入可能である。
レーダ装置5は、フロントグリル2の後側に設けられており、ミリ波等の電波または赤外線等の光を送受信可能である。
レーダ装置5が電波または光を送信、すなわち、照射したとき、送信された電波または光が透過カバー11を透過する。前方の車両等の目標から反射された電波または光をレーダ装置5は受信する。図において、レーダ装置5による電波または光の照射範囲Arが明確となるように、電波または光の照射範囲Arを斜線のハッチングで記載する。レーダ装置5が電波または光を照射する面をレーダ照射面6とする。レーダ照射面6は、レーダ装置5の前側に位置する。
車両1から目標までの距離は、適当な変調が与えられた送信信号の振幅、周波数または位相と受信信号との相関から抽出される送受間の時間差によって、測定される。
車両1から目標までの角度は、電波または光の送受信を限られた方位に限定し、電波または光を走査することによって、測定される。
車両1から目標までの相対速度は、ドップラ効果により反射された電波または光に生じる周波数偏移を抽出することによって、測定される。
図3に示すように、透過カバー11は、透明部材20、意匠層30および基材40を備える。断面図において、透明部材20の所在を明確にするため、透明部材20を白色で記載している。
また、透明部材20は、樹脂で形成されている。透明部材20に用いられる樹脂は、例えば、ポリカーボネートまたはアクリルである。
意匠層30は、透明部材20と基材40との間に設けられている。意匠層30は、形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせる。
意匠層30は、例えば、金属蒸着により形成されている。意匠層30は、例えば、「SR」と記載されている。
また、基材40は、樹脂で形成されている。基材40に用いられる樹脂は、例えば、AESである。AESは、アクリルニトリル・エチレン-プロピレン-ジエン・スチレンの略である。
特許文献1に記載されているように、アダプティブクルーズコントロールに用いられ、電波を透過可能な透過カバーとしてのエンブレムが知られている。このエンブレムでは、電波の方向を補正する補正具が用いられている。
レーダ装置の性能を確保するため、透過カバーが車両に取り付けられる位置または傾きは、高い精度が求められる。特許文献1の構成および方法では、電波の方向が補正されるが、複数の補正具に対して測定する必要がある。このため、作業工数が増大する。
そこで、本実施形態の透過カバーは、簡易な構成で、車両に取り付けやすく、電波または光の方向を補正しやすくする。
係合部60、係合延長部70および取付部80は、樹脂で一体に形成されており、基材40および基材凸部50とは別体である。
基材凸部50は、基材40と同様の樹脂で形成されており、基材40と一体に形成されている。また、基材凸部50は、上下方向に外部と連通する空間57が形成されている。
基材凸部50は、複数の開口部および傾斜部53を有する。一方の開口部を第1開口部51とする。他方の開口部を第2開口部52とする。
第2開口部52は、基材凸部50の下側に形成されており、下方を向いて、開口している。
傾斜部53は、車両1に対して内側の基材凸部50の部位、すなわち、基材凸部50の後側の部位であり、上下方向に対して傾斜している。傾斜部53は、第1開口部51の大きさが第2開口部52の大きさよりも大きくなるように、傾斜している。
また、係合部60は、爪部61を2つ有する。
爪部61は、基材凸部50に係合可能である。基材凸部50、係合部60および爪部61の断面図において、各部位を明確にするため、基材凸部50、係合部60および爪部61を拡大して記載している。
爪接触部63は、凸部内側延長部54の外面と接触し、爪部61と基材凸部50とは、係合する。
Le≦Lo2<La≦Lo1 ・・・(1)
係合延長部70は、L字形状の断面を有し、係合部60とで基材凸部50を挟んでいる。係合延長部70は、第1延長部71および第2延長部72を有する。
第2延長部72は、係合部60とは反対側の第1延長部71の端部から下方に延びている。第2延長部72は、傾斜部53に沿って、傾斜している。
また、第2延長部72は、前後方向に連通する第2延長部穴73を含む。
取付部80は、例えば、フロントグリル2に取り付けられている。取付部80とフロントグリル2とは、取付部穴83および第2延長部穴73を介して、ねじまたはボルト等により、嵌合されている。取付部80とフロントグリル2とは、爪等により、係合されてもよい。
また、係合部60は、爪部61を有する。爪部61により、取付部80は、基材凸部50から脱落しにくくり、透過カバー11は、車両1から脱落しにくくなる。
図6に示すように、係合部60とともに爪部61が基材凸部50内に挿入されるとき、爪延長部62がたわむ。これにより、爪接触部63が第2開口部52を通過しやすくなる。図において、爪延長部62のたわみを誇張して記載している。
第2実施形態では、係合部の爪部の形態を除き、第1実施形態と同様である。
図7に示すように、第2実施形態の透過カバー12における係合部260は、爪部261を1つ有する。
爪延長部262は、板状に形成されており、係合部260の端面69から第2開口部52に向かって延びている。
また、爪延長部262は、小延長部264および大延長部265が形成されている。
小延長部264は、係合部260に接続されている。
大延長部265は、小延長部264の端部に接続されている。大延長部265は、小延長部264よりも幅が大きく形成されている爪延長部262の部位である。
爪接触部263は、基材凸部延長部59と接触している。
小延長部264の厚みを小延長部厚みTsとする。大延長部265の厚みを大延長部厚みTbとする。爪接触部263の厚みを爪接触部厚みTaとする。
爪延長部262および爪接触部263は、以下関係式(2)を満たすように、形成されている。
Ts≦Tb<Ta ・・・(2)
図9に示すように、小延長部厚みTsが大延長部厚みTbおよび爪接触部厚みTaよりも小さいため、爪延長部262の厚み方向に対して、小延長部264がたわみやすくなる。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
第3実施形態では、基材凸部および係合部の形態を除き、第1実施形態と同様である。
図10に示すように、第3実施形態の透過カバー13における基材凸部350は、有底筒状に形成されている。
図11に示すように、基材凸部350は、第1開口部351、第2開口部352および第3開口部353を有する。第3実施形態では、基材凸部350は、3つの開口部を有する。
第2開口部352は、第1開口部351に隣接する部位に形成されている。第2開口部352は、基材凸部350の左側に形成されており、左方を向いて、開口している。
第3開口部353は、第1開口部351に隣接し、かつ、第2開口部352に対向する部位に形成されている。第3開口部353は、基材凸部350の右側に形成されており、右方を向いて、開口している。
係合部360は、大部365、小部366および2つの爪部361を有する。
大部365は、小部366よりも大きい係合部360の部位である。
大部365は、第1開口部351を介して係合部360が基材凸部350に挿入されたとき、第1開口部351とは反対側に位置する。
小部366は、第1開口部351を介して係合部360が基材凸部350に挿入されたとき、第1開口部351側に位置する。
爪部361は、爪延長部362および爪接触部363を含む。
爪延長部362は、大部365から小部366に向かって延びている。爪延長部362と小部366との間には、空間367が形成されている。また、爪延長部362は、爪延長部距離Leが第1開口部長さLo1以下となるように、形成されている。第3実施形態では、爪延長部距離Leと第1開口部長さLo1とは、等しくなっている。
爪接触部363は、第1開口部351を介して係合部360が基材凸部350に挿入されたとき、第2開口部352および第3開口部353を介して、基材凸部350と接触する。爪延長部362は、爪延長部幅Weが爪接触部幅Waよりも小さくなるように、形成されている。爪接触部363は、爪接触部距離Laが第1開口部長さLo1よりも大きくなるように、形成されている。
係合部360とともに爪部361が基材凸部350内に挿入されるとき、爪延長部362が幅方向にたわみ、爪接触部363が第1開口部351および基材凸部350内を通過しやすくなる。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(i)係合部、係合延長部および取付部は、金属等で一体に形成されてもよい。
(ii)透過カバーは、車両の前部に限定されず、車両の側部または車両の後部に設けられてもよい。
(iii)図13に示すように、取付部80は、透過カバー11が車両1に取り付けられる位置または傾きに応じて、形成されている。取付部80により、透過カバー11が車両1に取り付けられる位置または傾きに影響を受けないで、透過カバー11と車両1とが取り付けやすくなる。
(v)図15に示すように、爪部61の爪延長部62は、爪延長部62の幅が小さくなるような溝67を含んでもよい。溝67によって、爪延長部62は、よりたわみやすくなる。
(vii)図17に示すように、爪接触部263は、傾斜部53の端面55に接触してもよい。
(viii)第3実施形態において、第2開口部および第3開口部の2つの開口部が形成されることに限定されず、第2開口部または第3開口部のいずれか1つが形成されてもよい。
図18に示すように、基材凸部350は、第1凸部溝356および第2凸部溝357を有する。
第1凸部溝356は、基材凸部350の内側であって、基材凸部350の左側に形成されている。
第2凸部溝357は、基材凸部350の内側であって、基材凸部350の右側に形成されている。
以上、本開示はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
20 ・・・透明部材、
40 ・・・基材、
50、350 ・・・基材凸部、
51、351 ・・・第1開口部、
52、352 ・・・第2開口部、
53、353 ・・・第3開口部、
60、260、360 ・・・係合部、
70 ・・・係合延長部、
80 ・・・取付部。
Claims (5)
- 車両(1)に設けられる透過カバーであって、
樹脂で形成されており、電波または光を透過可能な透明部材(20)と、
樹脂で形成されており、前記透明部材よりも前記車両の内側に形成されている基材(40)と、
前記透明部材とは反対側に向かって前記基材から延びており、開口部(51、52、351、352、353)を有する基材凸部(50、350)と、
前記開口部を介して、前記基材凸部と係合可能な係合部(60、260、360)と、
前記係合部から前記基材凸部に沿って延びており、前記係合部とで前記基材凸部を挟むように形成されている係合延長部(70)と、
前記基材とは別体であり、前記係合延長部から前記車両の外側から内側に向かって延びており、前記車両に取り付け可能な取付部(80)と、
を備える透過カバー。 - 前記係合部、前記係合延長部および前記取付部は、一体になって形成されている請求項1に記載の透過カバー。
- 前記係合部に設けられており、前記基材凸部に係合可能な爪部(61、261、361)をさらに備える請求項1または2に記載の透過カバー。
- 前記基材凸部は、2つの前記開口部を有し、
一方の前記開口部を第1開口部(51、351)とし、他方の前記開口部を第2開口部(52、352)とすると、
前記第1開口部を介して、前記基材凸部および前記係合部が係合し、
前記第2開口部を介して、前記基材凸部および前記爪部が係合する請求項3に記載の透過カバー。 - 前記基材凸部は、前記車両に対して内側に設けられる傾斜部(53)または平坦部(56)を有し、
前記係合延長部は、前記傾斜部または平坦部に沿ってのびている請求項1から4のいずれか一項に記載の透過カバー。
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